音響監督さんのお仕事Q&A 〜長崎行男さんに聞く〜

 

 

皆さんは「音響監督」という職種があるのはご存じでしょうか?
私の場合、映画やテレビ番組のスタッフロールを見てると必ず出てくるので存在自体は知ってたんですが、実際にそれがどういうお仕事なのかは5〜6年前までほとんど知りませんでした。その後、おっちゃんことフルーティストの旭 孝さんと一緒にやってる録音レポの関係で「作曲家さんにどんな音楽を書いてほしいって要望を出す人」「どのシーンにどんな音楽をつけるのかを決める人」「声優さんを選ぶ人」くらいの認識はできてきたんですが、それでも特に気には留めてなかったんです。

ところが2年ほど前でしょうか…多分キッカケは作曲の岩崎 琢さんのお仕事レポのどれかだと思うんですが(時期的に‘C’かな?)、音響監督の長崎行男さんが私のツイッターをフォローしてくださった上に「自分が手がけた作品のレポが他にもあって色々と読ませてもらった」なんて嬉しいメッセージまでくださったんです。もちろん私からもフォローのお返しをし、少しずつ交流させていただくようになりました…と言っても長崎さんと岩崎 琢さんとのやりとりや、長崎さんお1人でのつぶやきを一方的に読ませていただくだけだったんですけどね(^^ゞ

そうしてだんだんと音響監督さんというお仕事に興味が湧いてきたと同時に疑問もいっぱい湧いてきたので、朗読劇鑑賞のための上京を機にダメ元で対談をお願いしてみると、まさかの快諾。ほんともう奇跡のような対談が実現しましたヾ(゚∀`*)ノ゙

ちなみに、この対談には私の他に元インペク屋さんで現在はバレエピアニストとして活躍中の「chocoちゃん」こと張替夏子さんと、東京国際映画祭スタッフの徳武英章さんが同席しています。音響監督さんのお仕事Q&Aには特に関係のない単なる雑談もありますが、そのときの雰囲気ってことで合わせて楽しんでいただければと思います(*^^*)

 

☆長崎さんは「」、chocoちゃんは「」、私は「」で表記します☆

 

 

 

〜音響監督さんは1人3役〜

 

ゆ:では、まずはほんとの1から…ということで、音響監督さんってどんなお仕事ですか?

な:音響監督って、日本独自の職種なんですよ。アメリカだと、サウンドスーパーバイザーという効果寄りの人と、ミュージックスーパーバイザーっていう音楽寄りの人と、セリフのディレクションをする監督と、大きく3つに分かれる作業を音響監督が一人で担ってやってるんです。

作曲家に「こういう音楽を作ってください」ってメニューを出して、声優さんによるセリフの収録をやって、効果音の指示出しをやって、各話の選曲作業まで、音周りを統括してやっています。

ゆ:なるほど…1人で3役も担うとは大変ですね。では、音響監督さんのことを音楽監督さんと呼ぶこともあるようですが、その違いは何ですか?

な:クラシック音楽における音楽監督と、アニメや映画における音楽監督は意味合いが違います。アニメや映画の場合は便宜的な呼称ですね。例えばメロディーを書く人とアレンジをする人が違う場合、メロディーを書いた作曲家よりもアレンジャーの方が年上だったり地位が高かったりした場合に「音楽監督って言い方にしとこうか」みたいな(笑)

C:えぇ〜!?

ゆ:そんな相手次第で変わるっていう、けっこう曖昧な感じなんですか!?

な:はい、変わります。アメリカなんかだと厳密にスコアを書く職種なんてのがあるけど、日本の場合はそのへん曖昧にしちゃってるからね。例えば、けっこう著名な作曲家の方でも他人のアレンジをやっていたり、実はあの人のアレンジやってるんだけど表には出たくないって人がいたり。そういう場合、便宜的に「音楽監督」って言って音楽家よりもちょっと偉そうに見せてるんですけど、やってることは同じです(笑)

ゆ:ほぉ…そのあたりにはちょっと大人の事情っぽいのも見え隠れして、何だか面白いですね(笑)では、先ほど音響監督さんのお仕事の中に「各話の選曲作業」ってのがありましたが、選曲屋さんという職種の方もいらっしゃいますよね?その方との線引きは何ですか?

な:これは歴史を追わないと分からないと思うんですけど…日本のアニメーションって、戦後は東映から始まってるじゃないですか。で、東映は実写の考え方を取り入れてるんで、音響監督は必要ないってのが基本スタンスなんです。

C:えっ!いらないんですか!?

な:東映さんが一番最初に作った本格的カラー長編アニメに「白蛇伝」ってのがあるんですけど、あれは実写で撮ったものをロトスコープで描いてるんで、普通の映画のようにやってるんですよ。

C:へぇ〜!
ゆ:へぇ〜!

な:まあ、今は通常のアニメ会社的な作り方をしてる作品もあって、僕も東映アニメ作品の音響監督をやらせてもらってますけど、未だに大半の作品は音響監督なしで、演出家がセリフ録りから音楽ライン(どこからどこまで、どんな音楽がほしいというメニュー)出しまでやってますよ。そのあと選曲屋さんにメニューを渡して、音楽の編集をしてもらうんです。選曲屋さんは選曲屋さんで、「監督はこう言ってるけど、こっちの方がいいかな」みたいな直しをします。

ゆ:えっ!監督よりも選曲屋さんの方が発言権というか決定権があるんですか?

な:あ、いや、それはないですよ。そのあたりのお話はあとでしますね(笑)
まあ、そういうことで元々は音響監督という人は存在しなかったんです。で、東映で「西遊記」や「シンドバッドの冒険」を作っていたスタッフの中に手塚治虫さんがいて、後に「虫プロ」を創るんですね。手塚さんは東映での流れをそのまま受け継いで虫プロを創ったんで、虫プロも最初は音響監督はいなかったと思います。

でも、そのうち虫プロに集まった編集の人たちが独立して「音響監督」を作るんです。オーディオプランニングーユーの浦上靖夫さんとか、もうお亡くなりになりましたけど「現 GEN」っていう音響制作会社の松浦典良さんとかは虫プロで編集をしてた人たちです。その人たちが「絵を描く人たちと音の作業を分けないと、毎週毎週テレビで放送する作品は作れない」という事態に陥った時に、流れ作業的に…システマチックに音響作業を行えるように作り出したのが音響監督という職種なんです。アメリカを見て作ったわけじゃなく、日本独自のシステムですね。

で、さっきの「監督より偉い、偉くない」の話だけど、もともと実写のスタッフって監督のために集まるんですよ。監督が何をしたいかによって、カメラマン、録音技師さん、美術さん…と選んでいく。アニメの場合も全く同じですね。キャラクターデザイン、音響、美術…みんな監督が何をやりたいかを実現するために集まったスタッフだから、監督よりえらい人は1人もいないですね。

ゆ:なるほど。では、監督さんのやりたいことによって人選するということですが、そのお仕事の依頼はどこから来るんですか?監督さんが「あの人を呼んでくれ」とかいうことで来るんですか?

な:はい、実はあのアニメ制作会社ならこの音響制作会社って、だいたい固定されてるんですよ。そうすると、新入社員で入ってきてプロデューサーになってもその流れを崩さないから、やっぱりアニメ制作会社が決まった時点で自動的に音響制作はこの会社って決まるんですよね。で、そのプロデューサーが独立して新しい会社を作ったり、別の会社に行ったとしても「今までやってきた音響制作会社が楽だからそのままでいいや」って、やっぱり自動的に流れができちゃってるのが従来のやり方です。何故かっていうと、音響制作会社の数がすごく少なかったから。で、アニメ制作会社の数も少なかったから、わりと自然に流れができたんだよね。

それが10年くらい前からかなあ…深夜系のアニメが増えて、アニメの本数が増えて、制作会社が一気に増えてきた。成り立ちとしては、元請けの会社があって、そこから下請けの会社にやらせてたのが、作品数が増えたから下請けが元請けに上がってきたりとか…。

ゆ:へぇ、確かに一昔前だと年単位で放送されてるアニメがいっぱいありましたけど、最近は1クール単位でどんどん新しい作品が出てきますもんね。

な:そう。で、それと同時に音響制作会社で制作や音響監督をやってた人が独立して新しい音響制作会社を作るとかでどんどん数が増えていって、わりとバランスが取れてた時期があったんですよ。今はそこからまた進化して、音響制作会社が自ら制作委員会に出資して、その代わりに音響制作を請け負うという新しいスタイルが出てきてますね。

何故かと言うと、ここ数年はアニメの制作費自体が変わらない…というか、下がっちゃってるんですね。色塗りとか、撮影とかがデジタル化されて、機材や人件費が安上がりになってるだろうという理由で。それは音楽も同じですよね。PCで出来る打ち込みの音楽の質が上がってきたから生のミュージシャンの仕事がなくなるとか、ね。

ゆ:ああ、それはよく聞きますね。あと、打ち込みでいろいろ出来るようになってきたことで作曲家さん自身がマスタリングまでやっちゃう場合もあって、エンジニアさんのお仕事も減ってるとか…

な:うんうん。そうやって他で代用できるようになってきたから…いや、本当の音作りはそれじゃダメなんだけど、でも出来るように見えてきたから、さらに制作費が下がっちゃうんですよね。アニメも全体の制作費が下がったので、音響制作費も下がる。そうすると僕らのギャラも下がって音響制作会社自体が成り立たないから、さっき話したような音響制作だけじゃなく作品自体の利益から儲けようってところが出てくるんですね。

そうなってくると、今までの「Aというアニメ制作会社だとBという音響制作会社で」っていうのが崩れちゃうんですよ。例えば「いちばん安い音響制作会社に発注します」って感じで、わりと自由度が上がってきてるんですね。

他には、監督が「○○(他社制作の作品)のときに一緒になった、あの音響制作会社のあの音響監督がいい!」なんて指名してきたり…。プロデューサーも一緒ですよね。それぞれ独立したり別のところに移籍したりしてるから、わりと最近はそういう指名制になってきてます。音響監督も昔は会社固定だったんですけど、最近はフリーの人が増えてきてますね。そういう僕もフリーですけど(^^ゞ

ゆ:お名刺を拝見すると出版会社のお名前がありましたけど、あれは…?

な:そこにはマネージメントをしてもらってるんです。音響監督としてはフリーなんで、どこの音響制作会社ともやるし、どこのアニメ会社とも仕事をしますよ(*^^*)

あ、あと、僕の場合は最近「監督が新人だから助けてあげて」ってプロデューサーからの依頼があったりしますね。僕らの仕事って、そうやってつながってるんですよね。監督だけにいい顔するんじゃなく、そこにいる全員がうまく納得できるような音響現場の場作りをするのも音響監督の仕事だと思ってます。

 

冒頭で「2年ほど前にツイッターでつながった」と書きましたが、その後2013年1月に行われた岩崎 琢さんのライブ会場でほんの一瞬だけご挨拶させてもらってたんです。

あれから9ヶ月…嬉しい再会、まさかの対談に心から感謝です(*^^*)

 

〜音響監督への道〜

 

ゆ:では、そんな長崎さんたちに憧れて音響監督を目指してる若い人たちがいると思うんですけど、音響監督になるためにはどんな知識が必要だとか、どんな学校に行くべきだとか、そういうのありますか?

な:僕はすごく特殊な成り立ちで音響監督になってるんで、僕の例は全くアテにならないと思うんですけどね。う〜ん…音響制作会社に入って、いわゆるアシスタントとして修行するっていうのも1つの手ですね。で、それ以前…どんな知識が必要だとか、どんな学校に行ったらいいかとか、そこは全く関係ないです。

C:えぇ〜!全く?関係ない!?

ゆ:何かビックリ…例えば自分でもちょっと楽譜が読めるとか、何か楽器ができるとかの音楽のたしなみがあるとか、そんなの全く必要ないんですか?

な:いらないですね。まあそれぞれ特色だから。僕はわりと音楽寄りの音響監督なんで出来ますけど、そうではない…音楽畑ではない音響監督もたくさんいるので大丈夫ですよ。

ゆ:聞くところによると、音楽畑ではない音響監督さんの方が多いとか…

な:そう、音楽畑の人は少ないですね。全員が作曲ができるとか、そんなことはありえないです(笑)でも、効果音を作ってる人で元ミュージシャンって人も多いし、音楽好きな人は多いですよ。まあ、好きじゃないとやっていけないってところはありますよね。

あとは役者さんだったって人もわりといるかな。7割方セリフが大切なんで…って、まあどれも大切なんですけど、やっぱり役者さんがいい演技をしてくれないといい作品にはなりえないから、その役者さんの気持ちがいちばん分かる元役者が音響監督になるってケースも多いですね。

 

〜音響監督さんのお仕事 声優さん&アフレコ編〜

 

ゆ:なるほど…じゃ、その流れで聞きたいんですが、声優さんを選んだりするのも音響監督さんのお仕事なんですよね?

な:音響監督の仕事の一部ではありますけど、決定権は音響監督にはないですよ。最後に決めるのは、やっぱり監督です。

ゆ:あ、さっきのお話にあった「音響監督も監督の作りたいもののために集まった1人」ですもんね。ふむふむ…あと、アフレコのときに演技指導されるのも音響監督さんなんですよね?

な:そこが大きな間違いなんですよ…うん、今はそうなっちゃってるのは事実なんですけど、ほんとはアフレコの現場で演技指導なんて出来ないんですよ。そんな時間はないです。ただ、最近はタレントやアイドル歌手の方が主役に抜擢されることがありますよね。そういうときはそのタレントさんたちも分からないことだらけで戸惑ってるでしょうから、出来る限りの指導はします。

C:へえ〜!私たちの中では、音響監督さんのお仕事というのは声優さんを選んだり演技指導をしたりするのがメインかと…

ゆ:うんうん!そう思ってました!ビックリ〜!

な:えっとですね、映画の現場もテレビの現場も演技指導はしてないです。これもスケジュールの問題ですね。きっちり演技指導してるのは演劇だけです。演劇は稽古期間が1ヶ月とかあるから、演出家が自分の思う通りに役者を指導したり育てたりってことができるんですね。でも、テレビの撮影もアニメのアフレコの現場も、そんなことしてたら毎週の放送に間に合わなくなっちゃいます。

ゆ:なるほど…ほんとに時間との戦いって感じなんですね。じゃあ、その指導しなければいけないときっていうのは「ここはこんな感じで、もっと気持ちを込めて〜!」とか、そんなことを言うんですか?

な:うん、気持ちを説明しなきゃいけないんですよ。

ゆ:気持ちを説明…うわあ、大変そう。

な:本来そういうのはレアケースであってほしいんですけど、最近のアニメの風潮がね…例えば深夜のアニメって、最近の流行で日常系のアニメが多いじゃないですか。女の子が集って仲良く30分しゃべってるだけの話とか、あれってテンションの高い演技って必要ないんですよね。

ゆ:まあ、特に叫んだりすることもなく、自然のままに喋ってればいい感じですよね。

な:そう、普通に喋ってればいいんですよ。でもアニメって本来はテンションが高かったりとか、感情表現が豊かじゃないといけないと思うんですよね。でも、最近の若い声優さんたちはそういう日常系はできても、ちょっとアニメ寄りの作品になるとできないんですよ。

ゆ:あらまあ…あ、そうすると、今やってる「キルラキル」なんてすごいですよね!

な:「キルラキル」いいですよね。素晴らしいです!

まあ「キルラキル」なんかは典型ですけど、まず上手い演技ができる役者ばっかりを集める。そして、いかにその役者たちがノって良い演技をしてくれるか…そういう場を作るのが音響監督の本来の仕事だと思います。映画監督もそうですね。いかに役者が気持ちよく良い演技ができるかっていう場作りをするのが監督の仕事。何か、太鼓持ちみたいですよね(笑)

C:なるほど〜!(*゚▽゚*)

ゆ:いやあ、いろいろ目からウロコですねえ。でも、今はその本来の音響監督さんのお仕事ができるまでに至らない状況があるわけですね…。あ、演技指導をするためには、音響監督さんも早くから台本を読んでるわけですよね?

な:台本だけじゃなく、原作があれば原作を読みます。そしてその次に、シナリオが来たらシナリオを読みます。そのあと絵コンテが来るんで、絵コンテを見ます。で、アフレコの何日か前にアフレコムービー(アフレコ当日に使うのとほぼ同じ映像が入った練習用ビデオ)と台本が届くんで、それを1回見ます。で、全て忘れます。僕の場合はね。

何故かって言うと、絵コンテを見たり台本を読んだり、ときには監督から「こういうふうにしゃべってください」って言われたことを役者に伝えるインタープリターみたいなみたいなことをしてると、どうしても自分の中で「この役はこういうテンションでこんな風にしゃべって…」って固定観念ができちゃうんですよ。そうすると、その自分のイメージに近づけていくことがOKってことになるじゃないですか。でも、たいていは自分のイメージ通りにはならないから、満足度としては90%か、よくいっても99%で絶対に100%はない。

それを、僕の中で漠然と「こんなのがいいなあ」くらいの気持ちで臨むと、ふと何かの拍子に105%くらい僕を満たしてくれる演技をすることがある。そしたら「じゃあ、もうちょっと盛り上げたら150%いくかな」と思ってそういうことをすると、最初に僕が漠然と思ってたのより150%くらい良いものができて、それが他の役者さんにも広がっていってアンサンブルになってくると、200%や300%のものができてくるんですよ。だから僕はその方がいい。

僕のやってる仕事はテレビの前の人たちの第1号、いちばん最初の観客だと思ってるんで、僕が面白ければOK!非常に不遜な考えだけど(笑)アフレコ中はほんとに素直に笑ったり泣いたりしてます。もちろんこれは人によると思いますけど、僕はそこを大事にしたい。

C:素敵です〜!ヾ(゚∀`*)ノ゙
ゆ:すっご〜い!ヾ(゚∀`*)ノ゙

な:良い役者の条件って、台本を読むことなんですよね。しっかり読み込んで、如何にそのセリフに含まれてる気持ちを考えることができるか…そこですね。それをどういうふうに表現するかはテクニックなんだけど、今の若い人は考えないしテクニックがない。

演技指導って言っても、テクニックを教えることなんですよね。そこはもうちょっと小さい声を出して…とか、マイクから半歩さがってみようか…とか、台本の持ち方はそうじゃないよ…とか、ほんとはそんなことを現場でやる必要は一切ない。というか、やれない。

ゆ:でも、最近はそういうのが必要な場合もあるわけですね…。

な:あります。

で、例えば「君も考えてきたみたいだけど、このキャラの性格はこうだからそんな風には考えないで、もうちょっとこう考えてみなさい」ってことは言うけど、それは演技指導じゃない。ある意味ディスカッションですよね。それが良い現場で行われてることです。

ゆ:もしそういうテクニックの指導が必要ないくらい声優さんそれぞれが頑張ってくれてれば、もっとディスカッションの時間が増えて、もっと良いものができるかもしれませんよね。

な:そうなんですよね。

あと、相手役の人が台本を読んで考えてきた気持ちをセリフに乗せて表現するじゃないですか。その人と一緒に演じる者は、その相手役が表現したことに対して応えなきゃいけない。なのに今の若い人たちは家で練習してきたことをそのまま出すだけで相手のセリフを聞いてないから、会話にならないんです。

相手がこう来たからこう返すべきかなとか、強くきたら強く返すとか、引いてきたら押してみるとか、そういう駆け引きが必要なのに、ベテランの人がリハと本番で変えてきても新人の方の演技は変わらないんです。これじゃあ、演技のアンサンブルとしてより良くなっていかないですよね。

音楽の場合、演奏者は譜面に書かれてるものをクリックに合わせてきっちりやればいいってことじゃなくて、ちょっとリズムから遅れてみたり前倒しにしてみたり、コンダクターの棒の振り方によって変えますよね。それが音楽家にとって、コンダクターとの会話であり演技だと思うんです。

アニメのアフレコにもクリックに相当する「ボールド」ってのがあって「ここでこの長さでしゃべってください」ってのがあるんですけど、それにぴったり合わせて喋っても面白くない。こぼれてもいいし、そのときに自分が表現したいものがこの指定された長さで足りないんであればセリフをカットすればいいし、逆に多すぎるならセリフを増やせばいいし…そうした色んなやりとりや駆け引きが行われて然るべきなんだけど、何だか機械的にピッタリ喋って終わりみたいに行なわれちゃってるのがやだなあって思ってね。

C:音楽も声優さんの演技も、やっぱり会話が大事ですよね!

ゆ:うんうん!でも、これって音楽やアフレコの世界だけじゃなく、今の社会全体の問題のような気もしますよね。自分のことしか見えてない一方通行な意思の伝え方っていうか…。

な:売れてる声優さんっていうか、同じ時期に同じ人が色んな作品に出てるなあって思うときがあるでしょ?あれって結構きっちりオーディションをやってるんですよ。上手い人だけを選ぶとああなっちゃう。

ゆ:よく巷で言われているようなコネじゃなくて?

な:うん、上手い人が必然的にオーディションで勝ち残ってくるんですよ。それは売れてる人が贔屓されてるわけではなくて、売れない人の努力が足りないんだと思います。

人間の認識能力って視覚と聴覚+αで100%って言われてて、アニメの場合は聴覚が7割で視覚3割、実写の場合はその逆ですね。だからアニメの場合はすごく上手くないと下手くそってバレるんですよ。

アニメは実写ではできない激しい戦闘シーンだったり、壮絶なシーンがあったりするからこそ、実写でやること以上のものができないといけないのにね。ただ「ぎゃー!」と叫ぶだけじゃなくて、その「ぎゃー!」の中に痛さとか怖さとか劣等感とか、色んなものを混ぜなければいけない。それが混ぜられるかどうか…。

ゆ:実写にはない難しさがあって役者さんは大変かもしれませんが、やっぱりそこで作品の印象がかなり変わってくるってことありますよね。映像もいいし音楽もいいのに、何だよこの演技…で、せっかくの作品への思いも一気に冷めちゃうこと、わりとあったりします(^^ゞ

C:そうそう!

な:あ、このまえ僕「キャプテンハーロック」っていうCGのアフレコの演出をやったんですが、CGはまた実写の吹き替えやアニメのアフレコとは別だなあって思いました。何ていうか、アニメのでも実写のでもない第三のアフレコの表現の仕方があるんで、これからもっとCG作品が増えてくるとそのあたりも面白くなってくるなあという気がします。

あと、アメリカ映画には日本語が合うけど、中国や韓国の作品には違和感あるよね。韓国ドラマなんて特に。元の映像はキーが低い声でガンガン叫んでるから、日本人の声優がやると何かね。

C:あははは!分かります。あれ、何ででしょうねえ。

な:あれが西洋人の顔だと違和感ないと思うんですよ。日本のドラマってあんまりギャンギャン叫んでないから、同じようなテンションのセリフ回しでした方が違和感ない。あれはもうちょっと研究の余地があるなあ。僕のところに吹き替えの仕事がこないから分からないけど、ちょっとやってみたいなって思ってます(笑)

そうそう、指導と言えば、ヒマなときは養成所とか行って生徒のレッスンしてるんですよ。

C:ええ〜!そうなんですか!

ゆ:どこにそんな時間があるんですか!

C:ほんとに…

な:いや、ありますよ。だって僕、この秋は新番組の仕事、1本も持ってないから。

ゆ:いやあ、そんなことツイッターでも書かれてましたが、でも11月に朗読劇のプロデュースか何かもされるんですよね?

な:あれは日俳連の役者さんたちが集まって11月3日に東北のチャリティーとして朗読劇をやるんだけど、その演出をしてくれないかって俳優さんから頼まれたんですよ。「ノーギャラですけど、いいですか?」って言われて「もちろん喜んで♪」ってことでね(*^^*)

C:へえ〜!

ゆ:そうやって、アニメのお仕事がないときでも色んなお仕事があるんですね。

な:基本、頼まれた仕事は断らないんで(笑)

ゆ:すばらしい!\(^o^)/
C:すばらしい!\(^o^)/

 

長崎さんのお話がほんと面白くて、聞きたいこと話したいことが止まらない…

自然と体が前のめりになって「もっと!もっと!」って感じになります(*^^*)

 

〜音響監督さんのお仕事 作曲家さん&音楽編〜

 

ゆ:では、今度はちょっと音楽の話を…音響監督さんとしては、台本を読んでる時点から「ここはこんな音楽を使いたいなあ」とか考えるんですか?

な:アフレコ録りながら音楽ライン決めてる人もいるらしいんですよ。僕はテレビの場合は全部セリフを録り終わったあと、頭から見直してつけてくんです。映画の場合はコンテ上で、またはシナリオ上でライン引いちゃいますね。

さっきの音響監督の仕事の「音楽指示」ってところでいうと、映画の場合はもうきっちりと最後までコンテができてるから、それに沿って「ここからここまで、こういう音楽で」っていう音楽メニューを作ります。それを音楽ライン決めって言ってます。で、それを作曲家に渡すんです。

テレビの場合はシナリオが半分くらいでコンテも2〜3話しかないところでラインを決めなきゃいけないから、頭のところは大体絵コンテ通りに音楽メニュ−を書くけど、それ以降は「こんな音楽が必要じゃないかな」って予測しながらメニューを書きますね。

C:うわあ、それはちゃんとその作品の世界観を理解してないと難しいお仕事ですね…。

ゆ:たとえばテレビ放送アニメの場合は前半の段階でもう音楽は出来上がってるわけですから、後半の台本を読んでるときに「ああ、このシーンにはあの音楽をたっぷりと使いたいなあ。でもセリフが少なくて尺が短いなあ」とか思って、脚本家さんに「ここもうちょっと引き延ばしてよ」なんてことを言うこともあるんですか?それとも餅は餅屋で、そこはもう脚本家さんにお任せで口出ししないとか…。

な:いや、それは日常茶飯事的にありますよ。

C:えっ!あるんですか!?
ゆ:へえぇぇぇ〜…!

な:監督と作曲家と三者で話してるからね。最初に「最終回用の音楽」って発注もあるんですよ。「多分こんなシーンになりそうなんで、こんな音楽を作ってください」「最終話まで使いません」って。で、音楽ができたら、その音楽に合わせて監督がコンテを切る、と。

ゆ:あ、最近ときどきそういうのがありますよね。音楽メニューを出す時点で「これはあとで曲に合わせて絵を作るから」みたいに言われて発注されるって話を聞きます。

な:歌ものはわりとあるんですけど、劇伴ではなかなか…やる人は珍しいですね。めんどくさいんで(笑)

ゆ:めんどくさい…あははは(笑)
そういや菅野よう子さんが音楽をされてた「坂道のアポロン」なんかは、劇伴の録音現場にカメラが入って演奏者の姿を色んな角度から撮影して、その動きをそのままアニメ化してるってのもありましたっけ…きっとすごい手間暇かかったんでしょうねえ。でも、その分こちらも感動でした!(レポ→

 

〜アニメ「GATCHAMAN Crowds」のこと〜

 

ゆ:じゃあ、またちょっと話は飛びますが、ガッチャマンクラウズのお話を…

な:その前に、岩崎くんとはどういう知り合いなの?

ゆ:ああ、岩崎さんがやった「オーバン・スターレーサーズ」っていう日仏合作のアニメがあったんですけど、そのレポを作らせてもらったことでつながりができて、そこからまあ私が上京するたびにやってた飲み会に来てもらったりして、今の感じってとこですかねえ。

な:ああ、そうなの!てっきり音大時代の友達か何かかと思ってた!

ゆ:いやいや、音大なんてとんでもない…だからほんとは憧れの作曲家さんとファンって関係のはずなんですけど、何故かあの調子でいつもボロクソに言われてるんですよねえ(^^ゞ

C:ゆみさん、いじられまくりですよね(笑)

な:あははは!いや、2日前にも会ったんだけどね、ゆみさんのこと言ってましたよ(笑)

ゆ:え…何て?今度はどんなことでこき下ろされてるんですか?(笑)

な:いや…あの…ふふふっ…ふははっ!いやまあ、すごく楽しそうでしたよ。いいんじゃないですか(笑)

ゆ:何ですか、それ〜!まあいい、そのうち倍返ししてやるっ!(笑)(倍返し計画その1の結果→ブログに飛びます)

では気を取り直して、「ガッチャマンクラウズ」のときにツイッターで何度か「ギリギリのことをやってた」みたいなツイートされてましたが、その「ギリギリ」って何ですか?

な:絵コンテの上がりが遅くて、アフレコの前日にもらうみたいな(笑)

ゆ:………(;゜○゜)

な:そうそう、「ガッチャマンクラウズ」は作曲を頼んだときにシナリオが影も形もなかったんです。

ゆ:ああ、岩崎さんがラジオで「監督さんの頭の中にだけある」なんてことを言ってましたね(笑)

な:そう(笑)何もなくて、予測値で書いてったメニューに岩崎くんが予測値で足していったっていう…そんな作り方をしたアニメでした。その流れでお話すると、「ガッチャマンクラウズ」は絵がないままにアフレコやってます。

ゆ:え!?じゃあ、さっきのお話に出た「ボールド」とかいうのだけで?

な:いや、そのボールドもなくて、ドラマCDの要領ですね。セリフとト書きが書いてあるシナリオを見ながら絵なしでアフレコして、あとでコンテ切ってるんですよ。宮野くんなんか、全てそうですよ。

C:宮野さん、すごい…!

ゆ:そんなことができるんですねえ。この「ガッチャマンクラウズ」では全体的に宮野真守さんの弾けきった演技に大いに笑わせてもらったんですが、9話で宮野さんがミュージカル調になったり叫んだときの声と、バックで流れてる音楽とがぴたっとハマった瞬間がありましたよね。あれはビックリでした!

な:そうそうそう、ぴったり合いましたねえ。あれには僕もビックリでした!
岩崎くんもダビングに来て「おお、ぴったりだ!」って喜んでましたよ。あれ、宮野くんには曲は聴かせてないんで、ほんとたまたまなんですよ。

C:わあ、すごい!

ゆ:たまたま叫んだのが音楽的に合っちゃうなんて、何かもう奇跡ですよね!すご〜い!それにしても、この「ガッチャマンクラウズ」では岩崎さんがほんと楽しそうでしたよね。

な:うん、結局13本作ったんだけど、そのうち10回くらいはダビングに来てるもんね。

ゆ:やっぱり長崎さんが自分の音楽をちゃんと理解して、大事に扱ってくれてるってのが嬉しかったんでしょうね。あんなふうに嬉しそうに楽しそうにお仕事してる姿ってのは、岩崎さんのファンとしてとても嬉しく思いました(*^^*)

C:うんうん(*^^*)

ゆ:私、岩崎さんにはツイッターとかフェイスブックでこれでもかってくらいディスられてますが、一応ファンなんですよ(笑)

C:一応(爆笑)まあ、ゆみさんご本人はアレかもしれませんが、ゆみさんと琢さんのやりとりを楽しく羨ましく見てる方たちは多いと思いますよ(笑)

な:あははは!岩崎くんとのやりとり、いつも見てますよ(笑)

ゆ:まあ、あの「おばちゃん」呼びから始まって色々と思うところはあるんですけど(笑)それでも自腹を切ってでも良い音楽を作ろうっていうあの姿勢には素直に感動するし、頑張ってほしいと思うんですよね。

な:そう、岩崎くんはけっこう自腹を切ってやってるよね。

ゆ:はい、前に「黒執事」ってアニメをやってたんですけど(レポはこちら)、そのときも自腹でエンジニアさんを2人も呼んでましたよ。打ち込み系に強い田村能成さんと、生オケ系に強い吉田俊之さんと…その費用は3桁にも上るとか。

な:うんうん、彼の熱意はすごいよね。なのに「劇伴作家を辞める〜!」なんて言ってたから、これは思い留まらせないと…って思ってね。いやあ、やる気になってくれて良かった!

C:はい、私たちも琢さんの音楽がいっぱい聴けて良かったです!

な:今回のガッチャマンはわりと音楽アニメにしたんで、けっこう流してたでしょ?

ゆ:うんうん、すっごい流れてました!

C:はい、あったと思います!

ゆ:かなりメッセージ性の強いアニメでしたよね。今のネット社会が抱える問題に切り込んでるというか…前の「C」もそんな感じだったなあと思って見てました。

な:そうですね。最近の中村健治監督はメッセージ性が強い作品が多いですね。

 

「ガッチャマンクラウズ」のときの編成表です。

たいへん貴重な資料を見せていただいた上に、それを皆さんにも見ていただけるサイズで掲載することを許可してくださいました。ぜひ右の画像をクリックしてみてくださいo(*^^*)o

 

〜長崎さん流ダビング術〜

 

ゆ:あ、先日発売になったキーボードマガジン(2013年10月号)っていう雑誌で岩崎さんが「劇伴のオーダーに多い1分半というのは、音楽的にはいちばん中途半端で嫌い」ってのを読んで思ったんですけど、そういや一昔前に比べると絵に小刻みに音を合わせるってのは少なくなったなあって気がするんですよね。長崎さんもやっぱり1曲を長くたっぷり使うのが好きですか?

な:いや、子ども向けのやつは子どもが飽きちゃうんで、シーンごとにつけますね。でも、それもシーンごとに区切っちゃうと流れが止まるので、ちょっとこぼすなどの色んな工夫をしてるんですよ。あと、ギャグっぽいのもテンポ感を出すために、やっぱりシーンごとにつけることが多いかな。で、大人向けのやつはわりと長めにどーんと使います。

ゆ:ああ、なるほど…前に「流れが止まる」なんて感じのお話をツイートされてたのを読んだんで、長めに使うのがお好きなのかなあと思ったんですが、そういうことだったんですね。

な:はい。あと、音楽を使わないっていう監督もいるんで、そういうときは大変ですね。

ゆ:へえ…使わない?

な:そう、ここぞってときにしか使わないっていうね。

ゆ:じゃあ、あとのシーンは効果音とか生活音とか、そんな感じですか?

な:そう、その生活音を考えるんです。

ゆ:確かに会話は淡々と続いてるのにバックは無音ってアニメ、けっこうありますよね。そうなったらそうなったで、音響監督さんには今度は生活音を考えてつけるというお仕事が出てくるわけですか…へえ〜!

では、前に岩崎さんが「ステムで使うのは、音楽の手足をもがれるようなものだ」みたいな発言されてましたが(こちらこちら)これらについて長崎さんのお話を聞いてみたくて…

な:それはね、ステムの使い方を間違ってるんですよね。ステムって本来そういう用途に使うものではないので…。

ゆ:そう、そこが知りたいんですよ〜!いまは何ていうか、曲数を増やすために、またはバリエーションを増やすためにバラして使われてたりしますよね。でも、そうではなくて、ほんとのステムの使い方ってどんなんだろうと思って…

な:昔はミックスダウンのときに僕らが立ち会って、バージョン違いとしてドラムがなくても使えそうなのを作ってもらったり、作曲家が勝手にそういうのを作ってきたりってのがあったんですけど、僕は基本的にそういうのが嫌いなんです。音楽はなるべく完成系のをそのまま使いたいと思ってる。

でも、例えばループ音はいらないなって思うときがあるじゃないですか。で、ループ音だけ抜きたいな…とか、ここは途中からメロを入れるとカッコいいなとか…そういうときに前はいちいちそれを作ってもらってたんですが、ステムとしてもらえば僕らの方でいつでも好きなように編集できるんで、そのためにもらってるんです。でも、バラしてそれだけで使うとか、それは間違ってると思いますね。

ゆ:なるほど!あくまで自分たちの手で上手く編集するために…の素材であって、素材単体で使うのはおかしいってことですよね。うん、確かに…とてもよく分かりました!(*^^*)

ところで、いち視聴者からすると、曲をバラしてたり切り貼りしててもオンエアを見る限りでは分からない場合がほとんどじゃないですか。サントラを買って原曲を知って、初めてその使い方に感動したり、逆に愕然としたり…

な:ああ…。うん、うまく使いたくなる曲と、これどうしようかなあって曲があるんですよ。劇伴なんだからA-B-C-A-B-Cで作ってほしくないの。まあ、その方が尺を縮めるなんかの編集は簡単です。だから、そういうのを好む人もいるかもしれないけど、僕は編集が難しければ難しいほど、展開が難しければ難しいほど燃えたりするんで、やっぱり音楽自体が物語を語ってくれてた方がいいなあ。ポップス構成にされちゃうと、どうも物足りなくて…。

ゆ:わあ、こういうのいいなあ。これ聞いたら、作曲家さんも燃えるでしょうね!

C:はい、そして私たちも燃えます!

ゆ:私らの場合は「萌える」かも?(笑)

 

まだ対談は中盤ですが、お話を聞けば聞くほど長崎さんにどんどん惹かれていきます。生き様が、お仕事への姿勢が、ほんとカッコいい!

 

〜音響監督さんから見た作曲家さん〜

 

ゆ:ところで、作曲家さんにとって自分の音楽を大事に扱ってくれる人が「いい音響監督さん」なら、音響監督さんにとっての「いい作曲家さん」なんてのはありますか?

な:やはり作品世界を深く理解して、世界観を構築するような音楽を作ってくれる人がいいですね。そして、感情を揺さぶったり、心に染み込んだりするような曲を書いてくれる人。

アニメの場合は実写の音楽よりも情報量が欲しいので、聴いているだけで映像が見えてくるような、イメージ喚起力も必要ですね。いわゆる演技力があって、エンターテイナー的な資質も持ち合わせている人がいいなあ。

ゆ:ああ、生身の人間だとほんのちょっとの表情の変化で色んな感情が表現できるけど、絵で描いた人だとどうしてもその表現に限界がある…だからこそ音楽はより色鮮やかであって、キャラの演技を助けるというか、キャラとともに演じることが必要ということですね。なるほど〜!

では、先ほどのお話に「深夜アニメが増えてきた」というのがありましたが、その深夜アニメが増えてきたのと同時に、最近はニコニコ動画なんかで有名になった方が劇伴を担当されることも増えてきましたよね。そういう新しい人たちの劇伴はどうですか?

な:今までポップスやってて、劇伴にも興味が出てきたからやってみたいんですって言う方たちは意欲があっていいですね。面白い!

C:へぇ〜!

な:ベテランの劇伴作家さんたちは現場の状況もよく分かってるから、見せどころや聴かせどころをちゃんと把握してる音楽でさすがだなって思うんですけど、新しい人たちの熱い気持ちをそのまままっすぐぶつけた音楽もパワーがあって面白いです。

ゆ:なるほど…CGアニメとともに、このへんも今後の展開が楽しみなところですね♪

 

〜音楽メニュー作りとテンプミュージック〜

 

ゆ:ところで、出来上がってきた音楽を聞くと「あれ、これ何かの音楽に似てるな」ってことがあるかと思うんですけど…

な:そのまえにまず…アメリカの音楽の作り方って、まずテンプミュージックってのを作るんです。映像の編集が終わると、監督と相談をして「ここにこの音楽を」っていう監督の指示のもと、ありものの音楽を貼るんです。それで1回ちゃんと完成させたものを作曲家に渡すんです。

ゆ:イメージとして「ここはこんな感じでやってね」みたいな…?

な:そう、だから似るのは当たり前。そこを知ってないとパクリとか何とかって話になるんですけど、基本はそうやって音楽を作ってるんで仕方ないんですよね。

それの一番顕著なのがスタンリー・キューブリックの「2001年宇宙の旅」です。あれって、テンプミュージックそのまんまなんですよ。キューブリックが選んだ既存の音楽を貼って作曲家に頼んだものの、できてきた曲が気に入らないってので没にして、テンプミュージックそのまま使っちゃったんですよ。

C:そんなことがあるんですか…!

ゆ:権利関係とか大丈夫なんですかねえ。そういや、日本でも「○○の音楽みたいに」ってメニューを出される人もいるとか…日本でもやっぱりテンプミュージックっていう方式を取ったりすることがあるんですか?

な:映画音楽の場合は、曲の入れどころや曲のイメージを考慮して、テンプミュージックを作る時もあります。映画は完尺(実際に上映する長さと同じ長さに編集が終わった状態)になってから、音楽と効果音の打ち合わせをするので、こういうことが可能なんです。アニメやテレビドラマの場合は、監督にイメージしている曲なり、作曲家なりを教えてもらい、音楽家に資料としてお渡しします。

ゆ:へえ〜面白い!

こんなお話を聞くと、じゃあ逆に作曲家さんとしてはそうしたテンプミュージックや参考にする作曲家があった方が作曲作業は楽なのか、実は邪魔なのか、そんなことを聞いてみたくなりましたよ(笑)

な:音楽メニューの書き方は人によって違うんですけど、僕がやった「ガッチャマンクラウズ」ってのはこういう音楽メニューでした。僕の場合は大体どんなシーンかってのを書いて、それと合わせて絵コンテのこのシーンですっていう対応表を書くんです。それで作曲家はタイトルと中身で想像して、実際にコンテを見て曲を書くんです。

 

     

☆どの画像もクリックしていただくことで、大きな画像で見られます☆

私も今までに何度か音楽メニューは見せてもらったことがあるんですが、 こんなに丁寧な説明が施されてるのは初めて見ました。特に枠外の「※」のところなんかは長崎さんの作曲家さんへの心配りがあふれてて、ほんと感動します(*゚▽゚*)

 

〜シナリオライター志望が音響監督へ〜

 

ゆ:それでは、長崎さんの小さいころの夢を聞かせてください。

な:普通の人と同じですよ。僕ね、漫画家になりたかったんです。僕が子どものころは手塚治虫の時代で、中学2年のときに色紙にサインしてもらってすごく嬉しくて、それで漫画家になりたいと思ったんです。でも、如何せん絵が下手だったんですよ(笑)

C:あらら…

な:で、諦めて、そのあと中学3年のときに「ウェストサイド物語」のリバイバル上映を観てショックを受けて「ミュージカル映画っていいなあ」と思って、映画監督になろうと思ったんです。中学3年から高校・大学にかけては映画監督になろうと思ってました。

ゆ:すごく大きな括りで言えば、漫画家も映画監督も1つの世界ですよね。やっぱり小さいころからこうした世界に憧れがあったんですか?

な:うちの親が銀行員だったんで、銀行員にだけはなりたくないと思って(笑)
で、大学のときに映画研究会みたいなところに入ったら、僕が1年のときの4年生の先輩が就職で千葉真一さんのマネージャーになったんですよ。それで大学生のときから千葉さんのところに出入りして、企画書やシナリオを書いてたんです。

で、そのままシナリオライターになって、その流れで映画監督になろうと思ったんですよ。ところが、大学に行ってる間にシナリオが採用されなくて、親にも「そんなふらふらしててどうするんだ!」って言われて、ホリプロに就職したんです。ホリプロって当時は山口百恵の映画をいっぱい撮ってたんで、ホリプロにいたら映画監督になる道が少しでも開けるかなあと思って(^^ゞ

ところが入ってみて分かったんですけど、監督もシナリオライターもフリーの人で、社員はプロデューサーにしかなれないんですよ。マネージャーになる気は一切なかったので、とにかく現場で何かやりたいと思って社内を見回してみたら、レコードを作ってるセクションがあったんです。そこにはちゃんとディレクターがいて、レコードには「directed by」ってクレジットされてるのを見ていいなあと思って、社内の新入社員研修が終わったあとでどこに行きたいかを聞かれたときに「レコード制作希望」って言ったんです。そしたら運良く回されて、そこでADをやってたんです。僕ともう一人がその部署に配属されたんですけど、その人は百恵ちゃん専属で、僕はそのほか全部って感じだったんです。だから和田アキ子、石川さゆり、森昌子、榊原郁恵とかやりましたね。

その流れで「映画もやってるから映画の音楽もやってみるか?」ってことで、百恵ちゃんの「古都」とか、森昌子の「お嫁にゆきます」の劇伴制作とかやってました。

C:す、すごい…

ゆ:有名すぎる人のお名前がばんばん出てきて、もう言葉がないです…

な:それで千葉さんのところの真田広之くんが「百地三太夫」で映画デビューするってことになって「主題歌やっていいよ」って言われたことがキッカケで真田くんのレコーディングのディレクターをやってたんです。真田くんがエピックソニーの所属だったから、その流れで僕もエピックソニーに転職したんですね。それから真田くんとは映画の企画を一緒にやったりしてて、1983年に黒崎輝くんが主演をやった「伊賀のカバ丸」って作品でシナリオ書かせてもらったんですよ。

C:すご〜い!(*゚▽゚*)
ゆ:すご〜い!(*゚▽゚*)

な:そのシナリオを書いたことで映画の世界につながりができたんですが、そのころ世間ではマイケル・ジャクソンのスリラーが流行って、PVの時代に突入するんです。だから日本のレコード会社も映像系をどうにかしなきゃいけないって話で「音楽の分かる若手のいい映画監督を探してこい」って言われて、森田芳光監督を推したんです。それで森田さんと仲良くなって、森田監督の映画音楽をいろいろやらせてもらうようになりました。

森田監督の作品に「模倣犯」ってのがあるけど、あれの音楽は大島ミチルさんでしょ。あれ、最初に作ってきたデモは監督があまり気に入らなくて「どうすればいいんですか」って話になって、みんなでミチルさんちに行ったんですよ。で、V(VTRの略)見ながら監督が「大島ここから音楽!」って言って、ミチルさんが即興で弾いたのに向かって「それだ!」って言って作られた音楽なの。まあメインテーマはもともとミチルさんが作ってきたものに最終的に森田監督がOKを出して、それに決まったんだけどね。

C:ええ〜!

ゆ:あれ、あのマサ(篠崎正嗣)さんグループですらすごく苦戦して、録音がけっこう押したんですよね。

な:だってあれ、絵を見ながら弾いた即興をそのままスコアに起こしたものだからね。

森田監督の現場はそうやってリアルタイムで指示することが多かったですね。
あ、僕は生録りの時代からやってるけど、さすがにフィルムを上映しながら演奏するってのはAD時代に見たことがあるだけなんです。

で、ビデオテープを流しながらコンダクターを雇って、僕らはスコアを見ながら録っていくときに森田監督から「ここはこうしたい」「あそこのサビをこのシーンから流したい」なんてのが出てくると、譜面をグッと見て「こことここを切って、その後ろにこっちを持ってきて、尺はそのまま!」ってのを現場でやるんです。

C:わあ、大変〜!

な:今やってる選曲と編集って、その感覚なんですよ。ここをカットしてここにつないで、こうつながる…みたいなことをフルミックスの素材で僕が編集して、それをエンジニアに渡してステムで綺麗にしてもらう。そうすると無理がないんです。

ゆ:へえ〜!でも、それは長崎さんだからできることでは…あまり音楽の知識がない人がやると無茶苦茶な切り貼りになったりしませんか?

な:ポップスみたいにコードで作ってる曲はつながらないんですけど、ちゃんとしたクラシック理論に基づいて作った曲はどこをつないでもつながるんです。だから、しっかり勉強してる音楽家が作った音楽は問題ないんです。

C:うんうん、分かります。そうですよね〜!

ゆ:じゃあ逆に、ちゃんとしてない曲のときはどうすれば…そういうのに出くわす場合もありますよね?

C:出くわす(笑)

な:わはは。ありますよ(笑)
そのときはまあ同じメロディを繰り返してみたり、リズムだけにしてみたり、できるだけいい音楽に聴こえるように色々と工夫してるんです。

まあ、そうした実写の映画音楽をプロデュースする一方で「超獣機神ダンクーガってアニメの音楽をやらないか?」って話がきて、劇伴のプロデュースから録音までやって、毎週アフレコとダビングに立ち会ってたら面白いなあと思ったのがアニメ界との最初のつながりです。そのつながりでレコード会社が長編アニメを作るって流れになって、「吸血鬼ハンターD」と「ガルフォース」を2本プロデュースして、音楽もやって、いよいよアニメ業界につながりができたんです。

そのあと「シティーハンター」をやって、ここで諏訪さん(読売テレビのチーフプロデューサー・諏訪道彦さん)と知り合うんですよ。そのあとガンダムの「逆襲のシャア」の音楽のプロデュースやったりしてアニメと実写の両方をやりつつ、アーティストのプロデュースもしつつ…

C:きゃあ〜!ヽ(′▽`*)乂(*′▽`)ノ
ゆ:きゃあ〜!ヽ(′▽`*)乂(*′▽`)ノ

C:シティーハンター見てました〜!

ゆ:私も!私も〜!それにガンダム!しかも「逆襲のシャア」とは…好きでした!最近また見直したくらいで…いやもう、すごすぎる!

な:あ、僕、所ジョージのディレクターもやってたんですよ。

C:あの所さん!?
ゆ:またすごいお名前が…!

な:そのころ任天堂のファミコンがブームでね、所さんも「ゲーム作りたい」って言い出したんで作ったんですよ。そしたらそれがわりと売れてね…同じころにソニーミュージック全体でもゲームをやるって話になって、それで今度はゲームの部署にいったんですよ。

で、久夛良木健さん(プレステの生みの親)のところに行って、あれこれやりとりがあった末に、スーパーファミコン用のCDロム・ハードとソフトを作ったんですが、そのハードの方の名前が「プレイステーション」だったんですよ。

C:うっそ〜!実はゲーマーな私としては大興奮です〜!

ゆ:じゃあ、長崎さんもプレステの生みの親の1人ってことですよね!すご〜い!

 

この対談が決まったときに絶対に持っていこうと心に固く誓った「C」と「ガッチャマンクラウズ」のサントラにサインをいただきましたヾ(゚∀`*)ノ゙

オンマウスでサインがアップになります(*^^*)

「僕、サインなんてないよ〜!」っておっしゃってましたが、とっても素敵なサインでしょ?

このあとまさかの展開で会うこととなった岩崎 琢さんも、このサインを見て「うわ、かっこいいサインだ!」って目を輝かせてましたよ♪

 

〜大泣きする音響監督〜

 

ゆ:ところで、音響監督さんになってすぐのころ、どんなことに苦労しましたか?

な:テレビアニメって、正味20分の長さがあって、だいたいAパート10分、Bパート10分って配分なんです。それをパートごとに収録するんですけど、最初の頃はその10分間が長く感じて。さらに3分割くらいしてました。どちらかというと、実写映画的に、カット割りして収録するって手法ですかね。

歌の収録に例えると、Aを録って、Bを録って、サビを録って、サビは同じ歌詞だったらコピペしちゃえ的な方法ですね。この録り方って、音程やリズムはキレイに録れるけど、全体としてみるとライブ感がなくて、ツマンナイっていう録り方じゃないですか。それに気付いてから、ライブ感を大切にするために、流れ重視の収録にしています。まあ、その他、未だに試行錯誤の繰り返しですよ。

ゆ:なるほど。面白くて惹かれるアニメは30分…あ、正味20分ですかね。それがアッという間に感じられるんですが、その影にはこうした工夫があってこそってところもあるのかもしれませんねえ。劇伴でも同じメロディの繰り返しだったらコピペしちゃうことがあるけど、それだと面白味に欠けるよねってミュージシャンの方からのお話を聞くし、実際に聴いてみると「確かに」って思うことがあるので、音楽に例えてもらうことでよく分かりました!

その試行錯誤のお話も興味深くてじっくり聞いてみたいところなんですが…音響監督さんをやってて良かったなあと思ったことや、感動したエピソードを聞かせてくださいo(*^^*)o

な:『ONE PIECE THE MOVIE エピソードオブチョッパー + 冬に咲く、奇跡の桜』の音響監督をやった時、ラストシーンの大谷育江さんと野沢雅子さんのセリフのやり取りはあまりにも素晴らしくて、リハーサルの時に既に涙ボロボロこぼれてきちゃったんですよ。

ゆ:ああ、奇跡の桜…(涙)分かります、分かります。・゚゚・(>_<;)・゚゚・。

C:はい〜!(´;ω;`)

な:でも、音響監督としては、その後すぐにスタジオの中に入ってダメ出ししなきゃいけないんですけど、物凄く恥ずかしいじゃないですか?

で、必死に涙を堪えながら、スタジオに入っていったら、そこに居る役者さんたちも全員泣いていたという(笑)

ゆ:あはあは(笑)

いや、でもあれはほんといい映画でしたよね。録音レポを作らせていただいて思い入れがあったってことを抜いても、ほんと感動作でした。で、その後、2010年9月に行われた田中公平さんのトークライブでも、大谷さんがこの映画の1シーンを演じられてたんですが、やっぱりリハのときから泣いてらっしゃいましたよ。そして私もリハも本番ももらい泣きしました…。そうですか、あの現場ではそんなことが…(>_<)

な:未だに、田中真弓さんに「こいつは収録中に大泣きする音響監督です」って紹介されますからね。真弓さんだって、泣いてたくせにね(笑)

ゆ:わははは!田中真弓さん、いいわあ。素敵です(笑)

では、音響監督さんをするにあたって、これは仕事に生かせられそうだなあと思って意識的にされてることありますか?例えば、積極的に舞台を観にいくとか…

な:舞台は大好きなんで、できる限り観に行くようにしてます。声優さんたちの中には、積極的に舞台をやっていらっしゃる方も多いので。あとは、洋画を観ることですかね。特にアメリカ映画は音響的に参考になることが多々ありますから。

僕は色々あってソニーミュージックを47歳くらいで辞めて、そのあと音響監督をやろうと思って今こうしてやってますけど、会社勤めに纏わる嫌なこと全部やめたので、あとはもう余生を大いに楽しもうって感じに近いです(笑)。

C:そんなぁ〜余生なんて…
ゆ:ちょっと早すぎますよ〜!

な:いやほんと、マジでマジで。他の人が60で辞めてリタイアするのを僕は47でリタイアしてるんで、やっぱり余生ですよ。全て楽しくないといけないと思ってるから。

映画を観るのも好きだし、コンサートも好きだし、仕事と思ってやってるものは1つもないです。小説はもちろん、未だに少年ジャンプ読んでるし、全て楽しんでやること…ですね。

選曲作業がまた楽しいんですよ。1年中ずっと休まずにやってますけど、やることが楽しいって心がけてる…というか、自然に楽しんでますね。

ゆ:そういう長崎さんの雰囲気はきっと他のスタッフにも伝わるし、それがさっき聞かせてもらった気持ちよく演技できる現場作りにもつながっていくと思いますね。

な:それはあるかもしれないですねえ。これは僕だけじゃないと思うけど、アフレコでリテイクをすると、喋り終わった後、必ず役者さんがこっち見るんですよ。僕の方を見て、僕が笑ってればOKっていうか、僕の表情が何かこうバロメーターになってるようで。だから良いときは素直に喜ぶし、ダメなときはそういう顔をしてるし…そういうのをちゃんと出していった方がいいのかなあと思ってます。

ゆ:やっぱりそうやっていい顔をされたら役者さんの方も安心するし、それが自信になって次もっといい演技ができるってことにつながっていく気がしますよね。

な:そうですね。ダビングでも感動すれば、素直に泣いてるしね。そういうのを意識せずに、常に自然のままできればいいのかなあと思いますね。

僕は今は「優しい音響監督」なんて言われてるけど、会社に勤めてたころの僕の部下は「長崎さんは怖い人」って思ってるんですよ。会社では仕事以外の色んなことに神経をすり減らしてピリピリしてたんだろうね。今はそういうのがなく、まっすぐ仕事に向かえるから、若い子が現場に来て理不尽なことを言っても「そうじゃないよ」って優しく諭してあげられる。環境の成せる業ってところかな…やっぱり人間は心に余裕がないとね(笑)

心に余裕を持って何事も目いっぱい楽しむ、これが大事だと思います!

ゆ:はい!(*゚▽゚*)
C:はい!(*゚▽゚*)

 

 

こうして対談は終了。
この日の長崎さんは16時から大久保駅近くのスタジオでアフレコがあるそうで、対談は15時すぎまでなら…ってことだったんですが、結局15時50分近くまでいてくださって、しかも腰を上げながらもまだ話してくださって、最後は「じゃ、是非また!」の一声と素敵な笑顔を残して早足でアフレコスタジオに向かって行かれました。

いかがでしたか?
音響監督さんのお仕事について、いろいろと分かっていただけたんではないでしょうか?

対談が始まってすぐからぐいぐい長崎さんに惹かれてた私とchocoちゃん、長崎さんが去ったあとに顔を見合わせて出た第一声は「かっこいい〜*:.。☆..。.(´∀`人)」で、そのあと朗読劇の会場に向かう道中でも「いやもう、惚れ惚れしちゃいますね!」「うんうん、素敵すぎる!」を連発してしまうほど、なかなか興奮が冷めませんでした。

素敵な時間をくださった長崎さんに心から感謝し、いつかまた第2弾が実現することを祈りつつ対談レポを終わりたいと思います。

 

2013年12月15日 

 

 

 

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