おっちゃんのスタジオ用語(は行〜わ行) おっちゃんが参加した録音の様子をご紹介している「おっちゃんの仕事場探検」などの中で分からない用語があったら、以下をスクロールしていただくか、トップページにある目次の中から気になる用語をクリックしてみてください。一応、おっちゃんにはできるだけ分かりやすく解説してもらったつもりですが、それでも分かりにくい場合や他に知りたい用語などありましたら「メール」「Web Clap」などにてお気軽にご連絡ください♪ |
打楽器のことです。打楽器というと非常に範囲が広く、その種類も無限大に多いような面がありますよね。でも、スタジオで「パーカッション」という場合は、ドラムや和楽器は含まないことが多く、クラシックパーカッション・ラテンパーカッション・エスニックパーカッションという風に分けることもあります。和太鼓やチャンチキなどは、「和楽器」として別に扱われることが多いようです。 別項「エスニックパーカッション」の欄も参照してください。 |
コンサートや催し物の会場など、マイクやスピーカーを使うところで「キ〜〜〜ン」というすごいノイズを経験されたことのある方は少なくないと思いますが、あれがハウリングです。 |
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エジソンが初めて録音したのは蝋管だったと思いますが、テープレコーダーが発明されて以来、磁気テープに録音する時代はかなり長く続きました。それが今や(2003年現在)プロのスタジオの現場では、ハードディスク録音に取って変わられようとしています。 |
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正しくは(?)日本薄謝協会です。今はそうでもないのですが、昔はNHKのギャラが他の民間の放送局やレコード会社に比べて安かったので、「Nihon Hakusha Kyoukai」などとふざけて云っていたのが定着した様です。でも、最近のミュージシャンは、あまり使わないみたいですね。 正しくは(?)日本薄謝協会です。今はそうでもないのですが、昔はNHKのギャラが他の民間の放送局やレコード会社に比べて安かったので、「Nihon Hakusha Kyoukai」などとふざけて言っていたのが定着した様です。でも、最近のミュージシャンは、あまり使わないみたいですね。 |
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主にテレビスタジオやステージだと思いますが、立ち位置や譜面台の位置などを決めると、そこに小さく切ったビニールテープを十文字に貼るのですが、そのテープを貼ることを、バミる(ラ行5段活用動詞?)と言っているようです。 語源などは分かりません。「場見る」とかから来ているのではないのかと勝手に想像していますが、実際はどうなのでしょうか。思ったより古くから使われているようですので、元はお芝居の関係だったのかも知れませんね。「位置が決まったらバミっといてね〜」といった感じで言っているようです。 |
スタジオ用語というわけではありません。アメリカのハモンド社で作られたオルガンで、日本で使われるようになったのは戦後だと思いますが、実際にはもっと早くから存在したのだろうと思われます。 この楽器を早くから取り上げて使ってらっしゃったのは、故・古関裕而さんでした。戦後間もなく放送されていた「鐘の鳴る丘」「君の名は」などというラジオドラマでよくこのハモンドオルガンの音が流れていて、当時はとても耳新しく感じられたものでした。 |
映画のフィルムに音楽やセリフなどをダビングをする際に、出だしの場所がわかるようにフィルムに印を付けるのですが(「デルマ」の項を参照)、音が出る1秒…つまり24コマ前、あるいは更にもう24コマ前などに、フィルムに孔を空けることがよくありました。この孔を「パンチ」と言ってました。 今では、ビデオやデジタル映像になってしまい、スタジオでフィルムをかけることもなくなってしまったので、このパンチにお目にかかることもなくなってしまいました。 |
いったん録音したものを何らかの理由で直すことが必要になった場合に、あるパートだけを差し替えることがあります。このときの手順としては、スタジオのアシスタントさんが直しの必要な箇所の数小節前からプレイバックして、その問題の場所の直前で録音ボタンを押し、新たな演奏分を重ねることになります。この録音ボタンを押すことを「パンチイン」といい、録音ボタンを解除することを「パンチアウト」といいます。 アシスタントさんは、そのためには、ある程度は楽譜が理解できる必要がありますし、絶妙のタイミングでボタンを操作するには、リズム感も良くないとできないと思います。この一連の作業は、スタジオのアシスタントさんのウデの見せどころですね。 |
マーチやワルツなどの曲で、前奏や間奏からメロディに入る直前に「ブンチャ・ブンチャ」という感じのリズムだけの部分がよくありますが、あれがバンプです。多分に擬声語的な感じがしますが、真偽のほどは定かではありません。 |
コンサート会場などに、聴衆の方に向けて設置しているスピーカーのことを「ピーエー」と言います。それに対して、同じスピーカーでも、演奏者が自分達の音を聴くために置いてあるスピーカーは「モニター」と言っています。PAは「pablic address」の略です |
映画やドラマなどの劇伴音楽を作曲する場合に、実際に映像を見ながら、その場面の長さや雰囲気にピッタリと合わせて作曲することを言います。 |
スタジオ用語というわけではありませんが、よく使われます。フェイク(fake)とは、辞書によると「ごまかし」「いんちき」などネガティブな意味があるようですが、俗語表現として「見かけよくこさえあげる」というのもあって、この場合はこれに近いと思います。 |
かつてはボリュームやその他の調整は、丸いつまみを回すことで行われていたのですが、ある時期から、それを上下にスライドさせる形へと変わってきました。この上下式の利点は、ボリュームや音質などの状態が視覚的にとらえられる点で、丸いつまみは急速に姿を消していきました。フェ−ダーと云うのは、この上下スライド式のスイッチ(?)のことなのです。 |
もともとは画面を徐々に暗くしていって、ついには完全に暗黒に到るという、映画の手法だったと思われます。録音スタジオでフェードアウトという場合は、エンディングを音楽的にはっきり決めるのではなくて、徐々にボリュームを絞りこんでいくという手法です。 |
上記のフェードアウトの逆で、完全に絞り込んだ状態から、徐々にフェーダーを上げていくことをいうのですが、「fade」という単語の元の意味(衰える・しぼむなど)から考えると奇妙な感じもしますね。でも、国内の現場ではよく使われています。 |
フォーリズムというと、ドラムス・ベース・ギター・ピアノ…の、普段は「リズム隊」とか「リズムセクション」などと呼ばれる4つの楽器を指すことになっています。これに、ラテンパーカッションや、もうひとつギターが加わって「ファイブリズム」などとも言いますが、それ以上は言わないようです。「リズム隊」の項も参考にしてみてくださいね。 |
もとは「小屋」とか「屋台」というような意味らしいですが、スタジオでいうブースは少し意味合いが違います。同じスタジオの中でも、メインのフロアとは別に区切られた小さい部屋という感じでしょうか。普通は真ん中の広いスペースに弦楽器のセクションがいて、それ以外の楽器は、それぞれのブースに入っていることが多いです。 同じ部屋にフルートや生ギターのような音の小さい楽器と、トランペットやトロンボーンみたい大きな音がする楽器がいたりすると、フルートのマイクにもトランペットの音が入ってしまって、フルートの音がほとんど録れないということになってしまいます(「回り込み」の項を参照)。それを避けるために、ブースで区切って隔離するわけです。で、お互いの音が聴き合えないと演奏ができないし、意思の疎通もできないので、イヤフォンやヘッドフォンを使います。スタジオの仕事ではイヤフォンの類は必須になっています。 |
スタジオは、大きく2つの部分に分かれます。1つは、演技や演奏などをするスペースで、もう1つは音を調整やバランスを取ったりする部屋です。その、音の調整などをする部屋のことを「副調室」と言っています。多分、副調整室の略だと思うのですが、なぜ「副」なのかは分かりません、昔からそう呼ばれているようです。 で、これら2つのスペースは、大きなガラス(音が漏れないように2重になっている)で隔てられているところから、「金魚鉢」などと呼ぶようになったみたいです。最近ではコントロールルームと言う方が多いかも知れません。 |
録音スタジオも色々あって、テレビ局や放送局のスタジオ、レコード会社のスタジオ、どこにも所属していないレンタルスタジオ等ですが、それ以外にも、最近とても増えているのが、作曲家さんやプロダクションが自分達の仕事をするために持っている小さなスタジオです。 プライベートスタジオという場合は、そういう小規模なスタジオを指すことが多く、マンションの一室でやっているようなのが多いようです。中にはかなり本格的なスタジオもありますが、主に打ち込みや電気楽器のダビング、トラックダウンなどをやっていることが多いようです。生楽器用のブースを備えているところもありますが、ほとんど例外なく小さくて、さながらトイレか公衆電話のブースでやっているようなおもむきがあるところが多いです。 |
委託版CDのことです。別項「 委託版CD」の欄を参照してください。 |
ブラスとは「brass」というスペルで本来の意味は「真鍮」ですが、音楽関係では「brass instrument」=「金管楽器」のことを指します。まあ、必ずしも真鍮製とは限らないのですが、金属製のフルートも「木管楽器」と呼ぶのと同じようなものでしょう。ですから、普通はブラス…つまり金管楽器と言えば、トランペット・トロンボーン・ホルン・チューバを指すのですが、スタジオ関係でブラスというと、トランペットとトロンボーン、それにチューバ(もし編成に入っていれば)を指すことが多く、なぜかホルンは別になっています。 |
この場合の「フリー」は「時間の制限がない」という意味になります。最近のコマーシャルの音楽は、適当にBGM風に流して、曲の途中で平気で切ったりしていますが、昔は必ずその時間内…つまり、60秒、30秒という決められた時間内で完結するようになっていて、作曲家さんたちは色々と苦労していました。 それに対して、店頭で流すなどの目的で、時間に関係なく、普通の曲のように2〜3分の長さのものを録ることがあって、それを「フリーサイズ」と言っていました。 |
プリプロダクション(Pre−production)の略です。映画などの制作においては撮影前の作業すべてを指すようですが、CMなどの録音現場では本番の録音に先立って作曲家やアレンジャーがスポンサーやディレクターに聴いてもらうために作った仮のものをいうようです。 |
歌を1曲まるごと…ということでしょうか。この場合の「コーラス」とは、別項「サビ」にもありますが、歌の1番とか2番の「番」に当たり、フル編成のオケの項にある「コーラス」とは意味合いが違います。フルコーラスということは、その全曲ということになります。 |
「テレビサイズ」を参照してください。 |
「オケ」は、もちろんオーケストラのことですが、スタジオ関係で「フル編成」といっても普通のオーケストラの場合とはかなり違います。特に基準があるわけではありませんが、通常ですと、弦が「86442(‘弦の編成を表す数字’の項を参照)」に、ブラスはトランペットとトロンボーンが各3〜4人で、ホルンが4人、木管はフルート・オーボエ・クラリネット・ファゴットが、少なくとも各1人以上、ラテンパーカッション・クラシックパーカッションは各若干名、ハープにリズム隊(別項「リズム隊」を参照)という感じでしょうか。 昔だと、サックス隊(アルト2・テナー2・バリトン)が加わっていたのですが、最近はサックスセクションはあまり入らないようです。ちなみに、スタジオではたとえ4〜5人の編成であっても「オケ」と言ってます。ただし、「オーケストラ」とは言わないようです。同様に、たった2〜3人でも「コーラス」ということが多いです。 |
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録音したものを再生するのが、プレイバックです。スタジオでは、譜面のチェックを兼ねて2〜3回ほど演奏したあとにテスト録音をして、それをプレイバックして色々と検討をします。その後、本番の録音をして「OK」が出たら、最後に確認を兼ねて、もう一度プレイバックします。もっとも、劇伴の場合におけるプレイバックは、よほどのことがない限りは最初の1曲だけで、それ以外は省略することが多いです。 |
特にスタジオ用語というわけではありません。要するに「フレーズの区切り方」ということですね。歌詞の付いているメロディだと、その歌詞の意味によっておのずと区切る場所は決まってくるし、元もと歌詞の付いていたメロディを楽器でやる場合なども、それを参考にしてフレーズを区切ることができます。 ただ、ほんとの器楽曲の場合は、解釈によって何通りもの区切り方が考えられることはよくあります。また、楽器によっても事情は違ってくることが考えられます。たとえば、管楽器は息の続く時間に限りがあるので嫌でもフレージングを考えなくてはいけないし、ヴァイオリンなどの弦楽器の場合も、ボーイングの都合で区切り方が変わってくるはずですしね。 逆にいえば、管楽器や弦楽器の方がフレージングに敏感だといえるかも知れませんね。息をしなくてもいい楽器の奏者は、ともすれば全く区切りのない演奏をしてしまうこともありうるのですが、これは聴いている方が息がつまりそうになってしまうのです。楽譜上は休止符がなくても、また、いくら息が続いたとしても、適切な個所での切れ目を入れるというのは、とても大事なことなのです。 |
「Head Arrange」というのが英語なのか和製英語なのか、不覚にして定かでないのですが、「ヘッドをアレンジする」のではなくて「ヘッドでアレンジする」ことです。つまり、普通アレンジというのは、楽譜に音符を書くのが当たり前ですが、ジャズやポップスの分野では、いちいち譜面に書かずに、大まかなメモみたいなものを全員に配って、リーダーの指示や、皆で話し合いながら、曲を作り上げていくことがよくあります。この、楽譜にあまり依存しないアレンジのことをヘッドアレンジといいます。 劇伴の分野でヘッドアレンジを実践しておられたのは、故・山本直純さんでしょうか。直純さんの仕事に行くと、完成された楽譜は少なくて、「Cメロ」と言われるメロディにコードネームを振った楽譜しかないことが多かったです。で、ドラマのシーンに合わせて、このCメロを元に、口頭で諸々の指示を出して演奏させる…というスタイルなので、馴れない新人がトラで行ったりすると、結構まごついたものです。トランペット・クラリネット・サックスなどの移調楽器もこのCメロでやらされることが多いので、馴れていないとなおさら大変です。 |
「棒が見えない」などというときは所謂「指揮棒」のことを指しているのですが、「指揮者」自身の意味でも使います。たとえば指揮者のことを「棒振り」などともいうのですが、もちろんこれは正式な言い方ではありません。 |
もともとは芝居など舞台の言葉ではないかという気がしますが、リハーサルに対して実際にお客さんの前での公演が「本番」です。スタジオ関係では、実際に録音することを「本番」といいます。普通は何度かリハーサルをして、テスト録音を経て本番に入るのですが、時にはリハーサルなしでいきなり録音してしまうことも有って、その場合は「ぶっつけ本番」などと言います。テスト録音の時に「テスト本番」ということがあって(「テスト本番」の項を参照)、この場合は「テストだけど、うまく行けば本番として採用する」という意味があります。 |
これは「テスト本番」と紛らわしいですが、全くの別モノなのです。映画の全盛時代には、各映画会社が敷地内に広いダビングルームを持っていて、そこで音楽のダビングをやっていたのですが、初期の頃はテープに録音するということがまだなくて、直接フィルムに焼き付けるようにしてました。 …ということは、もし演奏にミスがあったりすると、その部分のフィルムがお釈迦になってしまうということなので、本番に至るまでには入念なリハーサルをして、最後に本番と全く同じ感じでテストをすることになっていました。これが「本番テスト」なのです。略して「本テス」などと言っていたようです。 磁気テープに録音できるようになってからはあまり使われなくなったのですが、わたしがスタジオに入った頃にはまだ古い人がけっこういらっしゃったので、「は〜い、では次に本テス行きま〜す!」等という声が聞けたものです。 |
録音が始まる前に、マイクのチェックをすることです。ただ線がつながっているかどうかを確認するだけなら、マイクをゴリゴリこするだけでも良いのですが、音量や音質なども決めなければいけないので、各楽器ごとに、少し音を出してもらって(何かの曲の1フレーズなんてこともあります)、バランスなどを決めます。 マイクロフォンというのはとても微妙なもののようで、こういうテストが必須みたいですね。ほかには、マイクだけではなく、コードの具合が悪くてノイズが出ることもあるので、その辺りもチェックします。でも、コードといっても、我々に見えているのはマイクからスタジオの壁までで、壁のジャックから先は、壁や床下を通ってコントロールルームまで行って、そこからまた別のコードでコンソールに行って、さらにレコーダーに…という風に、ほんとに色んな段階があるので、もしノイズが出たりすると、どこが原因かを見つけるのが、かなり大変だったりします。 ベテランのエンジニアさんの中には、馴れたスタジオで気心のしれたミュージシャンだと、マイクテストを省略することもあります。ただ、この場合でも、あらためて「マイクテスト」と称して、いちいち個別に音を出してもらうことをしないだけで、開始前に皆が勝手に音を出しているときに、適当にチェックしていることが多いようですね。 |
@特にスタジオ用語というわけではありません。演奏旅行等の場合、当日に出発しても時間的には間に合うのに、あえて前の日から現地に入ることをいいます。主催者側で前乗りのスケジュールを組むこともありますが、個人的な希望で前乗りすることもあります。この場合は、その分は個人負担になるのですが、うまくすると出してもらえることもあります。 Aダビングをするときなど、人によっては、全体的に少しずつ元のリズムよりも遅れる人がいます。そういう場合に、「すみません、もう少し‘前乗り’でお願いします」などと言います。 |
特にスタジオ用語というわけではありません。「マカロニウエスタン」とはイタリー製の西部劇の事で、一時期かなりの作品が発表されていたようです。もとはイタリー語を話しているはずなのですが、吹き替え版を見ると本物(?)とあまり区別がつかないですね。でも、音楽を聴くと何となく感じが違うので、分かってしまったりするかもしれません。 「おっちゃんの仕事場探検1」にある「RED DEAD REVOLVER」レポの中での「マカロニウェスタン風」という記載は、 多分そんな意味なのだと思います。もし、日本で西部劇を撮ったら、ザルソバ・ウエスタンとかいうのでしょうか? |
録音や録画で時間がかかりすぎて延びそうになってきた場合に、なるべく進行が早くなるように急きたてることを「巻く」といいます。本番中など、声を出せない場合は手をくるくる回す合図が使われるのですが、「巻く」というのはそのあたりから来ているのではないかと思っています。時間が押してきて急がなければならない場合など、「巻きで行きますからね〜」などと言います。その「巻き」の場合は、小さなミスなどは無視して先に行ってしまうようなこともあります。 |
歌モノのレコーディングなどの時に使う楽譜で、メロディ・ベースライン・コードネーム・リズムパターン・オブリガートなどを、5線紙を3段くらい使って書いたものがあるのですが、それをマスターリズムと言っています。簡単に言うと、合唱の楽譜みたいなものですね。 普通はリズム隊やシンセ、パーカッションなどの奏者が使うのですが、時として私たち木管楽器などでも、このマスターリズムの譜面でやることがあります。マスターリズムの便利なのは、自分のパートだけではなくて、曲の全体が何となく把握できる…とか、一部つくれば後はコピーで済ませられる…というメリットがあるのですが、その反面、色んなことがところ狭しと書かれているので、ちょっと見難いということがあります。 |
あまり詳しくないのですが、スタジオでマルチで録音したものをトラックダウンで2チャンネルのステレオに落とすのですが、さらにそれを実際にCDに焼く作業を「マスタリング」と言ってるようです。実は、このマスタリングという作業がかなり重要で、これの出来・不出来が、CDの音を大きく左右するのだそうです。 |
最近でこそほとんどがステレオになっていますが、初期の録音は全てモノラルでした。20年くらい前からでしょうか…各々のパートごとに録音できるようになったのは。それを「マルチ録音」と言っています。場合によりますが、32チャンネルや64チャンネル、あるいはそれ以上の多チャンネルのこともあります。 単に「マルチ」といっても意味をなさないのですが、スタジオでマルチという場合は、↑の「マルチ録音」を指す場合と、そのマルチ録音に使うテープ、もしくは最近だとハードディスクを指すことがあります。最近では少なくなりましたが、「今日はマルチが回ってないから、差し替えは出来ないよ〜」などと言います。 |
ある楽器のマイクに他の楽器の音が入ってしまうことを言います。この「回り込み」が起きやすいのは、フルート等の音の小さい楽器の近くに、ブラスや打楽器など、大きな音のする楽器がいる場合で、本来はフルートの音を録るべきマイクに、他の楽器の音の方が大きく入ってしまうということがあるのです。 気にならない範囲ならいいのですが、本来のマイクでなくて他のマイクから入った音は音がクリアでないので、特にエンジニアさんはこの回り込みには神経質になるようです。スタジオで衝立やブースが多いのは、この回り込みを避けるためです。ライブ録音の場合など、どうしても避けきれないこともあるのですが、それはそれで、かえってライブらしいサウンドになるということもと云う事も言えるかも…です。 また、回り込みのもう1つのケースは、クリック音の回り込みです。これは、プレイヤーが使っているヘッドフォンやイヤホンから漏れたクリック音が、マイクに入ってしまうということです。このクリック音は絶対に聞こえてはいけない音なので、エンジニアさんたちは、このクリックの回り込みにはとても気を遣っているようです。 |
最近は、作曲家さんやアレンジャーさん、あるいは会社やグループのスタジオで、普通のマンションの一室を使ってスタジオにしたものが多くなってきましたが、そういう小さいスタジオを「マンションスタジオ」などということがあります。 |
今は「エンジニアさん」と呼ばれることが多いのですが、それまではずっと「ミキサーさん」と呼ばれてました。「ミキサー」というと、どうも料理で使うあの機械を連想してしまいますが、実はそうでもないみたいですね。ここでいうミキサーは古い辞書には載っていないので、英語としても比較的あたらしい言葉なのだと思います。料理で使うあれをミキサーというのは和製英語で、本当は「blender」とか「liquidizer」とか言うらしいです。 |
「トラックダウン」と同義と思ってまちがいないでしょう。 |
特にスタジオ用語というわけではありません。ここ数年、「中国の笛」「中国的な笛」というオーダーがよくあるのですが、そのほとんどの場合をこの「明笛」で対応しています。明笛は「みんてき」と読むのですが、この「明」は「明国」の「明」です。ちょっと調べてみると、「清笛(しんてき)」「南京横笛」などとも言っていたようです。清笛の「清」は、もちろん清国のことです。時代が違うだけで、実際は同じ楽器を指しているようですね。ただし、これらは全て日本での呼び方で、中国語では「笛子」と言っているようです。発音は「二声」というものになるようで、あえてカタカナ表記をするとすれば「ディーズ(di−zi)」となるようです。 さらに詳しく知りたい方は、おっちゃんHPの「明笛」のページをどうぞ♪ |
特にスタジオ用語というわけではありません。邦楽、それも尺八や篠笛で使われる言葉だと思います。 「メリ」とは、歌口に唇を被せるようにして、あるいは息を弱めるなどして、音をずり下げることを言います。また、「ハリ」はその逆で、歌口から唇を離し気味にして強く吹いて、音をずり上げることを指します。 こうしたことから、演奏上の強弱などのニュアンスをはっきりつけることを「メリハリをつける」と言うようになったようです。 |
「メロ」というのは「メロディ」のことなのですが、色んなケースが考えられると思います。 あまり誉めたことではないのですが…というより、権利関係等の点でもかなり危ない話なのですが、何かの歌のアルバムの歌の部分を楽器に差し替えて、インストのアルバムとして発売する…というようなことも、ないわけではありません。 |
ブースの位置によっては、指揮者がよく見えなかったりすることがあります。そういう場合には、テレビのディスプレイのようなものを使って、そこに映し出された指揮者を見るようにします。その際のディスプレイを「モニター」と言っています。 また、スタジオ録音では必須になっている、ヘッドフォンやイヤフォンのこともモニターと呼ぶ場合があります。さらに、ライブのステージで、自分の音や他のメンバーの音を聴くために床に置いてある黒いスピーカーも、モニターと言います。別項「PA」も参照してください。 |
特にスタジオ用語というわけではありません。本来の意味は「1つの音」ですが、2つ以上の楽器または声部で‘同じ音域’の‘同じメロディ’を演奏することをいいます。オクターブ違いで同じことをやる場合は「オクターブユニゾン」といいます。 |
「直録り」を参照してください。 |
最近のコマーシャルの音楽は、適当にBGM風に流して、CMの放映終了時間が来たら、曲の途中でも平気で切ったりしていますが、昔は必ずその時間内…つまり、60秒・30秒・15秒などの間で完結するように作っていました。 で、テレビで流すCMの場合は「60秒」と「30秒」がメインで、長いもので「90秒」や「120秒」、短いと「15秒」、極端に短いのは「5秒」というタイプがある時期もありました。この、テレビCMの場合は、前の番組や別のCMとの間に必ず音の出ない空白を設けることになっていて、実際の音楽のサイズは、それぞれから1.5秒を差し引いたもの…つまり「28.5秒」とか「58.5秒」という風になっていました。現在でも、多分そうだと思います。 これに対してラジオの方は、何故か「20秒」「40秒」「60秒」と、20秒の倍数が多く、この場合は正味20秒・40秒となってました。だから、同じ60秒のCMでも、ラジオとテレビでは時間が違っていたのです。その場合の正味60秒や40秒などの方を「ラジオサイズ」と言ってました。 |
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ラテン系と呼ばれる音楽…つまり中南米系の音楽に使われる打楽器のことです。代表的なのは、ボンゴ・コンガ・マラカス・クラベス…などでしょうか。 でも、最近スタジオに出入りしているラテンパーカッションの奏者は、本来のラテン音楽をやることは稀で、小物の楽器を大量に持ち込んで、リズムに色を添えている…というようなケースが多いように思います。 |
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テレビの録画をする場合などは、リハーサル→カメラリハーサル→本番の録画…というような手順を踏みますが、「カメリハ(カメラリハーサル)」のあとに、本番と同じように通しでやってみることを「ランスルー」というようです。カメリハの場合は「ダメ出し」があると途中で止めてやり直すことがありますが、ランスルーは原則として止めません。 |
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特にスタジオ用語というわけではありません。リコーダーは、学校で授業に使っている縦笛と基本的には同じ楽器で、ソプラノ・アルト・テナー・バスの4種類があります。ソプラノリコーダーの4度上…つまり、アルトリコーダーの1オクターブ上になる楽器に「ソプラニーノ」というものもあります。これは「小さなソプラノ」という意味で、ちょっと大きな楽器屋さんに行くと、簡単に買うことが出来ると思います。 ちなみに、バスリコーダーより4度低い楽器に「コントラバスリコーダー」もしくは「グレートベース」といわれる楽器もあるのですよ。さらに詳しく知りたい方は、こちらも参考にしてくださいね→リコーダー |
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普通はドラム・ベース・ギター・ピアノをまとめて「リズム隊」「リズムセクション」「フォーリズム」などと呼んでいます。もとはジャズバンドから来た言葉ではないかと思うのですが…。このリズム隊は、音楽のリズムとコードの部分を受け持っているので、バロック音楽の「通奏低音」と共通する部分があると言えなくもないでしょう。もちろん、この4パートだけでも、立派に演奏ができるんですよ。 |
タンゴ・ボサノバ・ボレロ…というようなダンスのリズムを指すこともありますし、もっと特定のリズムの形を指すこともあるでしょう。 |
テレビ番組なんかを見ていると、ときどきVTRの再生直前に「B A @.…」という数字が出ることがあります。最近のバラエティ番組では、あえてあの部分から見せているようですが、本来あれは画面に出てはいけない部分なのです。で、実はあれが「リーダー」なのです。 今はビデオですが、フィルム時代はいきなり番組が始まるのではなくて、何も写ってないある程度の余白の部分があって、それから、その「B A @.…」と番号が出て、本篇が始まるようになっていました。本篇のフィルムを保護する意味と、映写する時の目印だったのでは…と思います。このリーダーは、ダビングする時などにも役に立ちます。 |
メロディにコードネームをつけただけの、1段の楽譜をリードシートと言います。訓練を受けたジャズやポップス系のミュージシャンは、このリードシートだけでも演奏することができます。 |
リハーサル(練習)の略です。テレビ局では「カメリハ」というのがあって、これは演奏や演技よりも、どちらかといえば、カメラワークのためのリハーサルです。「カメリ」ともいいます。 |
録音することを「レコーディング」というのですが、スタジオ業界では劇伴やCMなどと比べて「歌モノ」もしくは「インスト」等の録音を特に「レコーディング」といって区別することがあります。今ではCDになっていますが、昔はLPやSPのレコード版を作っていたので、そういう風に言ったのだと思います。 |
特に「スタジオ用語」というわけではありません。リハーサルをする場合などで少し長めの曲になると、途中から始めたい時があります。そういった時に「最初から65小節目」などと言っていたのでは効率が悪いので、普通は16小節くらいずつ区切って、「1」「2」「3」とか「A」「B」「C」等と標識が付けてあって、普通それを練習番号(アルファベットでも‘番号’というのは妙なものですが)と言っています。 |
コマーシャル関係で「ロゴ」という場合は、商品名を指します。コマーシャルの最後には商品のアップと商品名が出ることが多いかと思いますが、あれです。 コマーシャルソングなんかでも、最後に商品名を歌うことがありますが、あれもロゴと言います。 ギリシャ語のロゴス(‘言葉’の意味)から来ているのでしょう。 |
スタジオやステージ関係で、楽器や機材の運搬を担当する人のことで、昔は「ボーヤ」などと言っていましたが、最近はこのローディーが一般的です。 |
最近はあまり使いませんが、「今日は5ロール録りま〜す!」とか「これOKです。次のロールに行きます〜!」などという風に使います。我々のサイドからは「曲」と同じよう感じ…つまり、1ロール・2ロール…を、1曲・2曲…という風に捉えているのですが、もともとは映画の方から来た言葉だと思います。 |
特にスタジオ用語というわけではありません。 文字通り、「和」…日本の楽器なのですが、尺八・三味線・琴・鼓などを総称して、和楽器と言ってます。 和大鼓・鼓・大川・チャンチキなんかの類も、打楽器とは言わずに、和楽器として別扱いすることが多いように思います。 |
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コーラスといえば普通は合唱のことですが、ジャズやポップス関係では、歌の1番や2番などの「番」の意味で使うことがあります。 たとえば16小節の歌があったとすると、その1番を「ワンコーラス目」、2番を「ツーコーラス目」…といって、そのそれぞれの16小節を「ワンコーラス」といいます。また、ツーコーラスを演奏してサビに戻るパターン…つまり「ツーコーラス半」のやり方を「ツーハーフ」なんて言い方も、よく使われていますね。 普通の歌は3コーラスくらいの長さが多いですが、盆踊りなどに使う「○○音頭」などは、6〜10コーラスくらいまであることがあり、譜面の行き方が複雑になって苦労することがあります。私が参加してるわけではないのですが、今まで聞いた中で1番長かったのは「鉄道唱歌」の36コーラスでしょうか。 |
編成の大小にかかわらず、1本のマイクだけで録ることなのですが、初期の頃の録音はほとんどがこのワンポイントで録っていたので、ワンポイント録音なんていう言葉そのものがなかったのです。でも、最近はほとんどやってないと思われますね。 |