おっちゃんの仕事場探検

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劇伴(映画・ドラマ・アニメなどのBGM)がどんなところで、どんな風に作られているのかを、おっちゃんから聞いたお話を中心にレポートしていきます。レポートの番号が進むにつれてだんだんと内容が濃くなり、ときには作曲家さんやエンジニアさんからいただいたコメントも出てきます。

ただし、これらは録音時の記録が主になっているので、実際にオンエアまたはリリースされたときにはタイトルが変わってる…なんてことも稀にあります。また、私の音楽の知識やパソコン技術の問題などによりお見苦しい点も多いかと思いますが、あたたかい目で読んでいただけると嬉しいです(*^^*)

こことは別の「スペシャルレポート」「オフラインレポート」などのページでも作曲家さんやエンジニアさんのお仕事ぶりやオフのときの様子をご紹介していますので、合わせてご覧下さい。

最後に…どうぞレポートをご覧になってのご意見・ご感想などを、ゲストブックやメール・ウェブ拍手などを通じてお聞かせください。今後の参考に、そして励みにさせていただきたいと思います。よろしくお願いしますm(__)m

 

 

 

 

444 OVA「シルバニアファミリー」(亀山耕一郎)

2007年3月2日。この日は亀山耕一郎さんとのお仕事で、サウンドインのAスタに行きました。亀山さんといえば、現在オンエア中の「ぷるるんっ しずくちゃん」で本当に明るく楽しい音楽をたくさん聴かせてくれてますが、この日の音楽もそうした子供たちの心を躍らせるような可愛らしい曲がいっぱいだったので、おっちゃんは「しずくちゃんの追加録音かな…?」なんて思いながらやってたそうです。

で、無事に録音が終わったあとに聞いてみると、これまた女の子が大好きな「シルバニア・ファミリー」の音楽なんですって。何でも、このシルバニア・ファミリーの動物たちがOVAになるんだとか…。そのOVAに関する詳しい情報はこちらを覗いていただければ…と思うんですが、何とレコーディングのときの様子が動画で見られます。実際にOVAに使われる音楽が聴けるのはもちろん、おっちゃんがフルートを吹いてたり、加藤ジョーさんのグループが演奏されてるところがしっかりと見られますよ(^.^)b

どうですか? 見られましたか? おっちゃんのオカリナが可愛かったでしょ〜? オーボエの庄司さんなんか、体を揺らせながら楽しそうに吹いてましたよね? また、私は「動く亀山さん」を初めて見たのですが、写真で見るよりも更に素敵な方ですよね〜? まあ、今回こうして動画を見たことで、この亀山さんのイメージと、今まで亀山さんが手がけられてきた子供向けアニメの可愛らしい曲の数々のイメージとが、今まで以上に結びつきにくくなった…って感じもするんですが、こんな風にレコーディング風景が見られるのっていいですよね〜♪♪

そうそう、この日のおっちゃんとしては、まずフルートのパートだけを録って、いったん休憩。そのまま2軒目のお仕事に行って、それが終わったらまた亀山さんの現場に帰ってきて、今度はオカリナやリコーダーを録る…という、ちょっとややこしいスケジュールになってたそうです。何せ、その2軒目のお仕事が先に入ってたし、その2軒目のお仕事の前に全ての録音を終わらせられるほど少ない曲数でもなかったので、こうするしかなかったんだそうです。でも、結局はちょっとだけ開始時間を早めたことで、無事に2軒目のお仕事までに全ての録音が終わったそうですよ。フルートなんかはけっこう曲数が多かったみたいなのに、とてもスムーズな進行でこうした結果につながったようです。おかげで、行ったり来たりする手間のなくなったおっちゃんも、とても喜んでるようでした(^o^)

この日の編成は、弦(加藤ジョーさんのグループ:6422)、フルート&ピッコロ&オカリナ&リコーダー(おっちゃん)、オーボエ(庄司知史さん)、クラリネット(加藤さん)、ファゴット(菅原さん)、打ち込み(亀山さん)、エンジニア(コロンビアの方?)でした。

このOVAですが、DVDの発売に先駆けて、まず4月21日の午前10時から、CS放送キッズステーションで2つのストーリーを放送してくれるようです…といっても、残念ながら我が家では見えないんですが、先ほどご紹介した制作現場の動画やプロモーションビデオを見ると、絵も声も、それに物語の内容も、とてもよくできてるみたいですね。どうぞ、DVDの発売をお楽しみにo(^-^)o

 

 

443 アニメ「おおきく振りかぶって」(浜口史郎)

2007年3月2日。サウンドシティのAスタに行きました。この日は浜口史郎さんとのお仕事で、2007年4月から放送されている「おおきく振りかぶって」というアニメの音楽録りでした。実は、今回のお仕事については、このところお世話になりっぱなしのインペク屋さんから「3月2日に浜口さんの‘おおきく振りかぶって’というアニメの録音があって、ストリングスとフルートとギターとドラムスのダビングです」ということを教えていただいてたんです。このときに「‘おおきく振りかぶって’…なんて、おもしろいタイトルのアニメだなあ」なんて思ってたんですが、野球のアニメなんですね。うんうん、これなら納得♪

先のインペク屋さんからのお話にもあったように、今回はダビングということでおっちゃんがやった部分に関してしか分からないんですが、おっちゃんがこの日に使った楽器は多かったみたいですよ〜。しかも、野球のアニメだというのに、メインとなるフルート以外に、ケーナにリコーダーにティンホイッスル、それに篠笛などなど…特殊楽器がとても多かったみたいです。どうやら単なるスポ根ものではなく、野球を通しての人との触れ合いや高校生ならではの心の機微なんかも描いたハートフルな作品のようですので、そうした様々なシチュエーションを色んな楽器の色んな音色で彩るのかもしれませんね(^.^)b

あ、お仕事のオーダーの段階では「横笛とホイッスルを…」という感じだったそうですが、実際に現場で楽譜を見てみると、おっちゃんには浜口さんがケルトっぽいサウンドを狙ってらっしゃるように感じたそうです。で、その横笛(つまり篠笛?)を使う予定だった曲はかなり細かい動きが多かったようですが、音域などから考えて、低いG管の篠笛を選んで吹いてみたそうです。でも、その篠笛ではなかなか細かい動きに対応しきれなくて、あのおっちゃんが悪戦苦闘したようですよ〜。そんな中で、おっちゃんはふと「同じ音域のG管のケーナはどうだろう…」ってことを思いついたようです。6孔の篠笛では難しい動きも、8孔のケーナだと随分と楽になるんですって。で、肝心の浜口さんからも「それでいいよ」と言ってもらえたそうで、それからあとは気持ちよ〜く吹けたそうです。篠笛とケーナではかなり音色が違うように思いますが、もともとがケルトっぽいサウンドを狙ってらしたのなら、かえって良かったかも…ですね♪

それから、ホイッスルを使う方の曲は、途中でかなり甲高くなってしまう部分があるので「あんまりけたたましくなるよりは、いっそソプラニーノリコーダーくらいの方が…」なんて思って提案したそうですが、浜口さんの方からは「やっぱり音色的にはホイッスルの方がいいかなあ…」とのお返事が来たそうで、そのままホイッスルで吹いたそうです。吹き終わったあと、エンジニアの吉田さんに「傍若無人に吹いとくから、あとはよろしく〜!」って言い残してスタジオを後にしたそうですが、はてさてどんな風に録ってくださったんでしょう。これもオンエアでのチェックのしどころですね。とにかく、この日は時間的には短かったそうですが、とても内容の濃い、やり応えのあるお仕事だったみたいです。

そうそう、録音の様子は分からないんですが、この作品のダビングに参加された方のお名前をご紹介しますね。弦は小池弘之さんのグループで、64221の編成でやったあとは1111…つまり弦カルになったそうです。ギターは今泉洋さんで、ドラムは佐野康夫さん。ほんとに素晴らしいメンバーが勢ぞろいって感じですよね。オンエアでは耳ダンボにして聴かないと…!

…ってなわけで、さっそくオンエアを楽しませていただいたんですが、おっちゃんのケーナと今泉さんのギターが楽しそうに踊ってました〜。弦もユニゾンっぽい面白い動きの曲があって、場面によく合ってましたよ。まだ始まったばかりということもあってか、明るくてコミカルな感じの曲が多かったですが、これから何やら色んな問題が起こりそうな物語の中で、どんな曲がどんな風に使われるのか、ますます楽しみになりましたよ♪

最後になりましたが…このアニメはTBS系では毎週木曜日の深夜1時25分から、MBSでは毎週土曜日の夕方5時30分からの放映されています。皆さんもぜひ見てみてくださいねo(^-^)o

 

 

442 アニメ「かみちゃま かりん」(辻 陽)

2007年3月1日。タワーサイドのAスタに行きました。この日は、2007年4月からすでに放送されている「かみちゃまかりん」というアニメの音楽録りでした。音楽は辻 陽さん。ごく普通の女の子が、ある日いきなり神様の力を持ってしまう…というコンセプトの作品で、幼稚園から小学校中学年くらいまでの女の子がメインターゲットでしょうか。公式サイトを見ても、そのサイトにある動画を見ても、と〜っても可愛い雰囲気ですよね。原作は講談社の「なかよし」に連載されているコミックのようですよ。

さて、この日のおっちゃんの予定は19時から2時間ということだったんですが、おっちゃんたち木管さんの前にやっていたストリングスが押しにも押して、終わったのは何と20時ごろ…ほんとは、ストリングスは18時には終わるはずだったんですって。で、おっちゃんたちは1時間おくれの20時から始まったそうですが、配られた楽譜の束の厚みと重さに皆さんそろって「こ…これは大変…(@_@;)」って感じだったそうですよ。

おっちゃんの話によると、スタジオで配られる楽譜は、大体の場合においてかなり厚めの紙を使うんだそうです。これはきっと、譜面台に立てたときの安定性が主な目的なんじゃないかなあ。ほら、演奏中にピロ〜ンと倒れてきても困るでしょうしね。そんなわけで、束になったときはグッと重みも増すわけで、実際の曲数よりは多く感じるんだそうです。でも、この日の楽譜はパソコンでプリントアウトされたもので、いわゆる普通のコピー用紙と同じ程度の厚さだったんですって。それなのにずっしりとした重さを感じる分量だったので「これは大変…(@_@;)」ってことになったんだそうです。

その音楽ですが、やっぱり作品そのもののイメージとして明るくて可愛らしい系の音楽が多かったようですが、中にはクラシック系のものもあって、なかなか面白い感じだったそうです。で、ファゴットとクラリネットとオーボエは先に録音を終えて帰っていったそうですが、おっちゃんのフルートは更に5〜6曲あったみたいで、居残って頑張ったそうですよ。最終的におっちゃんが拘束された時間は約5時間。最初の予定が2時間拘束だったわけなので、押した時間の方が多かった…ということになりますね。いやはや、ほんとにお疲れさまでした。そういや、いつもお仕事が終わるとすぐにメールなり電話なりで一報を入れてくれるおっちゃんなのに、この日は確か終わるはずの時間を1時間すぎても2時間すぎても何の音沙汰もなくて、私はちょっとドキドキしてたのを思い出しました(^^ゞ

編成は、弦(中川さんのグループ:先録り)、フルート&ピッコロ(おっちゃん)、オーボエ(広多智香さん)、クラリネット(山根公男さん)、ファゴット(霧生吉秀さん:元N響)、ホルン(井出さん他1名)ということで、木管4人とホルン2人によるダビングでした。ところで、この日のファゴットの霧生さんはおっちゃんと同じくらいのお年の方、オーボエの広多さんはおっちゃんの息子さんと同じくらいのお年の方、クラリネットの山根さんはちょうどその中間くらいのお年の方…ってことで、おっちゃんからは「色んな意味で幅の広いメンバーやったなあ」との報告もありました。

このアニメは、テレビ東京系で毎週金曜日の午後5時半から放送されています。実は、私もまだ見えて(聴けて)ないんですが、近いうちに是非…と思っています。皆さんも、おっちゃんたちが本当に大変な思いをしながら録音に臨んだ今回の音楽を、どうぞオンエアで聴いてみてくださいねo(*^^*)o

 

 

441 映画「ココロの星」(西村由紀江)

2007年2月22日。南青山のKIMのスタジオに行きました。おっちゃんとしてはちょっとお久しぶりになる西村由紀江さんとのお仕事で、「MAYU ココロの星」という映画の音楽録り(ダビング)でした。この映画は、大原まゆさんが書いた「おっぱいの詩」という本を映画化したものなんだそうですよ。内容としては、この「おっぱいの詩」というタイトルからも想像できるかもしれませんが、ご自身が体験された乳がんについて綴られたものです。私も本屋さんで何度も見かけてはいるものの、まだ手に取って読めてません…。でも、21歳という若さにして乳がん宣告をされ、手術から放射線治療にいたるまでの過程やその間の心情、治療中に出会った人々との心の交流などについて、決して「お涙ちょーだい」ではなく、思わず笑ってしまうくらいに明るく楽しく綴られているんだそうですよ。

さて、この日のおっちゃんの使用楽器はフルートとパンパイプだけだったそうですが、映画のオープニングから早速おっちゃんのソロが聴けるようです。オープニング…ってことは、ほんとに映画が始まってすぐなのかなあ。それとも、ちょっと前置きがあってから始まるタイトルコールのあたりの音楽なのかなあ。そのあたりがハッキリしないんですが、とにかくパンパイプの優しいソロが存分に楽しめるそうですよ。私は、前々からおっちゃんの吹くパンパイプの音色に対しては「風のような」とか「風に溶けるような」なんてイメージがあるんですが、今回の映画の内容を聞くとピッタリって感じですよね? 録音の際に西村さんの方からは「もし吹きにくかったら、ケーナや他の楽器でもいいですよ」なんて言われたそうですが、西村さんが書いてこられてたメロディを見ると「これはもう、絶対にパンパイプの音がいい!」って感じだったそうで、おっちゃんは迷わずパンパイプで演奏したそうです。

次にフルートを使った曲ですが…これは「狭いスタジオでやるには、ちょっと…」って思うくらい、ちょっと音域が高めだったそうです。そういえば、前におっちゃんが掲示板か何かで「フルートみたいな笛系は、ちょっと残響が感じられるようなところでないと吹きにくい」みたいなことを言ってましたっけ…。そこへ来て「高い音」となると、なおさらそんな風に思うんでしょうね〜。でも、そこはエンジニアの伊藤さんの様々な配慮やテクニック(ほんとはここが知りたいんだけどなあ)に助けられて、いい感じに録れたそうです。

また、中にはクリック無しで、ルバートしながら先に入ってる弦と合わせる…なんて曲もあったそうで、これもまた「むむむ…」となったおっちゃんですが、これは西村さんがブースの真ん前まで来て棒を振って下さったので、すんなり演奏できたそうです。あ、先の文中にあった「ルバート」というのはイタリア語で「tempo rubato」のことで、意味は「テンポを自由に動かしながら演奏すること」ですね(^.^)b

そうそう、この録音の最中に西村さんが「HPで使いたいから、ちょっとパンフルートを持ってみて♪」なんておっしゃってカメラを構えられたそうです。すると、何故かエンジニアの伊藤さんが撮ってくださったんですって。そういや、伊藤さんは今までに何度かうちのレポ用に写真を撮ってくださったことがありますが、いつも三脚なども出してきてくださったりして、上手に撮ってくださってますもんね♪


で、こちらがその写真ですが…んまぁ〜おっちゃんのこのデレデレぶりはどうでしょう〜?(^◇^;)

カメラを構えた伊藤さんも、おっちゃんにこんなゆるゆるの顔をされたら、一緒になってデレ〜ッとしちゃったんじゃないかなあ。でも、その気持ちは女性の皆さんでもよく分かりますよね〜。西村さん、いつもほんとに生き生きと、そしてキラキラとされてて、素敵です(*^^*)

私が探した限りではまだ西村さんのサイトにはアップされてないようですが、どんなところで、どんな風にこの写真が紹介されるのか楽しみなところですo(^-^)o


とにかく、そんなこんなで意外と早く録音が終わったので、最初に録ったパンパイプの音にオープニングの映像を合わせて見せてもらったりしたそうです。映画の舞台は、原作者の大原さんが生まれ育った北海道で、そのオープニングの映像は「いかにも北海道」って感じの広大な草原が映っていたそうです。でも、ほんとは「広々とした、あたり一面の雪景色」という予定だったんだそうですが、この異常なまでの暖冬で雪がなくて、そうした草原の映像になったんだそうですよ。いま色んな角度から地球温暖化や異常気象について取り上げられてますが、こんなところにも思わぬ弊害があったんですね〜。

ところで、この映画はいつから公開されるんでしょう…。色々と調べてみたんですが、私の力不足で詳しいことがつかめていません。また、何か情報が入り次第、HPでお知らせするようにしますね。それまでは、この映画の公開に向けて大原まゆさんご本人がつづられている、こちらのブログも合わせて読んでみてください。また、生涯学習ユーキャンのサイトで西村さんのインタビュー記事を見つけたんですが、こちらもとても心が洗われて元気になれる素敵なお話がいっぱいですので、ぜひ読んでみてくださいね(^.^)b

 

 

440 アニメ「桃華月憚」(多田彰文)

2007年2月19日。サウンドシティのAスタに行きました。この日は、おっちゃんとしてはちょっとお久しぶりの多田彰文さんによる「桃華月憚(とうかげったん)」というアニメの音楽録りでした。現場では多田さんの方から「学園もの」というような説明があったようですが、学園ものは学園ものでも何やら雰囲気が違うような感じですよ〜。詳しくは公式サイトを見ていただければ…と思うのですが、まず内容よりも何よりも先に思うのは、この番組は固有名詞が難しいってことでしょうか。物語の舞台は「上津未原」に造られた「桃歌台学園」いうところになるようですが、これは「かみつみはら」と「とうかだいがくえん」って読むんだそうです。ね?難しいでしょう?

で、その桃歌台学園と上津未原の古い豪族の家系「守東家(かみあずまけ)」の人々を中心とした恋絵巻で、この「上津未原」に関しては、春・夏・秋・冬…と、4つのテーマが用意されてたようです。おっちゃんからも「聴いてて心地よい音楽」「劇伴というよりは、インストって感じの音楽」なんて報告があったんですが、現場で聴いてらしたスタッフの方のお話によると、春はまるでそよ風のような綺麗な曲で、夏はアコースティックギターやボンゴなどが入ったエネルギッシュな曲、秋は優しいワルツ風で、冬はスタンドシンパルの効果が吹きすさぶ冷たい風を思い起こすような曲だったそうです。こうして聞いてるだけでもその情景が浮かんでくるようで、ぜひともちゃんと音で聴いてみたいところですよね〜。私が特に気になるのは、スタンドシンバルの使い方かなあ。どんな感じなんだろう…。全体を通して木管が目立つところが多かったようなので、おっちゃんのソロもたくさん聴けるかも…とのことですo(^-^)o

この日の録音は先に録られてるものにダビング…というスタイルだったそうですが、こうしたダビングの場合の多くはシンセなどの打ち込みに生楽器をかぶせるというものなんだそうです。でも、この日にイヤフォンから聴こえてきたのはどうも生楽器ばかりのようだったんですって。でも、かといって先にリズム隊を録っていたような気配もないのに不思議だなあ〜と思ったおっちゃんは「これはもしや…?」と思って聞いてみたら、何と全て多田さんご本人による演奏だったんだそうです。多田さんが色んな楽器を演奏されるってことを知ってるおっちゃんたちには「やっぱりなあ!」なのかもしれませんが、私たち一般人にとってはビックリですよね〜。

それにしても、カーブドソプラノサックスと言われる先の曲がった(アルトサックスをそのまま小さくしたような)サックスを篳篥のように演奏したのをはじめ、ヴァイオリンやアコースティックギター、それにパーカッションに横笛にお琴やヴァイオリンまで多田さんが演奏されてるんですって。何でも、最近はホルンも始められたとか…ほんと、多才な方ですよね〜。あ、この「カーブドソプラノサックス」は、こうして先を曲げることによって普通のソプラノサックスとは微妙に音色が違うんだそうですよ。このあたりのこだわりにも胸が躍る私です(^-^)


こちらは、インペク屋さんが撮ってくださったおっちゃんと多田さんの2ショットです♪

多田さん、サングラスとインナーの色が合ってて、なかなかオシャレですよね〜?

しかも、この2人のにこやかな笑顔…♪
ず〜っと前にどこかのレポで書きましたが、私は初めは多田さんに対して「ちょっと怖い人…なの?」なんてイメージを持ってたので、こうしたお顔を拝見するとほんとに嬉しくなりますね(^o^)


ところで、この日の面白エピソードを1つ…。こうしたスタジオでの録音の時点では、それぞれの曲にタイトルなんかついてない場合も多いと聞きますが、それはこの日も同じだったんですって。ただ、それぞれの曲の曲想については、けっこう詳しく書かれてたんですって。でも、その書き方が…(^◇^;)

たとえば「マンボ風」の曲には「万歩計」、「マイアミビーチルンバ風」の曲には「舞鶴湾岸通り」、「セレソ・ローサ風」の曲には「セレブにロース」って感じで…おっかしいでしょ〜。私にはその「セレソ・ローサ」や「マイアミビーチルンバ」というのがどんな感じの曲なのかは全く想像がつきませんが(聴いたら‘あっ!’って思うものもあるかなあ…)、このダジャレ的なタイトルには大笑いです。ほかには「シボネー風→脂肪肝」「ティコティコ風→こてこて」「南京豆売り風→ピーナッツセラー」「ランバダ風→アダブマール」なんかがあって、これに気づいたミュージシャンの皆さんも「ぷぷっ」って感じでウケてたそうですよ。これは、多田さんの新しい魅力ですね♪


こちらは、フルートの金子奈美さんと、↑の写真を撮ってくださったインペク屋さんの張替さんです。お2人ともほんっとに笑顔が素敵で、いい2ショットでしょ〜?

張替さんはこの録音の直前に胃腸炎にかかって大変な思いをしたそうですが、元気に復活されたようで何よりです(^-^)

あ、今回のレポは、編成から現場でのエピソードまで、かなりの部分でこの張替さんに助けていただいてるんですよ〜。感謝・感謝です(^o^)


編成は、弦(マサさんのグループ:64221)、フルート(おっちゃん・金子奈美さん)、オーボエ(石橋雅一さん)、クラリネット(星野正さん)、ホルン(南浩之さん他2名)、ピアノ(松田真人さん)、サックス&アコースティックギター&横笛その他いろいろ(先録り:多田彰文さん)、シンセ&指揮(多田彰文さん)、エンジニア(中村充時さん)でした。そうそう、ピアノの松田さんは、何とこの録音のわずか10日ほど前に、胆石の手術を受けられてたそうですよ。いくら腹腔鏡手術といっても、やはり大変なことですよね。たび重なる検査や入院、そして手術から抜糸までが詳しくつづられている松田さんの日記を読ませていただいて、私の方が苦しくなってたんですが、こうして元気に復活されたようで何よりです(^o^)

あ、おっちゃんたちが終わったあとに、トランペット(菅坂雅彦さん他2名)、トロンボーン(松本 治さん他2名)によるダビングや、小学校3年生の女の子(増山じゅりのちゃん:ミュージッククリエイション所属)による童歌に矢野かおりさんによるスキャットの収録などが行われたようです。

この「桃華月憚」は、2007年4月2日から、BS朝日・東京MXテレビ・サンテレビなどで放送が始まりました。残念ながら我が家では見えないんですが、見える方はぜひ多田さんがつけたユニークな音楽が実際はどんな雰囲気なのか、また多田さんご自身の演奏や、かなり目立ってるというおっちゃんたちの音色を存分に楽しんでいただければなあと思います。私はできるだけ早くレンタルビデオが出るのを祈ることにしま〜す(;^_^A

 

 

439 オーケストラで綴る日本の愛唱歌160選(宮崎慎二)

2007年2月15日。この日は↓の2つのお仕事の最終日となる録音で、サウンドインのAスタに行きました。アレンジャーは、イマジンの宮崎慎二さん。2つ下の青木さんのレポを読んでいただければ分かるかと思うんですが、今回の一連のお仕事の内容を知ることになったキッカケは、宮崎さんとマサさんからのメールだったんですよね。このころの宮崎さんは、別レポにある「おじゃる丸」のテーマソングの「書き」のほか、2007年の夏に公開されるポケモンの映画の予告用音楽の「書き」などが重なって、かなり大変だったみたいです。作曲家さんたちのお仕事に限らず、日常生活でも妙に色んなことが重なるときは重なるんですよね〜。不思議なもんです。で、きっと、皆さんがよく言う「缶詰状態」で頑張ってらっしゃるんだろうなあ〜なんて思ってたら、そこへまた宮崎さんからのメールが…!

何と「ミニ鍵盤を持って、北陸の方へ行ってきま〜す!」ですって〜。それを見て、私は勝手に「編曲だけでも大変そうやのに、地方で演奏のお仕事か何かなあ…」なんて思ってたんですが、実は北陸での私用のわずかな間にも、そのミニ鍵盤でアレンジを考えられれば…ってことだったみたいです。うわ〜何ていうか、作曲家さんっていうのは、ある意味で24時間営業ですよね。おっちゃんがよく「わしらはその場で演奏したら終わりやけど、作曲家さんやエンジニアさんはそのあとまだまだ色んな作業があるんよなあ」なんて言ってますが、これは主にトラックダウンとか何とかいう作業のことを指してるんだと思います。でも、こうした構想の段階から考えると、ほんとに作曲家さんは休む間がないですよね…いやはや、大変〜!(>_<)

さて、同じころに、今度はマサさんからも「明日はメイドの土産に、前から行ってみたかった柴又の退社句点にでも行ってみようかなと思ってる」なんてメールが来てました。あ、マサさんの書いてる「退社句点」とは、お察しの通り「帝釈天」のことですね。これは、青木さんのレポの中でお話したイスラエル行きの件から出てきたお話なんですが、その前日には「治安よりも食べ物が心配だから、好きなつまみとかカップ麺とかをたくさん持っていかなくては…」みたいなお気楽なメールが来てたのに、今度はメイドの土産とはまた…ほんっと、縁起でもないっ!(>_<)


そこで、ちょっと気分を変えようと「明日、柴又で何か面白そうなものを見つけたら写真を送って〜。そしたら、いま15日のアレンジで大変な思いをしとる宮崎さんに送って、元気づけてあげよ〜っと♪」って返信した翌日に届いたのが左の写真です。

写真にマウスを乗せると、ちょっと大きくなります(^o^)b

マサさん、この前日には行きつけのお店で髪もカットしてきたそうですよ。何気なく聞いてると「ああ、充実した休日を過ごしてるんだなあ」で終わってしまいそうですが、どうもイスラエル行きに向けて身辺整理をしてるようにも取れて、何だか複雑な気分です(>_<)


まあ、こんな感じで、柴又にいるマサさんからリアルタイムで写真が届いてるころに、ちょうど北陸から帰ってくる途中の宮崎さんから「ぜんぜん仕事できる状況じゃなかった」っていうドクロの絵文字つきメールが来たので、早速これらの写真をお送りしました。さてさて、その効果のほどはどうだったんでしょう? とうとうその録音当日を迎えることになりました…って、ようやく本題の音楽についてのお話です。ほんと、脱線が多くてすみませ〜ん(^^ゞ

まず、この日は「遠くへ行きたい」という曲から録音が始まりました。おっちゃんの話では、その昔、薄謝協会で放送された「夢で会いましょう」という音楽番組の中で紹介された曲で、レギュラーメンバーだったジェリー藤尾さんや坂本スミ子さん、飛行機事故で亡くなられた坂本九さんに梓みちよさんらが交代で歌ってたんですって〜。何でも、毎月1曲ずつ新しい曲を紹介していく…みたいな趣旨の番組だったそうですね。う〜ん、その番組のタイトルや存在は聞いたことがあるんですが、1961年から1966年までしか放送されてなかったようなので、私はリアルタイムでは見られてません…。でも、この「遠くへ行きたい」という曲は音楽の教科書に載ってたんで、ちゃ〜んと知ってますし、ばっちり歌えますよ〜♪ 

ちなみに、この曲は永六輔さんが作詞で中村八大さんが作曲というコンビで作られたそうですが、このお2人のお名前から「ろくはちコンビ」なんて呼ばれてたんだそうですよ。こちらでは日本語の歌詞と英訳の歌詞を、そしてこちらではオカリナ演奏も聴くことができるようです。おっちゃんの話では、宮崎さんはこの曲のアレンジにかなり悩まれたそうですが、その分とてもいいアレンジになってたそうですよ。あとで詳しい編成をお話しますが、この曲にはコントラバスまで入って、深みのある曲に仕上がってたそうです。

さて、2曲目は「浜千鳥」です。これは、鹿島鳴秋さん作詞・弘田龍太郎さん作曲の唱歌ですが、ほんとに綺麗な曲ですよね〜。私はこの曲もまた教科書で知ったんですが、その後は「愛唱歌集」みたいなもので何度も耳にしています。詞もいいですよね。宮崎さんのアレンジは、この詞の意味をしみじみと噛み締めることができるような、静かだけど豊かな…味わい深いものだったそうですよ♪


こちらは、宮崎さんとの2ショットです。

今までレポの中で紹介させていただいた宮崎さんの写真と言えば、遠くから撮ったうつむき加減のものとか、どなたかとお話してる最中の横顔とかばかりだったように思うんですが、この日ようやく念願がかなって、ちゃんとお顔を拝見することができました♪

宮崎さんって、いつでも、どんな状況のときでも、必ず相手を思いやる一言を忘れない…という、ほんとに優しい方なんですよ。お顔にも、そのお人柄が表れてるでしょ?(*^-^*)

このとき宮崎さんは「あ…パジャマで来ちゃったよ(;^_^A」なんておっしゃってたそうですが、そんなことないですよね〜?


話は録音のことに戻って…3曲目は「鈴懸の径(すずかけのみち)」です。佐伯孝夫さん作詞・灰田有紀彦さん作曲のコンビで作られ、最初は昭和17年に発表されたものだそうですが、ジャズクラリネットの鈴木章二さんの演奏で知った方も多いのではないでしょうか…な〜んて書いてますが、私はそのオリジナルも鈴木章二さんも知りません。ほんと、お恥ずかしい(>_<) あ、この「鈴懸」というのは「プラタナス」のことで、日本には明治時代に持ち込まれたものだそうです。街路樹としてよく見かけますよね。宮崎さんのアレンジは、なかなか粋な感じで、面白いものだったそうですo(^-^)o

4曲目は「揺籃のうた」なんですが、こう漢字で書かれると一瞬「はて…?」と思った方もいらっしゃるかもしれませんが(私だけ?(^^ゞ)、これは「ゆりかごのうた」ですね。おっちゃんはこの歌を、小学校の2年生くらいの時に学芸会で歌った記憶があるんだそうです。ほほぉ〜子守唄なんかを学芸会で歌ったりしたら、観に来てる保護者の皆さんが眠くなったりして…。それにしても、子供のころのおっちゃんの姿も、ちょっと見てみたい気がします(^^ゞ

ところで、ご存知の通り、この歌はワンコーラスが8小節しかないので、いくら4番の歌詞の分まで繰り返したとしても、やっぱりこれで3分間くらいの曲にまとめるのは大変なことですよね。おっちゃんも「アレンジャー泣かせやのう」なんて言ってましたが、ほんとにそんな感じかも…。まあ、とにかく、録音に取り掛かってみることにしたそうです。

で、その宮崎さんのアレンジの中には一部オカリナが出てくるそうで、まずはオカリナから録ってみたそうです。そこにフルートも入れて、何とかテスト録音が終わったあと、突然「そのオカリナのところですが、ピッコロにも変えられますか?」という声がかかったそうです。おっちゃんは「もちろん出来なくはないけど、ピッコロだと音色がちょっとねえ…オカリナだと何かマズイの?」と聞いてみると、どうやらオカリナ奏者の宗次郎さんが、同じこの曲をオカリナで吹いてるものがあることが分かったそうで、曲も楽器もバッティングするのはどうなんだろう…ってことだったそうです。なるほどねえ〜。

その後「何だったら、フルートでも…」「う〜ん、それもあんまり面白くないよねえ」「あ、リコーダーとかは?」「うん、じゃあ、それでやってみよう!」ってことで、結局はアルトリコーダーで落ち着いたそうです。最初はオカリナかピッコロか…なんて言ってたのがリコーダーの、それもアルトリコーダーになったってことは、音域そのものも下げたのかなあ。子守唄にアルトリコーダーだと低すぎるようにも思った私ですが、リコーダーのやわらかな音色と少し低めの音ってことで、きっと深くて丸みがあって、あたたかな音色になったんでしょうね〜。ああ、聴いてみたいなあ…でも、10枚セットで3万円かあ…バラ売りしてほしいよぉ〜(T_T)


この日の編成は、弦(マサさんのグループ:42221→4222)、フルート&オカリナ(おっちゃん・金子奈美さん)、オーボエ(庄司知史さん)、クラリネット(星野正さん)、ファゴット(大畠條亮さん)、ハープ(朝川朋之さん)、ホルン(藤田乙比古さん他1名)、パーカッション(高田みどりさん)、、ピアノ(美野春樹さん)、ギター&バンジョー(田代耕一郎さん)、指揮(宮崎慎二さん)、エンジニア(田中さん)でした。

誰が何の曲に参加したか…というのは、マサさんが送ってくれた左の写真を参考にしてみてくださいね(^.^)b

あ、右の写真では弦のトップは「2」になってますが、この録音の前日に「4」に変更になったそうです。


そんなわけで、この編成表には「オカリナ」と書いてありますが、実際はアルトリコーダーになったってことですね。とにかく、こうして無事に録音は終わったようです。宮崎さん、何だか色々とお忙しかったようですが、何とか「書き」が間に合ってほんとに良かったですね。お疲れさまでした(^o^)

あ、そうそう、このレポのアップギリギリのときに判明したんですが、宮崎さんのお話によると、どうもこの宮崎さんの録音は「オーケストラで綴る日本の愛唱歌160選」というCDセットのリメイク版だそうで、最初の青木さんと次の竜崎さんの「流行歌150選」とはちょっとだけ違うようです。で、↑のリンク先を見てみると、これまた「ああ、懐かしい…!」と、思わず口ずさみたくなるような曲がいっぱいです。わあ〜こっちのセットもほしいなあo(>_<)o


ところで、そのいう柴又帝釈天に行ってたマサさんからは、右のような写真も届いてたんですよ。携帯に届いたときのファイル名は「矢切の私」になってて、何かと思って開けると、こんな写真でした。何とも、マサさんらしいでしょ?(^◇^;)

で、もちろん、この写真も宮崎さんに送ったんですが、その日は何の応答もなかったんです。きっと、このマサさんの写真をはげみに、編曲の追い込みをしてたんでしょうね…と思ってたら、このインストの録音が無事に終わったあとで「マサさんの写真、ありがとうございました。しかし、大先輩から『はよう書かんかい!』と言われているようで、びみょーな? 感じ? で し た。」という、何とも吹き出してしまいそうなコメントが来てました(^^ゞ

だって、ほら…途中の「びみょーな? 感じ?」っていう疑問系の書き方もおかしいし、最後の方の「で し た」ってところも、ほんとにこんな感じで妙な「間」があったんですよ〜。宮崎さんったら、お茶目な方です(*^-^*)


さて、このマサさんですが、予定通りの3月5日の夜に、無事にイスラエルから帰国されました。国が国だけに、あちこちから心配の声が上がってたんですが、ほんとに良かったですよね。あとでマサさんに聞いた話によると、意外とぜんぜん物騒な目には遭わなかったそうですよ。これは、マサさんの日ごろの行い…でしょうかねえ。とはいえ、コンサートホールやスーパーマーケットの入り口にまで、空港にあるような金属探知機が置いてあるという環境だったそうで、あらためて無事に帰ってきてくれたことが、ほんとに嬉しいですよね(>_<)

こうして、今回の一連の録音は無事に終わったようです…って、まだ↓の竜崎さんのレポがアップできてませんが、何にしても聴けるチャンスのある方は是非ぜひ聴いてみてくださいね。そして、感想をお聞かせくださ〜いo(^-^)o

 

 

438 オーケストラで綴る日本の流行歌150選(竜崎孝路)

このレポはきっともうアップできないままになると思います…すみませんm(__)m

 

 

437 オーケストラで綴る日本の流行歌150選(青木 望)

2007年2月13日。サウンドインのAスタに行きました…なんですが、この日のお仕事のことをお話するまでには色んな回り道(?)があったので、今回はいきなり脱線したいと思いま〜す(^^ゞ

話は2006年の春までさかのぼります。そのころにヴァイオリンのマサさんから「2月にイスラエルに行くかも…」なんて聞いてたのを思い出した私は、2月のある日のこと、マサさんに「いま、イスラエル?」とメールしてみました。すると「いや、まだいる…! イスラエルは、2月22日から3月5日までだ! 2月13日から15日まではインストの仕事で、おっちゃんと一緒だよ〜」なんてお返事が来たんです。で、ちょうどそのマサさんからのお返事が来た日の朝にはイマジンの宮崎慎二さんから「15日にはインストの仕事でおっちゃんに会うよ」なんてメールをもらってたんで、マサさんに「もしかして、15日は宮崎さん?」って聞くと、下のような感じで13日から15日までの編成表を携帯写真で送ってきてくれました♪


これを見て初めて13日のお仕事が青木さんだと知って、私はもう大興奮(o^∇^o)

前にうちのレポの370番373番でもご紹介した「銀河鉄道物語 〜永遠への分岐点〜」がやっと、や〜っと関西MBSでも始まって楽しませてもらってたんで、その感想をメールしようと思ってたところだったんです。

でも、何やかんやで出しそびれてたので、マサさんからの写真を見た瞬間に勝手に「点と点がつながった♪」みたいな感じで大喜びしてしまいました(^^ゞ


さて、そんなわけで、何やら今回の青木さんのお仕事は、このあと15日に行なわれた宮崎慎二さんのお仕事までの、一連のお仕事の中の1つといった感じですが、どうやら2004年に発売された「オーケストラで綴る日本の流行歌150選」というCDに関するお仕事だったみたいです。どうぞ、リンク先のサイトの下の方を見てみてください。劇伴ファンだったら思わず小躍りしてしまいそうなくらい、超一流の作・編曲家さんのお名前がズラリと並んでますよ〜。そういや、そのCDに収録された曲の中のいくつかは、うちでもレポさせてもらったような…まあ、2004年ごろなんていうと、今のレポに比べるとほんとにあっさりしたものですけどね(^^ゞ

とにかく、2004年に発売したものの中の何曲かをアレンジを変えて再版する…とかいうコンセプトで始まった今回のお仕事ですが、マサさんが送ってくれた写真を見ても分かるように、青木さんは「長崎の鐘」「君恋し」「ルビーの指輪」の3曲のアレンジを担当されてるようでした。この「長崎の鐘」は藤山一郎さんの歌で、古関裕而さんが作られたものだそうですが、私はあんまり記憶にないんです…。テレビの「なつメロ特集」とかでタイトルくらいは見たような気がするんですけど…う〜ん。でも、もしかすると曲を聴いたら「ああ、知っとる〜!」ってことになるかもしれませんね。で、この曲を作られた古関裕而さんというのは、高校球児の間で歌われている「栄冠は君に輝く」を作られた方でもあるんですよ(^^)b

…と思ってたら、冒頭の部分だけですが、歌入りで聴けるサイトを見つけました〜。インストで全曲が聴けるのはこちら。ふむふむ、たとえ歌入りでも、あんな冒頭だけではなかなかピンと来ませんが、インスト版で全曲を通して聴いてみると、何となく聴いたことがあるような…。ああ、何にせよ、またしても私の無知ぶりを披露することになってしまいました(;^_^A


こちらは、お仕事前のマサさん(^-^)

このとき、おっちゃんからは「マサが しよる 」っていう絵文字つきのメールが来たんで、思わず「ええっ、仕事前にビール!?」ってビックリしたんですが、そのあとすぐ「まあ、マサさんなら、ありえん話ではないか…」なんて感じで勝手に納得してしまいました(^◇^;)

ま、結局は普通の缶コーヒーだったみたいですが、おっちゃんは「ああいう角度で撮ったら、ビールみたいやろ〜?」なんてイタズラな笑い方をしてましたし、ほんとに「マサさんだったらやりそう!」って感じもするでしょ?(^^ゞ


おっと、いきなり脱線してしまいました(;^_^A
この「長崎の鐘」ですが、おっちゃんはこの楽譜そのものを見るのは今回で多分2回目…しかも、ちゃんと見るのは今回が初めてだったそうです。でも、昔よく聴いてたそうなので、大体のメロディは覚えてたんですって。ほほぉ…いくら初見が得意なおっちゃんでも、やっぱり少しでもその音楽を知ってると、やりやすさが違うでしょうね〜。ただ、1ヶ所だけ、聴き覚えてたメロディと楽譜とが、微妙に違っているところがあったとか…。この歌を歌われてた藤山一郎さんという方は、楽譜にとても忠実に歌われる方だったみたいなのですが、それでも「こんなこともあるんだなあ」と、ちょっと驚いたおっちゃんなのです。

2曲目の「君恋し」は、おっちゃんが「あれはフランク永井さんの歌やと思いがちやけど、実はあれも既にリメイク版だったんやて〜」なんて言ってたので、ちょっと調べてみると…オリジナルは「二村定一さん」という方が、昭和4年ごろ(?)に歌われてたようです。もちろんSPレコードの時代で、歌詞も文語体だったそうですよ。あ、二村さんについての、もうちょっとマニア向けのサイトはこちらです。で、さらにおっちゃんは「この日のアレンジは、どっちかって言うたら、その永井さんのリメイク版に近い感じだったわ。やっぱり、大衆によう馴染んだ方…っていうんを意識したんかもしれんなあ」なんて言ってましたが、私はそのリメイク版さえもあまりよく知りません。先ほどの曲のタイトルのところに貼ったリンク先で音を聴いてみても、ピンとこないんですねえ…ほんと、お恥ずかしい(>_<)

あ、でもね、この日の現場にいらした若いミュージシャンの方々も、私と同じような感覚だったみたいですよ。で、おっちゃんがその若い方たちに「‘つばくろ’って知っとるか?」みたいに聞いてみたら「えぇ〜知りませ〜ん!」って返事が来たとか…ふっふっふ、これは私は分かるじょ〜。「つばくろ」って「ツバメ」のことですよね? いや〜何か、ちょっとホッとしましたよ(^^ゞ 

さて、この日の最後となる3曲目の「ルビーの指環」は、1981年2月に発売された寺尾 聰さんの曲ですが、レコード大賞をはじめ、色んな賞を総ナメにした大ヒット曲ですよね。これは私も知ってますよ〜。小学生のころ、リアルタイムで何度も聴きました。ああ、ここに来てやっと自信を持って文章を書ける…って気分です。ちなみに、よく「ルビーの指輪」という文字を目にしますが、ほんとは「指環」なんですって〜。で、おっちゃんからは「あの曲って、楽譜にしたら細かいシンコペーションが多いし、楽器でやったらリズムがハッキリしすぎて、あの曲のある意味‘かったるい’ような味が出にくいんよなあ。けっこう簡単やと思うとったのに、意外と難しかったわ。」なんて話を聞いたんですが、これはつまり、あの曲の冒頭でいうと「くぅん〜もぉ〜り〜ガァ〜ラスの…(曇りガラスの)」っていう、あのまったり(?)した感じを楽器では表しにくいってことですね。うん、確かに、あの曖昧さは難しいんだろうなあ…。とにかく、いろんな新たな発見をしながら、無事に録音を終えたそうです♪


こちらは、コントロールルームで談笑する、青木さんとエンジニアの田中さんです(^.^)b

おっちゃんのいつものデジカメではなく、携帯で一瞬の隙に撮ったので(これぞ、田中公平さんのいう‘盗撮’かも?(^^ゞ)ちょっとブレ気味ですが、大体の雰囲気は分かるかな〜?

で、このときのシャッター音に気づいた青木さんが「ああ、こんなとこを撮るくらいなら、車と一緒に撮ってよ♪」って言ったんですって。何で車と一緒にかというと…まあ、そのあたりの事情は、このすぐあとでお話しますね(^.^)b


編成は、弦(マサさんのグループ:2222)、フルート&ピッコロ(おっちゃん)、オーボエ(石橋雅一さん)、クラリネット(星野 正さん)、ファゴット(大畠條亮さん)、パーカッション(草刈とも子さん)、アコースティックベース(斎藤順さん)、指揮(青木望さん)、エンジニア(田中さん)でした。この編成について、おっちゃんは「これ、そんなに大きい編成には感じへんやろ? ほんでも、青木さんって人は、この中でほんまに色んな工夫をして‘この人数で、こんな音にできるんか…’って、感心させられたわ。」と、改めて青木さんの名アレンジャーぶりに感動しまくりのようでした。

そうそう、ピッコロは「長崎の鐘」の中で、ほんとにたった一声だけ出てくるんだそうですが、これがまたクラリネットの2オクターブユニゾン(クラリネットと同じメロディを、クラリネットの2オクターブ上の音域で吹くこと)で、ものすごく効果的な使い方だったそうですよ(^.^)b

こんな風に聞くと、何としてでもこのCDを聴きたいと思うんですが、CD10枚のセットで約3万円するんですよ…はあ。こうしてレポを始めて約4年半、スタジオでのお仕事について色んなことが学べるし、作・編曲家さんや演奏家さんのほか、そうした劇伴音楽が大好きな人たちなんかとの素敵な出会いもいっぱいあって本当に嬉しい限りなんですが、ほしいCDやDVD、観たい映画が多すぎて私の手に負えない…という悲しい現実もあるんですよね(T_T)


さて、気を取り直して、先ほどの車の件をお話しますね(^.^)b

実は青木さん、2007年の2月に…つまり、この録音の直前に、車を新しくされたんですって。しかも、それがまだこの時点での日本ではほとんど走ってないという型のジャガーで、もう嬉しくてたまらない…ってことから「車と一緒に♪」ってことになったわけですね。

で、おっちゃんも、できれば青木さんと車を一緒に…って思ってたそうですが、青木さんはまだまだダビングの真っ最中だし、おっちゃんも次に大島ミチルさんとのお仕事が控えてたので、先に失礼することにしたそうです。その帰り際に駐車場で撮ったのが左の写真ですが、何とも素敵なフォルム、渋い色でしょ〜?(*^-^*)


この録音の翌日だったでしょうか、青木さんから「無事に録音が終わりました♪」とのメールが届いたんですが、メールを開いてみてビックリ。かなり長〜いメールだったんですが、お仕事のことについて触れてるのは最初のたった2行だけ。あとはず〜っと、その新車のお話だったんですよ。青木さんって、お茶目な方でしょ〜? 何か私も、自分のことみたいに嬉しくて、ワクワクしながら読ませていただきました(^o^)

でも、よくよく読んでみると、何とこの車をイギリスに発注したのは、2006年の5月なんですって。つまり、半年以上も待ってたことでしょう? ひえぇ〜! 青木さんも、ここまで待たされたのは初めてだったそうですが、それだけ喜びも大きいってことですよね〜? それが証拠に、今回の録音のための編曲も1月末にはキッチリ終わらせて、あとは両手を広げて車の到着を待ってたみたいですよ。んで、届いたら届いたで、説明書を片手に、車にベッタリだったみたい…ほんと、かわいらしい方ですよね(^_-)-☆

この青木さんですが、このあとコンサートの編曲などをされて、またまたお忙しいようです。今度は、いつ、どこで青木さんの音楽に出会えるか、とても楽しみですねo(*^^*)o

 

 

436 アニメ「デスノート」追加録音(平野義久)

2007年2月12日。サウンドインのAスタに行きました。この日は、平野義久さんの作曲で、前にもレポートさせていただいたアニメ「DEATH NOTE」の追加録音でした。ちなみに、初回録音は「383番」を見てみてくださいね。で、その後、おっちゃんが参加させてもらった追加録音が1〜2度あったように思いますが、今回の録音が最終録音となるようです。

そんなわけで、もう何度も録音を重ねてきてたせいか、この日は小さめの編成で、木管なんかはおっちゃん1人だけだったそうです。その反面、楽譜の方はいっぱいっぱいで、まさに息つくヒマもないって感じだったそうですよ。そういえば、おっちゃんはいつも平野さんの録音のあとは「難しかったわ(@_@;)」って言ってることが多いような…。このあたりのことについて、エンジニアの亀川 徹さんに少しお話を伺ってみました(^.^)b

すると、亀川さんからは「アメリカ仕込みの平野さんのオーケストレーションは、いつも緻密で、しかもスケールが大きくて、演奏者にはかなり高度なテクニックを要求されるような音楽が多いですね。でも、さすが旭さんをはじめ、みなさんプロ中のプロが集まっているので、いつも‘初見で良くここまで出来るなあ’と、感心しています」というコメントを寄せてくださいました。また、さらに「そのすごいフルオケの楽譜が、何と全て手書きなんですよ。最近は楽譜も打ち込みで作る人が多いのですが、平野さんはパソコンは使わない方のようです。でも、楽譜には必要なことがちゃんと書き込んであるので、どういう音にしたいのかが読み取りやすくて、ミキシングする上でも非常に役に立ってますね。平野さんの音楽は、ほんとにミキシングのしがいがあります。」というお話も聞かせてくださいました(^-^)

こちらが、その亀川さんが絶賛している平野さんの楽譜の一部です。マウスを乗せると、画像が切り替わりますよ(^.^)b

もちろん、これは平野さんの直筆ではなくて、写譜屋さんによって書かれた「パート譜」なんですが、それにしても細かい音符がいっぱいで、楽譜が「真っ黒」ですよね〜。

しかも、5線以外の線がいっぱいついた高い音だらけで、よくまあフリガナなしで読めるなあ…と、ほんとに感心&感動だらけの私です(^-^)


ところで、先ほどの亀川さんのお話を聞いて、私にはふと疑問に思ったことが…それは「エンジニアさんは、楽譜が読めるの?」」ってことです。で、またもや恥ずかしげもなく、思いっきりストレートに「エンジニアさんは、みんな楽譜が読めるんですか?」「読めないと、お仕事にならないんですか?」なんて聞いてしまいました…(;^_^A

何かもう、色んなところから「無知すぎる〜!」「亀川さんにそんな質問、失礼すぎる〜!」なんて非難の声が聞こえてきそうですが、亀川さんご本人はとても優しく、また丁寧に教えてくださいました。ほんと、ありがたいですね〜。こうした亀川さんの優しさに触れるたびに、亡くなった川崎真弘さんが「紳士的で優しいおっちゃんだからね♪」って言いながら亀川さんを紹介してくれたときのことを思い出す私です。

さて、その亀川さんからは「担当するジャンルにもよると思いますが、基本的にはクラシック音楽の場合は読めた方が絶対に良いです。楽譜が無くても音楽は成り立ちますが、音楽を理解するための手段としては、ある意味で共通語のようなものだからです。いわゆる劇伴音楽の場合もスコアがあって演奏されるので、スコアに書いてある音をどう録音するのか…というのがまず最初に考える事になります。でも、ポップスやロックの場合は、楽譜というよりは歌詞カードやコード譜(コード進行が書いてあるだけの譜面)しかない場合があるので、その場合は楽譜が読めるよりは、音を聴いてコード進行がある程度わかった方が良いですね。作曲家や演奏家の方々と音楽について話ができることは、エンジニアとしての信頼関係を築く上で重要です。そのための手段として楽譜に書いてある事が(ある程度)理解できることは、不可欠とも言えるでしょうね。」という、ほんとに貴重なお話を聞かせていただきました。この場を借りて…亀川さん、本当にありがとうございました(^o^)

楽譜が読めるということ…それは、音楽を理解するために、ひいては作曲家さんや演奏家さんのことを理解するために必要なこと…。とても深くて、あたたかみのある言葉ですよね。で、これって、広い目で見れば、私たちの日ごろの生活にも通ずるものがありますよね。相手が何を言わんとしてるかを一生懸命に知ろうとすること、相手の心に寄り添って、色んな気持ちを分かち合えるようにすること…それらの長い長い積み重ねによって、人と人との絆は深く強くなっていくものなのではないでしょうか。ああ、亀川さんに素晴らしいお話を聞かせていただいて、ほんとにいい気持ちです(*^-^*)

この日の編成は、弦(加藤ジョーさんのグループ:64221)、フルート(おっちゃん)、ホルン(南浩之さん・大野さん)、バリトン&アルトサックス(福井健太さん)、ピアノ(細田真子さん)、打ち込み(杉本洋祐さん)、指揮(はいしま公二さん)、エンジニア(亀川 徹さん)でした。

あ、この日のサックス奏者である福井健太さんは、2006年11月に行われた「OVA 冬の蝉」の録音のときにおっちゃんと劇的な出会い(再会?)をした方ですが、この日はそれぞれ1人ずつ別のブースだったそうですよ。そのためにご挨拶なんかをする時間はなかったようですが、ここには何か平野さんや亀川さんの意図することがあったのかもしれませんね。このあたりも、ちょっと聞いてみたい気もするところですo(^-^)o

最後になりましたが、この「DEATH NOTE」は、2006年3月21日に2枚目のサウンドトラックが発売されました。音楽だけでも十分すぎるほど楽しめる作品かと思いますので、オンエアを見逃してる方もぜひ機会があったら聴いてみてくださいね♪

 

 

435 特撮「獣拳戦隊ゲキレンジャー」(三宅一徳)

2007年2月2日。三宅一徳さんとのお仕事で、サウンドシティのAスタに行きました。この日も、いつものように早めにスタジオに着いたおっちゃんですが、何だか駐車場には車がいっぱい…どうやら、先にブラス隊のダビングをやっていて、それがちょっと押し気味になってたみたいです。ま、とにかく、車を置いて、大荷物を持ってスタジオ入りすることにしました。あ、何で「大荷物」かと言うと、この日は事前に「中国風の笛」というオーダーが出てたそうなんですが、まだおっちゃんの手元には中国風の笛…つまり「明笛」は、全てのキーが揃っているわけではないんで、場合によっては篠笛で対応することも考えて、色んなキーの色んな笛を持ち込んだってことのようです。前日に三宅さんとお電話で音域なんかの話を色々としたみたいですが、最終的には「現場で聴いてから判断する」ってことになったみたいですね(^.^)b

さて、その明笛を使いたいというこの日のお仕事は、2007年2月18日からすでにオンエアされてる「獣拳戦隊ゲキレンジャー」という戦隊ものの劇伴でした。残業で頑張ってるブラス隊を横目に楽譜をもらってみると、まずはその重さにビックリ…で、パラパラと中身を見て「こりゃ、大変じゃ(@_@;)」って、ちょっと背筋がピンとしたそうです。こう思ってたのはおっちゃんだけでなく、周りにもそんな雰囲気が漂ってたそうですよ。

ダビングは、三宅さんが打ち込んでこられたデータにまずブラスを被せて、そこへ弦と木管、それにパーカッションを被せるという順序で行われたようです。クラリネットの平原さんは先のブラス隊の方でもサックスで入ってらしたので、かなりの長丁場ということになりますね。楽譜の量が量だけに休憩もあまり取れない過酷な状況だったようですが、録音そのものは至ってスムーズだったみたいですよ。だから、ブラス隊のダビングは押し気味だったのに、おっちゃんたちのダビングはほぼ時間内に終わったんですって。つまり、よっぽど手際よく、そしてベストな状態の演奏が出来たってことですよね。いや〜お疲れさまですm(__)m


これは、おっちゃんの席の前に並べられた楽器とその他いろいろ…。篠笛のように見えるのが明笛です。

写真にマウスを乗せると明笛のあたりが大きくなりますが、よく見ると響孔と呼ばれるところに、ビニールを貼ってあるでしょ?

何で、ビニールを貼ってるか…ってことについては、おっちゃんのHPの「明笛」のところを参考にしてくださいね(^.^)b


さて、全体での録音が終わったあと、いよいよ例の明笛の録音となりました。おっちゃんの話では、三宅さんという方はオクターブ感覚にシビアな方だそうで、なかなか「やりやすい音域で適当にやっといて〜♪」なんてことを言ってくださることはないそうです。で、おっちゃんもちょっと緊張気味だったそうですが、実際には思ったよりずっと「おっちゃん任せ」にしてくださったそうで、サラッと終わったみたいですよ。こうして任せてくださるのも、おっちゃんの感性を信じてくださってるからこそ…おっちゃん、良かったなあ〜♪

ところで、どうしてこの劇伴に明笛が入ったかというと、今回は中国武術の功夫(カンフー)の技を使って敵を倒すというシーンがいっぱいあるんだそうです。これは、作品タイトルの「獣拳」ってところからも、想像できるかもしれませんね。実際オンエアを見てみると、棍や三節棍、それに双刀なんかを使って、かなり本格的な武術をやってるんですよ。これは、チョー下手くそながらも娘たちに功夫を習わせてる私としては、ものすご〜く興味津々です。で、どうも、そうしたシーンで、おっちゃんの笛が使われるようですねo(^-^)o


これは、明笛を吹いてるおっちゃんです。

左手の親指のあたりでビニールがピロピロしてるのが邪魔じゃないのかなあ〜なんて思ってしまいますが、平気なんでしょうね♪

それにしても…このイヤフォン、派手!!(^◇^;)

今まで黒っぽいのとかグレー(白?)っぽいので、もっと小さいのしか見たことなかった気がするんで、ちとビックリでした(^^ゞ


ところで、この録音が始まる直前に、コントロールルームから何やら見たことのあるような方が出てこられたそうです。それは何と私たちのオフ会の仲間であり、この「はたらく おっちゃん」ページを作るときに私の強く背中を押してくれた1人でもある某ライターさんです\(^o^)/

何でも、取材で来てたんだとか…。おっちゃんから「○○ちゃん(←某氏の愛称)が来とる♪」と携帯メールが来たときは、私も思わず「おおおっ!」って感じで、とても嬉しくなりました。でも、先に書いたとおり、この日はとてもハードなスケジュールだったので、あんまりゆっくりはお話できなかったんですって。おっちゃんはそのことを悔やんでましたが、それでもちょっとでも会えたのはほんとに嬉しかったみたいです。仲間って、いいですよね(*^-^*)


こちらは、敵の臨獣殿というところのテーマとして使われる二胡の曲を、マサさんが弾いてるところです。

思いっきり「中華」してるわけではないんですが、やっぱり独特の味があります。

さっきお話した某ライターさんも「今年はカンフーモチーフの戦隊ヒーローなんで、やっぱりマサさんの二胡なんかは雰囲気を出してますよね♪」と、とてもお気に入りのようでした(^o^)


この日の編成は、弦(マサさんのグループ:44322)、フルート&ピッコロ&明笛(おっちゃん)、サックス&クラリネット(平原まことさん)、トランペット(?)、トロンボーン(中川英二郎さん他)、ホルン(藤田乙比古さん・萩原さん他1名)、パーカッション(草刈とも子さん・高田みどりさん)、打ち込み(三宅一徳さん)、エンジニア(三浦さん)でした。どちらかというと、中低音重視の編成なんでしょうか…何といっても「戦隊」モノですもんね♪

この「獣拳戦隊ゲキレンジャー」は、日曜日の朝7時30分から、テレビ朝日系列で放送されています。私はまだ2回しか見えてないんですが、それでもブラスのとどろく激しい曲から朝の連続テレビ小説に出てきそうな優しくて爽やかな曲、そして中国映画の獅子舞のシーンなんかで使われそうな賑やかな音楽まで、とてもバラエティに富んでて楽しめました。もちろん、マサさんの二胡もいい感じで響いてましたよ〜。ただ、個人的には、もうちょっと音楽の音が大きくてもいいのになあ…なんて思ったりもしましたが、今後の展開に合わせてどんな音楽が流れるのか、ほんとに楽しみなところです。ぜひ皆さんも、ちょっと早起きして見てみてくださいねo(^-^)o

 

 

434 劇場版「ワンピース エピソード オブ アラバスタ」(田中公平)

2007年1月31日。サウンドシティのAスタに行きました。この日は↓の「サクラ大戦」の録音に引き続き、田中公平さんとのお仕事で、2007年3月3日から公開されている劇場版「ワンピース エピソード・オブ・アラバスタ 裁くの女王と海賊たち」音楽録りでした。その「サクラ大戦」のときにおっちゃんが公平さんから伺った話によると、今回は何やら大人の事情とやらで、オケの曲数が少ないんですって…。具体的な数を言うと、全体でも10曲、その中で弦と木管とブラスが入ったのは7曲だけだったそうです。う〜ん、90分前後はある映画を、わずか10曲だけで彩る…ってのは絶対に無理だと思うので、残りは打ち込みの曲とかになるんでしょうかねえ。とにかく、そんな事情のせいか、この日のおっちゃんは2時間拘束だったみたいですよ。

ところで、劇場版ワンピースは今回で8作目になるそうですが、初回から回を重ねるごとに、だんだんと敵が強大になってきたんですよね。で、もう極限に近いとこまで行ってしまった…というか、ある意味「怖すぎる」とかで、2006年の映画「カラクリ城のメカ巨兵」から、ちょっとキャラやストーリーの方向を変えたんでしたっけ。そういや、うちの子供たちはワンピースの映画は全て観てるんですが、その「怖すぎる…」と言われた「オマツリ男爵と秘密の島」のルフィとオマツリ男爵との最後の闘いのシーンでは、ほとんど手で顔を覆って、指の間からそっと観てるんです。しかも、その手で器用に耳までふさいで…。それを見て思わず「ちゃんと音楽も聴いてよ!」と言うと、「これ、音楽を聴いとったら怖すぎて見えんのよ…最初はトロンボーンとかホルンがカッコ良かったのに、もうイヤ〜!(>_<)」ですって。公平さんや演奏家さんたちにはほんとに申し訳ない話ですが、でも、それだけ公平さんの音楽は映像とピッタリ合って、映画を大きく支えてるってことですよね〜? とにかく、そのあたりの詳しいお話は、2006年の劇場版の録音レポを参考にしてみてくださいね(^.^)b

さて、そんなこんなで2006年からイメージチェンジした「ワンピース」ですが、今回はどんなお話なんでしょうか…。原作のワンピースには様々なエピソードがありますが、その中でも今回はファンからの圧倒的支持を得ている「アラバスタ編」で、ただ激しい闘いがあるだけでなく、重厚で深くて熱くて…そして感動のシーンがたくさん織り込まれてる最高傑作のようですよ。公平さんの音楽も、基本的なワンピースのカラーは大事にしながら、随所にエキゾチックなフレーズがちりばめられてて、またまたものすごい大迫力なんですってo(*^^*)o

それにしても、ワンピースの映画の音楽って、そのたびに見事なまでにメインテーマがガラリと変わってくるので(ベースはしっかりと公平さんなのに…)、ほんとにビックリです。お寿司でいうと、「シャリは同じなのに、ネタが玉子焼きからイクラや納豆、牛カルビまであるよ〜!」って感じでしょうか…って、公平さんの音楽を、回転寿司と一緒にしてはマズかったかな〜?(;^_^A


おっちゃんが「今回は、人は多いわ、時間は短いわ、わしが終わったときはまだ公平さんはまだ小編成の棒を振っとるわ…で、写真や撮る余裕がなかったわ(;^_^A」なんて言ってたんで、我が家にあるワンピース関連のCDの写真を挿絵にしちゃいましょう(^^ゞ

あと1〜2枚は車の中に乗ってるんですが、とりあえず、私のお気に入りを並べてみました♪

しっかし…映画用に作られた音楽も、いつの間にかテレビ版の方で使われるようになってたりするんで、もう何が映画用やらテレビ用やら分からなくなってきますよねえ(@_@;)


この日の編成は、弦(小池ストリングス:86442)、フルート&ピッコロ(おっちゃん・西沢幸彦さん)、オーボエ(石橋雅一さん)、クラリネット(星野 正さん)、ハープ(朝川朋之さん)、トランペット(菅坂雅彦さん・西村浩二さん・横山 均さん)、トロンボーン(中川英二郎さん松本 治さん・秋永岳彦さん)、チューバ(佐藤潔さん)、ホルン(南浩之さん・丸山勉さん・岡村陽さん・下田太郎さん)、パーカッション(高田みどりさん)、ピアノ(松田真人さん)、指揮(田中公平さん)、エンジニア(中村充時さん)でした。冒頭のお話では何やらワケありそうでしたが、こうしてみると、いつもの素晴らしい皆さんが勢ぞろいって感じですよね(*^-^*)

そうそう、公平さんとエンジニアの中村さんのお名前が並んでるのを見て思い出したことが…。このお2人、公平さんは大阪で中村さんは京都…と、どちらも関西のご出身なんですよね? とある方からの情報によると(…って、怪しい人じゃないですよ〜っ!)いつぞやの録音のときに、お2人がジャンケンの話で盛り上がってたんですって。で、その場にいた方に「君はどこ? 横浜? んじゃ、普通の‘じゃんけんぽん’だろ?」なんてサラッと言い放って、また2人でワイワイ言い出したそうですよ。こう言われたご本人は「が〜ん(T_T)」って感じだったそうですが、この状況を想像してみると、何かつい笑ってしまいたくなるような…わははは(^◇^;)

ところで、確かに関東では「じゃんけんぽん」って普通に言うのが普通なんでしょうけれど、関西ではどうなんでしょう? 勝手に徳島の話と一緒にしちゃって申し訳ないんですが、たとえば「いんじゃんほい!」とか「じゃ〜んけ〜んで、ほ〜い!」、はたまた「お寺の和尚さんがカボチャの種をまきました…」みたいな歌つきだったりするんでしょうか。とにかく、かなり楽しそうにお話してたそうですよ〜。そのときって、お2人とも関西弁で話してたのかなあ。そういえば、私はたった一度しか公平さんにお会いしたことはないんですが、そのときの公平さんは標準語で、しかもけっこう穏やかな話し方だったように思うんです。でも、実は公平さんって、かなり関西的なノリでお話される方なんでしょうかね〜。吉本新喜劇みたいなギャグも言うんでしょうか?(何てったって、ダジャレ大王マサさんの親友ですもんね♪)もしも、またお会いする機会があったら、ちょっと確かめてみたいところですo(^-^)o

話は戻って…この映画ですが、2007年3月3日から、全国でロードショーされています。今回は歌手の川嶋あいさんも声優として登場するそうなので、また新たな楽しみ方もできそうですよ。劇伴の曲数そのものは少ないようですが、そのあたりのモノ足りなさは公平さんの書かれた大迫力の音楽が十分にカバーしてくれそうですので、ぜひ音響設備の整った映画館で楽しんでくださいね。私も春休みになったら、子供たちと観てきますo(^-^)o

 

 

433 OVA「サクラ大戦 ニューヨーク紐育」(田中公平)

2007年1月29日。六本木のサンライズスタジオに行きました。このサンライズスタジオは、おっちゃんにとっては数年ぶりのところ。最初にお仕事の連絡をいただいたときは「はて…どこだったかなあ?」って感じだったそうですが、ファックスで地図を送ってもらって見てみるとすぐに思い出したようで、無事に行き着くことができたようです。

このスタジオは、ほんとは地下鉄で行った方が便利なところにあるようなんですが、この日は事前に「エジプト風の笛を持ってきて♪」なんていう難しいオーダーが入ってたみたいなので、車で行くことにしたんですって…って書くと、「えっ!? エジプトの笛って、そんなに大きいの!?」なんて思っちゃう人もいるんじゃないでしょうか…。実は、おっちゃんが持ってる笛の中にはそのいうエジプト風の笛っていうものはなかったので、とにかく色んな笛をい〜っぱい持っていって、その中から選んでもらおうってことで、車じゃないと行けないくらいの荷物になってしまったってわけですね(^.^)b

おっちゃんがスタジオに入ると、音楽を担当される田中公平さんを始め、イマジンの皆さんも既に勢ぞろいされてて、データの立ち上げや、打ち合わせなんかをやってらしたそうです。そこへおっちゃんが「今日はモノは何すか〜?」って聞くと「サクラですよ、サクラ大戦♪」なんてお返事が来たそうで、またまたそこへ「あ、サクラ大戦かあ。映画ですか?」って聞くと「いや、OVAなんですよ(^.^)b」って教えてくださったそうです。



こうしたやりとりをもとに「サクラ大戦」のサイトを見てみると、2007年4月4日に左の画像のような新しいOVA「ニューヨーク・紐育」というのが発売されるようなんですよねえ。で、「このための録音なのかな〜?」って感じで書いた状態でイマジンにレポの内容確認のお願いをしたら、公平さんのマネージャーさんが「そうそう、このDVDの録音ですよ♪」って教えてくださいました(^o^)

このOVAは、ほとんどのところで6090円で発売されるようなんですが、Amazonだけは4568円と、とってもお得のようでした♪…って、まるでアマゾンの回し者みたいですが、決してそんなことはないんですよ。第一、私の場合はまず、皆さんが大絶賛している「武装錬金」のサントラからゲットしなくっちゃあo(^-^)o

ちなみに、左のイラストがDVDのジャケットになるようですが、このイラストのHP上での使用に関しては、公平さんのマネージャーさんを通して、SEGAさんに正式に許可をいただいてます(^.^)b

(C)2007 SEGA/RED
Character Design (C)RED


とにかく、そのエジプト風の笛を使うという楽譜を見せてもらうと、やっぱりちょっとエキゾチックな音階で、この音や音域に合う楽器はどれだろう…と色々と考えた結果、とりあえず「A♭管のケーナはどうかな?」という見通しを立ててみたそうです。そういや、おっちゃんの原稿には「増二度を含んだ音階」みたいな言葉があったんですが、増二度って何でしょう? う〜ん…エジプト風ってことなので、たぶん壺からヘビがにょろ〜んと出てきそうなメロディのことなんだと思います(^^ゞ

こうしておっちゃんが楽器を選んだところに公平さんがいらして「エジプトの笛は、どんな具合ですかね〜?」みたいに声をかけてくださったそうです。で、おっちゃんは「いや〜キーと音域からすると、こんな感じかなあと…」って言ってピロピロ〜ッと吹いて聴いてもらうと「あ、いいんじゃない?」と、即OKですって〜。そのあと公平さんとおっちゃんとの間では「実は、私もあんまりよく知らないんで…」「そうですよね〜。大体、あっちの音階は12平均律とかじゃなくて、何か変な音階なんでしょ〜?」みたいな会話があったとか。まあ、そんな感じで録音が始まったわけですが、実際の録音の方は思ってたよりもずっと簡単に、それこそ「え? これでいいの?」ってくらいあっさりと終わったそうです。うん、これぞまさしく「案ずるより、生むが易し」でせうか(^^ゞ

で、おっちゃんのパートが終わって片付けてたら、そこへイマジンの丸尾さんがウクレレを弾きながらスタジオに入ってきたそうです。何でも、そのDVDの中で登場キャラの1人がウクレレを弾いてるというシーンがあるそうで、そのシーンのための演奏を丸尾さんが担当されるってことだったようです。丸尾さん、この日がスタジオでのウクレレデビューだったんですって(^_-)-☆


このシーンの録音に関して、おっちゃんのほかにベルベットラインの張替さん(421番の武装錬金レポの4人の写真を撮ってくださった方♪)からも色々とお話をうかがえたんですよ〜。それによると…

丸尾さんは、ちゃ〜んとそのアニメのキャラが押さえてるコードと同じコードを弾いたんだそうですよ。コードとしては4つだけだったそうですが、それにしても細かいですよね〜?


現場では「とにかくサクラ大戦のファンはチョーマニアックな人が多いから、キャラが押さえてるウクレレのコードと聴こえてくる音が違ったら突っ込まれるかもよ〜?」なんて声があったそうで、それを受けて公平さんも「うんうん、マニアはこういう細かいところまでチェックするんだよ」なんて言って笑ってらしたとか…(^◇^;)

この日のメンバーは…エジプト風の笛っぽいけど実はA♭管のケーナ(おっちゃん)、打ち込み&ウクレレ(丸尾稔さん)、エンジニア(中村充時さん)でした。つまり、この日はダビングだけだったってことですね。全体の録音は、別の日に既に行われてたんじゃないかと思います。そのときのメンバーは…もしも情報が入ったら、こちらでお知らせしますね(^.^)b

そうそう、この日の楽譜は経費節減とやらで、何と公平さんの直筆だったそうですよ〜。あとからそれを聞いて「おっちゃん、そんな楽譜はこっそり持ち帰るか、せめて写真くらい撮ってきてくれんと…(T_T)」と、悲観しまくりだった私を元気にしてくれたのは↓の写真です。


左から、エンジニアの中村さん、おっちゃん、丸尾さん、そして我らが公平さんですね(^o^)

あ、この写真を撮ってくださったのも、先ほどお話したベルベットラインの張替さんなんです。実は、最近とあることがキッカケで親しくしていただいてるんですが、とっても明るくて楽しくて、音楽が大好きな素敵な方なんですよ〜。

まだ実際にはお会いしたことはないんですが、おっちゃん曰く「ほら、かわいらしい女の子じゃよ(^-^)」ですって。張替さんからメールがくるたびに、まるで恋人からのメールのように嬉しくて、ゆるゆるの顔で読んでる私です♪


うちのレポもよく見てくださってるそうで、これからは写真係のほかに、おっちゃんがお名前を聞きそびれてきたミュージシャンの情報や現場でのエピソードなど、色んなところで助けていただけるかもしれませんので、どうぞお楽しみにねo(*^^*)o

今回の「サクラ大戦」に関するレポはこれで終わりですが、あまり間をおかないうちに今度は「映画ワンピース」の録音レポも作る予定です。たくさんの人が居合わせた、とても慌しい現場だったみたいなので残念ながら写真はないんですが、少しでも楽しいレポになるよう情報収集につとめますので、楽しみに待っててくださいね(*^-^*)

 

 

432 おじゃる丸のテーマソング(宮崎慎二)

2007年1月26日。溜池のクラウンのスタジオに行きました。この日の朝、おっちゃんから「今日はイマジンの宮崎さんとの仕事やで♪」って聞いたあと、2人で「何だろか…ポケモンの映画にしては、ちと早い? ほな、春からの新しいアニメとか、演歌とか?」なんて話をしてたんですが、何よりもまず、宮崎さんにお会いできることをとても嬉しく思った私です…とまあ、こう書くと、私が実際にスタジオにお邪魔して宮崎さんにお会いするようですが、そうではないんですよ〜。でも、おっちゃんがあとで詳しい報告をしてくれるし、宮崎さんも大変な「書き」の合間にマメにメールをくださったり…そう、ときには出先から携帯で可愛い絵文字なんかもつけて、作品の説明や「書き」の状況を教えてくださったりするんで、何かもう一緒にその場に行って、お会いしてるような気持ちになるんです(^o^)

さて、その気になるお題はというと、あの子供たちに大人気のNHKアニメ「おじゃる丸」のテーマソングの録音だったんですって。これを聞いたおっちゃんはすぐ宮崎さんに「ああ、おじゃる丸やったら、うちの編集長んちの子も見とるはずですよ♪」なんて言ってくれたそうですが、そらもうテレビにかぶりつきで見てますよ〜。ひどいときは、あの10分の間ずっと宿題のプリントに鉛筆を突き立てたまま(答えとかを書きかけのまま止まった状態で)、最後の歌まできっちり歌ってますよ。ほんと、親の立場としては「こんな5年生で大丈夫か!?」と突っ込みたくなりますが、宮崎さんの手がけられた曲を楽しんでる子供の姿も是非とも見てみたいし…複雑です(^◇^;)

でも、何にしても、原作者の犬山りんさんが2006年の9月に早すぎる死を遂げられてからは、私の周りでも「おじゃる丸、どうなるんやろなあ…」なんて心配する声がたくさんあったのですが、新しいテーマソングを作るところなんかから見ると、どうやらずっと続けてくれそうなので、それはほんとに嬉しいことですよね(^-^)


そうそう、宮崎さんはもう「おじゃる丸」の代名詞といってもいいくらい有名になった北島三郎さんが歌うオープニングテーマ「詠人(うたびと)」をはじめ、2000年に公開された映画の挿入歌「約束の夏」やテレビ版のエンディング「まったり音頭」、アルバムの「ミュージカルでおじゃる」などを手がけられてますが、いつも「編曲」をされてたんですよね。

ところが、今回のこの曲は、何と宮崎さんが作曲と編曲をされてるんだそうですよ。その名も「さんきゅっきゅダンシング」。またまた可愛いタイトルですね〜♪…って、タイトルや詞は、宮崎さんではなかったんでした(^^ゞ

左の画像は、宮崎さんのマネージャーさんを通して、関係者さまからきちんと使用許可をいただいてます。無断転用はご遠慮くださいね(^.^)b


でも、その可愛いくて楽しそうなタイトルの通り、ほんとに明るい曲なんだと思いますよ〜。だって、この日の弦は「222」。これは、ファーストヴァイオリン2名+セカンドヴァイオリン2名+ヴィオラ2名…じゃなく、ぜ〜んぶヴァイオリンで、2人ずつ3声(3パート)に分かれてやってたんですって〜。ここからも、何となく明るく楽しい音楽が想像できるでしょ?(^_-)-☆

あ、この日は宮崎さんが打ち込んでこられたシンセのデータに、佐藤のゆりさんグループによる6人のヴァイオリンとおっちゃんのフルート&ピッコロをダビングするというスタイルの録音だったようですが、おっちゃんのパートは更に1人でダビング…つまり、1人2重奏というのがあったようです。だから、おっちゃんだけは拘束時間が皆より30分ほど長かったみたいですよ(^^)b

あとで宮崎さんに聞いたお話によると、この「さんきゅっきゅダンシング」は、おじゃる丸の第10シリーズのエンディングテーマなんですって。川野夏美さんという方が歌われるそうで、2007年4月4日にはマキシシングルも発売されるようです。ということは、もう間もなくテレビを通して私たちの耳にも届くはずですので、どうぞお楽しみにねo(*^^*)o

 

 

431 映画「北辰斜にさすところ」(和田 薫)

2007年1月22日。アバコの301スタに行きました。この日は和田薫さんとのお仕事で、何でも「北辰斜にさすところ」というタイトルの映画の音楽録でした。このタイトルを聞いて、私はまず「北辰? 何? 何が斜めにさすって? 北辰って何?」なんて感じだったので調べてみると、「北辰(ほくしん)」とは「北極星」の別の呼び方なんだそうです。いや〜またまた私の無知っぷりをさらけ出してしまって、ほんとお恥ずかしいです。私が1つのレポを編集するのにやたら時間がかかるのは、こんな風に知らないことが多すぎるっていうところにもあるのかもしれません。何せ、音楽はもちろん、歴史も読書も日本語もパソコンもみ〜んな苦手、ちょこっと胸を張って自慢できるのはスーパーでの割合の計算のみ…っていう私がやってるんですもんね(;^_^A

でも、せっかくレポートするなら、できるだけ作品についてきちんと理解したいと思い、今回も色々と検索してみました。すると、今回の物語は、旧制七高(第七高等学校で現在の鹿児島大学)と旧制五高(第五高等学校で現在の熊本大学)に関するお話なんだそうです。私の場合、この「7高」とか「5高」なんて言葉から分からなくて、調べまくってしまいました。旧制高等学校に関しては、ウィキペディアのこちらも参考にしてみてくださいね(^.^)b

さて、現場で和田さんから「泣ける映画だ…」とのお話があったそうなんですが、確かに胸が熱くなりそうな映画のようです。2001年に都内で開かれた「七高野球部建部百周年記念試合実行委員会」という会合に集まった7高OBの皆さんの間から「鹿児島大学の選手に昔の七高のユニフォームを着てもらって試合をするのはどうだろう」 「じゃあ、大戦相手の熊本大学には五高のユニフォームを着てもらうようにする?」「七高対五高の再現だ!」という声が上がって物語りは始まります。

このプロジェクトを進めていくにあたって絶対に欠かすことのできない存在である上田さんという7高OBのこと、だんだんと紐解かれていくその上田さんの悲しい過去、それを知った孫の思いきった行動…などなど、七高対五高の再現までには様々な人間ドラマが描かれます。そのあたりの人々の感情を和田さんの音楽がどう彩るか、楽しみなところですよね〜?

この日の音楽には大きく分けて2つのテーマがあったそうで、そのうちの1つは七高の寮歌なんだそうですが、これが何となく第一高等学校(現在の東京大学)の第十二回紀念祭寮歌「嗚呼 玉杯に花受けて」に似てたんですって。それにしても、何で「記念」でなくて「紀念」なんだろう…あちこちのサイトに「紀念」って書かれてるので、単なるミスタイプではないと思います。う〜ん…何か、歴史上の大事な意味があるのかもしれませんが、私にはちょっと調べきれませんでした(^^ゞ

で、もう1つは、とても優しくて、ちょっと切なくなるような癒し系のメロディーだったそうです。和田さんの書く癒し系のメロディーって、流れるような弦の音色の合間にフルートやオーボエがときどき顔を出して…って感じのものが多いように思うんですが、これがまた胸の奥がぎゅ〜っとする感じで、いいんですよね〜。今回もおっちゃんや庄司さんがいらっしゃるので、そんなドラマチックな音楽だったのかなあ…o(^-^)o

この日は、こうした2つのメロディーのテーマバリエーションを中心に録音が進められたようです。そうそう、中に1曲だけ、先に入っている7高の寮歌の合唱にオケをダビングする…というのがあったそうですが、その歌の出だしが「北辰斜にさすところ…」だったんですって〜。で、さっそく調べてみたら、ありました〜! こちらのページでその「北辰斜に」という寮歌が聴けますよ。なるほど、映画のタイトルはここから来てたんですね♪
 
楽器の編成は、弦(マサさんのグループ:86442)、フルート&ピッコロ&リコーダー(おっちゃん)、オーボエ(庄司知史さん)、クラリネット(星野 正さん)、ファゴット(大畠條亮さん)、ハープ(斎藤葉さん)、トランペット(橋本洋さん他)、トロンボーン(奥村晃さん他2名)、チューバ(佐藤和彦さん)、ホルン(吉永雅人さん他2名)、パーカッション(高田みどりさん・小竹満里さん)、ピアノ(美野春樹さん)、男声合唱(東京混声合唱団)、指揮(和田 薫さん)、エンジニア(山田さん・金子さん)でした。事前に「楽器を色々と持ってきてほしい」とのオーダーがあったようですが、結果的にはフルートとピッコロとリコーダーの3つで済んだようです。

この映画は2007年2月21日に無事に完成し、 まず4月26日に鹿児島大学で、その後5月19日には大阪、翌週25日には熊本県球磨郡で…といった感じで試写会を重ねていくようです。皆さんがお住まいのあたりに来たら、ぜひ足を運んでみてくださいねo(*^^*)o

 

 

430 ミュージカル「俺はお殿さま」(手塚 理)

新宿コマ劇場の2月公演(コロッケさん主演)だったみたいです…レポのアップが間に合わず、すみません。また、このレポはこのままアップできずじまいになりそうです…重ね重ね、すみませんm(__)m

 

 

429 ゲームの音楽

ここには下村陽子さん作曲・和田 薫さん編曲による「KINGDOM HEARTS」というゲーム音楽の録音レポをアップする予定だったんですが、きっともうアップできないままになると思います…すみませんm(__)m

 

 

428 アニメ「スーパーロボット大戦」追加録音(平野義久)

2007年1月7日。サウンドインのAスタに行きました。この日は、テレビ東京系列ですでにオンエア中の「スーパーロボット大戦OG ディバイン・ウォーズ」の追加録音で、音楽は平野義久さんでした。この作品に関しては380番に初回録音の様子がありますので、合わせて読んでみてくださいね(^.^)b

平野さんといえば、436番でのレポでエンジニアの亀川さんからの貴重なお話をご紹介しましたが、今回の録音も平野さんならではのセンスと音符(!)がいたるところにちりばめられ、どのセクションもまたまたかなり苦労してたそうですよ〜。しかも、追加録音なのに曲数が多かったみたいで「これは押すかもなあ…」なんて思ったりもしたそうですが、意外や意外(?)ものすごくすんなり進んで、途中で休憩を取ったにも関わらず、余裕で終わったそうです。おっちゃんや亀川さんをはじめ、ほかの方からも「平野さんの音楽はとても素晴らしいんだけど、とても難しい(^^ゞ」なんて声が聞こえてくるのに、こんな余裕で終わるなんて…もうそれだけでも、演奏家さんそれぞれの技術の高さと亀川さんたちスタッフさんの手際の良さ、それからその両方のチームワークの良さをひしひしと感じますよね〜?

この日のおっちゃんたち木管セクションは弦セクションと同じフロアだったそうですが、こういうセッティングはお互いの音が回り込んでしまうために、誰かがほんのちょっとでも間違うと大勢の人にお付き合いしてもらって録り直さなければいけないっていう、恐ろしいリスクがあるんですよね。しかも、それが平野さんのような難しい音楽となると、皆さんの緊張もいつもよりずっと増してるんじゃないかと思うんですが、実際にはそれほど差し替えるシーンはなかったみたいです。もう、ただただ「あっぱれ!」って感じでしょうか(^^)

そうそう、今回おっちゃんたちはフロアの方になって良かったかな〜と思えることが1つあったそうです。というのも、どうもこの日は各ブースの空調の具合がおかしかったようで、ブース内はかなり寒かったようです。おっちゃんの話やコラムにある「楽器と気温」なんかによると、木管楽器というのは特に気温の影響を強く受けるそうで、もし寒いブースに入れられてたら、ピッチが下がったり、指が動きにくくなったり、管に水が溜まったり…ってことになりかねないんですって。

まあ、こんな感じでおっちゃんたち木管さんはフロアでラッキーだったようですが、ブースに入れられたサックスの福井さんやピアノの細田さんは何度も「寒い〜っ!o(>_<)o」っておっしゃってたようです。サックスもピアノも指が動きにくくなるということでは木管と同じだと思うので、これは気の毒に…と思って眺めてるうちに、おっちゃんはふと「そういや、頼んだら電気ストーブみたいなもんを持ってきてくれたような…」ってことを思い出して、さっそくアシスタントさんに言うと、すぐに手配してくださったそうです。いや〜これで少しはマシになったはず。とりあえず良かった、良かった。こうしたスタジオの空調はなかなか難しいところがあるようで、メジャーなスタジオでも各ブースを適切なコンディションにキープできてるところは少ないんだそうですよ。

さて、この「スーパーロボット大戦」ですが、ファンの一部からは「劇伴のはずなのに、もうすっかり平野さんの音楽が絵を越えちゃってるよ〜!」なんて声が聞こえてくるくらい、存分に平野さんの音楽を楽しめるようです。もちろん、映像の方も迫力満点で面白いんですけどね。まだ見たことがない方は、ぜひぜひ見て(聴いて)くださいねo(^-^)o

編成は弦(加藤ジョーさんのグループ:64222)、フルート&ピッコロ(おっちゃん・金子奈美さん)、オーボエ(庄司知史さん)、クラリネット(松本さん)、ファゴット(菅原さん)、トランペット(?)、トロンボーン(中川英二郎さん他)、ホルン(西条さん他3名)、パーカッション(草刈とも子さん・小竹満里さん)、サックス(福井健太さん)、ピアノ(細田真子さん)、打ち込み(杉本洋祐さん)、指揮(はいしま公二さん)、エンジニア(亀川徹さん)でした。

 

 

427 教材の録音

2007年1月5日。サウンドインのBスタに行きました。2007年の初仕事は教材のお仕事で、2006年11月にやったリコーダーのカルテット(418番参照)の録り直し…というか、一部を差し替える…という内容だったようです。で、事前のお話では「テナーリコーダーの部分を差し替えるから…」とのことで、この日はテナーリコーダーだけ持って行ったおっちゃん。ところが、いざ現場に行ってみると、テナーリコーダーとバスリコーダーが同じトラックに入ってるので、差し替えるならバスリコーダーも一緒にやらないといけない…ということが判明したそうです。これは大変…(@_@;)

でも、こんな風に急に別の楽器が必要になるのはスタジオではよくある話だそうで、おっちゃんもそんなときに備えて、ほとんどの楽器を車に乗せっぱなしにしてるんだそうです。ただ、この日に必要なバスリコーダーだけは、車内が高音になったときなどの影響を強く受けるので、特にオーダーがあったときしか持って行かないんだそうです。つまり、この日も持ってきてなかったわけですね…。で、ここから今回のレポの目玉(?)となる、超ドタバタ劇が始まるわけです(;^_^A


これは、この日のお仕事が終わったあとの夜中に、ヴァイオリンのマサさんから届いたメールです。

これを読んだ私の頭の中は「え…マサさん?」「マサさんにリコーダー?」「へ?」「何で?」「もしかして、マサさんは実はリコーダーも吹けるの?」「ただ、バスリコーダーを持ってないだけ?」とクエスチョンマークの嵐でした。で、このままでは寝られん…と、早速おっちゃんに真相を聞いてみることにしましたよ(^.^)b


実は、現場で急きょバスリコーダーが必要となったおっちゃんは、前回の録音で一緒にやった篠原 猛さんにお願いしようと、スタジオから篠原さんの携帯に電話してみたんですって。ところが、おっちゃん本人は篠原さんに電話したつもりが、携帯のアドレス帳の中で篠原さんの1つ上にあった篠崎さん…つまり、マサさんに電話しちゃったというわけです。

でも、ここからまた更にややこしい事態に…というのも、おっちゃんは電話の相手が篠原さんだと思い込んでるので、

マサさん 「明けましておめでとうございま〜す!」
おっちゃん「あ、おめでとうございます…ところで、今日はどうしてます?」
マサさん 「いや、今日はこれから楽器屋さんに行こうかと…」

…なんて会話をしたのにマサさんの声だとは気づかず、そのまま「今からサウンド・インにバスリコーダーを持ってこられますか?」なんて言っちゃったそうです。で、そこで携帯の電波状況が悪かったのか、いきなり電話がプツリと切れてしまったそうなんです(>_<)

こうなると、マサさんの方は「あれ…? 僕…? 僕はバスリコーダーなんか持ってないぞ…?」と、↑にあるマサさんからのメールを見た私のように、頭の中にクエスチョンマークがいっぱい咲いたとか…。でも、すぐにおっちゃんからまた電話がかかってきたそうで、そのときはもう、おっちゃんが何も話し出す前に「これはマサちゃんの電話で〜す!」って教えてあげたんですって。ここでようやくおっちゃんは「篠原さん」と「篠崎さん」の間違いに気づき、「あ、ごめん、ごめん…間違えた。ま、それはそれで、今年もよろしく〜♪」なんて言って電話を切って、今度はちゃんと篠原さんに電話したそうです。

でも、このあと、おっちゃんとマサさんとの間では「あのとき、もし‘バスリコーダーを…’なんて言わずに、いきなり‘サウンド・インに来て〜!’だけ言ってマサちゃんが駆けつけてきてくれたら、そのときのキャンセル料は誰が払う…?」「いや、とりあえず‘バスリコーダー’って聞こえたし、何だか急いでるようだったから、まずタクシーで楽器屋さんに寄ってリコーダーを買って(その間もタクシーは待たせといて)、そこからまたタクシーでスタジオまで飛ばして…その楽器代とタクシー代となると、かなりかかるかも?」「げっ…でも、リコーダーにはプラスチック製の安いのと、木製の高いのがあるけど…?」「そりゃ、もちろん高い方のを買って…」みたいな話で盛り上がったみたいですよ。まったくもう、新年早々けったいなことで賑やかなもんです(;^_^A

こんな風にしてドタバタしたバスリコーダー騒動ですが、結局は篠原さんの都合もつかなくて、おっちゃんのバスリコーダーを自宅から届けてもらうことになったそうです。で、やっと届いたバスリコーダーですが、今度はジョイント部分がきつくて楽器がつなげないというハプニングがあったとか…。何でも、もともときつくて入りにくかったのが、この日は何故か更にきつくなってたようです。まあ、こんなのはおっちゃんにとってはハプニングとは言えないかもしれませんけどね〜。で、慌てず騒がず「こういうときこそグリスを!」と思って探してみたら、その肝心のグリスがいつの間にやら溶けてなくなってしまってたようで、さすがのおっちゃんももう八方ふさがり…仕方なく、現場のスタッフの人に「すみません…何か、グリスのようなものはありませんか?」と尋ねると、出版社から来られてた女性が「これはどうでしょう?」と、リップクリームを貸してくださったそうです。おっちゃんは「もちろん、OKです〜♪」と恐縮しながら少しいただいて、さっそくジョイントのコルクのところに塗ったら効果は覿面。やっと、や〜っと録音に臨むことができたようです(^^ゞ

というわけで、録音の内容については何にもないレポになってしまいましたが、この日の編成は、テナーリコーダー&バスリコーダー(おっちゃん)、ギター(千代正行さん)、エンジニア(後藤さん・三原さん)でした(^.^)b

 

 

426 教材の録音(塚山エリコ)

2006年12月23日。サウンドインのAスタに行きました。前日…つまり↓のレポに続いての教材の録音だったのですが、この日は「観賞用の教材」だったようです。同じ教材の録音でも、合奏のための模範演奏と観賞用では、その制約にかなり差があるんでしたよね。で、その観賞用の音楽なんですが…肝心の曲のタイトルを、スタジオを出た途端に忘れてしまったんですって〜。まあ、よくあることと言えばそうなんですが、これではこの音楽を実際に聴ける場にいる現役の子供たちに呼びかけようもないし、CDを探すにも探せないじゃあ〜りませんか!(古ッ)。仕方がないので、このあたりは、この日の曲をアレンジされた塚山エリコさんからの発表を待つとしましょう(^^ゞ

さてさて、そんなわけで始まったこの日の録音ですが、おっちゃんの出番は全てリコーダーだったそうです。渡された楽譜を見てみると「A♭」のキーだったそうで、おっちゃんは「途中で持ち替えれば、何とかなるかな〜?」なんて思いながら、ひと通り楽譜を目で追ってみてたそうです。すると、そこへ音域などの確認のために、塚山さんご本人がいらしたんですって。で、ちょうどそこに出してあったアルトリコーダーを見て「これって…A♭管とか何とかってモノですか?」って聞いてこられたので、おっちゃんは「いやいや、これはアルトリコーダーで、管はF管なんですよ。でも、楽譜はこのままでOKです」って答えたそうです。う〜ん、私には何がどうしてOKなのかサッパリ分かりませんが、とにかく、その後も「じゃあ、書き直さなくてもいいの?」「はい。リコーダーは、ソプラノもあるともCで書くことになってますからね」ってな会話があったそうです。ううむ…ますます、何がどうなってるのやら?(;^_^A

まあ、そんな感じでキーと楽譜の確認をしたところで、今度は楽譜にオクターブ上を吹くように指定されてる箇所があったので(楽譜に‘8va・・・・・’って書いてるところがあったので)おっちゃんが「これは高い方がいいんですね?」と質問すると、塚山さんが「あ、そうそう!」なんておっしゃったので、ソプラニーノリコーダーを出してみたそうです。すると、それを見た塚山さんは「うわっ、これはまた小さいですね〜!」とビックリされてたそうで「まあ、学校ではちょっと使わないかな〜?」なんて言いながら吹いて見せてあげると、それを写真に撮ってくださったそうです。そう、もうご存知の方も多いかもしれませんが、塚山さんのHPにも、スタジオでの写真がたくさんあるんですよね〜。で、その塚山さんが撮ってくださったというおっちゃんの写真は、塚山さんのブログのこちらにアップされてますので、ぜひ覗いてみてくださいね(^.^)b

おっと、その録音の方ですが、1回目の本番で基本的にはOKになったそうですが、直したいところが数カ所あったとかで、ちょっとだけ残業になっちゃったそうです。でも、そのおかげで、今度はおっちゃんがコントロールルームにいらっしゃる塚山さんを撮らせていただいたんですって。


こちらが、そのときの写真です。

奥にいらっしゃるのは、ディレクターさんでしょうか…カメラ目線でないのが残念ですが、塚山さんは素敵でしょ〜?

写真にマウスを乗せると、塚山さんの別ショットになりますよ(^.^)b


この日の編成は、リコーダー(おっちゃん)、トランペット(数原晋さん:前録り)、トロンボーン(フレッド・シモンズさん:前録り)、ドラムス(渡嘉敷祐一さん)、ベース(渡辺直樹さん)、ピアノ(山田秀俊さん)、ギター(伊丹雅博さん)、エンジニア(川上さん・三原さん)だったそうですが、ブラス隊はおっちゃんが入ったのと入れ替わりで帰られたそうです。塚山さんのブログによると、ボブ・ザングさんもいらしてたみたいですね♪

とにかく、曲名に関しては、そのうちに塚山さんの方で発表があるかと思いますので、そしたらこちらでもお知らせしま〜すo(^-^)o

 

 

425 教材の録音

2006年12月22日。サウンドインのAスタに行きました。この日は事前に「リコーダーを…」というオーダーが出てたようで、それを聞いたおっちゃんは長年の勘から「こりゃ、教材やろな♪」なんて予想を立ててたら見事的中、この日はいわゆる「学芸」のお仕事だったようです。

さて、そのリコーダーを使って吹く教材用の音楽ですが、エルガー作曲の、あの「威風堂々」だったそうです…と言っても、私の場合は「威風堂々」って聞くと、どうしても「あたしンち」っていうアニメの「来〜て来て、あたし〜ンち♪」っていうテーマが浮かんでくるんですが、皆さんはもうお分かりでしょうね。もしも「えっと…」なんて思われた方は、こちらのページで、かなり綺麗な音質で聴くことができますよ(^.^)b

ところで、大オーケストラで、ものすごい迫力でやってるこの曲を、この日は何とリコーダーとチェロとピアノという、たった3人でやることになってたそうです。これを聞くと、さすがの私でも「え…そんなんで演奏できるん?」って思ってしまうんですが、実際に現場にいたおっちゃんたちも「ひえぇ〜こりゃ、大変じゃ(@_@;)」って感じだったそうですよ。主になるメロディーの部分はずっとアルトリコーダーが担当することになってたようですが、どう考えも「威風堂々」って雰囲気じゃなかったそうです。う〜ん、そもそも「威風堂々」って、軍隊行進曲なんですよね〜。それをリコーダー1本で…となると、誰が考えても無理があるような気がしますよねえ。でも、それでも現場では「もっと重々しい感じでやってほしい」なんて注文が出てきたりして、かなり大変だったようです。で、一度テンポを落としてやってみたりもしたそうですが、あんまり遅いと間延びしてしまって妙なので、最終的にはほんの少しだけ遅めにして…ってことで、何とか乗り切ったそうです(^^ゞ

そうそう、話は前後しますが、この日は最近のおっちゃんのお仕事としては珍しく、午前11時に呼ばれてたんですって。でも、実はこの日のお仕事は、朝の10時から始まってたんだとか…。スタジオのお仕事は午後や夜にやることが多いようなので、そういう意味でもこの日のお仕事はすごく早いことが分かりますよね。で、いつものように早めにスタジオ入りしたおっちゃんがスタジオの前で耳を澄ませていると、中からはピアソラの「リベルタンゴ」が聴こえてきたんだそうです。

これを聴いたおっちゃんは「リベルタンゴが教材に登場するとはなあ…」と、かなり驚いたようですが、その編成を聞いて更にビックリしたとか…。実は、この「リベルタンゴ」の方も、アコーディオンとピアノとチェロの3人でやったんですって。おっちゃんたちの「威風堂々」もかなり大変だったようですが、こちらも大変だったみたいですよ(;^_^A

うちでも何度も教材の録音のことは取り上げさせていただいてますが、決められた楽器、決められた演奏方法、決められた編成…などなど、そのたびにその制約の多さに驚かされますよね。これは、企画される方も、編曲される方も、そして演奏するおっちゃんたちも何かと大変だとは思いますが、実際の現場である学校では、皆で楽しく和気藹々と演奏して、音楽の素晴らしさに気づいてほしいですよねo(^-^)o

 

 

424 アニメ「天元突破グレンラガン」追加録音

2006年12月20日。この日、いつものように「今日は何の仕事〜?」と聞くと「今日は岩崎さんじゃ♪」なんて言うので「へぇ、岩崎さんに会うんは1ヶ月ぶりになるんかなあ…今日は何やろなあ?」「さあ,何やら忙しそうにしとるみたいやし、また新しいアニメか何かかの〜?」なんて話をしながら、おっちゃんはサウンドインに向かいました。スタジオに着くと、地下の駐車場のおじさんが「今日は旭さん1人のようですね〜」なんて声をかけてきてくれたんですって。これはまあ、関係ない人が駐車場に入ってこないようにメンバーがしっかり伝えられてる…ってことなのですが、それを聞いたおっちゃんは「あ、ダビングか…ほな、早めに終わるかな?」なんて思いながら、6階にあるBスタに上がって行ったそうです。

すると、やっぱりロビーにはミュージシャンらしき人の姿はなく、耳を済ませると、どうやら先に弦のダビングをやってるみたいだったとか…。で、ちょっと待ってることにしたら、そこへインペク屋さんのお姉さんが楽譜を持ってきてくれたんですって。それを見てみると、フルートとピッコロとパンパイプの楽譜だったようなのですが、事前のオーダーでは「明笛」も入ってたみたいなので「おりょ、明笛はなくなったんかの〜?」なんて思いながら待ってたそうです。

そうこうしてるうちに弦のダビングが終わってフロアのセッティングを変えたりしてるようだったので、思い切ってコントロールルームに行ってみたそうです。そしたら、岩崎さんとエンジニアの田村さんがいらしたので、おっちゃんが「今日やるのは何ですか?」って聞いたら、岩崎さんが「あ、この前の続きです…というか、実は前のときは僕の書きが間に合わなかったというか…」ですって(;^_^A

岩崎さんの言う「この前」というのは…つまり、419番のレポでご紹介した「天元突破グレンラガン」のことですね。この追加録音というわけです。あ、この「グレンラガン」ですが、公式サイトの「スペシャル」というコンテンツのところからPV(プロモーションビデオ)が配信されています。とてもスピード感のある動画で、思わず「この先、どうなっていくんだろう?」と、とてもワクワクしてくるようなアニメですよ。ただ、思ってたよりもずっと可愛らしい感じのキャラで、深いストーリーの中にもユーモアのエッセンスはたっぷりあるようです(^o^)


あ、本題(?)に入る前に、ちょっと得意の脱線を…こちらは、前に「スタジオ仲間が語る おっちゃん」というページの原稿と一緒に送っていただいた岩崎さんの写真の中で、あのコメントページには使い切れなかった1枚です。とても素敵な写真だったのに、あのときスペースの関係で使い切れなかったことが口惜しくてたまらなかったので、ここで使わせていただきました(^^ゞ

岩崎さんのことを取り上げさせていただくたびに「ゆみちゃんの言うように、ほんとに近所のお兄ちゃんって感じだね♪」「うん、大学生のお兄ちゃんって感じ?」「近所のグランドで、子供たちとサッカーとかやってそう…」なんて声が大きくなってきてるんですが、こ〜んな素敵な、思慮深い表情も持ってらっしゃるんですよ(*^o^*)


ところで、先ほどの岩崎さんの「僕の書きが間に合わなくて…」という言葉ですが、これは説明するまでもなく、ただもう「少しでも良いものを作りたい!」の一心からきた状況なんだと思いますよ〜。前に他の作曲家さんからも「ああもやってみたい、こうもしてみたい…なんて思ってると、なかなかまとまらなくてねえ。で、どこで線引きしようか…ってところで、また長い時間をかけて悩むんだよ。」なんてお話を聞いたことがあるんですが、岩崎さんもきっとこうした状況だったんじゃないかと思います(^.^)b

岩崎さんみたいなお仕事と私なんかの趣味でやってるレポとを一緒にしちゃうのは何とも失礼な話なんですが、私もこうしてレポを作るときに「少しでも詳しい情報を…」「少しでも多くのエピソードを…」なんて思ってると、どんどん検索やリンク貼りの作業、そしてそれらを編集していく時間が長引いてしまうんですよね〜。それこそ私の場合は趣味でやってることなので、適当なところで切り上げちゃえばいいんですが、やっぱり「○○のレポのときはあんなに頑張ったのに、このレポはここで止めちゃっていいの?」「こうしてあげた方がずっと分かりやすいのに、それが分かってるのに、時間がないからって止めてしまっていいの?」って自問自答してしまうんです。まあ、こうしたことは、何かモノを作ってらっしゃる方は、大なり小なり誰もが感じてることでしょうけれどね。

さらに私の場合は「皆いつも‘作曲家さんたちとの、あの余談が面白いんだよ’って言ってくれるけど、ほんとはもっと短くてサラッとしたレポが読みやすくていいんじゃないのかな?」「今のようなレポの形で、本当にいいんだろうか?」なんていう迷いとの戦いもあったりするんですが、岩崎さんたち作曲家さんのように「お仕事」になってる方は、この何倍も色んな悩みや葛藤があるんだと思いますよ〜。ま、プロ・アマを問わず、どちらもその根底には常に「この仕事が大好きだ」って気持ちがあるからこそ、こうして悩んでしまうんでしょうけれどね♪

あらまあ、またもや長々と脱線してしまって…とにかく、そのコントロールルームでは、パンパイプの音域の確認をしたり、明笛の性能なんかの説明もしてたみたいです。で、インペク屋のお姉さんからもらった楽譜には明笛用の楽譜はなかったわけですが、これに関しては「時間に余裕があったら、ちょこっと吹いてほしいものがある…」みたいなことだったようです。


こちらは、右から…おっちゃん、岩崎さん、エンジニアの田村能成さん、アシスタントの三原さんです(^.^)b

そういえば、田村さんはいつもカメラ係になっていただくばっかりで、こうしてちゃんとお顔を見たのは初めてだったような…とっても優しそうな方ですよね(^o^)

それにしても、三原さん。何てキュートなんでしょう♪♪


さて、こんな雑談をしてるうちにセッティングも整ったようで、いよいよ録音となりました。楽器ごとに録る曲をまとめて下さったようで、まずはピッコロから…。この日おっちゃんが臨んだ曲のほとんどがスローテンポのものだったそうですが、その中で唯一リズムが活発に動いてたのが、このピッコロの曲だったようです。何でも、ブラスと同じ動きをするような感じのフレーズだったとか…ってことは、けっこう激しい感じの曲なのかなあ。ロボットの闘いのシーンなんかで使われるんでしょうか?

そのあとはフルートでゆったりした感じの曲を何曲か録ったそうですが、そのどれもがフルートの大ソロって感じだったそうです。岩崎さんの最近の作品では「結界師」の中にフルートの綺麗で長いソロがありますが、そんな感じなんでしょうか。とにかく大ソロとあって、おっちゃんはかなり気合を入れて吹いたようですし、田村さんもとても丁寧に録ってくださって、大満足のようでした…と、こうなると、あとは選曲屋さんにかかってくるわけですが、おっちゃんの大ソロを上手く生かしてくれるといいなあo(^-^)o

次にパンパイプの方ですが、今回はいつもとは違って「フィードバック」という方法を使ったそうです。これは、要するに山びこというかエコーというか…つまり、おっちゃんが「ピロッ」と1回だけ吹くと、あとは田村さんの操作で「ピロッピロッピロッピロッ・・・」と繰り返しながらだんだん弱くなっていくという風にしてもらったそうです。おっちゃん曰く「こういうやり方は、プレイヤーの方はわりと楽なことが多いんじゃ。わしや、パンパイプは苦手な方やし、うってつけやな♪」ですって(^◇^;)


これは、さっきの4人で写してたものの別ショットです。実は、アシスタントの三原さんが残念ながら目をつぶってしまってたので、ちょっとトリミングさせてもらって、3人のアップにしちゃいました(*^-^*)

うん、こうして見ると、やっぱり岩崎さんは「近所のお兄ちゃん」ですね〜。そういえば、岩崎さんへの感想の中には「朝、うちの近所で半纏とか着て歩いてても、ぜんぜん違和感なさそうだわ〜。あんなに綺麗なメロディを書いて雲の上の人のようなのに、こんなに身近に感じられるなんて…何だかホッとできていいね♪」なんて声もありましたっけ(^o^)

これからも、岩崎さんの色んな側面をお伝えしていければいいなあと思ってる私ですo(^-^)o


まあ、こんな感じで録音がスムーズに進んだので、無事に明笛をやる時間が取れたそうです。で、特に楽譜はないけど…とのことだったので、いったい何をやるのかなと思ったら「A♭のコードで、すごく速いアルペジオをやってほしい」っていうご注文があったそうです。でも、おっちゃんの手持ちの楽器の中にはA♭の明笛はなかったので、いちばん近いD♭の管でやることにしたそうなんですが、私には「A♭とD♭が近い」とかいう意味からしてサッパリ分かってなかったりします(@_@;)

で、ここから先はそれこそ私には分からないので、おっちゃんの原稿にあったままを載せると…「A♭のコードというと、A♭・C・E♭…で、移動ドでいうとド・ミ・ソの音になるのですが、それだけだとちょっとモノ足らない気がしたので、それにFの音を入れて、いわゆるシックスのコードにしてみました」だそうです〜。はあ…もう、分かる方だけ「おおおっ!」って感じで、この状況を楽しんでくださいね(;^_^A

とにかく、このシックスのコードっていうのが現場では好評だったそうで、これで何種類か録ったそうです。あ、このシックスのコードというのは、移動ドで言うと「ド・ミ・ソ・ラ」という音になるんだそうですが、これらの音を使ったすごく速いアルペジオということで、きっと何か効果音的な使い方をするんでしょうね〜。これも、オンエアではどんなシーンで使われるのか、興味津々といったところですね(^.^)b

前回の録音レポでも書きましたが、この「天元突破グレンラガン」は2007年4月1日の朝8時30分から、テレビ東京系列で放送されます。どうぞ、お楽しみにo(^∇^)o

 

 

423 NHKラジオ「おはなしの旅」(桑原研郎)

この番組って、もうとっくにオンエアされてしまったんでしょうねえ。実は、タイトルが分からなくて色々と調べてるうちにすごく時間が経ってしまって…そしてもう、きっとこのままアップできずじまいになるかと思います。ほんとにゴメンなさいm(__)m

 

 

422 ファブリーズのCM(河野 伸)

2006年12月13日。六本木ヒルズの近くにある、バックスラッシュスタジオというところに行きました。事前に送ってもらった地図によると、どうやら旧テレビ朝日の通りに面しているところにあるようで、何となく前に来たことがあるような気はしたんだそうです。でも、やっぱり当日は「どのビルだったかなあ…?」って感じで迷ってしまって、電話で誘導してもらうことにしたそうです。それが何と、おっちゃんは目的のビルの真ん前から電話してたんだとか…。ほんと、こういうときは携帯の便利さを痛感しますよね〜?

さて、そんなこんなでたどり着いたこの日のお仕事は、もう誰もが知っている「ファブリーズ」のCMだったそうです。音楽は河野伸さん。この「河野」は「かわの」ではなく「こうの」と読むようですよ。うちのレポでは初登場の作曲家さんかと思いますが、実は和田アキ子さんや松浦亜弥さん、小泉今日子さんやSMAPなどの大物アーティストの作編曲をされてるほか、「世界の中心で愛をさけぶ」「医龍」「東京タワー」などの大ヒットドラマの音楽を手がけられてる方です。

現場でおっちゃんがご挨拶すると「確か、前にお会いしたことがあると思いますよ」みたいなことをおっしゃったんですって。また、河野さんは「ほんとは、クリックを使わない…テンポが自由に揺れるような音楽をやりたいんだけど、スタジオでは、パートごとにブースに分けられたり、棒が見にくかったりして、なかなか難しいですよね(-_-;)」なんてお話もされてたとか…。何にしても、今回の録音を機に、また色んなお仕事をご一緒できるといいなあと思いますo(^-^)o

では、録音のお話を…この日の楽譜には2種類あったそうで、最初にやった方には「うっとりバージョン」とかいうタイトルが書かれてたそうです。何か、ユニークですよね。で、もう1つの曲には…何て書かれてたか、忘れちゃったそうです(^^ゞ でも、どっちの曲も、ゆったりとした感じの、あたたかみのある音楽だったそうですよ。そういえば、あの「ファブリーズ」のCMって、どれもほんとにほのぼのとしてますもんね? おっちゃんがスタジオに着く前には弦カルを中心とした音楽が録られてたようですが、おっちゃんはそこにダビングによる1人2重奏で、フルートを2パート入れたそうです。どっちのパートも一度サラッと流してすぐに本番、プレイバックしたらそのままOKって感じだったそうで、正味20分くらいでお仕事を終えたそうです。そういや、この日のお仕事が終わった直後におっちゃんから「終わった!」って連絡があったので、すぐ「お疲れさま!」って返事をすると、「疲れるほど吹いとらんわい。わははは!」なんて笑ってましたっけ…(;^_^A

そうそう、この日のスタジオは、バックスラッシュというCM音楽の制作を中心に色んな分野で活躍している会社の社内専用スタジオなんだそうです。まあ、ある意味ではプライベートスタジオなんでしょうけれど、いわゆるマンションスタジオとは違って、小さいながらも本格的なスタジオなんだそうですよ。ブースも、3〜4人くらいは入れそうな広さがあるんですって。ただ、弦楽器は「弓を動かす」という動作があるので、現場でも「弦カルはちょっと無理かなあ…」なんて話してたそうです。で、結局、この日の弦は音としては弦カルなんですが、録音自体は2人ずつに分けて録ったそうです。これって…スタジオでお仕事されてる方は、他の人の演奏をイヤフォンで聴きながら自分の演奏を重ねるってことに慣れてるから平気なのかもしれませんが、よ〜く考えると、とても難しいことをやってるんですよね〜? あらためて、スタジオミュージシャンの特殊な能力に感動してる私です(^o^)

こうして無事に録り終えた音楽ですが、もうすでにオンエアで使われてるのかなあ。残念ながら、私はまだ見つけられてません。で、せめて、どこかファブリーズの関連サイトで「現在オンエアされてるCM」みたいな感じで聴けないかと色々と探してみたんですが、どうもそれらしきサイトが見付からなくて…。そんなわけですが、もしもファブリーズのCMを見かけたら、どうぞ耳を澄ませてみてくださいねo(^-^)o

 

 

421 アニメ「武装錬金」追加録音(田中公平)

2006年12月11日。サウンドシティのAスタに行きました。12月に入ってからのおっちゃんは演歌のお仕事が続いてたみたいですが、この日は久々の劇伴録音となりました。それも、田中公平さんの…! で、この日の朝「今日は公平さんじゃ♪」なんて嬉しそうに言ってたんで、私が「この時期やと、何やろなあ…ワンピースの映画には早い気がするし、またゾロリが冬休みに映画になるんやろか…」なんて言うと「さあなあ…何にしても、またごっつい音楽やろなあ(^o^)」と、ほんとに楽しみにしてるって感じでしたよ(^.^)b

さて、そのお題ですが…2006年の9月に最初の録音が行われた「武装錬金」の追加録音でした。私もこの「武装錬金」はときどき見てるんですが、音楽が骨太でいいですよね〜。特に私はブラスが力強い上に華やかさもあって、公平さんらしくていいかな〜? あとは、ふとしたときにしっとり流れるピアノのソロとか…。毎週は見れてないんでストーリーにはついていけてないところも多いんですが、夜中のレポ編集の際に耳で楽しませてもらってます(^-^)
 
そんなアニメの追加録音とあって、私もますます期待に胸がふくらむところですが、この日の録音が始まる前におっちゃんがコントロールルームに行くと、いきなりバスクラリネットのスラップタンギングの音が耳に入ってきたそうです。あ、この「スラップタンギング」ですが、クラリネットやサックスみたいな管楽器で、パーカッションっぽい音を出すことなんだそうですよ。でも、これがとても難しいんですって〜。一説には、フラッタータンギング(いわゆる巻き舌)よりも更に高度なテクニックが必要だとか…ちなみに、こちらのページではサックスでこのスラップタンギングをしてる音が聴けますよ(^.^)b

とにかく、そんな音を耳にしたおっちゃんは、思わずその場にいらした公平さんに「今日はこんなのを使うの?」って聞いてみたんですって。すると公平さんからは「いやいや、そんなことはないですよ」なんてお返事が…。どうやら、十亀さんが練習していたのが、たまたまマイクを通して聴こえてきたみたいですね。でも、そこで公平さんは「これ、面白いですね。今度、使ってみようかな〜?」なんて言い出したとか…。その後、おっちゃんとは「うん、それはいいかも?」「これって、普通のクラ(クラリネット)よりはバスクラ(バスクラリネット)の方が効果的なのかなあ?」「うん。バスクラとか、あとはサックスかな〜?」「なるほどねえ」なんて会話がなされたようです。ほほぉ〜この何気ない会話が、今後の公平さんの音楽に大きく影響してくるかも…ですよo(*^^*)o


こちらは、そんな話をしてる最中に撮った、公平さんとイマジンの社長さんである斎藤さんとの2ショットです。お2人とも、おだやかでいい顔してますよね〜♪

でも、ちょっと写真が小さめ…かな?
そう思われた方は、写真にマウスを乗せると公平さんがアップになりますよ(^_-)-☆

何で、公平さんだけアップにするのかって?
そりゃあ、このレポは公平さんのお仕事レポですから…そんなわけで、社長さんゴメンなさ〜い(;^_^A


ここで、ようやく録音のお話です。この日は開始時間が間近に迫ってきても何となく人の気配が少ないので、おっちゃんは「どうしたこっちゃ?」と、気持ちの中ではちょっとだけソワソワしてたそうです。どうやら、この日の最初の2曲は弦が入ってなかったみたいなので、いつもよりも静かな始まりになったみたいですね。ここで思い返してみると、最初の録音のときも、そんな感じの始まりだったとか…(^^ゞ


こちらはシンセを担当された丸尾稔さんと、スタジオのアシスタントさんです。丸尾さんってば、大きなマスクをしてますねえ…この録音のころは、ちょうど全国的にノロウィルスが猛威を振るってたころなので、もしかしたら、そうした風邪を引かれてたんでしょうか…。

写真にマウスを乗せると、今度はイマジンの中で若草恵さんなどのマネージャーをされてる鈴木さんの写真になりますよ(^.^)b

ちょっとシャッターのタイミングが悪かったのか、この鈴木さんの写真はどこか怖そうに写ってますが、ほんとはとても優しくて、素敵な方なんですよ〜。私は2006年4月に行われた公平さんのコンサートのときにチラッとお会いしてお話させていただいたので、間違いありません♪


ところで、今回の録音に使われたサウンドシティというスタジオのフロアは、元々とてもよく響くスタジオなんだそうですが、この日は特に「66442」の弦が鳴りまくりで、その迫力は同じフロアでやっているおっちゃんたち木管セクションのクリックの音が聞こえにくくなるほどだったとか…。

おっちゃんは「この日のマサちゃんのとこは、いつもより若いメンバーが多かったからかも?」なんて言ってましたが、マサさんに言わせると「あの日のメンバーの平均年齢はだいぶ高かったよ。先に帰らせた若い連中の平均年齢が27くらいかな…? で、そのあとの平均年齢は40をすぎるよ…? そりゃまあ、おっちゃんに比べれば僕なんかも・・・」ですって。あれまあ、両者の話を聞くと謎は深まるばかりですが、何はともあれ、この日の弦の鳴りっぷりは、いつもに増して素晴らしかったみたいですo(^-^)o

その他の音楽については…おっちゃんが参加した分に関しては、戦闘シーンに使われそうな激しい感じのものは特にはなかったようです。でも、不協和音を巧みに使った不思議なサウンドに躍動感あふれる粋なリズムの曲など、公平さんと長年のお付き合いがあるおっちゃんをも唸らせるような曲がいっぱいで、演奏する者としては本当は難しいんだけれど、やってて楽しい…演奏者側からも、もっともっと食らいついていきたくなるような感じだったそうですよ(^.^)b


こちらはエンジニアの中村さんです♪

お仕事のたびにご自宅の京都と録音現場の東京を往復するという大変な状況だそうですが、公平さんをはじめとするそれぞれの作曲家さんの作品への理解と愛情、そして作曲家さんたちの思い描く音色をきちんと音にしたいという中村さんの熱意と技術を思うと、どうあっても上京してきてもらわないと…って感じですよねo(^-^)o

それにしても、ものすごく鋭い聴力とは裏腹の、この優しそうな笑顔…きっと、中村さんの周りの空気もやわらかいんでしょうね(^o^)


前回の録音のときは1時間ほど押した…なんてハプニングがあったそうですが、この日はほぼ時間通りに終わったようです。でも、曲数はそれほど多くなかったみたいなので、始まる前には、おっちゃんの周りの人たちと「これくらいの曲数なら、意外と早く終わるんじゃない?」なんて話してたとか…それが時間いっぱいまでかかってしまったというのは、やっぱり各パートともかなり高度な技術を要求されてて、差し替えなんかに時間がかかったってこともあるみたいですね。特に、弦やブラスのパートが大変だったみたいです。

そうかあ…あ、そういや、今回のレポの冒頭で「私は武装錬金の音楽の中では、特にブラスがいいかな〜?」みたいなことを書きましたが、演奏する方は大変だったんですね〜。でも、だからこそ味わえる、公平さんならではのブラスの音…っていうのがあるんですよね〜。もちろん、オケの中でのおっちゃんのキラキラするピッコロの音や、あま〜いフルートの音色も大好きなんですよ(*^-^*)


こちらは、マサさんとベルベットラインの太田敏明さんです。

この写真のマサさんは、何かカメラを見据えた感じで、いつもになくキリッとしてますよね〜。

ところで、この写真の左上をよ〜く見てください。壁にモニターがあるでしょ? その中を見ると…ほら、このマサさんと太田さんの写真を撮ってるおっちゃんの後姿が映ってるんですよ(^^ゞ

何だか、面白いですね〜。
写真にマウスを乗せると、そのモニターの部分がアップになりますよ(^.^)b


あ、ちょっと余談を…前回の録音レポの中で「公平さんは、2ちゃんねるの書き込みから作曲のヒントを得た」みたいなことを書いたのですが、覚えてますか? 実は、今度はそのエピソードつきのうちのレポが、2ちゃんねるの中の公平さんファンの方たちの目に止まったようなんです。レポを読んでくださった方が口々に「公平さんが2ちゃんねるの書き込みを見てくれてたって〜!」「僕たちが公平さんの力になれたの!?」なんて喜び合い、中には「公平さん、大好きだ〜!!」みたいに叫ぶほど喜んでらした方もいたとか…。

前回のレポは、ファンの方たちの思いが公平さんに届いたことがとても微笑ましいなあ〜なんて思いながら作ってたんですが、今回は公平さんにとってのファンの方たちの存在の大きさを、ファンの方たち自身も認識できることになって、ほんとに良かったなあ〜という気持ちでいっぱいです。インターネットって、怖い面や嫌な面もいっぱいありますが、こうした良い面もいっぱいあるんですよね。せっかくの素晴らしい技術なんで、こうした良い面がもっともっと伸びていくように、今回のことを機に「インターネットをどう利用していくべきか」みたいなことを改めて考えなおしてみるのも、いいかもしれませんね(^.^)b


話は戻って…さっき、マサさんと太田さんの2ショットをご紹介しましたが、あんな風におっちゃんがお2人の写真を撮っていると、フルートの金子奈美さんが「私が撮りますよ♪」って声をかけてくれたそうです。で、金子さんが3人に向かってカメラを構えると、今度はそこへベルベットラインの張替さんという方がいらして「じゃ、私が撮るので、4人でどうぞ♪」って声をかけてくださったそうです。

そんなわけで、こうした4人での写真がゲットできました。おっちゃんは「太田さんはちょっとでも細めに写ろうと思うてか、皆より引っ込んで立って、おまけに横を向いとるんがオモロイやろ〜?」なんて笑ってましたが、ほんとにそんな思惑があったのかしらん?(;^_^A


この日の編成は、弦(マサさんのグループ:66442→44221)、フルート&ピッコロ(おっちゃん・金子奈美さん:ピッコロはおっちゃんが持ち替え)、オーボエ(石橋雅一さん)、クラリネット(十亀正司さん)、ハープ(斎藤 葉さん)、トランペット(菅坂雅彦さん・西村浩二さん・横山 均さん)、トロンボーン(松本 治さん・井口有里さん・野々下興一さん)、チューバ(佐藤 潔さん)、ホルン(南 浩之さん・下田太郎さん・堂山敦史さん)、パーカッション(草刈とも子さん・高田みどりさん)、ピアノ(松田真人さん)、打ち込み(イマジンの丸尾稔さん)、指揮(田中公平さん)、エンジニア(中村充時さん)でした。

この録音からもう1ヶ月が経ってるんで、この日に録られた音楽はすでにオンエアで使われてるかもしれませんよね。ちょっと難しいことではありますが、どうぞストーリーに集中しすぎず、音楽の細部までしっかり意識しながら、オンエアを楽しんでくださいねo(^-^)o

 

 

420 アニメ「家庭教師ヒットマン REBORN」(佐橋俊彦)

2006年12月1日。サウンドシティのAスタに行きました。この日は佐橋俊彦さんのお仕事で、いまテレビ東京系列で土曜日の朝10時半からオンエアされている「家庭教師ヒットマン REBORN」というアニメの音楽録りでした。つまり、、追加録音ということですね。おっちゃんは今回の録音で初めての参加となります。

さて、録音のお話ですが…おっちゃんたちが入る2時間前から大編成の弦とブラスのダビングをやっていたようで、おっちゃんたちの開始時間のころにゾロゾロと出て来られてたそうです。で、その入れ替わりにおっちゃんたちが入ったそうですが、こちらはフルート2人とクラリネットとパーカッション、それにダブカルでのダビングだったみたいです。

私は番組の詳しい内容についてはあまり分かってないんですが、勉強も運動も何もかもダメダメな中学生「ツナ」のところに、突然「リボーン」と名乗る謎の赤ちゃん家庭教師というのが現れたんだそうです。このリボーンは、ツナをマフィアの10代目ボスにするための教育をしにきた、イタリアのヒットマンだとか…。何か「何でダメダメ中学生がマフィアのボスに?」「何で赤ちゃんがヒットマンなの?」と謎だらけですが、とにかく「物騒だけど、どこか楽しい教育」の日々が展開されるんだそうですよ(^.^)b

でも、この日に録音した曲に関しては…というか、おっちゃんがやった分に関しては、バスクラリネットやアルトフルートが活躍する、どちらかといえば不気味で暗い感じのものが多かったように思ったそうです。その1つの例としては、木管が3人しかいないのに、そのうちの2人ともがアルトフルートに持ち替えたりしたんですって。これは、長年のキャリアがあるおっちゃんから見ても、わりと珍しいケースなんだそうですよ。アルトフルートの音って、私はどこか深みと柔らかみがあって好きなんですが、それが2つとなったら…どんな感じなんでしょうね〜。私がノロノロ編集してたために、もう録音から随分と経ってるんで、すでにオンエアで使われてるんじゃないかな〜? このあたり、ぜひ注意して聴いてみてくださいね♪

また、この日のクラリネットのパートはほとんどがバスクラリネットで、演奏者の元木さんは目立ちまくりだったそうですよ。いざ、マフィアのボスになるための教育を始めてもダメダメだらけだし、やっぱりそれなりに物騒な敵も現れる…とのことなので、そうしたシーンで使われるのかなあ。アニメの絵を見る限りでは何だか楽しそうな感じなのに、音楽は不気味そうだった…とのことなので、このあたりも楽しみに見てみたいところです。あ、この日の後半の録音は、約半分くらいは打ち込みのデータにダビングで、残りはクラリネット・フルート・パーカッション・弦カル…の生楽器だけでの録音だったそうですよ。


ところで、おっちゃんは今までに何度も佐橋さんとお仕事をしてますし、うちのレポでも幾つかは取り上げさせていただいてたのですが、いまだに1枚も写真がないんですよね〜。

で、いつもよりちょっと強めにおねだりしたら、ちゃ〜んと撮ってきてくれました。現場の皆さん、無理を言ってゴメンなさいです…(^^ゞ

そんなわけですが、フェイスミュージックの荒木さんにシャッターを押していただいて、こんな素敵な写真が撮れました♪


この日の後半の編成は、弦(マサさんのグループ:2222)、フルート&ピッコロ&アルトフルート(おっちゃん・金子奈美さん)、クラリネット&バスクラリネット(元木さん)、パーカッション(高田みどりさん)、打ち込み(佐橋俊彦さん)、指揮(はいしま公二さん)でした。

すでにオンエア中のこの番組、今後のストーリーの展開や音楽に注目して、ぜひ見てみてくださいねo(*^^*)o

 

 

419 アニメ「天元突破グレンラガン」(岩崎 琢)

2006年11月24日。サウンドインのBスタに行きました。この日は私が勝手にお兄さんのように慕っている、岩崎 琢さんのお仕事でした。まあ、お兄さんのように…といっても、不義理な私は滅多にメールしないんですが、いったんメールを交わすと、それまでのブランクが嘘のようにとても会話が弾むんです。これも、岩崎さんのお人柄なんでしょうね〜。こうしたレポを始めるまで「作曲家=学校の音楽室に肖像画として並べられる人」くらいの知識しかなかった私に、「作曲家さんも同じ人間なんだ♪」と感じさせてくれた方の1人です(*^-^*)

さて、そんな岩崎さんのこの日のお仕事は「天元突破グレンラガン」という、ロボット系のアニメの音楽録りでした。公式サイトを見ると、お話の舞台は遠い未来の地下都市(村?)だとか…。その時代の人たちは、かつて人類が地上に住んでいたことすら知らないようで、ときどき起こる地震と落盤に怯えながら、ひっそりと地下で息をひそめて暮らしてるんだそうです。そんなある日、地震のために割れた村の天井から巨大なロボットが落ちてきて、さらにそのロボットを追って地下世界からやってきたという少女も現れて…ってな感じで物語は進んでいくようですよ。きっと、とんでもないハプニングやハートフルな出来事など、色んなことが起こるんでしょうね〜。これを岩崎さんがどんな風に彩るのか、とても興味深いところですo(^-^)o

この日は事前にインペク屋さんの方から「オカリナをいくつか…あ、バスオカリナも持ってきてほしい」という連絡があったそうです。おっちゃんの話によると、バスオカリナというオーダーが入ることはあまりないそうなんです。だからこそ、この日は「岩崎さん、どんなん書いてきたんかいな?」と、とてもワクワクした気持ちになりながらも、「まあ、楽譜を見てみんことにはな…」と、とりあえず手持ちのオカリナ20個くらいを全て持って、スタジオに入ったそうです。オカリナ20個って…いくらソフトケースに入れてるとは言え、けっこうな嵩でしょうね〜。しかも全て陶器だし、かなりの重さになるんでは…!?
 
とにかく、この日はおっちゃん1人でのダビングだったみたいなので、サウンドインの広いフロアで伸び伸びと演奏するのかなと思いきや、おっちゃんがやっている間にフロアで次に入るストリングスのセッティングをする…という段取りになってたようで、例の中2階のブースに入ったそうです。でも、ブースに入った時点ではまだリズム隊を録ってたようなので、その間に「バスオカリナを使いたい」と言ってた楽譜を見せてもらうことにしたんですって。

すると、その楽譜の最低音は5線の中のA(ドレミファソラの‘ラ’)で、そんなに低いとは感じなかったおっちゃんは、いつも使ってる小さめのG管のオカリナと、今回の楽譜で最高音になる上第3間のD(ドレミファソラシドレミファソラシドレの‘レ’)に合わせて高いC管のオカリナを用意したそうです。あ、オカリナをはじめとする笛の類は、実際に楽譜に書かれてる音よりも1オクターブ上で吹くことが多いんだそうですよ。で、いざ吹いてみると「1オクターブ上ではなくて、楽譜通りの音が欲しい」って言われたそうで、まずは先ほど用意したG管のオカリナのオクターブ下の楽器で吹いて、それで出せない音は途中でその上のC管に持ち替えて補う…という、私にとっては「G管がどうしたって? ほんでC管が何?」って感じの持ち替えまくりだったそうです(;^_^A


ちょっと話は飛びますが…こちらは、おっちゃんと現場にいらしたフェイスミュージックの関谷さんのノート型パソコンなんですが、ほんのちょっと型が違うだけで、同じメーカーの、同じタイプのものだったんですって〜。

この偶然が嬉しくて、思わず写真を撮ってしまったそうですよ。

おっ、よく見ると、左側のパソコンにはウチのレポが映し出されてるような…?(^^ゞ


話は戻って…まあ、こんな感じであれこれしながらひと通り吹いたところでプレイバックしてみると、高音部のあたりでどうしても音が強く突出してしまう部分があったんですって。で、色々と考えてみた結果、普段は使わない替え指を使うことで問題解決となったそうです…って、こう聞いても、何のことやらサッパリ分かりませんよね?(分からんのは私だけ?(^^ゞ)

ここで、またもや私の得意とする、おっちゃんへのド素人的な質問攻めが始まりました。それで分かったことを少しだけ…フルートは唇の動きで音の強弱が決められるんだそうですが、オカリナやリコーダーは息を吹き込むだけなので、それができないんですって。こう言うと「じゃあ、吹き込む息の量を調節して強弱をつければ?」って思う方もいるかもしれませんが、何と面倒なことに、オカリナやリコーダーは息の量とピッチとに密接な関係があるようなんです。つまり、強く吹き込むとピッチが上がる…逆に弱く吹き込むとピッチが下がるんですって。で、もともと高い音になればなるほど強めに吹かないといけないっていう構造になることから、今回の曲も高音部のあたりの一部の音が強く突出したような感じになってしまったそうなんです。

そこで色々と考えた結果、おっちゃんは「替え指」という方法を思いついたそうです。この「替え指」って、私はピアノの楽譜なんかでいう「指番号を変える」こと…つまり、普段は中指で押さえてるところを薬指で押さえるようにするってことかと思ってたんですが、違うんですってね(^^ゞ いやまあ、こんなアホな話は置いといて…とにかく、さっきお話した「息を弱く吹くとピッチが下がる」というのを利用して、その突出してる音…例えば「ソ」だとすると、普通に吹いたらその「ソ」がちょっと上ずり気味に出るような指にわざとして、今度はそれをちょっと弱く吹いてピッチをずり下げることで、ピッチは正確だけれど突出することのない、本来ほしかった音色にしちゃったんだそうです(^o^)

よくまあ、こんなことが思いつくもんだと感心しきりの私ですが、これが現場でも大好評だったようで、この方法で問題の部分を差し替えてもらったそうです。まあ、こうしてわざわざ吹き直さなくても、あとで機械的な処理によって調整することも可能なんだそうですが、現場の皆さんからも「やっぱり生演奏でやっておく方がずっといい!」との声が上がって、いい雰囲気で録音は無事に終わったようですよ(^-^)


こちらは先ほどのパソコンの持ち主、フェイスミュージックの関谷さんに撮っていただいた岩崎さんとの2ショットです。

写真にマウスを乗せると、同じときに撮られたほんのちょっとだけ違う写真に切り替わるんですが、そっちの方が2人の表情がいいかな〜?

何はともあれ、その本格正統派の音楽だけでなく、ルックスの面でも人気の高い岩崎さんです(^.^)b


この日は1曲だけの録音だったので、結局バスオカリナは使わずじまいになってしまいました。でも、おっちゃんの「楽譜を見てみんことには」という機転でいっぱい持っていってたことが大正解となりましたね。で、使わなかったけれど、せっかく持ってきたから…ってことで、岩崎さんにバスオカリナを見せたりして、しばらくお話したそうですよ。

そうそう、楽器と言えば、岩崎さんは「結界師」というアニメの中で「シャハナーイ」というインドの楽器を演奏されてるんですよね(386番参照)。で、この日の録音で分かったことなんですが、何と「ネイ」というトルコやブルガリア地方を代表する楽器も持ってらっしゃるんだそうです。

ちょっと話が前後してしまいますが、この日の録音が始まる前に岩崎さんから「ネイって楽器、知ってますか?」と声をかけられたおっちゃん。その後「はいはい、知ってますよ〜♪」「あれは、どうやって吹くんですか?」「あれは奇妙な楽器でねえ、唇の端っこで音を出すんですよ。あんなもの、持ってるの?」「ええ、まあ…塩ビ管みたいな安い楽器ですけどね(^^ゞ」「色んな笛があるけど、あれは音を出すのが一番むずかしい部類の楽器じゃないかなあ」「へえ、そうなんですか?」なんて感じで、楽しいやりとりがあったみたいです…が、かくいうおっちゃんも、ネイに触ったのは実は何十年も前にたった一度だけなんだそうです。でも、そのたった1回のときでも、何とか音を出すまでには至ったとか…。あ、そのネイを使った音楽は、こちらで少しだけ聴くことができますよ(^.^)b

また、岩崎さんはオカリナも持ってらっしゃるんだそうです。もうこれにはおっちゃんも感心を通り越して「感激」って感じでした。お仕事の帰りにも「あの人の研究熱心さには、ほんまに頭が下がるわ。ほんでも、そうやって作曲家さん自身が色んな楽器に興味を持って、それに触れてみようと思うてくれるんは嬉しいこっちゃなあ」と、ほんとに嬉しそうに話してました。

ここで、ふと私は、前に他の作曲家さんから「ただ、その楽器の音のサンプルを聴いて、音域表を見てるだけで音楽を書いてはダメ。実際に自分が触ってみて初めて、その楽器が最もよく響く音域や演奏家の苦労を知ることができるからね」というお話を聞いたのを思い出しました。おっちゃんたち演奏家は常に「作曲家さんはどんなことを求めてるのかな?」ってことを考えに考えて演奏してるようですが、こうして作曲家さんの方も演奏者の気持ちを知ろうと頑張ってくださってるのって、何だか温かくていいお話ですね(*^-^*)

この日の編成は弦(竹内さんのグループ:86443・後入れ)、オカリナ(おっちゃん)、エンジニア(田村能成さん)、アシスタント(サウンドイン・三原さん)でした。この「天元突破グレンラガン」ですが、2007年4月1日の朝8時30分より、テレビ東京系でオンエアされます。どうぞ、お楽しみにo(^-^)o

 

 

418 教材の録音

2006年11月20日。サウンドインのBスタに行きました。この日は教材の録音で、インペク屋さんの方から「リコーダーのカルテットをやるんで、4人ほど集めてほしい」って連絡があったそうです。あ、この「ミュージシャン集め」ですが、普通はインペク屋さんが個々に連絡して集めるようですが、時々こうして代表の1人に連絡して、あとはその代表さんにお任せ…ってこともあるようです。そういや、弦はいつも「代表さんにお任せ」ですよね。

こうして、自分のほかに3人を集めるように指示をもらったおっちゃんですが、リコーダーが吹ける人を同じ日の同じ時間に4人も集めるのはけっこう大変みたいなので、篠原猛さんと2人でやってダビングすることにしたそうです。つまり、1人2重奏×2人=2人4重奏で、ちゃんとしたカルテットになるわけです(^.^)b

さて、現場に着いてからどんなカルテットの楽譜なのか見せてもらうと、ルネッサンス期の合唱曲みたいなのをリコーダーのカルテットでやるような感じだったそうです。ルネッサンス期の合唱曲…私の15年ほどの混声合唱生活の中で、半分以上はこうしたルネッサンス期の合唱曲を歌ってたんですよねえ。なつかしいなあ…なんて個人的な思い出話を語ってる場合じゃなかったですね(^^ゞ

見たところ、渡された楽譜には特に楽器の指定は書いてなかったようなので、とりあえず4パートあるうちの上の2パートをソプラノリコーダーでやったそうです。上から2番目のパートは普通は「アルト」と呼ばれるパートで、今回もアルトリコーダーでもできる音域だったそうなんですが、ソプラノリコーダーでやる方がずっと楽にできるメロディだったので、あえてソプラノリコーダーでやったんですって。で、上の2声は難なくOK。つづいて下の2パート…いわゆるテナーとバスにあたるパートをやるようになって、現場の方と「このテナーのパートはアルトでもテナーでもできそうだけど、どっちでいきましょうか?」なんて話をしはじめたときに、大きな問題があることが発覚したようです(>_<)

…というのも、最初に書いたように、今回は学校の教材のための録音だったんですよね。で、教材の録音に関しては今までにも何度かレポで取り上げさせていただいてましたが、その度に普通の劇伴なんかの録音とはまた違う意味での難しさがあることに触れてきました。そう、教材である以上、音の強弱も息をするところも、全て「教科書に書かれてる指示通り」でないといけないわけです。で、この日におっちゃんたちが手にした楽譜には特に楽器の指示はなかったようですが、その曲が載ってる教科書にはちゃんと「ソプラノ・アルト・テナー・バス」と、楽器の設定が書かれてたんですって。そんなわけで、最初にやった上の2パートは、アルトパートをソプラノリコーダーで吹いちゃったので御破算になり、やり直すことになったそうです(;^_^A

さて、気を取りなおして、まずは上の2パートの録音から…その問題の(?)アルトパートは篠原さんが吹かれたそうですが、アルトリコーダーで出せる最高の音まで出てくるので、けっこう大変そうだったとか…。でも、差し替えなんかをしてもらいながら、何とかクリアしたそうです。私がこうした数々のレポを通して親しくさせていただいてる作曲家さんたちのお話からすると、普通はその楽器の音域の最低音や最高音はできるだけ使わないように、その楽器が最も美しく響く音域で曲を書くことを心がける…とのことでしたが、今回はもともとが合唱曲なので、こうした事態も仕方がないんでしょうね〜。人の声の幅なんて人それぞれで「絶対にここまでしか出ない」なんてことはないんですもん。


で、次は下の2パート…テナーとバスのパートですが、バスリコーダーのキーがカチャカチャと音がするので、まずはオイルをたっぷりと挿してから録音に入ったそうです。

ほら、前にどこか別のレポでお話したかと思いますが、バスフルートやバスリコーダーのように音が低くなればなるほど、あまり大きな音は出なくなるんですよね。だから、録音時のマイクのレベルを上げるわけですが、そうするとほんの小さなキーの音でも、すごいノイズになったりするわけです。

ほんと、録音となると、コンサートなんかのステージ上での演奏からは想像もつかないような色んな手間があるんですね〜。


この下の2パートのときは特にトラブルはなかったそうですが、あるフレーズのところにだけ上のDの音…つまり、ソプラノリコーダーで言うと加線1本のA(ドレミファソラシドレミファソラの‘ラ’)が何度か出てきたんだそうですが、これがどうにも出にくくって往生したそうです。で、色々と試してるうちに、オクターブホール…左手の親指で押さえる、いわゆる裏側の穴のところにとある工夫をすることで乗り切ったそうです。

誰でも学校で一度はリコーダーに触れたことがあると思うので、1オクターブ上の音を出すときに、その左手の親指のところの穴を半開きにするというのはお分かりだと思います。で、あのときって、穴に爪を立てるようにして、爪の側に隙間を作るんでしたよね。これを、今回は爪側だけでなく、親指のお腹の方にも隙間を作るようにしたそうです。つまり、穴に爪の先だけつけてる…これぞまさしく「爪先立ち」って状態でしょうか。これをすると、その出にくかった音が綺麗に出ることに気づいたんだそうです。

で、実は、おっちゃんがこの楽器を買った当時にも、同じようにこの上のDの音が出にくくて四苦八苦した結果、今回と同じようにその両側に隙間を作るというワザを発見していたのを思い出したそうです。

おっちゃん本人は「もうちょっと早よ思い出せとったら良かったのになあ」なんて言ってましたが、何せバスリコーダーを買ったのは何十年も前の話みたいなので、忘れてたって仕方がないですよね(^^ゞ

ちなみに、右の写真は、その当時のものです。おっちゃん、まだ20代の後半か30代の最初って感じでしょうか(*^-^*)

先の「現代」の写真と同様、写真にマウスを乗せると画像が切り替わります♪


こうして何とか無事に録音が終わったんですが、この日にやった曲はどれも、音域その他でなかなか大変だったみたいですね。こんな風にプロのおっちゃんたちをてこずらせた曲の数々ですが、実は高校生用の教材なんですよね〜。おっちゃんも篠原さんも「こんなのをマジメに取り組んでる高校生もいるんだなあ」と、感心とも驚愕とも言えない不思議な気持ちがしたそうです。何はともあれ、お疲れさまでした(^o^)

 

 

417 OVA「冬の蝉」(平野義久)

2006年11月16日。サウンドインのBスタに行きました。この日は平野義久さんのお仕事で、「冬の蝉」というアニメの音楽録りでした。これは、テレビとか劇場で公開されるものではなく、最初はOVAとしてリリースされて、何本かリリースされた時点で劇場版になるんじゃないかな…というようなお話がスタジオではあったようですが、今のところ私の方では、それ以上の情報はつかめてませ〜ん(^^ゞ

さて、サウンドインのBスタと言えば、すぐにあの中2階のブースが浮かんできたりしますが、案の定この日もあのブースだったそうです。ただ、この日は珍しくサックスの方と一緒だったとか…。何で「珍しく」かと言うと、フルートとサックスは音量の面でかなりの差があるので、普通はフルートとサックスが一緒のブースに入ることは滅多にないんだそうです。ほほぉ〜もしかすると「回り込み」みたいな感じで、フルートのマイクにサックスの音が入ってきちゃう…なんてこともあるのかもしれませんね(^.^)b

で、おっちゃんも「大丈夫かなあ…」と不安に思いながらお仕事に取りかかったそうですが、いざ始まってみると、その不安は一気に解消されたそうです。それは、この日のサックスが、クラシック系の方だったというところに大きなポイントがあるようです。何でも、おっちゃんの話によると、ポップス系のサックスだとブラスと同じくらいの音量で鳴りまくるので一緒にやるのは厳しいものがあるんだそうですが(ポップス系はそれくらいじゃないとステージで目立てないんでしょうけれどね)、この日のサックスはクラシック系の方で、しかもしっかりとフルートとのバランスを考えて音量をコントロールしてくださったそうで、全く問題はなかったそうです。いや〜良かった、良かった(^o^)

ところで、このクラシック系のサックス…ですが、福井健太さんとおっしゃる方で、おっちゃんはちょっと「もしや…?」と思うことがあったようです。で、思い切って質問してみたとかで、お仕事のあと「ずっと気になっとったんやけど、やっとそのもやもやがスッキリしたわ♪」と嬉しそうに話すので何事かと思ったら、この福井さんは、あの「マリア様がみてる」のOPとEDで優美なソプラノサックスの音色を奏でてた方なんですって〜。あの作品は、ほかのアニメ作品との大きな違いとして、OPもEDもインストゥルメンタルだったんです。福井さんのサックスも素晴らしかったですが、おっちゃんのフルートも甘く優しくて、素敵だったんですよね〜♪

あ、その当時の録音の様子は「083番」のレポを参照してください。まだレポを始めて間もないころなので簡素なレポではありますが、それでも、そのときにもおっちゃんが福井さんのサックスの音色に心を打たれたことは、しっかり書いてありました(*^-^*)

話は「冬の蝉」に戻ります。この物語は、公式サイトによると幕末の激動の時代を描いたものだとか…。チョー歴史音痴の私では時代背景なんかは上手く説明できませんが、とにかく「敵」と「味方」になってしまった徳川の幕臣・秋月景一郎と長州藩士・草加十馬の悲恋の物語なんだそうです。そのせいか、音楽も緩やかで甘い感じのものが多かったみたいですね。ただ、バスフルートを使った曲が2曲ほどあったそうで、これはなかなか不気味なものがあったようです。う〜ん、戦いのシーンや、その裏でうごめく怪しげな画策のシーンなんかで使われるんでしょうかねえ。どのような仕上がりになってるのか、できあがりが楽しみなところですo(^-^)o

この日の編成は、弦(?グループ)、フルート&ピッコロ&バスフルート(おっちゃん)、サックス(福井健太さん)、ピアノ(細田真子さん)、打ち込み(杉本洋祐さん)、指揮(平野義久さん)、エンジニア(亀川 徹さん)でした。今回の弦は今までお会いしたことがないグループでお名前が分からなかったそうですが、学生さんを多く含む若い方々のグループだったみたいです。

この「冬の蝉」のDVDですが、本当なら2007年1月26日から毎月1巻ずつリリースされる予定だったみたいですが、何らかの事情で1ヶ月ずつ遅れるみたいですね。全国のDVD取り扱い店で予約&購入できるようなので、皆さんも是非どうぞo(*^^*)o

 

 

416 アニメ「のだめカンタービレ」(松谷 卓)

2006年11月15日。音響ハウスの1スタに行きました。この日、おっちゃんはお仕事の内容を全く聞いてなかったそうですが、3時間拘束ということから「何かの劇伴だろうなあ」なんて思いつつスタジオ入りしたそうです。すると、その予想は見事に当たり、今までに何度かレポさせていただいた松谷卓さんの劇伴のお仕事でした。

で、始まる前にインペク屋さんから「この後、なにかスケジュールが入ってますか?」と聞かれたおっちゃんは、ここでまた長年の勘から「こりゃあ、かなり曲数が多いんかもしれんな…」って思ったそうです。そしたら、またまたその予想が当たって、どっさりと楽譜が渡されたとか…。あ、その渡された楽譜の何枚かには、何と「のだめ・・・」と書かれてたんですって。「のだめ」と言えば…そう、あのフジテレビの人気ドラマ「のだめカンタービレ」ですよね。おっちゃんは、てっきりその追加録音だと思って演奏してたので、休憩のときに作曲の松谷さんに「これ、いつまで続くんですか?」って聞くと、松谷さんは「いや、来年から始まるんですよ」って言われて。思わず「へ?」と声を出してしまったおっちゃん。そんなおっちゃんの様子を見て松谷さんは「これ、アニメ版なんですよ」と教えてくれたそうです。そこでようやく「そういや、ドラマの方の作曲は別の人だったなあ」と気づいたおっちゃんなのでした(^^ゞ

さて、その音楽ですが、ドラマ版ほどではないにしても、モーツアルトのハ長調のピアノソナタ(ソナチネアルバムに入っている、ド〜ミソ・シ〜ドレド〜ってヤツ)の弦カルバージョンがあったり、第九のフィナーレのアレンジ版が出てきたり…と、クラシック作品のアレンジ版も結構あったみたいですが、ほとんどが打ち込みに生楽器をダビングするというスタイルになってたようです。「のだめ・・・」という作品の内容からすると楽器を演奏してるシーンがたくさんありそうですが、この日は劇伴的な音楽が多かったようで、そうしたソロの…いわゆる演奏してるようなシーンで使いそうな感じの曲はなかったみたいですね。もちろん、おっちゃんはフルートなので、お話のメインに出てくるピアノやヴァイオリンの方はどうだったかは分からないんですが…。
 
ここでこの日の編成ですが、弦(沖さんのグループ:6422)、フルート(おっちゃん)、オーボエ(森枝さん)、クラリネット(元木瑞香さん)、打ち込み(松谷卓さん)という感じで、弦セクションは今までにお会いしたことがないと思う、若い方が中心のグループだったそうです。また、オーボエの森枝さんとおっしゃる女性も、たぶん初めてお会いする方じゃないのかなあと思ったそうです。作曲家さんによって好みの演奏家さんが色々といるようですが、こうして色んな作曲家さんとお仕事してるおっちゃんは、いつも新しい出会いがすぐそばにあっていいですよね〜♪

ところで、この日は最初のうちこそ1曲ずつプレイバックするなどして丁寧にやってたそうですが、そのうちにテスト録音がそのままOKというケースも何度かあって、始まるまえにインペク屋さんと話したときの感じよりはずっと早く終わるんじゃないかな〜と思ったそうです。でも、結果的には2時間も押してしまったとか…これは、やっぱり拘束時間に比べて曲が多すぎたというのが1番の原因みたいですね。

あと、1つ気になることもあったようです…というのも、この日は木管3人が別々のブースに入れられて、完全に分離されてるという状態になってたんですって。もちろん、別々のブースでいてもモニターを通して音はよく聴こえてくるのですが、やはり同じ空間にいて演奏するのと、そうでないのとでは、かなり違うものなんだそうです。うん…私なんかのド素人の意見を書くのも何ですが、確かに一緒にいてこそ感じられる息遣いとか気配みたいなものがありますよね。で、それを感じてタイミングを計るなんてことも…。だから、そのあたりでちょっと手間取ってしまった…なんてこともあるんじゃないでしょうか。まあ、今回こうして別々にしたのには何らかの意図があったのでしょうけれど、おっちゃんとしては「一緒のブースにしてほしかったなあ」って気持ちがあったそうです。

このアニメは、2007年1月11日の24時45分から全国のフジテレビ系列で放送となります。こんなに人気の作品なのに、こんな真夜中の放送というのが残念な気もしますが、ここは是非ビデオを活用してオンエアを楽しみたいところですねo(^-^)o

 

 

415 お正月SPドラマ「風の来た道」(山下康介)

2006年11月6日。NHKの506スタに行きました。この日は、うちのHPでも何度も取り上げさせていただいてる山下康介さんとのお仕事で、「風の来た道」という、2007年のお正月SPドラマの音楽録りでした。

山下さんと言えば、この録音のちょっと前には「うずらちゃんのかくれんぼ」なんていう可愛らしい絵本の音楽を手がけられてましたが(まだアップできてなくて、すみませ〜ん(^^ゞ)、ほかにはゲーム音楽に戦隊モノに…と、ほんとに引き出しの多い方ですよね〜。ハネケンこと羽田健太郎さんのお弟子さんであることからオヤジギャグのセンスも相当なものなのかな…と思いますが、とにかく音楽の基礎がとてもしっかりした方で、演奏するおっちゃんたちには言葉にはできないような不思議な安心感があるんだそうです。まあ、それと同時に、そのしっかりした基礎があるからこそ書ける超絶技巧的な音楽なんかもあるので、背筋がピンとするものもあるとか…あ、こうしたところは、岩崎琢さんにも感じられるみたいですね。お2人とも大体よく似たお歳みたいですし、今後の音楽業界にもワクワク感がいっぱいありそうですね♪

さて、この日の「風の来た道」ですが、原作は2〜3年前まで現役の県庁職員だった林一臣さんという方。51歳のときに一念発起して県庁を退職し、東京で作家としての勉強を始められてわずか1〜2年で「創作テレビドラマ脚本懸賞公募」で最優秀賞を受賞され、今回のドラマ化となったようです。生活保護を受けながら暮らす母と、その母への心の葛藤に苦しみながらも自分の道を踏み出そうとする娘。そんな母娘と香川の美しい自然をたっぷりと描いたヒューマンドラマのようですよ(^.^)b

そんなドラマを彩る山下さんの音楽は、フルートとピアノと弦という編成で、優しくあたたかなものだったそうです。あ、ドラマの中ではこの主人公の女の子がブラスバンドでフルートを吹いてるシーンがあるとかで、おっちゃんの前にはモニターがセットされてたそうです。つまり、その女の子の動きに合わせてフルートを吹く…ってわけですね。こうした曲がいくつかあったみたいですよ。高校生の女の子が吹くフルートにおっちゃんの音色なんて、思わず「ちょっと上手すぎるんじゃないの?」って声が上がるんじゃないかと思うんですが、そのあたりの塩梅はおっちゃんもちゃんと考えてることでせう(^^ゞ

おっと、その「絵合わせ」の前に、まず全体での録音…つまり、劇伴部分の録音があったようです。今回は主人公がフルートを吹く…ということもあってか、その劇伴の部分でもフルートの出番が多かったみたいですね。ヒューマンドラマということで役者さんたちの演技にも繊細な部分が多いかと思うんですが、決してそれを邪魔せず、でも穏やかに包み込む…という、山下さんの魅力たっぷりの音楽みたいですよ。録音は、基本的には練習を1回やったらすぐ本番という感じでスムーズに進んで、1時間半ほどで終ったみたいです。

で、ここからセッティングを変えたりして、おっちゃんによる「絵合わせ」の録音になったそうです。まず、アカペラで吹いてるシーンからオケ…つまり劇伴に流れ込んでいくという曲が2曲あって、それから始めたそうですが、とりあえず先にひと通りの映像を見てみることにしたそうです。というのも、実際に吹いてるところが写ってるのはそれほど多くはないし、それでも山下さんがちゃんとクリックを打ってくださってたのでタイミングとしてはバッチリだったそうですが、役者さんがブレスを取ってるところもきちんと合わせないと、やっぱり不自然ですよね〜。そんなわけで、先にひと通り見て、音の長さなどの確認をしながら録音に臨んだようです。録音は「念のため…」ということで、2曲とも2通りずつ録って、このシーンは無事に終わったようです(^-^)

このほか、ブラスバンドのシーンと女の子が2人で練習しているシーンなんかがあったそうですが、これらのシーンは、この日スタジオにいらした女性のフルーティストさんと一緒にやったそうです。おっちゃんの予想では「映像の撮影のときに、役者さんにフルートの演技指導をした人ちゃうかなあ?」だそうですが、どうなんでしょうね?

で、このブラバンのシーンに関しては、撮影の時に一緒に録音した音だけが頼りで、全くクリックも入っていないために、山下さんが絵を見ながら棒を振ってくださったそうです。そうそう、このときの曲が、あの喜歌劇「メリーウイドウ」の組曲みたいな曲で、おっちゃんたちがフルートで吹いたのは、有名なソプラノのアリアのメロディーの一部だったそうです…と言われても、私のプロフィールに書いてあるように、私は曲名とメロディが一致しないことがほとんどなので、どんな曲やら想像がつきません。でも、おっちゃんが原稿に「有名な」って書いてくれてるから、きっとオンエアを見たら「ああ、この曲かあ!」って思うことでしょう(^◇^;)

この日の編成は、弦(杉野さんのグループ:44221)、フルート(おっちゃん、ピアノ(宮本 一さん)、指揮(山下康介さん)でした。このドラマは、2007年1月6日の21時から、NHK総合で放送されます。どうぞ、お楽しみに♪

 

 

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