おっちゃんの仕事場探検

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劇伴(映画・ドラマ・アニメなどのBGM)がどんなところで、どんな風に作られているのかを、おっちゃんから聞いたお話を中心にレポートしていきます。レポートの番号が進むにつれてだんだんと内容が濃くなり、ときには作曲家さんやエンジニアさんからいただいたコメントも出てきます。

ただし、これらは録音時の記録が主になっているので、実際にオンエアまたはリリースされたときにはタイトルが変わってる…なんてことも稀にあります。また、私の音楽の知識やパソコン技術の問題などによりお見苦しい点も多いかと思いますが、あたたかい目で読んでいただけると嬉しいです(*^^*)

こことは別の「スペシャルレポート」「オフラインレポート」などのページでも作曲家さんやエンジニアさんのお仕事ぶりやオフのときの様子をご紹介していますので、合わせてご覧下さい。

最後に…どうぞレポートをご覧になってのご意見・ご感想などを、ゲストブックやメール・ウェブ拍手などを通じてお聞かせください。今後の参考に、そして励みにさせていただきたいと思います。よろしくお願いしますm(__)m

 

 

 

 

491 NHK「地域発! ぐるっと日本」(塩崎容正)

2008年3月23日。赤坂のTBSのすぐ近くにある「ペイル・グリーン」というスタジオに行きました。このあたりをときどき通るおっちゃんからすると、この日はやけに人通りが多かったんだそうです。で、何事かと思ったら、ごく最近オープンした「アカサカサカス」を目当てにした人たちが大勢いたみたいです…って「この舌を噛みそうなアカサカサカスって何ィ〜?」と思って調べてみたら、こちらの公式サイトを見ると、「赤坂咲かす」をイメージした、いわゆる複合施設なんですね。しかも「アカサカサカス坂スタジオ」なんて早口言葉みたいなのもあるとか(^^ゞ

さて、この日はRMAJの塩崎容正さん。4月から新しく始まるNHKの「地域発! ぐるっと日本」という番組のテーマで、全国各地の地方局で放送された番組を全国発信していく…というような番組なんだそうです。


塩崎さんと言えば、2007年にリリースされたRMAJのレーベル「音☆コラージュ」の中で「カレイドスコープ」という曲を作られた方ですが、実はこの「音☆コラージュ」というアルバム全体のまとめ役もされた方なんだそうですよ。

前にヴァイオリンのマサさんのご協力で作った「コンサートマスターのお仕事 Q&A」の中で「‘音☆コラージュ’はマサさんがプロデュース」みたいに書いてたら「まあ、総合的にはそうなんだけど、今回のこのアルバムは塩崎くんが全体のまとめ役みたいなことをやってくれたんだよなあ」なんて話してくれました。


さて、この日は事前に塩崎さんから「楽器を色々と持ってきて〜♪」なんて言われてたそうで、おっちゃんが大荷物を抱えてスタジオに行くと、ちょうどそのマサさんが終わって出ていくところだったそうです。このペイルグリーンというスタジオは頑張れば5〜6人は入れるスタジオなんだそうですが(‘音☆コラージュ’のときには皆で一緒にやった)この日は1人ずつでダビングだったみたいですね。おっちゃんのあとは塩崎さんがギターをダビングされる予定になってたとか…。

で、いっぱい持っていったわりには結局パンパイプだけになって、オープニングテーマを2タイプとエンディングテーマなどを録ったそうです。これは「色んな楽器を使って、いっぱい録ろう」じゃなくて「色々と聴いてみて、1番イメージに合うのにしよう」ってことだったのかもしれませんね(^.^)b

そのオープニングテーマは#が1個…つまりG(ト長調)で、エンディングは#2個(ニ長調)というキーだったそうですが、最後にやった曲は臨時記号がいくつもついていて、パンパイプの楽譜としてはちょっと「?」な感じだったそうです。でも、よく見ると「ディミニッシュ・スケール」っていうものだったとか…。

はて…ディミニッシュ・スケールとは何ぞや?(@_@;)
で、ちょっと調べてみたんですが、やっぱり私には難しいです〜。でも、こちらこちらに解説がありますので、分かる方はどうぞ♪

あ、もしかしたら「臨時記号がいっぱいついてるなんて、パンパイプでどうするの〜?」って思われる方もいるかもしれませんが、そこはおっちゃんオリジナルのパンパイプ。パイプを組み替えて難なくクリアしたそうです(^o^)

この番組、2008年4月6日(日)の午前10時50分から総合テレビで放送されます。どうぞ、お楽しみにo(^-^)o

 

 

490 映画クレヨンしんちゃん「ちょー嵐を呼ぶ 金矛の勇者」(若草 恵ほか)

2008年3月21日。映画「クレヨンしんちゃん ちょー嵐を呼ぶ 金矛の勇者」の音楽録りのために、サウンド・インのAスタに行きました。もう、この時期の恒例行事ですね♪

さて、今回は録音のお話に入る前に、スタジオについてお話したいと思います。実は、この映画「クレヨンしんちゃん」の録音は、2007年の「歌うケツだけ爆弾(453番)」も、2006年の「踊れ!アミーゴ!(344番)」も、2005年の「ブリブリ3分ポッキリ大進撃(229番)」も、ず〜っとサウンド・シティで行われてたんですね。でも、今回はサウンド・イン…これには何か特別なわけがあったんでしょうか。さっそく、エンジニアの中村さんにお話を伺ってみました(^.^)b

何でも、今回はいつも使っているサウンド・シティが改装中、ビクターもスケジュールが取れない…ということでサウンド・インに決まったそうなんですが、ここでとても面白いお話が聞けました。このサウンド・インAスタというのは横に長いスタジオなんだそうで、オケのセッティングに大きく影響してくるんだそうです。

…というのも、エンジニアの中村さんとしては、弦の後ろに木管、木管の後ろに金管のブース…というようなセッティングをしたかったそうなんですが、それがこのスタジオではできないんですって。もちろん、小編成のアンサンブルなら弦の前に木管を置いたりすることで問題なくできるそうなんですが、今回は弦(64222)、木管・トランペット・トロンボーン・ホルンが3人ずつ…みたいな大編成だったので、できなかったわけですね。

さらに専門的なお話をすると、こうした横長のセッティングになると「アンビエンス・マイク」というのが立てられないことを意味するんだそうです。この「アンビエンス・マイク」というのは全体の空気感を録るマイクだそうで、場合によってはオケの核となる、とても大事なマイクなんだそうですよ。このマイクが立てれらないってことは、オケ全体の生演奏のバランスを拾えないってことで、特に木管の距離感を取れないってことに影響するんだそうです。う〜ん、つまり私が思うに、オンマイクだけだと直接音ばかりで全体的に平べったい音になりがちなので(やっぱり間接音や各楽器の‘かぶり’がないと奥行きが出ないんだそうです)、「残響」っていうか「余韻」みたいなものを録るためのマイクって考えると、分かりやすいんじゃないでしょうか…って、ぜんぜん違ってたらどうしよう?(^^ゞ

あと、中村さんからは「ステレオ、あるいは5chで…」なんて聞いたんですが、これは前に亀川さんと川崎さんに教えてもらった「5.1ch講座」からすると、その「アンビエンス・マイク」ってのを、オケの皆さんの間に2本か5本か立てる…ってことなんだと思います。


こちらが、エンジニアの中村充時さん♪

前の映画「ワンピース」のレポ(483番参照)のときに、エンジニアさんの視点からたくさんのことを話してくださいましたよね。で、それが読者の皆さんから大好評だったので、今回も甘えさせていただきました(^^ゞ

中村さんのお話がかなり専門的な内容であることと、私があまりに無知なことでなかなか中村さんからのメールを理解できず、何度も「ここの文は…○○って意味ですか?」みたいな質問攻めにしてしまうことが多いんですが、いつもとても優しく教えてくださって、ほんとに感謝・感激です(*^-^*)


で、サウンド・インのアシスタントさんからは「これだけの編成だとワンフロアで開けっ放しにして録られるエンジニアさんも多いですよ」なんて言われたそうですが(これって‘同録’ってこと?)、中村さんとはして「その手もあるけど、今回はちょっと無理かなあ…」って思ったそうです。それは何故かと言うと、この日は1つの作品に対して作家さんが3人(若草 恵さん・荒川敏行さん・丸尾 稔さん)もいらっしゃるわけで、短い録音時間の中で三者三様の音楽に対応するとなると、自然と録り直しも多くなるので、あとで差し替えがしやすいようにブースで分ける方法を選んだそうです。案の定、けっこう録り直しは多かったみたいです(;^_^A

結局、こうしてブースに分けたことでアンビエンス・マイクは思うように立てられなかったそうですが(それでも何とかストリングスの間には立てたとか…中村さん、すごい!)、この「クレヨンしんちゃん」の音楽は「ワンピース」や「ポケモン」ほどフルオケの壮大な感じを前面に出さなくても大丈夫…とのことで、セッティングやマイクの件はクリアになったそうです。それにしても、作品によって、スタジオの環境によって、メンバーや作家さんによって、ここまで録音の仕方を使い分けてるというのに驚きでしたし、またまた職人魂みたいなものを聞かせていただけて、ほんとに嬉しく思っています(*^^*)


こちらは副調室の様子です。

テレビの劇伴録音と違って、この日はほんとにたくさんのスタッフがいらしたとか…。映画会社の方たちでしょうかね?

この、2人ならんでる奥の方が中村さんで、手前が荒川さんです(^.^)b


さて、ようやく音楽に関してのお話です。この日の音楽はあまり長い曲はなかったようですが、代わりにテンポが速く、動きも細かい…いわゆるミュージシャン泣かせの曲がけっこうあったそうです。しかも、中にはテンポが180というような極端に速いものも多かったとか…何せ、終わった直後のおっちゃんからの第一声が「いやぁ〜大変やったわ(^^ゞ」ですから、いかに苦労したかが分かりますよね(^◇^;)

これらの速い曲は、しんちゃんたちが「ヘンジル」という空間に閉じ込められたときに、しんちゃんをお助けする「マタ」というのが変身した飛行機に乗って「ヘンジル」の中で戦うシーンに使われる曲なんだそうですよ。監督さんからは「昔の冒険活劇みたいな感じで…」という指示があったらしいのですが、これは「トム&ジェリー」のような、キャラの動作に音楽がくっついたようなものをイメージされたんだとか…。だからこそ、ものすごい速さの曲だったり、恐ろしく動く曲だったりしたんだと思います。この演奏におっちゃんたちは大苦戦したようですが、作曲された丸尾さんもそんなドタバタ劇のイメージを音にするなんて大変だったでしょうね〜。

あ、ヴァイオリンの小池さんからは「僕の場所からフルートのお2人はとてもよく見える位置にいらしたのですが、目が点、両手の指が目まぐるしく動いておりました。イヤフォンから聞こえてくるトロンボーンのパッセージに『あーかわいそうに・・・』という感じのフレーズが時折・・・。ストリングスも早いテンポと細かいパッセージが多かったのですが、管楽器ほどの大変さではなかったように思います。むしろ公平さんのワンピースの方がはるかに大変かもしれません。 (^_^;)」なんてコメントをいただきました。ふむ…やっぱり、かな〜り大変だったみたいですね。それにしても、小池さんの話し方がとてもユニークで、いつメールを交わしても楽しませてくれます♪

また、こうした状況に対して、これらの大変な曲をメインに作曲された丸尾さんからは「今回、僕の分は速いテンポの曲が多くなってしまって、ミュージシャンの方には大変な思いをさせてしまいました。 それでも出来ちゃうのが流石です。これが出来るってわかったので、来年はもっと速く・・・・嘘です。」なんて冗談まじりの楽しいコメントもいただきましたよ。いや、あながち冗談でなかったりして…こりゃ、来年の録音が楽しみですね(^_-)-☆

そうそう、この日は他に、荒川さんが作曲されたオカリナの曲が1曲、若草さんが作曲されたケーナの曲が1曲あったそうですが、どちらもゆったりした癒し系の曲だったそうです。このコントラストもまた、楽しみの1つですね(^o^)

それから、このレポを仮アップして内容確認をしてもらってるときに中村さんに教えていただいたエピソードを1つ…。この日の指揮者・はいしまさんの口調が妙に福田首相にそっくりなときがあったそうで、フロアでもコントロール・ルームでもウケてたそうです。何でも、声のトーンが近いのと、福田首相の大きな特徴の1つである、どこか「人ごと風」な物の言い方がそっくりだったんですって。ふふ、ぜひ一度、聞いてみたいもんです(^◇^;)


こちらは、若草さんとおっちゃんと丸尾さんの3ショットです。写真にマウスを乗せると、別カットの3ショットになりますよ。そのときの若草さんの笑顔が、ほんとに素敵なんです(*^^*)

今回も荒川さんはタイミングが悪くて(荒川さんが振ってらっしゃるときに撮ったそうです)写真に入っていただけませんでしたが、いつか必ず…!


この日の録音のことは、ピアノの松田真人さんの日記にも書かれています。松田さんの優しい口調で、とても細かなところまで書いてくださってて、これまた面白いんです。ぜひ合わせて読んでみてくださいね(^.^)b

編成は、弦(小池弘之さんのグループ:64222→4422)、フルート&ピッコロ&オカリナ&ケーナ(おっちゃん)、フルート&ピッコロ(金子奈美さん)、オーボエ(石橋雅一さん)、クラリネット(十亀正司さん)、ホルン(藤田乙比古さん他2名)、トランペット(西村浩二さん・横山 均さん他1名)、トロンボーン(松本 治さん他2名)、チューバ(佐藤 潔さん)、ピアノ(松田真人さん)、パーカッション(高田みどりさん・藤井珠緒さん)、アコースティックギター(安田裕美さん)、ヴァイオリンソロ(篠崎正嗣さん)、指揮(D島公二さん)、エンジニア(中村充時さん・三原典子さん)でした。

この映画は、2008年4月19日から全国でロードショーされています。映画版ならではの、しんちゃんのダイナミックかつハートフルな映像と、生オケだけで30曲以上、シンセの曲も合わせると60曲以上にもなる三者三様の素晴らしい音楽を、大きなスクリーンで存分に楽しんできてくださいねo(^-^)o

 

 

489 CM「Kubota」(周防義和)

2008年3月17日。音響ハウスの6スタに行きました。このところ不思議と音響ハウスでのお仕事が続いてたおっちゃんですが(レポしてないもの多数(^^ゞ)この日は何と「6スタ」という小さなダビング用のスタジオだったそうです。あ、その「6スタ」については、音響ハウスのHPのこちらをご覧くださいね(^.^)b

この日の音楽は、 周防義和さん。周防さんといえば映画・アニメ・CMなど、たくさんの音楽を作られてるほか、キーボードやギターなんかでの演奏活動もされてる素敵な作曲家さんですが、ごく最近では「それでもボクはやってない」という映画が色んな賞を受賞して、その映画音楽も「第31回日本アカデミー賞優秀音楽賞」を受賞して、日本全国で話題を集めましたよね〜。特に、3月はじめにテレビで放送された直後、実際にあの映画と同じような事件が起こったりしましたし…あれにはほんとにビックリしました。あ、あの映画の監督をされてる周防正行さんとは、お従兄弟さんになるんだそうですよ♪

とにかく、そんなこんなで私の周りでもすごい反響だったんで、それをお伝えしようと久々に周防さんにメールをすると「実は17日にCMレコーディングがあって、旭さんにサンポーニャをお願いしてるんだよ」とのお返事をいただいたんです。そこからはもう、おっちゃんには「17日は周防さんとのお仕事って?ほな、写真よろしく〜!」、周防さんには「おっちゃんがカメラを向けたら、ご協力よろしくです〜!」なんて感じで、一気に仕切っちゃったんでした(^^ゞ

さて、そのお仕事の内容ですが、農業機械や住宅などでお馴染みのクボタのCMでした。周防さんの方からは「サンポーニャは久々に使うので、楽器の特性なんかを忘れてて旭さんにご迷惑をかけるかも?」なんて聞いてたんで、ちょっとおっちゃんに様子を聞いてみると「おう、もし難しいパターンやったら困るかもしれんし…やいうて、先に楽譜と音源を送ってもろとるよ。でも、この感じやと、そう心配せんでもパンパイプとフルートとピッコロで何とかなるんちゃうかなあ」って感じでした。こういう事前の配慮というのが素敵だなあと思いますし、これが現場での作業をよりスムーズに進めるための1つの鍵でもあるんですよね〜♪

…とはいえ、もしも現場で「色んな楽器を試してみたい」ってことがあるといけないので、この日もおっちゃんはケーナやリコーダー、それにホイッスルなんかも用意していったそうですよ。そうそう、この「サンポーニャ」ですが、おっちゃんの「パンパイプ」と同じものです。ただ呼び方が違うだけなんですって(^.^)b


こちらはパンパイプを演奏中のおっちゃん。

現場でもらった楽譜は、事前に送ってもらってた資料とほとんど変わりはなかったようですが、楽器の割り振りや音域、それに録音の手順なんかを打ち合わせてから、録音に臨んだようです。

事前の資料を見た段階では「そう問題ないかな…」と思ってたパンパイプですが、本番ではやっぱり少し手間取って、けっこう差し替えなどがあったようです。でも、アシスタントさんがすごく手際のいい方で、とても助かったそうですよ♪


こうして、曲の前半はパンパイプのソロ、そのバックにはフルートでオルガン風の動きをしたものを入れて(もちろん、これもおっちゃん)、後半はフルートで別のメロディを吹いたそうです。この後半部分のフルートは、そのあとにダビングで入るチェロのソロとユニゾンになるんだとか…チェロとフルートのユニゾンかあ。何か、静かで温かで深い響きがするのかなあ。オンエアが楽しみ、楽しみo(^-^)o

で、ひと通りやったあとで、その後半部分のフルートをパンパイプでやってみたらどんな感じだろう…ってことになって、やってみたそうです。そうすると、パンパイプとチェロのユニゾンってことになるわけですね。ああ、これも何か魅力的な感じがするなあ。どんなんだろ〜? あ、もしこのパンパイプの方が採用されると、ほぼ全編パンパイプってことになるわけですが、どうなるのかなあ…っていうか、どっちかに決めずに、両方のパターンを流すってことは無理なんでしょうかねえ(;^_^A

そうそう、CMの場合は「15秒」「30秒」「60秒」なんて感じで同じようなのを何パターンか録ることが多いんですが、この日は60秒バージョンだけを録ったそうです。で、30秒のは、いわゆる切り貼りをして作るんだそうですよ。ああ、それならなおさら、パンパイプバージョンとフルートバージョンの両方を作ってほしいなあo(*^^*)o

あ、録音の合間、アシスタントさんがデータの整理なんかをしているときに、周防さんが携帯を片手にブースにいらしたそうです。で、おっちゃんに「写真はいいんですか?」って声をかけてくださったとか…。それを聞いておっちゃんは「おう、そうじゃ!」って思って、そのまま2人の写真撮影大会に入ったそうですが、いやはや…スタジオに着く直前におっちゃんに「写真、頼んだよ♪」ってお願いしたのに、あやうく忘れられるところでした。周防さん、よくぞ声をかけてくれました〜って感じかな?(^^ゞ

最近、こんな感じで作家さんやスタッフの方々から「写真を撮りましょうか?」なんて声をかけてくださることが多くなって、ほんとに嬉しいし、ありがたいと思っています(*^^*)


こちらが、その場にいらしたディレクターさんが「どうせなら2人で…」って言って撮ってくださった、周防さんとの2ショットです。同じものが周防さんの携帯にも入ってるわけですね♪

写真にマウスを乗せると、2人がアップになります。

周防さんとお会いするのは、2006年10月に録ったセキスイハウスのCM音楽のとき以来だそうですが、とても話が弾んで、楽しいひと時だったそうですよ(*^-^*)

あ、周防さんが持ってらっしゃるのは、パンパイプの替えの部品を入れた箱です(^^ゞ


ところで、このレポの冒頭で「映画の話で周防さんにメールした」ってことを書きましたが、そのときに聞かせていただいた、映画「それでもボクはやってない」に関する素敵なエピソードをご紹介しましょう。

あの映画をご覧になった皆さんは(まだの人はぜひ早いうちに見て〜!)内容どうこうの前に、映像や音楽について、どう感じられたでしょうか…。私は、ただただとてもシンプルに感じたんですね。凝ったセットも、主役が浮き上がって見えるような照明もなく、音楽もほんとに少なめ。だからこそ余計にストーリーにのめりこんだ…ということもあるかと思います。実はこれ、監督さんの指示だったんですって〜。

この映画を撮るために監督さんは何年も裁判所に足を運び、警察事情や裁判所事情などを一生懸命に調べ、最終決定の台本までに4つくらいの脚本を書かれたそうです。ここには、ドラマなんかでありがちな下手な脚色をしたり、妙に美談で終わらせることなく、この世の中で現実に起きていることをそのまま映画として皆に伝えようという強いお気持ちがあったからこそ、ああいう映像と音楽になったんだそうです。

だから、監督さんに「何もしないで…いっさい余計なものは排除して…」って言われたときに、照明さんも美術さんも、そして音楽の周防さんも、そうした監督さんのお気持ちがよく分かったので、すぐに気持ちよくOKしたそうですよ。何か、こうして現場で心が1つになった瞬間って、いいですよね〜。聞かせていただけて、ほんとに嬉しかったです。

おっと、大事なことが…映画ではほとんど音楽がなかったんですが、実は周防さんはたくさん用意してたんだそうですよ。そのほとんどが使われなかったとのことなので、普通だったら監督さんに文句の1つも言いそうなものですが、そこには先ほどお話した、素敵なエピソードがあったわけですね。ちなみに、その映画では使われなかった…という音楽は、何とサントラで聴くことができます。私も近いうちに買おうと思ってるんですが(次女の入学準備で物入りで…(^^ゞ)皆さんも是非どうぞ♪

お買い物は→ Amazon JBook などで♪
あと、周防さんの自信作であり、今後の周防さんの代表作にもなるんではないかと思われる映画のエンディングテーマ「静けさの中で」ほか全ての曲がこちらで試聴できます。これらを聴きながら映画の色んなシーンを想像するというのも、また面白いと思いますよ(^_-)-☆

話はCMのことに戻ります。この日に録ったCMですが、チェロとパンパイプのバージョンは2008年3月下旬からオンエアされてるようです。ただ、提供番組枠でのオンエアなので、がんがん流れてるわけではないようですが、とても好評らしいですよ〜。そのうちクボタのHPのこちらでも聴けるようになるのではないかと思ってるんですが、せっかくならテレビの大きな画面で見て、パソコンよりいいスピーカーで楽しめるよう、しっかりテレビをチェックしてみてくださいねo(^-^)o


 

 

488 アニメ「二十面相の娘」(三宅一徳)

2008年2月23日。サウンドインのAスタに行きました。この日は2008年4月からオンエアされる「二十面相の娘」というアニメの音楽録りです。音楽は三宅一徳さん。おっちゃんはフルート・ケーナ・パンパイプ・リコーダーを使ったそうですが、まず最初は弦やパーカッションと一緒に、弦セクションが帰ったあとはマサさんのヴァイオリンソロと一緒に何曲か…で、最後は1人でダビングという流れだったそうですよ。

これは「月刊コミックフラッパー」という雑誌に連載されている、小原慎司さんが描かれたコミックをもとにしたアニメで、「二十面相の遺産」と呼ばれる巨大な謎をめぐって起こる奇怪な事件や、それにまつわる人々の悲しい思惑、主人公「千津子(チコ)」の11歳から13歳までの心の成長などを描いた、奥深い作品のようです。

パンパイプを使った曲は2曲あったそうですが、どちらもテンポの速い8分の6拍子で、これにはちと手間取ってしまったそうです。まあ、特に難しい跳躍なんかはなかったそうですが、発音が遅れたり、長いフレーズでブレスが続かないところがあったりして、少しずつ区切って録るなどして何とか乗り切ったそうです。パンパイプは他の楽器と比べて息の消費量が多いので、他の楽器でやるとそう長く感じないフレーズでも、意外と難しいこともあるようです。


これは、おっちゃんのいたブース内にあるモニターで見た三宅さん…と、画面右上にいるのはマサさんです♪

ちょっと画像が悪いのは、お許しを…(^^ゞ

写真にマウスを乗せると、今度はモニター越しに見たマサさんのアップになりますよ(^.^)b


こうして一通り終わったところで、三宅さんが「これをリコーダーでやりたいんですけど…」と言って1枚の楽譜を持ってこられたそうです。で、見せてもらうと、歌詞なんかも書き込まれてある歌メロのような楽譜だったので、テーマソングか挿入歌なのかもしれませんね。リコーダーというのは事前のオーダーには入ってなかったそうですが、たまたま持ち合わせていたので(もしものことを考えて持ってることが多い?)無事に吹くことができたそうです。楽譜の感じからC管のような気がしたそうでソプラノリコーダーを使ったそうですが、とても繊細で綺麗なメロディーだったそうですよ♪

ところで、この日おっちゃんがスタジオに入ったときは、まだ弦がダビング中だったそうです。で、しばらく廊下で待っていると、突然ヴァイオリンを持った女性がバタバタと駆け込んできたんですって。何でも、この日は前線だか低気圧だかの影響で関東一円にすごい突風が吹き荒れていて、あちこちで電車が止まるなどしていたそうですが、その女性は運悪く1時間以上も止まってしまった電車に乗り合わせてしまい、遅刻となってしまったようです(^^ゞ

このアニメは、関東地区で2008年4月12日(土)の深夜26:05分からフジテレビでオンエアされます。そのあと関西テレビ・東海テレビ・BSフジでの放送も予定されてるそうなので、どうぞお楽しみにo(^-^)o

 

 

487 映画「ラストゲーム 〜最後の早慶戦〜」(和田 薫)

2008年2月22日。AVACO(アバコ)の301スタに行きました。この日は和田薫さんのお仕事で、拘束時間が5時間と長かったので、おっちゃんと「何やろか…春に始まる新しいアニメか何かかなあ?」と、声を弾ませながら話してました。さて、その気になるこの日のお題は、2008年の夏に公開される「ラストゲーム 〜最後の早慶戦〜」という映画の音楽録りでした。

映画の舞台は1943年(昭和18年)。太平洋戦争の真っ只中で「野球は敵国アメリカのスポーツだ!」という声に六大学野球が廃止された上、学生に対する徴兵の猶予も停止され、ついこの前まで青空の下で白球を追いかけてた青年たちは、バットの代わりに銃を握らなければいけない…という世の中でした。

でも、早稲田大学野球部顧問の飛田穂洲さんは「生きて帰れるかどうかも分からないこの子たちに、出陣のその日まで野球をやらせてやりたい」と言い、野球の練習を続けます。そこに、慶応義塾塾長の小泉信三さんが「早慶戦」を申し込んできて、飛田さんもそれを快く受け止めます。そこから軍や大学上層部、その他ほんとにたくさんの反対・非難の声を浴びながらも、ただ「この子たちに生きた証を残してやりたい」という一心でさまざまな困難を乗り越えて、早稲田と慶応の試合を実現させていく…というお話です。

この「最後の早慶戦」に関しては、映画の公式サイトのほかにウィキペディアなども参考にしてみてくださいね(^.^)b

ところで、和田さんと言えば…前に「北辰斜にさすところ(431番参照)」という「旧制七高VS旧制五高」を取り上げた映画や「ミスタールーキー」なんて映画も手がけられてましたが、何でこんなに野球に縁があるんでしょ…個人的に、ちょっと不思議だったりして?(^^ゞ


こちらは監督の神山征二郎さん。
写真にマウスを乗せると、アップになりますよ♪

録音に先立って、監督さんがオケの皆さんに「昭和18年頃の話なので、皆さんはまだ生まれておられなかったと思いますが…」なんて感じでご挨拶されたそうですが、その中で1人「わしはもう3歳になっとったわい」なんて思ってたおっちゃん(15年生まれ)です(^^ゞ

あとで監督さんがブースにいらしたときに「実は昭和18年には生まれてました…」っておっちゃんが言うと、監督さんご自身は16年生まれだそうで、そんな話でとても和やかな雰囲気になったそうです。


さて、録音のお話ですが、そうしたとても重みのある映画なので、音楽の方も中低音部の楽器が活躍する曲が多かったようです。あ、クラリネットの星野さんはバスクラリネットに、オーボエの庄司さんはイングリッシュホルン(コールアングレ)に持ち替えた曲もけっこうあったそうですよ。で、おっちゃんも事前にインペク屋さんから「和田さんだから、色んな楽器を持ってきといてね」って言われてたそうですが、結局この日に持ち替えたのはリコーダーだけで、あとはフルート1本での勝負だったようです。

あ、この監督さんは、とある番組内で「平和な世界こそ僕らが目指すべきもの…といつも考えている」「若い命が散ってしまうかもしれない…そのギリギリのところを描きます」「戦争の時代に青春を送った者と、それを見つめてきた大人たちの物語ですから…」と、この作品に対する思いを熱く語ってらっしゃったんですが、私にはそれが印象的でしたし、ぜひ観てみたい映画だと思いました。

その番組内で紹介された映画の一部に、早稲田の応援団が、負けている慶応の応援歌「若き血」を歌う…それを反対側の観客席で聴いた慶応の応援団が次々と立ち上がり、今度は早稲田の校歌「都の西北」を歌う…というシーンがあるんですが、ここだけでもう涙・涙になりますよ〜。

また、今回の映画制作にあたって慶応OBの「上田三田会」の会長・金子八郎さんは「死が目前に迫ってきたんだなあというのが、そこにいた全ての人の共通の気持ちだった。だからこそ本当に良い試合をやりたい…マナーを守って、模範的な試合をやって、歴史に名を残す試合として皆で燃え尽きよう…そんな気持ちでした」なんて語ってらっしゃいましたが、戦争を知らない私にもこれは胸に強く迫るものがあります(>_<)


では、ここでドド〜ンと大きめの写真を1枚…

エンジニアの山田さん、こうしてちゃんとお顔を見るのは久々なんですが、笑顔がいいですよね(*^-^*)

それにしても和田さん、手が綺麗〜☆・:.,;*

…って、どこ見とんだか(^^ゞ


録音に参加されたパーカッションの小竹満里さんの日記にも書かれてましたが、録音自体はとてもスムースで、予定の30分ほど前には全ての録音が終了したようです。和田さんの、重厚なベースに豊かで流れるようなメロディ、そして時折とても効果的に入る繊細な音色によって作り上げられた和田さんならではの音楽がどんな風にこの映画を支えていくのか、楽しみですね(*^^*)

編成は、弦(マサさんのグループ:86442)、フルート&ピッコロ&リコーダー(おっちゃん)、オーボエ&イングリッシュホルン(庄司知史さん)、クラリネット&バスクラリネット(星野 正さん)、ファゴット(前田正志さん)、ハープ(朝川朋之さん)、トランペット(佐藤秀徳さん・,長谷川智之さん)、トロンボーン(桑田晃,さん他2名)、チューバ(柏田良典さん)、ホルン(松崎 裕さん他2名)、パーカッション(高田みどりさん・小竹満里さん)、ピアノ(松田真人さん)、打ち込み&指揮(和田薫さん)、エンジニア(山田正弘さん・金子裕一さん)でした。

この映画の予告PVが↓で見られます。(予告を再生すると前半で和田さんの劇伴が、後半で鬼束ちひろさんのテーマソングが流れます)。胸の奥をぎゅっとつかまれるような切なさ、美しいんだけれども恐ろしく儚い感じ…その中から湧き上がる強い力みたいなものが感じられる、ほんとに素敵な音楽ですよ(>_<)

 

 

また、この日の様子は、ピアノの松田さんの日記(このページの2月22日のところ)にも書かれています。松田さんらしくピアノの話題が中心ですし、松田さんの礼儀正しく優しいお人柄がよく分かる素敵な日記ですので、合わせて読んでみてください♪

最後に…この映画は、2008年8月に全国でロードショーされます。私のような戦争を知らない世代の人が増えてきて、しかもここ数年のような天災が続く不安定な世の中だからこそ、この映画を観て、平和というものを見つめなおすべきなのかもしれません。お近くの映画館で公開されたときは、ぜひ足を運んでみてくださいねo(^-^)o

 

 

486 映画「ポケモン ギラティナと氷空の花束シェイミ」予告編音楽(宮崎慎二)

2008年2月16日。ビクターの301スタに行きました。この日は宮崎慎二さんのお仕事で、2008年7月に公開される映画「ポケットモンスター ギラティナと氷空の花束シェイミ」の予告編の音楽録りでした。こちらも1ヶ月ほど前にインペク屋さんから録音の日程を教えていただき、その後はそれにおっちゃんの参加が決まったことも教えていただき、とてもとても楽しみにしていた録音です(^o^)

さて、この日の音楽は、映画の中で鍵となるようなシーンが次々とフラッシュしていくような映像につける音楽ということで、どの曲もとても短いものだったそうです。でも、きっとこの「短い」ってのが、作曲家さんからすると逆に難しいのかもしれませんね…なんて勝手に書いてたら、宮崎さんに「そんなことないわい!」って怒られたりして(^^ゞ

録ったのは全部で7曲。そのうちの2曲は来年とか再来年とか(?)…とにかく今後の予告編の中で使いやすそうなものを2パターンってことだったそうですが、これはつまり、まだ何年もポケモンの映画が続けられるってことですよね〜♪♪

そういえば2007年のクリスマスごろだったか…日曜の朝に放送されてるポケモンの最後の方で、映画の制作に関する情報が流れたんですよ。監督さんのインタビューもとても面白かったんですが、そのあとに出てきたロケハン(撮影の下準備の為に行うロケーション設定作業)として北欧の方を訪れているスタッフの皆さんの映像の中に、何と宮崎さんの姿が…! しかも画面のど真ん中に…! ほんの一瞬でしたが、思わずテレビにかぶりついてしまいました(^◇^;)

で、いきなりのことでドキドキしてるのと嬉しさのあまり、すぐ宮崎さんに「さっきテレビに宮崎さんが…!」ってメールしたんです。そしたら「日本全国の一族郎党から『もっと愛想笑いでもしたら?!』と、ダメ出しメールが殺到!」なんてお返事が来たんですが、そんな必要ないですよ〜。宮崎さんは濃いグレーのニット帽をかぶって、寒い寒〜い氷河の上を一生懸命に歩いてて、とてもおちゃめでした(*^-^*)

ところで、今回の作品は2007年の映画「ディアルガ VS パルキア VS ダークライ(レポはこちら)」の続編っぽい内容って何かのテレビ番組で聞いたように思うんですが、 どうなんでしょうか…。何にしても、ポケモンも11年目に突入し、敵の強さもストーリーの深さもますますパワーアップしてきて、映画館の大スクリーン・大音響で見えるのが楽しみですねo(*^^*)o


こちらは、ヴァイオリンのマサさんとフルートの金子奈美さんとインペク屋さんが楽しくお話してるところです♪

およ…マサさんの手には携帯が…!

お仕事中のはずなのに、携帯用の面白画像や絵しゃべりムービーなどの一斉メールがマメに送られてくるのは、ここに秘密があるかも…ですね(^^ゞ


そうそう、この日は確かお昼の1時ごろからの録音だったと思うんですが、それが始まる直前にインペク屋さんから「いま、マサさんの演出つき写真のカメラマンをしたところです」ってメールが届いたんです。その後はエンジニアの中村さんからも「マサさんが面白いポーズをつけて写真を撮ってたよ」なんて連絡をいただいて…それが、マサさんのブログにアップされてるこちらの写真なんですねえ…ほんと、マサさんは面白い人です(^◇^;)


こちらは、オーボエの石橋さんとそのお嬢さんです。

この日は、マサさんのグループの中に、この石橋さんのお嬢さんがヴァイオリンで参加してらしたそうですよ♪

それに気づいたおっちゃんは、すかさず休憩時間にお2人を呼んで、こうして2ショットを撮らせていただいたそうです(^^ゞ

それにしても石橋さんのお嬢さん、綺麗な方ですね(*^^*)


この日の録音は、参加されてた方々が口を揃えて「短い音楽ばかりで、アッという間に終わった」っていうほど、録音はとてもスムースだったようです。それ自体はとても喜ばしいことなんでしょうけれど、きっと皆さんは「宮崎さんの音楽か…よっしゃあ!」って気持ちで臨まれてたと思うので、そういう意味ではちょっと拍子抜けだったのかなあ。まあ、そこはまた本編の録音のときに頑張っていただきましょうo(^-^)o

そうそう、この日はこうした予告編の音楽だけでなく、映画が始まる直前にニャースが出てきて「携帯の電源を切るのにゃ〜」なんて言ってる、あのカット用の音楽なんかも録ったそうですよ。ただ、ずっとニャースがしゃべってるので、音楽はかなり小さめだとか…。でも、めげずに耳を澄ませて、音楽を聴いてみてくださいね。とはいえ、ニャースの言葉よりも音楽に集中したからって、携帯の電源を切るのを忘れるなんてことはないようにしてくださいね(^_-)-☆


こちらは、宮崎さんとおっちゃんの2ショット♪

この日は、いつも写真を撮ってくれるインペク屋さんがバタバタしてるのを見て、代わりにエンジニアの中村さんが「写真、撮らなくていいの?」と撮ってくださったそうです(^^)

写真にマウスを乗せると、フラッシュをオフにしたカットが見えますよ(^.^)b


この日に録られた音楽は、映画の公式サイトのこちらのページで聴くことができます。今回の主役となるギラティナをイメージした鋭い感じの音楽から始まって、おなじみのポケモンのテーマになって、これから始まる壮絶な戦いをイメージしたかのような迫力ある音楽になって…いい感じですよ(*^^*)

でも、エンジニアの中村さんにしてみれば「予想以上に聴こえへんなあ(T_T)」なんだそうです。うん…確かにちょっとセリフの方が大きすぎる気もしますが、実際に携わった方からすると私たち以上に色々と思うところがあるんだと思います。まあ、中村さんも「Webじゃなく、映画館の5.1chで確認したい」って前向きにおっしゃってましたので、そちらでは録られた方々の思いがちゃんと反映されてるといいですよね♪

その中村さんのお話だと、シネコンなんかではぼちぼち聴けるんじゃないか…とのことでした。ちょうど3月1日から劇場版「ワンピース 冬に咲く奇跡の桜(レポは483番)」が公開されてるところですし、ぜひ映画館に足を運んで、両方の音楽を楽しんできてくださいo(^-^)o

あ、ニャースの「携帯の電源を切るのにゃ〜!」のときの音楽も、忘れず集中して聴いてみてくださいね(^.^)b

編成は、弦(マサさんのグループ:64421)、フルート(おっちゃん・金子奈美さん)、オーボエ(石橋雅一さん)、クラリネット(星野 正さん)、ホルン(藤田乙比古さん他1名)、トランペット(菅坂雅彦さん他2名)、トロンボーン(松本 治さん他2名)、パーカッション(高田みどりさん)でした。

 

 

485 アニメ「無限の住人」(大谷 幸)

2008年2月4日。ビクターの301スタに行きました。この日は関東地方で記録的な(?)大雪が降った翌日で、午後になっても、おっちゃんが住んでる町田のあたりはもちろん、都心部のあちこちにもまだ雪がたくさん残ってるような寒い日でした。そういえば、スタジオに向かってる途中のインペク屋さんがメールで「寒いっ、寒いですぅ〜っ!」なんて叫んでましたっけ(^◇^;)

さて、その内容ですが…2008年7月からオンエアされる「無限の住人」という新作アニメの音楽録りでした。音楽は、大谷 幸さんです。


こちらは、左からオーボエの庄司知史さん、おっちゃん、大谷さんですね♪

開始前にインペク屋さんが「写真撮りましょうか?」って声をかけてくれたので、お言葉に甘えて撮ってもらった1枚だそうです。

おっちゃんは「この半モヒカンと、この強烈な黄色と黒のしましまのシャツを見てみぃ〜!」なんて言ってましたが、ほんとお見事…!

ちなみに、このシャツは、この黄色と黒だけでなく色違いも何枚かあるそうなので、いつかレポでご紹介できる日が来るといいのになあo(^-^)o


で、この日の現場では、大谷さんやスタッフの方々の間で「怪しい感じのアニメですよ」「ちょっとグロ系のアニメみたい」なんてお話が飛び交ってたようなんですが、確かに公式サイトを見てみても「両親を惨殺された少女の仇討ちの旅」ってことが書かれてますね。しかも、日本刀(?)を使っての仇討ちのようなので、身体のあちこちを切られたり、血がいっぱい出たりするんでしょうか(@_@;)

…と思って、公式サイト内のプロモーションビデオを見てみたら、ううぅ…確かに、けっこうグロいですねえ。で…でも、まだこれくらいなら大丈夫かなあ。それにしても、絵が綺麗〜! とても丁寧に描かれていて、スピード感もあって、すごくしっかりした作品だと思いました。

そこで思ったのが、監督の真下耕一さん。何か、アニメのEDのクレジットとかでよく見かけるお名前だなあと思って調べてみたら…ほんとにたくさんの、しかも大ヒットしたような有名な作品(私が好きで見てたのもいっぱい♪)を数多く手がけられてる方なんですね〜。あ、詳しくはウィキペディアの真下さんの項目を見てみてくださいね(^.^)b


こちらは、ガラス越しに撮った副調室の様子です。

カメラ目線でないものも、現場の自然な様子が伝わってきていいですよね〜?

あ、写真にマウスを乗せると大谷さんのあたりがアップになりますが、大谷さんの半モヒカンの後ろ側って、こんなふうになってるんですね〜♪(^◇^;)


その大谷さんの音楽ですが…やっぱり、か〜な〜り怪しい感じだったそうです。大体、現場で配られた楽譜の上の方に「諸行有常」「無限死闘 七転び八起き」「罪人まかり通る 卍」「トラウマ美学 影久」なんてタイトル(…というか、曲のコンセプトかな?)がつけられてるところからも十分に想像できるでしょ?(;^_^A

オケのメンバーで録音したのは全部で7曲。そのうち、クラリネットとフルートが入ったのが3曲で、オーボエとファゴットは4曲に入ったそうです。で、これらオケのあとで、ドラムとギターとコーラスのダビングがあったとか…。
どれも、先にシンセで打ち込まれたデータの上に生楽器を被せる…といったスタイルだったそうですが、その中には大谷さんと一緒にライブ活動をしてらっしゃる「枕草子」の愛華さん(こちらのライブレポ参照)のヴォーカルも3曲ほど入っていたそうです。その彼女の歌声に対して大谷さんが「彼女はエフェクターとか使わなくても、こんな歌い方が出来るのよね♪」なんておっしゃってたそうですが、ほんと生声とは思えない、独特な雰囲気の素敵な歌声が入っていたそうですよ(^o^)

あ、現場にいらしたスタッフの方からの情報によると、とにかく大谷さんらしさ全開の音楽で、オケにひずんだサックスの音が入ったり(これがまた平原さん節が炸裂だったとか☆彡)、そこに更にエレキギターを重ねたかと思えば、ドラムは何とタムが中心で、しかも和太鼓風の曲を叩いたり、愛華さんの独特な声に透明感のあるコーラスを重ねるという一見ミスマッチっぽい組み合わせが実に心地よく響いたり…と、ほんとにもう色んな要素がぎっしり詰まった、音楽好きにはとっても美味しい録音だったそうです。

そうそう、ダビング組だったドラムとギターのお2人には、とある曲の録音直前に大谷さんから「17歳でお願いしま〜す!」なんてリクエストがあったりして、不気味な音楽の数々とは裏腹に、笑いのある楽しい現場だったりもしたそうですよ♪


こちらはとてもにこやかで見てる方まで嬉しくなってしまう、大谷さんとマサさんの2ショット☆彡

あぁ…できればマサさんにもVサインをしてほしかったなあ。

写真にマウスを乗せると、そんなビミョーな欲求不満を見事に解消してくれる画像が見られます。

こちらの女性はインペク屋さんなんですが、この大谷さんとのポーズが何ともおかしい…ほんと、楽しい現場だったんですね(*^-^*)


この日の編成は、弦(マサさんのグループ:86442)、フルート(おっちゃん)、オーボエ(庄司知史さん)、クラリネット(菊地秀夫さん)、ファゴット(塚原里江さん)、トランペット(菅坂雅彦さん・横山 均さん)、トロンボーン(松本 治さん・佐藤洋樹さん・山城純子さん)、チューバ(佐藤 潔さん)、ホルン(藤田乙比古さん・岡村 陽さん・勝俣 泰さん)、アルトサックス(平原まことさん)、テナーサックス(近藤 淳さん)、打ち込み(大谷 幸さん)、エンジニア(吉田俊之さん)でした。

また、こうしたオケのあとに、ドラム(佐野康夫さん)とギター(今泉 洋さん)、それにコーラス(ソプラノ6人…矢崎陽子さん・馬原裕子さん・小島由希子さん・荒武奈穂子さん・和泉純子さん・雄谷支保子さん)によるダビングが行われたんだそうです。

この番組は、2008年7月13日の24時…つまり、7月14日に日付が変わってすぐから、AT−Xにて放送されます。我が家ではこの「AT−X」というチャンネルが見えるのかどうか疑問ですが、もし見える方は是非、大谷さんの魅力全開の音楽と、細かな部分までしっかりしたタッチで描かれてる美しく力のある映像を楽しんでくださいねo(^-^)o

 

 

484 アニメ「SOUL EATER」(岩崎 琢)

2008年1月28日。この日はサウンド・インで、岩崎琢さんのお仕事がありました。お題は「ソウル・イーター」といって、2004年から「月刊少年ガンガン」という雑誌で連載されている漫画がアニメ化されたものです。

さて、今回は録音のお話に入る前に、岩崎さんのブログこちらの記事を読んでいただきましょう(^.^)b

どうでしたか…私はすご〜く面白かったし、何かこう不思議なドキドキ感があったんですね。で、あとになって、仲良しのインペク屋さんや演奏家さんや岩崎さんファンの友達、それに今回はまだ岩崎さんのことをよく知らないけどブログを読んだ…って人とも「岩崎さんの音楽の世界観やこだわりがすごく面白い!」って話で盛り上がりました。さて、皆さんはどんなことを感じられたでしょうか?

あ、そういえば、亡くなられた川崎真弘さんも、時代劇用の音楽にあえてフォルクローレ風の音楽をつけてましたっけ…。まあ、川崎さんが岩崎さんと全く同じ考えでそうされたのではないかもしれませんが、あの手法(?)のおかげで時代劇に対する見方や感じ方がグッと変わった(広がったって言うべきかな?)のは確かなんですよね〜。

でも、和田 薫さんのように、和風のキャラにとことん和楽器をぶつけるっていうのも、またとても面白いんですよね。特に和田さんは、普段あまり目にしないような、今まで聞いたこともないような珍しい和楽器を使ったりして独特の世界を表現されるので、アニメを通して和楽器の新たな魅力に気づかされる…なんてこともあるかと思います。ふむ…このお話は、なかなか深くて面白いですね〜。

とにかく、私はそうした思慮深い部分と、飲み会ブログの文章の書き方で見せるお茶目な部分とのギャップが激しい岩崎さんが大好きだったりします(*^-^*)


こちらは、その思慮深い方の(?)岩崎さん♪

う〜ん「ちょっとそこのデカいお茶、派手な色合いで、シックな…しかもバックの機材と同化しとる岩崎さんより目立たんといてよっ!」って叫びたい気持ちもありますが、いい感じでしょ〜?(^o^)

楽譜を見ながら、どんなことを考えてらっしゃるんでしょうか?


さて、いよいよ録音のお話です。作曲の段階では和楽器を使うことに戸惑いがあった岩崎さんですが、いざ録音となると一体どうしたんでしょう…はい、おっちゃんのところには事前に「篠笛を使いたい」との連絡があったそうですよん。それを聞いたときの私は「あらま、ついに折れたか…(^◇^;)」って気持ちもありましたが「いや、篠笛を使うってだけで、和風のメロディーとは限らんわい!」って気持ちの方が強くて、ますます期待に胸がふくらみましたo(^-^)o

あ、その前に…いつだったか別の作家さんから「もし制作者サイドに‘このキャラにはこんな楽器を…’って指定されたら、自分の場合はまずその楽器をよく考えてみる。その次に‘その楽器もいいけど、こんな楽器っていう方法もありますよ?’って提案なんかもしてみる。で、できれば両方の楽器を使って曲を作ってみて、その2曲の出来栄えで勝負する…ってこともあるよ♪」なんてお話を聞かせてもらったことがあるんですが、今回の岩崎さんの中にも、何かしらのやりとりがあったんでしょうか…ちと気になったりします(^^ゞ

この日、おっちゃんがスタジオに入ってみると、フロアいっぱいに椅子やマイクが並べられている…いわゆる弦のセッティングがされていたそうですが、どうやら弦の皆さんはおっちゃんのあとで来るらしくて、おっちゃんはそのフロアでたった1人でダビングすることになったようです。

で、渡された楽譜を見てみると、最初は低いGの楽器でやって、途中からCの楽器に持ち替える必要のある譜面だったそうです。おっちゃんの話だと、演歌なんかの楽譜は、ほとんどの場合がおっちゃんの方で適当に吹きやすい音域を選んで吹くってので大丈夫なんだそうですが、岩崎さんはいつも実音で書いてきてくださるので、やっぱりそこはおっちゃんも作家さんのご希望通りの対応をしないと…って感じですね。案の定、岩崎さんの方からも「途中で持ち替えれば大丈夫ですよね?」って声かけがあったそうなんですが、このあたりからも如何に岩崎さんがきちんと楽器のことを研究してらっしゃるかが分かります(^.^)b

ところが、ここで問題が! 何と、おっちゃんがこの日に持ってきた篠笛の中に、その肝心の低いGの楽器が入ってなかったそうなんです。この日は事前に「篠笛」というオーダーはあったものの、特にキーの指定はなかったので、適当に間引いてきちゃったんだそうです。まあ、キー指定の有無に関係なく車で来るときは全部のキーを乗せてるんだそうですが、この日は電車だったってのが失敗でしたね(;^_^A

で、どうしたかと言うと、岩崎さんと相談の結果「歌メロとかの既成のメロディーではないんで、足りないところは適当に逃げてくれていいですよ♪」っていうありがたいお言葉に甘えてメロディーの一部を変更してもらったのと、コントロールルームでもらった粘着テープで笛に小細工をすることで、何とか乗り切ったそうです。この「粘着テープで小細工」ってところがすごく気になる私ですが、そのあたりはまたいつか別枠でコラムにでもしてもらうかな〜?

とにかく、篠笛を使ったからといって特に和風なメロディーってわけでもなく、ほんのりと和の香りがただようような、いい感じの曲だったそうです。はてさて、これがどのキャラの、どんなシーンで使われるのか、楽しみですねo(^ ^)o


こちらは、エンジニアのYoshi Tamlaさん。

やはり楽譜を見て何かを考え込んでるようですが、何をしてらっしゃるところなんでしょう?

最近このTamlaさんともご連絡が取れるようになったので、今後はTamlaさんの視点にも迫っていきたいと思います。

どうぞお楽しみにね(^_-)-☆


おっちゃんがこの日にやったのは全部で3曲。最初にフルートの曲をやって、次がその問題の篠笛。最後はまたフルートの曲なんですが、今度はギターと一緒にやる曲だったそうです。ところで、それまでおっちゃんは「いまスタジオにいるのは自分1人だけ」って思ってたのに、3曲目が始まった途端にイヤフォンからギターの音が聴こえてきてビックリ! 何と、例の中2階のブースには、おっちゃんがスタジオ入りするより前からギターの安田さんがスタンバイしてらしたんだそうです。

まあ、そんな感じで安田さんと一緒に始めたそうですが、安田さんの方には楽器の持ち替えなんかがあったりしたそうで、おっちゃんは自分のパートを吹き終えたら「お先に失礼♪」ってスタジオを後にしたそうです。だから、この日は岩崎さんやTamlaさんとはほとんどお話できなかったとか…私としても、岩崎さんの様子があまり聞けなくてちょっと残念でした(T_T)

でも、でも、実は2月28日にこの録音の続きが行われたんです!
この追加録音のときは弦と木管でダビングだったので、おっちゃんは中2階のブースに入りました。そうそう、この作品のレポを作るにあたって公式サイトも何度か読んだんですが、私にはイマイチ内容がよく分からんのです。何でも「武器」に「鬼神の卵」と「魔女の塊」を食べさせて、死神が持つ「武器」を作るんだとか…。う〜ん、武器に食べさせて?武器を作る?…何のこっちゃ? まあ、とにかく死神とか悪魔がテーマのようです(^^ゞ

とはいえ、ただ悪魔だの死神だのが出てきて戦う…っていうお話ではなく、その武器を作る「死神武器職人専門学校」というところを舞台としたお話のようなので、その学校に通う生徒たちの成長ぶりや様々な葛藤なんかも描かれているようです。だから音楽も、おっちゃんがスタジオに居合わせて聴いた分だけでも色んな種類のがあって、しかもどれも岩崎さんが色んな要素を織り交ぜて作った独特の雰囲気のある曲ばかりで、かなり面白い感じだったそうですよ(^.^)b


こちらは追加録音のときの岩崎さん♪

このところの岩崎さんは盗撮的ショットが多かったので(あれもすごく好評なんですが)この日はおっちゃんに「今日こそ正面から撮ってきてよ〜!」と、おねだりしてあったんでした(^_-)-☆

で、さらに岩崎さんの方にも事前にそれとな〜く「公平さんは進んで写真を撮らせてくれるんだけどなあ…(483番のレポ参照)」っぽいことをつぶやいてみたら、この日はちゃんとこうして写真撮影の時間を作ってくれました。

しか〜し…そんなときに限って、おっちゃんのデジカメの調子が…!

結局デジカメはダメで、携帯のカメラで撮ることになったのが残念なんですが(やっぱり色合いやピントがちょっとね…)、そんな憂いを一気に吹っ飛ばしてくれるくらいカッコいいショットでしょ〜♪♪


あまりに嬉しくて、ご本人より先にとても仲良しの、岩崎さんたちと同じ音楽業界で頑張ってる女の子(誰だかバレバレ?)に見せちゃいました。しかも、今回の録音にその子は全く関わってないのに…岩崎さん、ごめんなさ〜い! 実は、私とその子との間ではいつも「我らが琢さんは…」って感じで呼んで、岩崎さんの作品やブログネタにキャーキャー言ってるんです。最近のもっぱらの話題は、2008年4月2日にリリースされる、岩崎さんの初めてのベストアルバム「Selfconsciousness」についてでしょうか…これ、絶対に「買い」ですよ(^.^)b

2月28日の参加メンバーは、弦(マサさんのグループ:76432)、フルート(おっちゃん)、オーボエ(柴山 洋さん)、クラリネット(山根公男さん)、指揮(岩崎 琢さん)、エンジニア(Yoshi Tamlaさん・三原典子さん)でした。弦の数がかなりユニークですよね。このあたりがどう反映されてくるのか、そこも楽しみなところです♪

あ、この録音のあと、エンジニアのYoshi Tamlaさんから職人魂が輝く素敵なコメントをいただきました。ぜひ読んでみてくださいね♪→こちら

この番組は、2008年4月7日からテレビ東京系列6局にてオンエアスタートとなります。しかも、公式サイトによると「夕方と深夜の共鳴放送」なんだとか…でも、共鳴放送って何だろう。ふと疑問に思って調べてみると、何と夕方に放送されたものに「おまけ(特別映像)」がついたものを夜中に放送するんですって。だから、夜中に放送する分の一部は夕方に放送されたものと同じだと思いますが、それにプラスされる部分がかなり貴重なものみたいなので、どちらの放送も見逃せませんよね。どうぞビデオをフル活用してお楽しみくださいo(^-^)o

 

 

483 劇場版「ワンピース 冬に咲く奇跡の桜」(田中公平・浜口史郎)

2008年1月21日。サウンドシティのAスタに行きました。この日は、毎年恒例、と云う感じになっている、劇場版ワンピース2008「エピソード オブ チョッパー プラス 冬に咲く奇跡の桜」の音楽録りです。音楽はもうお馴染み、田中公平さんと浜口史郎さん。

実は、この録音に関しては、数日前からインペク屋さんに「21日はワンピースの録音」って聞いてたので、何かもう私としては「おおっ、今日じゃ!」って感じでした。でも、ものすご〜くたくさんの曲を録らなければいけないのに、たった4時間だけの拘束で、それに対して公平さんは「大丈夫、大丈夫〜♪」って言ってるし、インペク屋さんの方は「ほ…ほんとに大丈夫なのかなあ(;^_^A」って言ってるのを聞いてたので、第三者の私としては「どんな進行になるんだろう〜ほほほ♪」って感じで、違う意味の楽しみもあった録音なのです(^^ゞ


おっと、録音のお話に入る前に、まずは素敵な3ショットから…♪

この日、公平さんはインペク屋さんを見るなり「今日もゆみさんのレポ用の写真を撮るんでしょ?」って言ってくださって、公平さん自ら記念写真が撮れそうな雰囲気を作ってくださったんですって〜。

これにはもう、インペク屋さんも私も大・大・大感激です☆彡


しかもしかも、その場にいたおっちゃんと公平さんだけの写真を撮ろうとインペク屋さんがカメラをかまえると、公平さんが「ちょっと待って…浜口くんも呼んでくるから。。。ヘ( ^^)ノ」って、走って呼びに行ってくださったそうなんです。ほんともう、何てお礼を言えばいいのやら…こうした録音現場で写真を撮ることはまだまだ難しい部分も多く、どうしても盗撮的な写真になりがちなんですが(うちのレポの写真を‘盗撮的’って名づけてくれたのは公平さんです)今回は公平さんのおかげで↑のような素敵な3ショットが撮れました。公平さん、ありがとうございま〜す(^o^)

さて、いよいよ録音のお話です。この日は最初に書いたように、録音の進行具合がとても気になってたんですが、あれだけ心配してたインペク屋さんが(実は現場にいたインペク屋さんよりも、その会社の社長さんの方が心配してたという噂も…)大感激するくらいのスムースな進行だったようです。これにはスコアミスや写譜ミスが少ないことだけでなく、公平さんのテキパキした運び方に加えて、録音の順番&編成の組み方(…って言うのかな?)なんかも本当に見事なまでに完璧だったってところが大きいみたいですね。いや〜2007年の映画のときの3倍くらいの曲数があったみたいなのに、素晴らしいですよね〜♪

さらに言うと、中には1曲が3分とか4分とかある長い曲が何曲かあったのに、それでもたった4時間で録り終えたのには、公平さんの絶妙な作曲テクニックのおかげでもあるんだそうです…と言っても「公平さんの曲が演奏しやすい易しい曲ばかりだったから」なんてことじゃないのは、皆さんもお分かりですよね? それどころか、傍から見てると「よくまあ、こんな難しい曲を初見で演奏できるなあ」って感心しきってしまうくらい、公平さんの曲は難しいのが多いんだそうです。

でも、それが無駄に難しくない…っていうか、ごちゃごちゃと音符がいっぱいあって「どうだ、ややこしそうな曲だろう!」みたいな難しさだったり、楽器の演奏技術をひけらかすためのような難しさだったりするものでなく、その楽曲の中で「ここにこれがあるから、この曲が生きてくるんだ!」みたいな難しさなんですって。だから、楽譜を…楽譜の奥に秘められてるものまで読むことのできるミュージシャンの皆さんもそれが分かってるから「よっしゃあ!」って感じで頑張って、録音がスムーズに進んでいったみたいですよ。いいお話でしょ〜?(*^-^*)


こちらは、調整室から見たおっちゃんと金子奈美さん。

今回、おっちゃんのフルートソロもあったそうですが、それがストーリー的に重要だったり、泣けるようなシーンで何度も流れるんだそうですよ。これは、ほんっとに楽しみですねo(^-^)o

およ…よく見ると、おっちゃんの奥でオーボエの庄司さんがぽよよ〜んとしてらっしゃって、これまたいい感じですね♪


あ、この日の音楽について…おっちゃんからは「今回は、恐そうな感じの曲や激しい感じの曲はあんまりなかったなあ。ほんでも、明るうて可愛らしいんやけど簡単ってわけではなくて、やっぱり公平さんらしい骨太さのあるような曲が多うて、やり応えあったわ〜。あと、空間の広がりを感じさせるような曲もけっこうあったで〜!」なんて話が聞こえてきました。

さらには「浜口さんの書いた音楽におもしろいメロディラインや意表を突いた斬新な和音があって、これがまた興奮したよ〜!」なんて話も聞こえてきましたし、インペク屋さんからも「もう、公平さんの曲も浜口さんの曲も、とにかくカッコよくて…(T_T)」っていう感涙モードのメールをもらったので、私としても早く劇場で聴きたくて…ああ、でも先に1人で観に行ったことがバレたら子供たちから非難ごうごうだし、やっぱり春休みまでお預けかなあ…とほほ(>_<)


こちらは副調室から見たフロアの様子です。弦の皆さんが頑張ってますね〜。

写真にマウスを乗せると公平さんを中心としたあたりがアップになりますが、公平さんのすぐ前にある頭がマサさんかと…(^^ゞ


こんな感じで、生オケの録音は16時から20時までの4時間で行われたそうですが、そのあとクラシックパーカッション(ティンパニ・グランサッカ・スネア・シンバル・マリンバ・グロッケン)とコーラスのダビングがあったそうで、すべての録音が終わったのは23時だったそうですよ(@_@;)


こちらは先ほどのフルートコンビ…おっちゃんと金子奈美さんです。インペク屋さんが撮ってくれました♪

で、写真にマウスを乗せると、今度はそのインペク屋さんとおっちゃんとの2ショットになります。これは、金子さんが撮ってくれました(^.^)b


余談ですが…実は、私が自分の携帯で「相手によって着信音が変えられる」ってことに気づいたときから(今から2つくらい前の携帯から?)家族からのメールの着信音はワンピースのアイキャッチ(CM前後に使われてる曲)なんですよ〜。

たとえば、長女からメールが来たときはウソップのアイキャッチ、次女からのメールはルフィーのアイキャッチ、夫からのメールはゾロ、実家の母からのメールはチョッパーって感じでね。あ、そういえば、HP仲間からメールが来たときは、ナミのアイキャッチです。携帯を機種変更しても、そのたびにこれらの曲をダウンロードして使ってるんですね〜。だから、この「ワンピース」という作品には、ことのほか強い思い入れがあります♪


この前の「ロザリオとバンパイア」の録音のときには公平さんがおはぎみたいなのを買ってきてくれてましたが、この日はどなたかからペコちゃんの人形焼が差し入れられていたそうです。

何でも、日本中で飯田橋神楽坂店ってところでしか売ってないものだそうで、色んな種類の味があって、美味しかったそうですよ〜♪

写真に写ってる手と比較しても、けっこう大きいですよね(*^-^*)


さて、ここで、エンジニアの中村充時さんに伺ったお話も載せてみましょう。今回の録音は、おっちゃんは21日の分に参加しましたが、実は前日の20日から始まってたんだそうです。その20日のときには、浜口さんが作られたシンセの曲がオーディオファイルで中村さんに手渡され、それを中村さんが「Pro Tools」のセッションファイルっていうのに変換したんだそうです。さらには、サントラ用の曲の一部(2ch分)をトラックダウンもしたとか…まあ、このあたりの専門的なことは、うちのHPお得意の「分かる方だけどうぞ〜♪」なんですが、とにかく何やら大事な下準備があったようですね(^.^)b

また、この日の音楽は↑からも分かるように、公平さんと浜口さんが手分けして書かれてるんですが、それが映画の中では何曲かずつ代わりばんこに流れてくるんだそうです。まあ、当たり前といえば当たり前ですが、たとえば映画が始まってすぐの1曲目から○曲目までは公平さんの音楽で、そのあとの△曲目から▲曲目までは浜口さんの音楽、ここの戦闘シーンのこのあたりまでは公平さんの音楽で、そこから先は浜口さんの音楽…って感じでね。

で、公平さんが書かれた分は全て生楽器で演奏されましたが、浜口さんが書かれたのは生楽器とシンセと両方あるんだそうです。でも、そのシンセの音楽も、元は生楽器の音をシンセにサンプリングして演奏してるので、かなり生のオケに近い音なんだそうです。そこにエンジニア・中村さんが腕を振るわれて更に生オケとシンセの音色の差を少なくしてるので、よっぽど詳しい人でも聴き分けるのは難しいようですよ〜。なので、ぜひ映画館で、またサントラで(サントラは5.1chでなく2chだそうですが)作曲者当て&生オケ当てをしてみてくださいね。ヒントとして、どちらかというとワポル隊関係の曲は……書くん、やめとこ♪

あ、先ほどコーラスのダビングがあったことを書きましたが、今回のコーラスは劇中の心情または心象的なシーンで使われるんだそうです。で、そうしたシーンでは、ほとんどの場合がセリフやSE(効果音)よりも音楽の方が大きく扱われるので(音楽でグッと盛り上げて、視聴者の心を揺さぶるってヤツですね)ここでエンジニアさんの腕の見せどころとなるわけですね〜。

本来は音響監督さんや監督さんと相談して「ここは○秒くらいのリバーブ(残響)で…」みたいに決めていくんだそうですが、どうしてもそうした時間が取れない場合、エンジニアである中村さんご自身が絵コンテやビデオを観て(ビデオまではない場合が多いのかな…)ストーリーの流れを考えて、音楽の処理方法を決めていくんだそうです。何かもう、エンジニアさんのお仕事の幅の広さや深さに、すごく感激ですよね☆彡

で、今回の劇中ではコーラスが使われるシーンが4回くらいあるそうですが、それぞれ「ここでは5.1chをフルに使って…」「ここでは同じ5.1chでも前面を中心にして、あまり広げないでいこう…」「ここはリバーブも標準的な量でトラックダウンして…」って感じで、ほんとに丁寧に処理されてるようです。その中でも「最初のクライマックス」と言われるシーンでは、リバーブを10秒くらい伸びる「カテドラル」という大教会堂のものを使ったんだとか…。

中村さんからは「もしMA(映像にセリフや音楽や効果音を入れる作業)でもそのまま使ってくれてて、しかも劇場の設備が良かったら、完全にコーラスに包まれて、上下左右に50m以上の広がりを感じられるはずだよ」というお話を伺ったんですが、教会なんかで聖歌を歌うと、ふわ〜っとやわらかく軽く、そのまま昇天してしまいそうな残響に包まれることがあるでしょう。きっと、そんな感じなんだと思います。ああ、宗教音楽を中心とした合唱経験のある私としては是非とも体感してみたいけど、うちの地元のシネコンの設備にものすごい不安が…(-_-;)


とにかく、こうして無事に生オケの分の録音は終わって、おっちゃんは帰路についたそうです。

これは、そんなおっちゃんが撮った、東京ミッドタウンを外から見た様子です。サウンドシティから歩いて10分くらいのところにあるらしいですよ(^.^)b


最後に…公平さんのマネージャーさんに教えてもらった、とっておきの情報を1つ。何と、イマジンとは別に、公平さんの公式HPができたんだそうです♪

こちら → http://www.kokoronesong.com/

まだ1ページだけですが、これからどんどん充実させていく予定…とのこのですので、あたたかく見守って応援していきましょう!

編成は、弦(マサさんのグループ:86442→44221)、フルート&ピッコロ(おっちゃん・金子奈美さん)、オーボエ(庄司知史さん)、クラリネット(元木瑞香さん)、ハープ(朝川朋之さん)、トランペット(菅坂雅彦さん・西村浩二さん横山 均さん)、トロンボーン(松本 治さん・佐藤洋樹さん・山城純子さん)、チューバ(佐藤 潔さん)、ホルン(南 浩之さん・中澤幸宏さん有馬純晴さん)、パーカッション(草刈とも子さん・高田みどりさん)、ピアノ(松田真人さん)、コーラス(ソプラノ・メゾソプラノ・アルトの女声3部で各4名:東京混声合唱団)、打ち込み(浜口史郎さん)、オペレート(丸尾 稔さん)、指揮(田中公平さん)、エンジニア(中村充時さん)でした。

この映画は、2008年3月1日(土)より全国の映画館で公開されます。今回は公平さんの作曲の面での貴重なお話が伺えた上に録音後の処理についてまで伺えたおかげで、鑑賞時にチェックしたいところが今までの何倍にもなって、ほんとにほんとに楽しみですね。皆さんも一度と言わず何度も劇場に足を運んで、色んな角度からこの映画を楽しんでくださいねo(^-^)o


 

 

482 ドラマ「栞と紙魚子の怪奇事件簿」(平野義久)

2007年月12月25日。この日は、とても綺麗なんだけどミュージシャン泣かせの難しい曲を書くことで有名な(?)平野義久さんとのお仕事で、サウンドインのBスタに行きました。編成が弦とピアノと木管だけだったので、おっちゃんたちは当然のごとく中2階のブースに入ったそうですが、ここで思わぬトラブルが発生したようです。

こうしたスタジオ録音の場合、演奏を始める前にマイクやサウンドのチェックをするらしいんですが、何とおっちゃんたちがいるブースのキューボックスの調子が悪くて、そのサウンドチェックのときの音が何も聴こえないんですって〜。でも、そのキューボックスを見てみると、音に反応するLEDのランプはちゃんと点滅してるんだとか…で、同じブースにいらしたサックスの福井健太さんとは「イヤフォンが壊れてるのかな…」「うん、よくあることだし…」「じゃ、お互いのイヤフォンを替えてみる?」なんて感じで色々と試してみたようですが、やっぱり聴こえない。で、どうしたもんかと思ってたら、結局はコントロールルームから音を送ってくる部分に何か問題があったようで、その後は無事にイヤフォンから他の方たちの音を聴けるようになったそうです(;^_^A

実は、こんなことをやってる間に平野さんさんからアニメの説明があったらしいのですが、おっちゃんたちはそのキューボックスのトラブルのせいで聞けなかったんだそうです。で、休憩の時に質問しようとコントロールルームに行ってみると、そこには「栞と紙魚子の怪奇事件簿」というタイトルが書かれたスコアが…。それを見て平野さんに「これって‘しおりとしみこ’って読むんですか?」って聞いたら「おっ、読めますね〜さすが!」と、妙なところで感心されてしまったそうですよ。ちなみに、皆さんは「紙魚」って書いて「シミ」って読めましたか?また、その「紙魚」が何かご存知ですか?

音楽も無知なら、こうした一般的知識(?)にも疎い私は何のことか分からず、このレポを機に調べてみました。そしたら「紙魚」は体長1センチくらいの魚に似た昆虫で、紙を食べるんだそうです。だから「紙魚」って書くんでしょうね〜。でも、難読漢字って感じで読みにくい…。あ、その紙魚についての更に詳しい情報はこちらのサイトを覗いてみてくださいね。昆虫類が大ッ嫌いの私としてはかな〜り引いてしまう写真がありますが、この外観から英語では「シルバーフィッシュ」なんて呼ばれてるそうですよ。ついでに言うと、小林一茶が詠んだ句の中に「逃るなり 紙魚の中にも 親よ子よ」なんてのもあるそうです(^^ゞ

さて、その「栞と紙魚子の怪奇事件簿」ですが、もとは諸星大二郎さんという方が描かれた「栞と紙魚子」という漫画で、少女向けのホラー雑誌「ネムキ」に連載されてたものなんだそうです。で、今回はそれがドラマ化されたというわけですね(^.^)b

そうした原作のドラマ化というだけあって、ドラマ内でも「地獄図書館」とか「自殺館」なんて言葉が出てきて、見るのにある種の覚悟がいるような気がします〜。だから、音楽の方もサスペンス風の曲が何曲もあって、おまけにサックスのパートには「ホールトーンスケールでアドリブ」なんて指示もあったそうですよ。でも、この「ホールトーンスケール」って何だろう…ってことで、またまた調べてみました(^^ゞ

…なぁ〜んて偉そうに言ってみたものの、どのサイトも私には難しすぎて分からないんですね〜。そこで、おっちゃんに聞いてみたら、このホールトーンスケールには「ド レ ミ ファ♯ ソ♯ ラ♯」「ド♯ レ♯ ファ ソ ラ シ」の2種類しかないんだそうです。この2つにどういう法則があるかと言うと…音と音の間が全て全音(1音)なんですって。つまり、普通に「ド レ ミ ファ ソ ラ シ ド」って弾くと「ミ」と「ファ」の間と「シ」と「ド」の間は半音しかありませんよね。それをなくして全て1音ずつの間隔にしたスケールがホールトーンスケールなんだそうですよ。でも、いきなり先ほど書いた2パターンのスケールのどっちかを使って「アドリブで!」なんて言われてもねえ…って思ってしまう私ですが、それを見事にこなしてしまうところがプロの皆さんのすごいところですよね〜♪

あ、その後の調査で分かったことですが、クラシック界ではこのホールトーンスケールのことを「全音音階」って言うんですって。こうして漢字で書いてくれた方が分かりやすいような気が…。で、クラシック界では、ドビュッシーが初めてクラシック音楽に全音音階を使ったのではないか…なんて言われてるそうですよ。でも、なかなかイメージが湧きませんよねえ。そんなわけで更に調べてみると、身近なところでは「鉄腕アトム」のOPのイントロに、このホールトーンスケールが使われてるんだそうです。どんなイントロか思い出せない方は、ぜひ→こちらの動画(Youtube)で聴いてみてくださいね(^.^)b

そうそう、この日の福井さんはソプラノ・アルト・バリトンという3種類のサックスを持ち替え、おっちゃんははフルートとバスフルートの持ち替えだったんですが、サックスとフルートっていう音量の違う楽器が同じブースに入ることって、あんまりないんだそうです。ほら、サックスの大きな音でフルートの音を消しかねないですしね。でも、福井さんが音をしっかりコントロールしてくださったので、おっちゃんのバスフルートと一緒にやっても、何も問題なく録れたそうですよ。で、2人の間でも「そういえば、前にもこういうパターンがあったね〜♪」なんて話してたそうですが、おっちゃんたちが言ってるのは多分「冬の蝉」の録音のときのことかと思います。良かったら、合わせて読んでみてくださいね(^.^)b

あと、おっちゃんたち木管は編成に入ってなかったようですが、この日の録られた曲の中に弦のすごく難しそうな曲があって、さすがのジョーさんのグループでもちょっと手こずっていたそうです。でも、ほんの数回やるうちにクリアしてしまうあたりがまたすごいですよね〜。おっちゃんも「あれはさすがやと思うた」と感心しきりでした(^o^)

このダビングに参加したメンバーは、弦(加藤ジョーさんのグループ:64221)、フルート&バスフルート(おっちゃん)、ソプラノ&アルト&バリトンサックス(福井健太さん)、ピアノ(細田真子さん)、打ち込み(杉本洋祐さん)、エンジニア(亀川徹さん)で、フルートとサックスのパートは全体録音のほかに何曲かダビングもあったそうです。

最後になりましたが、このドラマは2008年1月5日の深夜から日テレ系列で既にオンエアされています。放送回によってオンエアの時間が少し異なるようですので、新聞などでマメにチェックしながら見てみてくださいねo(^-^)o

 

 

481 アニメ「PERSONA 〜trinity soul〜」(岩崎 琢)

2007年11月27日。この日は、おっちゃんとしては夏の飲み会以来となる岩崎琢さんとのお仕事で、サウンドインのBスタに行きました。このところの岩崎さんとのお仕事はおっちゃん1人でのダビングっていうのが多かったように思うんですが、この日は全体の録音からの参加です。そのせいか、おっちゃんも嬉しそうでしたし、「今日はフルートのほかにティンホイッスルもいるんやって〜何するんやろなあ♪」と、かなり上機嫌でした(^o^)

で、そんな感じで足取り軽くスタジオ入りすると、フロア中にストリンスグのセッティングがされていたそうです。これを見ておっちゃんはピンと来たようですし、サウンドインのBスタってこととフロアの状況から皆さんもすでに予想はされてると思いますが、この日はフルートとオーボエとクラリネットは例の中2階のブースでした。
 
さて、この日のお仕事は、2008年1月からスタートする「PERSONA 〜trinity soul〜」というアニメの音楽録りでした。何か聞き慣れない言葉だったのでレポを作るにあたって少し調べてみたんですが、もとはPS2用のゲームみたいです。まず、1996年9月に「女神異聞録ペルソナ」というタイトルでPS(プレステ)用のゲームとして発売され、その後「2」「3」と発売されたようですが、この「3」が2006年に発売されて大ヒットとなったんですって。で、今回はその「3」のゲームの内容の10年後という設定でのアニメ版オリジナルストーリーのようです。

こうして、まずは全体の録音から始まったわけですが、おっちゃんは全体録音の中ではフルートだけを吹いてたそうです。メロディの美しさが大人気の岩崎さんらしく、今回もフルートの美しいソロがあったとか…。おっちゃんはあとで「あのソロはほんまに気持ちよう吹けたわ♪」って言ってたんですが、演奏者からこんな言葉が聞けるなんて、そうあることではありませんよ〜。ああ、早くオンエアで聴いてみたいですよね。また、フルートだけでなく、オーボエにもクラリネットにも素敵な感じのソロがあったそうなので、これはいつかは発売されるであろうサントラに期待大ですし、オンエアでも要チェックですねo(^-^)o

ところで、何か順風満帆のように見える今回の録音ですが、実は色々とトラブルがあったようです。何でも、データの故障だか機械の故障だかでスタートが遅れたとか…その上さらに弦のパートがけっこう難しくて何度も差し替えなんかをしてたそうで、岩崎さんの録音にしては珍しく(?)1時間半ほど押してしまったそうですよ。おっちゃんはそのあとの仕事に余裕があったのでそのまま演奏に臨んだようですが、クラリネットの山根さんは何かのコンサートのリハがあるとかで、いったん退席してリハに向かったそうです。で、録り残した1曲のために、また戻ってくるってことになってたそうですが、岩崎さんの上手なやりくり(?)のおかげで、戻ってこなくても大丈夫なようにしてあげたそうですよ♪


こちらは、副調室から見た岩崎さんです。写真にマウスを乗せると、ちょっとだけアングルの違う岩崎さんがアップになりますよ♪

そういえば、親しくさせてもらってるインペク屋さんがしょっちゅう「岩崎さんの指揮する姿、ほんっとにカッコいいんですよ〜!」って言うんですが、この静止画を見ただけでも「ああ、なるほど!」って大きく納得です(^o^)

でも、ここまでくると、やっぱり動いてる岩崎さんが見てみたいなあo(>_<)o


あ、事前にオーダーが入ってたティンホイッスルですが、これは全体録音のあとで居残ってダビングとなりました。楽譜の都合上で3種類のキーのティンホイッスルを使うことになったようですが、その中の1つのB♭の楽器の音程がおっちゃんとしてはイマイチで、あまり使いたくなかったとか…。でも、その「ちょっと問題ありかも…」って思う音が出てこないメロディだったので、何とか乗り切れたそうです。それどころか、岩崎さんの方からは「イメージ通りだった」って言ってもらえたそうで、おっちゃんもホッと一安心って感じでした(;^_^A

で、このあたりのことについて岩崎さんご本人に伺うと…「音が抜けて聴こえてほしいこともあって、あえて微妙にピッチが高めに聴こえるティンホイッスルを入れたんだけど、その微妙な高さを旭さんは見事に表現してくれたよ!」と、大絶賛でした。実は、その微妙に高めなピッチを気にしたおっちゃんからの申し出で普通の(?)ピッチで吹いた分も録ったそうですが、やっぱりティンホイッスルらしさを優先して、最初のテイクのを使うことにしたんだそうです。この、同じ楽器を使いながらも一瞬にしてピッチのズレを修正してしまう腕前に岩崎さんもビックリしてましたが、一体どんな風な仕上がりになったのか気になりますよね〜。何でも「ここぞ!」ってときにティンホイッスルのメロディが出てくるそうなので、オンエアを楽しみにしていたいと思いますo(^-^)o


こちらは、副調室での岩崎さんとヴァイオリンの竹内さんです。写真にマウスを乗せると、少しだけ画像が大きくなりますよ♪

岩崎さんの楽譜(?)を見つめる真剣な表情、いいですよね(*^-^*)


こんな力作ぞろいの音楽におっちゃんは感心しきりでしたが、当の岩崎さんはちょっとお疲れ気味だったとか…おっちゃんから「何や、顔色が悪かった気がするなあ」なんて連絡をもらって心配してたんですが、それもそのはず。何と岩崎さんは、この録音中に熱が出たりしてたそうですよ〜。でも、元気を振り絞って録音に臨んでらしたそうです。そんなこの日の音楽については、制作から録音までに詳しいことが岩崎さんのブログこちらにも書かれています。下手に私が語るより、岩崎さんご自身の言葉で読んだ方がずっとずっと面白くて分かりやすいので、ぜひ覗いてみてくださいね♪

そうそう、この日のエンジニアさんは田村能成さんだったのですが、もう岩崎さんのお仕事ではお馴染みの方ですね♪

で、その田村さんから「名前の表記が変わったので、今後はこんな感じに…」と言って、お名刺をいただいたそうですよ。そんなわけで、これからは「Yoshi Tamlaさん」って書かせていただきますね(^_-)-☆

あ、こちらの写真は「天元突破グレンラガン」の追加録音のときに撮らせていただいたものですが、岩崎さんのお隣にいらっしゃるのがYoshi Tamlaさんです(^.^)b


編成は、弦(竹内 純さんのグループ:86442)、フルート&ピッコロ&ティンホイッスル(おっちゃん)、オーボエ(庄司知史さん)、クラリネット(山根公男さん)、打ち込み&指揮(岩崎 琢さん)、エンジニア(Yoshi Tamlaさん)でした。

このアニメは、2008年1月5日に東京MXテレビとMBSで放送が始まるのを皮切りに、CBC・テレ玉・千葉テレビ・tvk・アニマックス・BS11などで深夜に放送されます。かなりの体調不良なのに最後まで頑張って棒を振りきった岩崎さんの音楽と岩崎さんご自身によるピアノ演奏(←ここ特に大事!)、どうぞくれぐれもお聴き逃しのないように、ビデオをフル活用してチェックしてくださいねo(^-^)o

 

 

480 アニメ「ロザリオとバンパイア」(田中公平・浜口史郎)

2007年11月26日。サウンドシティのAスタに行きました。この日は、このちょっと前にあった「映画 たまごっち(478番参照)」の録音でお会いした田中公平さんと「おおきく振りかぶって」の録音以来になる」浜口史郎さんとのお仕事でした。いつものように、おっちゃんが早めにスタジオに着くと、ロビーでギターの今泉さんとインペク屋さんが楽しそうにおしゃべりしていたそうです。何でも、もうその時点ですでにギターのダビングを済ませてらしたとか…全体の録音より先に録った上に、それがとても早く終わったみたいですよ。

あ、この日のアニメは「ロザリオとバンパイア」という新春からスタートするアニメです。おっちゃんから「今日のは‘ロザリオとバンパイア’やいうアニメやって」って聞かされたときに思わず2人で「へぇ〜十字架と吸血鬼やて、けったいなタイトルやなあ」って笑いあったんですが、現場にいらした公平さんのお話だと、古今東西の妖怪がいっぱい出てくるアニメなんだそうです。そう聞いて、松尾早人さんの「HELLSING(レポは320番473番参照)」や和田薫さんの「D.Gray-man(レポは393番452番参照)」みたいなグロテスクなアニメを想像しながら公式サイトを見にいくと、これがけっこう可愛い(綺麗?)感じのアニメなんですよ〜。しかも、女の子のキャラがバンパイアみたいです。どちらかというと、学園ものっぽい感じかなあ。そのせいか、音楽もそれほど怪しいっていうか、いかにも妖怪が出そうなドロドロした感じではなかったそうですが、今回の公平さんの音楽は現代音楽の要素が強く感じられるものが多かったようです…ってことは、不協和音みたいなのが多いってことなのかなあ。そのあたりはオンエアでチェックですね(^.^)b

で、浜口さんが書かれた音楽は、全体的にメロディの美しい曲が多かったようです。何というか…繊細で綺麗で、その場にいらしたスタッフの方も、つい仕事を忘れてうっとりしてしまうような、そんな美しい音楽がたくさんあったようですよ。現代音楽のテイストを取り入れた公平さんの勇ましい戦闘音楽とのコントラストが楽しみなところです(^-^)


そうそう、おっちゃんがスタジオに着いたときには、公平さんは休憩がてらに近くの本屋さんに出かけられてたそうです。何でも、周りの皆さんに「コミック本がいっぱい置いてある本屋はあるかなあ?」みたいなことを尋ねられたとか…。

公平さん、見かけによらず(?)マンガ好きなんでしょうか…それとも、作曲のイメージを作るためのネタ探し!?

何はともあれ、本屋さんの帰りにこんな美味しそうなお団子(おはぎっぽく見えるなあ♪)を買ってきてくれたそうで、皆さんで後半の録音にそなえてエネルギーの充電をしたそうです。やっぱり、元気を出すには甘いものが1番ですよねo(*^^*)o


あ、おっちゃんからは「今日はリコーダーのオーダーが入っとったんやけど、そのうちの1曲は小池さんのフィドル風のソロに合わせたアイリッシュっぽい音楽やったんじゃ。確か、前にもこんなんがあったよなあ?」って言われたんですが、これは多分「劇場版ワンピース デッドエンドの冒険」の中の1曲を指してるんだと思います。公平さんが作られた曲の中で私が大好きな1曲でもあるので、ここでご紹介を…こちらのページで「劇場版ワンピース デッドエンドの冒険」のサントラが試聴できるんですが、そこの2曲目の「地下の酒場、大ホール!」を聴いてみてください。小池さんのヴァイオリンソロとおっちゃんのリコーダーが、ほんとにかっこいいんですよ〜!

で、今回もこんな雰囲気の…とはいえ、前回みたいなヴァイオリンとのユニゾンではなくて、ヴァイオリンとは別の動きをしてるけどアイリッシュ風って曲があったようで、おっちゃんとしては是非ともティンホイッスルを使いたかったそうです。でも、やはり今回も途中で臨時記号がいくつも出てきて厳しいってことで、リコーダーに落ち着いたとか…まあ、せっかくのアイリッシュ風の音楽を本物のティンホイッスルでできないってことは演奏家としては残念な部分が大きいのかもしれませんが、おっちゃんはリコーダーでも本物のティンホイッスルに勝るとも劣らない音色で吹けてしまうんだから、今回も良しとしましょう♪(…って、私が勝手に決めてしもてええんかな?(^^ゞ)とにかく、オンエアで聴けるのが楽しみですo(^-^)o

あと、最初のオーダーにはなかった「日本笛」って書かれたパートが出てきたそうですが、ほとんどいつも色んな笛を準備して‘もしも’に備えてるおっちゃんとしては何も問題なし。ただ、これがかなり速い8分の5拍子の曲で、おまけにアドリブということだったのでそちらで少し冷や汗をかいたようですが、5拍子ということをあまり意識せずに大まかにやったら何とかOKがもらえたそうです…って、文章で書くとサラッとしてますが、実はすごいことをやってのけてるんですよね〜。

で、ほんの短いフレーズなのにおっちゃんの粋な音色が炸裂したカッコいいソロだったようで、録音が終わった途端にインペク屋さんが思わず「笛がすご〜くカッコよかったです〜!(T_T)」っておっちゃんに涙目で駆け寄ってしまうほどだったそうですよ。ほかには「ソロフルート」って書かれたパートもあったそうですが、これはゆったりした感じの綺麗なメロディーのソロだったそうです。これもオンエアでチェックしなければ…!


こちらは、この日の副調室での記念撮影です♪

もうお分かりだとは思いますが、向かって左から…黄色と黒のシャツが丸尾稔さん、その後ろのチェックのシャツが中村充時さん、深い青色のシャツが浜口史郎さん、それに我らがおっちゃんと公平さんです(*^-^*)


ところで、インペク屋さんが作ったこの日の編成表にはちょっとしたミスがあったそうなんです。こうした編成表のミスは、おっちゃんたち演奏家さんたちにとってはそう大した問題はないようですが、エンジニアさんにとってはヒヤッとするものがあるとか…というのも、エンジニアさんというのは、編成表に依存してる部分が大きいんですって。とはいえ、そこはプロ中のプロの皆さんの集まり。急きょ、録音の順番を変えるなどして、無事にクリアしたそうです。

でも、インペク屋さんとしては随分と気に病んで、公平さんに丁重にお詫びしたそうです。このインペク屋さん、音楽が…そしてこのお仕事を何より愛してる方なんで、何かこのときの落ち込んだ姿が目に浮かぶようで、話を聞いた私もちょっと切なくなりました。で、その公平さんの反応ですが、ほんとに優しい笑顔で「大丈夫、大丈夫。私のレコーディングはよっぽどのことがない限り、ちゃ〜んと終わるんだから♪」って言って、逆に励ましてくださったそうですよ〜。インペク屋さんが「公平さんの優しいお言葉が本当にありがたかったです(>_<)」って胸いっぱいになってるのはもちろんのこと、私もそんな寛大な心を持った公平さんに胸が熱くなるのと同時に、ますますファンになりました(*^^*)

編成は、弦(小池弘之さんのグループ:86422→4422→1111→1000…つまり小池さんのソロ)、フルート&ピッコロ&リコーダー&篠笛(おっちゃん)、オーボエ&イングリッシュホルン(石橋雅一さん)、クラリネット(十亀正司さん)、ハープ(朝川朋之さん)、トランペット(菅坂雅彦さん・西村浩二さん・横山 均さん)、トロンボーン(中川英二郎さん他2名)、チューバ(佐藤 潔さん)、ホルン(藤田乙比古さん・萩原顕彰さん他1名)、パーカッション(草刈とも子さん・高田みどりさん)、ピアノ(松田真人さん)、ギター(今泉 洋さん:先録り)、打ち込み(丸尾 稔さん)、指揮(田中公平さん)、エンジニア(中村充時さん)でした。

あ、このオケの録音のあと、鈴木佐江子さんというコーラスの方がいらして、歌のダビングをされたそうです。何と、今回の劇伴の曲に歌がついてるものがあったんですって〜。挿入歌…じゃなくて、劇中歌って感じで使われるんでしょうか。こちらも楽しみですね♪

この番組は、2008年1月3日から東京メトロポリタン・千葉テレビ・テレビ神奈川でのオンエアを皮切りに、テレビ大阪やテレビ愛知、青森放送などでも放送される予定です。うちのあたりだとテレビ大阪かなあ…とにかく、何とか見える環境でホッとしてる私です。いずれも深夜帯でビデオに頼る機会が多くなりそうですが、2008年の劇伴生活をぜひ公平さんと浜口さんのダイナミックな音楽で元気にスタートさせてくださいねo(*^^*)o

 

 

479 劇場版「たまごっち どきどき!うちゅーのまいごっち!?」(田中公平)

2007年11月2日。サウンドシティのAスタに行きました。この日は、おっちゃんとしてはちょっとお久しぶりになる、田中公平さんのお仕事でした。時間も4時間半と結構長いので、なんだろう、と思いながらスタジオに入ったのでしたが、この日は劇場版「たまごっち どきどき!うちゅーのたまごっち!?」の録音でした。おっちゃんは「たまごっち」と聞いても「はて…何じゃ、それ?」って感じだったそうですが、それでも現場で「1996年ごろに初めて売り出されて、そのときが第1ブームだったらしいわ」なんてことを聞いてきてくれてました(^o^)

はいはい、実は我が家もその第1ブームのときに流行の波にしっかり乗ってたんですねえ。ちょうど売り出された翌年に長女が幼稚園に入ったもんで、我が家にも次女の分と合わせて2つありました。で、おかあさんたちの間では「子供らが学校に行っとる間は私が世話せんとあかんのよなあ…」「うちは末っ子(たまごっちのこと)がいちばん手がかかるんよなあ…あら、またウンチしとる!」なんて感じで、皆でランチをしてる最中にもたまごっちに呼ばれてピコピコやってるおかあさんがたくさんいました(^^ゞ

そんなこんなの第1ブームのあとにアニメ化されたりしてたようですが、今が第2ブームなんですって。で、どうやら映画化は今回が初めてのようですね(違うかな…?)。それにしても、たまごっちの公式サイトを見てみると、随分と色んなキャラクターが増えたもんですねえ。中には「よく目にしてたけど、これがたまごっちの中のキャラクターだったんじゃ!」なんてのもあったりします。で、大体こうしたアニメ映画は単独ではなく、他の作品と同時上映になることが多いように思うんですが、今回はこの「たまごっち」だけの単独上映となるようです。このあたりからも、制作サイドさんの気合の入った様子が伝わってきますよね。

あ、その気合の入り具合が更に分かる情報として、今回はかなり綿密にフィルムスコアリングが行われてたそうです。公平さんの音楽が画面のキャラにピッタリ合うように書かれてたのはもちろんですが、それをきっちりと絵に合わせる中村さんたちの努力と技術もすごいですよね〜。そういえば、風邪をひいた星が鼻水を垂れるシーンがあるそうなんですが、その鼻水をすすったときの効果音にクラリネットのグリッサンドを使ってるんですって〜。このあたりの発想が何とも面白いですよね♪

こうした様子をコントロールルームの一等席で見ていた(聴いていた)インペク屋さんも「絵と音がぴったり合っていて、すご〜い!」と感激しまくりだったそうです。ちなみに、このインペク屋さんもいくつかたまごっちを飼ってらっしゃったそうですよ(^.^)b


そうそう、この日はリコーダーの曲が2曲あったようなんですが、そのうちの1曲がテンポが速い上に低い方の音域の「ファ→ミ♭→ファ」なんて動きが出てきて、けっこう苦戦したようです。

この「ミ♭」ですが、左の写真でいうと穴が2つあるところの1つだけを押さえるんですよね。実は、ちょうどこの録音があったころに、私も子供の通う小学校で一時的にリコーダーと合唱の指導なんかをするハメになって、この「ミ♭」に悩まされたんです(;^_^A

そもそも小学校ではまだこの「ミ♭」の運指なんか習ってないし、しかも4年生の小さな手で「ミ♭→レ→ド」なんて押さえさせるのは、かなり大変でした。で、そんな話をしてたらおっちゃんが「わしもちょうどそのミ♭で苦戦したとこやけん、その苦労はよう分かるで〜!」なんて言ってたんですが、それがこの録音のことだったんですね(^◇^;)


あと、今回は「たまごっち」っていうキャラとストーリーから、かわいい系やほのぼの系の曲ばっかりなのかなあと思ったら、「ワンピース」みたいな勇ましい系からウルウル系まで、バラエティに富んでたようですよ。でも、さすがに「武装錬金」みたいな激しかったり、不気味だったりする感じの曲はないんだろうなあ…そういう意味でも、公平さんの新たな変貌ぶり(?)が楽しみなところですo(*^^*)o

この日の調整室の様子です。

左のストライプのシャツがエンジニアの中村さん、右の黄色と黒のシャツがオペレーターの丸尾さん、そして右の手前が公平さんですね♪

写真にマウスを乗せると、公平さんと丸尾さんが少し大きくなります。


あ、この写真撮影のエピソードを少し…この日は曲数が多い上に短時間で録らなきゃいけないってことで現場はかなり慌しかったそうです。でも、公平さんが皆さんのために何とか時間をやりくりして休憩を入れてくださったりしたそうですが、そんなわずかな休憩時間にも奏者さんの方から差し替えの申し出があったりして、休憩があるような無いような調整室だったんですって。そうこうしてるうちにおっちゃんの出番も終わってしまい、公平さんはパーカッションの差し替えをやるために調整室へ帰っていっちゃったとか…。

で、インペク屋さんが「今日はバタバタしていて写真を撮るチャンスがなかったですね…」って声をかけると(私の‘写真が欲しい〜!’って気持ちがインペク屋さんに通じたのかな〜?)おっちゃんが「おお、そうじゃ!」って言って、おもむろにカメラを取り出してきたんですって。この瞬間、インペク屋さんは「まさか…!」と思わずドキッとしたそうですが、そのままおっちゃんのカメラのレンズは調整室の方へ…。そのインペク屋さんとしては「か…隠し撮りですか!?」とかなりドキドキしてたようですが、おっちゃんはそんなことはモノともせず、フラッシュをオフにして撮影してたそうです。こうなると、もうインペク屋さんも笑うしかなかったとか…まあ、こんなことができるのも、ベテランのおっちゃんならではですよね〜。それにしても、何かこのときの様子を想像すると、こちらもつい笑ってしまいそうになりますね(^◇^;)

この日の編成は、弦(マサさんのグループ:86442→44221)、フルート&リコーダー(おっちゃん)、フルート&ピッコロ(金子奈美さん)、オーボエ(庄司知史さん)、クラリネット&バスクラリネット(元木瑞香さん)、ファゴット(前田正志さん)、ハープ(朝川朋之さん)、トランペット(菅坂雅彦さん・横山均さん・奥村晶さん)、トロンボーン(松本治さん・井口有里さん・山城純子さん)、チューバ(柏田良典さん)、ホルン(藤田乙比古さん・高橋臣宣さん・勝俣泰さん )、パーカッション(草刈とも子さん・藤井珠緒さん)、ピアノ(エルトン永田さん)、打ち込み(丸尾 稔さん)、指揮(田中公平さん)、エンジニア(中村充時さん)で、夕方4時から夜9時くらいまでの、けっこう長丁場だったみたいです。

さっきも書いたように、この日は曲数が多いのに時間が短いってことでインペク屋さんも始まる前からドキドキだったようですが、公平さんや丸尾さん、それに中村さんやミュージシャンの皆さんの素晴らしい連携プレイで、とてもスムーズな進行だったようですよ。皆さん、ほんとにお疲れさまでした。そんな皆さんの頑張った結果は、2007年12月15日から全国の東宝系映画館で味わうことができます。冬休みの子供たちにはお年玉も入ってリッチになってることだし(大人の懐は空っ風が吹きそうですが…)ぜひ映画館に足を運んでみてくださいねo(^-^)o

 

 

478 CM「ほふり」

2007年10月30日。サウンド・インのJスタに入りました…な〜んて書くと「Jスタ〜!?」「これ、タイプミスじゃないの〜?」なんて思いませんか? 実際、私はおっちゃんからの原稿を見て「これ、タイプミス?」って思ったんです。だって、うちのレポではAスタかBスタしか出たことありませんもんね(…あ、Cスタなんてのも書いたことあったっけ?)。でも、決してタイプミスではなくて、ちゃんとJスタってのがあるんですって。まあ、Aスタ→Bスタ→Cスタ…ってなっていくほどスタジオが小さくなるらしく、このJスタも1人でダビング用の狭いスタジオだったらしいですけどね。ちなみに、おっちゃんも初めて入ったそうですよ(^.^)b

さて、この日は「ほふり」…つまり「証券保管振替機構」という私たち一般人にはちょっと聞き慣れない組織のCMでした。う〜ん、その「ほふり」のHPをあちこち探してみたんですが、今回のCMが聴けそうなところはありませんねえ。ちなみに、打ち込みのデータにおっちゃんのリコーダーを被せるというもので、リコーダーはまず一通り最後まで吹いたあと、後半部分をハモリという具合で被せた(つまり1人2重奏)そうです。弾んだ感じの軽やかな音楽で、なかなかいい感じだったそうですよ。

そうそう、おっちゃんの話によると、何か具体的な商品のCMの場合はCMの出来不出来によって売り上げにかなり影響があるので、クライアントさんから色々と注文が出ることも多いんだそうですが、今回のような組織のPRのような場合は結構さらりと流してくださるようで、2トラックを録って少し音を直したりしても正味30分くらいで終わったそうです。さあ、上手くテレビのオンエアで見つけられるといいけどなあ…o(*^^*)o

 

 

477 アルバム「オルゴール+(プラス)」(塚山エリコ)

2007年10月2日。目黒のエピキュラスに行きました。この日のお仕事は塚山エリコさんのアルバム録音なんですが、最初にお話をいただいた時点で「ほいほい♪」とお引き受けしたものの、途中で時間が変更になったことで他のお仕事とのスケジュール調整がつかなくなり、一度はキャンセルになってしまってたんですって。その後、何だかんだで時間の調整が上手くいったみたいで目出度く復活…という経緯があったようです。何はともあれ、親しい仲の塚山さんのお仕事に無事に参加できるようになって、ほんとに良かったですね(^-^)

…とはいえ、先のお仕事とこの塚山さんとのお仕事の間が30分しかなかったことと、スタジオ同士の場所がちょっと離れていたことで「交通事情とか色んなことが全てスムーズにいってもギリギリだなあ」とヒヤヒヤしながら当日を迎えたようですけどね。でも、先のお仕事が少しだけ早めに終わったことで、何とか5分ほどの遅刻でエピキュラスに飛び込むことができたそうです。これ、もしも先のお仕事が時間いっぱいまでかかってたら…いやいや、もう無事に終わったんですから、そんな怖いことは考えないことにしましょう(^^ゞ

さて、この日の塚山さんとのお仕事は、誰もがよく知っている「チムチムチェリー」「となりのトトロ」「風の谷のナウシカ」「テルーの唄」などの曲を、塚山さんがオルゴールの雰囲気によく合うようにアレンジされたものなんだそうです。まあ、オルゴールのアルバムといっても、本物のオルゴールと一緒にやるわけではなくて、サンプリングされたオルゴールの音源を使って塚山さんが手弾きされたものをメインに、ピアノとヴァイオリンとチェロとオーボエ、それにおっちゃんの笛いろいろをかぶせるんだそうですよ。でも、このオルゴールの音源っていうのが、お土産屋さんとかにある箱を開けたりネジを回したりしたら流れてくるようなオルゴールではなく、昔あった大きな円盤やシリンダーが回るタイプのオルゴールで、なかなか重厚な感じがしてたそうです。それに、生楽器が乗っかるってどんな感じだろう…すご〜く荘厳な感じなのかなあ。聴いてみたいなあo(*^^*)o


こちらの写真は、この日のエンジニアである塩澤利安さんが撮ってくださったそうですよ。

これと同時に、塚山さんも何枚か写真を撮られてたそうですが、それは塚山さんのサイトのこちらにアップされています。何と、このアルバムの録音の関わられた方々の写真が19枚もアップされてますので、順番にめくっていってみてくださいね♪

この日のおっちゃんは、フルート・リコーダー・パンパイプ・オカリナを持ち替えでした。で、パンパイプでやった「テルーの唄」はとくに評判が良かったようです。


あ、おっちゃんは「ヴァイオリンは多分マサちゃん」なんて言ってたんですが、その通り、この日のヴァイオリンはマサさんです。マサさんのブログこちらにそのときの様子が書かれてますが、けっこう大変だったみたいですよ〜。また、おっちゃんと入れ違いに、ピアノの松田真人さんが、おっちゃんの前にはオーボエの庄司知史さんが来てらしたそうです。

最後になりましたが、このアルバムは去る2007年11月21日にリリースされたようです。いま塚山エリコさんのサイトのトップで紹介されてますよ。そちらに詳しい参加ミュージシャン名も載ってますので、覗いてみてくださいね。また、塚山さんのブログにも少しこの日の様子が書かれてますので、そちらも是非o(^-^)o

いよいよ2007年も残すところあと1ヶ月、街はクリスマス一色になってきましたね〜。今回のアルバムはこんな季節にピッタリなんじゃないでしょうか。素敵な音楽で素敵なクリスマスを…そして年賀状書き(我が家はまだ買ってすらいません)&ついイライラしがちな年末の大掃除を心おだやかに頑張りましょ〜!(^◇^;)

 

 

476 美しの里アルバム「四季」(黒石ひとみ)

2007年9月19日。南青山のKIMスタジオに行きました。この日は、もううちのHPでも何度も取り上げさせていただいてる「美しの里」のアルバム録音でした(レコーディング関連は189番254番・、コンサート関連は45番73番)。

この「美しの里」というアルバムに関してネットで検索すると、「葉 祥明さんの描かれた絵本‘美しの里’のイメージを黒石ひとみさんが音楽にした」みたいな感じで出てくることが多いと思います。実際、私もずっとそう思ってきました。ところが、今回はエンジニアの伊藤さんとご連絡を取る機会に恵まれ、この「美しの里」というCDを作るに至るまでの素敵なエピソード聞かせていただきましたので、ご紹介したいと思います。

まず、このアルバムに作曲とヴォーカルで参加されてる黒石ひとみさんは、早いうちからその才能を認められ、小さな頃からスカウトされたり、コンテストで入賞されたりしてたそうです。で、本格的に音楽のお仕事をされるようになったときも「自分が歌いたい歌」ということで作曲されてたそうですが、それがあまりに素敵な曲なので、演歌・ポップス・ロック・アイドル…とジャンルを問わず様々な大物アーティストさんから「ぜひ黒石さんの作った歌を歌いたい」との依頼がたくさん来るようになったそうです。

こうしてものすごい勢いでトップに駆け上がった黒石さんのことは、傍目には「すごい」「うらやましい」「ああなりたい」と映ってたと思いますが、実は当のご本人は、かなり困惑されてたそうです。そりゃ、こんなにも身辺や人間関係が急に変わったりしたら…ねえ。で、いつしか、身も心も疲れきってしまったんだそうですよ。



これを見たエンジニアの伊藤さんは、黒石さんに羽を休めることを勧め、黒石さんは少し東京を離れることにしたそうです。

お仕事関係の人たちとの連絡の一切を絶ち、静かな田舎で吹き渡る風や降り注ぐ太陽の光に身をゆだね、ゆっくりゆっくりと心のお洗濯をされた黒石さん。

そんな黒石さんに、ある日ふと天から舞い降りてくるように音楽が浮かんできたそうです。


その田舎には5線譜さえも持っていってなかったそうなので、新聞広告の裏に走り書き…という形でメロディを書きとめ、伊藤さんに送ってきてくれたんですって。それを東京で見た伊藤さんは、正直なところ最初は「随分とシンプルなメロディだなあ」って感じでピンとこなかったとか…。でも、その後、その走り書きの楽譜を持って黒石さんがしばらく過ごしていたという田舎に行って、黒石さんが曲を書いていたという場所に立ってみると、ただただもう心がふるえるように、ほんとに優しく美しいメロディとして、伊藤さんの体に染み入ってきたそうです。

そこで「これをちゃんとCDにしよう!」と思った伊藤さんは、東京に戻ってきた黒石さんと1つ1つ糸をつむいでいくように大事に大事にこのCD制作の作業を進められたそうです。今度は急がず焦らず、黒石さんのペースで体をいたわりながら…。


黒石さんは伊藤さんに「これは山々が連なってる様子だから、チェロがいいかなあ…」「木の葉が舞い降りるような感じをピアノで…」なんて感じで曲のイメージを伝えます。

それを聞いた伊藤さんは、音楽プロデューサーとしてレコーディングエンジニアとして、伊藤さんが今まで一緒にお仕事をしてきた中で最も信頼のおける最高の演奏家さんたちに演奏を依頼します。

こうして、あの「美しの里」のアルバムが少しずつ形になっていくんですね♪



そんな作業の合間のある日、伊藤さんは黒石さんに、葉祥明さんの描かれた「美しの里」の絵本を見せたそうです。あ、伊藤さんは、葉祥明さんとはもうずっと前からのお付き合いがあるそうで、何かの折にこの絵本を手に入れてらしたんですって。で、その絵本を見た黒石さんは、その絵本の中の旅人と、田舎で暮らしていたころのご自分を重ね合わせたのか「これは私だ…」といって、涙をこぼされたそうです。私はもう、このお話を聞いて(メールで読みながら)胸がいっぱいになって、一緒に泣いてしまいました。

その後、黒石さんのレコーディングはこの絵本を眺めながらやったり、ほかのミュージシャンの方々にも見せたりしてたそうです。そういや、ずっと前におっちゃんも「綺麗な絵本を見せてもろた」って言ってたような…あ、ピアニストの西村由紀江さんは、ピアノの譜面台の上にこの絵本を立てて演奏したりしてたそうですよ。

こういう経緯があって、あの田舎で天から舞い降りてきたメロディーを「美しの里」と名づけ、それをそのままCDのタイトルにもしたそうです。ほんとに素敵なお話でしょう?(*^-^*)


こちらは、今回のアルバム「四季」のCDカバーです。

カバーって言い方で合ってるのかな…あ、ほら、CDを包んでる箱みたいなものです(^.^)b

このCDを買った方が写真を送ってくださいました。写真にマウスを乗せると、裏面のデザインが見えますよ♪

あ、私がなかなかレポを作れずにいたら、2008年2月に発売になりました(^^ゞ


さて、いよいよ録音のお話ですが…実はこの日の録音の前、9月15日にもこのアルバム関連の録音が行われたんです。で、そのときに録った1曲は、もともとはティンホイッスルをイメージして作られた曲だったのですが、黒石さんの方から「もうちょっと高い音がほしい」ということで、ソプラニーノリコーダーでやったんだそうです。これが、歌のバックでは遠くで響いてるような感じでとても素敵に仕上がったんだそうですが、間奏のソロの部分になると少し甲高すぎる…とのことで、この日に録り直しということになったんだそうですよ。

このソロの甲高い部分に関しては「キーとかの関係も含めて、1オクターブ下で吹ける楽器があれば…」というお話があったそうで、結局はもともとのイメージだったティンホイッスルで吹くことにしたんだそうです。もうすでにCDが発売されているので早く手に入れて、このソプラノリコーダーとティンホイッスルの音色や音域の違いに注意しながら聴いてみるのも楽しそうですよねo(^-^)o

それから、その15日のときには楽器の打ち合わせが上手くいかずに録れなかったパンパイプの曲を録ったそうです。パンパイプでやった曲は全部で2曲だそうですが、そのうちの1曲にちょっと苦労したというか、録音ならではの小業を使ったんだそうですよ。何でも、吹く場所そのものは少ないんだそうですが、跳躍を含んだ32分音符の速いフレーズがあって、そのまま吹くとどうしてもリズムがちょっと訛ったような流れになってしまうんだそうです。

まあ、それはそれでメロディーの「味」みたいなものだとも思うんですが、その速い部分の前後は何もなくて、ちょうどその部分だけ別録り(差し替え)ができるので、パンパイプの管の配列を変えてやってみたそうです。ライブなんかだと絶対にこういう訳にはいきませんが、今回はアルバム用の録音なので…ということで、この差し替えた分が採用になったそうです。これぞ、今の録音技術のいいところを存分に生かした演奏ですよね。ところで、この「配列を変える」っていうのが、おっちゃんの特許(?)なんですね〜。詳しくは、おっちゃんのHPパンパイプのところを見てみてください。こんな仕様になってるの、他ではそうないと思いますよ(^_-)-☆


これは、CDを開いてみたところです。マウスを乗せると、CDの盤が見えますよ♪

これらのCDは「美しの里」HPで買うことができます。ここでは、おっちゃんたち参加メンバーさんの写真が3段階で大きくして見ることができますよ〜!

私も近いうちに必ず買おうと思っているところですo(^-^)o


そうそう、中には「こんな素敵なCDなんだから、もっと手軽に買えるように、全国のCDショップやネット販売をすればいいのに…」って思う方もいらっしゃるでしょう。でも、実はここにも大きな意味があるんです。普通のリリース方法を取ると色んな「大人の事情」が絡んできて、自分の思った通りのものができないことがあります。また、余分な経費がかかってしまうこともあります。

そんなしがらみ(こんな言い方しちゃダメ?)にとらわれず、最高の演奏者たちによる最高の演奏を、できるだけ安く多くの人にお届けするためには、今のような販売形式がベストなんだそうです。だから、少し不便を感じてもそこは理解していただいて、そして是非このアルバムを聴いてみてください。きっと疲れた心が癒されて、とがった気持ちも丸くなって、平和という言葉が浮かんでくるんではないでしょうか…。


こちらは、このスタジオKIMで恒例となった黒石さんとの2ショットです。写真にマウスを乗せると別カットに切り替わります♪

この日はエンジニアの伊藤さんがわざわざ照明用の小さなライトを取りに行ってくださって「デジカメ内蔵のフラッシュだと平板な写真になるから…」と、サイドからライトを当てて撮ってくださったそうですよ。

あ、黒石さんの後ろにあるディスプレイにパイプ椅子が映ってますが、おっちゃんたちミュージシャンはあれに座って演奏するわけですね(^.^)b


黒石さんとの2ショットは、この「美しの里」の録音以外に「Walking tour(378番)」や「ガン × ソード(254番)」の録音などでも撮らせていただいてますが、ほんと回を追うごとに写真も進化していってますよね〜。現場でも、皆さんでそんな話題で大いに盛り上がったそうですよ♪

こうして録音や写真撮影が終わったあと、おっちゃんが前に塩ビ管で作ったホイッスルの替え管(歌口より下の部分)をエンジニアの伊藤さんや黒石さんに披露したりして楽しい時間をすごしたそうですよ。このKIMでのお仕事は、他のスタジオでのお仕事よりも更にアットホームな雰囲気があるようで、おっちゃんもほんとに楽しそうです(*^-^*)

あ、その塩ビ管で作った替え管を披露してる最中におっちゃんはふと「前に買うたティンホイッスルで、ピッチが悪うてスタジオでは使えんのがあるけど、歌口から下をこの塩ビ管と差し替えたらどうやろか…」なんておことを思ったそうなので、いつかもしかしたら、塩ビ管のティンホイッスルの音色が皆さんの耳にも届くかも…ですよo(^-^)o

最後になりましたが、このアルバムの収録された曲を中心としたコンサートが、5月の連休中に滋賀の信楽町にある施設で行われるようです。この「四季」というアルバムを聴いて感動したある団体が「ぜひコンサートを!」ってことで、コンサート開催の運びになったみたいですね。ちなみに、このコンサート会場となるところは、葉祥明さんの絵本そのまんまのような素敵なところらしいんですが、会員制なので一般の私たちが聴くことは無理なのです。でも、おっちゃんやマサさんから現地での楽しいエピソードをしっかと聞き出しますので、どうぞお楽しみにo(*^^*)o


 

 

475 映画「西の魔女が死んだ」(バジュン・トベタ)

2007年9月7日。目黒区の青葉台スタジオというところに行きました。このお仕事は夜の9時半スタートということだったそうですが、先のお仕事との間が7時間も空いてしまうおっちゃんとしては、いったんお家に帰って出直すことにしたそうです。で、1軒目のお仕事が終わったあと、自宅に向けて3〜40分走ったところでインペクさんから電話が入って「3時間前倒sし(つまり6時半スタート)で来れませんか?」って言われたそうです。これは、お家が都心部から離れて往復の時間がかかるおっちゃんとしてはありがたいお話。もちろん即OKで引き返して、スタジオに向かったそうです。

ところで、今回の青葉台スタジオは東横線の中目黒駅というところから歩いて10分くらいのところにあるんだそうですが、おっちゃんは40年くらい前にこのあたりに住んでたことがあったそうです。そんなこともあって、開始時間までにしばらく近くをし散策しながら、すっかり変わってしまった街の様子などを写真に撮ったりしてたんですって。おっちゃんがこの青葉台スタジオに来るのは随分と久しぶりなんだそうですが、外観も中の様子も以前とほとんど変わっていないようで、ちょっとホッとしたそうです。


これがその青葉台スタジオの入り口です。けっこうシンプルな感じですね〜。

写真にマウスを乗せると、表札のあたりがアップになります(^.^)b


さて、この日のお仕事は「西の魔女が死んだ」という映画の音楽で、作曲はバジュン・トベタさんという方でした。どうやら、2008年に公開予定だとか…。で、この「西の魔女が死んだ」なんていうすごいタイトルの物語ですが、実際には魔女の血を引くおばあちゃんと、その孫で登校拒否児の「まい」が、人が本当に幸せに生きていくために大事なことについて1つ1つ紡いでいくようなハートウォーミングな内容みたいですよ。これ、映画を見る前に原作を読んでみたいなあ。梨木香歩さん原作のこの本の映画化については、こちらにも詳しい記事があります(^.^)b

曲は10曲ちょっとで、2時間拘束の劇伴としてはまあまあの分量だったそうですが、そのほとんどの曲をフルートとピッコロで2パターンずつ録ったので、けっこう大変だったみたいです。また、全体的に音域が低かったようで、ピッコロなんかは最低音まで出てきてたそうですよ。ピッコロで最低音となると、けっこうボソボソした音色になるそうで、おっちゃんとしては「これはどうなん〜?」なんて思ったそうですが、実はそういう音が狙いだったんですって。


こちらはスタジオのロビーの様子。

奥のカウンターのあたりには、何やら電子レンジのようなものが…手前の自動販売機以外に、何か飲み物を出してくれたりするのかなあ。

あ、画像にマウスを乗せると、別のアングルのロビーの様子が見えます♪


この日はおっちゃん1人だけでのダビングだったのですが、おっちゃんの前には金子飛鳥さんの弦カル(1111)が、おっちゃんの後はオーボエの庄司知史さんが来てらしたそうです。で、この映画はすでに完成してるようで、あとは公開を待つのみって感じのようですね。詳しい公開日程が分かったら、またお知らせしますねo(^-^)o

 

 

474 HBCテレビ開局50周年記念番組「さいはての向日葵」(西村由紀江)

2007年9月4日。南青山のKIMのスタジオに行きました。この日は西村由紀江さんの作曲で、「さいはての向日葵」という劇伴の録音でした。今回のこの「向日葵」というのは弁護士さんの胸に輝く向日葵を指すそうで、つまりは弁護士さんのお話なんだそうです。何でも、大塚寧々さん演じる主人公の女弁護士・手島陽子が、弁護士のいない知床に「ひまわり弁護士」としてやってきた…というお話なんだそうです。あ、この「ひまわり弁護士」というのは、法律の専門家がいない地域をなくすために、日本弁護士連合会が事務所開設資金や維持費を援助する「ひまわり基金弁護士」制度で開業した弁護士さんのことなんですって。

小学4年生の息子と一緒に知床にやってきた手島陽子が地元の人たちの手となり足となり頑張る様子や、頑張りすぎて息子に孤独を味わわせてしまう様子、孤独を感じた息子が起こした思わぬ行動に、それがキッカケで始まる新たな人間関係などを、西村さんの美しいピアノ演奏をメインとして彩られてるようです。聞くところによると、一応ピアノと打ち込みで…ということだった今回の音楽ですが、西村さんの「どうしてもフルートを…」という強い要望から、今回のおっちゃんの参加が実現したみたいです(^.^)b


このスタジオKIMでは恒例となった2ショット♪

この日、西村さんからは「今日はお化粧をしてないから、遠目に撮ってね(^^ゞ」なんて言われたそうなので、こんな感じで…。でも、これで静かに引き下がる私ではありませ〜ん。写真にマウスを乗せると、お2人がアップになりますよ(^.^)b

西村さん、お化粧してなくてもほんとに綺麗☆彡

こんな写真を遠目で、それも小さく載せるなんて…もったいなすぎます(>_<)

そんなわけで、おっちゃんの照れくさそうな笑顔と一緒に、じっくりご覧くださいねo(^-^)o


おっちゃんのフルートが出てくるのは、手島陽子の息子・良平が知床の自然の中で中村嘉葎雄さん演じる地元の漁師・宗倉省三と交流する…というような心温まるシーンで流れるんだそうで、とてもゆったりした優しい音楽だったようです。で、アッという間の短い曲から、じっくり聴かせる長い曲まで全部で5〜6曲だったみたいなので、録音はとってもスムーズに終わったそうです。

おかげで、おっちゃんはこの次のお仕事のスタッフから「できれば早めに来てほしい」なんて言われてたそうですが、このお仕事が終わったあとにKIMのスタッフの方と次のKIMでのお仕事の打ち合わせなんかをして、さらにはこんな写真撮影までもしたのに、それでも余裕で次の現場に行けたそうです(^-^)


そうそう、あまりに素敵な西村さんなので、別のカットも…。

これはフラッシュをオフにしたバージョンですが、これもまた別の趣があっていいでしょ?

もちろん、この写真もマウスを乗せると切り替わります(^_-)-☆

これらの写真は、エンジニアである伊藤さんが撮ってくださいました♪


ところで、西村さんと北海道といえば、前にご紹介した映画「ココロの星(441番参照)」も北海道を舞台としたお話でしたよね。この2つの作品は特に何も関係ないとは思うんですが、それにしても北海道に不思議とご縁があるようで…ああ、北海道に行ってみたいなあo(^-^)o

最後になりましたが、このドラマは9月16日(日)の午後2時から3時24分まで、全国のTBS系列で放送されます。雄大な自然の中で繰り広げられる温かな人間ドラマを、西村さんとおっちゃんの美しい音色に耳を傾けながら楽しんでくださいねo(*^^*)o


 

 

473 OVA「HELLSING」(松尾早人)

2007年8月27日。サウンドシティのAスタに入りました。お茶目な笑顔の松尾早人さんとのお仕事で、前にもここでレポさせていただいた「HELLSING」というOVAの音楽録りです。あ、前の録音については「320番」を読んでみてくださいね。で、この日は松尾さんの書き下ろしが3曲のほかに、何とウェーバーの歌劇「魔弾の射手」の一部をやったんですって…と言われても、いつものことながら私は「クラシック名曲集とかでタイトルは見るけど、どんな曲だっけ…」と思ってしまったわけですね〜。で、ちょっとMIDIを探してみたら「こちら」や「こちら(No.10)」や「こちら」で聴けるようです。この日に演奏されたのがこの部分かどうかは分かりませんが、こうして聴いてみると「あ、聴いたことある〜♪」って感じですね(^^ゞ

そういえば、この数日前に別の現場でこの日のインペク屋さんが「銀座のヤマハに行ってきま〜す♪」なんてことを言ってたんだそうですが、実はそれはこの日に使うウェーバーのスコアを買いに行ったんだそうです。いつも作曲家さんの手から生まれてすぐの新曲ばかりやってる録音現場で使う楽譜を、こうして普通に楽器屋さんで買ってくるっていうのも面白い話ですよね〜。あ、この日やったのはオペラの中のほんの一部分だそうですが、それでもフルートのパート譜でも6ページあったみたいで、おっちゃんは「これやと弦やはもっともっと長いやろなあ」なんて言ってました(^.^)b

さて、その「魔弾の射手」の録音ですが、譜めくりの都合なんかで通して演奏するのは難しかったみたいなので、いくつかに分けて録ったそうです。この「分けて録る」ってのは、ここではもうかなり聞きなれた表現になってきましたが、やっぱりスタジオ録音ならでは…の言葉なんですよね〜。何か、ふと感慨深く思ってる私です(^^ゞ

ブースに入っているパートがあったり、あとで歌やコーラスをダビングする関係もあって、クリックが入ってる部分と手振りの部分があったそうですが、そのあたりは指揮者のはいしまさんがうまく工夫してくださったおかげで、録音はとてもスムーズに進んだそうです。ただ、ホルンのパートが難しくて大変だったようで、ホルンだけは居残りして丁寧に差し替えをしたそうです。また、おっちゃんたちのあとには歌のダビングがあったそうなんですが、わずか6人で重唱の部分から合唱の部分までやってしまったそうなので、こちらもなかなか大変だったんじゃないかなあ…。おっちゃんも気にしてました。

そうそう、こうしたスタジオ録音でアニメの劇伴の場合は、木管はたまにフルートが2本になるくらいで、あとは1管編成のことが多いんだそうですが、この日は木管全部が2管編成になってたそうです。まあ、ステージでやるオケだと3管編成が普通みたいなので2管でも少ないはずなんですが、おっちゃんやインペク屋さんからは「2人ずついると随分と響きが違ってくるもんだなあ」とか「ぐっとオケらしくなるなあ」とか「各楽器が2人ずつ並んでる姿は、調整室から見てて壮観でしたよ♪」なんて声が聞こえてきてました。この感想、何かドキドキしますよね〜。ぜひ、この耳で確かめてみたいものです(*^-^*)


こちらは松尾さん♪

インペク屋さんが「松尾さんがすっごく可愛いTシャツ着てましたよ〜!」って教えてくれたので、おっちゃんに催促しまくって送ってもらった写真がこれです。

ほ〜ら、よく見ると(写真にマウスを乗せると)ガチャピンでしょ〜? インペク屋さんのお話では、背中にはムックのイラストがついてたとか…松尾さん、かわいいですね(*^-^*)

でも、ご本人は、あろうことか、ガチャピンを知らないんですって〜。松尾さんの意外な一面を知って、ますます親近感の湧いた私です(^^ゞ


あ、レポの最初に「松尾さんの書き下ろしが3曲…」と書きましたが、松尾さんによると「弦だけの曲」「弦とハープの曲」「ギターの曲」という3曲なんだそうです。ギターの曲というのは、前にワルシャワで録音してきたものにギターとシンセをかぶせる…というものだったそうですが、インペク屋さんが「ワルシャワオケにギターがカッコよかったんですよ〜!」と大絶賛してました〜♪でも、松尾さんからは「録ったあとの編集作業が大変だった(@_@;)」なんて声も…(^^ゞ

また、先ほどからお話ししてる「魔弾の射手」も、実はそのワルシャワでオケ歌も録ってきてるんですって。でも、急きょ「ワルシャワで録ってこなかった部分も使いたい」ってことになって、こうして日本で足りない部分を録音したんだそうです。何か、えらくあっさりと「ワルシャワで…」「残りは日本で…」みたいに書いてますが、聞けば聞くほどすごい話ですよね(;^_^A

さて、この日の編成は…なんですが、インペク屋さんのご協力によって細かいスケジュールが分かりましたので、いつもよりかなり詳しく載せますね(^.^)b

14:00〜16:00 ギター:今泉洋さん
16:30〜19:00 ストリングス:.マサさんのグループ(86442)
16:30〜18:30 ハープ:朝川朋之さん
16:30〜19:00 指揮:D島公二さん

17:30〜19:30 ホルン:南浩之さん・中島大之さん・伊勢久視さん・岡村陽さん
            フルート:おっちゃん・金子奈美さん
            オーボエ:庄司知史さん・浦丈彦さん
            クラリネット:元木瑞香さん・恩智聡子さん
            ファゴット:塚原里江さん・鹿野智子さん

20:00〜23:00 コーラス:瀧口裕一さん・丸山友也さん・佐々木憲二さん・塚田洋丈さん・青山真弓さん・矢崎陽子さん

…で、エンジニアは吉田俊之さんでした。

あ、見ての通り、この日の木管は女性が多いんですよね。しかも、この女性陣は皆さん顔見知りだったようで、現場はとても楽しく華やかな雰囲気になってたそうですよ〜。こりゃあ、さぞかしおっちゃんたち男性陣もヤル気が出たことでせうo(^-^)o

また、こうしたスタジオミュージシャンの方々が思いっきり純粋なクラシックを演奏するってことは本当に珍しいようで、現場にいらした方々はそれぞれに感慨深いものを感じてらしたみたいです。ああ、そんな演奏はいつになったら聴けるんでしょうか…まだ公式サイトの方には、詳しい発売日が載ってないんですよね…。でも、どうやら近いうちにサントラは発売されるみたいです。とにかく、何か情報が入ったら、こちらでお知らせしますので、どうぞお楽しみにo(^-^)o

 

 

472 CM「蕃爽麗茶」(加藤みちあき)

2007年8月24日。南麻布の光琳持の近くにある青空スタジオというところに行きました。おっちゃんは何度か来たことがあるそうですが、レポに登場するのは初めてでしょうか…HPを見てみると、どこか爽やかな感じのするスタジオのようですね。


おっちゃんの話では「前に来たときにはこんな感じではなかった…リニューアルしたのかも?」とのことでしたが、昔も今も変わらないのは、スタジオや通路の壁紙がその名の通り「青空」と「白い雲」になってるところなんだそうです。

ほら、右の写真…すごいでしょ?

別サイトで見つけたこちらの写真で、さらにそのスタジオの様子が分かるかと思います♪


さて、この日は事前に「何か民族系の笛を持ってきてほしい」というオーダーが入ってたそうで、おっちゃんは取りあえず篠笛・ホイッスル・ケーナなんかを持ってスタジオに入ったそうです。ほんとはもっと色んな笛を持って行きたかったみたいですが、このスタジオは駐車場が遠く離れたところにあるらしくて、こんな感じになってしまったようです。

で、お仕事の内容は「血糖値が気になる方に…」というキャッチコピーでお馴染みの「蕃爽麗茶」のCMした。音楽は加藤みちあきさん。東南アジアやインドネシアに伝わるガムランという楽器を思わせるような音色をバックに延々と「ばんそ〜れいちゃ〜」というお経のような雰囲気のコーラスが入っていて、そこに怪しげなフレーズの笛が入る…というユニークな音楽だったそうです。

こちらは、本番の真っ最中のおっちゃん♪

現場では、加藤さんが書かれたフレーズが3パターン用意されていて、順番に吹いてみることにしたそうです。どうやら実際のオンエアでは、この3つの中から選んだ1曲を使うことになるみたいですね。

う〜ん、残りの2曲も聴いてみたいので、このままお蔵入りはもったいないなあ(>_<)


で、一通り吹いてみたところで演出の方に聴いてもらうと、どうも何やら要望が出たようで、その場で加藤さんがちょっと書き直して4つめのフレーズが出来上がったそうです。それをおっちゃんがまた吹いてみたそうですが、その場でサラサラ書いて、ピロピロ吹いて…って、言葉にするのは簡単ですが、ほんとにすごいことですよね。結局、その4つめのフレーズが採用になったようです。

そのCMは、もうテレビでもバンバン流れてますが、ヤクルトのHPこちらでも聴くことができます。これを見ると、絶対に「あ、見たことある!」って思うんじゃないかなあ。おっちゃんはあとになって「さっきはガムランって言うたけど、沖縄っぽい雰囲気とも言えるかもなあ。まあ、ガムランの音階と沖縄の音階は共通しとる部分があるし、笛でやったら余計に沖縄っぽくなるかも?」なんて言ってましたが、実際に聴くと、やっぱり沖縄ってよりは東南アジアって感じの不思議な音楽で、とてもインパクトがありますよ。ぜひ皆さんも聴いてみて、テレビでも見つけてみてくださいね(^.^)b

 

 

471 アニメ「ご愁傷さま二ノ宮くん」(亀山耕一郎)

2007年8月10日。サウンドシティのAスタに行きました。事前の連絡では「Bスタで…」って言われてたそうですが、いざスタジオに着いてロビーにあるスケジュールを見ると、なぜかBスタにはCM関係の会社名が書かれてたんだそうです。で、おっちゃんとしては「おかしいな…」と首をかしげながらもよ〜く見ると、どうやら急きょAスタに変更になったようで、Aスタのところにしっかりこの日のクライアントさんのお名前が書かれてたそうです。

そんなこんなでロビーでおろおろウロウロしていたら、突然「あら、あさひさん!」って声がかかったそうです。で、声のする方に振り向いてみると、そこにはおっちゃんはいつもお仕事で、私はレポのことでお世話になりっぱなしのインペク屋さん(ベルベットラインの張替さん)がいらしたそうです。何でも、この日のお仕事には関係ないんだそうですが、ヴァイオリンのマサさんに渡すものがある…とかで来てらしたんだそうです。


私とこの張替さんは、もう皆さんもよくご存知の「大谷幸さん 枕草子・夏の森ライブ」「第2回 レポの登場人物と飲んできましたレポート」でお会いしてるんですよね♪

だから、おっちゃんがわざわざ電話を取り次いでくれて、ほんの少しの間ですが楽しくおしゃべりすることができました(^o^)

これは、その私との電話中におっちゃんが撮った張替さんの様子です(^.^)b


さて、この日は、最初にも書きました亀山耕一郎さんとのお仕事です。亀山さんは1996年に「激走戦隊カーレンジャー」の挿入歌を手がけられてからは、どちらかというとスーパー戦隊シリーズの主題歌や挿入歌を手がけられることが多かったようです。でも、ここ数年は「こてんこてんこ(266番参照)」「ぷるるんっ しずくちゃん(390番参照)」や「シルバニアファミリー(444番参照)」のOVAなど、かわいい…それも特にかわいい系の作品も数多く手がけられてるんですよね。でも、今回は「ご愁傷さま二ノ宮くん」という、萌え系のアニメなんだそうですよ〜。おっちゃんも、演奏しながら「ん? 今日のはちょっと雰囲気が違うな…」って感じてたそうですが、これで納得です(^.^)b

公式サイトを見てみても、何やらメイドさんのような格好をした女の子がいますよ〜。どうも、そんな女の子2人と一緒に生活することになった男の子のお話みたいですね。ほほぉ〜こんな世界を亀山さんがどんな風に彩るんでしょうか。気になるなあo(^-^)o


ちょっと話は前後しますが、こちらはこの日におっちゃんが持ってきていたオカリナの数々です。

そのいう、いつものように早めに着いてたおっちゃんと、マサさんへの用事で来ていたインペク屋さんがしばらくおしゃべりを楽しんでるときに、おっちゃんがこうして店開きしてくれたんですって。

インペク屋さんは、こんな風に色んな色や大きさがあるたくさんのオカリナに感動したそうで、すかさず携帯で写真を撮ったそうです。で、それを今回のレポのためにちょっとお借りしてきちゃいました♪


あ、この日は、あらかじめ亀山さんが打ち込んでこられた音楽に弦と木管4人(おっちゃんはこのときはフルート)でダビングだったそうですが、弦が先に終わってゾロゾロと帰っていったそうです。で、残った木管も、ファゴット、クラリネット、オーボエ…と順に帰っていったそうですが、おっちゃんだけは居残りで、それからオカリナとリコーダーをやったそうです。そもそも、他の木管の皆さんが2時間拘束のところを、おっちゃんだけは2時間半拘束だったみたいですしね。

その居残り作業の部分ですが…オカリナに関してはちょっと音域に無理なところがあって相談したところ、ちょっとだけ音を変更してくださったそうです。こうした柔軟な対応は、おっちゃんとしてはほんとにありがたいでしょうね〜。もちろん、やっぱりどうしてもこの音で…って言われたら、そのときはそのときでまた何か裏ワザを考えつくのがおっちゃんなんですけどね(^.^)b

それからリコーダーの楽譜は、ソプラニーノかアルトか…という感じの音域だったみたいなので、とりあえず亀山さんに両方を聴いてもらったそうです。すると、亀山さんのイメージはアルトだったようで、アルトリコーダーでやることになったそうです。ソプラニーノとアルトでは1オクターブ違うので随分とイメージが違うでしょうし、ソプラニーノだと先に録ったオカリナに近い音になってしまう…ということもあるのかもしれませんね。


そうそう、弦の皆さんは先に帰っていったそうですが、マサさんだけはソロが2曲ほどあったそうで、おっちゃんと同じく残業してたそうですよ。そんなマサさんの様子を、おっちゃんが携帯で撮ってきてくれたのが右の写真です♪

マサさんと言えば、ちょうどこの録音のあたりから、ご自身でブログを始められたんですよね。その名も「マサちゃんのづれづれ日記」です。あ、「つれづれ」じゃなく「づれづれ」なんですよ〜。私も初めて聞いたときは「つれづれ」だと思ってて「悪いが…づれづれなんぢゃが?」とチェックを入れられてしまいましたので、どうぞお間違えのないように(^.^)b

お仕事のことから日常の雑談までリアルタイムに色々と書いてくださってますので、マサさんがより身近に感じられると思います。ぜひ遊びにいってあげてくださいねo(^-^)o


編成は、弦(マサさんのグループ:6422)、フルート&オカリナ&リコーダー(おっちゃん)、オーボエ(柴山洋さん)、クラリネット(松本さん)、ファゴット(菅原恵子さん)、打ち込み(亀山耕一郎さん)、エンジニア(三浦さん)で、打ち込まれたデータに弦と木管とでダビングでした。

このアニメは、2007年10月3日から、千葉テレビを始めとする全国U局系でオンエアされます。亀山さんの新たな世界に触れられるチャンスですので、ぜひ見てみてくださいねo(^-^)o


 

 

470 姜 建華「迎春歌」「影を慕いて」「荒城の月」(甲斐靖文)

2007年8月9日。AVACO(アバコ)スタジオの302スタに行きました。この日のインペクさんはどちらかというと演歌がメインの会社で、アレンジャーさんも演歌系の方だったので、このパターンでアバコとなると、普通だったら301スタなんだそうです。でも、この日に限って302だったので「いったい何をやるのかな…?」と、おっちゃんは頭の中に「?」をいっぱい浮かべながらスタジオに入りました。で、スタジオに入って集まってるメンバーを見渡すと、やっぱりこちらも演歌系なんだそうですが、妙に編成が小さく、いよいよ頭の中の「?」の数が増えたそうですが、やがてその謎も解けました♪

この日は、二胡奏者の姜 建華(ジャン・ジェンホワ:Jiang Jien Hua)さんのアルバム録音で、二胡がメインとなるせいか、編成は最大で9人だったそうです。これなら302スタで充分ですね。あ、この日のメンバーを見て、おっちゃんが「9人中4人までがわしより先輩で、アレンジャーの甲斐さんも確かわしと同い年やと思うんよ。この平均年齢の高さがごっつい心強かったわ」なんて話してたのが妙に面白く、また微笑ましかった私です。そういや、おっちゃんがときどき「まあ、いつまで体が持つやら…」なんてことを言うんですが、こうして大先輩の方々がまだ現役バリバリで頑張ってらっしゃるんですもん、おっちゃんにはさらに頑張ってもらわなくっちゃあ!o(^-^)o

さて、この日に演奏したのは全部で3曲。1曲目は「迎春歌」というのどかな雰囲気の長調の曲で、あの広大な中国の情景をよく表してるような曲だったそうです。おそらく中国に古くから伝わる曲じゃないのかな…ということでしたが、どうなんでしょう。そういや、李香蘭が歌った歌の中に「迎春歌」というのがあった気がしますが、それと同じかなあ…。
 
で、2曲目は「影を慕いて」という古賀政男さんの名曲のリメイク版でした。この古賀さんは、今回のアレンジャーの甲斐さんの恩師に当たる方なんだそうですよ。恩師の名曲をアレンジするって色んなプレッシャーがあったのではないかと思うんですが、この日はオリジナルはガットギターでやってるイントロのフレーズをフルートがやったりして、とてもユニークなアレンジになってたそうですよ(^.^)b
 
3曲目は、これまた日本の名曲の「荒城の月」でした。この曲にはお琴の山内喜美子さんも加わって、とてもいい雰囲気になってたそうです。ほかの2曲も含めて、二胡はあとで入れることになってたそうですが、日本のお琴と中国の二胡のコントラストが面白い世界観を作り上げてるのではないかと思います。姜さんはそのおっちゃんたちの録音の時点からスタジオに来てらして、あたたかく見守ってくださってたそうですよ(^-^)

この日のメンバーは、ドラムス(チコ菊池さん)、ベース(ミッチー長岡さん)、ピアノ(江草啓介さん)、ギター(三畑貞二さん)、シンセ(中島さん)、フルート(おっちゃん)、パーカッション(金山 功さん:1曲目と2曲目のみ)、琴(山内喜美子さん:3曲目のみ)、エンジニア(時枝さん・篠原さん)でした。時枝さんは、うちのレポでお名前が出たのは初めてのような気がするんですが、元コロンビアのベテランエンジニアさんなんだそうです。まだ、いつリリースされるのか分からないんですが、情報が入り次第にこちらでお知らせしますね♪

 

 

469 映画「母べえ(かあべえ)」(冨田 勲)

2007年7月15日。AVACO(アバコ)の301スタに行きました。この日、インペク屋さんからは「山田洋次監督の映画で、富田勳さんの音楽」ということだけは聞いてたようですが、おっちゃんは「それにしても、こんな巨匠の映画で拘束時間が2時間とは、ちと短すぎるんではないの…?」なんて思いながら、予定の1時間前にはスタジオに入ったそうです。


で、呼ばれるのを待ってるとインペク屋さんがやってきて「今日の楽譜はこれ…やればアッという間に終わりますよ」と言って見せてくれたのが右の楽譜だったそうです。

ご覧の通り、吹くところは何とたったの2小節!

まあ「4分音符=35」というチョースローテンポな曲なので、見た目よりは長くかかるんだそうですが、それにしても…ねえ?

そういえば、マサさんのブログにも、こんな感じの美味しい(?)楽譜の話題が出てましたっけ…あ、その記事はこちらです♪


さて、そんなフルートのメロディが聴ける映画はと言うと…2008年1月26日から全国で公開される「母べえ」です。内容としては、ドイツ文学者の夫とその夫を献身的に支える妻、それに2人の元気な娘でいつも笑顔を絶やさず過ごしているごく普通の家庭に、ある日いきなり刑事がなだれ込み「政府批判につながる反戦を唱えた」と言って夫を治安維持法違反で検挙していきます(こうしたお話は他のドラマや映画でも見かけるのですが、当時はよくあったことなんでしょうか…)。で、残された家族や妻の実家は「思想犯の家族」ということで非難され、大変な生活が始まります。でも、どんなときでもいつも強く温かく家族を支えてくれるのが母べえで、そんな母べえの生き様を描いた映画のようですね。

あ、さっき「おっちゃんは予定の1時間前にはスタジオに入った」と書きましたが、結局30分くらい前には「じゃあ、お願いします」って呼ばれたそうです。で、案内されるままに歩いていくと、何とそこはドラムブース。ドラムブースっていうのは、残響がほとんど感じられないところなんだそうですが、これは笛吹きさんには厳しいものがありますよね〜。この日は弦とピアノとシンセだけの編成なので、おっちゃんも「何も、よりによってこんな無響室みたいなところに入らんでも…」とは思ったそうですが、黙って大人しく入ることにしたそうです(^^ゞ

そんなこんなで、まずはテスト録音。クリックは先に入っていたそうですが、スタートした途端にノイズやら人の声やらが入って来て、さすがのおっちゃんもかなりビックリしたそうです。で、何事かと尋ねてみると、もう既にセリフやSE(効果音)が入っていて、そのビデオにクリックが入ったものを回しながら録るっていうスタイルだったそうです。まあ、これはキューボックスのチャンネルを変えることでいつものようなスタイルにもできたんだとは思いますが、ツーミックス(スタジオ用語辞典参照)で聴くと、どうしてもそのセリフやSEも入ってしまうんだそうです。何か、今までとはかなり雰囲気の違う現場で、ただこうして聞いてるだけの私としては手放しでワクワクしますねo(^-^)o

こうしてテスト録音を2回ほどやったところで、作曲の冨田さんがブースにいらしたそうです。で、おっちゃんに「フルートが急に出てくる感じがするらしいので、ちょっと追加します」と、上の写真にあった2小節の部分の前に急きょ書き足して、全部で5(6?)小節に増えたそうです。何だか、すごい話ですよね…まあ、このあと更に修正があったようですが、比較的すんなりとOKが出て無事に終了。ほんと、ますますマサさんのブログのネタとかぶって、つい笑ってしまいそうになる私です。

とにかく、やれやれ…ってことで楽器を片付けて帰ろうと思ったら、インペク屋さんに「追加があるかもしれないから、もうちょっと待っててくれな?」って呼び止められたそうです。おっちゃんも長年のキャリアから「まあ、この監督さんならそれもあり得ることかも〜?」と勝手に納得して、待ってみることにしたそうです。

で、持ってきたノートPCで遊びながら2時間ほど待ってたところで、弦セクションが終わって出ていくのと入れ違いに呼ばれてブースに入ったそうです。すると、今度はピアノ譜で「この上のパートを吹いてください」って言われたそうです。この「上のパート」って…ピアノ譜ってことは、右手の部分ってことでしょうか。何はともあれ、この曲も4分音符が35というスローテンポなのでブレスの部分では苦労したようですが、うまくカンニングブレスして何とかクリアしたそうです。

さあ、これでほんとに終わりか…と思ってたら、またインペク屋さんから「もうないとは思うけど、もしかしたら追加があるかも…もうちょっと待っててくれる?」ってことで、またまた待機状態になったおっちゃん。案の定、最後にもう1曲だけ短いロールをやって、ようやくこの日のお仕事が終わりました。結局、そもそも2時間の予定だったお仕事が、その3倍の6時間近くものお仕事になってしまったわけですね。でも、そんな長い時間いたわりには、やった曲は3曲。実質お仕事をしていたのは、正味30分くらいという、とっても面白いお仕事でした(;^_^A
 
編成は、弦(加藤ジョーさんのグループ:86442?)、フルート(おっちゃん)、ピアノ(美野春樹さん)、パーカッション(越野さん:前録り)、シンセ(田代さん)、指揮(D島公二さん)で、パーカッションの越野さんはおっちゃんの前にやってらしたそうで、そのまま先に帰られたそうです。音楽は、美野さんのピアノをメインにシンセがそれをサポート、そこにときどき弦が入って、あとはおっちゃんのフルートが瞬間的にキラッとするって感じの雰囲気みたいですね。こう聞くと音楽が少なめの映画なのかな…って気もしますが、それがまた映像を上手く引き立てる場合もあるんですよね〜。公開が楽しみなところですo(*^^*)o

 

 

468 NHKスペシャル「世界里山紀行・中国雲南編」(梶浦由記)

2007年7月6日。NHKの509スタに行きました。この日のお仕事は早くから梶浦由記さんの書きだと分かってたので、おっちゃんと「梶浦さんでNHK…何やろなあ」なんて感じでちょっとワクワクしながら話してました。で、いざスタジオに着いてみると、まだオーボエの石橋さんがやってらしたようで、おっちゃんはそれを見ながら「そういや、前のときも先にガイチ(石橋さんのこと)がやっとったなあ」なんて思いながら待ってたそうです。この「前のとき」っていうのは、3月に行われた「映画・北斗の拳」の録音(450番参照)のことですね(^.^)b

さて、そうこうしてるうちに石橋さんのダビングが終わって、おっちゃんの番になりました。この日のお仕事は、NHKスペシャル「世界里山紀行」の音楽録りで、スタッフの方に「お願いします」といって手渡された譜面は、意外と多かったようですよ…ってことは、それだけオンエアでおっちゃんの音色を楽しめるってことで、私としては嬉しい限りですo(^-^)o

録音は、メインテーマともいうべき「M−1」から始まったそうですが、これが4分の6拍子のゆったりした曲で、笛のパート譜でも3ページもあったんですって。で、演奏してみたら、その笛の部分だけでも5〜6分にもなる大曲だったそうですよ〜。で、この曲に関して梶浦さんの方からは「基本的にケーナでやりたい」っていうお話があったそうですが、打ち込みのサンプルを聴かせてもらうと、シークの音で入ってたんだそうです…って、おっちゃんの原稿のままに書いたけど、この「シーク」って何なんでしょう。おっちゃんは「南米系のパンパイプじゃ」って言うんですが、私にしてみれば「それは普通のパンパイプと何が違うん?」「南米系のほかには何系のパンパイプがあるん?」「そもそも普通のパンパイプって何?」と、次から次へと疑問が湧いてきます。ま、このあたりは、またじっくりおっちゃんに聞いて、どこかでお話できるようにしますね♪

おっと、話が脱線してしまいました〜。で、もし、このシークのニュアンスでいきたいとなるとケーナでは全くイメージが違うので(さすがの私も、ケーナとパンパイプの音色の違いは分かります(^^ゞ)、おっちゃんとしては「これは駐車場にパンパイプを取りに行ってこようかな〜?」なんて思い始めてたんですって。そしたら梶浦さんの方から「これは、たまたまこういう音源になってるだけで、やっぱりケーナの音が欲しいんですよ」ってお話があって、ケーナでやることになったそうです。


こちらは、この日に用意されてたケーナたちです。

キーと音域の関係から、今回は例の「もののけ姫」のテーマを吹いた、G管のケーナを使ったそうですよ(^.^)b

う〜んと…この写真の中で言うと、3本ならんでるうちの、いちばん上のケーナになるのかな?


このメインテーマは曲が長い上にほとんどがケーナのソロだったこともあって、小分けにしながら丁寧に録ったそうです。何度も練習して吹き慣れた曲なら少しくらい長くても何てことないんでしょうけれど、やっぱり初見でアーティキュレーションを意識しながらとなると、一気に…ってのは難しいようですね。結局、この曲だけで…あ、ショートバージョンの録音も含めて1時間ほどかかってしまったそうですが、おかげでとってもいい感じに仕上がったようですよ〜。これは、ほんとオンエアが楽しみですo(^-^)o

さて、次の曲も先と同じようにサンプルを聴かせてもらうと、今度は二胡らしき音源が入っていて、笛のパートは普通の篠笛みたいな音色で入ってたそうです。そこで、おっちゃんが「これって、国籍はどちらですか?」って聞くと「中国ですよ」ってお返事が来たんで「あ、それなら参考までに、こんな笛もあるけど…」っていって明笛を取り出して、急いで共鳴膜を張って聴いてもらったそうです。すると、梶浦さんからは「あ、良い感じですね〜。じゃ、それでお願いします♪」って言ってもらって、明笛が採用になったそうです。おっちゃんのこの「作曲家さんが中国をイメージしてるなら、ちょっとでも中国らしい笛を…」って思って色々と考えてあげる姿が、何ともいいなあと思う私です(^o^)

先ほどはG管のケーナを使ってましたが、今度はD管の明笛を使ったそうです。でも、音域が足りないところが1カ所と、うまく共鳴しにくい音域のところがあったようでちょっと苦労していたら、梶浦さんが「じゃ、こんな風なメロディーにしてください」と言って、メロディーを変えてくださったんだそうです。おっちゃんは「梶浦さんはけっこう厳しい注文もあるんやけど、こうやって柔軟な対応もしてくれるし、わしとしてもほんまに助かるわ」なんて言って喜んでました。もちろん、作曲家さんも色んなことを考えて、イメージして、その曲を作ってこられたんでしょうから、メロディーを変えるのには複雑なものがあると思います。だから、絶対に変えてくれ…とか、奏者に合わせてメロディーを変えてくれる作曲家さんの方が偉いってことでもないんですが、今回のおっちゃんはその梶浦さんの優しさに救われたようです(^^ゞ

その次の曲はDマイナーでフラットが1個、途中でフラットが2個に転調するようになってたそうなので(…って書きながら、私には何のことやら?(^^ゞ)、おっちゃんは「これはF管のケーナかな〜?」と思って準備してたんだそうです。すると、何と「これはフルートでお願いします♪」ってご指名が…。この日に手渡されたパート譜にはどれも全て「FUE」と書かれてるだけで楽器名は書いてなかったそうなので、始まってみないと何を使うか分からない…というわけなんだそうです。これもまたスリルがあると言うか、素人目には緊張するというか…でも、おっちゃんとしては、こういうのもまた刺激的で楽しいんでしょうね〜♪

で、この曲は最初にやった「M−1」と同じ4分の6拍子だったそうですが、こちらはテンポが倍くらい速くて「舞曲風の感じでやってほしい」っていう指示があったそうです。同じ4分の6拍子でもテンポが変わるだけで、随分と雰囲気が違って聴こえるんでしょうね〜。おまけに楽器も変わってるんですもん、これもまた聴き比べすると楽しそうです。あ、この曲には先にソロバイオリンが入ったそうですが、これは6月におっちゃんと一緒に徳島に来てくださった、城戸喜代さんの演奏なんだそうですよ(^.^)b
 
最後にやった曲は「ティンホイッスルがいいかなあ」ということでサンプルを聴くと、確かにホイッスルに近い音源で入ってたそうです。この曲は、子供が遊んでいる風景に使われる予定なんですって。譜面を見ると、ちょうどホイッスルでもできる音域だったので、おっちゃんが「いま手元にはリコーダーしかないけど、車からホィッスルを取ってきましょうか?」って聞くと、なぜか「とりあえずリコーダーでやってみましょ♪」ってことになったんだそうです。で、結局、そのソプラノリコーダーで吹いたのが採用になったとか…。これもけっこう長い曲で、おまけに4回重ね(つまり1人4重奏?)ってことをやったりもしたそうで、予定より10分ほど押してしまったんですって。でも、それだけ聴き応えのありそうな曲で、私たちとしてはますます楽しみなところです(^o^)

こうして録音は無事に終了。曲数そのものは少なかったようですが、どれも長い曲ばかりだったので、休憩もほとんど取らずに2時間ぶっ続けでやって、それでも時間いっぱいいっぱいだったそうです。ま、それだけ吹き応えのある曲で、しかも丁寧に録ってくれた…ってことで、これは嬉しい過密スケジュールってところでしょうか(^-^)

ところで、この日のおっちゃんのつぶやきの中に「えらい丁寧に録ってもろたおかげでやり直しも多かったんやけど、進行はスムーズだったんよなあ。昔の薄謝協会のオペレーターは何や要領がイマイチな人も多かったんやけど、最近はほんまに上手やわ。今日やって、外部のスタジオのアシスタントさんと変わらんレベルだったんちゃうかなあ。まあ、何か特別なトレーニングを受けとんかもしれんけど、とにかく気持ちよう仕事できて良かったわ(^o^)」ってお話がありました。

昔の薄謝協会は、社内の人事移動によって、昨日まではデスクワークだった人が今日からオペレーターをする…なんて感じだったそうなので、要領の悪さはある程度は仕方ないかと思うんですよね。でも、もし最近もそんな感じでやってて、それでそんな高いレベルが保てててるとなると、その影にある並々ならぬ努力に頭が下がりますね。私も、世界は違うけど、その姿勢を見習って頑張らないと…って感じです(;^_^A

最後になりましたが、この「世界里山紀行」は2007年8月27日(月)の22時からNHK総合で放送されます。実はこの番組は全3回の放送になっていて、去る8月19日には「フィンランド編」というのが放送されたんです。このときはギターっぽい音(ギターの種類だけど、普通のギターとはちょっと違うような…)がメインで、木漏れ日に合わせてそのギターっぽい音がキラキラと輝くような感じで、それはそれは素敵だったんですよ〜。で、おっちゃんが参加したのは第3回の「中国雲南編・竹とともに生きる」になります。おっちゃんの音色がどういうシーンでどんな風に響くのか、石橋さんや城戸さんの音色はどんな感じで中国の山々に響くのか…しっかりと耳を澄ませて、オンエアを楽しんでくださいねo(^-^)o

…と、ここまではオンエアの3日くらい前にアップしてたんですが、その後のオンエアを見てみると、それぞれの楽器のいいところを存分に生かした綺麗なメロディで、それにおっちゃんやマサさん(二胡)や城戸さんのカラーがさらに素敵に彩って、ほんとにいい番組でした。ちなみに、そのメロディーの一部はこちらのサイトの「テーマ音楽について」というところをクリックしてもらうと聴けますので、ぜひ聴いてみてくださいね♪


 

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