おっちゃんの仕事場探検

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劇伴(映画・ドラマ・アニメなどのBGM)がどんなところで、どんな風に作られているのかを、おっちゃんから聞いたお話を中心にレポートしていきます。レポートの番号が進むにつれてだんだんと内容が濃くなり、ときには作曲家さんやエンジニアさんからいただいたコメントも出てきます。

ただし、これらは録音時の記録が主になっているので、実際にオンエアまたはリリースされたときにはタイトルが変わってる…なんてことも稀にあります。また、私の音楽の知識やパソコン技術の問題などによりお見苦しい点も多いかと思いますが、あたたかい目で読んでいただけると嬉しいです(*^^*)

こことは別の「スペシャルレポート」「オフラインレポート」などのページでも作曲家さんやエンジニアさんのお仕事ぶりやオフのときの様子をご紹介していますので、合わせてご覧下さい。

最後に…どうぞレポートをご覧になってのご意見・ご感想などを、ゲストブックやメール・ウェブ拍手などを通じてお聞かせください。今後の参考に、そして励みにさせていただきたいと思います。よろしくお願いしますm(__)m

 

 

 

 

376 NHK特別番組「思い出のメロディー」(大島ミチル)

2006年8月10日。大島ミチルさんとのお仕事で、薄謝協会の506スタに行きました。この日は、BS−hiやNHK総合で8月12日に放映された「思い出のメロディー」という番組の中で使われた曲の録音でした。おっちゃんが参加したのは、童謡の「汽車ぽっぽ」「みかんの花咲く丘」「里の秋」の3曲でしたが、おっちゃんは「大島さんが、こんな風に既にある曲をアレンジするっちゅ〜んは、けっこう珍しいんちゃうかなあ」なんて言ってました。うん、そう言われてみると、確かに…アニメや映画の劇伴の作曲やアーティストさんたちのアレンジだけでも本当にお忙しそうなのに、こんな童謡まで手がけられてるんですね。あたらめて、大島さんのお仕事の多さにビックリです(@_@;)

そうそう、おっちゃんがこの506スタに来たのはもう3〜4ヶ月前になるそうですが、その時はなかった喫煙ブースが5階の廊下にできていたそうです。1階の正面玄関を入って少しいったところには随分と前からあったそうですが、今回こちらにも新設されたようです。喫煙者には何か味気ないものがあるかもしれませんが、吸わない人たちにとっては嬉しいことですよね〜?


こちらがその、新設された喫煙ブース。ぼんやりとですが、くわえタバコのマサさんが見えますね(^.^)b

ただの喫煙ブースだと分かっていても、何だか動物園のオリや水族館の水槽を想像してみたりして…!?(^^ゞ


ところで、この録音の前日の夜中、いつものようにレポ編集をしていると、マサさんからお馴染みのダジャレメールが届きました。それをキッカケに何度かメールを交わしているうちに、いつの間にか「そういやマサさんって、ジュースの‘なっちゃん’のパロディTシャツ持っとるよねえ(273番参照)。おっちゃんも別バージョンのをHP仲間にプレゼントされて持っとるよ(^.^)b」ってな話になったんです。で、私が「いつか2人おそろいで着ていったら、おもしろいかも〜?」なんて話をした直後「そういや、明日は大島さんとのお仕事では!?」ってことに気づき、そこから慌てて2人に「明日、ど〜お?」って聞いてみました。すると、おっちゃんもマサさんも「よっしゃ。じゃ、明日はあれで…!」と、こころよく即答してくれ、この計画はスタートしました。これ、夜中1時の話です(^^ゞ


こうして数時間後に朝を迎えて、スタジオで顔を合わせた2人は、まずお互いのシャツを確認して「おお、よしよし♪」なんて、つぶやき合ったそうです。この光景も、何だかおかしいですよね(;^_^A

で、そのままお仕事の前に記念写真撮影になったとか…左は、ヴァイオリンの城戸さんが撮ってくれた2ショットです。写真にマウスを乗せるとプリントの部分が大きくなりますので、書かれてる文字を隅々までしっかり読んでみてください。かなり笑えます(^◇^;)

この2人の姿、周りにいらした弦の皆さんにもウケまくりだったそうですよ(^^ゞ


で、こうなると、2人の間で「こりゃ、ぜひ大島さんにも入ってもらわんと…!」なんて言い合ってたら、ちょうどそこへ大島さんがいらしたそうです。大島さんは「なぁ〜に、それ〜?」なんて言いながらも、この怪しげな記念写真に入ることを、笑顔でOKしてくれたんですって♪

はい、これがその、大島さんを挟んでの3ショットです。今度はインペク屋さんのエマリさんがシャッターを押してくれたそうですよ(^.^)b

大島さんも、あとで「このTシャツの2人に囲まれての写真は、おかしかったです」と、とても楽しそうに話してくれました。

私は私で「大切なお仕事の場に、何ちゅ〜計画を持ち込んどるんじゃ…」と、ヒンシュクを買うかと思いましたが、こんな皆さんのいい笑顔を見てると、勝手に「うん、成功かな(^o^)」なんて、自画自賛しちゃってます(;^_^A


何だか、前置き&余談が長くなってしまいましたが、ようやく録音時のお話に…。この日の録音もいつもの通り、ほんとにスムーズな進行だったそうです。特に最初の「汽車ぽっぽ」は、サウンドチェックを含めても15分くらいで終わってしまったんですって。おっちゃんは「曲が短いからちゃうか?」なんて謙遜して言ってましたが、やっぱりそれは、皆さんの演奏の素晴らしさ、エンジニアさんたちの手際の良さだからこその結果でしょうね〜。

ところで、ハープの朝川さんは2曲目から入るので、30分遅れでスタジオ入りするように言われてたんだそうです。でも、そんな感じで1曲目が早めに終わってしまったので、早速ここで朝川さん待ちの休憩になったとか…その後、朝川さんは言われてた時間よりは少し早めに来られたので堂々と胸を張ってていいように思うのですが、何だか申し訳なさそうな感じだったので、皆で「あらあら…」なんて笑いながら見てたそうです。何か、こんなところからも朝川さんの優しいお人柄や、現場の楽しい空気がいっぱい伝わってきますね♪

こうして2曲目・3曲目と録っておっちゃんは終わったそうですが、そのあと小編成(ヴァイオリン・チェロ・ピアノが1人ずつ…ハープは入ってたかな〜?)で、もう1曲あったそうです。


この番組、録音してからオンエアまでが3日しかなかったので、とりあえずHPには「オンエア情報」とだけ載せてあったんですが、けっこうたくさんの方が見てくださってたようで嬉しかったです。

おっちゃんは「あんまり笛の音や聴こえんのちゃうかなあ」なんて言ってましたが、何の何の…ものすご〜く良く響いてましたよね。それも、間奏や後奏の目立つところで…♪


無事にオンエアが見られたおっちゃんも「現場で聴いたプレイバックよりはバランスよう聴こえとったし、思うたよりええ音で入っとって良かったわあ」なんて嬉しそうでした。また、お仕事が終わった直後には「3曲とも、原曲のイントロや間奏、それに既存のハーモニーなんかにあまり囚われてない、新鮮な感じの編曲だった」なんて聞いてたんですが、その通り、大島さんならではの新しい香りのする3曲でしたね。まず「汽車ぽっぽ」はほんとに無邪気な感じで、次の「みかんの花さく丘」はあくまで爽やかに、最後の「里の秋」は優しく温かく、心の奥からホッとできるようなアレンジで、とてもいい気持ちにさせていただきました。まあ、それと同時に「大島さんの曲〜! おっちゃんの音〜! マサさんの音〜!」なんて感じで、とても興奮している自分もいたんですけどね(^^ゞ

そうそう、おっちゃんは「あれは番組の趣旨なんやろけど、できるだけオリジナルの歌い手さんを…って感じでやっとったやろ? オンエア見ながら‘この人、こんなに年いったんか…’ってハラハラさせられるところもあったりしたけど、さすがはベテランって感じで歌いこなしとったなあ。あれには感心したわ」とも言ってました。確かに「ちょっと高音が厳しいかなあ」とか「ビブラートとはまた別の揺れがあって、う〜ん…」みたいな瞬間もありましたが、やっぱり長年ずっと歌い込んでこられた曲という安定感や、熟年ならではの深い味があって、良かったですよね(*^-^*)

編成は、弦(マサさんのグループ:64221)、フルート(おっちゃん)、オーボエ(庄司知史さん:汽車ぽっぽ&みかんの花さく丘)、クラリネット(山根公男さん:汽車ぽっぽ&みかんの花さく丘)、ハープ(朝川朋之さん:みかんの花さく丘&里の秋)、ホルン(西条さん他1名:汽車ぽっぽ)、パーカッション(草刈とも子さん)、ピアノ(倉田信雄さん)、指揮(大島ミチルさん)でした。


 

 

375 韓国のゲーム「ラグナロク」(菅野よう子)

2006年7月30日。ビクターの302スタに行きました。ビクターといえば、うちのレポでは301スタが定番。でも、この日は302で、しかも菅野よう子さんのお仕事ということで、おっちゃんは「こりゃ、一筋縄ではいかんやろなあ。さ〜て、今日はどんなことさせてくれるんかの〜?」なんて感じで、ちょっとイタズラな笑い方をしながらスタジオ入りしてました。そういえば、今までに何度か菅野さんのお仕事を取り上げさせていただきましたが、いつも「え!? この楽器で、こんなことするの?」みたいな、奇想天外な発想に驚かされ続けてきましたよね?

さて、今回はどうだったかというと…おっちゃんの予感は見事に的中しました。まず、インペク屋さんのお姉さんがいきなり「旭さ〜ん、‘笛’って書いてある楽譜があるんだけど、何か持ってます〜?」ですって。私はもう、このインペク屋さんのひと言で既に大ウケ。だって、楽譜に「笛」としか書いてない大雑把なところもおかしいし、この「笛」の一文字ですでに菅野さんの何らかの企みがありそうな気がするし、そもそも、おっちゃんに向かって「何か持ってる〜?」なんて…別項でヴァイオリンのマサさんがおっちゃんのことを「便利は笛吹きおじさん」なんて表現してましたが、まさにそんな感じなんですもん。う〜ん、上手く言葉に表せませんが、とにかく私のツボにハマったひと言でこの日のお仕事は始まりました。

とにかく、そんな感じで声かけされたおっちゃんですが、実はこの日は事前に楽器に関しての指定は何もなかったんですって。でも、さすがはおっちゃん。お仕事のお相手が菅野さんってことで、ほとんど全ての笛を用意してきてたようです。だから、すぐさま「たいていのものは持ってきてるけど〜?」と答えると、インペク屋さんのお姉さんからは「わぁ〜良かった♪」の声が…まあ、そんなこんなで、早速その楽譜を見せてもらうことにしたそうです。

で、楽譜を見てみると…韓国の「ラグナロク(ragnarok)」というゲームの音楽で、3枚あるうちの1曲に確かに「笛」って書かれてるのがあったそうです。曲の感じからすると「ホイッスルかな〜?」と思ったおっちゃんは、とりあえず車からホイッスルの入った袋を持ってきたそうです。すると、菅野さんの方から「これ、実際には、先に入ってるオーボエ系っていうか、バッグパイプ系っていうか…とにかく、ああいう‘びゃ〜っ!’っていう音とのユニゾンになるのよ」ってお話があったそうで、それを聞いたおっちゃんは「ほならまあ…」と、たくさんあるホイッスルの中から、まずはD管のホイッスルでちょこっと吹いて、音色の感じを確かめてもらうことにしたそうです。そしたら、あっさりと「あ、それでいいわよ♪」とのお返事が…。

ところが、実はおっちゃんの方には問題があって、おそるおそる(?)菅野さんに「じ…実は、このホイッスルだと、上のCの音が出ないんだよね…」って言ってみたそうです。すると、菅野さんが「あ、別にC♯でもいいんだけど、他の楽器はあるの?」っておっしゃったので、今度はソプラニーノリコーダーを出してきて「これだったらCでもC♯でも出るんだけど…」って言いながら、またちょこっと吹いて聴いてもらうと、菅野さんから「あ、それでいこ♪」ってことでOKが出たそうです。そんなわけで、1曲目はソプラニーノリコーダーでやることに決まったとか…何か、あまりにハイテンポなやりとりに、私なんか「ほへぇ〜」って呆けちゃいますよ(^^ゞ


あ、この「笛」って書かれてた楽譜ですが、おっちゃんの話では「全部3連音符で書かれとるんやけど、実際は8分の12系のかなり動きの多いパターンで、ぜんぜん簡単とちゃうで〜!」とのことでした。はて…8分の12系? 何じゃ、そりゃ? まあ、とにかく「簡単ちゃうで〜!」なんて言いながらも、サラッとクリアしちゃったそうですよ。

ただし、よ〜く見ると、曲の途中からソプラニーノでは出せないような低い音が出てきてたそうで、そこだけはホイッスルにしたそうです。こうやって1曲の間で楽器を持ち替えたり、差し替えたり、つぎはぎしたりできるのも、今の録音技術とエンジニアさんの腕があってこそですよね〜?


まあ、これで最初に見せてもらった「笛」って書かれてる譜面が終わったので、やれやれ〜と思っていると…またまた新しい譜面が出てきて、今度は「どうしようもなくスカスカで、音が出てるか出てないか分からないくらいの、変な笛」なんていう、これまたけったいなご注文があったそうです。さすがは菅野さん、そう簡単には終わらせてくれそうにないようですね(^^ゞ

さて、この難しいご注文におっちゃんはどうしたかと言うと…瞬時に「こういうときは、あれしかない♪」と、前に「114番」のレポでご紹介したソプラノリコーダーの「ブロックずらし」というワザでいくことにしたそうです。で、さっそくそれを聴いてもらうと、菅野さんは「ああ、それ! それ〜!」と、即OKを下さったとか…もう、このあたりには、何年も一緒にお仕事をしてきたおっちゃんと菅野さんならではの以心伝心というか、阿吽の呼吸みたいなものが感じられますよね♪

で、この「ブロックずらし」によって吹く笛には、ちょっとピッチが違う笛も重ねたい…ということで、同じリコーダーのつなぎ目の部分を2ミリくらい引き抜いて、ピッチをずらせて演奏したものをダビングしたそうです。すると、さらに今の曲の一部分にはオクターブ上の音も重ねたい…とのお話が飛び出してきたようです。わはは! 菅野さん、とどまるところを知りませんね〜。あ、でも、これにはちょっと問題があって、おっちゃんが「吹くのはいいけど、この状態だと上のF#が出ないんだよね…」と言うと、菅野さんからは「あ、Fはナチュラルのままでもいいわよ」なんていう、またもや大雑把な(?)お返事が来たので、無事にご希望どおりのオクターブ上を重ねることができたそうです。

おっちゃんは「普通やと、こんなことしとったらメチャクチャになるんやけど、こういうエスニックなパターンやと、それもまた味になるんが面白いの〜♪」ですって。いや〜しかしまあ、一体どんな音色になるのやら…韓国のゲームということですが、どうにかして聴いてみたいものですねo(^-^)o

はぁ〜これだけでも十分に「菅野さんらしい」お仕事なんですが、実はまだまだ菅野さんならではの特別注文が続くんです(;^_^A


今度は「譜面は何にもないんだけど、あんまり高くない音の笛で、あまり怖すぎないように…でも、ちょっと不気味なフレーズを間を置きながらやって、その合間に、また別のキーの笛で、追っかけるような感じで重ねたい」という、またまた大変なご希望が…。もう、この言葉の意味を理解するところから大変ですよね(^^ゞ
 
とにかく、おっちゃんは「では、ちょっと楽器を出してきま〜す」と、また車に戻って、篠笛を低音の方から一式すべて持ってきたそうです。(写真はこの日に撮ったものとは違いますが、おっちゃんの篠笛一式を並べるとこんな感じです(^.^)b)


こうしてズラリと並んだ篠笛の中から、2005年に特別に取り寄せた楓材で作ったD菅の篠笛を選び、まずは試しに音を聴いてもらうことにしたそうです。すると「じゃ、まずはそれで最初の方をやろう!」っていうことになったようで、副調室で菅野さんがシンセのドローン(一定の持続する音)を弾いて、それをバックにおっちゃんが適当な感覚を開けながら吹く…という感じで、最初のパートから始めたそうです。楽譜も何もない…でも、一般的に言われる「アドリブ」のそれとはまた違う、まさに演奏者であるおっちゃんの感性だけが頼りの曲で、聞いてる私もドキドキの連続でしたが、「ちょっと、動きが細かすぎるかな〜?」とか「もうちょっと間隔が開いた方がいいかも〜!」なんてことを言い合あって録り直しながらも、わずか3回ほどでOKになったそうです。

こうして録ったものの上に、今度は別のキーの笛で、また同じようなことをやりながら追いかける…というわけなんですが、これには「不気味な感じで…」という指定もあるので、まずは先に使ったD管の半音上になるE♭の笛でやってみたそうです。すると「きっちり半音違いっていうんじゃなくて…微妙にピッチが違うか、それでなければ5度くらい違う方がいいなあ」って言われたので、この録音の直前に出来上がったばかりのA管の笛を使うことにしたそうです。つまり、D管の5度上ってことになりますね(^.^)b

ところで、ここにきて、スタジオミュージシャン歴40年以上になるおっちゃんに、新たな発見があったそうです。それは、先に入れた笛を聴きながら、同じようなことを違うキーの笛で吹くのが、意外と難しいということ…。つまり、D菅で吹いたフレーズを聴きながら、A菅で追いかけるというのは、聴こえてくる音と吹いている楽器の運指の関係が混乱して、いま自分が何を吹いているのかが分からなくなってくるんだそうです。このあたりのことは移調楽器のことがイマイチ(ほとんど?)分かってない私には、ただただ「何か分からんけど、メンドイんやなあ。でも、それをやっとるおっちゃんはすごいなあ!」って感動するだけなんですが、こうした理屈の分かってる方にとっては、その感動も倍増なんでしょうね〜!

このときのおっちゃんからは「まあ、フレーズの関係はそれほど厳密でなくてもええみたいだったけん、適当にやって、キー的な問題は大丈夫だったんやけど、2本の笛の間が空かんように…っていうか、逆に、ちとオーバーラップした方がええ…みたいな話で、何回かやって、何とかクリアしたわ。やれやれじょ♪」なんて言葉がもれてきてましたが、ほんとお疲れさま(^-^)

で、ようやく、これで「笛」は終わりとなり、その後はフルートになって、菅野さんのピアノに合わせてフルートのソロを吹く…というのが1曲あったそうです。これまでの演奏が演奏だけに、こうしたシンプルなフルートのソロは、ものすご〜く新鮮に感じたんじゃないかなあ(;^_^A


こちらは、そのフルートの出番が終わったあとでブースにお邪魔して、撮らせていただいた菅野さんの様子です。

おっちゃんが「どうじゃ? なかなかええ写真やろ〜?」って言いながら送ってきてくれた通り、ほんとにいい写真&いい笑顔でしょ〜?(*^-^*)

あ、これは庄司さんと、ピアノとオーボエっていう曲をやってたところだそうですよ♪


でも、前にこうして菅野さんのお写真を載せたときに、いくつかの海外のサイトで無断転載されて悲しい思いをしたんですよね…。この写真は菅野さんご本人に許可をいただいて掲載してるものなので、このページにリンクしてくださるのはいいんですが、ご自分のサイトに持って帰って掲載する…というのは、是非やめていただきたいと思います m(__)m



こちらは、オーボエの庄司さん。

最後に、フルート・オーボエ・クラリネットの3人と菅野さんのシンセで1曲やって、おっちゃんは終わりとなりました。ただ、この録音の途中でシンセがトラブって、急遽シンセの部分をピアノで弾いて、シンセが回復したらまた差し替える…という離れ業なんかもやってたそうです。

何か、おっちゃんの口癖にもなりつつある「菅野さんのお仕事は、一筋縄ではいかん」ってのは、こんなところにまで表れてるようですね(^^ゞ


この日の録音に参加したメンバーは、ソプラニーノリコーダー&ホイッスル&篠笛(低い方のD管とA管)&フルート(おっちゃん)、オーボエ(庄司知史さん)、クラリネット(松本さん)、ピアノ&シンセ(菅野よう子さん)でした。このゲーム音楽は、もしかすると日本では聴けないままになってしまうかもしれませんが、おっちゃんを始めとする皆さんが、こうした素晴らしいお仕事をされてたんだなあってことだけは、しっかり覚えててあげてくださいねo(^-^)o


 

 

374 久石譲ソロアルバム(久石 譲)

2006年7月24日。代々木のワンダーステーションに行きました。この日は、このスタジオの主(おっちゃんは‘ご本尊様’なんて言ってました…(^^ゞ)である久石 譲さんのお仕事でした。前にも書きましたが、このワンダーステーションというスタジオは、駐車場がちょっと離れたところにあるんでしたよね。しかも、JRの踏切を2度も渡らなければいけないってことで、荷物の多い時は大変なんでしたよね。さて、あいにくの雨となったこの日の荷物(笛の種類)はどうだったかと言うと…今回は事前に「中国のディーズという笛とケーナを持ってきて♪」っていう連絡があったみたいなので、傘をさしながら、笛がい〜っぱい入った袋をぶら下げて、えっちらおっちらとスタジオまで歩いていくことになったそうです。

ここで「ん? 笛はディーズとケーナの2本だけなのに、何で荷物が多いの?」って思う方もいらっしゃるでしょうか? はい、確かに笛の種類は2つだけなんですが、それぞれの笛に色んなキーがあるので、1つの種類に何本もの笛を持っていくということになって、こんな風に荷物が多いんですねえ(^.^)b


こちらは、ワンダーステーションが入っているビルの入り口にある案内板です。写真にマウスを乗せると、この録音があった日の予定が書かれたホワイトボードの画像に切り替わります(^.^)b

さて、今回は事前に資料として音源データをもらってたそうなんですが、その中に前におっちゃんが参加した映画のタイトルっぽいものがあったので、この日はてっきり、その映画の追加録音かと思ってしまってたようです。スタジオに入る前に私にもけっこう堂々と「前にやった映画の追加ちゃうか〜?」なんて言ってましたもん。でも、いざスタジオに入って、よくよく聞いてみると、今回は久石さんのソロアルバムのための録音なんだそうですよ(^^ゞ


ところで、その事前のオーダーにあったという「ディーズ」って、どんな笛だか分かりますか? 漢字では「笛子」と書くそうですが、最も身近な例としては、女子十○楽坊の中で使われてる横笛…たまに、左右対称で吹いてたりしますよね? あれが「笛子(ディーズ)」です。で、これは日本で「明笛(みんてき)」と呼ばれてる笛と同じものらしいので、今回はおっちゃんが自分で作った共鳴膜の付いた笛を使うことにしたそうです。ただ、仮で入っている打ち込みの笛のピッチが分かりにくくて、持ってきた明笛の中でも、どのキーを使えばいいかを決めるまでに、ちと苦労したようです(^^ゞ

こうして、何とかその明笛の分が終わったところで小休止となり、今度はオーボエの庄司さんのダビングになったそうです…と、いま「オーボエの庄司さん」っていう風にご紹介しましたが、この日の庄司さんはオーボエではなく、「ズルナ」という中東の楽器を演奏されてたそうです。これは、オーボエと同じような2枚リードの…どこかチャルメラに似たような楽器で、けたたましい響きがしてたそうです。それにしても…皆さん、ほんとに色んな楽器が演奏できるんですね〜。すごいなあ! あ、ちなみに、こちらで少しだけ「ズルナ」の音が聴けますよ(^.^)b

民族楽器って、何か独特の響きと味わいがあって、いいですよね〜。でも、やっぱり、こうした複雑で微妙なピッチ(音程)&音色の民族楽器と、ピッチがしっかり固定されてる洋楽の楽器とを一緒にやるのは大変みたいで、庄司さんも「久しぶりに冷や汗をかきました」なんておっしゃってたそうです。まあ、そんなこんなでしたが、小休止のあと、おっちゃんは今度はA管のケーナを使って、もうひとつのパターンを吹いたそうです。で、こちらはとてもスムーズに録れてたようで、これでおっちゃんのお仕事は終わり…ってことになったようです。おっちゃんのあとにはギターの伊丹雅博さんがいらしてたそうですが、何かこうして集まってくる楽器を聞くだけでも、とてもエスニックな感じがしますよね〜。


こちらは、この日に使われたケーナと明笛の写真です♪

いちばん下にある笛の左端…穴をビニールでふさいであるのが見えるでしょうか? これが竹紙の代わりにスーパーの袋を使ったという共鳴膜です。

おっちゃん特製の明笛については、是非おっちゃんHPの「明笛」のページを読んでみてください。思わず「ほほぉ〜!」とか「なるほど〜!」なんて声が出そうになるところがいっぱいですよo(^-^)o


そうそう、肝心のアルバム名が分かってないんですが、久石さんのサイトインフォメーションっていうページを見ると「10月4日に新アルバム‘Asian X.T.C’発売予定」って書かれてるんです。録音の内容や使った楽器の種類からみると、これじゃないかなあ…と思うんですが、どうでしょう?(^^ゞ

また詳しいことが分かったら、ここか掲示板でお知らせしますね。もし「これじゃないの?」みたいな情報をお持ちの方は、ぜひぜひご連絡くださいo(^-^)o


 

 

373 アニメ「銀河鉄道物語 〜永遠への分岐点〜」(青木 望)

2006年7月18日。青木望さんとのお仕事で、サウンドシティのAスタに行きました。去る6月26日に、同じく青木さんのお仕事で「銀河鉄道物語」のテーマソングを録ったのですが(370番参照)、今回はその本編というか、劇伴部分の録音でした。

この日はちょうど連休明け、おまけに生憎の雨…ということもあってか、あちこちで道路混雑があったようで、ぎりぎりに駆け込んで来る人や、ちょっと遅れて飛び込んで来る人もいて、インペク屋さんをヤキモキさせてたそうですよ。でも、こんな日でもおっちゃんは早めに着いてたので、早くからブースに入って準備してると、ひょっこり青木さんがブースまで来てくださったそうです。で、何事かと思ったら、おもむろに楽譜を出されて「楽譜に間違いが見つかったので…」と、訂正分を手渡してくださったそうです。実際に変更になったのは1小節だけなので、普通だったら口頭で伝えて各自がペンで訂正する…ということになる場合が多いんだそうですが、わざわざそのページだけをプリントアウトしてきてくださるところが、何とも青木さんらしい、細やかな心遣いって感じですよね。おっちゃんも「青木さんの几帳面さが現れとるやろ?でも、このおかげで見やすい楽譜になって良かったわ♪」と、嬉しそうでした(^o^)


さて、この日はそんなこんなで始まる前からドタバタしたようですが、それでも開始予定の10分すぎには全員が揃って、無事にお仕事がスタートできることとなったようです。

この日の予定は大編成で3時間半、小編成になってからは1時間半の拘束。配られた楽譜はずっしりと重く、おっちゃんも「これはかなりきつい仕事になるやろなあ」と、ちょっと背筋がピンとするものを感じてたそうですよ。

お仕事が始まる直前「その、ずっしりと重い楽譜を撮ってきて〜!」とおねだりしたら、こんな写真を撮ってきてくれました。ほんと、すごい数(@_@;)


では、そのお仕事の詳しい内容を…今回はテーマソングの録音のときよりも更に大きな編成だったそうですが、やはり木管に関してはファゴット抜きで、しかもフルートが3人という、ちょっと変わった組み合わせになってたそうです。おっちゃんの話によると、普通フルート3本になる場合は、ファーストとセカンドの人がハモって、サードの人はファーストのオクターブ上をピッコロで吹く…みたいなことが多いんだそうです。

でも、この日のお仕事では、フルート3本がほとんどずっと、しっかり3声でハモるように書いてあったんですって〜。で、もしファーストの音域が足りない場合はピッコロに持ち替える…というようになってたそうです。こんな風に、普通ならサードの方に頻繁に出てくるピッコロがファーストの方に多く出てきてたのは、フルート3本だからこそ生まれるハーモニーを大事にされたかったという、青木さんの思いの表れかもしれませんね♪


こちらは、副調室での皆さんの様子です。

手前の赤いTシャツを着てらっしゃるのが、ディレクターの藤田さん。そのお隣が、青木さんですね(^.^)b


この日のフルートセクションには、先にお話したピッコロはもちろん、アルトフルートやバスフルートなんかも出てきたんだそうですが、中に1曲だけ「リコーダーソロで…」なんて曲があったそうです。この曲はソプラノリコーダーでもできる音域だったようですが、ソプラノの最低音である「ド」まで出てくるので、音の安定性を高めるためにアルトリコーダーで吹いたんだそうです。で、こちらは難なく終了♪

問題はその次に出てきた「リコーダー3本で…」という曲なんです。というのも、おっちゃんと篠原さんはともかく、金子さんはリコーダーは演奏されないんだそうです。じゃあ、どうしたのか…の話の前に、何でこうなったかをお話しましょう。何でも、まずインペク屋さんからお仕事の話をもらってフルート3人を集めたあとで「リコーダーを使う曲がある…」みたいな感じの連絡があったそうです。それを聞いたおっちゃんは「このメンバーではリコーダーは2人しか出来んよ〜!」って伝えてあったそうなんですが、その連絡がどこでどうなったのか、とにかく現場では「リコーダー3本」という曲ができあがってたそうなんです。

そこで、おっちゃんは「こうなったら、1本はダビングにしようか…」なんて思ったそうですが、もうちょっと考えてみて「セカンドのパートを、ピッコロで控えめに吹いたら何とかなるかも…?」なんてことを思いついて、提案してみたそうです。で、テストでやってみたら、青木さんやスタッフの方々から「それでいこうか…!」って話になったそうなんですが、さすがはおっちゃん。自分自身が色んな笛を持ち替えるだけでなく、笛のこととなると、こうした編成のことまで色んな対応ができるなんて…すごいなあ!

まあ、そんなわけで「では、そのパターンで本番を…」なんて言ってるときに、オーボエの庄司さんが「僕がリコーダーをやりましょうか?」って声をかけてきてくれたそうです。こうなると「え? 庄司さんはリコーダーもできるの…?」なんて思うでしょ? 実は、庄司さんはリコーダーの名手なんだそうですよ。おっちゃんってば、そのことをすっかり忘れてたようで…。

で、ちょうど篠原さんがスペアのソプラノリコーダーを持ってらしたので、庄司さんは急遽それに持ち替えて、いきなり本番を録り、そのままOKになってしまったそうです。何たる早業、何たる展開…ほんと、皆さんの多才ぶりと手際の良さにビックリの連続ですよね〜!青木さんも「現場で今回のように巧く片付くなんて滅多にあることではありません。ほんとに素晴らしい方々との巡り合わせで、良い音楽が出来上がったことを感謝してます」と、感無量のようでしたよ♪


こうしておっちゃんたちが無事に終わったあと、今度はマサさんがヴァイオリンソロをダビングで重ねたりしてたそうです。これはけっこう軽いノリで、なかなか面白い感じの曲だったそうですよ(^.^)b

写真はそのマサさんと、この日の指揮者である板倉さんです…っていっても、板倉さんはほとんど顔が分かりませんね(^^ゞ

写真にマウスを乗せると、ちょっとだけアップになりますよ♪


この日の音楽も、戦闘シーン的な激しいものよりも、ちょっと悲壮感が漂うような重厚なサウンドのものが多かったようです。そういえば「葬送」というタイトルの曲もあったとか…何か、公式サイトのストーリーのところを見ても、かなりヘビーな内容のようですもんね。でも、マサさんがダビングしてたような軽いノリの曲もいくつかあって、その中のフラメンコ風の曲では小堀さんのギターソロが格好よく決まってて、際立ってたそうですよ。 ああ、早く聴いてみたいなあo(^-^)o

余談ですが…青木さんが大島ミチルさんと親しくされてるのは前から聞いてたので、4月のある日、私は青木さんに「実は今度の日曜日、京都で大島さんにお会いするんですよ♪(ここ参照)」なんてメールをしたんです。そしたら、そのこと自体もとても喜んでくださったんですが、そのメールの冒頭に「今朝、ほんの少し前に戦闘シーンのテーマが出来、久しぶりに自分で‘これは良いではないか!’と悦に入っていたところでした(原文のまま)」なんてことが書かれてました。

その後も、この本編の録音のあとには「録音が無事に終了し、嬉しくてメールしました!」なんてメールをいただいたり…私はまだ青木さんにお会いしたことはないのですが、何だかとても嬉しそうな様子が目に浮かんでくるのと同時に、どこか子供のように無邪気でお茶目な方だな〜なんて感じて、私もとても嬉しくなりましたよ(*^-^*)


こちらは、この日のメニュー表です(^.^)b

まずは13時から16時までの分で、写真にマウスを乗せると、今度は16時以降の分が見えるようになってます♪

まあ、これでは小さすぎて何が何やら…って感じだとは思いますが、雰囲気だけでも感じてみてくださいね(^^ゞ


この日の編成は、弦(マサさんのグループ:64432→6422)、フルート&ピッコロ&アルトフルート&リコーダー(おっちゃん)、フルート&アルトフルート&バスフルート&リコーダー(篠原猛さん)、フルート&ピッコロ&アルトフルート(金子奈美さん)、オーボエ&コールアングレ&リコーダー(庄司知史さん)、クラリネット&バスクラリネット(松本さん)、ハープ(斎藤 葉さん)、トランペット(数原 晋さん他)、トロンボーン(フレッドさん他)、ホルン(藤田乙比古さん他)、パーカッション(草刈とも子さん)、ドラムス(渡嘉敷祐一さん)、ベース(伊藤昌明さん)、ピアノ(美野春樹さん)、ギター(小堀 浩さん)、指揮(板倉康明さん)、エンジニア(三浦さん)、ディレクター(藤田昭彦さん)でした。

ここで、青木さんに伺ったお話を1つ…青木さんは、藤田さんのホルンの音色が大好きなんですって。また、スタジオに藤田さんがいてくださるとホッとするとか…そういえば、こちらのページで大島さんもおっちゃんに対して、こんなことをおっしゃってたなあ。何か、こうやって思い合える関係って、いいですよね〜。ぜんぜん無関係の私も、こうして聞いてるだけで、何だか胸の奥にほこほこするものが湧いてくるようです(^-^)

それから、青木さんとギターの小堀さんとは、今回はじめてご一緒することになったんですって。実は、今までに何度もお願いしてたそうなんですが、どうも上手くスケジュールが合わなかったらしくて、やっと願いが叶ったって感じなんだそうです。ようやく来てもらった小堀さんの音色はやっぱりとても素敵なものだったらしくて、青木さんはほんとに嬉しそうでした。そのほか、いつも来てもらってる方や初めての方、まだ数回しかお会いしたことのない方など色んな方がいらしたそうですが、どの方のこともしっかり、そして、とても大事に見てらして、あらためて青木さんという方の人の深さを見せていただいたような気がします。

そうそう、先ほど写真で登場していただいた指揮者の板倉さんですが、実はクラリネット奏者でもあるんだそうです。おっちゃんの話では、スタジオの事情をよく心得ている、耳がとても良い、棒が見やすい…など、スタジオ指揮者として、ほんとに素晴らしい方なんですって。この日、最初に配られた楽譜の重さに「こ、これは…(@_@;)」なんて思ってたおっちゃんですが、板倉さんのあざやかな指揮と皆さんの頑張りで、録音の進行状況はとても良かったんだそうです。これほどの曲数がありながらも、大編成の部分はほぼ時間通り、後半の小編成になってからの部分なんか、最終的には30分くらい早めに終わっちゃったみたいですからね♪

この作品のオンエアに関してはまだ詳しいことが分かってないんですが、どうやら地上波でのオンエアの予定があるようですよ。これは、地上波しか見えない我が家には願ったり叶ったりです。皆さんも、どうぞお楽しみにねo(*^^*)o

追記:このアニメの第1話が見られる動画を貼っておきますね♪→CLICK HERE


 

 

372 ゲーム「喧嘩番長」(和田貴史)

2006年7月6日。サウンドシティのAスタに行きました。この日、いつものように「今日は何の仕事〜?」と聞くと、おっちゃんは「それがなあ…う〜ん、何やろか…何や、ブラスバンドみたいなんで何かやるって言うか…何や、フルート4人で来てくれっちゅ〜話だけは聞いとんやけど、よう分からんのじゃ」なんていう、それこそよく分からん話でした(^^ゞ
 
まあ、こんな感じのよく分からない中でも、おっちゃんは「ブラバンでフルートが4人だったら、クラリネットは20人くらい来るんかな…」なんて、今までの経験から色々と想像しながらスタジオに入ったそうです。でも、何とクラリネットはたったの3人。それを見て「ブラバン的な効果としては、フルートを減らしてその分クラリネットを増やした方がええのになあ」なんて思いながらも、「まあ、フルートをいっぱい使うてもらえるんはありがたいことやし、ええか♪」と喜んでたりもするおっちゃんなのです(^◇^;)
 
…と、前置きが長くなってしまって、肝心のお題について触れるのが遅くなりましたが、この日のお仕事は和田貴史さんという方の音楽で、「喧嘩番長」というゲームの劇伴だったようです。おっちゃんたちがやった曲には「極東高校校歌」なんていう、いかにも恐ろしげなタイトルがついてたそうですよ。もちろん、ゲームの中だけに存在する架空の学校ですが、この極東高校総番長・田中ヤスオという人が中心となって繰り広げられる、昔でいう「ツッパリ(←もう死語?)」同士の闘いのゲームのようです。で、その曲ですが、校歌というよりは応援歌という感じで、行進曲風の威勢のいい曲だったそうです。だからこそ、ブラバン的な編成にこだわられたのかもしれませんね(^.^)b

ところで、この日のお仕事が終わったあと、おっちゃんが「前にこれと同じような編成でやったことがあると思うんやけど、何やったかなあ…多分、そのときはCMだったと思うんやけど、もしかしたら同じアレンジャーさんやろか?」なんて言ってたんですが、その後のおっちゃんの調査によると、どうやら違う方だったようです。そこで、私もちょっと調べてみると…おっちゃんが「もしかしたら…」と思ってたのは「184番」のレポのことだと思うんですよね。で、読み返してみると…うん、確かに似てるかも? とにかく、どちらもフルートが多めで、そのわりにはクラリネットが少なめという、独特のサウンドを狙ったお仕事だったようです。
 
編成は、フルート、ピッコロ(おっちゃん・西沢幸彦さん・篠原 猛さん・金子奈美さん)、オーボエ(柴山 洋さん)、クラリネット(星野 正さん・元木さん他1名)、ファゴット(前田信吉さん)、トランペット(小林さん他2名)、トロンボーン(広原正典さん他2名)、チューバ(佐藤潔さん)、ホルン(藤田乙比古さん他1名)、エンジニア(吉田俊之さん)でした。


 

 

371 ある歌謡曲のレコーディング(小笠原 寛)

2006年7月2日。世田谷区の住宅街の真ん中にある、アライブというスタジオに行きました。ここに行くのは久しぶりなおっちゃんですが、わりと分かりやすい場所だったので、迷わずに行けたそうです。こんな感じで場所はすぐに分かったようなんですが、今度は入り口がどこにあるのか分かりにくくて、駐車場に案内してくれた係の女性がいなかったら立ち往生するところだったとか…。前に行ったときとは、駐車場の様子なんかが変わってたんでしょうかねえ?

で、中に入ったら入ったで、まず階段を上がった2階に事務所やロビー、それにコントロールルームがあって、スタジオは、そこから急な階段を下りたにあるという、ちょっと変わった作りになってるんだそうです。おっちゃんは「もしかすると、別の目的で作った建物を、後でスタジオに改造したんかもしれんなあ」なんて言ってましたが、真相はどうなんでしょうか?


ちなみに、これがそのロビーの様子です。写真にカーソルを乗せると、画像が切り替わりますよ♪

何か、ちょっとオシャレな民家って感じで、落ち着いた雰囲気が素敵ですよね(*^-^*)


さて、この日のお仕事は小笠原 寛さんのアレンジで、「まさみ」さんという歌い手さんの曲の録音でした。小笠原さんとおっちゃんとはかなり古いお付き合いになるそうで、時々こうして呼んでもらってるんだそうです(でも、うちのレポとしては初登場かも?)。この小笠原さんは「極道の妻たち 2」や「新極道の妻たち」の劇伴、デュークエイセスや松崎しげるさんの歌のアレンジなどを手がけられてるベテランさんなんですよ(^.^)b

今回は事前に「ティンホイッスルか何か…民族的な笛」というオーダーがあったようですが、現場でオリジナルの音源を聴かせてもらうと、明らかに明笛の音がしてたそうです。どうやら、オリジナルの曲が中国の曲だったみたいですね。で、いつもだったら「そんなん聞いてなかったしぃ〜」なんて感じで別の笛で対応しちゃうところですが、この日はたまたま明笛も持ってきてたそうでまずは「この音源の笛はこれだね(^.^)b」って言って聴いてもらうことにしたそうです。すると、小笠原さんは「あっ、じゃあ、是非これで!」なんておっしゃって、すんなり明笛に決まったそうです。

ただ、おっちゃんが持ってる明笛はC管とG管とA管だけで、このときの曲はB♭管でなければダメだったんだそうです。で、「せっかく明笛を気に入ってくれたけど、やっぱり今回は普通の笛でやろうか…」なんておっちゃんが言い出すと、小笠原さんは「う〜ん、やっぱり明笛の音色がいいんだけどなあ」っておっしゃったので、皆で「どうしたもんか…」と、しばらく頭を抱えてたようです。そこで思いついたのが、何と「ピッチを変えて録音」ってことだったそうですよ。

こういう場合、昔はテープの回転を上げたり下げたりしてやってたそうですが、これだとどうしても音色が変わってしまったり、ビブラートが不自然になってしまって、うまくいかないことが多かったんだそうです。でも、最近はデジタル処理になるそうで、こういう作業も意外と簡単なんですって。それにしても、デジタル処理って何やろか…!?(^^ゞ


ま、とにかくテストしてみようってことになりました。まずは、あらかじめ小笠原さんが録音されてきたシンセの音源データを1音上げてハ長調の曲にしたんだそうです。こうすることによって、おっちゃんのC管の明笛が使えるようになるわけで、これでテスト録音としてダビングしたそうです。

写真は、その明笛を吹いてるおっちゃんです♪

その後、おっちゃんの明笛が加わった音源データを1音下げる処理をしてプレイバックしてみると、これがほんとに違和感がなかったんですって。で、そのまま本番を録って、無事に録音終了となったそうです。ほんと、色んなことができるんですね〜。


ちなみに、今回のお仕事は、歌い手さんのちゃんとしたお名前も曲名も分かっていません。もし、「これじゃないか?」みたいな情報を見つけられた方は、是非お知らせくださいねo(^-^)o

 

 

370 アニメ「銀河鉄道物語」テーマソング(青木 望)

2006年6月26日。青木 望さんとのお仕事で、サウンドシティのAスタに行きました…なんですが、実は私は、4月の半ばに青木さんの方から「7月に‘銀河鉄道物語’の録音があって、おっちゃんにも来てもらう予定だよ♪」ってメールで伺ってたんです。で、とにかく、おっちゃんと2人で「7月ってえらい先やけど、楽しみやなあo(^-^)o」なんて言ってたんですが、突然6月の末にも録音が入ったってことでビックリ!私は「あれま、何かの事情で録音が早まったんかな?それとも別のお仕事?」なんて思ってたんですが、この日は何とその「銀河鉄道物語」のテーマソングの録音でした(^^ゞ

ところで、この「銀河鉄道物語」ですが、1978年にフジテレビで放送された「銀河鉄道999」の世界観を大切に、「銀河鉄道999」の中では描き切れなかった部分をフィーチャーして銀河鉄道全線を描いた、とてもスケールの大きな作品なんですよね。で、こちらは一度2004年にBS−フジで放送され(59番参照)、その後すこし再編集されてDVDとしても発売になってるんですが(310番参照)、今回は「銀河鉄道物語 〜忘れられた時の惑星〜」という新たなシリーズとなって私たちの前に帰ってきます。そのための本編の劇伴録音は、このあと7月18日に行われたんですが、そのまえにテーマソングだけの録音が行わたというわけです(^.^)b

さて、今回の録音は打ち込みのバックに、弦と木管と金管でダビング…ってことだったようですが、ここでもう何十年も青木さんと一緒にお仕事してきてるおっちゃんとしては「およ? 青木さんも最近は打ち込みなんかするようになったのかな?」って思ったそうです。でもまあ、とりあえず…と、お仕事に取りかかったそうですが、そこでまた「これって…ほんまに青木さんが書いた曲?」とも思ったそうです。その打ち込みが良いとか悪いとかじゃなくて、曲想が今までの青木さんのとは何かが違ったんですって。で、不思議だなあと思ってるところに、青木さんの方から「実は、この打ち込みは私じゃないんですよ(^^ゞ」なんて話しかけてきてくれたそうです。

そんなことから始まった会話の中で、今回のテーマソングの背景をお聞きすることができましたので、ちょっとだけお話しますね。このテーマソング、最初の予定では「全て打ち込みで」ということになってたらしいんです。でも、「せっかく本編がこんなに素晴らしい作品なんだから、テーマソングももっと豪華にいこうよ!」みたいな流れになってきたそうで、うわもの…つまり、弦・金管・木管に関しては生でやろうって話になったんだそうです。で、急きょ、青木さんのところに歌と打ち込みが入った音源が来てアレンジされることになったんだそうですが、ここでちょっと「あれ?」なんて思いませんか?

こうして誰かが作曲されたものを別の方がアレンジされるって場合、普通は楽譜が届くんですって。で、それを元にしてアレンジする…っていう流れになるそうなんですが、今回は何故か楽譜がなくて、青木さんが音源を聴きながら耳コピで最初から楽譜を作るということになったそうです。これ、なかなか大変な作業だったみたいですよ…っていうか、せいぜい単音しか聴きとれない私には(しかも、あんまり高すぎる音や低すぎる音は分からん)、すでに歌と伴奏で曲として出来上がってしまってるものをまるまる耳コピだなんて、もう想像をはるかに超えた世界です。う〜ん、何で楽譜がなかったのかなあ…まあ、何か「大人の事情」があったんでしょう。そこらへんは置いといて、今度は今回のアレンジについてのご苦労を1つお話しましょう…(^.^)b

歌ものなんかでよくあるパターンかと思うんですが、主旋律だけ別の方が書いて「あとは好きにアレンジしてね」って場合は、オーソドックスなコードからジャズ風とか○○風とかのちょっと変わったコードまで、つけるコードによってどんな風にでも変えていけると思うんです。でも、今回のように「うわもの」だけを変えるとなると、ベースラインは触れない…つまり、作曲された方がすでに決められてるコードの中でしか遊べないってことになるんですって。で、その狭い世界の中で、いかに自分のカラーを出すか…とか、いかに聴き手の心をつかむ動きを入れるか…などを考えてると、ほんとに大変なようですね。でも、そこは大ベテランの青木さん。ほんとにいいアレンジをされてたそうですよ〜。ただし、おっちゃんもやっぱり大ベテランであるわけで、そのベースラインの部分で「おや?」って気づいちゃうところが、さすがです♪


こちらは、お仕事中の青木さん。青木さんの奥にいらっしゃるのは、この作品のディレクターさんである藤田昭彦さんです。

ところで、直接このレポとは関係ないんですが、おっちゃんから教えてもらった青木さん情報を1つ。青木さんは、芹 洋子さんが歌ってた「四季の歌(作詞・作曲:荒木とよひささん)」の編曲もされてたんですって〜!

…って言っても、私はテレビのナツメロ特集や小学校に置いてあったレコードでしか芹さんの歌を聴けてないんですが、あれが青木さんのアレンジだったとは…ちなみに、それにはおっちゃんもリコーダーで参加してるそうですよ♪


この日の編成は、弦(マサさんのグループ:6422)、フルート(おっちゃん・西沢幸彦さん・金子奈美さん)、クラリネット(星野 正さん)、トランペット(数原 晋さん他)、トロンボーン(中川英二郎さん他)、ホルン(藤田乙比古さん他)、指揮(青木 望さん)、エンジニア(三浦さん)、ディレクター(藤田昭彦さん)という感じで、おっちゃんの話では「木管がフルート3本にクラ1本」というのが、何とも青木さんらしいユニークさが出てるところなんですって。あ、ついでに「青木さんは昔からフルートを何本も使うてくれることが多うて、わしら笛吹きとしては、ほんまにありがたいこっちゃ♪」なんてことも言ってましたよ(^.^)b

この日を迎えるまでは色々と大変だったようですが、録音そのものはいたって順調で、ちょっとだけ差し替えなんかもあったそうですが、予定よりは20分くらい早く終わっちゃったそうですよ(^-^)


こちらはこの日のインペク屋さんである間宮エマリさんが撮ってくださった2ショットです。

エマリさんは「あら、シャツの色まで揃えちゃって〜♪」なんて言いながらシャッターを押してくれたそうですが、ほんとに申し合わせてきたかのように、お2人とも真っ赤なシャツで…。

そういや、おっちゃんが赤を着るのって珍しいようにも思うんですが、この日は何かビビッと来るものがあったんでしょうか。お2人ともメガネをかけてることもあってか、何だか雰囲気がピッタリと合ってて、いい写真ですよね(*^-^*)


こうして無事に録音が終わったあとに、おっちゃんはちょっとだけ青木さんとお話することができたそうです。何でも、青木さんはおっちゃんのページや、この「仕事場探検」をマメに見てくださってるそうで、それを聞いたおっちゃんは恐縮しまくりだったとか…。私は、青木さんからいただくメールに、いつも私のレポ編集作業をねぎらってくださる温かい言葉や雰囲気があふれてるので、「ああ、よく見てくださってるんだなあ」ってことは分かってたんですが、それでもこうして改めて聞くと、嬉しいやら、恥ずかしいやら、申し訳ないやら…でした(;^_^A

で、そのおっちゃんのページにある「昔あったスタジオ」の中でも最も古い部類に入るんじゃないかな…と思われる、溜池ってところにあった「アオイスタジオ」ですが、おっちゃんはそのスタジオの末期のころに1〜2回は行ったことがあるかな…って程度なんだそうです。でも、青木さんはそのアオイスタジオが出来た当初からお仕事をされてたんですって。これを聞いて、おっちゃんは改めてそのキャリアの長さに感激したそうですよ。私なんて、先にお話した耳コピのお話に引き続き、もうどこか雲の上の話って感じです(^◇^;)

とにかく、最後にこんな素敵な時間が持てた、いいお仕事だったみたいですよ。で、本編の方の録音レポにはオンエア情報のほか、作曲の段階での青木さんの素敵なエピソードなんかも載せる予定ですので、どうぞお楽しみにねo(^-^)o


 

 

369 ドラマ「CAとお呼びっ!」(大島ミチル)

2006年6月22日。早稲田のAVACO(アバコ)スタジオに行きました。この日は大島ミチルさんのお仕事で、すでに7月5日から日テレ系でスタートしてる「CAとお呼びっ!」というドラマの音楽録りでした。あら、大島さんの録音でアバコスタジオなんて、ちょっと珍しい気がしませんか? 作曲家さんも演奏家さんも、それからエンジニアさんも、それぞれに「響きの好きなスタジオ」や「演奏しやすいスタジオ」「録りやすいスタジオ」…なんてのがあるようですので、今回は大島さんに何らかのこだわりがあったのかもしれませんね(^-^)

さて、この「CAとお呼びっ!」というタイトルにもある「CA」ですが、最近よく耳にする「キャビンアテンダント」の略なんです。つまり、昔で言う「スチュワーデス」ですね。もう「スッチー」なんて言葉は死語なんでしょうねえ。そういや、最近は「ケーキ屋さん」のことも「パティシエ」って言うみたいですし…時代は私を置いて、どんどん移り変わってるようです。んで、この機会に何人かの友達に聞いてみたら、ほとんどの人がドラマや漫画でこうした言葉を初めて耳にしたそうで、あらためてメディアの力は大きいな〜なんて思ったりした私です(^^ゞ

で、おっちゃんたち木管さんは…って言ってもフルートとオーボエだけだったそうですが、インペク屋さんから指定された時間にスタジオに入ったら、すでに弦とブラス、それにリズム隊なんかが先にやってたそうで、木管はブラス隊と入れ替わりだったようです。この、おっちゃんたちが入ったブース、ほんとはパーカッションが入る予定だったそうですが、入り口が小さくてティンパニーが入らない…ってことで、急きょブラスと木管が入ることになったんですって。こうした急な変更も、とてもスムーズに行われたようで、またまた「さすが〜!」って感じですよね〜。あ、中には「だって、ブースを変更するだけじゃん」なんて思われる方もいらっしゃるかと思いますが、こういう些細なことも、生楽器の録音に慣れてない新人の作曲家さん&エンジニアさんには、かなりドギマギしちゃったりするもんなんですって(^^ゞ

そのブースでのエピソードをもう1つ…今回の木管は2人だけだったのでスペース的には余裕だったそうですが、何やらエアコンの調子が悪かったみたいで、まさに蒸し風呂のような状態だったとか…。おかげで、フルートもオーボエもピッチは上がるし、特にオーボエはキーが複雑で微妙な楽器だそうで、ブースの中では「もしかしたら動きが悪くなるかも…」って、ヒヤヒヤしてたそうです。でも、おっちゃんは「先に入っとったブラスは人数も多うて発熱量も大きいんやから、もっともっと大変やったんちゃうか?」なんて言ってましたが、どうだったんでしょうね〜。あ、うちのコラムにある「楽器と気温」のところを読んでいただけると分かるかと思いますが、いい演奏をするためには、気温もとても大事な要素の1つなんですよ(^.^)b

…とまあ、現場では色々と大変だったようですが、第1回のオンエアで流れた音楽はそんな苦労なんて微塵も感じさせない、心の底から明るく元気になれるような、ほんとに楽しいものばかりでした(録音からオンエアまでの日が短かったのと、私の仕事の遅さのせいで、久々にオンエアを見てからのレポ編集となりました(^^ゞ)。そういや、大島さんもご自身の日記で「夏の暑さを吹き飛ばすように、踊りたくなる音楽を…と思って書いた」って書かれてましたよね。うん、まさにそんな感じです♪

エリックさんがトランペットにミュートをつけてコブシを回しまくった楽しげな曲も、マサさんたちによる遊び心たっぷりのストリングスの音色も、とってもユニークな平原さんからは想像しにくいメロメロの甘〜いサックスも、色んな楽器に優しくカッコよく寄り添うピアノも、そして我らがおっちゃんの心に染み入る優しいフルートも…どれもこれもドラマの様々なシーンにぴったりとはまって、大いに盛り上げてくれてましたよね。無事に1回目のオンエアが見えた(聴けた)おっちゃんも「ごっつい響きの悪いブースでやらされとったけん、どんな音になっとんかと心配しとったけど、えらいええ音で録ってくれとって安心したわ。さすが名エンジニアじゃ♪」と、ネイティブ真っ青の阿波弁で大満足の様子でした。こりゃ、今後も楽しみですねo(^-^)o


そうそう、この日はマサさんがまたまた面白いTシャツを着てらしたそうで、おっちゃんはさっそく撮らせてもらったそうです。また、おっちゃんがいたブースからは大島さんの姿はモニターでしか見えなかったそうですが、そのモニター越しの大島さんの写真もちゃ〜んと撮ってきてくれてたんです…が、どういうわけか、その写真がカメラの中にないんですって〜。ほんと、残念!

…って思ってたら、マサさんのファンサイトの管理人さんから写真をいただくことができました。ありがとうございま〜す♪

Tシャツにプリントされてる写真の1つはマサさんHPで見たことがある方も多いかもしれませんが、どちらもマサさんの小さいころの写真だそうで、それをタジタジさんがプリントしてくれたんだそうです。あ、この写真だと顔が写ってなくて「誰が着てるの?」「どっちが前?」って声が聞こえてきそうですが、マサさんHPの管理人さんによると、ちゃんとマサさんが着てるんだそうですよ。あ、でも「どっちが前なの?」っていうのを聞くのを忘れた(;^_^A


編成は、弦(マサさんのグループ:64221)、フルート(おっちゃん)、オーボエ(柴山 洋さん)、トランペット(エリック宮城さん木幡光邦さん)、トロンボーン(中川英二郎さん他)、パーカッション(草刈とも子さん大石真理恵さん)、サックス&クラリネット(平原まことさん)、ドラムス(?)、ベース(大仏こと高水健司さん)、ピアノ(倉田信雄さん)、指揮(大島ミチルさん)、エンジニア(伊藤さん)でした。

この日はあまり雑談をする時間はなかったそうですが、それでも大島さんからは、前日の21日に行われたマリンバ奏者・吉田ミカさんのコンサートのお話などを聞かせていただいたりして、楽しいひと時が持てたそうです。そんな、素敵な現場で録られた元気になれる音楽、ぜひ毎週のオンエアで楽しんで、暑い夏を乗り切ってくださいねo(^-^)o

 

 

368 OVA「トップをねらえ2!」(田中公平)

2006年6月19日。ビクターの301スタに行きました。この日は、久しぶりに田中公平さんとのお仕事で、「トップをねらえ2!」の追加録音でした。この「トップをねらえ!」は、公平さんファンの多くがファンになるキッカケとなった感慨深い作品のようで、1988年にリリースされた初回の分にもおっちゃんが参加してます。で、おっちゃんとこうしてレポをするようになってから「トップをねらえ2!」」が作られることになったようで、「151番」「304番」にもレポがあります。ぜひ、読んでみてくださいね(^.^)b

さて、先ほど「久しぶりに公平さんとの…」って書きましたが、実はおっちゃんが公平さんにお会いするのは、4月に行われた弾き語りコンサート以来だったんです。で、あのときも少しはお話できたんですが、日を置いて改めて色々とお話をお伺いしてみたかったんですって。でも、公平さんがいらしたのが結構ギリギリだったことと、おっちゃんたち木管さんが終わって帰ろうとしたときには、まだ弦セクションが居残りしてた…ってことで、ほとんどお話する時間がなかったそうです。う〜ん、残念(;^_^A

でも、そんな時間のないときなのに、おっちゃんはとても大事なことを聞いてきてくれました。公平さん、「ゆみさんに原稿を頼まれていたんだけど、まだなのよね〜」っておっしゃってたそうです。ふっふっふ…そうなんです。実は公平さんに2つほど原稿をお願いしてるんですよ。覚えてくれてたんですね〜嬉しいなあ! そんなわけで、皆さん。どんな記事がアップされるのか、どうぞお楽しみに〜♪(…ってレポ内に書いたら、ちと公平さんのお尻に火がつくかなあ?(^^ゞ)


こちらはプレイバックを聴いてる最中の公平さんとマサさんです。奥にはエンジニアの吉田さんも見えますね。この真剣な表情が、またいいですよね〜♪

でも、写真にカーソルを乗せると、ピンぼけ気味なものの、ちょっとだけカメラ目線のお2人の写真になりますよ。おやおや、このマサさんのおなかは…(^◇^;)


この日やった音楽は、今までにやったもの比べると、それほど超絶技巧的に難しいのはなかったようですが(…って言っても、決して簡単ではなかったそうですよ(;^_^A)、どれも不協和音やちょっと複雑なコードをたくさん使ってて、重苦しい感じの曲だったようです。リリースされてるDVDはいよいよ最終決戦に向かっていくようですので、その壮絶な戦いを、公平さんの重厚な音楽でどのように彩られるのか、楽しみですよねo(^-^)o

こちらは何と、公平さんと多田彰文さんの2ショットです。

多田さんは、たぶん直接この「トップをねらえ2!」には関係してらっしゃらないと思うので、おっちゃんが「あらま、どうしたの?」って聞くと「えへへ…怒られにきました(^^ゞ」なんておっしゃってたそうですが、この写真だけ見てると、公平さんの方が怒られてるような…わははは!

とにかく、思いがけず素敵な2ショットが撮れました(^o^)

写真にカーソルを乗せると、モニター越しに見た、ダビング中の松田真人さんが見えますよ♪


この日の編成は、弦(マサさんのグループ:64442)、フルート(おっちゃん・金子奈美さん)、オーボエ(庄司知史さん)、クラリネット(星野 正さん)、トランペット(菅坂雅彦さん・横山 均さん・木幡光邦さん )、トロンボーン(松本 治さん・山城純子さん・大川真紀夫さん)、チューバ(柏田良典さん)、ホルン(藤田乙比古さん・佐沼美千代さん・中澤幸宏さん・広川 実さん)、パーカッション(高田みどりさん)、ピアノ(松田真人さん)、ギター(住田さん)、シンセ(丸尾稔さん)、指揮(田中公平さん)、エンジニア(吉田俊之さん)でした。

この「トップをねらえ!」ですが、旧作の「1」と今回の「2」を合わせて再編集されたものが、2006年の秋に劇場版として公開されるようです。当然、音楽も新たに録られることになるんじゃないかなあ…こちらもほんとに楽しみですねo(^-^)o


あ、最後に得意の脱線を…!

これ、何だか分かります?
皆さんがよくご存知の1000円札なんですよ。ちょうどこの録音の3日くらい前にマサさんグループのどなたかが折られたとかで、マサさんから写真が送られてきました。で、私はすぐさま、そのころ岩手県の方にJASRACコンサートで行ってたおっちゃんにも転送。そしたら、そこに一緒にいらしたヴァイオリンの城戸さんと大ウケしたとか…。

で、その後この録音があったわけですが、おっちゃんは現場でマサさんに現物を見せてもらったそうです。この日の現場では、しばらくこれで盛り上がってたそうですよ(^.^)b(ちと罰当たりな感じもしますけど、やっぱり上手ですよね(;^_^A)


ちなみに、写真にカーソルを乗せると、福澤諭吉さんが見えます。何か、福澤さんの方が頭のターバン(?)の柄がよく合ってて、さらに笑えるような…いやいや、よい子の皆さんは絶対に真似しないでくださいね〜(^^ゞ

 

367 CM「ヘーベルハウス」(周防義和)

2006年6月15日。周防義和さんとのお仕事で、サウンドインのAスタに行きました。この日はサウンドインで1番広いAスタだったんですが、メンバーは何と、ピアノのエルトン永田さんとおっちゃんの2人だけだったんですって。で、エルトンさんがブースに入って、広〜いフロアの真ん中でおっちゃんが1人でリコーダーを吹くという配置だったそうですが、何でも、この日のこの時間帯には、このスタジオしか空いてなかったとか…。おっちゃんは「何か、もったいない感じがしたけど、ご〜っつい気持ち良かったわ♪」と、ご満悦そうでした(^.^)b

さて、そのお仕事の内容ですが、ハウスメーカーでお馴染み「ヘーベルハウス」のCMで、男性合唱…といっても、特に合唱の経験のないような普通のおじさんっぽい人たちが歌っている「みどりのそよ風」という童謡に、ピアノとリコーダーをダビングする…というものだったようですよ。この「みどりのそよ風」という曲は、清水かつらさんが作詞し、草川信さんが作曲したもので、かなり古い童謡なんですよね。それを周防さんがリコーダーとピアノが入るようにアレンジされたようです。それにしても、先に歌があって、それに伴奏を後入れするなんて、何だか面白いプロセスですね〜。

ところで、こうした子供っぽい雰囲気の曲にリコーダーを使うときは、ほとんどの場合がソプラノリコーダーなんだそうですが、今回は1ヶ所だけどうしてもソプラノリコーダーでは出せない低い音があって、アルトリコーダーを使うことになったそうです。これは、いくら童謡っていっても、歌ってるのが「おじさん」たちなので、ピコピコという可愛らしい音ではなく、ちょっと低めの渋い感じに…なんていう周防さんの思いがあったんでしょうか。それとも、もっと別の狙いがあったのかなあ…それともそれとも、これといった理由は何もなく、ただ音域が足りないってだけなのかなあ。とにかく、ほかの童謡とは一味ちがった雰囲気があるようですよ(^.^)b

あと、歌の後半部分はリコーダーでハモるようになってたそうなので、ダビングで重ねたそうです(1人2重奏?(^^ゞ)。先に入っている歌に伴奏を後入れするという普通とは逆のプロセス、その上きちんと訓練された合唱団ではなく、いかにも普通のおじさんたちが歌ってるにもかかわらず、テンポやピッチにほとんどズレがなかったそうですよ。これに対しておっちゃんは「多分、打ち込みのバックとクリックを使うて歌を録ったんやろなあ。ほんで、わしは現場で映像は見んと歌を聴いただけやけど、ほんまに楽しそうに歌いよったで♪」って話してました。


こちらは周防さんとの2ショット♪

録音が始まるまでには少し準備に時間がかかっていたようですが、始まってからは正味15分くらいだったとか。で、無事に終わって、さあ帰ろうか…ってところで撮らせていただいたものだそうです。うん、やっぱり無事に終わってホッとしてるのか、どちらもなかなかいい笑顔ですよね(*^-^*)

あ、この日のエンジニアである小幡幹男さんとも写真を撮らせていただこうと狙ったようですが、残念ながら逃げられちゃったんですって(^^ゞ


このCMは、へーベルハウス関連ページの「こちら」でも聴けますよ。ここを見ていただくと、どこがどう「普通のオジさん」なのかが分かります。ただし、読み込むのにかなり時間がかかるようですし、「ナローバンド」の方は静止画だけのような…で、ブロードバンドの方の「30秒」バージョンの後半で、おっちゃんのリコーダーが味わい深く響きます。読み込みを気長に待って、ぜひ聴いてみてくださいねo(^-^)o


 

 

366 アニメ「ドットハックルーツ」追加録音(片倉三起也)

2006年6月12日。横浜市西区、「みなとみらい」というところにある「ランドマークスタジオ」に行きました。これは、横浜みなとみらいのシンボルとも言われている「ランドマークタワー」に隣接したビルの5階にあるスタジオなんだそうですが、東京の都心部からはかなり離れているためか、おっちゃんたちの間ではあまり行く機会がないようです。

そんなわけで、今回も2〜3年前に行ったきりで道なんかすっかり忘れているし、そもそも横浜にはほとんど土地勘のないおっちゃんで「どうしたもんか…」って感じですが、2005年の秋に新しくした車にはナビがついてるので、それを頼りに無事に到着したそうです(^.^)b


こちらが、ランドマークタワー。

高さは296mで、日本で最も高いタワー棟なんだそうですよ。このタワーの中には、オフィスやホテル、ショッピングモールなどを中心に、展望フロアや多目的ホールなんかもあるとか…。


さて、このランドマークスタジオは「ランドマークホール」の脇から細い通路を通っていったところにある、ちょっと分かりにくいスタジオなんだそうです。で、スタジオ自体は中くらいの大きさ…つまり、サウンドインのBスタくらいで、あちこちのスタジオに行き慣れてるおっちゃんとしては「まあ、こんなもんかな?」って思うんだそうですが、廊下やロビー、それにトイレなどが、ちょっとしたホテルも顔負けくらいの大きなスペースを取ってて、しかもチョー豪華なんですって。

これを見たおっちゃんからは「何かポリシーがあるんかもしれんけど、わしらミュージシャンとしては、もっとスタジオの部分にお金を掛けたらええのに」と、ちょっと辛口の意見も…ま、当然と言えば、当然ですよね。う〜ん…もしかすると、最初は何か別の目的で作ったものを、あとでスタジオに流用したってことはないのかなあ。何はともあれ、不思議な雰囲気のスタジオなんだそうですよ(^.^)b


そうそう、この日はランドマークタワーのすぐ横に「日本丸」という帆船が繋留されてたそうです。おっちゃんは「前に来たときもあったんかなあ…」なんて言ってましたが、どうだったんでしょ?

お仕事まで少し時間があったようなので、しばらく眺めたり、写真を撮ったり…と、おのぼりさんになってたそうです(^^ゞ

写真にマウスを乗せると、その豪華なロビーでくつろいでるおっちゃんの姿になりますよ(;^_^A


何か、すっかり前置きが長くなってしまいましたが…って、ここまで来たら、もう「前置き」なんて言えないかな?(^^ゞ とにかく、ようやく本題を…この日のお仕事は片倉三起也さんの音楽で、前に「326番に」や「331番」 でご紹介した「.hack//Roots(ドット ハック ルーツ)」の追加録音でした。

この日に録った曲は全部で4曲。最初にやった曲は「ケルト系…もしくは何かエスニックな笛で出来たらなあ」なんてお話があって譜面を見てみると、フラットがいっぱいついたキーでホイッスルでは無理だったので、ケーナで試してみたそうです。すると、曲の前半はいい感じだったのに、後半になって音域にちょっと無理が出てきたそうです。で、色々と考えてみた結局、リコーダーで「ちょっとエスニック風に吹く」ということで対応したそうです。あとの3曲はフルートで、そのうちの1曲は一部分だけ、2声…さらに3声になるところがあったそうで、こちらはダビングで対応したそうです。

このアニメもいよいよ大詰めのようですね。ちょっとレポ編集が遅れたので、この日に録られた音楽もすでに使われてるのでは…と思います。今後どのような展開でクライマックスを迎えるのか、乞うご期待ですo(^-^)o


 

 

365 アニメ「ガラスの艦隊」追加録音(山下康介)

2006年6月9日。サウンドシティのAスタに行きました。この日は山下康介さんのお仕事で、加藤ジョーさんグループの86442の弦をはじめとする、かなりの大編成だったそうですよ。で、いつものように(?)あまりお仕事の内容を聞かずに行ったおっちゃんは「どこかで聴いたことのある音楽やなあ」なんて思いながら吹いてたそうですが、それもそのはず。前に「338番」のレポでご紹介した「ガラスの艦隊」の追加録音だったんです。もう、おっちゃんったら…オンエアも何度か見てるのに、はよ気づいてくれぇ…(;^_^A
 
さて、前回の録音のときは特大の編成だったのですが、それに比べると今回は少し小さくなったようですね。でも、それでも、今回のより更に小さな編成で映画やドラマの音楽を録ってる場合もあるようですので、やっぱりかなり豪華な番組だと思います。そうそう、今回はパーカッションやチューバは打ち込みの音が入ってたそうですが、これがまた、ものすごく本物っぽい感じなので、スタジオに居合わせた皆でビックリしまくりだったそうですよ。どんな音だったんでしょうね〜。とても興味があるんですが、プロの皆さんがそんなにビックリするくらいのものを、私が、しかもオンエアでセリフや爆撃音と重なったりしたら、絶対に分からないだろうな…。何はともあれ、山下さんのこだわりが素敵ですよね♪

今回は追加録音なので曲数はそれほど多くはなかったそうですが(木管セクションで7〜8曲)、楽譜としてはかなり手応えのあるものだったようなので、おっちゃんたち木管セクションが終わったのが予定時間いっぱいだったんでは…とのことでした。ただ、このあと実は大変なアクシデントがあったんだそうです。というのも、この日はブラスセクション…特にトランペットが1番早く終わったそうなんですが、そのブラスセクションのミュージシャンさんたちがスタジオから出て行ってしまってから楽譜の間違いが発見されたんですって。

さあ、ここからが大騒ぎ!差し替えようにも、演奏する人がいなくてはどうにもならないので、インペク屋さんが慌てて飛び出していって、携帯電話を片手に走ること走ること…で、何とかギリギリで捕まえることができて、無事に差し替えることができたそうですよ。ほんと、やれやれ…ですね(^^ゞ と、ここでポイントが1つ。このサウンドシティは地下3階というところにあるそうなんですが、エレベーターが油圧式とかでチョーのんびりしてるのと、駐車場が立体式になってて車を出すのにちと時間がかかったりすることがあるそうなんですが、どうやら今回はそれが幸いしたようです。


音楽は、前回と同じく、けっこう重厚な感じのものが多かったそうです。これ、アニメだからこそ表現できる複雑なストーリーと世界観、そして激しい戦いの繰り返し…というものがあると思うので、その流れからなんでしょうね。

私もときどき見てるのですが、この映像にしてこの音楽あり!…って感じの、ほんとにすごいスケールですよo(^-^)o


今回は打ち込みの音も使われてたので大体はクリックが入っていたそうですが、中には生オケだけで、テンポが小刻みに変わったりルバート(rubato:テンポを自由に動かすこと)する部分も何ヶ所かあったそうです。あ、いまの文の「‘テンポが変わる’のと‘ルバート’とは何が違うの?」って思われる方もいらっしゃるでしょうか?(私は原稿を見て、そう思いました(^^ゞ)

これは、あらかじめ山下さんが決められたテンポがあるんですが、それが「何小節かごとに変わる」というのと、演奏してて「そのときの気分で自由に伸び縮みする」との違いだそうです。う〜ん、私の書いてること、分かりますか?ま、とにかくテンポが変わりまくる曲がいくつかあったそうで、こういうときはその変わり目のタイミングなんかで、棒(指揮)がとても重要になってくるわけです。

おっちゃんの話では、たま〜に「クリックが入っている間は元気に棒を振ってるんだけど、クリックがなくなると急に頼りなくなってしまう…」なんて指揮者の方もいらっしゃるそうですが、この山下さんの棒はそんな不安は微塵もなくて、ほんとにしっかりされてるんだそうですよ。おっちゃんは「指揮法をかなりよく勉強したんかなあ〜とも思うたけど、あれは棒の振り方を習うとかいう問題でなくて、身についたリズム感やテンポ感っちゅー問題なんやろなあ」と、大絶賛でした。この山下さん、実は楽譜もとてもよく書けてる…なんてお話をうかがうことも多いんですが、これからがほんとに楽しみな作曲家さんですね(^.^)b

編成は、弦(加藤ジョーさんのグループ:86442)、フルート(おっちゃん)、オーボエ(久寿米木知子さん:くすめぎともこさん)、クラリネット(山根公男さん)、ファゴット(武井俊樹さん:読売日本交響楽団)、ハープ(朝川朋之さん)、トランペット(西村浩二さん・菅坂雅彦さん他1名)、トロンボーン(中川英二郎さん他2名)、チューバ(シンセ)、ホルン(藤田乙比古さん他)、パーカッション(シンセ)、指揮(山下康介さん)、エンジニア(三浦さん)でした。物語の後半に向けて使われることが多いだろう今回の音楽、どうぞお楽しみにo(^-^)o

 

 

364 劇場版「ポケモンレンジャーと蒼海の王子マナフィ」(宮崎慎二)

2006年6月6日。ビクターの301スタに行きました。この日のお仕事は、事前に「宮崎慎二さんのお仕事で、拘束時間は6時間」って聞いてたので、2人で「これは絶対に夏休みのポケモンやなあ♪」なんて言いながら、録音当日をとても楽しみにしてました。それと同時に、終了予定時間は夜中の1時…って聞いてたんで「こりゃ、大変じゃ」とも。

さて、現場に行ってみると、案の定この夏に公開される(このレポのアップ時にはすでに公開されてる(;^_^A)劇場版ポケットモンスター「ポケモンレンジャーと蒼海の王子マナフィ」の音楽録りでした。実はこの映画、スタッフの方々は1年前にイタリアまで行って、色々と作品のイメージを膨らませて来てたそうです。あ、こんな風に現場に下調べに行くことを「ロケハン(ロケーション・ハンティング)」って言うそうですよ。そのうちスタジオ用語辞典にも入れとこ〜っと。で、何とそのロケハンに宮崎さんも一緒に行かれて、とてもいい刺激をいっぱい受けて帰ってこられたそうです。私はこのあたりのころからお話を伺ってたので、今回の録音におっちゃんが参加することが分かったときには「よっしゃあ!o(^-^)o」って感じでした♪

そんな中で作られた宮崎さんの音楽ですが、おっちゃんが参加した部分に関しては「テレビ用のはBGM的な使い方になるけん、わりと長めの‘曲’って感じのが多いように思うんやけど、今回のはどっちかって言うたら短いパターンの…それこそ劇伴的な音楽が多かったように思うわ。ほなけん聴いとったら何となく映画の場面が浮かんでくるような…ほれ、何ちゅ〜か‘情景描写的’な音楽ちゅ〜こっちゃな。で、これがまた、よう書けとったわ♪」と、思いっきり阿波弁で生き生きと語ってくれました。何か、ほんとにいい音楽だったみたいですよ。で、もちろん、おっちゃんが参加してない部分では、いわゆる少し長めの「曲」らしいものもたくさんあったようです。

あ、ここでくれぐれも念を押しておきますが、おっちゃんは阿波の出身ではありません。おっちゃんのプロフィールページにもあるように「京都」の出身なんですが、私とレポをやってるうちに何故か見事な阿波弁に…(^◇^;)


こちらは副調室の様子です。

調整卓に座ってらっしゃるのがエンジニアの中村さん。写真に向かって右端の黒いシャツを着てらっしゃるのが宮崎さんです。

あ、写真にカーソルを乗せていただくと分かるかと思いますが、宮崎さんのお隣のグレーっぽいシャツを着てらっしゃるのが、宮崎さんや田中公平さんなどのマネージャーをされてるイマジンの當眞さんです。で、そのお2人の間…っていうか後ろでちょっと伸びてらっしゃるのがイマジンの社長さんです(^.^)b


ところで、この日の現場でおっちゃんは宮崎さんと少しお話する時間があったそうですが、そのときに宮崎さんは「この‘書き’が大変で、しばらくネットできてないんですよ〜!」なんておっしゃってたそうです。そりゃ、そうですよね〜。何と、今回の映画では、音楽の部分だけでも1時間以上もあるとか…これって、映画の半分、もしくはそれ以上のシーンでずっと音楽が鳴り続けてるってことでしょう? しかも、この日に録られたもの以外にシンセだけの打ち込みの曲もいくつかあったそうなので、かなり大変だったと思います。でも、観に行く側としては、すんごい楽しみですよねo(^-^)o

そんな宮崎さんですが、無事に録音を終えたあとでうちのHPを覗きに来てくださったそうなんです。そして「久々に見たら、半端じゃないレポの件数にビックリ!本当にお疲れさま。私には‘フレー!フレー!’とメールで応援することくらいしか出来ないけど…」なんていう、ほんとに嬉しいメールをくださいました。確かに、検索しまくっても欲しい情報が見つからなかったり、書きたいことが多すぎて上手くまとまらなかったり、音楽の専門的な話になってきたときに私がなかなか理解できなくて編集が進まなかったり…と大変なこともあるんですが、こんなメールをいただけると一瞬で吹っ飛びますよね。実際、このメールを読んだときには、心の中の器が何か温かいものでグ〜ッと満たされていくような感じがしたんですよ(*^-^*)

おっと、ここで宮崎さんから聞かせていただいた映画の裏話を1つ…。先に、宮崎さんもイタリアへのロケハンに行ってらしたことは書きましたが、このときに宮崎さんはとにかく海の色に感動されたそうです。でも、この世のものとは思えない、あまりの美しさに「この色はアニメやCGでは表現しきれないよなあ…」なんて半ば諦めモードになってしまったそうなんですが、試写会(0号とか初号とか言うヤツかしらん?)で見てビックリ!何と、ほぼ宮崎さんの記憶にある通りの色がそこにあったんですって〜!これには宮崎さんも感動しまくりだったようで、美術班さんたちの頑張りをとても誉めてらっしゃいました♪

あと、宮崎さんのとってもユニークな1面を1つ…。う〜ん、この宮崎さんのユニークさをリアルにお伝えしたいので、ここは宮崎さんからのメールを原文のまま載せちゃいましょう(^.^)b

今回の映画の…特に先ほどの海の色のことに関して「もし劇場でご覧になるときは‘こんな海の色、自然じゃないでしょ!’と思われる場所が何ヶ所かあると思いますが‘その色こそ本物に近い色なんじゃ!’(おっちゃん風?)」ですって。なぁ〜んか、おっちゃんの口調を真似てくださったりして、楽しい方でしょ〜? 私はまだ一度もお会いしたこともなければ声さえも聞いたことのない方なんですが、メールから伺える宮崎さんはとても温厚で、映画を観る子供たちのことをいつも一生懸命に考えてらっしゃる、素敵な方です(^o^)


こちらは、副調室から見た弦セクションの様子です。

写真にカーソルを乗せると、今度はおっちゃんの席から見た弦セクションが見えますよ(^.^)b

かなり小さくですが、カーソルを乗せたら出てくる方の写真の、真ん中にいるマサさんの姿も分かるかな〜?

この日の編成は、弦(マサさんのグループ:66442→64221→2222)、フルート(おっちゃん・金子奈美さん)、オーボエ(石橋雅一さん)、クラリネット(十亀正司さん)、ハープ(朝川朋之さん)、トランペット(菅坂雅彦さん・横山 均さん他1名)、トロンボーン(松本 治さん・山城純子さん他1名)、ホルン(南浩之さん他2名)、パーカッション(草刈とも子さん、高田みどりさん)、シンセ・オペレーター(丸尾 稔さん)、指揮(D島公二さん)、エンジニア(中村充時さん)という感じだったそうですが、弦の編成が最初「66442」となってるのは私のミスタイプではなく、本当にこういう編成だったんだそうです。何か宮崎さんの狙いがあったのか、予算などの大人の事情によるものか…とにかく、ちょっとユニークですよね♪

とにかく、全部で1時間もあるような音楽だったので、拘束時間も長めに押さえたのでは…とのことでしたが、録音はいたってスムーズで、おっちゃんは12時すぎには終わっちゃったそうです。そのときにはまだ居残りしてたマサさんたち弦セクションも、そう遅くならないうちに終わったようですね。何はともあれ、どちらさんもお疲れさまでした(^-^)

この映画、すでに7月15日から全国で公開されています。大海原を舞台とした壮大なスケールのお話と美しい映像を、宮崎さんのダイナミックな音楽で大いに楽しんできてくださいねo(*^^*)o


 

 

363 アニメ「シルクロード少年ユート」(平野義久)

2006年6月3日。サウンドインのAスタに行きました。この日は平野義久さんのお仕事で、秋からオンエアされる「シルクロード少年ユート」というアニメの音楽録りでした。このアニメは、主人公のユートが、ユートにしか見えない春麗という少女と、さまざまな時代のさまざまな街を旅しながら玄奘法師(げんじょうほうし)の秘宝を探す…というストーリーのようで、音楽もかなり中国的なサウンドを意識してらっしゃるようですよ。

その1つの例として、今回は事前に「中国の簫(ショウ)という楽器が使いたいんだけど…」なんてお話があったそうです。でも、そのあと「…とは言っても、ちょっと簫は無理だろうから、それに似たイメージでバスフルートを持ってきて欲しいなあ」というオーダーがあったようです。あとから分かったことですが、この「簫」というのは↑のリンク先の写真から見ても、たぶん女子十二楽坊の笛の女の子がときどき持ち替えで吹いてる、あの縦に長い笛のことだと思うんですが、どうやらケーナみたいな吹き方をするものらしいですよ。で、その代わりとしてバスフルートのオーダーがあったわけですが、おっちゃんは「中国の笛で、バスフルートの音域に合うような楽器があるんやろか…」なんて思いつつ、いつもの笛セットの他にバスフルートと明笛を持ってスタジオに入ったそうです。

ま、そんなこんなで録音が始まりました。この日の録音では、前にご紹介した「桜蘭高校ホスト部(328番参照)」のときのようなクラシック風のものは少なく、代わりにエスニック調…というか、エキゾティックな雰囲気の曲が多かったように感じたそうです。また、ちょっと現代音楽的な感じの曲もあったみたいですよ。う〜ん、現代音楽的って…不協和音がいっぱいってことなのかなあ。いや、そんな部分的な話ではなくて、もっと全体的に「現代音楽」って感じなのかなあ。何にしても、平野さんのことですから、とても効果的な使われ方をするんではないでしょうか。あ、この日の録音は、最初の2時間が全体でのオケ録りで、そのあとの1時間が、おっちゃんだけのダビングだったそうです。オケ録の方は、時間的にはちょっと厳しいところもあったようですが、特に問題はなく、ほぼ予定通りに終わったそうですよ。

その、おっちゃんだけでのダビングですが、ここで最初にお話したバスフルートが登場します。で、いざダビングが始まってみると、何とバスフルート用の楽譜のほとんどの部分が5線よりも上の音域で書かれてたとか…おっちゃんの記憶では、加線4本のA(ラ)の音まで出てきてたみたいですよ。バスフルートの音域は、ヘ音記号の楽譜で言うところの「ド」から上に3オクターブなんだそうですが、楽譜としてはト音記号の楽譜で書かれるんだそうです。つまり、吹くときには楽譜よりも1オクターブ下げて吹くとか…ひぃ〜ややこしい。とにかく、そのト音記号の楽譜で加線4本のA(ラ)の音っていうと、バスフルートで出せる音の最高の音から2つ下ってことになるんでしょうか…。何はともあれ、とんでもなく高い音ばかりで書かれてたようです。あ、バスフルートの音域に関しては、おっちゃんちの「楽器の性能・音域」の「バスフルート」のページなんかも参考にしてくださいね。

おっちゃんの話によると、アルトフルートやバスフルートなどは主に低音が出しやすいように作られている楽器なので、上の方…特にバスフルートの3オクターブ目になると、奏法をさぐりながら演奏するって感じになるんだそうです。何といっても、バスフルートの楽譜は、ほとんど下の2オクターブの範囲内で書かれてるそうですから…。そんなわけで、さすがのおっちゃんもバスフルートでこんな高い音ばかりを吹くというのは初めてだったそうですが、結果的にはこれが「簫」に近い音色かつ民族的なサウンドになって、なかなか面白い効果が出たようです。その場で奏法をさぐりながら演奏するっていうおっちゃんにもビックリですが、何といっても、そういう奏法を思いつく平野さんにビックリですよね〜!

こうして無事にバスフルートで3〜4曲を録り終えたあとにやってきたパート譜には、今度はただ「笛」とだけ書かれてたそうです。なので、これは明笛…つまり共鳴孔のある笛で対応しました(おっちゃんちにある明笛のページも参考にしてください)。この明笛を使って、先にやったバスフルートの曲に1オクターブ上で重ねたり、全く別の動きをするなどして何曲が録ったそうですが、こちらはけっこう簡単にいったそうで、おっちゃんは「やれやれじゃ(^^ゞ」なんて安堵の声をもらしてました。そうそう、中国楽器のお店のサイトを見ると、この共鳴孔のついた笛は「明笛」ではなくて「笛子」と書かれています。中国では「笛子」と言うようですね。で、おっちゃんが「どんな発音になるんやろな…?」なんて言ってたので、HP仲間で中国語に詳しい方に聞くと、あえてカタカナで表記するなら「ディーズ」って感じになるんだそうですよ(^.^)b

この日の編成は、弦(加藤ジョーさんのグループ:64221)、フルート&バスフルート&明笛(おっちゃん)、オーボエ(庄司知史さん)、クラリネット(松本さん)、ファゴット(菅原さん)、トランペット(アントニオさん)、トロンボーン(中川英二郎さん)、ホルン(藤田乙比古さん他)、パーカッション(草刈とも子さん)、ピアノ(細田真子さん)、打ち込み(杉本洋祐さん)、ラテンパーカッション(成島さん:後入れ)、指揮(はいしま公二さん)、エンジニア(亀川徹さん)でした。あ、ラテンパーカッションの成島さんは、おっちゃんがやった後で同じくお1人でダビングだったそうですが、今回はラテンと言っても、全くの和太鼓だったそうです。で、その成島さんは「奏法の指定が結構シビアに書いてあるんで、大変だあ!」なんておっしゃってたそうですが、こういうところからも平野さんの音楽の知識の深さが伺えますね♪

この番組は、2006年9月16日の朝8時6分から、BS2でオンエアされます。公式サイトを見る限りではCGがメインのアニメのようなので、私のような昔のアニメに慣れてる者には最初は少し違和感があるような気がしますが(…その前に、我が家ではBSが見え〜ん!)音楽はかなり聴き応えがありそうですよ。どうぞ、お楽しみにねo(*^^*)o

 

 

362 アニメ「シュヴァリエ」(大島ミチル)

2006年6月2日。サウンドシティのAスタに行きました。この日は、WOWOWの15周年を記念して制作された「シュヴァリエ」というアニメの音楽録りで、音楽は大島ミチルさん。レポ作成のために色々と検索してて見つけた情報によると、この「シュヴァリエ」という作品は、小説・コミック・アニメ…の、3つのメディアで同時進行になってるんだそうですよ。で、その内容ですが、作品タイトルの「シュヴァリエ(フランス語で‘騎士’)」からも想像できるかもしれませんが、物語の舞台は18世紀のフランスなんです。ある夜明けに1人の女性が亡骸となってセーヌ河に流れ着きます。彼女の名はリア・ド・ボーモン。その棺桶の蓋には謎のアルファベット「PSALMS(詩篇)」が刻まれていました。その彼女の弟、デオン・ド・ボーモンは秘密警察に属し、姉の死の真相を知るために捜査を続けるのですが、その捜査の中で知ってはいけない歴史上の秘密を知ってしまうことになるようです。さあ、そこからどんなドラマが展開されていくんでしょうねo(^-^)o

今年はちょうど「ダビンチ・コード」なんていう映画が公開されて世界中で話題になってるようですが、こうして禁忌の歴史に迫っていくあたりは、どことなく似てる気がしますよね。公式サイトのプロモーション映像を見る限りでは、絵がとても丁寧に描かれてて…そう、登場人物の背景にあるフランスの風景や建物なんかは、まるで芸術作品を見てるような感じがするくらい綺麗ですよ。これは色んな意味で、ほんとに期待できる作品だと思います。でも、悲しいかな、我が家ではWOWWOWは見えないんですよ…(T_T)

さて、この日の音楽は、曲数も多くて編成も大きいので、おっちゃんはその点からだけでも「かなり力の入っとる作品やなあ」なんて思ったそうです。で、あとになって私が「WOWWOWの15周年記念の作品やて」と話すと「なるほど、それでやな♪」なんて言ってました。ま、とにかく、その場では「こりゃ、気合を入れてかからんと…!」なんて思ってたそうですが、ありがたいことに合間に何度も休憩を取ってくれたりしたので、随分とリラックスして臨めたそうですよ。

そうそう、この日の音楽の特徴の1つとして、リズム隊が入っていないってことがあるようです。ちゃんと戦いのシーンっぽい曲やサスペンス的なもの、ちょっとオカルトっぽい音楽など色々とあったようなんですが、その全てをリズム隊なしでやったことで、全体的にソフトで上品な感じになっただけでなく、独特の世界観が現れてきたようです。また、おっちゃんはこの録音の時点ではどういう内容のアニメかは知らなかったわけですが、それでも「この曲はヨーロッパっぽい香りがするなあ」なんてことを感じてたようです。で、あとになって、物語の舞台が18世紀のフランスだと知って、その世界を見事に音楽で表現してる大島さんに、改めて感激したそうですよ。こういうお話って、聞いてる私たちも本当に嬉しくなりますよね〜♪

そのほか、低音が充実した、重厚なサウンドの曲もけっこうあったみたいですよ。レポの最後の方で詳しい編成をご紹介しますが、木管はファゴットまで入ってるし、コントラバスが3人もいたようなので、そのあたりからもサウンドの厚みを意識されてたことが分かりますね。また、ファゴットはチェロやコントラバスとユニゾンになったりして、とても印象的な使われ方をしてたそうです。表に出てメインになって目立つ…って感じではないのに、しっかりとその存在をアピールしてるところが、大島さんの音楽の魅力の1つとも言えるんじゃないでしょうか(^-^)


こちらは休憩中の3ショット♪

写真に向かって左から、佐分利恭子さん・大島さん・山田百子さんです。この山田さんは、大島さんの日記によく出てくる「バイオリンのももこちゃん」なんですよ。

何か、とっても微笑ましい写真ですよね(*^-^*)

実は、私には大島さん以外のお2人のお名前がちゃんとは把握できてなかったんですが、そこはマサさんが写真つきのメールでとても丁寧に教えてくれました(^o^)


ところで、この録音の前日、大島さんはNHKのラジオ番組に出演されてたんです。約1時間のそのコーナーの中で、大島さんが生まれ育ってきた長崎のこと、音楽との関わり、今のお仕事とそれに携わってるお仕事仲間の方たちについて…などなど、ほんとにたくさんのお話をしてくださった上に、3曲ほど即興演奏もしてくださったんですよ。これにはもう大感激☆彡

確か「今日この番組に出演しての感想(嬉しかった・楽しかったってイメージで…)」「出してもらったことへの感謝の気持ち(文字通り、ありがとうのイメージで…)」「今日から6月なので6月っぽい曲を(6月と言ってもこの日は良いお天気だったので、初夏のイメージで…)」っていう感じの3曲だったと思います。これ、どれもほんとにそんな気持ちが伝わってくるような曲で、おっちゃんを含むオンエアが聴けたHP仲間とは口々に「いい番組だったね〜♪」って言い合ったんですよ。聴き逃した方は、ほんっとに残念でした(>_<)

こんな風にほんとにお忙しくされてる大島さんですが、この日もとても元気に棒を振ってらしたそうです。ちなみに、現場ではこのラジオ出演のお話なんかもしてたそうですよ(^.^)b


こちらも休憩中の写真で、大島さんが差し入れのケーキを皆さん(主に女性)に配ってらっしゃるところなんだそうです。自称「食いしん坊」の大島さんだけあって、美味しいものを持ってるときの笑顔はまた一段とはじけてる気がしませんか?(*^-^*)

あ、この写真についておっちゃんは「わしはこんな甘いもんは遠慮しとくけど、甘いもん好きのあんたには是非とも見せたろと思うて撮らせてもろてきたんじゃ♪」ですって。はいはい、ありがとうございま〜す。んで、確かに美味しそう(*^o^*)

でも、やっぱり私は、この大島さんの笑顔に癒されるなあ。同じ女性から見ても、ほんとに素敵ですもん。こんな笑顔で、こんな美味しいものを持ってきてくれたら、どんなに疲れてても「はいっ、次も頑張りま〜す!」なんて言っちゃいそうですよ(^◇^;)


この日の編成は、弦(マサさんのグループ:86443)、フルート(おっちゃん)、オーボエ(庄司知史さん)、クラリネット(松本さん)、ファゴット(黒木さん)、ハープ(木村茉莉さん)、トランペット(?:3名)、トロンボーン(中川英二郎さん他2名)、ホルン(?:3名)、パーカッション(草刈とも子さん・高田みどりさん)、指揮(大島ミチルさん)、エンジニア(中越さん)でした。おっちゃんの話では、この編成で、この拘束時間だと、後半は弦の編成が小さくなってしまうことが多いんだそうですが、今回は最後まで86443のままだったそうです。このあたりからも、今回の番組への力の入れようが見えてくるようですよね(^.^)b

このアニメは、2006年8月19日の夜7時から、WOWWOWにて放送されます。私はいつか地上波で放送してくれるか、ビデオになってくれるのを願うしかないんですが、見られた方はぜひ感想を聞かせてくださいねo(*^^*)o


 

 

361 映画「それいけ! アンパンマン いのちの星のドーリィ」(近藤浩章)

2006年6月1日。アバコの301スタに行きました。この日は、この時期になると恒例の、映画「アンパンマン」の音楽録りでした。今年は「それいけ!アンパンマン いのちの星のドーリィ」っていうタイトルみたいですね。ちょっと昔のレポを見てみると、一昨年は6月9日で、去年は今回と同じ6月1日に録音が行われているようです。しかも、スタジオは毎回アバコスタジオ。あとでご紹介しますが、参加されてるミュージシャンの方々も毎年よく似た感じなので、おっちゃんは「このあたりに作曲家さんとインペク屋さんの特徴がよく出とるなあ」なんて言ってましたよ(^.^)b

さて、今回の音楽は、今までの映画の劇伴に比べると、アンパンマンのテーマ(‘そうだ 嬉しいんだ…’ってヤツ)がかなり多く顔を出していたように思ったそうです。そうかあ…じゃあ、ストーリーに引き込まれて必死で観てる子供たちも、ときどき「あっ! アンパンマンの歌〜!」なんて嬉しそうな声をあげたりするのかなあ。もしかすると、歌を口ずさみ出す子もいたりして…何か、想像してみると微笑ましいですね。そうそう、おっちゃんの笛のパートとしては、リコーダーが多かったみたいです。リコーダーの音って何となく優しくて可愛い感じがするから、こうした小さい子供向けの映画にはよく合うのかもしれませんね。

ところで、私にとって、この「映画アンパンマン」というのは、特別な思い出があるんです。というのも、実は、2004年に行われた映画の録音のレポ(142番)がキッカケで、伊豫部さんとお話させていただくようになったんですよね〜。で、確か、最初にいただいたメールのタイトルが「もう1人の‘はたらくおっちゃん’です」というユニークなもので、それまでの「エンジニアさんって、固くて気難しい人」というイメージを一気に変えてくれたのを思い出します。それからは時々メールの相手をしていただき、素人ならではの…音楽業界の方から言えば「基本中の基本」と言われる段階の更に前の段階のお話にも、いつも優しく答えてくださってます。こんな素敵な出会いがあることを思うと、音楽のことをほとんど分かってないなりにも、レポを続けてきて良かったなあと思う私です(^^ゞ


で、その伊豫部さんに今回の録音についてお話を伺ってみると、今回はストリングスセクションが並ぶフローリング部分のすぐ左側(つまりファーストヴァイオリン側)に大きな衝立を置いて、その横に木管セクション2列に並べる…という配置にしてみたそうです。

あ、右は伊豫部さんが書いてくださったメモです。

これで言うと、真ん中の線から下はカーペットになってるそうで、画像の左下に書かれてるのは、去年までの配置だそうです。で、左上に書かれてるのが今回の配置。弦の方にはちょっと狭かったかもしれませんが、木管さんはフローリングの上で演奏できたことが気持ち良かったそうですよ♪


この面白いセッティングに対してクラリネットの星野さんは「この場所、いいな♪」なんておっしゃってたようなので、おっちゃんにも様子を聞いてみたら「ほら、ブースに入れられるよりずっと気持ちええわ。まあ、このアンパンマンの録音のときは前も伊豫部さんがフロアに出してくれたんやけど、前は床がカーペットのとこやったしなあ…それから比べたら、ぐっと良かったわ。でも、わしの席からやと、ちょっと指揮が見にくかったんと、キューボックスの調子が悪かったんかクリックが聴こえにくうて、余計なNGを出してしもたわ。それがなあ…ほんでも、やっぱりあの伊豫部さんの配慮っていうんは、ミュージシャンにとっては嬉しいもんやで♪」なんて言ってましたよ(*^-^*)

このほか、小池さん(350番のレポをアップしてからは‘こいケロロさん’なんて呼ぶ声も…(^^ゞ)にもお話をうかがってみたんですが、私が質問メールをするのがちょっと遅くて「え〜っと…もう覚えてないなあ」なんてお返事になっちゃいました…。でも、仕方ないですね〜。小池さん、こうしたスタジオのお仕事だけでなく、コンサートの予定もたくさんあって、本当にお忙しいんです(そんな中で私のメールの相手なんぞもしてくださったりして…(;^_^A)。そのコンサートの予定などは小池ストリングスのHPやこちらで確認してみてくださいね(^.^)b


こちらは、レポとは何の関係もないんですが、アバコスタジオのすぐ近くにあるケーキ屋さんです。おっちゃんは、今までに何度となくアバコスタジオに通ってたのに、ぜんぜん知らなかったんですって。で、実はこのお店、うちのレポの読者の方が教えてくださったんですよ〜。何でもシュークリームがオススメだとか(^.^)b

おっちゃんはよく「はよ着きすぎたわ…ちょっとコーヒーでも飲んでくるか♪」なんて言ってるんで、そんなときに是非とも行ってみてほしいなあ〜なんて思ってる私です。でも、甘いものが苦手なおっちゃんは、なかなか「うん」とは言わんでねえ…今回も、こうして写真だけ撮ってきてくれました(;^_^A


編成は、弦(小池ストリングス:64221)、フルート&ピッコロ&リコーダー(おっちゃん)、オーボエ(石橋雅一さん)、クラリネット(星野正さん)、ファゴット(大畠條亮さん)、トランペット(エリック宮城さん他)、トロンボーン(広原正典さん他)、チューバ(佐藤潔さん:後半から参加…前半は誰かがつないでたそうな(^^ゞ)、ホルン(南浩之さん他2名)、パーカッション(金山さん)、アコーディオン(佐藤さん…?)、サックス(淵野繁雄さん)、ドラムス(岡本さん)、ベース(岡沢さん)、ピアノ(エルトン永田さん)、ギター(伊丹雅博さん)、シンセ(宮本さん)、ラテン(菅原さん)、指揮(熊谷弘さん)、エンジニア(伊豫部富治さん)でした。

この映画、7月15日から全国で公開されています。ママになったばかりの安達祐実さんもアフレコで参加してるようですし、なかなか見応えがありそうですよ。ぜひ観に行ってみてくださいねo(^-^)o


 

 

360 ハウステンボス用の音楽(大島ミチル)

2006年5月31日。目黒にあるヤマハのエピキュラスに行きました。実は、この録音の前日にインペク屋さんから「駐車場がかなり厳しいよ」という連絡があったそうです。何でも、この日は会社(つまりヤマハ?)の健康診断があって、レントゲン車などが3台も来るとか何とか…。で、いつも早めにスタジオに行ってるおっちゃんが更に早めに出かけたら、何とこの日は1時間以上も早く着いちゃったんですって。それでも、この日は既に2人も先に来てらしたそうですよ。まあ、とにかく無事に停められて何よりでした。で、ちょっと遅めに(でも、きっと普段よりは早いはず…)来られた方は、どこか外部の駐車場に停めに行かれたみたいですが、これからは駐車違反の取り締まりが一段と厳しくなるので、こういう事態になると大変でしょうね(;^_^A

さて、この日は大島ミチルさんとのお仕事で、長崎にある「ハウステンボス」で使う音楽の録音でした。おっちゃんは現場「2005年に愛知で開催された‘愛・地球博’の中に設置されてた‘三菱未来館’が、ハウステンボスに移築されるため」って聞いてきてくれたので、私は「もしかして愛知のときとは放映時間なんかが変わって録り直しするの?」なんて思ってたんですが、その後の大島さんの日記によると、追加として新たに録る…とのことのようですね。ん!?…ってことは、やっぱり愛知のときとは、少し放映時間が変わったりするのかも…これは是非、聴いてみたいところですね(^.^)b 


ちなみに、私はこの「愛・地球博」に行ってきたんです。で、丸1日かけて、やっとこの「三菱未来館」だけ見ることができました(@_@;)

写真にカーソルを乗せると、本編(?)に入る前の前座として、ロボットが説明してくれてるところが見えますよ(^.^)b

もちろん、この「愛・地球博」での音楽も大島さんだったんですが、このときは新日本フィルさんが演奏されてました。ダイナミックで、スピード感もドキドキ感もあって、いい音楽でしたよ〜♪


この追加録音の分は、まず2回ほど皆で練習して、一度テスト録音をしてプレイバック、そのあと少し「直し」があって、すぐ本番。本番も少し差し替えはあったようですが、基本的には1発OKだったそうなので、1時間弱で終わったみたいです…と、こう書くと、あれよあれよという間に終わってしまったように思えますが、この間も大島さんとスタッフさんとの間、大島さんと演奏家さんとの間では、厳しくも素敵なやりとりがたくさんあったんだと思います。どうぞ、是非もう一度、私が初めて体験させていただいた大島さんの現場レポ(349番)を読んでみてください。おっちゃんからの短い報告からでも色んな状況が想像できるのは、こうして生の現場を見せていただくことができたからだと、今でも本当に心から感謝しています(*^-^*)


ところで、この日の現場ではチラッと映像を見せてもらえたそうで、おっちゃんは「何や、アニメ風のキャラが色々と説明しとった」なんて言ってたんですが、もしかして左のような感じのキャラかも…?

あ、この落書きは、その愛・地球博から帰ってきてすぐのピアノのレッスン中に(!)次女が音楽ドリルの片隅に落書きしたものなんですが、少しは雰囲気が分かるかな? 地球と月がお互いの存在について語り合ってるところです(^^ゞ


そうそう、この日に録られた音楽は、このキャラたちが説明してるところに使われるんだそうですよ。おっちゃんたち木管のパートは3ページくらいだったそうですが、プレイバックを聴くと意外と長く、時間にすると10分くらいあったように思ったそうです。もしかすると、少し地元の長崎を意識したような説明も入るのかもしれませんね〜。

編成は、弦(マサさんのグループ:64221)、フルート(おっちゃん)、オーボエ(庄司知史さん)、クラリネット(山根公男さん)、ファゴット(武井さん)、ハープ(朝川朋之さん)、パーカッション(草刈とも子さん、高田みどりさん)、指揮(大島ミチルさん)で、リズム隊もブラスもなかったようです。全体的にソフトで軽やかな感じだったそうですが、それでもゆったりと伸びやかな雰囲気があった…とのことですので、大島さんらしく、訪れた皆さんが落ち着いて説明が聴けることを思いやって作られたのかもしれません。長崎方面へ行く機会のある方は、ぜひ楽しんできてくださいね(*^-^*)


 

 

359 新曲「笛吹き」(谷山浩子)

2006年5月26日。目黒にあるヤマハのエピキュラスに行きました。おっちゃんがエピキュラスに行くときはいつも1スタだそうですが、この日は2スタと呼ばれる小さなダビング用のスタジオでした。で、そのお仕事の内容ですが、インペク屋さんからのお話では「谷山浩子さんの新曲に何か笛をダビングしてほしい」とのことだったようです。この「何か…」ってところが大きなポイントかもしれませんね(^^ゞ
 
ところで、おっちゃんが 谷山さんとお会いするのは5〜6年ぶりじゃないか…とのことですが、おっちゃんのHPのリンクページにも書いてるように、この谷山さんはいつお会いしても全く変わらない、とっても不思議な方なんだそうです。今回も、おっちゃんはつくづくそれを再認識してしまったとか…。また、アレンジャーさんであり、プロデューサーさんでもあり、そしてキーボード奏者さんでもあり…と、何でもありの石井AQさんも前にお会いしたときのままで、おっちゃんは「ほんまに何年も会わんかったんかいな…」と思うくらい、不思議な気持ちになったそうですよ(^.^)b


で、久々の再会で雑談に花を咲かせたあと、しばらくしておっちゃんが「あのぁ…譜面なんてものは…?」って聞くと「え〜っと…あると言えばあるんですが…」といってAQさんが出てきてくださったのが、右の写真のようなものだったそうです。

はて…これは何?
このコードっていうのを見て、適当にやれってことなのかしらん? ひえぇ〜!(@_@;)


おっちゃんの話では、今までに何度も参加させていただいた谷山さんの録音のうちの半分くらいは、こういう楽譜(?)だったそうです。おそるべし、スタジオミュージシャン…っていうか、おっちゃん!

さて、いよいよお仕事モードに…。このメモのような楽譜ようなものを片手に、先に入ってた歌とバックのオケ(打ち込み)を何回か聴かせてもらって、ブースに入ったそうです。お仕事が始まる前に「楽器は、あまり高くない音域のものを…」という風に聞いてたそうなので、まずはテナーリコーダーでやってみたそうですが、さすがにこれはちょっと低すぎる…とのことで、今度はG管のケーナ(‘もののけ姫’のテーマを吹いたヤツ(^.^)b)でやってみたら「これがいいかな〜?」って言ってくださったそうです。

ただし、こういうコードだけを見て適当にやるっていうアドリブの場合は、G管のケーナなんていう移調楽器ではややこしいらしいので、C管のケーナに替えさせてもらって、あまり高くならない音域でもう一度やらせていただいたら「OK」がいただけたようで、楽器はこのC管のケーナに決まったそうです。 で、ほんとならここから「こんな感じの曲で…」なんてお話をしたいところなんですが、そのいうアドリブでやったお仕事なので、今となってはどんな感じで吹いたのかサッパリ覚えてないわけで、お仕事の報告としてはこれだけってことになります(;^_^A


こちらは、無事にお仕事が終わったあとに撮らせていただいた、谷山さんと石井さんの2ショットです♪

このお2人はずっと一緒にお仕事をされてるようですが、そのせいもあってか、何だか双子の兄妹みたいな雰囲気がありますよね(^o^)

写真にカーソルを乗せると、おっちゃんも加わった3ショットになりますよ(^.^)b


ところで、ここまで読んでくださった皆さんは「何か大事なものが足りない…」って思いませんでしたか? そう、肝心の曲名がないんです。現場で渡されたあの楽譜(?)にも書いてなかったし、別にそれを気にも留めずにお仕事をして、そのまま楽しい気分で帰ってきたおっちゃんが知るはずもなく…ってなことで、多分、近いうちに発売されるアルバムに収録されてると思うので、谷山さんのアルバムからケーナが聴こえてきたら「もしや…!?」なんて思ってみてくださいね(^^ゞ

…と、ここまではレポをアップした時点でのお話。その後、この曲のタイトルは「笛吹き」ということが分かりました。何か、おっちゃんにピッタリのタイトルですよね。まず、9月15日・16日に新宿の全労災ホール「スペースゼロ」で行われる、谷山さんのコンサートで歌われる予定のようですので、どうぞお楽しみにo(^-^)o

 

358 「三菱UFJ証券」CM(山下宏明)

2006年5月22日。この日は事前に「CM録音のお仕事で、作曲は山下さん」って聞いてたおっちゃん。どうやら初めてお会いする方みたい…と、わくわくしながらサウンドインのAスタに出かけました。で、お仕事が始まる前にインペク屋さんから「こちらが作曲家の山下宏明さんです」って感じで紹介され、名刺交換なんかをしたそうですが、そのお名刺に書かれてある山下さんちのご住所を見て「あ、このあたりは前に抜け道としてよく通ってたとこなんですよ♪」「あらま、そうでしたか!」なぁ〜んて会話があったようです。まだお若い方で、物腰のやわらかい、素敵な青年だったそうですよ♪

あ、ここでちょっと山下さんのご紹介を…山下さんは慶應義塾大学法学部法律学科をご卒業後、保険会社に就職されます。と同時に、音楽制作のお仕事を始められた…という、とてもユニークな経歴をお持ちの方です。また、今までに「東京ガス」「ヤンマー」「ロート製薬」「リンナイ」「ソニー」など、もうすでにたくさんのCM音楽を手がけられてるようですよ。今後のご活躍も楽しみなところですo(^-^)o

ところで、この山下さん。実は、うちの「仕事場探検レポ」をよく見てくださってるんだそうです。今のところ、お仕事は打ち込みをメインにされてるようですが、「楽器の編成とか生楽器の録音の様子が、とても参考になります」なんておっしゃってくれてたそうです。でへへ…何か、嬉しいですよね。こういう一言があるおかげで、今までの苦労が吹っ飛びますし、これからも頑張っていこう!…なんて思えます。でも、こうして「参考になります」なんて言っていただけるのは、何といってもおっちゃんのメモの力と、それぞれの立場から見た現場の様子を私に分かりやすく説明してくださる作曲家さんや演奏家さん、それにエンジニアさんなどのスタッフの皆さんのおかげです(*^-^*)

さて、この日のお仕事は、「三菱UFJ証券」のCMで、「フリーサイズ」「30秒」「15秒」と、3タイプの音楽を録ったそうです。ピアノ・弦・木管…という編成だったみたいですが、この他にも、ピアノソロヴァージョン、ピアノとヴァイオリン、ピアノとチェロのヴァージョンなども録られてたようですね。現場では映像もチラッと見せてもらったそうですが、お芝居かミュージカルの劇場のリハーサル風景っぽい感じのものだったそうです。そこに、おっちゃんたちが奏でた、ゆるやかなテンポの癒し系の音楽がつくことになるようです。

ちなみに、そのCMはすでにオンエアされてます。最初はピアノとチェロで始まって、最後の方におっちゃんのフルートが聴こえてきますよ。何ともおだやかな…それこそ、CMのコンセプトでもある「人に寄り添うような」優しいメロディですよ。ぜひ聴いてみてくださいね(^.^)b

編成は、弦(野口千代光さんのグループ:6422)、フルート(おっちゃん)、オーボエ(石橋雅一さん)、クラリネット(星野 正さん)、ファゴット(大畠條亮さん)、ピアノ(フェビアン・レザ・パネさん)、エンジニア(小幡さん)で、弦のグループは、トップの野口さんをはじめ全員が女性で、チェロのソロはRMAJのコンサート(137番251番参照)でおなじみの増本麻里さんでした♪

 

追記:このCMは↓こちらで見ていただけます。ほんと映像も音楽も美しいですよ〜♪


 

 

357 ゲーム「ルパン三世」(大野雄二)

2006年5月15日。サウンドシティのAスタに行きました。今回のお仕事は、事前に「大野雄二さんのお仕事で、中国風の笛を使いたいんだ♪」という連絡を受けてたそうです。中国風の笛といえば「明笛」ということになるわけですが、おっちゃんの手元にはまだ種類(キー)があまり揃ってないので、明笛の他に篠笛など色んな笛をいっぱい抱えて、スタジオに入ったそうです。それにしても、大野さんのお仕事では篠笛を使うこと自体がとても少ないらしいのに、ましてや中国笛なんて、一体どういうお仕事なんだろう…と、おっちゃんはこの日が来るのが、とても楽しみだったそうですよ(^.^)b

さて、そのお仕事ですが、前にもここでレポさせていただいた、ルパン三世のゲーム用の音楽でした…って、たぶん同じシリーズだと思います(^^ゞ 先に録ってあったリズム隊とブラス隊に、弦と木管、そしてマンドリンなどでダビングだったそうです。おっちゃんの話では、やっぱりこのくらいの編成になると、同録はなかなか難しいものがあるんちゃうかな…だそうですよ。そうそう、先に録ってた分にアドリブ風のフルートやバスフルートの音が入っていたそうですが、こちらはきっとジャズフルート専門(?)の方が吹いてらっしゃるんでしょうね。
 
おっちゃんがこの録音で使ったのは、事前にオーダーのあった中国笛の他に、パンパイプ、アルトフルート、フルートなどがあったそうです。で、問題の中国笛は、あんまり高い音になると共鳴膜が響かなくなってしまうんだそうですが、大野さんの方からは「それで大丈夫だよ(^-^)」なんて言ってくださったそうで、そのままやっちゃたそうです(;^_^A


こちらは、この日に使われた楽譜の一部なんですが、何だか細かな指示が色々とあって大変そうでしょ?

譜読みが大の苦手な私はこれがどんな曲だか想像がつかず、おっちゃんに「これって、どんな感じの曲?」ってアホ丸出しで聞いてました。そしたら「まあ、何となくエスニックっぽい感じかな?」って言ってたんで、エスニックっぽい曲なんだと思います…って、楽譜の読める方には無駄な話でしたね(^^ゞ

で、指示に従って(おっちゃんの場合‘指示に縛られずに適当に’とも言う…)これをベースに更にエスニックの香り大放出で遊びまくったそうですよ。ちなみに、楽器はD♭管の明笛を使ったんですって(^.^)b


この日の編成は、弦(加藤ジョーさんのグループ:4422)、明笛&パンパイプ&アルトフルート(おっちゃん)、オーボエ(庄司知史さん)、マンドリン(和智秀樹さん)、エンジニア(三浦さん)でした。いつごろ発売されるゲームなのか分かりませんが、もしゲームをやってて怪しげなエスニック調の中国笛の音が聴こえてきたら、ぜひゲームの手を止めて(そしたら銭形警部に捕まって終わってしまうんかな?(;^_^A)耳を傾けてみてくださいねo(^-^)o


 

 

356 西村由紀江シーサイドコンサート

2006年5月13日。5月にしては冷たい雨の降る中、ピアニスト・西村由紀江さんの「西村由紀江シーサイドコンサート」というコンサートにゲスト出演する…とのことで、鎌倉プリンスホテルに行きました。実は、この数日前に目黒のヤマハ音楽振興会でリハーサルがあって、そのときにもチラッと様子を聞かせてもらってた私としては「おお、ついに本番か!」って感じでした。

で、お昼前だったか、おっちゃんから「いま藤沢駅じゃ。寒いのぉ〜。ほんでまた、どっちへ行ったらええんやら、よう分からんわ。」なんて電話をもらったんですが、その電話の向こうではフルートの音色が…どうやら、路上ライブ(?)をしてたようで、思わず「おっちゃん、飛び入り参加してきたら?」「わはは! 何を言うとんじゃ〜!」なんて笑い合ったりしました。でも、「どっちへ行ったらええんやら…」なんて駅で迷子みたいなことを言ってるんですから、ほんとはこんなアホな会話をしてる場合じゃないんですけどね。でもまあ、その後は何とか無事に江ノ電に乗れて七里ヶ浜駅で降り、余裕を持って会場に着いたようです。

さて、西村さんの澄んだ温かい音色に魅了された多くのファンが集まる中、ついに本番スタートです。おっちゃんはプログラムの真ん中あたりで出て行って、2曲ほど演奏するだけ…って予定だったようですが、その本演奏(?)の前に曲当てクイズ…というか、イントロクイズみたいなものをやることになったそうです。まあ、事前にチラッと「クイズをやるかも…?」みたいな話はあったようですが、あんまりちゃんと聞いてなかったおっちゃんは何の心の準備もなく、ほとんど「ぶっつけ本番」って形になったようです(^^ゞ

そのイントロクイズですが、おっちゃんが今までに参加したことのある曲で、しかも一般の方に広く馴染みのある曲の中から「もののけ姫」「ゲゲゲの鬼太郎」「万里の河」などを選んで、ケーナやリコーダーで「ぴょろろ〜♪」って吹いてみたそうです。で、分かった人が手を挙げる…って感じだったそうですが、これが結構たくさんの方から手が挙がって、反応は上々だったようですよ。こういう企画って、妙に恥ずかしがって手を挙げない人ばかりで、ステージ上の人が場を取りつくろうのに苦労してる…みたいな場面を見かけることも多いのですが、この日はそんな様子は微塵もなかったとか。これはやっぱり、西村さんのあの素敵なトークと温かいお人柄の成せる業でしょうね〜。まあ、そんな感じで始まったクイズですが、手を挙げて発言してくれた答えが正解だったら、おっちゃんと西村さんの2人でその曲をちょこっと演奏する…という流れで、どんどん進められたそうです。で、このときに、ただ演奏するだけではなく、スタジオでの話なんかも交えながらの楽しい演奏だったようで、会場は大いに盛り上がったみたいです♪

こうして楽しいクイズコーナーは終わり、いよいよおっちゃんが本領を発揮するコーナーとなりました。この日おっちゃんが演奏したのは「耳をすまして」「手紙」の2曲で、どちらも西村さんのオリジナルです。あ、「耳をすまして」の方は、アルバムのレコーディングのときに木管アンサンブルで参加したんでしたよね(288番参照)。この曲は、アルバム録音のときはフルートだけで演奏したんですが、今回のコンサートでは一部リコーダーに持ち替えたりしたところもあるようです。また、次の「手紙」は、パンパイプのソロで始まる…というアレンジだったようですが、これがちょっと見た感じだと、何だか難しそうな譜面に見えたんですって。でも、「テンポやその他、何でも自由にやってください」なんて言ってくださったそうで、助かったとか…何か、「何でも自由に…」って言われた方が、余計に難しそうな気もしますけどねえ。で、これも途中でオカリナやリコーダーを何度も持ち替える…というアレンジになってたそうです。これには「できるだけ色んな楽器に持ち替えた方が面白いだろう」という西村さんサイドの意向があったようですが、これぞ「笛のおっちゃん」の腕の見せどころですよね。会場の皆さんも、この早業&多才ぶりに驚かれたんではないでしょうか?

このあと、おっちゃんは傍聴してるだけだったようですが、プログラムの中には「宇宙戦艦ヤマト」「逢いたくて逢いたくて」「恋のバカンス」など、宮川泰さんの曲もあったようです。西村さんはNHKの番組などで宮川さんと何度もご一緒されてたそうで、もし宮川さんがお元気だったら、この先もお仕事をご一緒するスケジュールが入っていたんだそうです(多分‘趣味悠々’という番組かと…)。会場では西村さんの「先生の曲を弾くと、先生がそばにいるような、会話をしているような気持ちになれるんです」というメッセージとともに演奏されたそうですが、西村さんと宮川さんの温かい心の結びつきみたいなものを感じますね。ああ…私も行けるものなら、行きたかったなあ(>_<)

この日の会場はホテルのバンケットホールというところだったそうで、おっちゃんの話では「多分、普段は結婚式場とかに使われとるところちゃうんかなあ」なんて言ってました。リンク先のサイトを見ると、ほんとに素敵なお部屋ですよね〜。で、この会場の写真を見ていただけると分かるように、大きな窓の向こうには大きな海が広がってるんですよね〜。この日はちょうどステージの後ろにこの海が広がってる…というテーブルセッティングだったようです。うん、まさに「シーサイドコンサート」って感じですよね。ただ、残念なことに、この日は生憎の雨模様だったので、せっかくの海も随分とくすんで見えたそうです。でも、西村さんをはじめ、スタッフの方々やファンの皆さんがとてもフレンドリーに接してくださって、心は快晴、青々とした海がどこまでも広がっているような、とても豊かな気持ちになれる楽しいコンサートだったそうですよ。

今回で8回目となるこの「シーサイドコンサート」。今のこの殺伐とした世の中で人々が忘れかけてる「優しさ」や「温かさ」、「人と触れ合うことの喜び」を思い出させてくれるためにも、これからもずっとずっと続けていってほしいですね(*^-^*)

 

 

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