おっちゃんの仕事場探検

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劇伴(映画・ドラマ・アニメなどのBGM)がどんなところで、どんな風に作られているのかを、おっちゃんから聞いたお話を中心にレポートしていきます。レポートの番号が進むにつれてだんだんと内容が濃くなり、ときには作曲家さんやエンジニアさんからいただいたコメントも出てきます。

ただし、これらは録音時の記録が主になっているので、実際にオンエアまたはリリースされたときにはタイトルが変わってる…なんてことも稀にあります。また、私の音楽の知識やパソコン技術の問題などによりお見苦しい点も多いかと思いますが、あたたかい目で読んでいただけると嬉しいです(*^^*)

こことは別の「スペシャルレポート」「オフラインレポート」などのページでも作曲家さんやエンジニアさんのお仕事ぶりやオフのときの様子をご紹介していますので、合わせてご覧下さい。

最後に…どうぞレポートをご覧になってのご意見・ご感想などを、ゲストブックやメール・ウェブ拍手などを通じてお聞かせください。今後の参考に、そして励みにさせていただきたいと思います。よろしくお願いしますm(__)m

 

 

 

 

164 石川さゆり「凛太郎さ〜ん!」(竜崎孝路)

2004年8月8日。この日は竜崎孝路さんのアレンジで、石川さゆりさんの新曲となる「凛太郎さ〜ん!」という曲の録音のために、世田谷区船橋にあるウェストサイドというスタジオに行きました。その名の通り、都心からだとちょっと西の方にはずれたところにあるんだそうなのですが、町田に住むおっちゃんちからはけっこう近いみたいですよ。

おっちゃんがスタジオに着いたときにはリズム隊がやってて、それに弦とフルートとガットギターでダビングという形だったそうです。で、この日の録音については事前に「木管のフルートがあったら、持ってきてほしい」との連絡があったようです。竜崎さんとしてはキューバの音楽なんかに使っている木のフルートのイメージがあったようですが、おっちゃんはそういうのは持ってなかったので、ヘインズの木管フルートを持って行ったんだそうです。

この楽器は、おっちゃんちにある4本のフルートの中ではいちばん高いものらしいのですが、仕事としての出番はいちばん少なかったんですって。なので少し不安があったみたいですが、実際に音色を聴いてもらったらなかなか好評で、おっちゃんも嬉しくなったそうです。おっちゃん曰く「あんまり楽器に馴れてないってところが、かえって良かったようなとこもあるんかもしれん。まあ、こんな使い道もあるんかな〜って感じで、面白いかもよ?」ですって。


木管フルート演奏中の写真です。

お仕事では滅多に使うことがないということなので、これはチョー貴重な写真なのかも?

写真にカーソルを乗せると、別のアングルからのおっちゃんが見えますよ。


この「凛太郎さん」は、石川さゆりさんにしてはちょっと珍しいラテン系の軽いリズムに乗った明るい感じの歌で、さゆりさんご本人と作曲の市川昭介さんも来てらしたそうです。

これがその木管フルートの全貌です。

一見、おっちゃんのHPのこちらにある黒く変色したアルトフルートっぽく見えますが、まず歌口部分が違いますよね?あとはどんな特徴があるんだろう…。

今のところ、おっちゃんちのフルートのページには、この木管フルートについての記載はないんです。で、この際だと思っておねだりしておきましたので、近いうちに追記してくれるかもです〜♪


編成は、豊田さん(ドラム)、松下さん(ベース)、千代正行さん(ギター)、菅原裕紀さん(ラテンパーカッション)、おっちゃん(木管フルート)、弦(6422)で、これに竜崎さんご自身のピアノかキーボードが入るんじゃないかな〜とのことでした。

リリースされたら、ラテンのリズムに乗る石川さゆりさんの澄んだ歌声の他に、めずらしい木管フルートの音色にもしっかり耳を傾けてみてくださいねo(^o^)o

 

追記:この「凛太郎さ〜ん!」は↓こちらで聴いていただけます(^.^)b

 

 

163 映画「隠し剣 鬼ノ爪」披露試写会(冨田 勲)

2004年8月4日。山田洋次さん監督・冨田勲さん音楽の「隠し剣 鬼ノ爪」という映画の披露試写会に出席するために、東京国際フォーラムのホールAに向かいました。おっちゃんがこの東京国際フォーラムに来るのは3度目(2度目は黒石ひとみさんとのお仕事レポ参照してください)になるそうですが、どうもこういう大きな施設は苦手のようで、前回も今回も「いま会場に着いたんやけど…どこが入口じゃ?あれ?…ここか?…あ、ここは小ホール?ほな違うな…あれ?分っからんの〜」みたいなことを言ってました。私はここには行ったことがないのですが、HPに集ってきてくれてる人たちも「あそこ、ホールの入口が分かりにくいよねえ」「トイレに行こうとして迷子になったのよねえ」なんて言ってたので、よっぽど分かりにくいんでしょうね。単なる「おっちゃん@方向音痴」ということではなさそうです(^^ゞ

そんなこんなでホールの楽屋にたどり着くまでにかなり時間がかかってしまったようですが、何とか遅刻せずに到着。ここで「…ん?披露試写会に出るのに、なぜ楽屋なんかに?」って思ったでしょう?実は披露試写会のオープニングに、この日のために新たに作曲された「序曲」を冨田さんご自身の指揮で演奏することになっていたのです(映画本編の録音レポはこちら)。おっちゃんの話では、冨田さんはご自分で棒を振られることは滅多になく大体いつも「代棒」になさるそうなので、今回のようなケースはとても珍しいんだとか。会場に居合わせた皆さんはラッキーでしたね〜。

さて、「序曲」という形式の曲は、オペラの序曲…という場合が多く、大体はそのオペラに出てくるメロディを繋ぎ合わせたような(いわゆる総集編?)感じのことが多いんだそうです。で、この日の序曲も、6月21日にサウンドインでやった音楽を10分くらいにまとめたもので、重要なテーマは全て出てきてたそうです。これ、是非とも聴いてみたかったな〜。おっちゃんのタキシード姿&生演奏も聴いてみたかったし…ああ、残念!おっちゃんによると「お客さんは、関係者と抽選で選ばれた希望者ちゃうかな」とのことでしたが、5012席あるというホールが、ほとんど満席状態だったそうです。

そうそう、3時からリハーサルで、そのときにその序曲のサントラ用の録音も行われたそうです。何せ、とんでもなく大きなホールでの録音なのでプレイバックを聴くことができない、オケはピットで横長に配置されているので聴き合わせが難しい…など、色々と厳しい状況の録音になってしまったそうです。で、部分録りをする箇所なんかもあったそうですが、何とか無事に終了したみたいです。これで、この会場に居合わせられなかった人たちも、この序曲というのを聴くことができますね。

思うに…こういう広いホールで録ったときの音って、スタジオで録ったときとはまた違った音の広がり?残響?ってのがあるんですよね。ほら、田中公平さんの「サクラ大戦・活動写真(AVCA-14267)」は「すみだトリフォニーホール」というところで公開録音されたそうですが、あれなんかはスタジオ録音では味わえないようなダイナミックさがありましたよ。とは言え、今回はオケはピットということなので、同じ「コンサートホール録音」でも、また違った感じになるんでしょうか…とにかく、楽しみですね♪

話は戻りますが、この序曲には1つ仕掛けがあったそうなんです。曲の冒頭からすぐの部分で、ピッコロ奏者が客席側で鼓笛隊風のメロディを吹きながら登場して、また吹きながら退場する…ということになってたんだそうです。しかも、最初の話では「維新勤王隊(きんのう隊・勤皇隊との表記もあり)」の鼓笛隊風の服装をするという想定だったとか…結局、この服装に関しては何らかの理由で取り止めになったみたいですけどね。歩きながら吹くのが得意なおっちゃんはこのパートをやりたかったそうですが…しかも「1分ちょっとで出番が終わるから、この役がラクでいいのになあ♪」なんて悪ぶって言ってましたが、「旭さんはステージにいないとダメだよ〜!」と言われて、結局は木津芳夫さんにやってもらったんだそうです。う〜ん、おっちゃんの維新勤王隊の鼓笛隊風の服装というのを見てみたかった気もしますが、この役だとアッという間に出番を終えてしまうことになるので、それもちょっとなあ…な〜んて、会場にいなかった私が色々と想像しても仕方ありませんね(^-^;)

セレモニーの始まりは7時からだったそうですが、10分弱の曲なのでアッという間に終わってしまったそうです。おっちゃんはそのあとに予定があったのですぐに会場を出てしまったそうですが、しっかり映画を観て帰った人たちもけっこういたそうです。おっちゃん、惜しかったな〜。こうして自分が参加してる映画を観る機会なんて滅多にないだろうのにねえ。

全国公開は10月30日。こうしてたくさんの方がものすごく力を入れて作った話題の作品、ぜひ観に行ってみてくださいね〜♪

 

 

162 火サス「弁護士 朝日岳之介22」(糸川玲子)

2004年8月2日。サウンドインのBスタに行きました。この日は「火サス」の音楽録りで、今回の音楽を担当されたのは、糸川玲子さん。タイトルは「弁護士 朝日岳之介22」となってたそうです。この「朝日岳之介」って、小林桂樹さんや榎木孝明が出てらっしゃる番組で、ときどきやってるシリーズものですよね?多分この「22」というのは22回目ということなんだと思いますが、そうするとかなりのロングランですよね〜。

おっちゃんが聞いてきてくれた糸川さんのお話では、シリーズものはある程度の曲の使い回しができるので楽なんだそうです。でも、使い回し…といっても、前に使った曲をそのまま使うということではなくて、同じテーマが使えるという意味なのでしょうね。

この日の編成は、ピアノ(古田りんずさん)、クラリネット&サックス(佐野博美さん)、フルート&アルトフルート(おっちゃん)、弦(桑田 穣さんのグループ)、指揮(中谷勝昭さん)という、けっこうシンプルな感じだったそうです。

今回はおっちゃんの笛の出番が少なかったそうで淋しいのですが、おっちゃん自身は「セコいこと言うたら、1曲あたりの単価が高かったってことやなあ〜♪」なんて、お気楽でした(^^ゞ

そうそう、前々から糸川さんのお仕事中の写真を撮ってきてほしいな〜と思っておねだりしてたのですが、火サスの現場はほかの劇伴録音に比べると特に慌しいそうなんです。それに副調室にもスタッフの方が大勢いらっしゃるらしいので、いつも「う〜ん、ちょっとなあ…」との返事しかもらえなかったんです。


でも、おっちゃんも糸川さんを写真に納めたいって気持ちは同じだったようで、この日ついに撮ってきてくれました〜!

帰りがけに一部がガラス張りになっているドアの外から撮ったそうですが、副調室でシンセを弾く糸川さん、かっこいいですよね〜♪



後日、レポート内容の確認のお願いで糸川さんに連絡したら「こういう写真はないので、嬉しい〜♪」と、とても喜んでくださいました。ほんと、気さくでいい方なんですよ(*^^*)

で、糸川さんはさらに「次は、あさひさんと2ショットを撮りたいな〜♪」なんて言ってくださったので、次回のレポートには期待しててくださいね。この糸川さんからの「2ショットを撮りたい」というメッセージを伝えたときのおっちゃんの様子は…もう書くまでもありませんね。ほんとにでれでれでした(^^ゞ

今回の番組は放送日が未定ですが、オンエアの際には、この素敵な糸川さんのお仕事姿を思い浮かべながら聴いてみてくださいねo(^o^)o

 

 

161 火サス「京都金沢かぐや姫殺人事件」(川村栄二)

2004年7月30日。サウンドインのAスタで「火サス」の音楽録りが行われました。今回の音楽は川村栄二さん。川村栄二さんと言えば、堀内賢雄さんをはじめとする歌ものを多く手がけられてる方ですね。ちなみに、堀内さんの曲で笛の音が聴こえたら、それはほとんどおっちゃんの音だと思います〜。

話は戻りますが、今回のタイトルは「京都金沢かぐや姫殺人事件」となってたそうですが、放映日は現時点では未定のようです。なので、火サスのサイトなどをチェックして、分かったらお知らせしますね〜♪

タイトルに思いっきり日本的な感じがすることからも分かるように、この日はフルートよりも篠笛の出番が多かったそうです。曲数は全部で42曲もあったということなので、音楽が流れっぱなしに近い感じなのかもしれませんね。で、その中で笛が入ったのは17曲らしく、これも火サスとしては多い方なんだそうです。

この日の編成は、ピアノ(エルトン永田さん)、シンセサイザー(今泉さん)、ギター(三畑貞二さん)、フルート&篠笛(おっちゃん)、弦(小池浩之さんのグループ・3322→1111)に、指揮(D島公二さん)という感じだったそうです。後半の弦の「1111」っていうのはちょっと不思議な感じがしますが、実は弦カルのことなんですよね。書き方1つで、随分とイメージが違うような気がします。

聴き応えのありそうな今回の番組、オンエアをどうぞお楽しみにo(^-^)o


 

160 NHK朝の連続テレビ小説「わかば」(服部克久)

2004年7月27日。日本薄謝協会(NHK)の506スタに行きました。この日は、NHKの朝の連続テレビ小説、いわゆる「朝ドラ」と言われる帯ドラマ(毎日やってるドラマ)の音楽録りでした。今回のタイトルは「わかば」。9月27日からのスタートとなりますが、このドラマの音楽を手がけられたのは服部克久さんです。おっちゃんの話では「NHKの朝ドラの音楽には初めての登場ちゃうかな〜?」とのことでした。

おっちゃんは20時から入ったそうですが、お昼の12時からリズム隊などを録っていたそうです。進行は悪くなかったようですが、曲数がかなり多かったこともあって、最終23時までの予定が1時間半ほど押してしまったそうです。これってミュージシャンは入れ替わってますが、服部さんは12時間以上も棒を振ってるってことになりますよね?すごいな〜!おっちゃんもそのスタミナには敬服だったとか…。

この日の編成は、おっちゃんと入れ替わりに帰っていったピアノ(松本峰明さん)、弦(加藤ジョーさんのグループ)、フルート(大澤明子さん,おっちゃん)、クラリネット(十亀正司さん,ボブ・ザングさん)、ハープ(朝川朋之さん)、ホルン(藤田乙比古さん他1名)といった感じで、リズム隊はおっちゃんが入ったときにはすでに帰ってたらしいので分からないそうです。

そうそう、フルートの大澤さんは、ホルンの藤田さんの奥様だそうです。おっちゃんがお会いしたのはこの日が初めてだったとか。また、ボブ・ザングさんは、クラリネットの時はセカンドを吹いてらしたそうですが、他にソプラノサックスのソロが何曲かあったみたいですよ。この方も色んな楽器を持ち替えされるみたいですね。皆さん、ほんとにすごいな〜!

曲は、服部さんらしく、明るくて軽い感じのものが多かったようですが、リコーダーや篠笛を使った曲も2〜3曲ずつあったらしいので、どんなシーンで使われるのか楽しみですね〜♪

最近は朝ドラや金曜時代劇などは溜め録り方式がほとんどで、今回も溜め録りには違いないのですが、Mナンバーが「3回の4(第3回放送分のM-4)」などと振ってあったらしいので、フィルムスコアリングに近い溜め録りのようですよ。こういったこともあってとても曲数が多くなり、押しちゃったということになるようです。

服部さんの初の朝ドラ音楽で、しかもフィルムスコアリングに近いという、期待に胸がふくらむドラマとなりそうです。ぜひ見て(聴いて)みてくださいね♪

 


159 明治座「とおりゃんせ 〜深川人情澪通り〜」(大島ミチル)

2004年7月20日。朝1番のお仕事で、サウンドシティのAスタに行きました。1995年に薄謝協会の金曜時代劇で「とおりゃんせ」というドラマがあったのですが、今回はそれを明治座の8月公演でするとのことで、そのための音楽録りでした。音楽は、ドラマのときと同じく大島ミチルさんです。

都心部から遠い町田市に住むおっちゃんとしては、午前10時からなんていう朝早いお仕事のときは大体いつも電車で行くようですが、この日は2軒目や3軒目のお仕事で使う楽器が多かったために、車での出勤(?)となりました。家を出たころやスタジオに着いた直後は「ふぁぁ〜眠いわぁ…(ρ_・).。o○」と、あくび混じりでほとんど何を話してるか分からないおっちゃんでしたが、私の「今日は朝から大島さんやろ〜?」の声に「ほうじゃ!頑張らんと〜♪」と、いきなり元気になってました(^^;ゞ


サウンドシティのロビーで無料サービスのコーヒーを飲むおっちゃん。テーブルの上にある小さな器には、キャンディがいっぱい入ってるんだそうです。

ここで更に気持ちをシャキッとさせて、いざスタジオへ…!


この日の編成は、ピアノ(美野春樹さん)、パーカッション(草刈とも子さん)、弦(マサさんのグループ:64221)、フルート&篠笛(おっちゃん)、オーボエ(石橋雅一さん)、クラリネット(星野 正さん)という大島さんのレギュラーメンバーだったようですが、おっちゃんによるとドラマの録音当時もほとんど同じ編成だったのではないか…とのことでした。もしかすると、メンバーもほぼ同じだったのかも?また、あの当時は番組によってはまだ溜め録りになっていなかったので、フィルムスコアリングで毎週のように協会のスタジオに通ってたんだそうですよ。

そうそう、今回は開始前にエンジニアさんやインペク屋さんから「今日はツーチャン同録、ダット1発録りだからね!」と脅かされてしまったそうです…といっても、私たちにはピンと来ませんよね。これはつまり「差し替えができない」という意味なんだそうですよ。おっちゃんの話では「たぶん予算の関係とかやと思うんやけど、どうもマルチが回せんかったみたいじゃ」とのことでした。う〜ん、このあたりの用語や言い回し方は、やはりちょっと難しいですよね。そのうちに用語集の方で説明してもらうことにしましょう。

話は戻りますが、差し替えができないとなった場合、もしも間違ったりすると「皆で最初からやり直す」か「部分的に録って、あとで編集」ということになるらしいのですが、結果的にはほとんどそういうこともなく、スムーズに進んだようです。これって、1発録りにも関わらず、皆さんが全くと言っていいほどミスを出さなかったってことですよね。ひゃあぁ〜やっぱり、すごいなあ!大島さんがいつも「心から信頼できる仲間で、安心して任せられる」と言ってるのが、よ〜く分かりますね。


ちょっと薄暗いんですが、金魚鉢から演劇関係の方(?)に何かを語りかけている大島さんです。手に紙コップを持ってるってことは、休憩中でしょうか。

前にうちの掲示板で「大島さんはいつも可愛い服を着てるね〜♪」なんて話が出てましたが、この日も可愛いですよね。

でも、全体を黒っぽくシャープにまとめた大島さんもカッコよくて素敵なんです(こちら参照)。つまり、何を着ても似合うってことですね♪


ただ、そのカッコいい中でも、髪のリボンに正札がついたままだったり、ワンピースの下にパジャマのズボンをはいたままだったりすることがある、とてもおちゃめな大島さんでもあるんですよ。では、服のお話つながりということで、もうちょっと脱線を…(^^ゞ

これ何だか分かりますか?
実は、大島さんのジーパンについてた飾りのアップなんです。

この録音が行われた前日にデジカメを新調したおっちゃんは、接写機能のテストを兼ねて、この素敵なジーパンを撮らせてもらったんですって。いつぞやフランスへ録音に行ったときに買われたものだそうですが、その場にいた皆さんで「洗濯機で回したらカラカラと音がするんだろうね〜」なんて話で盛り上がったそうですよ。


でも、ほんとに素敵ですよね。できれば、これをはいてるところも撮ってきてほしかったな〜(^^ゞ

このほか、7月12日〜16までお仕事で行かれたロシアのスタジオのお話などを聞かせてもらったりして、楽しく休憩時間を過ごしたそうです。

この日のおっちゃんはほとんどフルートだったようですが、最後の方で1曲だけ篠笛の曲があったそうです。金曜時代劇「御宿かわせみ」の録音のときの「もののけ風篠笛」みたいなのではなく、ピアノ・ヴァイオリン・チェロとのアンサンブルなので、またちょっと面白い雰囲気になってるらしいですよ。メインテーマもドラマのときと基本的には同じ感じで、とても時代劇の音楽とは思えないような広大なイメージの音楽なんだそうです。

それから、同じ劇伴でもテレビ用と比べてステージ用の劇伴は1曲の時間が長いことが多いらしく、この日の録音もけっこう長いものがあったそうです。演技の関係で伸び縮みもあるので、長めに録るということもあるのでしょうね。


こちらは、じっとマサさんの演奏に聴き入りながら楽譜を見つめる大島さんと、ヴァイオリンを演奏中のマサさん。

このお2人の間には、心地よい緊張感と信頼と優しさと…何ていうか、ものすごくいいバランスの、プロ同士の見えない絆みたいなものがあるようで、つい目を細めてしまう私です。


また、このお2人の間にあるものに気付いて(?)カメラを構えたおっちゃんの着眼点にも感動しましたし、お2人を見守るおっちゃんの優しい眼差しや表情を想像しながら見ると、何とも言えない穏やかな気持ちになれたのですが、皆さんはどうですか?

大島さんの日記によると、7月25日にはこの音楽を流しての通し稽古に立ち会われたようですね。テレビの映像では味わえない舞台ならではの「見せ方」に感動されたとのこと、今後の大島さんの音楽にまた新たな風が吹き込みそうで楽しみです。8月1日から26日まで大体1日2回ずつ公演されるようですので、お近くの方はぜひ足を運んでみてください。その感想なども、お待ちしていますo(^o^)o

 

 

158 金曜時代劇「慶次郎縁側日記」

2004年7月19日。NHKの506スタに行きました。今日の仕事は、ラッキー川崎さんこと川崎真弘さんの作曲で、金曜時代劇「慶次郎縁側日記」の音楽録りでした。川崎さんと言うと、NHK朝の連続テレビ小説「まんてん」や「グレートジャーニー」のようにフォルクローレ風の音楽を得意とされてる方で、今回もかなりの部分にケーナやパンパイプを使い、南米のフォルクローレ色の濃い音楽が多かったようですよ。


こちらは、おっちゃんの横に並べられた、出番待ちの笛たちです。真ん中に透明のコップが見えるでしょうか…急いで楽器を持ち替えたりするときに、思わずコップに手が当たったりして大事な笛を濡らすことはないのかな〜なんて、ちょっと心配してしまった私です(^^ゞ

あれま、おっちゃんの十八番(?)とも言えるフルートが見えませんね。どうやら、この日はフルートは一度も吹くことがなかったそうですよ。


川崎さんは「時代劇の仕事がどうしてオレのところに来たんだろう?」なんて冗談でおっしゃってたそうですが、おっちゃん曰く「これがまた、時代劇の画面にも結構よう合うんよなあ。こういうとこが劇伴の面白いとこやと思うわ」なんて言ってました。

こちらは指揮台の川崎さん。

おやおや、音楽だけでなく見た感じもどこか南米系のような…素敵な方ですね♪


この日はほとんどがケーナなどの特殊楽器だったので、おっちゃんだけドラムブース(普段はドラムの人が入ってるブース)に入れられちゃったんですって…って、ここまで読むと「何で特殊楽器だとブースに入るの?」って思ったりしませんか? 私はおっちゃんからもらった原稿を見てすぐ疑問に思ったので、聞いてみました。

すると、こうした特殊楽器(ケーナ・パンパイプ・尺八など)はオケと一緒にやってる音楽のほかにこの楽器だけ…つまりソロのように使われることも多いんだそうです。だから、他の楽器からの音の回り込みを出来るだけ防いで大事に録りたい…といったような思いがあるようですね。


右の写真のようにリコーダーの曲が1曲あったそうですが、おっちゃんは瞬間的に「これはティンホイッスル風な狙いでは…?」と思ったそうです。で、ティンホイッスルを意識した吹き方をしたんですって。

いつぞやのレポートにも書きましたが、こうやっておっちゃんが吹いてると、とても小学校で使ってるのと同じリコーダーとは思えませんよね(^^ゞ


また、パンパイプの曲も2曲あったそうですが、おっちゃんの楽器では出ない低い音域の音は先に打ち込みで入れてくれてたそうです。川崎さんはパンパイプの事情をとてもよく心得ていてくださるらしく、おっちゃんとしてはとても助かるし、そういう心遣いが嬉しいんだそうですよ。

この日に録られた曲の中でいわゆる時代劇らしい日本調だったのは篠笛の曲ただ1曲で、これだけはフォルクローレを離れて本来の篠笛的な奏法でやったんだそうです。このように、同じ楽器でも色んな吹き方をすることによって全く別の楽器のように感じさせてしまうのが、おっちゃんのすごいところだなあと思います。

編成は、ケーナ&パンパイプ&リコーダー(おっちゃん)、ピアノ(江草啓太さん)、ギター(千代正行さん・田代耕一郎さん)、オーボエ&イングリッシュホルン(石橋雅一さん)、弦(マサさんのグループ)でした。

フォルクローレに彩られた新しい形の時代劇。NHK総合で8月27日に放送開始予定のようですので、どうぞお楽しみに♪

 

 

157 さだまさし「ローズ・パイ」「やさしい歌になりたい」(倉田信雄)

2004年7月17日。サウンドシティのAスタで、倉田信雄さんのアレンジによるさだまさしさんの新曲の録音がありました。1曲目は13時〜15時までの2時間、2曲目は15時から16時半までの1時間半と、かなりゆったりしたペースの録音だったようですよ。

さださんの録音はおっちゃんにとっては久しぶりだったんですって。スタッフの方々の顔ぶれもかなり変わってしまってる気がしたとか…。ちょっと淋しい気もしますが、その方たちとまた新たな関係が築いていけるといいですね〜♪

さて、最初の曲「ローズ・パイ」はデキシーランド風(デキシーランド風って何だろう…?)のバックで、早口のユーモラスな歌詞の曲だったそうです。宅間久善さん(グロッケン)、三砂さん(ドラム)、田代耕一郎さん(ギター)、石川鷹彦さん(バンジョー)、平原まことさん(サックス)、数原 晋さん(トランペット)、おっちゃん(ピッコロ)、武井さん(ファゴット)、川瀬正人さん(ラテンパーカッション)、フレッド・シモンズさん(トロンボーン)、渡辺さん(チューバ)などそうそうたるメンバーで、アレンジャーの倉田さんは指揮をしながら小型のアコーディオンで参加してらしたそうです。指揮をしながらアコーディオンってのも、すごいなあ!

あ、この曲ではグロッケンで参加してる宅間さんは長い間さださんのツアーに参加していらっしゃる方だそうなので、コンサート中のメンバー紹介やパンフなどで見かけた方も多いのではないでしょうか?

そして、2曲目の「やさしい歌になりたい」は、田代耕一郎さん(ギター)、石川鷹彦さん(マンドリン)、川瀬正人さん(ラテンパーカッション)、宅間久善さん(マリンバ)、矢島富雄さん(チェロ)、おっちゃん(オカリナ)、倉田信雄さん(指揮)と編成もグッと少なくなって、前の曲とは対象的なゆったりしたバラードだったそうです。

2曲ってことは、シングルCDのカップリング曲なんでしょうか?
いつリリースされるのかとか詳しいことは分かってませんが、私たちの耳に届く日もそう遠くはないと思います。楽しみですねo(^o^)o

 

追記:この「ローズ・パイ」と「優しい歌になりたい」は「恋文」というアルバムに収録されていて、↓こちらで聴いていただけますよ♪

 


 

156 コスモ石油CM(菅野よう子)

2004年7月15日。新宿区西早稲田にあるアバコスタジオに行きました。この日は菅野よう子さんの作曲で、コスモ石油のCMの音楽を録ったそうです。

弦(加藤ジョーさんグループ)、ハープ(朝川朋之さん)、ホルン(藤田乙比古いさん他2名)、ピアノ(菅野よう子さん)、フルート(おっちゃん)という小さめの編成で、音楽もオーソドックスな感じだったそうです。ほら、前に6番113番のレポでもお話したように、菅野さんのお仕事ではいつも何か特殊な楽器を使ったり、特別な奏法で吹いたりして、おっちゃんはそのたびに「今回もマトモなことをやらせてもらえんの〜」なんて笑ってたりするのですが、今回に関してはそういうことが全くといっていいほどなかったそうです。それはそれで、とても新鮮な感じがして面白いんでしょうね〜♪

映像は見えなかったらしいのでどんなCMなのかは分からないそうですが、出だしは3拍子で、フルートのメロディから始まるんだそうです。もしかしたらもうオンエアされてるかもしれませんので、しっかりテレビをチェックしててくださいねo(^o^)o

 

追記:そのCMを↓こちらで見ていただけます。冒頭からフルートが聴こえるでしょ?(*^^*)


 

155 火サス「旅行添乗員・椿 晴子 ごもっともでございます」(糸川玲子)

2004年7月12日 。サウンドインのBスタに行きました。この日は「火サス」の録音で、作曲家は糸川玲子さんです。タイトルは「旅行添乗員・椿 晴子 ごもっともでございます」という面白いタイトルだそうで、2004年9月28日にオンエア予定だそうですよo(^o^)o

さて、この日は過去のレポの中で何度かお話した中2階の個室を独り占めだったようで、写真をいっぱい撮ってきてくれました。

まずはブース内の写真です。椅子の上に並べられたたくさんの笛と譜面台の上の山のような楽譜、とても臨場感がありますね。


今回は篠笛の曲が1曲あって、この曲に関してはキーや音域それに楽譜などを事前に糸川さんにファックスしてもらって細かい打ち合わせをしてたんだそうです。こうして「これでOK!あとは当日を待つのみ!」と思っていたところ、ふとオクターブ関係が気になってきたそうです。で、糸川さんに問い合わせてみたところ、糸川さんの意図してらしたのは「譜面通りの音(譜面に書かれてるのと同じ音の高さ)」ということが分かったそうです。あ、ピッコロなどは譜面に書かれてる音より1オクターブ高い音で吹くらしく、今回もそれだと思ってたんですって。おっちゃんは「D管やから、てっきりピッコロみたいに…」なんて言ってましたが、なぜD管だとピッコロと同じように1オクターブ上げるのか…というところから分かってない私です(^^;ゞ

そんなわけでちょっと焦ってしまったおっちゃんですが、お仕事仲間としてもメル友としても仲良しの糸川さんのために「何とかせねば…!」と考えて、G管の笛で「Cis(ド#)」の音が出るように特別な穴を空けたものを録音前日に作って対処したんだそうです。いやぁ〜録音当日に気付いたんじゃなくて、良かったですねえ(^-^;)

この笛を使ったのは1曲のみで、プレイバックが聴けなかったらしいので何とも言えないところがあるそうですが、どちらかというと尺八に近い感じになったみたいです。さらにおっちゃんは「あれは、かなり目立つ場面で使われるんやないかな〜?」なんて言ってましたので、これはオンエアが待ち遠しいですね♪


これはその改造G管篠笛を吹いてるところです。何となく、いつものほほんモードで吹いてる姿が多いように思われるおっちゃんですが、この写真は背筋がピンとしてて、心地よい緊張感が伝わってきますね。

写真にカーソルを重ねると、別の角度からのおっちゃんが見えます♪


ところで、上の写真にある篠笛をよく見てください。これは、いつものおっちゃんの手製ではなく、中国雑貨店で格安で仕入れたものなんだそうです。おっちゃんのHPの篠笛のページに載っるものと見比べてみると、その違いが分かるかと思います。でも、買ったときのままではピッチが合わないので、いったん全ての穴を塞いで、あらためて開けなおしたんだそうですよ。

で、篠笛を吹いたことがある方は分かると思いますが、普通は左手の小指は使いませんよね?でも、おっちゃんは使ってる…実はこれが急きょ開けたという「C#」の穴なんだそうですよ。こうやって、即座に作曲家さんの希望に応えてしまえるとこも、おっちゃんの素晴らしいとこなんですよね〜。


また、火サスの定番とも言えるアルトフルートの曲もあったらしく、これはいかにも火サスって感じの曲だったみたいですよ。それから、8分の6拍子の、ちょっとシチリアーノ風なフルートの曲が2〜3曲あって、これはなかなか綺麗なメロディだったそうです。糸川さんならではの、女性らしい優しいメロディなんでしょうか。これまたオンエアが楽しみですね〜♪

写真にカーソルを載せると、アルトフルートを吹いてる写真に切り替わります。その写真手前のピンボケ具合からも、アルトフルートの長さが伝わってきますよね。


それ以外で面白かったのは、ボサノヴァ風(ボサノヴァって、どんなんだっけ…ブラジル風かな?)の曲でフリューゲルホルンとフルートのユニゾンというのがあったらしく、これは2〜3ヶ所で使われるみたいです。おっちゃんは「糸川さんとしては珍しいパターンやと思うなあ。ご本人はリズムものは苦手で…やて言うとったけど、なかなか良かったわあ♪」なんて言いながら、糸川さんの新しい一面を見せてもらえたことがとても嬉しそうでした。
 
そうそう、斉藤クジラさんは、ウッドベース・エレキベース・フレットレスベースを持ち替えるという大活躍ぶりで、特にフレットレスではサスペンス感を盛り上げるのに効果的だったのではないか…とのことでした。これも聴きどころですねo(^o^)o


ところで、これは何だか分かりますか?
左側はおっちゃんの篠笛用の楽譜ですが、右側の紙にはMナンバー順に、その曲の演奏時間やそれに参加する楽器などが書かれています。

こういうのを私たちが目にする機会は本当に少ないと思うので、見てると何だかドキドキしてきませんか?

おっちゃん、貴重な写真をありがとさんです♪


この日の編成は火サスとしてはわりと豪華だったみたいで、弦(桑田 穣さんグループ:ダブカル→カルテット)、ドラムス(伊藤史朗さん)、ウッドベース&エレキベース&フレットレスベース(斎藤クジラさんこと斎藤 誠さん)、ピアノ(田代さん)、フルート&アルトフルート&篠笛(おっちゃん)、トランペット&フリューゲルホルン(西村さん)、シンセサイザー(糸川玲子さん)、指揮(D島公二さん)だったそうです。

とにかく、最初から最後まで聴きどころがいっぱいで、とても犯人を推理する余裕なんてなさそうですが、これもまた火サスの楽しみ方の1つだと思います。 オンエアをお楽しみに〜♪

 

 

154 劇場版「金色のガッシュベル!! 101番目の魔物」(大谷 幸)

2004年7月6日。この日は港区麻布台のサウンドシティで、アニメ「金色のガッシュベル!!」の劇場版「101番目の獲物」の音楽録りが行われました。音楽はテレビ版と同じ、大谷 幸さんです。

こういったアニメやアニメ映画の劇伴は午後か夕方から録音…ということが多いらしいのですが、この日は10時からという珍しいケースだったようです。そんなわけで(?)、ここのところ朝1番からの仕事というのがなかったおっちゃんにとっては久々の早起きとなり、スタジオに着くまでは何だかずっと眠そうでした。ちなみに、大谷さんはどちらかというと早寝早起きのタイプで、朝にはめっぽう強いんだそうですよ。ミュージシャンとしては珍しい方なのかもしれませんね。

この日は ブラス関係がすべてダビングになっていて、仮のブラスの音が打ち込みで入ってはいたそうですが、やはり打ち込みでは全体像がちょっと掴みにくかったようです。今回はかなり標準的な編成で…って、これはおっちゃんの言葉をそのまま書いてるだけで私にはどういうのが標準的なのか分かりませんが、大谷さんにしてはエスニックな要素は少ないのでは?と感じたそうです。でも、それでも随所に特徴あるフレーズやサウンドが出てきたりして、おっちゃんは「さすが〜!」とも思ってたそうですよ。

さて、その標準的な…と言われた編成ですが、石橋雅一さん(オーボエ)、星野 正さん(クラリネット)、大畠條亮さん(ファゴット)、高田みどりさん&草刈とも子さん(パーカッション)、それにマサさんのグループの弦とD島公二さんの指揮という感じだったようですが、ブラスはダビングだったのでメンバーは分からないそうです。
 
余談ですが、この録音の時にマサさんが「大阪のお土産だよ」と言って、何やら渡してくれたんだそうです。普段、マサさんとお土産などのやり取りなんかしてないおっちゃんはちょっとドキドキしながら開けてみると、それは四角い缶に入った「蕎麦ぼうろ」。私たちだと「なぜ蕎麦ぼうろ?」って思ってしまいますが、おっちゃんはすぐに分かったんですって。

で、なぜかって?
まず、おっちゃんのパンパイプってバラバラになるのは知ってましたか?そのバラしたものを30年くらい前の古い蕎麦ぼうろの缶に入れてるそうなんですが、どうやらそれをマサさんが覚えていてくれたみたいですね。きっと「おっちゃんに新しい缶を…」という思いがあったんでしょう。何か、いいお話ですよね〜♪

でも、残念ながらパンパイプのパーツを入れるにはサイズがビミョーだったそうで、おっちゃんは別の使い道を考えてるところだそうですよ。仕事仲間からの優しい思いが詰まった、何十年かぶりに食べる蕎麦ぼうろの味は格別だったそうです。

さて、この映画は2004年8月7日より全国東映系で、すでにロードショウされています。ぜひ楽しんできてくださいね♪

 

追記:大谷さんの劇伴が聴けるわけではないんですが、↓こちらが映画の予告です♪


 

153 ドラマ「君が想い出になる前に」(西村由紀江)

2004年6月28日。今回のお仕事は、もともとこの28日の夕方に入っていたのを、おっちゃんの都合で翌日の29日に変更してもらっていたものでした。でも、28日の午後7時半すぎでしょうか、2軒目のスタジオに向かってる車の中で急に連絡が入って「やっぱりどうしても28日中に録らなければいけない事情ができたので、2軒目のお仕事が終わり次第に駆けつけてください」と言われたそうです。2軒目が終わる予定時刻は21時45分。これが押したら大変だなあと思ったのですが、とてもスムーズに終わって、8時半ごろにはKIMのスタジオに入れたそうです。

さて、お仕事の内容ですが、7月6日スタートで毎週火曜日の午後10時(初回のみ22:10〜23:14)にフジテレビ系列でオンエアされる「君が想い出になる前に」というドラマの劇伴で、作曲は西村由紀江さんでした。おっちゃんは西村さんとはコンサートでご一緒したり、西村さんのアルバムのお手伝いなんかで会うことはあったそうですが、劇伴のお仕事で顔を合わせるのはちょっと珍しいケースだったようです。

で、弦やピアノ(もちろん西村さん♪)やオーボエなどが既に入っていて、それにダビングという形での参加となり、「メインテーマ」「サブテーマ」「コミカル」というタイトルの3曲を録ったようです。前の2曲は緩やかな曲でおっちゃんのフルートが出てくるのはごく一部分みたいですが、なかなか印象的な感じで使われるらしいですよ。3曲目の「コミカル」という曲はラグタイム風の軽快な曲で、こちらは2声や3声になっている部分があって、ピッコロとフルートで重ねたんだそうです。フルートとピッコロの重ね録り…これを聞いただけでも、とても明るく軽やかでキラキラとしたイメージが浮かんできますよね。

ところで、このドラマは主役の佐伯奈緒(観月ありさ)の姉夫婦が強盗事件に巻き込まれたことで姉は亡くなり、姉の夫の光彦(椎名桔平)は事件のショックで自分の息子のことも思い出せないくらいの記憶喪失になってしまう…という、かなりシリアスなドラマのようですが、このラグタイム風の軽快な曲というのはどういうシーンで流れるんでしょうね。このあたりには、おっちゃんも興味津々でした。


右は無事にお仕事を終えたあとに撮られた西村さんとの2ショット。

おっちゃん、今にも伸びそうな鼻の下と緩んでしまいそうな頬を必死で堪えてキリッとキメてるようですが、しっかり肩が西村さんの方に傾いてます〜。いやはや、何とも抜け目のない…(^^;ゞ

それにしても、西村さんはきれいですね〜♪

 


オンエアまで、あとわずか。おっちゃんのフルートはもちろんですが、西村さんの美しいピアノの音色も大きく期待できるところです。お忙しい人も、ぜひビデオなどを活用して楽しんでくださいね♪

 

 

152 中学校用音楽教材の録音

2004年6月28日。港区赤坂にあるコロムビアの1スタに行き、学校で使う教材の録音に臨みました。このところ教材関係のお仕事がいくつか続いたおっちゃんですが、今までは鑑賞用教材だったのに対して、この日は合奏用教材…つまり、教科書に載っている合奏の楽譜の模範演奏の録音でした。
 
こういった教材の録音をする時も顔ぶれはいつものスタジオミュージシャンらしいのですが、楽器の方はいつもと違って、それぞれが学校で使っているような楽器に持ち替えることになります。おっちゃんの場合はリコーダーなので、まだそれほど大きな変化はないようですが、たとえばアコーディオン奏者の方は鍵盤ハーモニカに、ドラムの方はドラムセットでなくて可愛い太鼓に、キーボード奏者の方は鍵盤ベース(キーボードの形をした低い音ばっかり出る楽器)に…といった具合です。想像すると何だか可愛いですね。で、学校教材となると、やっぱりリコーダーの出番がいちばん多くなるみたいで、この日に録った10数曲のほとんどにおっちゃんは出てたそうです。

さて、 教材関係の録音は「楽譜通りにきっちり演奏しなくてはいけない」という厳しい制約があることは前にこちらのレポで詳しく書きましたが、この日も特にピアノやキーボードのパートには厳しいチェックが入ってたそうです。ただ、楽譜は短くて簡単なので、たとえ曲数は多くても早く終わることが多いらしいのですが、この日は中学校用の教材ということもあって曲もかなり難しく長いものが多かったので、けっこう時間がかかったそうですよ。曲はルネッサンスやバロック期の本格的な曲からクラシックの曲をアレンジしたもの、ジャズやポップスのアレンジものまでほんとに色んなのがあったようですが、簡単に済むものはほとんどなかったそうです。あのぉ…おっちゃんたちが「かなり難しい」って感じる曲って一体どんな曲なんでしょう?で、そんなのを中学生が吹けるんでしょうか?

おっちゃんも「部活とかに打ち込んどる場合は別として、最近は週休2日制のおかげで音楽の授業時間自体が減っとるわけやろ?そんな条件で目いっぱい練習したとしても、これだけ音域も上下に広がっとるし、技術的にもかなり難しい曲を演奏できるんかなあ」なんて言ってました。いやはや、ほんと、どんな中学生が吹くのやら…?

ちなみに、この日にやった曲は、シャンソネッタ・テデスカ(ルネッサンス期の舞曲?:ギターとパーカッションとソプラノリコーダー)、悲愴の2楽章(ベートーベン:アルトリコーダーにピアノ伴奏)、亡き王女の為のパヴァーヌ(ラベル:アルトリコーダーにピアノ伴奏)、Ave Verm Corpus(モーツアルト:オルガン風キーボードにリコーダー)、水上の音楽よりホーンパイプ(ヘンデル:アルトリコーダー2本にピアノ伴奏)、情熱の花(テイクファイブ:ピアノとキーボードと打楽器とアルトリコーダー2本を2人でダビング…つまり4声)、C Jam Blues(ピアノとキーボードと打楽器とアルトリコーダー)、テキーラ(キーボードと打楽器とソプラノリコーダー)、ダニーボーイ(アルトリコーダーにピアノ伴奏)などなどだったそうです。
 
メンバーは、リコーダー(おっちゃん・篠原 猛さん)、打楽器(広瀬さん・川瀬正人さん・草刈とも子さん・越野さん)、ピアノ(倉田信雄さん)、キーボード(猪俣さん)、鍵盤ハーモニカ(水野弘文さん)です。

このお仕事、本来の拘束時間がイマイチはっきりはしてなかったようですが、大体4〜5時間で終わるんじゃないかなあと予測してたようです。でも、結局は6時間という長丁場になってしまって、勝手に予測した終了予定時刻ごろには「まだ、やっとる。大変じゃ〜!」とか「だんだん集中力がなくなってきた…」とのメールが、無事に終わったあとには「終わった…これだけリコーダーを吹いたら、さすがに頭がヘンになりそうじゃ(*_*)」との電話がありました。

また、この日はハシゴの日で、しかも2軒目(1つ上のレポの西村さんとのお仕事)までの合間があまりなかったらしく、そういった時間の心配なんかもあって色々と気疲れしたんだそうです。いやはや、本当にお疲れさまでした。電話の最後には「しばらくリコーダーは吹きたくないなあ」なんてグッタリ疲れた感じの声で言ってましたが、でもどこか達成感たっぷりの、とても充実した声でしたよ。何だかんだ言っても、笛を吹くのが、お仕事が、大好きなんでしょうね♪

さて、約1週間後の2004年7月5日に、また赤坂のコロムビアに行きました。今回も前回と同じく中学校用教材の模範演奏の録音です。この日は何と邦楽版で、おっちゃんがやったのは「秋の風」(作曲:浦田健次郎)という曲だけだったようです。邦楽なので本来ならば尺八でやるパートなのでしょうが、やはりそこは中学校教材。お琴と三味線とアルトリコーダーでの合奏でした。キーから判断して「もし尺八でやるとすれば、1尺6寸管(お正月によく流れる‘春の海’なんかで使うサイズだそうです)でやることになるんやろな」なんて思いながら吹いてたそうですよ。初見で吹いてるのに、そんなことを考える余裕があるのがすごいなあと思った私でした。

何せ慌しい現場なので三味線の方のお名前は聞き漏らしたそうですが、お琴は三宅さんという方だったそうです。後でよくよく聞いてみると、何と、あの「忍風戦隊ハリケンジャー」の音楽を担当された三宅一徳さんの奥様だったとか…。この三宅さんの奥様は日本音楽集団のメンバーで、その「ハリケンジャー」にも参加されてたようです。おっちゃんもハリケンジャーには参加してるので、スタジオのどこかで会ってたかもしれませんね。

ここ数年の間に学校の音楽教育に邦楽が積極的に取り入れられるようになってきましたが、おっちゃんが邦楽を取り入れた教材のお仕事に参加したのは初めてだったそうです。リコーダーのパートは前回のときほどは難しくはなかったようですが、お琴や三味線のパートはけっこう難しそうだったんですって。学校用教材って、一旦メーカーが決まったら2〜3年は同じものを使いますよね?いま5年生の長女が中学へ上がったときに、この教材に触れられたらいいなあとつくづく思っていますo(^o^)o


 

151 OVA「トップをねらえ2!」(田中公平)

2004年6月27日。ビクター青山スタジオの301スタに行きました。この日はまずスタジオのロビーでタレントさんが番宣らしきものを撮ってて、それを横目にスタジオに入るとそこにも取材カメラが入ってて、オケの練習中の様子なんかを撮影してたんだそうです。で、何事かと思ったら、1988年に発表された「トップをねらえ!」というOVAの続編「トップをねらえ 2!」の音楽録りだったそうで、音楽は1作目に引き続き田中公平さん。この取材の様子からして、かなりの話題作のようですね。


この日も(何故この日も…なのかはこちらのレポを参照してください)おっちゃんと公平さんとの間では「仕事場探検、見てますよ〜♪」「どうもどうも〜♪」みたいな会話が交わされたようです。

で、「ほんなら1つ、レポート用の写真でも…」とのことで、こんな素敵な写真を撮ってきてくれました。

欲を言えば、公平さんの真剣な表情をもっと正面から見たかったな〜って感じですが、この写真からも十分にその場の空気や、公平さんのお仕事への姿勢みたいなものが感じられますよね?


おっちゃんの話では、公平さんの音楽は「スタジオで実現できる限界に挑戦させる」みたいな感じの、けっこう難しいフレーズが多いんだそうです。で、この日はそれに更に拍車をかけたような難しいフレーズが多く、各パート共とても苦労してたんだそうですよ。おっちゃんが聴いた感じでは特に弦のパートが大変だったようですが、ピアノパートにもすごいフレーズがあったとか。自分の専門である笛以外の楽器にも何かと詳しく、管楽器なんかは一通り全て音は出せるし、確かピアノも弾けるって聞いたことがある、そんなおっちゃんが聴いて「すごい」って言うくらいですから、とんでもなく難しいフレーズなんでしょうね。

皆さんの様子を見てたおっちゃんからは「あんなに難しいのに、それでも限られた時間で何とかやってしまう実力は、ほんまにすごいなあって思うた」なんて声が聞かれましたが、そういうおっちゃんもサラッとやってのけたのでは?いやはや、皆さん本当に素晴らしいと思います。

そうそう、更に「公平さんの作る曲の中での‘難しい’は、楽器の性能とかを無視したような難しさではなくて、頑張れば何とかなるかなって思えるギリギリの線を狙っとるんが分かるんで、ついつい皆も頑張ってしまうんよなあ」とも言ってました。これ、何ともいいお話だと思いませんか?う〜ん、語彙の乏しい私には上手く書けませんが、何ていうか…公平さんと演奏家さんたちが、お互いがお互いを思いやり、その間にある曲のことも大事に思い、一緒にいいものを作っていこうっていうような一体感が感じられますよね。

こんな素敵な連携プレイを見せてくれたこの日のメンバーは、ピアノ(松田真人さん)、ハープ(朝川朋之さん)、弦(マサさんのグループ)、パーカッション(?)、ホルン(藤田乙比古さん他2名)、トランペット(菅坂雅彦さん他2名)、トロンボーン(松本 治さん他2名)、フルート(おっちゃん.高桑英世さん)、オーボエ(庄司知史さん)、クラリネット(十亀正司さん)で、指揮はもちろん、田中公平さんでした。

笛の方は、最後にソプラノリコーダーのソロが1曲あった他はフルートとピッコロで、おっちゃん・高桑さんペアによる「ピッコロ2本」というのが2曲あったそうです。公平さんでピッコロ2本っていうと、かなり派手で軽快な曲なんでしょうね。現在オンエア中の「かいけつゾロリ」の中にもピッコロの楽しそうな曲があるのですが(演奏する側にとっては、これまた難しいらしいです)、勝手にそんなのを想像してたりします。あぁ〜早く聴いてみたいなあ。この日に録られた音楽は、2004年11月26日にリリースされるDVDで聴けるようなので、お楽しみに〜♪

 

 

150 NHK月曜ドラマ「ねばる女」(大島ミチル)

2004年6月26日。この日は大島ミチルさんとのお仕事で、サウンドシティのAスタに行きました。ちょっと先になりますが、NHK月曜ドラマシリーズの枠で放映される「ねばる女」というドラマの音楽録りです。10月18日の午後9時15分より5回に渡って放送されるようですよ。物語の内容としては、東京で夫(沢村一樹)・息子と暮らす家具デザイナーの女性(飯島直子)が兄の死をきっかけに東京から故郷の茨城県に戻り、家業の納豆工場を継いで奮闘する姿をコミカルに描くというストーリーなんだそうです。

大島さんの音楽は、大島さんのお人柄を反映して明るく華やかで、それでいて元気が出てくるようなものが多いので、おっちゃんは今回もそんな感じかな〜と思ってたそうです。でも、実際にはちょっと変わったパターンの曲があったりしたらしく「これがその"ねばる"というイメージなのかな〜?」なんて思いながら演奏してたそうですよ。

そうそう、前にこちらのレポでもお話ししたように、大島さんは「適度な緊張感でまとまった演奏ができる」という「ぶっつけ本番」の録音を好まれる傾向にあるようですが、この日はいつもにも増して「ぶっつけ」が多かったみたいです。大島さん御自身の日記で「海外での刺激のある録音もいいですが、信頼できる仲間との録音もまたいいですね?」と書かれてたように、心から信頼できる仲間とだからこそ成せる業なんでしょうね。ほんと何といっていいか分からないくらい、素晴らしい演奏能力ですよね。これぞ日本が世界に誇る、スタジオミュージシャンの真の姿だと思います。


これは真剣な眼差しで楽譜とにらめっこしている、お仕事中のカッコいい大島さんです。

でも、写真にカーソルを乗せると、女性の私でも思わす顔がほころんでしまうような可愛い大島さんの姿が…ほんと、おっちゃんは写真を撮るのが上手ですね〜♪


こちらは仲良しツーショット写真です。これも写真にカーソルを乗せると別アングルからのツーショット写真が見えます。

この日スタジオにいた人たちは、演奏家だけでなく、スタッフも皆とても仲がいいんでしょうね。それは、このお2人のにこやかな表情を見てたら分かります。


この日の編成は、おっちゃんのフルートとマサさんグループの弦、それに美野春樹さんのピアノと草刈とも子さんのクラシックパーカッション、そして星野 正さんのクラリネットという、比較的シンプルな感じだったそうです。おっちゃんはフルートだけだったそうですが、Mナンバーのついた正規(?)のパート譜のほかに何故かメロディ譜が2部あったので不思議に思ってたら「皆さんが終わったあとで、これをやってほしい」って言われたんですって。

本当ならメロディ部分にソプラノサックスが入るんだそうですが、メンバーの都合(?)で後入れになってたらしく、サックス抜きの、いわゆるカラオケ状態のところに「リコーダーも入れてほしい」ということだったみたいです。このリコーダーバージョンも現場で好評だったみたいなので、もしかすると番組内でも使われるかもしれないですね。がんばれっ、選曲屋さんo(^o^)o

ところで、今回オンエアの3ヶ月以上も前に録音されたというのは、何か特別な理由があったのでしょうか?普通は、もっと間際になってからですよね?そのあたりも、いつか聞いてみたいところです。では、またオンエアが近くなったら、掲示板などでお知らせしますね♪

 

 

149 火サス「占い師すずこ」(糸川玲子)

2004年6月23日。サウンドインのAスタに行きました。このところよく御一緒する糸川玲子さんと「火サス」の録音です…が、いつも火サスはBスタなのに、何故かこの日はAスタだったんですって。編成としてはいつもとあまり変わらなかったようなので、どうして広い方のAスタになったのかなあと、おっちゃんはちょっと不思議そうでした。

この日に録られたのは「占い師 すずこ」というタイトルで、放映日は録音当日の時点では未定だったそうです。なので、また火サスのサイトや糸川さん御自身のサイトをチェックして調べてみますね。

おっちゃんの話によると、今回の音楽の特徴はオーボエとイングリッシュホルンの中間のサイズになる「オーボエ・ダ・モーレ」という楽器を使ったことではないかということです。現在では、このオーボエ・ダ・モーレかヴィオラ・ダ・モーレというのくらいだそうですが、昔は色んな楽器で、それぞれの楽器の標準の音より3度低い○○○ダモーレというのがあったようですよ。また、標準の音より5度低い「オーボエ・ダ・カッチャ」なんて楽器もあるんだそうです。

このオーボエ・ダ・モーレなんかを劇伴で使うことは稀なようですが、糸川さんは以前にも使われたことがあったそうです。独特の音域、音色を狙ってらっしゃるんでしょうね。これは是非ともオンエアで聴いてみないと…!

この日に録った中の1曲に、オーボエ・ダ・モーレとアルトリコーダーのユニゾンの曲があったそうですが、どうやらそれが「占い」のテーマなんだそうですよ。こちらも聴き逃せませんね。ほかにはギターをはじめ、色んな楽器を演奏される田代さんとベースの斎藤クジラ誠さんの参加も、火サスとしては珍しかったんじゃないかなあということでした。

メンバーは、フルート&アルトフルート&リコーダー(おっちゃん)、オーボエ&オーボエ・ダ・モーレ&イングリッシュホルン(石橋雅一さん)、ギター他(田代耕一郎さん)、弦カル(桑田 聖さんのグループ)、パーカッション(高田みどりさん)、ベース(斎藤クジラ誠さん)、ピアノ(エルトン永田さん)、キーボード(糸川玲子さん)、指揮(中谷勝昭さん)と、いつもの火サスとはちょっと違った雰囲気だったようですね。

このように、いつもより楽器の数が多くなったので、弦の方はカルテットになってしまったそうです。おっちゃんの笛は、今回はどちらかというと脇役の感じだったそうで淋しいのですが、その代わりにギターやパーカッションなどのユニークな楽器の音色が楽しめるみたいですよ。ぜひ見てみてくださいね〜♪

 

 

148 アニメ「絢爛舞踏祭 ザ・マーズ・デイブレイク」追加録音(和田 薫)

2004年6月23日。都内新宿区早稲田にあるアバコスタジオの301スタに行きました。ここは、うちのレポでは和田 薫さんの録音でよく使われるスタジオです。で、この日も和田さんのお仕事で、現在テレビ東京系列で放映中の「絢爛舞踏祭 ザ・マーズ・デイブレイク」の追加録音が行われました。初回録音の様子はこちらにレポートがあります。

追加録音ということなので拘束時間は2時間だったのですが、そのわりには曲数が多く、和田さんの録音にしては珍しく「ちょい押し」になったそうです。そういえば、和田さんとのお仕事のときはいつも拘束時間の1〜2時間前には「終わった〜♪」との一声から色々と報告があるんですが、この日は終了予定時間をすぎてから連絡が来たような…。別に何かトラブルがあったというわけではなく、作業はいたってスムーズだったようです。ただ、あくまで「ちょっと曲数が多かったかな〜」といった感じだったとか。でもこれは、それだけ私たちの聴く楽しみが増えたってことなので、勝手に「よし」としましょう♪


スタジオでの録音風景です。

これだけの大編成が入れるスタジオは、このAVACOの301か、ビクタースタジオの301くらいなんですって。

これはスタジオの入口(?)から撮ったものだそうですが、カメラの位置が演奏家さんたちの目線の位置に近づけてくれてるので、とても臨場感がありますよね。


この日の和田さんは連日の「書き」でかなり大変だったようで、ちょっと無精髭なんかを生やしてたそうですよ。「ヒゲ面の和田さん〜?見たいっ!見たい〜っ!」とおねだりしたのですが、「ほっほっほ、残念でした〜。今日は後ろ姿の写真だけじゃ」との返事が…。

こちらは棒を振る和田さん。ちょっと振り向いてくれたら、ワイルドなヒゲ面の和田さんが見えるのに〜。惜しいっ!

そうそう、和田さんのHPのコラムページにある「遠回りのススメ…」は、もう読まれましたか?この記事内には書かれてませんが、これがアップされたころの掲示板だかネットラジオだかで、「この放浪中は坊主頭にヒゲ面という風貌だった」ってなお話があったように思うのですが…いやぁ〜それも見たかったなあ(^^ゞ


今回はあまり激しい戦闘シーン風の音楽はなかったようですし、前回のときのような特殊楽器(リコーダー・ケーナ・パンパイプなど)は使わなかったみたいですが、フルートやピッコロのソロもあって、なかなか内容の濃い音楽だったみたいです。フルートやピッコロのソロはおっちゃんファンの私たちとしては、これは是非とも聴きたいところですね。

また、和田さんからいただいた情報によると、今回はストーリーのクライマックスと最終回専用の曲などもあったそうで、このオケの後には混声四部のコーラスもダビングしたそうです。コーラスは第25話(最終回の1つ前)に出てくる予定なんだそうですよ。これまた楽しみですね〜♪

ちなみに、この日の編成は弦(マサさんのグループ)、パーカッション(大石真理恵さん他)、フルート(おっちゃん)、オーボエ(庄司知史さん)、クラリネット(星野 正さん)、ファゴット(前田正志さん)、ホルン(藤田乙比古さん他2名)だったようです。ブラス関係はクラシック系の方で、おっちゃんの話では「多分、日フィルの方たちやないか?」とのことでしたが、お名前など詳しいことは分かりません。あ、指揮はもちろん和田さん御自身です(*^^*)

番組自体はどんどん深みと激しさを増しているようですし、それらを和田さんの新しい音楽がどのように色づけするのか、今後の展開がますます楽しみですね♪

 

 

147 映画「隠し剣 鬼の爪」(冨田 勲)

2004年6月21日。サウンドインのAスタで「隠し剣 鬼の爪」という映画の音楽録りが行われました。この映画は、2004年3月に第76回アカデミー賞外国語作品賞にノミネートされた「たそがれ清兵衛」を書かれた藤沢周平さんの小説を元にしているものです。音楽は冨田 勲さん。おっちゃんにとっては、冨田さんとのお仕事はかなり久しぶりだったようです。で、これ、おっちゃんも私も最初は「たそがれ清兵衛」の続編かと思ってたんですが、実はそうではないようです。

今回はオーダーの段階で「篠笛などの民族系の楽器を使いたい」ということで、「どんな楽器ができる?」とか「音域は?」など、細部にわたっての問い合わせがあったそうです。このあたりからも、冨田さんのこの映画への意気込みが感じられますよね。で、おっちゃんは、取りあえず手持ちの楽器を全て車に積んで「どれでもどうぞ〜♪」ってな気分で行ったみたいですが、結局はフルートとピッコロとアルトフルートだけで、篠笛などの民族系楽器の類は全く使わなかったそうです。どうやら、最初は「音楽はエスニック路線でいこう」という話だったのが途中で路線変更してしまったようで、どちらかと言えばクラシックな感じのものが多かったみたいですよ。

この、路線変更のとばっちり(←とばっちりなんて表現をしたのはおっちゃんですよ(^^ゞ)として、エスニックパーカッションの梯 郁夫さんもいらしてたようですが、結局ずっと待機していただけで1音も出すことがないまま終わってしまったそうです。ご本人にも「多分、何もないと思うんだけど…」みたいな話は事前に伝わってたみたいですが、「山田洋次監督のアイディアがひらめいて、また急に変更になる可能性もあるので…」ということで待機してもらってたみたいです。こんな風に「もしもに備えて」みたいな感じで呼ばれていくこともあるんですね。また1つ、おもしろい発見がありました。
 
最後になりましたが、編成は、弦(加藤ジョーさんのグループ)、フルート(おっちゃん・高桑英世さん)、オーボエ(柴山 洋さん)、クラシックパーカッション(高田みどりさん他)、エスニックパーカッション(梯 郁夫さん・出番なし(^^ゞ)、ホルン(松崎 裕さん他)、トロンボーン(?)、指揮(熊谷 弘さん)でした。

公開日や地区など詳しいことはまだ分かりませんが、原作者さんも監督さんも同じということで、あんなにも話題を呼んだ「たそがれ清兵衛」に次いで、今度はどんな世界を見せてくれるのか楽しみですね♪

 

 

146 劇場版「ポケットモンスター 裂空の訪問者デオキシス」(宮崎慎二)

2004年6月18日。ビクターの青山スタジオに行きました。このスタジオは、おっちゃんたちの間では「青山スタジオ」と呼ばれてるんだそうですが、実際の所在地は「渋谷区神宮前」というところなんですって。そうそう、おっちゃんは「まあ、青山って言うた方が何となく通りがよかったりするんかもなあ」なんて言ってましたが、これって「千葉浦安ディズニーランド」を「東京ディズニーランド」って呼ぶようなモンなんでしょうかね(^^ゞ

さて、この日は「映画ポケットモンスター 裂空の訪問者デオキシス」の録音で、作曲はお馴染みの宮崎慎二さんでした。ポケモンの録音はサウンドシティで録ることが多いらしいのですが、今回は何故かビクターだったそうです。ちなみに、ブースの防音効果はサウンドシティの方がいいみたいですよ。で、その関係かどうかは定かでないですが、ブラス関係は全て後入れになってたんですって。

ブラスが入ってないってことで、音楽の全体像はちょっとつかみにくい面もあったようですが、おっちゃんの所見は「宮崎さんの音楽は、綿密に計算されて組み立てられた感じの、完成度の高いものだった」そうです。それから、今年のポケモンの音楽は、弦セクションにも木管にも、けっこう難しい部分があったそうですが、おっちゃんは「同じ難しいフレーズをやるんでも、ただ無意味にやりにくいんと、音楽的に‘ここでこのフレーズがないと!’って思うてやるんとでは、ぜんぜん取り組む姿勢が違うてくるよな。」なんて言ってました。こういうセリフが聞けるってことは、おっちゃん的にかなり燃えたフレーズがあるってことですよね?これは聴きどころだと思いますよ〜o(^o^)o

ほとんどの曲は、あらかじめクリックが打ってあって、先に打ち込み関係の音が入ってたんだそうです。かなりの曲数だったので、4時間の拘束時間に収まるかどうかちょっと心配だったみたいですが、尺合わせや楽譜上のトラブルがほとんどなく、とてもスムーズに運んだので、ちゃんと時間内に終わったんですって。でも、考えてみたらすごい話ですよね。約1時間半くらいの映画につける音楽(ポケモンって、けっこう音楽が鳴りっぱなしだと思うんですよね)を、テストや打ち合わせなんかも含めて、たった4時間で録ってしまうんですから…。

この日のメンバーは、フルート2(おっちゃん・金子さん)、オーボエ(庄司知史さん)、クラリネット(十亀正司さん)、クラシックパーカッション(高田みどりさん・草刈とも子さん)、弦(マサさんのグループ・64442→64221)に指揮(D島公二さん)で、本文中に書いたようにブラスセクションは後入れでダビングしたみたいなので、お名前などは分かりません。

映画の公開は7月17日。宮崎さんの、パワフルでダイナミックな音楽が映画館の大音響で聴けるまで、あとわずかですね。ぜひ、たくさんの人に観に(聴きに)行ってほしいと思います♪

 

 

145 新垣勉「荒城の月」(クリヤ・マコト)

2004年6月16日。ビクターの301スタに行きました。この日は、2003年3月に「題名のない音楽会21」に出演され、その後も「全盲で牧師のテノール歌手」という紹介のもと、全国でチャリティーコンサートを開かれてる新垣 勉さんのお仕事でした。この2〜3年、SMAPの「世界に1つだけの花(作詞・作曲:槙原敬之)」で「オンリーワン」ということが強く訴えられてますが、新垣さんはもう何年も前から大勢の人に声を大にして話してきてたんだそうですよ。おっちゃんは、テレビなんかではお見かけしてたものの、お会いするのは初めてだったようです。

さて、今回は2時間の拘束で、あの滝 廉太郎の「荒城の月」の1曲のみを録るという、とてもゆったりしたペースでのお仕事でした。おっちゃんは「多分、何かのアルバムの中の1曲ちゃうかなあ」なんて言ってましたが、まだ詳しいことは分かってません。新垣さんのサイトで紹介されると嬉しいのですが…。

アレンジは、ピアノも弾いてらっしゃったクリヤ・マコトさん。滝 廉太郎のオリジナルはとてもシンプルなハーモニーですが、クリヤさんのアレンジは全く違ったコード進行で、なかなかシャレた感じになってたみたいですよ。荒城の月がシャレた感じになるって、どんなんでしょ〜?これは是非とも聴いてみたいところですよね。

編成は、弦(グループ名不詳・44232?)、フルート(おっちゃん)、オーボエ(柴山洋さん)、クラリネット(星野 正さん)、ファゴット(霧生吉秀さん)、ピアノ(クリヤ・マコトさん)に、指揮(D島公二さん)といった感じで、とてもクラシックな感じだったそうです。指揮者と木管のメンバー以外はほとんど知らない人ばかり…という、いつものスタジオとはちょっと違った雰囲気の録音でした♪

 

 

144 火サス「特急うずしお30号の罠」(大谷和夫)

2004年6月15日。港区麻布台にあるサウンドシティのBスタに行きました。Bスタっていうと、ちょっと小さい方のスタジオですよね。例の火サスの録音で、作曲は大谷和夫さんでした。タイトルは「特急うずしお30号の罠」だそうですよ。この「特急うずしお」というのは、実は私の住んでる町を通る汽車(‘電車’ではなく‘汽車’なのです(^^ゞ)なので、私はとても親近感(?)を覚えますね。おっちゃんは放映日は聞き逃したそうですが、火サスのサイトでチェックすると、どうやら7月6日がオンエアのようですよ。

さて、今回おっちゃんはフルートのみでの参加だったようですが、何かのモチーフだと思われる短いテーマが何度も出てきたそうです。また、それとは別に「M−2」は、ちょっと長いフルートソロだったようです。これは聴き応えがありそうですよね♪

録音は、いつもの様に大谷さんが予め打ち込んでこられたものにダビングするものと、スタジオで録る生楽器だけのものとが半々くらいだったようです。あ、ピアノは、大谷さん御自身です。曲数もそんなに多くなく、録音はとてもスムーズにいったので、スタジオに入って約1時間で終わっちゃったそうですよ。

この日のメンバーは、マサさんグループの弦(4222)、佐野博美さん(クラリネット・ソプラノサックス)、大谷和夫さん(打ち込みシンセ・生ピアノ)、中谷勝昭さん(指揮)だったようです。佐野さんの力強い音色も聴きどころではないでしょうか。オンエアまであとわずか、どうぞお見逃しのないようにね〜♪

 

 

143 高倉健「南極のペンギン」朗読CD(宇崎竜童・中村さとし)

2004年6月11日。世田谷のCRESCENT STUDIOに行きました。この日も「今日の仕事は何〜?」「何やら行ってみんと分からんのじゃ」ってな会話から始まったおっちゃんとのリポート作成の準備段階。担当の作曲家さんの名前は分かっていても、劇伴だとか歌モノだとかいう、その内容までは分かってないことも多いのです。いや、作曲家さんの名前さえも分からない日もしばしば…だから何の心の準備もなくスタジオに飛び込んでしまうことになるわけですが、それでもサッとそのときの内容に順応してパッパと仕事をこなしてしまうところが本当にすごいなあと、いつも感心しきりの私だったりします。

さて、この日は何とあの高倉 健さんに関するお仕事でした。健さんの書かれた本をCD化するとのことで、健さんご自身による朗読のバックに流れる音楽なんだそうです。音楽は宇崎竜童さん。この本というのは、2001年2月に集英社から発行された「南極のペンギン」という本で、健さんが世界中で出会った心優しい人たちのことを語ってるものなんだそうです。この本は後に文庫本にもなり、小学校の教材としても多くの子供たちに読まれているのだそうですよ。おっちゃんは、サンプルにその文庫本版を1冊いただいてきたそうです。文庫本ですが、大きな字で、漢字には全てルビが振ってあるので、小学生でも楽に読めそうに思えたそうです。

この日やったのは「ハワイのベトナム料理人」という1曲だけで、ゆっくりしたテンポの、とてもシンプルな曲だったんですって。楽器の編成はギター・ウクレレ・琴・フルートで、ギターとウクレレは吉川忠英さん、琴は後入れだったので分からなかったそうですが、サンプルを聴いた感じでは、山内喜美子さんの京琴に近い音がしてたそうです。おっちゃんへの楽器の指定はフルートだったのですが、音域の関係で一部アルトフルートを使ったそうです。 たった1曲にしては長めの拘束時間で、とてもゆったりしたペースでのお仕事だったようです。

2004年6月12日。前日の続きでCRESCENT STUDIOに行きました。この日は宇崎竜童さん作曲・中村さとしさんのアレンジで「比叡山の生き仏 Part-2,Part-6」「南極のペンギン Part-5」という2曲をやったそうです。前日とは違い、86442の弦(加藤ジョーさんのグループ)にラテンパーカッション(浜口茂外也 さん)とハープ(朝川朋之さん)が入ったそうですよ。録音はいたってスムーズに終わったようです。

ところで、ハープの朝川さんがかつて竜童組のメンバーだったってことは知ってましたか?この日も宇崎さんはスタジオに来てらしたみたいなので、昔のメンバーと久々に仕事場で再会という、特別な時間が流れたのかもしれませんね。

2004年6月14日。13日の日曜日をはさんで、ふたたび健さん関係のお仕事でCRESCENT STUDIOに行きました。この日も宇崎竜童さん作曲・中村さとしさんのアレンジで、弦(加藤ジョーさんのグループ)の他に、クラリネット(十亀正司さん)とホルン(藤田乙比古さん)とチューバ(佐藤潔さん)、それに三線(伊丹雅博さん)が入って、「沖縄の運動会」という曲をやったんだそうです。

…全力疾走で走るはずの徒競走でも、つい踊り出したくなったりしないのかしらん?あ、別に本物の運動会で流すわけではないので、大丈夫なのかな?(^^;ゞ そうそう、おっちゃんの話では、伊丹さんの三線はちゃんと蛇の皮を張った楽器で、ピックも水牛の角という本格仕様で、かなりのこだわりが感じられたそうです。

録音の最終日であるこの日には「健さんがくるかも♪」みたいな噂もあったそうですが、おっちゃんたちがいる間には現れなかったみたいで、おっちゃんからは「ナマ健さんには会えんかったわ…」との残念なそうな声で、この日の報告を終わりました。この後、また別のメンバーで収録があったみたいですが、内容は分かりません。とにかく、とても楽しそうなCDなので、ぜひ学校や家庭で活用してみたいですね♪

 

 

142 映画「アンパンマン・夢猫の国のニャニィ」(近藤浩章)

2004年6月9日。この日は早稲田のAVACOタジオで、劇場版「それいけ!アンパンマン 夢猫の国のニャニィ」の録音が行われました。その内容に触れる前に、ちょっとした裏話(?)をしようと思います。おっちゃんのお仕事には、劇伴・CM・歌モノ…と色々ありますが、インペク屋さんが各ミュージシャンに劇伴の仕事をオーダーするときに、最初は実際に必要と思われる時間よりも長めにオーダーしてきて、直前になって少し短くするというパターンがほとんどなんだそうです。たとえば、オーダーが入った時点では「○月○日の1時から5時まで空けといてください」と言われてたのが、直前になって「やっぱり1時から3時半までで大丈夫です」みたいな感じでしょうか。

で、今回のお仕事のときも当初は「17時から23時まで‘アンパンマン’の映画」というスケジュールだったので、おっちゃんは間違いなく前述のようなケースだと思ったそうです。でも、最終的にもそのまんまの時間だったので、何だか意外な感じがしたそうです。なぜ意外かって?それはですね、こういう映画の録音は大体3〜4時間で録ってしまうことが多いので、6時間もの拘束時間というのがとても不思議だったというわけですね。

でも、結果としては、6時間いっぱいというより、むしろ少し押し気味になってしまったらしいので、インペク屋さんの「読み」「押さえ」はバッチリでしたね。この、時間がかかった理由としては、録り方が念入りだったのと、楽譜のミスが多くて各パートから質問が続出したりして、楽譜の直しや確認にかなり時間を食われたというところだったみたいです。ここで、うちのコラムページの「楽譜の話」を読んでみると、またまた面白いかもです♪

さて、録音の内容に入るとしましょう。おっちゃんによると「映画ってことで編成もけっこう大きいからAVACOの301を使ったんちゃうやろか」という話だったんですが、何やら各楽器のセッティングがかなり変わってたそうですよ。普通だと、ブラス隊はブースに入ることが多いのですが、この日は真中のフロアに弦・木管・ブラス・ピアノが並んで、ドラムやパーカッションなどがブースに入ってたんだそうです。さらに驚いたのは、そのフロアでブラスと木管が「衝立なし」で、しかも向き合うようなセッティングになっていたことだそうです。ラッパというのはアサガオの部分がどちらを向いているかで音の飛び方やボリュームが大きく違ってくるので、どうしても音の弱い木管と同じフロアでやるのなら、ブラスが前で、その後ろに木管が…というふうに配置した方が、音の「回り込み」とかはうんと少なくなっていいように思うのにねぇ。この日は一体どんな効果を狙ってたんでしょうね。おっちゃんも、そのあたりがとても気になったようでした。

そうそう、アンパンマンといえば「そうだ 嬉しいんだ 生〜きる喜び♪」という例の主題歌ですが、あの歌はいずみたくさんの作曲なんですってね。で、この日の映画音楽の作曲家・近藤浩章さんは、いずみたくさんのお弟子さんなのだそうですよ。おっちゃんは「‘ドラえもん’とかの映画でもそうやけど、そのテーマソングは劇伴の中ではほとんど出て来んで、ほんのちょっとその断片が何度か顔をのぞかせたって程度だったわ」なんて言ってましたが、そう言われてみれば、本編の重要なシーンでテーマソングを色んな風にアレンジして効果的に使う作品と、ほとんど使わない作品がありますよね。何か、言い得て妙な感じです(^^ゞ

あ、この日に録音された曲の中にリコーダーの曲が幾つかあって、ソプラノとソプラニーノを使ったんだそうです。譜面をもらったときに「ソプラニーノは高すぎるかなあ」と思ってアルトリコーダーでやってみたらしいのですが、聴き比べてもらったらソプラニーノになったそうです。小さな子供向けの映画なので、高い音のソプラニーノで可愛らしさを狙ったのかもしれませんね。

で、何故ソプラニーノで高すぎると思った曲をソプラノリコーダーではなくアルトリコーダーで吹くんだろう…なんて思ったりしませんか?(こんな無知なことを思うのは、私だけかしらん?(^^ゞ)編集中に恥ずかしげもなくおっちゃんに質問してみたら、ソプラニーノで吹けても、ソプラノリコーダーでは吹けない音域というのがあるんだそうですよ。つまり、ソプラニーノとアルトリコーダーは同じF管のオクターブ違いってことでクリアできるけど、ソプラノリコーダーではダメだってことなんですって。いやはや、また1つ賢くなりました…というか、お恥ずかしいかぎりです(^-^;)

最後に編成ですが、弦は小池弘之さんのグループ、ピアノはエルトン永田さん、ベースは渡辺直樹さん、ギターは伊丹雅博さん、シンセは宮本さん、クラシックパーカッションは金山功さん、ラテンパーカッションは川瀬正人さん、オーボエは石橋雅一さん、クラリネットは星野正さん、トランペットは木幡光邦さん他1名、トロンボーンは清岡太郎さん他1名、チューバは佐藤潔さん、ホルンは南浩之さん他2名で、ドラムが不明のようですが、指揮は熊谷弘さん、エンジニアは伊豫部富治さんだったそうです。

この映画は、2004年7月17日から全国で順次にロードショーされるそうです。タレントの西村知美さんが「ニャニィ」の声の役で登場されるみたいですね。大人だけで観にいくのはちょっと勇気がいりそうなので、我が子はもちろん、甥っ子や姪っ子、近所の子供たちをダシにして観にいってみてはいかがでしょうか♪

 

 

141 Kohhy「ふれあいホール」LIVE(大谷 幸)

2004年6月7日。薄謝協会の「ふれあい広場」というところに行きました。ここは、前は駐車場だったところに建てられた公開録画用の施設で、お客さんは100人くらいしか入らない、こじんまりとしたホールだそうです。この日は「ふれあいホール」という番組の公開録画で、本当は何日か前にリハーサルがあったみたいなのですが、おっちゃんは都合が悪くて行けなかったので、この本番当日のみの参加となったようです。6月7日〜9日までの3日間はKohhyさんがステージを担当され、その初日であるこの日はアジアンテイストというようなことで、京胡の呉汝俊(ウールーチン)さんをメインゲストに、6曲を演奏したそうです。その中でおっちゃんが参加したのは「夢郷(リコーダー)」「蘇州夜曲(フルート)」「花(ケーナ)」の3曲でした。蛇足ですが、翌日の8日はエリック宮城さんがゲストだったとか…。
 
現場での待ち時間におっちゃんから「Kohhyさんって知っとる?」との連絡が来たのですが、私は不覚にして(いつものことながら?)知らなかったので「知ら〜ん」と素直に答えたら、「あの小比類巻かほるさんさんじゃよ」との答えが返ってきたので「ああっ、小比類巻かほるさんなら知っとる〜!おっちゃん、よう知っとるなあ♪」と答えると、「いや、わしも知らんかったんよなあ…いま聞いて知ったんじゃ」との返事。この、ゲーム関連に続いて歌手の名前にも疎い名(迷?)コンビぶりに、思わず2人で苦笑してしまいました。いやはや、ちと勉強せねば…。で、アレンジを担当した大谷幸さんに聞いたところ、このKohhyさんは、もとは信濃町にあったソニースタジオのエンジニア(たぶんアシスタント?)だったんだそうです。この事実に私はビックリ! おっちゃんからも「歌い手さんとしてはチョー異例の経歴ちゃうかなあ」との声も聞かれました。

さて、こうして順調にリハーサルが終わって一息ついてたところで、とんでもないハプニングが起こったんだそうです。協会のディレクターさん(?)が青い顔をして楽屋に入ってきて、「たいへん申し訳ありません。‘花’が演奏できなくなりました!」とのこと。この「花」というのは、滝廉太郎の「は〜るの〜、うら〜ら〜の〜」ではなくて、「泣きな〜さ〜い〜♪」という方の「花」で、おっちゃんがケーナで参加するはずだった曲です。ただでさえドタキャンに驚いているところに、演奏できなくなった理由として「作者の喜納昌吉さんが次の参議院だかに出馬するため」というのを聞いて、一同唖然としてしまったようです。その場に「・・・・」という空気が流れてたのが、私たちにも容易に想像できますよね。

おっちゃんは「大体そんな理由で演奏っていうか、放映できんようになってしまうってのも妙な話やけど、それはまあ協会的な事情もあるとして、百歩ゆずっても、何週間も前から曲目が決まって打ち合わせやリハーサルをやっとるのに、誰か上の人が急に気が付いたんか、こんな本番寸前になって中止ってのは如何にも間が抜けとるよなあ…って感じで、アレンジャーの大谷さんら皆で呆れまくったんじゃ」なんて言ってました。

結局、大谷さんの抵抗も空しく、その「花 〜すべての人の心に花を〜」は中止となって、京胡の即興演奏やトークを延ばすということで切りぬけたようです。それにしても、この曲がいわゆる「トリ」になっていたので、エンディングなんかも盛り上がらなくて、実にモノ足らないものになってしまったんだそうですよ。で、収録終了後に「せっかくリハーサルもしたんだから…」ということで、アンコールのような形で会場のお客さんには聴いていただいたんだそうです。テレビの前でオンエアを待ってるだけの私たちには、本当に残念な結果ですよね…。
 
ところで、おっちゃんが京胡というのを生で見たり聴いたりしたのは、この日が初めてだったそうです。ネットなどで写真は見たことがあるし、ウーさんのアルバムにダビングで参加した際に、先に入ってた音源としてチラッと聴いたことはあったみたいですけどね。で、実際に見てみると、見た目は思ってたよりもかなり小さくて、逆に音の方は想像してたよりもかなり大きく甲高くて、ちょっとビックリしたそうです。音質としては、昔のSPレコードの特性と良く似ている感じがしたとか…。あと「音域はオクターブ半くらいで、わりと狭いみたいじゃ」とか「あの甲高さは京劇に使われるっていうんで納得やなあ」などなど、ほんの少しの間に楽器を細かく観察してるところが、さすが第一線で活躍してるミュージシャンだなあなんて思ったりしました。そうそう、ウーさんは歌も披露してたそうですが、なかなかお上手だったみたいですよ。

この日のメンバーは、おっちゃん(リコーダー・ケーナ・フルート)、大谷幸さん(キーボード1・三線・古筝)、大谷裕子さん(キーボード2・実は大谷さんの娘さんです)、押鐘貴之さんのグループ(弦カル)の7人でした。大谷 幸さんが色んな楽器を演奏されるというのは135番でお話ししましたが、本当に色々とされるんですねえ。これらのミニコンサートの様子は、6月23日(水)の夕方6時からBS2にてオンエアされる予定ですので、ぜひ見てくださいね♪

 

 

140 火サス「6月の花嫁・偽りのドレス」(糸川玲子)

2004年6月6日。千代田区番町にあるサウンド・インのBスタに行きました。この日は133番で紹介した中2階の応接間風ブースではなくて、廊下からフロアに入る途中の通路みたいなところだったようです。火サスのレコーディングで、作曲は糸川玲子さん。この日のタイトルは「六月の花嫁 偽りのドレス」というもので、6月22日に放送予定なんだそうですよ。もう火サスのサイトでも紹介されてはいるのですが、収録後の早いうちに糸川さんからもメールでご連絡をいただき、皆さんにオンエア日程をお知らせしたり編集の段取りをする関係などからも、とても助かっています。

さて、この日におっちゃんが使った楽器は、フルート・アルトフルート・オカリナで、アルトフルートはちょっとサスペンスっぽい感じの音楽でしたが、フルートとオカリナは綺麗なメロディで、何度か出てくるんだそうですよ。そういや、6月16日に放送された「分岐点(128番)」でも、同じテーマが何度か流れましたが、そのどれもが楽器やテンポやアレンジが少しずつ違ってて、いつもいい場面で効果的に使われてました。今度のメロディも楽しみですね。

メンバーは、弦(桑田さんグループ)とピアノ(古田りんずさん)で、指揮は中谷勝昭さん。シンセサイザーは糸川さん御自身だったようです。この場合、糸川さんは副調室の方にいらっしゃって、シンセを演奏しながら色々と指示も出す…ということになるんだそうです。当然ながら副調室の方では本番中でも色んな会話が飛び交っているのですが、シンセの場合は直で(マイクを通さないで)つながっているので、こんな風に話しながらの演奏というのが可能なんですね。おっちゃんたちにとってはごく当たり前の話のようでも、私にとってはこんな些細なことでも新たな発見って感じで、聞いててすごくワクワクしました。最後になりましたが、エンジニアさんはベテランの伊豫部富治さんでした。ジューン・ブライドにちなんだ今回のストーリー、ぜひ楽しんでみてくださいね♪

 

 

139 石井一孝アルバム(大島ミチル)

2004年6月4日。港区南青山のKIMのスタジオに行きました。この日の録音は、ミュージカルでご活躍中であり、大島ミチルさんのHPなどでもお馴染みの、石井一孝さんの自主製作アルバムだったそうです。おっちゃんがやったのは「ジキルとハイド」というミュージカルの中の、ジキルが薬を飲んで徐々にハイドに変身していくシーンの音楽で、なかなか劇的なところだったみたいですよ。すでに歌(セリフ)も入ってるところへのダビングという形での参加だったようです。アレンジは、もちろん大島さんです。
 
曲の前半部分は、テンポが微妙に変化したり、フェルマータがあったりしたそうで、おっちゃんからは「もしこの部分に入るんやったら、ダビングに苦労したかもなあ」なんて言葉が聞かれました。でも、おっちゃんのフルートが入ったのは後半のテンポが決まってからの部分で、速いテンポについていくのは大変だったようですが、「オケに合わせる」ということに関しては問題なかったようです。ダビングという作業は、テンポが速いなら速い、遅いなら遅いでいいそうですが、とにかく「テンポが一定」ということがとても大事な条件なんだそうです。

確かに、その場に一緒にいて、同じ指揮を見ながらとか、周りの奏者の呼吸も感じながらだと、テンポに「揺らぎ」があっても対応できるでしょうけれど、すでに録音されている音だけを頼りに合わせて演奏するとなると、その「揺らぎ」まで読み取って合わせるのは本当に大変なことなんだろうと思います。

おっちゃんパートの具体的な内容は、先に入っている弦のパートのオクターブ上に重ねるという感じだったみたいです。部分的にピッコロを使ったところもあったようですが、録音自体はアッという間に終わってしまったそうですよ。


無事にお仕事を終えたあとは、写真を撮ったり、お話したりして、楽しい一時を過ごせたようです。

これはその時に撮られた3ショット。皆さん、いい笑顔ですね〜。これはやっぱり、心から信頼できる仲間やスタッフと共に、1つの大事なお仕事をやり遂げたあとだからこそ見える笑顔なのかもしれませんね♪


これら2枚の写真は、どちらもスタジオKIMの人が撮ってくれたんだそうですよ。おっちゃんも大島さんも、スタジオKIMの方たちとはとても親しいお付き合いがあるとか。この写真の雰囲気からも、その信頼関係がよく伝わってきますよね。

でも、おっちゃんがカメラを構えたときの方が、さらに大島さんの表情がやわらかになるような気もするのですが、いかがでしょうか?ほら、63番67番110番なんかは、おっちゃんが撮った大島さんなんですが、今回のよりもさらに自然体な気がしませんか?


おっちゃんが石井さんにお会いしたのは初めてだったようですが、その印象として「大柄で、いかにもミュージカル・スターという感じの、ハンサムな青年」だったそうです。

うんうん、それはこの写真からも十分に伝わってきますよね。立ち姿からだけでも、何か特別なオーラみたいなものを感じます。去る2004年5月16日に行われた、石井さんのCD発売座談会も、さぞ素敵な空間だったんでしょうね…大島さんの掲示板での賑わいを見て、本当に羨ましく思ってました。


このCDのリリース情報など、詳しいことはまだ分かっていません。何か情報が入り次第、このあたりに書き加えていきますね。どうぞ、お楽しみに〜♪

 

 

138 日テレ系アニメ「お伽草子」

2004年6月2日。とあるプライベートスタジオに行きました、プライベートといっても個人が所有してるようなものではなく、ある製作会社のスタジオみたいだったそうです。ここで録音されたのは、2004年7月6日からスタートする「お伽草子」という日テレ系の深夜アニメの音楽です。平安時代のお話で、登場人物の女の子が笛吹くというシーンに使われる音楽だったみたいですよ。おっちゃんの話では、それ以外の部分はほとんどが打ち込みではないか…とのことでした。

さて、本題ですが…今回はお仕事の内容よりも、オーダーから本番までの「流れ」に重点を置いて書いてみたいと思います。今回のお仕事は、随分と早くから「竜笛もしくは篠笛」というオーダーは入ってたみたいですが、何と「楽譜の代わりに音源を送るので、それから自分で楽譜を起こしておいてください」という条件(?)つきだったようです。曲のイメージなどの参考のために音源を送ってくることはそんなに珍しいことではないみたいですが、今回のように譜面が全くないというのはあまり例がないので、さすがのおっちゃんもちょっとビックリしたようです。でも、こんなことでビビるおっちゃんではありません。…というより、私の見方ではむしろ、こういった条件には挑みたくなる方じゃないのかなあなんて思ったりしてますが、とにかく「聴音が得意」という素晴らしい素質を無駄にすることなく、「へいへい♪」と2つ返事で引き受けちゃったんだそうです。

で、録音の1週間ほど前に送られてきたMDには、打ち込みの笛らしき音が3曲はいってて、それを聴いたおっちゃんの感想は「音自体は簡単なんやけど、バックのリズムがあんまりハッキリしてないし、クリックも入ってないから、テンポとリズムがイマイチつかみどころがないなあ」ですと。ま、何はともあれ、適当に想像力も働かせて(←これがすごいと思います(^^ゞ)、取りあえず譜面を起こしたんですって。
 
いざ、その譜面を持ってスタジオに行くと、「ちょっと変更した箇所がある」ということで、改めて聴かせてもらうことになりました。すると、3曲のうちの2曲は実はえらく遅いテンポで、しかも1小節だと思っていたところが実は半小節分だったという箇所もあり、起こしていった譜面に手を加えることになったようです。でも、もらった音源には入っていなかったリズムらしきモノが打ち込みで入っていたので、随分と曲のイメージはつかみやすくなってたそうです。

こうして細かいチェックなどを済ませて、いよいよ本番。おっちゃんの見事な演奏力で1発OKは出るのですが、何故か「同じ感じでもう一度やってください」と言われて、1曲につき篠笛で2〜3回、更に同じことをフルートで、これまた2度ずつやるということになって、結局のところ1曲あたり4〜5回ずつ本番を録るという、結構な重労働になってしまったそうです。この手のダビングは大体いつも正味20分程度で終わってしまうことが多いらしいのですが、今回はたっぷり2時間かかっちゃったそうですよ。いやはや、お疲れさまでした。こんな苦労をして録った音楽、ぜひ聴いてみたいところですね。

最後に、おっちゃんは今回の録音で「全く譜面を使わなくても劇伴ができてしまうっていう世の中になったんやなあ」と、何とも言えない不思議な気持ちになったそうです。う〜ん、確かにねぇ…。縁あって、こうしておっちゃんからお仕事についての色んな話を聞かせてもらうようになって1年半が経ちますが、今回のようなケースは初耳で、私もかなり驚きました。便利な世の中になったと言えばそうなのでしょうけれど、その分ミュージシャンには高度な技量が求められるということですよね?思うに、おっちゃんだからこそのオーダーだったんではないかなあ。つまり、「こんな難しい条件をこなしてくれるのは、この人しかいない!」ってことでのお仕事だった気もするんですよね。さすがおっちゃん、またまた惚れなおしました(*^-^*)

こういったエピソードを踏まえて、おっちゃんちの「スタジオミュージシャンの条件」を読んでみると、また違った面白さが出てくるかもです♪

 

 

137 JASRAC音楽事業コンサート

2004年5月28日〜30日。山口県周南市・岩国市・柳井市の3市で、昨年と同様のJASRAC(日本音楽著作権協会)関連のコンサートがありました。クラシックの名曲からジャズやアニメメドレーまで、一般的に馴染みのある曲が中心のコンサートで、それらの曲を通して子供達をはじめとする多くの人に、スタジオミュージシャンという仕事ぶりや、著作権の重要さを分かってもらおうという主旨の催しです。

28日の朝早くに東京を出発して午後からリハーサル、そして夕方に本番…30日は午後から約2時間のコンサートをやって、その足で東京まで帰るという、ものすごい強行スケジュールでかなり大変だったようですが、久しぶりに生の演奏を存分に楽しむことができたそうです。そのおっちゃんの「楽しかった〜♪」という気持ちが顕著に表れている写真いっぱいの詳しいリポート、どうぞ楽しんでくださいねo(^o^)o


今回の参加ミュージシャンは、城戸喜代さん(ヴァイオリン)・小倉達夫さん(ヴァイオリン)・渡辺安見子さん(ヴィオラ)・増本麻理さん(チェロ)・齋藤 誠さん(コントラバス)・おっちゃん(フルート)・石橋雅一さん(オーボエ)・高野哲夫さん(ホルン)・前田信吉さん(ファゴット)・佐野博美さん(クラリネット・サックス)・松本峰明さん(ピアノ)・清水秀子さん(ヴォーカル)だったようです。

あ、前回のリポートにはここまで詳しく書けてませんが、ほぼ同じメンバーだったみたいですよ。



プログラムは、以下の通りなんですが、こちらも前回とほとんど同じみたいです。そんなわけで曲の説明などは省きますので、"前回のリポートを参照してくださいね。

フィガロの結婚序曲(モーツァルト)
チャルダッシュ(ヴィクトリオ・モンティ)
「動物の謝肉祭」より 白鳥(サン・サーンス)
インタープレイ(フランク・コーデル)

アメイジング・グレイス→ワン・ノート・サンバ
星に願いを 〜ピノキオより〜
A Whole New World(映画アラジンより)

著作権の話
トロルのなみだ〜演奏と朗読〜(音楽・美野春樹)

アニメメドレー
リベルタンゴ(ピアソラ作曲・美野春樹編曲)

世界に1つだけの花
涙そうそう(岩国市・柳井市では演奏せず)

 


「周南市」というと私たちにはあまり馴染みがないように思いますが(単に地理音痴の私が知らないだけかも?)もとの徳山市が周辺の地域と合併して新たに出来た市なのだそうです。この周南市文化会館はなかなか立派なホールで、どちらかというと小編成のおっちゃんたちの団体には「ちょっとステージが広すぎるかな〜」という印象さえあったようです。音響効果はまずまずだったみたいですね。

二日目、岩国市の会場「シンフォニア岩国」は外見上はちょっと奇抜なデザインの建物だったようですが(リンクしてるサイトを見てください。確かに…(^^ゞ)中のホールはとても広くて立派だったようです。2階席にいたお客さんからは「どの楽器もたった1人で吹いたり弾いたりしてるのに、マイクも使わずにこんなにそれぞれの音がしっかり聴こえるものなのね」との声もあったようです。


プログラム1番の「フィガロの結婚」を終えたあとの、城戸喜代さんによる「チャルダッシュ」

演奏後のインタビューで、「今年はaikoほか、色んな方のコンサートツアーに同行するんですよ♪」なんてお話があったようです。


増本麻理さんによる「白鳥」

増本さんがチェロを始められたキッカケとして「ピアノが嫌いだったのと、おかあさんが初心者のヴァイオリンの音(‘高周波’との表現があったとか…)に耐えられなかったから」とのお話があったそうで、会場からはドッと笑い声が起こったそうです。

次はコーデル作曲の「インタープレイ」。今回もそれぞれがソロで楽器を吹きながら出てくるという演出になってたんですって。で、石橋さんにいたっては、会場の客席の方から吹きながらステージに上がるという、心憎い演出だったそうです。

こちらは誰もいないステージに1番に吹きながら入ってくるおっちゃん。このシチュエーションを見ただけで勝手に私がドキドキしてるのですが、おっちゃんは平気だったんでしょうか。やっぱり少しは緊張するのかなあ。

そのソロの部分もアドリブではなくちゃんと楽譜があるようですが、暗譜が苦手な方や歩きながら吹くのが大変な方、そのときの気分みたいなもので、全3公演どれも皆さん少しずつ節回しが違ってたようです。これこそ、生演奏の醍醐味ってヤツですよね。


こちらは「インタープレイ」を演奏後の個別インタビューで、スタジオで使ってる色んな笛の話をしているところです。

写真にカーソルを載せると、例によって「もののけ姫」のテーマをケーナで吹いているところが見えますよ♪

インタビュアーはクラリネットの佐野さんです。


おっちゃんに続いて石橋さんもスタジオジブリの作品で…とのことで、「魔女の宅急便」のテーマを吹いたそうです。会場にいた子供たちからは「あ〜っ!」って声があちこちで上がったそうですよ。

次に佐野さんが「山口と言えば関門海峡。でも、この方の海峡と言えば…」と話した直後に、石橋さんが実際にやってる「津軽海峡冬景色」のイントロ部分を吹いたそうです。

今度は年配の方から「ああっ…」て声が上がったとか(^^ゞ


ファゴットの前田信吉さんは「ファゴットとバスーンというように2種類の呼び方があるけど、どっちも同じ楽器なんですよ。アメリカはバスーンって呼ぶし、ドイツだとファゴット、日本はどっちでもいいから両方の名前を使ってます」みたいな話だったとか。これまた、楽しいですね〜♪

ホルンの高野さん。

トランペットやトロンボーンと違ってホルンだけはラッパのアサガオ部分が後ろを向いてる。それは何でなんだろう…という疑問への説明が行われたようです。

何でも、ホルンは馬に乗って狩りをする際に、後ろから来てる仲間に「こっちに獲物があるよ〜」と知らせるためのラッパだったからとか。

このあと「大きな古時計」を吹かれたそうです。


佐野さんは最近やったCMということで「アサヒ・スーパードライ」と「缶コーヒー・BOSS」の中で流れている口笛を披露したそうです。佐野さんって、サックスにクラリネットにフルートに口笛に…と、本当にたくさんの楽器を演奏できるそうでビックリです。

第1部の最後は「JAZZ SINGERとともに」というコーナー。

清水さんの素晴らしい歌声に乗せて会場に響き渡るディズニーやジャズの名曲。その合間で齋藤さんのベースのソロがあり、そのソロに合わせて口笛も吹くという、アッと驚くような演奏をされたようです。

また、途中でコントラバスをクルッと回すような仕草もあり、会場が一気に沸いてたそうです。

写真は清水さんの傾けるマイクに口笛を吹いてるところです。


第2部の最初は、今回のコンサートのメインテーマである著作権に関するお話で「皆の描いた絵や作文など、色んなところに発生するんですよ。その権利を守るためのお仕事をしてるのがJASRACなんです」といったような説明があったそうです。小さな子供たちにはちょっと難しいかなあと思うような内容だったみたいですが、それでも一生懸命に聞いてくれてたようです。クラリネットの佐野博美さんと司会の佐野啓子さんによる軽快なテンポのトークが面白かったみたいですね。ちなみに、このお2人は実は親子なんだそうですよ。

続いて「トロルのなみだ」を演奏中です。

左端の女性(佐野啓子さん)が朗読し、それに合わせて音楽を演奏する…まさに「生」劇伴です。さぞ、心にうったえてくるものが大きかったでしょうね。

指揮はクラリネットの佐野さん。


続いてアニメメドレーの演奏だったそうですが、曲の前にちょっとしたパフォーマンスがあったようです。

司会の方が「ステージにいる皆さんが一体どんな作品に参加してるのか、ちょっと聞いてみましょう」と言って、色んな番組名を挙げたそうです。たとえば「アンパンマンは?」と聞いたら該当してるミュージシャンが「はい!」と元気に手を挙げる、次に「ドラえもんは?」と聞いたらまた該当してる人が手をあげる…といった風な演出だったみたいです。話を聞いてるだけでも楽しそうですよね。こういう光景は、特に小さな子たちにはウケたのではないでしょうか?


写真はその挙手してるところなんですが、残念ながらピンボケです。でも、雰囲気は分かっていただけますでしょうか?

皆さん、とても元気に「はい!」と手を挙げられていたようですよ。ほんと、楽しそうですよね♪


ここで、ヴィオラの渡辺さんに「なぜ、ヴァイオリンではなくヴィオラを始めたの?」という質問もあったそうで、それに対しては「最初はヴァイオリンをやってたけど、途中から主旋律に合わせることで生きてくる‘副旋律‘に魅力を感じた」と答えられたそうです。

その分かりやすい例として、岡野貞一作曲の「もみじ」のアルトパート(音楽の教科書に載ってる2部合唱のアルトバート)を歌って説明したそうです。ここでも会場からは大歓声が起こったとか。本当に楽しそうなコンサートですよね。

このときのインタビュアーはヴァイオリンの小倉さんです。


このように、今回のコンサートの大きな特徴は、企画・構成・音楽監督・ステージマネジャーなど、照明とPA以外は全て現役のミュージシャンがやっているということなんだそうです。普段は演奏するだけのミュージシャンにとって、こういった作業はかなり大変な面もあったのではと思いますが、すっかりその役になりきって、本職以上の素晴らしい働きをしていたように感じたそうです。

こちらはプログラム最後となる「リベルタンゴ」を演奏中の1枚。

このあと、ヴォーカルの清水秀子さんと司会の佐野啓子さんのリードで「世界に1つだけの花」をアンコールとして歌ったそうです。

会場からも大きな声が聞こえてきて、まさに演奏者と聴衆が一体となった感動的な瞬間だったそうです。


さて、ここからはオマケのリポートとなります。ハードなスケジュールでぐったりお疲れモードだったはずのおっちゃんですが、リハの最中もしっかりと写真を撮ってきてくれてました。本番とはまた違う、仲間内の前でだけ見せるやわらかな表情とその場の空気を、ほんの少しだけでも感じてみてくださいね。

こちらは木管5重奏の皆さんです…と言いたいところですが、佐野さんが写ってませんねえ。残念!

リハ中のチェロの増本さん。

リラックスしたにこやかな表情が素敵ですね。


楽譜を見て満面の笑みを浮かべてるのは、ジャズピアニストの松本さん。この笑顔のワケは…?

本番では童謡「ちょうちょう」をだんだんジャズ風に変えていく…といった演奏もされたようです。あの可愛い歌がどんな風に変化したんでしょうか。聴いてみたかったところですね。


真剣な表情でリハに臨むヴァイオリンの城戸さん。でも腕には何やら青い「×」マークが…。これ、ステージでの立ち位置(椅子の位置?)につけておくためのマーキング用テープなんだそうです。

何で手につけてるんでしょう?真相は定かではないですが、おっちゃんはあまりに面白かったので、わざわざ「×」のある腕の方から写真を撮ったみたいです(^^ゞ


こちらはリハの合間の歓談中の写真…いや、れっきとした打ち合わせの最中なのかしらん?

とにかく、皆さんに表情がいいですね。いかに今回のコンサートを出演者全員が楽しみにしてるかというのが、よく分かります。


3日目の本番直前にコンサート会場である「サンビームやない」の周辺をちょっと散策してきたんだそうです。このあたりは「白壁」が有名な地域なんだそうですよ。

で、実際に足を踏み入れてみると「しらかべ」だけでなく店の看板や家屋の作りまでが数百年前とほぼ同じ姿で残されてたようで、なかなか興味深いものがあったみたいです。ほんと、とても味のある町並みですね。

写真にカーソルを乗せると、右のお店の軒先にぶら下がってるものが大きく見えますよ。


↑で、軒先にぶらさがってるのが何か分かりましたか?あの提灯みたいなのは「金魚提灯」と言って、柳井市の名物なのだそうです。大小いろんな大きさのがあって、専門の作家の方もいらっしゃるんだそうですよ。

←のような看板もあったんですって。何とも微笑ましいですね。

実はこの3日ほとんど毎食のようにお弁当だったらしく、さすがに飽きちゃって近くにうどんを食べに出たことから始まった散策だったようですが、思いがけず素敵な風景に出会えて、良かったですね。

「しらかべ」のエリアの近くで食べたうどんは、スープや油揚げの味付けがちょっと甘めで、香川の「讃岐うどん」ほどのコシの強さはないにしても、ほどよい食感でなかなか美味しかったそうです。あのあたり全体的に味付けが甘めの気がしたそうですが、お土地柄なんでしょうかね。


美味しいうどんに綺麗な風景を堪能して会場に戻ったおっちゃん、間一髪でひどい夕立からは免れたそうですが、ほんのちょっとの違いでズブ濡れになった仲間たちもいたようです。寒い時期でなくて良かったですね〜。

そうそう、今回は「駅⇔会場⇔ホテル」だけで、観光的なことはほとんど出来なかったみたいですが、2日目の岩国市での公演の帰りには、バスの運転手さんが気を利かせて錦帯橋の横を通ってくれたんだそうです。窓越しだったけれど、おっちゃんは久々に錦帯橋を見ることができて、とても嬉しく、懐かしく思ったそうですよ。ちょうど掛け替え工事の最中だったそうで、3分の1くらいだけ新しくなっていて、古い部分とはっきり色が違ってたのが印象的だったそうです。


最後に、公演2日目の夜にホテルで行われた懇親会での写真をお見せしますね。真ん中の男性は「勿忘草をあなたに」などを作曲された、JASRACの委員でもある江口浩司さん。

皆さん、いい笑顔ですね〜♪

こうして無事に大盛況のうちに全3公演を終えて東京に戻ったおっちゃん。次に山口まで足を伸ばすことがあったら、そのときこそは和田薫さんのご実家まで行けるといいですね。

 

 

136 「キセキ」「Memory of Summer Time」(大谷 幸)

2004年5月26日。↓のレポートに引き続き、大谷幸さんのお仕事でサウンドインのBスタに行きました。お仕事が入った時点で「ケーナ」のオーダーが出てたらしいのです。でも、この日の2軒目(3軒目だったかな?)が駐車場の便が悪いところのために歩き(電車)で行かなければいけなかったので、普段のケースにぎゅうぎゅうに詰めて出かけたそうです。

なぜケーナみたいな細いものでケースがぎゅうぎゅうになるかって?それは、オーダーの時点では「ケーナ」と言うだけで、どんなキーのものがいるか…みたいなことが分からないので、手元にあるケーナを全部ケースに詰めていくからなんですよ。どんなキーの曲にも対応できるように色んな笛を持ち歩いてるというのは、104番の写真を見てもらうと分かると思いま〜す。

さて、この日に録音したのは2曲。最初の曲はフルートで、弦(マサさんのグループ)と一緒にダビングだったようです。タイトルは「キセキ」となっていたのですが、譜面を見ると、どうみてもあのパッヘルベルのカノンみたいなので、大谷さんに聞いてみたんだそうです。すると、実は歌い手さんのお名前が「カノンさん」というので、「パッヘルベルのカノンを使おう」というような企画を出したらすんなり通り、この日に至ったというわけだったそうです。イントロや間奏は大谷さんのオリジナルで、歌の部分はパッヘルベルのメロディをベースに、カノンさん独自のアレンジがなされてたみたいですよ。私、個人的にあの「カノン」が大好きなんですね。だから、とても興味があったりします。早く聴ける機会が来るといいのになあ♪

ちなみに、そのカノンさんは、ちょっとエキゾティックな雰囲気の、なかなか魅力的な女性のようですよ(詳しくは↑の‘カノンさん’のお名前から公式サイトへ飛んでね)。おっちゃんの「でれぇっ」とした顔が目に浮かぶようですね(^^ゞ

2曲目は弦の人たちは帰ったあと、おっちゃん1人でケーナのダビングだったようです。曲のタイトルが「Memory of Summer Time」となっていたので、こちらはオリジナルかと思ったら、こちらは何と中田喜直さんの「夏の思い出」でした、…ん!?そう言えば「Memory of Summer Time」を日本語に直すと、そのまんまですよね(^-^;)

で、もともとケーナで…というオーダーがあったものの、やっぱり「中田さんのイメージにはちょっと…」ということで、ケーナは使うんだけどビブラートを少なめに…とか、いろいろと試した結果、結局アルトリコーダーで演奏したそうです。確かに、澄みきった小川のような中田喜直さんのそのメロディに、南米の民族楽器とは…って感じもしますよね。ま、それはそれで新しい世界が見えるのかもしれませんが、とにかく今回は中田さんのイメージを大事にされたようです。この2曲、秋にはリリースされるようですね。カノンさんというお名前もインパクトがありますし、ぜひ歌番組などでチェックしててくださいね♪

 

 

135 プレステ用ゲーム「Nico」の音楽(大谷 幸)

2004年5月16日。青山のビクタースタジオの301スタに行きました。この日は大谷 幸さんとのお仕事で「Nico」というゲームの音楽録りでした。私はゲームのソフトはもちろん機種にも疎いんですが、プレステ用…だとのことですよ。

かなりの大編成で、まずは弦と木管とパーカッションを録って、そのあとでブラス関係がダビングすることになってたんだそうです。この編成を見た瞬間、おっちゃんは「さすが、ゲーム業界はかなりの黒字って聞いとるだけあって、予算もたっぷり取れるんやろなあ」と思ったそうですよ。
 
あ、このビクターの301スタはブースが多いらしいので、無理に詰め込もうと思えば弦も管も一緒にできなくはない感じだったそうです。でも、「完全に回り込みがないように録りたい」ということで、ブラスは別にしたんですって。前に書いたこちらのレポートではこの「回り込み」をあえて意識した録音が行われてましたが、今回はそれとは全く正反対ですね。ほんと色んなケースがあって面白いですね〜!

この日の楽器の編成は、弦(マサさんのグループ:86443)、フルート(おっちゃん・金子奈美さん)、オーボエ(石橋雅一さん)、クラリネット&バスクラリネット(星野 正さん)、ファゴット(大畠條亮さん)、パーカッション(高田みどりさん・草刈とも子さん)という感じで、ブラス関係はそのいう「後入れ」だったので分からなかったそうです。

おっちゃんはよく「どっちかって言うたら、大谷さんのお仕事は小編成でユニークでエスニック風な音楽が多い気がするなあ」なんて話してくれてますが、この日はフル編成で、ゲームの性質からして戦闘シーンも多く、なかなかハードな録音だったみたいです。だから「あとのブラス隊も大変だったんちゃうかなあ」と、ブラス隊の方々を思いやる一面も見られました。でも、この大編成の中でもケーナやパンパイプが入ったり、パーカッションではサスペンデッド・シンバル(吊るしシンバル)を5本も立てたりして、やっぱりユニークな面はしっかり出てたみたいですね。 

クリックとシンセは先に入っていて、それに生オケをダビングするという形だったようですが、その中に大谷さんの演奏されるブズーキ(マンドリンを大きくしたような民族楽器)も入ってたんですって。大谷さんは色んな楽器を持っていらっしゃって、それをご自分でも演奏されるんだそうです。三線も弾くというお話で、最近ではケーナも購入されたとのことでした。

そういえば、私が知ってる限りでは、大島ミチルさんや和田 薫さんも色んな楽器を持ってて、それをまた演奏もされるんじゃなかったかなあ。実際にレコーディングに使えるまでに演奏できるものは少ないかもしれませんが、そうやって色んな楽器に触れてみることで、その楽器の音色や音域や魅力がよりハッキリと分かってきて、作曲の際のイメージの膨らみ方が違ってくるのかもしれませんね。

最後にちょっとしたこぼれ話(?)を…この日の録音では、同じタイトルの音楽が2種類ずつあったんだそうです。これ、何故だか分かりますか?何と、プレイヤーが「ゲームで勝ち進んでいる時に流れる音楽」と「旗色が悪いときに流れる音楽」なんだそうですよ。ゲームに疎いおっちゃんも私も「何や、おもろいなあ」なんて言って笑ったのですが、最近のゲームってそういうものなんでしょうかねぇ…今回もサントラが出ない限りは聴けそうになくて残念なんですが、ゲームを購入された方は、ぜひ感想を寄せてくださいね♪

…その後、このレポを読んでくださってる方からの情報によると、このゲームは「ワンダと巨像」と名前を変えて発売されたようです。ゲームとしてもとても素晴らしいものだそうですが、音楽も「このゲームにして、この曲あり」という素晴らしい出来だったそうです(*^-^*)


 

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