KOIKE STRINGS with 新垣 隆 〜 Acoustic Revive Classic Concert 〜

 

 

2016年6月28日。梅雨らしい小雨の降る中、紀尾井ホールにて「KOIKE STRINGS with 新垣 隆 〜 Acoustic Revive Classic Concert 〜」が行われました。コンサートのフライヤーです。クリックしていただくと、大きなサイズで見られます♪

 

 

         

 

 

 

KOIKE STRINGS(小池ストリングス)」は小池弘之さん率いる日本を代表する弦楽器奏者グループで、1992年に結成されました。今回のようなクラシックコンサートの他にアーティストのツアーサポートや劇伴(ドラマやアニメのBGM)の録音にもたくさん参加されてます。代表的な作品の中からいくつか挙げると…映画&ドラマ「踊る大捜査線」「相棒」「チームバチスタの栄光」や、アニメ「ONE PIECE」「黒子のバスケ」「TIGER & BUNNY」、特撮「烈車戦隊トッキュウジャー」などがあります。うちのHPにも、小池ストリングスが参加されてる劇伴の録音レポがたくさんありますよ♪→録音レポのタイトル一覧


今回、私は作曲の岩垂徳行さんと一緒に行きました。
岩垂さんはゲーム「逆転裁判」や「逆転検事」の音楽を作られたり、霜月はるかさんの歌の作曲やプロデュースをされてる他、ディズニーリゾートのパレード用の音楽なんかも作られてる方で、小池さんも岩垂さんの音楽をいくつか弾いてらっしゃるんですよ♪

オンマウスで楽屋入口の写真に切り替わりますが、私たちはまずここから入れていただき、ゲネプロの様子を見学させていただくこととなりました。


 

 

先ほどフライヤーを載せましたが、一応テキストでも…こちらが今回のプログラムと演奏者のお名前です

 

 

W.A.モーツァルト
弦楽五重奏曲 ハ長調 K.515

第1ヴァイオリン 小池 弘之
第2ヴァイオリン 小池 里枝
第1ヴィオラ 斉藤 和久  
第2ヴィオラ 広岡 香   
チェロ 中村 潤      


F.シューベルト
ピアノ五重奏曲 イ長調 D.667「鱒」

ヴァイオリン 小池 弘之
ヴィオラ 斉藤 和久  
チェロ 中村 潤    
コントラバス 佐藤 洋嗣
ピアノ 新垣 隆    

 

 

 

今回のコンサートを開くことになった経緯と選曲について小池さんに伺ってみると…

 

もう3年前になりますが、アコースティック・リバイブの社長さんが私達の演奏を聴きにいらしてくださった際に「レコーディングしたい」という話が持ち上がり、一昨年ハイレゾ・レコーディング及び配信ということになりました。

その際、社長さんからの要望でシューベルトの「鱒」は決定していて、もう1曲は私に一任ということでしたので、モーツァルトの「弦楽5重奏曲 ト短調」を選び、昨年6月にレコーディングとなりました。 ネットでの配信は翌7月から行われましたが、まだまだハイレゾ再生が難しい環境なので、もっと広く聴いていただきたいという思いでCD化することとなり(こちら参照)、その発売記念、そしてアコースティック・リバイブ社の創立20周年とKoike Strings コンサート20周年の記念がちょうど重なったので、このたびの紀尾井ホールでのコンサートが実現しました。プログラムは必然的に「鱒」となりますが、 CDと全く同じ曲ではどうかな?ということになり、カップリングは同じモーツァルトの弦楽5重奏曲の中からハ長調の方を選びました。

 

…だそうですよ♪
なるほど、「鱒」は社長さんがお好きな曲だったんですね。クラシック初心者でも耳に馴染みのある良い曲ですが、逆に言えばポピュラーすぎるせいなのか生演奏で聴ける機会はあまりないような…それをこうして小池ストリングスのような超一流の方々による演奏で聴けたのは、ほんと幸せなことだと思います(*^^*)

 

 

皆さんそれぞれに慌ただしく準備を進めていく中、岩垂さんと私はホールを色んな角度から眺めて楽しんでました。特に私にとっては生まれて初めて来たホールで、しかも地方在住の私はこの先もう生きてるうちに来られるかどうか分からんなあと思うと大興奮。上品で落ち着いた内観とピアノの調律のための音すら美しく響くその素晴らしさに、ただただ溜息でした。

 

 

ステージから見た紀尾井ホールです
(オンマウスで2階中央の客席から見た画像に切り替わります)

 

音響演出や照明を使った特殊演出、またPAなどマイクを使った演出のないクラシックのコンサートのみ許されるというホールだそうで、そのこだわりあって素晴らしい景観と音響でした。皇室の方々が来られたときは2階中央の席に座られるそうですが、岩垂さんと私、そして本番直前に来た元インペクで現在はバレエピアニストとアレンジャーとして活躍中である張替夏子さんの3人は今回その席で聴かせていただけたんですよ(*^^*)

 


先ほどの小池さんからのコメントにもありましたが、今回のコンサートを開くキッカケとなったACOUSTIC REVIVE(関口機械販売株式会社)さんの「超低周波発生装置」と、関口機械販売のマネージャーさんです♪

詳しくはリンク先を読んでいただきたいのですが…
簡単に言うと「シューマン共鳴波」という地球が地表と電離層との間に発生させている7.83Hzの共鳴波があるんですが、それが現代社会に飛び交う電波や電磁波によって乱されたり消されたりしてるので、この機械によって人工的に発生させようってことなんだそうです。

この「シューマン共鳴波」を発生させることによって本来あるべき状態に戻り、音響的にも画像的にもより私たちにクリアに届くようになるんだそうですよ。この日はこの機械をステージの下手と1階客席のいちばん後ろに設置してました。ちなみに、小池さんのご自宅にも2台あるそうです(*^^*)


紀尾井ホールのステージ・マネージャーさんによると、もともと紀尾井ホールはそのような有害電波や電磁波を軽減させるような設計になってるそうなんですが、それでもやはりこの機械の使用による効果は大きく、演奏者さん・エンジニアの鈴木智雄さん(さだまさしさんのツアーでエンジニアをされてる方)ともにハッキリと音の違いを感じ取られてたそうです。

 

ここで、この機械を使ってのコンサートについても小池さんに伺ってみました♪

 

客席からは下手側奥に鎮座した超低周波発生装置「RR-777(上の写真の機械)」が目に入った方も多くいらっしゃったようです。しかし見えないところで恐ろしい機材やケーブル等が沢山あったのです。そして何よりレコーディング・スタッフが最強メンバー。 いい音で録れない訳がありません。

この超低周波発生装置の存在の大きさについては個人的には以前よりスタジオや自宅で理解していましたので、まだ設置していなかったゲネプロ開始時と設置されたゲネプロ中、そしてお客様が入られた本番との違いは歴然です。何がどう違うのかと説明せよと言われても、これは言葉で上手く表現できません。音楽、オーディオ、アコースティック・リバイブ機材についてなどの私感について、近いうちにホームページにてそういったコラムを掲載するコーナーを設けようと考えていますので、そちらをご覧いただければと思います。

コンサートでのライブ・レコーディングについてですが、今回も昨年のホール・レコーディングの時と同じく「DSD11.2Mhz」という規格での録音でした。難しい単語が出てきましたが、要は「非常に良い音で録音できるけれど、編集が出来ない」という録音です。通常のレコーディングは演奏を録音した後、傷(演奏ミス、ライブの場合は咳や拍手の音)を消したり、場合によっては別に録音してあるものの中から一部を切り取ってきて繋げたり差し替えたりする編集作業が行われた後、ステレオ用に2チャンネルにまとめあげられ(ミックス・ダウン)、その後マスタリングという整音作業が行われます。そして出来上がったものがマスターと呼ばれ、ここからプレスしてCDになったり、カッティングとプレスをしてレコードになるのです。

今回のレコーディングは編集もミックスダウンもマスタリングもない、まさに録ったままの状態になることがわかっているので、演奏上のミスは許されないという演奏者にとってはこの上ないプレッシャーでした。

 

…ひぃ〜!
聞いてるだけでもすごいプレッシャーというか緊張を感じますねえ。私、咳払いとかはしてないつもりだけど、大丈夫かな?(汗)


 

ステージ横のバルコニーから見た小池さん。表情がお茶目です♪

オンマウスではゲネプロ中の小池さんになりますよ。ガラッと雰囲気が変わって、これまた素敵です(*^^*)


 

 

 

 

さて、ここで貴重なゲネプロ動画をお見せしたいと思います

 

 

 

 

iPhone 6で撮ったものですが、おおよその雰囲気は伝わるんじゃないでしょうか…あと、ピアノ側というかステージ側からの目線って珍しいかと思ったので、そっとステージに上がって撮らせていただきました。いかがですか?(*^^*)

 

 

 

 

 


この日、いきなりホールに押しかけてる初対面の私の、しかも「ちょっと写真を撮らせていただきたいので、ピアノの方へ…」という不躾なお願いにも笑顔で快く応えてくださり、こんな素敵なお写真を撮らせていただくことができました。

オンマウスで小池さんとの粋なツーショットになりますよ(*^^*)


小池さんと新垣さんのご関係ですが、そもそもは今回のコンサートにヴィオラで参加されてる斉藤和久さんと新垣さんが先輩・後輩の仲だそうで、前々からよく一緒にコンサートをされてたんだそうです。そのご縁あって2004年には小池ストリングスのコンサートにもチェンバロで参加されて(こちら参照)、それからずっとこうして良いご関係が続いてるそうですよ。

 

今回のコンサートについて新垣さんに伺ってみると「こうした生のコンサートは楽器を通じて他の演奏者さんと色んな会話ができるので、本当に嬉しいし楽しいです」と、こちらも思わず笑顔になってしまうような柔らかな優しい笑顔で語ってくださいました。

 

初めて聴く新垣さんの生演奏…小池ストリングスが奏でる清流のような美しい流れの上に艶やかな真珠の粒を転がしたようなキラキラと、でもまろやかであたたかな音色で、ほんと心が震えました。そしてこれが聴く場所によってそのキラキラ感が多彩に変化するんです。ゲネプロ中はもうホールの隅々まで移動して、色んな角度から楽しませていただきました。


写真は本番の休憩中のものです。
たくさんのお客さまが入られたことでまた少し響きが変わったんですが、清らかさや艶やかさはそのままこの2階席まで届いてきました。

これこそがシューマン共鳴波を発生させる機械の効果なのかもしれませんね。

ほんと、目にも耳にも贅沢すぎるひと時でした(*^^*)


 

「鱒」の演奏後、拍手喝采を浴びながら演奏されたアンコールは2曲。この日のために小池さんがアレンジされたという「W.A.モーツァルト:アダージョ・シチリアーノ(ピアノ協奏曲 第23番 イ長調 K.488より)」と「アンダーソン:サテンの少女」です。

 

 

アダージョ・シチリアーノ

ピアノ 新垣 隆
第1ヴァイオリン 小池 弘之
第2ヴァイオリン 小池 里枝
第1ヴィオラ 斉藤 和久  
第2ヴィオラ 広岡 香   
チェロ 中村 潤      
コントラバス 佐藤 洋嗣  


サテンの少女

ピアノ 新垣 隆
第1ヴァイオリン 小池 弘之
第2ヴァイオリン 小池 里枝
ヴィオラ 斉藤 和久    
チェロ 中村 潤      
コントラバス 佐藤 洋嗣  
パーカッション 広岡 香  

 

 

 

このアンコールの選曲についても小池さんに伺ってみると…

 

アンコール曲に関しては新垣氏に出演者の編成で新曲をお願いしたかったのですが、その当時に彼が書いていた新作交響曲も締め切りに間に合わないという非常に多忙な状態だったので、私が本編に似合うというか、バランスを考えた曲を選んだつもりです。

モーツァルトの「ピアノ協奏曲第23番の第2楽章」を選んだ理由は、まず私が数あるモーツァルトの曲の中で特にお気に入りだったということ、そして本編プログラム曲がすべて長調で書かれた楽曲だったので、しっとりとした短調曲にしたかったという理由です。 あと、ピアノのアレンジをしなくて良いという単純な理由でしょうか(笑)

アンダーソンに関してはとても素晴らしい名曲なのに意外に知られていないので是非皆さんに知っていただきたかったのと、コンサート全体を通じて最後の締めに相応しく、かつ私達らしい演奏会のプログラムかな?とも思ったからです。

この曲のアレンジで何が一番大変だったか・・・やはりピアノ・パートですね。 カスタネットはどうしても拘りたかったので、普段スタジオでご一緒させていただいているパーカッショ二ストから楽器の選び方や演奏方法をうかがったりして、楽器そのものは浅草にあるパーカッション専門のお店に行き、音を確認してから購入した程です。 なかなかいいお値段でしたが。f^_^;

 

…だそうです。
新垣さん書き下ろしの新曲も是非とも聴いてみたかったところですが、小池さんアレンジのモーツァルトもほんと素敵だったんです。それを皆さんにも聴いていただけることになりましたので、ゲネプロ時の動画ではありますが↓どうぞ♪

 

 

 

 

余談ですが、この「シチリアーノ」って言葉はクラシックに詳しくない方でも意外と目にする曲名ではないかと思うんですが、これは物や場所の名前とかではなく、ゆったりとした8分の6拍子か8分の12拍子で作曲されてる、基本的には短調の舞曲のことなんだそうですよ。フランス語では「シシリエンヌ」というようなので、こうなると更に目にする機会は多くなりますよね。このへん、小池さんとウィキペディア先生に教えていただきました♪

で、一般的には「シチリアーナ」と女性名詞で書くことが多いようなんですが、今回は男性である新垣さんがメインなので敢えて男性名詞の「シチリアーノ」って名付けたとか…そんなわけで「アダージョ・シチリアーノ」は小池さんオリジナルのタイトルですが、元になってるモーツァルトのピアノ協奏曲 第23番の大きな流れを感じながら聴いてみてくださいね(*^^*)

 

 

 

 

こうして演奏会は大盛況のうちに終了。
演奏終了後にはロビーでサイン会が行われました。私もCDを買って、しっかりサインの列に並ばせてもらいましたよ(* ̄∇ ̄*)

オンマウスで小池さんの奥様である里枝さんと、さきほどお話に出た新垣さんの先輩になるヴィオラの斉藤さんの写真になります(*^^*)


コンサートを終えてみてのお気持ちを、小池さんに語っていただきました♪

 

今回のコンサートは音楽とオーディオのコラボということが1つの大きなテーマでした。
実は長い間、演奏者として活動をしてきた自分自身が思うのは、一見似たような種類の2つのものが、意外に接点があるようだがそうでない・・・なんとなくお互いのピントが合っていないなという実感です。演奏者は自分達が奏でる音しか聴かず、 オーディオ・リスナーはアンプがどうだのケーブルがどうだのと、結局スピーカーから聴こえてくる音しか聴いていない、 という図式が多数を占めていると思うのです。

演奏者はもっと伝えるべき事があると思うし、オーディオ・リスナーも生というリファレンスをもっと知るべきだと思うのです。それを繋ぎあわせる架け橋が今回のような生のリファレンスに触れて自宅の音楽再生に生かし、自身が信じられる耳を持つようにする。 また演奏家も自身の演奏が聴き手にどのように伝わっているのか、正しく伝えているのか確認出来る耳を持つべきなのではないか、 と考えるわけです。

偉そうな事を言っていますが、音楽は楽しければいいというだけでは不十分な気がするのです。やはり伝える、伝わる事が感動を共有出来る事のように思えるのです。

演奏者が日々練習に励み、技術を磨く事は大切な事です。でも聴く側に演奏者の持つ音楽が伝わらなければ意味がありません。高価な機材、ケーブルを購入しても自分自身が演奏者の気持ちが伝わってこない、本当に良いのかそうでないのかもよくわからないのでは単にその機材を持つ事の自己満足に過ぎないと思うのです。

人間が持つ五感に加えて第六感をもフルに活かして伝える、伝わる事が出来たらこれぞ至上の快感ではないのでしょうか。

前振りが長くなってすみません。 ・・・ということで、何より今回このコンサートを開くことが出来たことは本当に良かったと思っています。 演奏に関しては、聴いていただいた皆様がいろいろとお感じになったこと、それが素直で正しいお気持ちだと思います。 ご来場いただき、ありがとうございました。

 

 

続いて、一緒に行ってた作曲の岩垂徳行さんによるコンサートの感想です♪

 

ホールの残響がとにかく美しい。ピアノ5重奏でも十分に響き渡る音はとても魅力的でした。1階もいいんですけれど、やはり2階席がいいですね。そしてステージの微妙な立ち位置によっての音の伝わり方(明瞭さ、奥行き感)が劇的に変わるのがびっくりしました。

演奏はこれまでも小池ストリングスの演奏会を何度も聴いてきましたが今回も楽しいプログラムで、小池さんのしっかりとコシがあり際立つ音を中心に、新垣さんのピアノが全体のバランスをうまくまとめてくれてか、緊張感のあるとても良い演奏でした。新垣さんのピアノ、初めて生で聴きましたがすごくよかった!そしてお人柄もとてもよかったです。

 

さすが作曲家さんらしい、そして小池さんとお仕事をともにしたことのある岩垂さんらしい良いコメントですよねえ(*^^*)

最後は張替夏子さんの…新垣さんが勤められてた桐朋学園大学作曲科の出身である彼女ならでは感想です♪

 

モーツァルトの弦楽5重奏、といえば、大学のスコアリーディング(しかも実際ピアノで弾くやつ)の授業が思い出され、つい頭の痛い想像をしてしまいますが、今回は生演奏、しかもインペク時代にお世話になった小池ストリングスの皆さんによる演奏で、都内でトップクラスの素晴らしい音響の紀尾井ホール。 更に天皇陛下が座る二階席で聴かせて頂くという、なんとも贅沢なモーツァルトでした。 それぞれの楽器のかけあいや、おいしいフレーズを奏でるviola&celloの生き生きとした演奏で、立体的なモーツァルトのスコアが見えてくるような5重奏を、耳からだけではなく、目からも楽しませて頂きました。

後半のシューベルト「鱒」。
(個人的な感想を述べますが、2年前に某ゴースト騒動で有名になった新垣先生。 私にとっては母校桐朋学園大学の先生の1人としての認識なので以下、新垣先生とさせて下さい。 学生時代、先生に直接指導して頂いたり、先生の授業を受けたことは残念ながらないのですが、学内でもその存在感は圧倒的で、ひれ伏したくなる程の質の高い作品や演奏に毎回驚きと感動を頂いていました)

私が大学生の頃、凄すぎる新作の自作自演を聴かせて下さっていた新垣先生と、大学卒業後のインペク時代にスタジオミュージシャンとして出会った小池さんを筆頭とした小池ストリングスの皆さんによるロマン派のシューベルトの、しかも「鱒」というクラシックの超メジャーな名曲の生演奏…!!と聴く前からワクワクしていた「鱒」でしたが、これがもう何よりも素晴らしい演奏でした。

今思い出しても泣いてしまいそうですが、生き生きとしたストリングスと、全てにおいて的確な役割を果たしながら、キラキラと紡がれる新垣先生のピアノの絶妙なバランス。
「鱒、こうあるべき」な演奏に、心底感動しました。

特に4楽章の鱒変奏曲の冒頭、ストリングスが鱒のテーマを奏でている後ろで、その音色を一番近くで聴いていた新垣先生の穏やかな横顔を見て、涙が流れてしまいました。

生活も時間も、人生の時間のほとんどを音楽に捧げて生きている新垣先生が、あの時あんなふうにテレビで取り上げられ、時には有る事無い事でっち上げられたりして、直接の関わりのないこんな私でも、同じ学び舎で過ごした作曲科の先輩である新垣先生の姿や、先生に対する心無い言葉に心を痛めた1人です。

騒動の後、バラエティ番組などでコミカルな先生の姿を観て笑わせてもらったりもしていますが、この日舞台上で演奏していた新垣先生は、ひたすら作品と真摯に向き合い、心から誠実な演奏を我々に届けようとして下さっている、私の記憶にある先生の姿と全く変わっていない姿でした。

素晴らしい演奏が終わり沢山の拍手を送りながら、私なんかが本当におこがましいですが、新垣先生が音楽の世界にかえってこれて本当に良かった、新垣先生との演奏を聴かせて下さり小池さん本当にありがとうございました、という気持ちで一杯でした。

だいぶ私情を挟んだ長い感想になってしまいましたが、この日は自分のアレンジ仕事の締め切り1日前ということもあり、家を出る直前まで机にかじりついていたのですが、このような演奏会を聴かずしていられるものかー!と、かなり無茶な状況ではありましたが思い切って足を運んで本当に良かったです! また次回の小池ストリングスの演奏会を、今から楽しみにしております♪

 

失礼ながら、某ゴースト騒動で初めて新垣さんの存在を知り、その後はバラエティ番組での演奏しか知らなくて今回の生演奏に感激してる私には絶対に語れない、色んな深い思いの詰まった本当に素敵なコメントですよね。岩垂さんも張替さんもお仕事の都合でコンサート後はバタバタと帰ってしまったので、ここできちんと語ってもらえてよかったです(*^^*)


私にとって色んな初めてがいっぱいだった今回のコンサート、もう感動と感激で舞い上がりすぎたためにホールと小池さんと新垣さんしか見えてなくて他のメンバーさんにお話を伺えてなかったり、その他の細かいところまでの記憶がないのが残念な限りですが、少しでもレポを楽しんでいただければ幸いです。

 

 

2016年8月2日   


 

 

 

 

 

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