03 LABO「聴く、短編小説」鑑賞レポ

 

 

2013年の秋、「小空間で少人数の舞台をできる限りシンプルに創造する」ことを目標とした1つのシアターカンパニーが結成されました。その名を「03(zerosan)と言います。まだ生まれたばかりのカンパニーですが、実は2003年にはカンパニー結成の企画が持ち上がり、実際ほんの少しだけ動きかけてたそうです。そこからちょうど10年あたためて満を持しての結成となったので、最初に企画が上がったときの気持ちを大事に…ということで「03」と名付けられたそうですよ。

さて、その中で今回「企画」「制作」「役者」と3つのわらじを履いて本番に臨まれた岡本ナミさんという方がいらっしゃいます。何でも、企画と制作に携わられたのは、これが初めてなんだとか…。当HPを始めるキッカケとなったアニメ「犬夜叉」にも出演されてた声優さんなんですが、2013年1月に行われた作曲家・岩崎琢さんのライブ打ち上げでお知り合いになれました。その後、TwitterやFacebookで親しくさせていただいてるうちに今回の舞台のことを知り、今回のレポを作らせていただける流れとなりました(*^^*)

本公演は10月25日から28日までの4日間、昼と夜の2公演ずつで計8回です。2014年3月に本格的に旗揚げをするそうで、その前のプレ旗揚げとして今回の朗読劇が企画されたようですね♪

 

こちらがその岡本ナミちゃん☆

お会いするのはまだこれで3回目ですが、いつもほんと弾けるような笑顔が素敵な方です。メールのやりとりしてても、その文章の向こうに笑顔が見えてくるような…同じ女性として、憧れますね(*^^*)

オンマウスでナミちゃん宛てに届いた、綺麗なお花の写真になります♪

 

ではここで、演目をご紹介しましょう。

「話を聞かせて」(山本文緒:角川文庫)
「目撃者」「しつこい油」(坂木 司:光文社文庫)
「ごめん。」(唯川 恵:徳間文庫)

…という4つの作品で、実は4つとも「女性の生き方」を描いた作品です。就職や恋愛など身近なテーマを女性の目線で描いたものばかりを集められてました。これらを選んだポイントについて、演出の清家 誠さんに伺ってみると…。

「まず、あまり暗いものにはしたくないと思いました。そして、ナミさんとしては4つもやるんだからもっとバラエティに富んだものを…という気持ちもあったようなんですが、演出の立場としては1本の軸がほしかったので、1つのテーマに絞って選びました。」

とのことでした。

なるほど!
一夜に色んなタイプのお話を聞いて、泣いて笑って、遠い昔の世界に思いを馳せて、ときにはファンタジーな世界で夢を見て…というのもすごく楽しいと思うんですが、こうしてテーマを絞ることによって聴く方もとても集中するということがあるなあと思いました。今回の舞台は途中の休憩なしで4話すべてを一気に聴くという形だったんですが、それも良かったように思います。

 

ここでナミちゃんに今回の舞台の聴きどころというか、聴いてるお客様にどんなことを伝えたいなあと思ってるかを聞いてみました。ナミちゃんが私の大好きな笑顔いっぱいで語ってくれてるので、ぜひ動画でご覧ください♪

 

 

この原作を知ってらっしゃる方、またこの舞台を実際に観に行かれた方はよくお分かりだと思いますが、ほんとナミちゃんの言ってるような気持ちになる部分も多いかと思うんです。まあ、けっこう過激な部分もあるので「えぇ〜!ありえ〜ん!」って気持ちが先走りつつも、どこかで「まあ…分からんでもないかな?」なんて気持ちになったり…そんなことなかったですか?(^^ゞ

 

会場内の様子です。オンマウスで別カットになりますよ♪

こうして見ると分かるかと思いますが、お客さんとの距離がとっても近いんです。私自身は前から5列目くらいに座ってたんですが、最前列やそれに近い席の人たちは、また独特の雰囲気があったんではないでしょうか…。

それにしても、あんなに近いと役者さんの方もすごく緊張するんでは…と、素人感覚で考えたりもしましたよ(^^ゞ

 

今回の舞台の大きな特徴として、全8公演のほぼ全てでキャストが変わるということがあります。8公演のうち2公演だけがちょっとキャストが似てるようですが、それでも全く同じではないとか…これはすごく面白い演出だと思いました。だって、同じキャラでも違う人が演じることによって別人になる…それによってその作品の世界そのものも変わる可能性があるわけですよね。これは興味深いです。でも、残念ながら私は1公演しか観られなかったんですが、ほんとは最低でも3公演くらい観てみたかったですね〜!(>_<)

 

 

初日の夜の部の前の読み合わせです♪

オンマウスで別カットになりますが、川津泰彦さんがほんと面白くて…
「本番さながらで練習してるところを撮って!」って言ってのこのポーズなんですが、
はっきり言って本番にこんなポーズになるところは1つもありません(笑)

 

ところで、先ほど公演ごとにキャストが変わるというお話をしましたが、ここで1つ私は疑問に思うことがあったのです。同じ本でも読む人が変わると解釈が変わる…それだけでも難しい部分があると思うのに、さらにペアになる相手も変わるとほんと擦り合わせが難しいのでは?と思うわけです。そのあたりについて、再び演出の清家さんにお聞きしてみました。

「そこは皆さん苦労されると思うんですけど、特にお互いに‘自分はこうやりたい’ってのがあった場合はね。でも、そこで‘ここはこうやってみようよ’‘でも、あそこはこうやると面白くないから、僕の解釈でいかない?’‘あ、そうすると、ここもこうした方が面白くない?’ってキャッチボールができると思うんですよ。最初から上がこうと決めてしまうんではなくて、そういうのがいいと思って…。まずそれぞれに好きなように練習してもらってて、ある程度の時期が来たら‘じゃあペアでやってみようか’ってやることによって最終的に最初に思ってたのとは全く違うものが出来上がっていく…これだけ役者もスタッフもいるんですから、1人が形を決めるんじゃなく、意見を出し合って創り上げていくのが面白いと思って。まあ、ぜんぜん違う方向に行っちゃったら困るんですけど、そこは何とか上手く舵を取れたらいいなあと…そこが僕の役目かな?(^^ゞ」

と語ってくださいました。

実はこの舞台を観に行く前に私は音響監督の長崎行男さんと対談させてもらったんですが(こちら)、その場でも「音響監督としてアフレコ現場でやりたいこと」という部分でこのキャッチボールのお話が少し出たんですね。それが清家さんのお話と相通ずるものがあって、聞いててワクワクしました(*^^*)

 

そんな役者さんたちの、最後の擦り合わせの様子です…って、これもう完全にギャグなんですけどね(笑)こんな楽しい方たちが集まってる現場だったということで…それにしても、皆さんほんといい声(*゚▽゚*)

 

 

初日のお昼の部を終えたあと、こうして30分ほどの見直し&確認を終えて休憩。そして夜の部が始まりました\(^o^)/

 

本番はずっとこんな感じで読む方だけにスポットライトが当たり、あとは真っ暗…セリフの掛け合いになるところでは、そのセリフがあるときだけ光が当たって浮かび上がるという、何とも幻想的な雰囲気でした。

ちなみに、写真の方はこの日の1本目「話を聞かせて」で語りを、最後の「ごめん。」で「那美」の役を演じられた西口杏里沙さん。

写真はリハのときに撮らせていただいたものです。

 

☆せっかくなので、私が観た回のキャストも書かせていただきます☆

 

「話を聞かせて」(朗読劇)
    衿子・語り…西口杏里沙
    店主…川津泰彦
    彼…私市淳
    バイトの子…国仲奏絵

「目撃者」(朗読)
    川津泰彦

「しつこい油」(朗読)
    菊地理恵

「ごめん。」(朗読劇)
    語り…岡本ナミ
    那美…西口杏里沙
    智子…国仲奏絵
    辰也…私市淳
    社員…川津泰彦

 

それぞれに惹き付けられるものがあったのでどれが面白かった…なんてのは言えないんですが、強いて言えば川津さんの振り切れた演技には笑ったなあ。会場からも何度もクスクスと笑い声が聞こえてました。

うん、1本目で「んまあ、いい彼氏☆」なんてほっこりして、2本目で「昼メロかよ!」ってツッコミを入れつつ笑いを噛み殺すのに必死になるくらい楽しい気分になって、そしたら「しつこい油」がかなり猟奇的なお話だったんで一気に緊張して、終わったあとは「ほぅ…」と大息をついてしまいました。そして最後の「ごめん。」にすごいオチがあって、何だかほろりとしてしまいました。

いやあ、うまい組み合わせだなあ。女性の生き様にテーマを絞りつつも、すっごいバラエティに富んでると思いました。こんなお話だからこそ、別の方が演じる分も観てみたかったなあ…(>_<)

 

写真はリハのときのものですが、本番の最後にはこうして全員が明るい照明の下で並んでご挨拶。

ナミちゃんの「何か宣伝することはないですか?」の声に、菊地理恵さんがアクロスエンタテインメントのイッキさんという方とされてるコント動画「なめくじ劇場」をご紹介くださいました。

これ、ほんとニヤニヤが止まりません。ぜひ見てみてくださいねo(*^^*)o

 

いやあ、ほんとに楽しい舞台でした!
帰り際には出演者全員が入り口のところに並んでお客様をお見送り。私と、一緒に行ってたお友達…現在バレエピアニストとして活躍中の張替夏子さん(通称chocoちゃん)はとにかく「おおきく振りかぶって」が大好きだったので、私市さんに向かって「浜ちゃん!すっごい面白い舞台でした!」って大はしゃぎで握手を求めたのも良い思い出です(^^ゞ

そうそう、話は前後しますが、この舞台の開演前にナミちゃんから私とchocoちゃんにちょっとしたサプライズがあったんです。まあ簡単に言えば、 私たちが来るこの回に合わせて、 私たちが大好きな…そしてナミちゃんとも深いつながりがある作曲家さんを呼んでくれてたんです。このあたりのことについては短時間の間に笑いあり涙ありのミニドラマがあったので、ぜひこちらをご覧ください。

 

この「03」、冒頭でも書きましたが、本格的始動は来年3月だとか…今度は朗読ではなく演劇になるそうです。どんな感じになるんでしょう。楽しみですね♪

素敵な舞台に呼んでくれたナミちゃんに、リハという貴重な現場にお邪魔するのを快く受け入れてくださった出演者&スタッフの皆さんに心から感謝して、今回のレポを終わりたいと思います(*^^*)

 

2013年11月17日 

 

 

 

 

 

 

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