おっちゃんの仕事場探検

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劇伴(映画・ドラマ・アニメなどのBGM)がどんなところで、どんな風に作られているのかを、おっちゃんから聞いたお話を中心にレポートしていきます。レポートの番号が進むにつれてだんだんと内容が濃くなり、ときには作曲家さんやエンジニアさんからいただいたコメントも出てきます。

ただし、これらは録音時の記録が主になっているので、実際にオンエアまたはリリースされたときにはタイトルが変わってる…なんてことも稀にあります。また、私の音楽の知識やパソコン技術の問題などによりお見苦しい点も多いかと思いますが、あたたかい目で読んでいただけると嬉しいです(*^^*)

こことは別の「スペシャルレポート」「オフラインレポート」などのページでも作曲家さんやエンジニアさんのお仕事ぶりやオフのときの様子をご紹介していますので、合わせてご覧下さい。

最後に…どうぞレポートをご覧になってのご意見・ご感想などを、ゲストブックやメール・ウェブ拍手などを通じてお聞かせください。今後の参考に、そして励みにさせていただきたいと思います。よろしくお願いしますm(__)m

 

 

 

 

525 アニメ「刀語」(岩崎 琢)

2009年10月13日。おっちゃんにとっては久しぶりとなる岩崎 琢さんとのお仕事で、サウンドシティのAスタに行きました…なんですが、今回のレポは録音直後にブログに書いたこちらの記事とかなり被るところがあるので、お許しを(^^ゞ

さて、この日の録音のことは録音の1週間くらい前から「13日に岩崎さんの仕事がある」って聞いていて、しかも「篠笛ってオーダーがある」なんてことも聞いてたんで、私としては「何?何?どんなんやろ〜?」と、かなり浮き足立ってる感じでした(^◇^;)

そんな私の気持ちを察してか、おっちゃんが録音現場から「刀語やいうアニメやって」ってメールをくれたんですが、情けないことに私はこの漢字の読み方からして分かりませんでした。で、さっそく調べてみると「刀語(かたながたり)」と読むそうで、人気アニメ「化物語」の原作者である西尾維新さんの作品なんですね。この「刀語」は、その西尾さんの初の時代小説らしいです。このあたりことはブログの方にさらに詳しく書いてありますので、合わせて読んでみてください。

あ、先ほど「事前に篠笛のオーダーがあった」と書きましたが、おっちゃんの話では「岩崎さんの場合は、篠笛とかの特殊楽器の場合でもオクターブ関係が実音表記で、わりと低めのことが多い」だそうで、篠笛のフルセットを持ってスタジオ入りしたんだそうです。う〜ん、実音表記だと音が低いってことは分かるんですが、それと篠笛のフルセットを持っていく(つまり楽器の種類をたくさんそろえていく)ってことがどう関係してるのかは分からん私…相変わらず激しい無知っぷりです(;^_^A

この「笛の楽譜」と「実音表記」については、前に「山田養蜂場」のCM録音レポ内で作曲の山下宏明さんが分かりやすく解説してくださってるんで、そちらも参考にしてくださいね(^.^)b


では、ここで岩崎さんとおっちゃんの2ショットを…。

これ、ブログにアップしたのとはちょっとだけ違うんですよ(^.^)b

それにしても岩崎さん、とてもバカボンのパパと同い年には見えんなあ。そういえば、このまえブログに岩垂徳行さんのことを「頼れるお兄さんっぽい」って書きましたが(ここ)、岩崎さんは「楽しいお兄ちゃん」って感じかな…?

大編成の前のダビングのときに、岩崎さんのマネージャーさんに撮ってもらったものだそうです。


そのダビングですが、篠笛とフルートでそれぞれ1曲ずつをやったそうです。まず篠笛からやったそうですが、これが篠笛の曲としては珍しく3声部に分かれてて、途中で掛け合いになったりハモったりという、篠笛の魅力と可能性を強く引き出した曲だったようです。

しかも、その楽譜というのが、単独の部分では竜笛のようで、ハモる部分では雅楽の笙のようなコードで、そうかと思えば洋楽の普通の三和音みたいな部分もあって…と、その書き方にも、そしてそこから生まれる意外な効果にも、おっちゃんはとても驚いて感心したそうです。

あ、このダビングでは基本的にはB♭のクロマチック篠笛を使って、一部どうしても音が足りないところだけ、その3度下のG管の篠笛を使ったそうです。で、この曲のバックには打ち込みで雅楽の和琴らしき音や笙のような音が入っていて、とても不思議な世界が繰り広げられていたようですよ。ここまで聞いただけでもかなりゾクゾクしますよね〜。ああ、オンエアが楽しみだ♪

そうそう、この作品は、原作が講談社BOXという書籍のメイン企画「大河ノベル」の2007年作品として12ヶ月連続で発売されてたもので、その販売体系に呼応するかのように、アニメも2010年1月から毎月1話ずつ、各1時間の作品として12月まで放送されます。で、岩崎さんのブログのこちらの記事にあるように、各話それぞれに合わせたフィルムスコアリングな部分があり、何度か流用される曲があり…と音楽もとても贅沢な作りのようなんですが、この篠笛の曲は何度か使って聴けるチャンスを作ってくれるといいなあo(^-^)o

それから、ダビングでやったもう1曲…フルートの方は8分の7拍子のソロで、何やら臨時記号だらけで真っ黒な譜面だったので、さすがのおっちゃんも「だ…大丈夫やろか…」と焦ったようですが、テンポが見た目よりはゆっくりだったので無事にクリアできたそうです。前に岩崎さんから「オケをバックにした、おっちゃんのフルートソロがある」って聞いてたんですが、それがこの曲のことなのかなあ…何はともあれ、早く聴きたいですo(^∇^)o


ではここで、番宣用(?)の動画をご覧ください。音楽、すんごいですよ〜!


どうでしたか? 出だしからものすご〜くカッコいいでしょ?
で、たぶん最も印象に残ったのは、民謡っぽい歌声なんじゃないかと思うんですが、どうでしょうか…。岩崎さんに教えてもらったお話によると、これは「西田社中」さんによるコーラスなんだそうです。

この「西田社中」さんですが、西田佳づ美さんをリーダーとするグループで、映画「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」や映画「イノセンス」、さらには愛知万博パビリオンの音楽などで海外から高い評価を受けてるそうです。で、そのリーダーの西田佳づ美さんですが、新潟県の生まれで、お父さんは民謡の先生。そのお父さんの指導の下で早くから民謡を習い、5歳のときに「ソーラン節」で初舞台を踏んだそうです。その後、唄ばやしは西田和枝師に、津軽三味線は高橋浩次郎師にそれぞれ師事し、日本民謡協会主催全国青少年大会で第2位入賞の実績を持ってるという方なんだそうですよ。

いや〜ものすごいインパクトですよね〜。
前に「天元突破グレンラガン(録音レポは419番424番)」の音楽の中で「ロボットアニメにラップ」っていう組み合わせを思いついたところや、「結界師(録音レポは386番401番)」の中で「和風アニメにインドのシャハナーイ」を取り入れようと思いついたその発想に感嘆しましたが、今度のもまた…って感じです(*^-^*)

それから、岩崎さんのブログのこちらの記事を見ると、前に同じく岩崎さんのブログのこちらで紹介されてた「アンクルン」もふんだんに取り入れてるようですね。どうでもいい話ですが、いつもは楽器の名前に疎い私が、この「アンクルン」だけはちゃんと分かったんですね〜。というのも、なぜか子供が通ってた幼稚園の玄関ホールに飾られてたんです。岩崎さんのブログにある写真より、もうちょっと1つ1つのあのぶらさがってるのが大きいし、並び方もまばらな感じだったんですが、乾いた竹の…でも、やわらかくて丸くていい響きのする楽器でした。ちなみにこちら(Youtube)でその演奏の一部が視聴できます。こんな音色の楽器が、岩崎さんによってどんなふうに作品に織り込まれてきてるのか、ここらも楽しみなところの1つですo(^-^)o

とにかく、先ほどの篠笛3重奏(?)といい、民謡コーラスといい、アンクルンといい…いろんなことに挑戦してるって感じですよね。それが岩崎さんのブログにあった「いかに音楽を解き放つかといったことが、今回のテーマ」ってことなんだと思います。

で、こうした岩崎さんの取り組みは演奏者側にもしっかり伝わってたようで、スタジオのあちこちで「これ、いいよね!」「よく書けてるね〜!」「あ、こういうやり方、面白いね!」なんて言葉が交わされてたようです。それも、今回は編成が大きかったこともあってか、木管が3つのブースに分かれるっていう特殊なセッティングだったにも関わらず、ほんのちょっとのすれ違いの合間や休憩の合間にこんなやりとりが成されたっていうんですから、よっぽど素敵だったんでしょうね〜。

おっちゃんはオーボエの庄司さんとはわりとこの岩崎さんの音楽について話せたそうで、そんな嬉しい状況を岩崎さんに伝えたくて録音当日の夜にメールしたら、庄司さんは岩崎さんにも直にその気持ちを伝えてたみたいですね。当時の岩崎さんからのメールにも「庄司さんが思いがけず褒めてくださって、嬉しかった」とありましたが、そのあたりの詳しい様子や岩崎さんの気持ちが、ブログのこちらに綴られてます(^.^)b

この日の編成は、弦(今野 均さんのグループ:86442)、フルート&ピッコロ&篠笛(おっちゃん・金子奈美さん)、オーボエ(庄司知史さん・浦 丈彦さん)、クラリネット(山根公男さん他1名♀)、ファゴット(井上さん)、トランペット(2)、トロンボーン(小田桐さん他1名)、ホルン(西條さん他3名)、指揮(岩崎 琢さん)、エンジニア(Yoshi Tamlaさん)でした。

またまた余談ですが、この録音のあとでフルートの金子奈美さんから「おっちゃんと2人で‘ゆみさんは岩崎さんのファンだから、今日のこの音楽やあの指揮する姿を見たら、たまんないだろうね〜!’なんて言ってたのよ♪」なんてメールをもらいました。奈美さん、どんだけ私を煽るんですか…ああ、何とか今回の放送枠は視聴できるんで音楽だけは聴けそうだけど、指揮する姿も見てみたいよ〜!

そうだ、その「指揮する姿」ってので思い出した。岩崎さんご自身からもらった大事なエピソードを書き忘れるとこでした〜。実はこの大編成の録音のとき、岩崎さんは勢い余って(?)指揮棒を2〜3回落としたそうですよ。岩崎さんって、そういうときにどんなリアクションするのかなあ。うわ〜いよいよ指揮する姿が見たくなってきた…おっちゃんが次に岩崎さんの録音に参加することがあったら、デジカメ動画を頼もう〜っと!

で、先ほど登場したおちゃめな奈美さんからはこの「刀語」の音楽に関して「いつも岩崎先生はしっかりとした構成の作曲をされる印象ですが、刀語の時は更に、重厚で尚且つ計算された面白みが隠されてました。作曲家は頭の中でオケの音が鳴るそうですが、各楽器ごとの特性を最大限生かしたい思いが、岩崎先生の作品から伝わってくる気がします」なんていう素敵なコメントももらいましたよ(^o^)

最後になりましたが、この番組は、フジテレビでは2010年1月25日(月)の 25時10分から、毎日放送では1月27日(水)26時30分から、BSフジでは1月30日(土)26時30分から放送スタート予定だそうです。フジテレビと毎日放送で同時にやるなんて何だか不思議な気もしますが、我が家で見えるチャンネルってことはほんとにありがたいです。皆さんも、どうぞお楽しみにo(*^^*)o

 

 

524 劇場版ワンピース「ストロングワールド」(田中公平・浜口史郎)

2009年9月27日。ビクタースタジオ301スタに行きました。この10日ほど前に公平さんのブログのこちらで今回の音楽がもうすぐ仕上がりそうだってことが書かれてましたし、個人的には浜口さんからも「ワンピースの音楽を頑張ってる」というようなメールをいただいてたので、おっちゃんから「今日は公平さんの仕事じゃ」って聞いたときにすぐ「おっ、ワンピースやな♪」なんて思って、別に私が現場にいるわけでもないのに勝手にワクワクそわそわしてました(^^ゞ

さて、その劇場版ワンピース「STRONG WORLD」ですが、今回で劇場版10作目となる記念すべき作品なんですよね。だから今回は、映画のストーリーもコスチュームデザインも、それからクリーチャーデザインも全て、原作者の尾田栄一郎さんが手がけるという力の入れっぷりです。

そのせいか、今回の映画は今までとは全く雰囲気の違うもののようですね。ここ2回くらいの映画「エピソード・オブ・アラバスタ 裁くの女王と海賊たち(434番参照)」や「エピソード オブ チョッパー プラス 冬に咲く奇跡の桜(483番参照)」はかなり泣ける内容でしたが、今回はどうもぶっ飛んだ感じみたいですよね。確か、公平さんのブログにも「今までの流れからすると、今回の内容は予想外だった」みたいなことが書かれてたように思いますが、11月から12月にかけてテレビで放送されてる「映画連動特別編」からも、そんな印象を受けた私です。とにかく、思いっきりギャグ路線のような…?

ところで、この「クリーチャーデザイン」って何のことだか分かりますか? また私の無知っぷりを披露してしまってお恥ずかしいんですが、私は初耳だったんで調べてみました。すると、人間ではない登場人物のことを「クリーチャー」って言うんだそうです。つまり、怪獣とか怪人ってところですね。でも、ロボットだと「メカデザイン」って言うんで、あくまで「生物」なんだそうです。ちなみに、人間である登場人物は「キャラクター」ですね(^.^)b


こちらは副調室の様子です。

写真の中央にいる黄色いシャツの方が丸尾さんで、その奥にチラッと見える白いシャツの方が中村さんですね♪


現場で公平さんは「10年もやってると、知らずに同じようなことを書いちゃうかもね〜」なんて冗談っぽくおっしゃってたそうですが、それこそおっちゃんたちからすれば「何をおっしゃいますやら…」って感じだったそうですよ(^o^)

ところどころに出てくるお馴染みのテーマもアレンジの仕方が今までのとは違うので新鮮な気持ちになれるし、次から次へと新しいテーマもいっぱい出てきて、おっちゃんはつくづく「すごいなあ…」と感心しきってたそうです。

そうそう、おっちゃんが「今回は特にテンポの変化が目まぐるしかった気がするわ」なんて言ってたんですが、これは先ほど書いた「映画連動特別編」の中のギャグのオンパレードやコロコロと変わるシーン、それらを助長するようなキャラの素早い動きからすると、何となく想像できるような…?

で、こうしたテンポが変わりまくる曲でも、公平さんの棒はとても見やすいし、クリックも分かりやすく打ってあるので、その点では全く問題なく演奏に臨めたそうですよ(^o^)


こちらはフロアの様子です。
写真にマウスを乗せると、別アングルからのフロアの様子になりますよ♪

おっちゃんったら自分のブースを出て、こうして色んなところから写真を撮ってくれたんですねえ。感謝感謝です。また、こうした撮影に公平さんは嫌な顔をせず、いつもとても協力的に応じてくださるんで、ほんと助かります(*^-^*)

あ、この日の様子は、公平さんのブログのこちらにも写真いっぱいのレポがありますよ(^.^)b


先ほどご紹介した公平さんのブログ記事によると、今回の音楽は公平さんと浜口さんで半分ずつくらい担当されたみたいですね。そこで、ちょっと浜口さんにもお話を伺ってみました。すると、浜口さんは全部で17曲を担当され、そのうちの13曲が打ち込みなんだそうです。

あ、この日の拘束時間は3時間だったんですが、録音が始まる前にインペク屋さんから「今日は押すよ〜!」なんて言われてたそうです。だから少しでも時間を短縮してスムーズに進行させようと思ったのかなあ…この日の現場で録った全部で20曲のうちの浜口さんが作曲されたオケ用の4曲も、もうまとめて公平さんが振ってらしたそうです。まあ、フロアから質問があったりすると、浜口さんもフロアに出てこられたりしてたみたいですけどね♪

で、その浜口さんに今回の映画についてお聞きしてみると、浜口さんの知る限りでは今まで見たことなかったタイプの戦闘シーンがあるんだそうです。これはやっぱり、ストーリーを1から原作の尾田さんが担当されたってこともあるのかもしれませんね。だから浜口さんも、その初めて見る戦闘シーンにはちょっと尖った感じの異質な音楽にしたんだそうです。これは要チェックですね。ああ、ほんとは「○○が△△してるシーンで…」って状況説明を書きたいんですが、ネタバレになっちゃうのかなあ。映画が公開されたあとに加筆しよかな?(^^ゞ

あと、劇中のあるシーン(ナミが中心のシーン)で流れる短調のオルゴール曲が、映画の最後の方で長調になって流れるんだそうです。こういうテーマバリエーション(こんな言い方でいいんかな?)は定番といえば定番ですが、それがまた観ている者の心を揺さぶるんですよね〜。このあたりは浜口さんのお気に入りの箇所でもあるそうなんで、私も楽しみですo(^-^)o


こちらはハープのブースから見たフロアです♪

おっちゃんがわざわざこのブースに入って写真を撮ってくれました。ちなみに、おっちゃんは弦の後ろに衝立があって、その後ろに席があったみたいです。

写真にマウスを乗せると、ブースから出て撮った公平さんの指揮姿が見えますよ(^.^)b


ではここで、この日の編成を…弦(マサさんのグループ:86442)、フルート&ピッコロ&アルトフルート&リコーダー(おっちゃん)、フルート&ピッコロ&リコーダー(相馬 充さん)、オーボエ(庄司知史さん)、クラリネット&バスクラリネット(十亀正司さん)、ハープ(斉藤 葉さん)、トランペット(?)、トロンボーン(中川英二郎さん・山城純子さん他)、チューバ(?)、ホルン(?)、パーカッション(高田みどりさん・藤井珠緒さん)、ピアノ(エルトン永田さん)、打ち込み(丸尾 稔さん)、指揮(田中公平さん)、エンジニア(中村充時さん)でした。


今回の音楽制作に携わったお三方…左から田中公平さん、浜口史郎さん、丸尾 稔さんですね♪

それにしても…いや、その…別に申し合わせてたわけではないんでしょうけど、このお三方のカラフルなシャツったら…。

こうして3人が並ぶと、何だかチューリップ畑みたいですよね。何か元気のある色って感じで、いいなあ(^o^)

写真にマウスを乗せると、おっちゃんと公平さんの2ショットになります♪


そうそう、これまた浜口さんにお聞きしたことなんですが、先ほど書いた「ちょっと尖った感じの異質な音楽」については、「絵に対するシンクロもハリウッド的になれば…と思って、やたら細かくやってみた」とのことだそうです。この浜口さんからのお話をわざわざ噛み砕いて言う必要もないかもしれませんが、つまりは映像と音楽のタイミングを今まで以上にピッタリ合わせるようにしたってことですよね。

「戦闘シーン」で「ちょっと尖った感じで」で「タイミングを細かく合わせた」となると、もしかしてキャラの動作なんかも、効果音ではなく音楽で表現してる部分も多いのかなあ。え〜っと、ほら…宮崎慎二さんがやってる「ポケモン」なんかでは、ポケモンが転んだり、ポケモン同士がぶつかったりするシーンにも「ドスン」とか「ガツン」とかいう効果音の代わりに音楽がついてたりするんですが、そんな感じなのかなあ?

あと、これは前々から思ってたことなんですが…この「ワンピース」って、いつもどちらかと言うと、セリフや効果音の方が大きめですよね? たとえばテレビ版では「セリフはよく聞こえていいけど、もっと音楽が鳴ってもいいのに…」って思うことはしょっちゅうですし、劇場版となると「効果音が派手で迫力満点だけど、音楽が聴こえな〜いっ!」って思うことが多いんです。

このあたりのことを浜口さんも感じてらっしゃるようで「毎回、効果音に負けない方法を考えてはいるのですが、生オケの曲よりも打ち込みであれこれやってみたほうが、個人的には未来がある気がしてます。」なんておっしゃってました。だから、今回の映画の中で浜口さんが担当された打ち込みだけで作った13曲は、何やら色々な工夫がなされてるようですよ〜。もちろん、ただ単に効果音に打ち勝つためにってことではなく、原作者の尾田さんが直々に手がけられたストーリーをいかに上手くサポートして彩るかって点においてもね(^.^)b


こちらは休憩中のマサさんです。

また面白いデザインのTシャツを着てるような…微生物っぽい?

え〜っと、東京タワーの中にあるお店に、こういう面白Tシャツをたくさん置いてるんでしたっけ…東京タワー近くのスタジオでお仕事のときに立ち寄って買い集めてるって聞いた気がしますよ(^^ゞ

で、写真にマウスを乗せると、マサさんちの三男「央くん」の写真になります。こちらもまた凝ったTシャツですよね〜。似たもの親子って感じ?(*^-^*)


先に「インペク屋さんから‘今日は押すよ〜!’って言われたらしい」ということを書きましたが、おっちゃんはそれを聞いたときに「3時間で20曲やと、1時間に7曲くらいか…まあ、何とかなるんちゃうか?」みたいに思ってたそうです。でも、実際は1曲が長めのものが多い上に、各パートとも何ヶ所か難しい所があったことで差し替えのケースも多かったらしく、結局はインペク屋さんの読み通りにちょっと押しちゃったそうです。そういうのがちゃんと把握できて終了時間の予想ができるって、インペク屋さんってすごいですよね〜!

最後に…今回、丸尾さんからは「もう忘れちゃったよ〜」ってことで残念ながらコメントをいただけなかったんですが(公平さんのコンサートに行くためのドタバタで録音後の早いうちにメールできなかったのが大失敗)、浜口さんからはこんな素敵なコメントもいただきました。以下、浜口さんのお気持ちが皆さんにもストレートに伝わるよう、メールそのままを載せますね♪

 

それにしても、公平さんのスコアはさすがです。あんな音にしたいと思っても、オーケストレーションだけの問題でなく、音楽性自体に結びついているものなので、簡単には技が盗めません。年1回ですが、ワンピース劇場の仕事は、願ってもない修行の場です。

 

…だそうです。このコメント、ほんっとに素敵だと思いませんか? 公平さんへの信頼と尊敬、それに浜口さんの音楽を愛する気持ちや前を向いて歩いていこうっていうエネルギーがあふれてて、何回も何回もメールを読み返してしまったほどです。

こんな素晴らしい方々が渾身の力で臨まれた第10弾の劇場版ワンピース「ストロングワールド」は、2009年12月12日より全国でロードショーです。何だか今まで以上に聴きどころが満載で、1回目はストーリー重視で、2回目は音楽重視で…って感じで何回か観る必要があるくらいの大作みたいですね。どうぞ、お楽しみにo(^-^)o

 

 

523 映画「Tales of Vesperia」(千住 明)

2009年8月22日。この日は「Tales of Vesperia」というアニメ映画の音楽録りで、AVACO(アバコ)の301スタに行きました。音楽は千住 明さん。おっちゃんが千住さんとお仕事をご一緒したのは、2002年に公開された映画「黄泉がえり」の録音以来で、ちょっとドキドキでスタジオ入りしたそうです。

あ、この映画「Tales of Vesperia」ですが、もとはバンダイナムコゲームスから出てる同名のゲームなんだそうです。我が家にはDSくらいしかゲーム機がないんで初耳だったんですが、とても人気のあるゲームなんだそうですよ。ゲームの内容を把握してないので何とも言えませんが、キャラクターとか基本設定みたいなものはゲームと同じなのかな?

公式サイトによると、人と魔物との戦い「人魔戦争」が終結してから数年後の世界が物語の舞台で、平和を取り戻したかに見えたシゾンタニアの町に異変が起こり、それにユーリとシレンという2人の戦士が挑んでいく…というようなお話のようです。絵がすごく綺麗ですね♪

さて、冒頭にも書きましたように、今回の録音スタジオはAVACOです。このAVACOスタジオに関してはうちのHPでも何度かお話してきましたが、大編成が入って、しかも「回り込み(スタジオ用語辞典参照)」によるサウンドを生かして録れるスタジオなんでしたよね。で、今回もおっちゃんはAVACOということから「かなりの大編成なんだろうなあ」とは思ってたそうですが、予想以上の大きな編成に思わず目を瞠ったとか…。

何とファーストヴァイオリンが10人、木管は全て2管編成。ブラスもチューバまで入っている上に、さらにピアノにハープにパーカッション…と、スタジオ録音にしては最大級の編成だったそうですよ。


こちらは、おっちゃんの位置から見たフロアの様子です。

ほんと、弦がいっぱい…。

写真にマウスを乗せると、指揮台の千住さんがアップになりますよ(^.^)b


セッティングとしては、フロアには34人の弦と木管が8人、それにパーカッション2人とピアノが入って、ホルンの4人はドラムブースだったそうです。また、ピアノとパーカッションの前には背の高い衝立が置かれ、その衝立のを挟んで木管が座るようになってたそうです。で、その木管の前が弦だったみたいなんですが、木管と弦の間には1メートルくらいの小さな衝立が置かれてたとか…。この低い衝立がどのくらい効果があるのか「?」な感じだし、棒も見難くなるので、現場では「どちらかというと、ない方がいいなあ」なんて声もあったようですが、結局そのままやっちゃったんだそうですよ。

このAVACOスタジオでの録音としては、多くの場合がコントロールルームを背にした状態で指揮者が立ち、その指揮者に向かって右側に弦、左側に木管やホルンが並んだりするそうなんですが、この日は指揮者がホールの端(コントロールルームから見て右端)に位置し、前から大編成の弦と木管が順に並び、壁際にパーカッションとピアノという配置になっていたそうです。また、ピアノに関してはいつもの位置とは正反対というか対角線側に配置されてたそうで、松田さんも「この場所でやるのは初めて」なんておっしゃってたそうです。これ、きっとエンジニアの吉田さんの、大編成を録るための苦肉の策なんでしょうね〜。いや…それにしても、こうした配置を写真も図もなしに説明するのは難しいですねえ。まあ、いつもとは随分と違う配置だったんだなあって思ってくださいまし(^^ゞ


こちらはこの日の編成表です。

写真をクリックすると、別窓でさらに大きく見られます(^.^)b


千住さんの音楽については、テンポの速いものが2〜3曲はあったようですが、いかにも戦闘シーンを思わせるような音楽はなかったそうです。どちらかといえば、おおらかでテンポもゆったりとしたものが多く、全体的に何か大きなものを感じさせるような…そんな音楽が多かったみたいですね。

おっちゃんの笛のパートとしては、アルトフルートとピッコロを使ったものがそれぞれ2曲ずつ、それ以外はフルートで、ピッコロは金子さんにお願いしたそうです。前半に生オケのみでやる曲を録り、後半はパーカッション系の音などが入っている打ち込みのデータにダビングという形だったみたいですよ。
 
コントロールルームと指揮台にいる千住さんの前にはモニターが置かれてアニメが映写されてたみたいですが、おっちゃんたちのところからは残念ながら映像を見ることはできなかったそうです。


指揮台の上からご自身のブログ用の写真と動画を撮って、それを確認してるマサさん。

マサさんのブログのこちらの記事では、その写真と動画で見られますよ。

あ、左の写真にマウスを乗せると、マサさんが大きくなります♪


また、松田真人さんの8月の日記の22日のところでも、この日の様子が詳しく語られてますよ(^.^)b

この日の編成は、弦(マサさんのグループ:10・8・6・6・4)、フルート&ピッコロ&アルトフルート(おっちゃん・金子奈美さん)、オーボエ&コールアングレ(石橋雅一さん・中根庸介さん)、クラリネット&バスクラリネット(十亀正司さん・女性1名)、ファゴット(森さん・塚原里江さん)、ハープ(朝川朋之さん)、トランペット(?)、トロンボーン(中川英二郎さん他)、チューバ(?)、ホルン(?)、パーカッション(高田みどりさん・藤井珠緒さん)、ピアノ&チェレスタ(松田真人さん)、指揮(千住 明さん)、エンジニア(吉田俊之さん・金子さん・?)でした。ブラス関係はどこかのオケの方が多かったようで、中川さん以外のお名前は分かりません(^^ゞ


こちらは、もう今さら説明も必要ないと思いますが…

おっちゃん、千住さん、マサさんの3ショットです(^o^)


こうして無事に録音の終わった2日後の8月24日、今度はサウンドシティのAスタで追加録音が行われました。今回は弦が43221にフルートとクラリネットだけ…と随分と編成も小さくなり、拘束時間も短くなったそうです。

おっちゃんが担当する笛のパートには、リコーダーとアルトフルートの曲がそれぞれ1曲ずつ入あったそうです。で、リコーダーを使う方の曲は8分の6拍子で、田代さんのマンドリンも入ったりして少しエスニックな雰囲気のするものだったそうですよ。アルトフルートを使う方の曲は、クラリネットとユニゾンだったりハモったりする部分があって、やわらかく暖かみのあるゆったりした曲だったそうです。こうやって2曲の様子を聞いただけでも、随分と曲の雰囲気が違いますよね。全体を通してみると、それこそ色んなタイプの音楽があって楽しいんだろうなあ(^o^)


こちらはギターの田代耕一郎さん。

下の編成にも書いてありますが、ほんと色んな種類のギターを持ち込まれてたんですね〜♪


編成は、弦(マサさんのグループ:43221)、フルート&アルトフルート&リコーダー(おっちゃん)、クラリネット(十亀正司さん)、ハープ(朝川朋之さん)、ピアノ&チェレスタ(松田真人さん)、ギターいろいろ(田代耕一郎さん)、指揮(千住 明さん)、エンジニア(吉田俊之さん)でした。

このときの様子は、これまた先ほどと同じくマサさんのブログのこちらの記事で、今度は写真で見られます。おっちゃんもいますよ〜。同じく、ピアノの松田さんの8月の日記の24日のところにも、松田さん目線の詳しいレポがありま〜す♪

この映画は、2009年10月3日から全国で公開されます。詳しい映画館情報は、公式サイトのこちらのページを参考にしてくださいね。公開まであと少し、どうぞお楽しみにo(*^^*)o

 

   

522 「オマージュ」(小野崎孝輔)

2009年6月12日。この日は小野崎孝輔さんのお仕事で、AVACO(アバコ)の301スタに行きました。この小野崎さんという方は、小椋 佳さんの初期の作品や、ペギー葉山さんの作品を多く手がけられてるほか、20年に渡って「ヤマハ世界歌謡祭」の音楽監督と指揮を務められたベテラン作曲家さんです。また、読売日本交響楽団や新日本フィルハーモニー交響楽団とコンサートをされるなど、幅広く活躍されてる方でもあります。

その小野崎さんとおっちゃんは、2009年の春に阿部富士雄さんというヴァイオリストさんのお別れ会で10数年ぶりにお会いして以来、約3ヶ月ぶりの再会となったようです。だから、お仕事としてお会いするのは、やっぱり10数年ぶりってことになりますね。

で、そんな小野崎さんの印象としておっちゃんは「わしより6〜7歳は上やと思うんやけど、作曲や指揮はもちろん、耳の鋭さも口の悪さもまだまだ健在で、さすがやと思うたわ。まあ、口が悪いや言うても、その裏はあたたかい人間味のある人なんやけどな」って言ってました。それから、「今までスタジオで色んな棒振りさんに会うてきて、そのときどきで‘なかなかええなあ’って思うた人もいっぱいおったけど、わしはその中でも小野崎さんの棒が最高やと思うんじゃ。まあ、派手な動きがなくて物足らんって思う人もおるかもしれんけど、ほんのちょっとの棒の動きや指先の動き、それから目の動きとかでしっかりと音楽を表してくれるし、間の取り方っていうんも何かこう絶妙なもんがあるんじゃ♪」とも言ってました。

ふむ…私なんぞが偉そうに言えることではありませんが、おっちゃんにここまで言わせる小野崎さんの棒を見てみたいし、その音楽を聴いてみたいですねo(^-^)o

さて、そのお仕事の内容なんですが…実は、詳しいことが聞けてないんです。ただ、楽譜には「オマージュ」と書かれてたそうなので、そういったタイトルのアルバムが出るのかもしれませんね。

で、その録音の間ずっと一貫して使われてるテーマがあったそうなんですが、おっちゃんはそのときには「どこかで聴いたことがあるけど、何だったっけ…?」と思い出せなかったそうです。それが、お仕事が終わる直前になって突然ひらめいたそうなんですが、何と2008年の大河ドラマ「篤姫」のテーマだったとか…部分的にちょっとメロディーが違ってるところもあったようですが、大まかな流れはまぎれもなく「篤姫」のテーマ。インペク屋さんのお話によると特にNHKに関するお仕事ではなかったようですが、じゃあ一体どんなところに使われたんでしょうね〜?

この日のメンバーは、弦(マサさんのグループ:86442)、フルート(おっちゃん)、オーボエ(広多智香さん)、クラリネット(元木瑞香さん)、ハープ(朝川朋之さん)、ホルン(藤田乙比古さん他)、パーカッション(小竹満里さん)、ピアノ(女性)、ラテンパーカッション(川瀬正人さん)、指揮(小野崎孝輔さん)で、全体的にチェロやクラリネットが活躍する場面が多かったようです。

最後に、おっちゃんがインペク会社の社長さんに伺ったという小野崎さんの素敵なエピソードを1つ…。この小野崎さんという方はミュージシャンに対してとても気を遣われる方なんだそうです。たとえば今回のことで言うと、お仕事の内容からすれば2時間拘束で大丈夫なものだったのに、小野崎さんの「たった2時間で呼ぶのは申し訳ない」というお気持ちから、経理上は3時間拘束になっていたそうです。こうしたお心遣い、おっちゃんたちは嬉しいでしょうね〜。

もちろん、こんな世知辛い世の中なんで、こんな風にしてあげたいけど出来ない…って方もたくさんいらっしゃると思います。それはもう仕方のないことなんで良しとして、こうやって誰かを心から思いやる気持ちというのがいいなあと思うんです。これは是非とも見習いたいところですね〜。こんな素敵な小野崎さん、これからもお元気で活躍していただきたいですo(*^^*)o

 

 

521 映画ポケモン「アルセウス 超克の時空へ」(宮崎慎二)

2009年6月7日。もう毎年おなじみになってる映画「ポケモン」の音楽録りで、ビクターの301スタに行きました。今年の映画のタイトルは「アルセウス 超克の時空へ」で、これは2007年の「ディアルガ VS パルキア VS ダークライ(録音レポはこちら)」と、2008年の「ギラティナと氷空の花束シェイミ(録音レポはこちら)」に続く、全3部作の最終章にあたるお話です。

その内容としては…旅を続けるサトシたち一行がたどりついた「ミチーナ」という町で「シーナ」という女の子に出会います。そのシーナから聞いた古い言い伝えによると、全てを生み出したと言われる幻のポケモン「アルセウス」がある事情で瀕死になったのを、ダモスという名の男が助けるんだそうです。で、そのお礼に(?)アルセウスは大事な「命の宝玉」をダモスに貸し与え、荒れた「ミチーナ」の土地をよみがえらせるように言います。で、その「命の宝玉」を次の皆既日食が起こったときに返すように言ってあったのに、その日にダモスは宝玉を返すどころか、何とポケモンたちを使ってアルセウスに攻撃を仕掛けるんだそうです。それに怒り狂ったアルセウスが大暴れするのを、果たしてサトシたちは食い止めることができるのか…といったお話のようですね。

映画の公式サイトを開くとすぐに映画の予告動画が見えるんですが、そこで今回の劇伴の一部が聴けます。あと、同じく公式サイト内の「予告編&テレビCM」のページでも…。それがもうほんと、ほんっとにカッコいい、何ていうか「ああ、これぞポケモン!」って思うようなダイナミックな音楽が聴こえてきて、一気にテンションが上がりますよ(^_-)-☆

ところで、その映画の公式サイトのキャラクターのところを見ても、ストーリーを見ても、ニャースたち「ロケット団」については全く触れられてないんですね。今回、彼らが何か活躍するところはあるのかなあ…。


こちらはコントロールルームの様子です。

一見、真ん中にいらっしゃる黄色いシャツの方が宮崎さんのようにも思いますが、実は宮崎さんは写真の真ん中よりちょっと上の左端…グレーのシャツを着てる方ですね(^.^)b

あ、その黄色いシャツの方は、丸尾 稔さんですよ〜♪


さて、録音のお話です。この日のおっちゃんたちの拘束時間は、18時45分から5時間ということでした。これ、今までの録音の例からすると(大体30分きざみが多い)、ちょっと半端な感じのする時間ですよね〜。実は、19時ちょうどから録音を開始するために、それまでの15分でマイクチェックなどをする…といった段取りになってたようです。

作曲はもちろん、宮崎慎二さん。
このポケモンの映画って毎年ものすごい数の曲を書かれるようですが、今年も宮崎さんお1人で全ての曲を書かれてたようで、お時間的にも体力的にも大変なことが多かったんではないかと思います。このあたりに関してはおっちゃんも「イマジン系の仕事では大きいっていうか、長い仕事の場合は何人かで分担して書くことも珍しいはないんやけど、このポケモンに関しては、いつも宮崎さん1人やなあ。こりゃ、ほんまに大変やろと思うわ(^^ゞ」な〜んてことを言ってました。

で、この「5時間」という拘束時間に関しては映画としては妥当なとこらしいんですが、おっちゃんにお仕事の依頼があったときも、そして当日この現場に来たときも、インペク屋さんからは「絶対に時間内には終わらないよ〜♪」と涼しげな、そしてどこか楽しげな顔で語ってらしたそうです。はてさて、どうなることやら…!?(;^_^A


こちらはモニターを見ながらサウンドチェックをしてる、エンジニアの中村充時さんと宮崎さんです。

写真にマウスを乗せると、宮崎さんがアップになりますよ☆彡

宮崎さんのお顔をこうして見るのはほんとに久しぶりなんですが、相変わらず柔らかで優しそうな雰囲気があふれてて、またすぐにでも会いたくなっちゃいました(*^^*)


今回の劇伴でおっちゃんの目立つところとしては、まずリコーダーの曲が挙げられるでしょうか。このリコーダーの曲のいうのは楽譜上はピッコロとユニゾンになっていて、もしこの楽譜をソプラノリコーダーで吹いたとしたら、ピッコロと音の高さまでユニゾンになるんだそうです。

あ、これは前に「山田養蜂場のCM録音レポ」の中で作曲の山下宏明さんが説明してくださってましたが、ピッコロというのは、実際には楽譜に書かれてる音よりも1オクターブ上が出るんでしたよね。で、上のおっちゃんの話からすると、ソプラノリコーダーも楽譜に書かれてる音よりも1オクターブ上が出るってことなんでしょうか…。

何はともあれ、全く同じ音ってよりは、いわゆる「オクターブユニゾン」の方がいいんじゃないかと考えたおっちゃんは、リコーダーをオクターブ下げてみようか…とか、ピッコロをオクターブ上げてみようか…とか色々と考えたみたいですが、どれもどうもいい結果が得られそうにないという結果に行き着いたそうです。で、仕方なく、そのまま全くのユニゾンでやってみたら、これが意外といい感じだったんですって〜。スタジオミュージシャン歴40年以上のおっちゃんが「こういう組み合わせもアリかもしれんな♪」なんて言ったんですよ。いや〜こんな組み合わせを思いつくなんて、さすが宮崎さん!

次にホイッスルを使った曲ですが、これは楽譜上は最低音が真ん中のC(ト音記号とヘ音記号の間の‘ド’)まで出てきてて、これだとローホイッスルでも出せないんだそうです。で、おっちゃんが宮崎さんに「オクターブ上げてもいいですか?」と聞くと「んじゃ、とりあえずオクターブ上げたので音を出してみて、もしイメージが合わなかったらまた別のを考えます」ってことになったそうです。おっちゃんとしては「もし低い音がええんやったら、テナーリコーダーを使うっちゅう手もあるけどなあ」なんて思ったりもしたそうですが、そこはやっぱりホイッスルの音色がほしかったようで、結局はC管のホイッスルを使って、楽譜よりも1オクターブ上げて吹いたのが採用になったそうです。これ、どんなシーンでどんな風に使われてるのか、先のリコーダーとピッコロのユニゾンと合わせて、とても気になるところですo(^-^)o

それにしても、今年のポケモン音楽もなかなか見事なものだったようですよ〜。私も詳しいことは分からないので偉そうには言えませんが、フィルムスコアリングってのは「映像に合わせて」音楽を作るんですよね。まあ、ごくごく稀に先に音楽を録って、それに合わせて映像を作ってくれる…なんて監督さんもいらっしゃるようですが、普通ならありえないことだと思います。しかも劇場版ポケモンに至っては、キャラのちょっとした動きにまで音楽をつけて、音楽でそのキャラの行動を表現するってことが多いように思うんで、これは作曲をする側としてはほんとに大変だと思います。でも、それを見事に1人でやってのけたのが宮崎さんで、おっちゃんも「今年もよう書けとったわ!」と、大満足な感じでした(^o^)


こちらは弦セクションの様子。

指揮台のところに座られてるのは、代棒の中谷勝昭さんです。写真にマウスを乗せると、正面から見た中谷さんのお写真になります♪

おっちゃんの話では、宮崎さんの所属するイマジン系のお仕事の多くは作曲家さんご自身が振るか、そうでなければ指揮者なしでやるんだそうです。

でも、そういえばこのポケモンだけは毎年しっかりと代棒さんが入ってたような…?


そこで「代棒」のお話なんですが、うちのスタジオ用語辞典の「代棒」の項にも書いてあるように、この代棒を呼ばれるのには大きく分けて2つの意味があるんでしたよね。それは「プレイヤーの前に立って手際よく色々と指示をするのが苦手」と「コントロールルームでスピーカーを通した音を聴いていたい」ってところでしょうか…。

で、宮崎さんの場合は、とても控えめで穏やかで優しくておっとりしてて…というお人柄からすると前者の理由も少しくらいはあるのかもしれませんが、大きな理由としては後者の「コントロールルームで音を聴きたい」ということのようです。もちろん、音のチェックだけなら指揮台のところでヘッドフォン越しにも十分にできるみたいですが、やっぱり映画ってことで、細かいタイミングや音のバランスをきっちり絵と合わせたい…っていう宮崎さんの熱いこだわりが、こうさせてるのかもしれませんね。ほら、コントロールルームだと、必ず絵と一緒にサウンドをチェックできるみたいですし♪

ちなみに、この録音のあとに何回かあった歌ものの録音のときは映像に合わせる必要がないこともあってか、宮崎さんご自身が棒を振ってらしたようですよ(^.^)b

そうそう、おっちゃんとしては久しぶりにお会いする中谷さんですが、実はこの日は何と杖をついてスタジオに現れたそうです。何でも数日前に腰を痛められたとかでの杖だったようで、おっちゃんとしても「大丈夫かいな…」と随分と心配したみたいです。だって、もしもの時に備えて、中谷さんのお弟子さんでヴァイオリン奏者でもある三島さんという方がアシスタントとして同行されてたみたいですから…。でも、結局は最後まで中谷さんご自身で振り切られたそうで、おっちゃんもその相変わらずの気力とお仕事への意気込みには感激したそうですよ(*^^*)


こちらはおっちゃんのドアップ♪

同じフルートの、金子奈美さんが撮ってくれたみたいです。で、おっちゃんの奥には、オーボエの石橋さんが半分だけ写ってますね(^^ゞ

…ん!?

さらにその奥にはコントラバスっぽい方が見えるので、これはブースではなくフロアみたいですね。そっか…この日は弦と木管はフロアだったってことですね(^.^)b


さて、最初の方で書いたインペク屋さんの「絶対に時間内に終わらないよ〜♪」って言ってたあのセリフですが、見事に大当たりでした。ほんとは23時45分には終わるはずっだった録音が実際に終わったのは、何と深夜1時すぎ…特にトラブルがあったってことではなく、とにかく「曲が多かった」の一言に尽きるみたいです(^^ゞ

今回の録音に関しては、ブログのこちらにも少しだけ情報と写真があります。ぜひ合わせてご覧くださいね♪

で、そのブログにも書いてるんですが…編成は、弦(マサさんのグループ:66442→2222)、フルート&ピッコロ&リコーダー&ホイッスル(おっちゃん・金子奈美さん)、オーボエ(石橋雅一さん)、クラリネット(十亀正司さん)、ハープ(女性)、トランペット(菅坂雅彦さん・河東さん他1名)、トロンボーン(中川英二郎さん・松本治さん・山城純子さん)、ホルン(藤田乙比古さん他2名)、パーカッション(藤井玉緒さん・高良久美子さん)、打ち込み&オペレーター(丸尾 稔さん)、指揮(中谷勝昭さん)、エンジニア(中村充時さん)でした。

この映画は、2009年7月18日から全国でロードショーされます。細部まできちんと描き込まれた美しい映像、そこを生き生きと動き回るキャラクターたち、そしてそれらを彩る大迫力の音楽を、ぜひぜひ映画館で全身で体感してきてくださいねo(^-^)o

 

 

520 アニメ「東京マグニチュード8.0」(大谷 幸)

2009年6月5日。この日はイマジン大谷 幸さんとのお仕事で、ビクターの301スタに行きました。7月から始まる新作アニメの音楽録りで、作品のタイトルは「東京マグニチュード 8.0」という物騒な感じのするものです。

さて、その物語の内容ですが、現場では大谷さんご自身からけっこう詳しく説明があったみたいです。これは、よりよい演奏をするためにとても大事なことなので、皆さん真剣に聞いてらしたようです。また、おっちゃん経由で聞かせてもらった私も「ふむふむ」「ほほぉ〜」って感じなんですが、ちょっとネタバレっぽい部分もあるようなので、ここでは公式サイトに載ってる程度のことを簡単にご紹介したいと思います(^^ゞ

公式サイトによると、物語の舞台は夏休みに入ったばかりのお台場。このあたりは「さすがフジテレビ!」なんて感じもしますが、とにかくそのお台場で中学1年生の未来と弟の悠貴がロボット展を見に来ていたところで、突然はげしく地面が揺れ始めるんだそうです。

日本の中枢である東京を襲ったマグニチュード8.0という大地震。橋も東京タワーも倒壊。一瞬にして地獄絵図と化したような街の中を、未来と悠貴は世田谷にある自宅へと向かいます。果たして兄弟は無事に帰れるのか…帰れたとして、その先にはいったい何があるのか…?

1995年に起こった阪神・淡路大震災のあと、ニュース番組だけでなくドラマや映画などでも何度も「もし東京で大地震が起こったら…」なんてことがシミュレーションされてきましたが、今回はそのアニメ版って感じのようです。

制作は「鋼の錬金術師(250番参照)」「亡念のザムド(ブログ参照)」「交響詩篇エウレカセブン」「DAKER THAN BLACK 〜黒の契約者〜(457番参照)」など数々の素晴らしい作品を生み出してる「BONES」。あ、大谷さん関係だと「天保異聞 妖奇士(397番403番参照)」なども手がけてる会社ですね。

作画もとても丁寧でリアリティがあるので、より物語に深く入り込めて、色々と考えることができるのではないか…と思っています。


こちらは、左からエンジニアの吉田俊之さん、その後ろにはアシスタントさんらしき方が2人ほどいらっしゃいますが、お名前は不明…(;^_^A

で、両手でVサインをしてくださってるのが、作曲の大谷さん。右端は、大谷さんのマネージャーさんである、マサルさんです♪


この日に録った音楽には「M8の地震」「レインボーブリッジ崩落」「東京タワー倒壊」なんてタイトルがついていて、そのタイトル通りになかなかスリルのある音楽だったそうです。また、それとは逆に、とても優しくてあたたかな雰囲気のする癒し系の音楽もあったようです。目を覆うような惨状の中にも、何かしら救いがあるのかもしれませんね。

おっちゃんは「どっちかっていうと、大谷さんの得意な雰囲気のアニメちゃうかなあ」なんて言ってましたが、どうなんでしょ?

この日の録音は、最初に大編成の弦と木管でやって、そのあとは小編成の弦とブラスがやって、最後にギターなどがやるというような段取りになってたそうです。で、おっちゃんたち木管さんが入ったのは5曲だけだったんで、1時間ほどで終わっちゃったそうですよ(^^ゞ


大谷さんとおっちゃんの2ショットです(^o^)

写真にマウスを乗せると別カットになりますが、どちらにしても大谷さんのノリがいいですよね〜♪

これは、インペク会社の社長さんが撮ってくださったそうですよ(^o^)


メンバーは弦(マサさんのグループ:86422→6404)、フルート(おっちゃん)、オーボエ(石橋雅一さん)、トランペット(後入れ:?)、トロンボーン(後入れ:?)、チューバ(後入れ:?)、ホルン(後入れ:?)、ギター(後入れ:田代耕一郎さん)、打ち込み(大谷 幸さん)、エンジニア(吉田俊之さん)ですが、ブラスとは時間帯がズレてたみたいなので、全く分からないそうです(^^ゞ

あ、先ほども書いたように、ギターの田代さんはブラス隊よりさらに後だったみたいですが、田代さんの当日の日記を拝見すると、アコースティックギター・ガットギター・マンドリン・ブズーキなどをダビングされたようですね。

それから、大谷さんの録音では「ヴィオラ抜き」って編成が多く、それがまた大谷さんサウンドの特徴となってるようなんですが、この日の大編成のときにはちゃんとヴィオラさんが入ってたそうです。それを見ておっちゃんは「おっ、今日は珍しくビオラが入っとるわい」なんてちょっとニヤニヤしたそうですが、その後の小さくなってからの編成表では、しっかりと大谷さん得意のパターンになってますよね〜?(^_-)-☆


今度はオーボエの石橋雅一さんも加わっての3ショット。

で、写真にマウスを乗せると、マサさんこと篠崎正嗣さんと石橋さんの2ショットになります。

この日の録音については、マサさんのブログのこちらにも写真がアップされてますので、ぜひ合わせてご覧くださいね♪


この番組は、2009年7月9日の深夜25時からフジテレビでオンエアスタートとなるのを皮切りに、関西テレビでは14日の深夜25時35分から、東海テレビでは7月16日の深夜26時5分から…と、続々と各地でオンエアが始まります。初回と2回目とでオンエアの時間が違ったりしますし、そのほかの放送局については、公式サイトのブログのこちらの記事を参考にしてください。

オンエアまであと少し。どうぞお楽しみにo(^-^)o

 

番組のPVです(^.^)b

 

 

519 映画「ごくせん THE MOVIE」(大島ミチル)

2009年5月25日。この日はサウンド・インのAスタで、2009年の夏に公開される「ごくせん THE MOVIE」の音楽録りが行われました。音楽はもちろん、大島ミチルさん

おっちゃんが大島さんにお会いするのは数ヶ月ぶりだそうですが、私はときどきメールでお話させてもらってるので、今回の録音も勝手にとても身近に感じ、「おおっ、来た!来た!」って感じでした。それに、大島さんのHPにある日記のこちらの記事に、近いうちに録音が行われることを書いてくださってましたしね♪


こちらは、おっちゃんたち木管さんたちのブースです。

撮影はヴァイオリンのマサさんこと、篠崎正嗣さん

マサさんのブログにアップされてたものですが、こちらでも使わせてもらえるよう許可をいただきました〜!


今回は映画の劇伴ということで曲数も多く、おっちゃんたちのセクションも拘束時間が5時間と、まあまあ長い方でした。

で、この「ごくせん」はテレビで放映されてからもう7年も経ってますし、その間に何回も録音が行われてるのでメンバーも共通してる方が何人もいらして、あちこちから「わあ、これ懐かしいね!」なんて声が聞こえていたそうです(*^-^*)


皆さん、この楽譜(曲)に覚えがありますか?

これ、2002年に発売された「ごくせん オリジナルサウンドトラック」の5曲目にあった「静なる喧騒」という曲で、私がおっちゃんに「何か、蛇が出そうな曲やなあ」って言った曲です。

あ、こちらのページで試聴できますよ(^.^)b


どうやらおっちゃんはその「蛇が出そうな…」という私の表現がとても印象に残ってたようで、この日「いま、こんなんやっとる♪」って一言と一緒にこの楽譜の写真を送ってきてくれたんです。

で、きっとおっちゃんとしては、私が「ああ、あの蛇の曲?」っていう反応を返してくるのを期待したんだと思いますが、そこは楽譜の読めん私…ただ「あ、ごくせん! 大島さんやなあ(^o^)」って返したんです。そしたら、おっちゃんの方から「これ、あの蛇が出そうな曲やで」って言ってきてくれました(^^ゞ


この日の拘束時間は長めなんですが、ごはんの時間を取るほどでもないってことで、スタジオにはお菓子やケーキやお茶が差し入れられてたようです。

で、マサさんのブログのこちらに「ケーキに群がる女達…」なんてタイトルで書かれてますが、甘いものを囲んで歓談されてる皆さんです(^o^)


編成は、弦(マサさんのグループ)、フルート&ピッコロ(おっちゃん)、オーボエ、クラリネット、ハープ、トランペット、トロンボーン、パーカッション、ピアノ、打ち込み&指揮(大島ミチルさん)、エンジニア(伊藤圭一さん)でした。

…で、この2日後の5月27日に、上記の編成からブラスとパーカッションが抜けた編成で、同じく「ごくせん THE MOVIE」の音楽録りの続きが行われました。


こちらは弦セクションの様子。

画面の右端にいるグレーっぽいシャツがマサさんですね(^.^)b

で、写真にマウスを乗せると、コントロールルームの様子になります♪


おっちゃんの印象ですが、今回の音楽は全体的に尺の長いものが多いようです。映画の音楽は、溜め録りのように長めに録っておくのではなく完全にフィルムスコアリングなので、もしかすると音楽が流れている部分が多いのかもしれませんね。

また、この日はあらかじめ映像に合わせたクリックが打ち込んであったようで、そのクリックに合わせて録ると、プレイバックのときにも一瞬にして映像と音楽を合わせることができたんだそうです。いままでは映像を出すタイミングを手動でやってたそうなんで、おっちゃんも「随分と便利になったもんじゃ」と感心しきりでした。


こちらはヴァイオリンのマサさんと大島さんとおっちゃんの3ショット(^o^)

この3ショットって、2006年8月に行われた「NHK 思い出のメロディー」の録音のとき以来でしょうかね…。

あのときは、おっちゃんとマサさんが面白Tシャツを着て、その間で大島さんの笑顔が輝いてましたっけ…あ、そのレポはこちらです♪


この写真ですが、こうして3人で並んで、マサさんの携帯と大島さんのデジカメとおっちゃんのデジカメで、それぞれで撮ったんだそうですよ。撮ってくれたのは、スタジオのアシスタントさん。で、それらの写真は、それぞれマサさんのブログのこちらと、大島さんのHPのこちらにアップされています。ビミョーに違う表情を比べて楽しむのもいいかもしれませんね(*^^*)

この映画は、2009年7月11日から全国でロードショーされます。第2シリーズの卒業生であるKAT-TUNの亀梨和也さんが映画に初登場されるというのも、大きな見所ですね。7年間の集大成となるこの映画で繰り広げられるヤンクミ最後の勇姿、どうぞお楽しみにo(^-^)o

 

 

518 山田養蜂場のCM(山下宏明)

2009年4月28日。この日はCMの音楽録りで、事前にインペク屋さんから「タイプが多いから、わりと時間がかかるかも?」なんて言われてたので、おっちゃんはちょっと気合を入れて西麻布のON AIR STUDIOに行きました。前にブログで取り上げさせてもらった「日清カップヌードル」のCM録音レポのときにエンジニアの伊豫部富治さんから教えてもらったお話によると、今年から「アザブ・オー・スタジオ」になったんでしたっけ?

あ、インペク屋さんのお話にあった「タイプが多い」っていうのはCMの尺(15秒・30秒・60秒)のことを思いがちですが、今回の場合は曲の種類がいくつかある…という意味だったそうです。

さて、今回の広告主(こんな言い方でいいんかな?)は「山田養蜂場」。はちみつを使った健康食品をメインに、自然派化粧品なども取り扱ってる大手の会社です。

音楽は山下宏明さん。山下さんといえば、前にうちでは「三菱UFJ証券」のCM録音レポで取り上げさせていただきましたね。ほら、松たか子さんが出演されてた、あの綺麗なCMです。あ、こちらこちらで見られますよ〜。で、私は最近でこそ随分とご無沙汰してしまってますが、あの前のレポのとき以降もときどきメールでお話させてもらってました。山下さんって、とても親切で気さくな方なんです(^o^)

そんなわけで、私はおっちゃんから「今日は山下宏明さん」って聞いた瞬間にすぐ「あっ!」って思ったんですが、おっちゃんってば「はて…誰だっけ?」って感じだったんです。しかも、よく聞くと現場で山下さんがわざわざ「お久しぶりです」って声をかけてくださったのに、その場でもやっぱりピンとこなかったとか。ま、それも仕方ないかな…何でも、おっちゃんの話によると、前にお会いしたときと随分と雰囲気が変わっちゃってたんだそうです。ああ、この日の写真がなくて残念だなあ(-_-;)

で、その録音ですが…音楽は4種類あったものの、おっちゃんが入ってるのはその中の2曲だけだったそうです。まず1曲目ではピッコロを使い、あの「アイルランドの子守唄」のメロディーを…つまり、この曲の場合は山下さんは「作曲」ではなく「アレンジ」ってことですね。ちなみに、その「アイルランドの子守唄」はこちらのページで試聴できますよ♪

おっちゃんは加藤ジョーさんグループによる弦カルに乗ってピッコロでメロディーを吹くようになってたそうですが、何故かその音域がやたらと低かったそうです。どれくらい低いかって言うと、メロディーの全てが五線譜の中に入っちゃうくらいだったとか…。まあ、ピッコロの場合は、実際は楽譜に書かれてる音よりも1オクターブ上の音が出てるんだそうですが、それにしても元の音符が五線譜の中に納まってるっていうのは、ピッコロで出せる低い音ギリギリのところらしくて、とても珍しいことなんだそうです。

で、こういう楽譜を吹く場合はピッコロで低い音を出すよりもフルートでオクターブ上げて吹く方が音色としては好ましいんだそうですが、そこはあえて「ピッコロで低い音」という奏法から生み出されるボソッとした感じの音色を狙ってたんだと思われます。あと、楽譜上は前半と後半で同じメロディーを2回やるようになってて、後半は1オクターブ上げて吹くようになってたみたいですが、結局は後半もその低いままで吹くことになったそうです。よっぽど、そのボソッとした感じがヒットだったんでしょうかね(^-^)

おっちゃんは「それにしても、ピッコロであのメロディーをあの音域で吹くんはけっこう難しいもんがあるんよなあ。いや〜最近ピッコロの調整しとってラッキーだったわい♪」と、ちょっとホッとした感じで話してました(^o^)

ところで、さっきの「ピッコロは、実際は楽譜に書かれてる音より1オクターブ上の音が出てる」ってあたりのお話、ちゃんと意味が伝わったでしょうか…何だか、ややこしいですよねえ。

私もどう書けば言いたいことが伝わるかなあと悩んでたら、山下さんが分かりやすく例を挙げて、とても丁寧に説明してくれました。また、何故ピッコロを使ったかということなども仮アップのチェックの際に話してくださったんで、そのメールをそのまま載せちゃいます(^.^)b

 

わかりやすく言うと男声と女声みたいなものですかね。
同じ譜面を歌った場合男声よりも女声の方が1オクターヴ高い音が出ますが、ピッコロもそういう楽器です。(人間の声の場合そもそも男女で声色が違うのでオクターヴの違いは認識しづらいのですけど)

で、今回は男声(フルート)の張りのある中高域ではなく、女声(ピッコロ)の抑制された低域の音色がイメージでした。

楽器も人の声もそうなんですけど、出せる音域に対して高いか低いかで印象が大きく変わりますね。今回の曲はフルートならば中高域でもっとのびのびした印象になるだろうと思いますが、これがピッコロだと不思議ととても味のある朴訥な感じになりました。

 

…です♪
やっぱり、その低い音をピッコロで吹かせたっていうのには、こうした意味や狙いがあったんですね〜。予想が当たったことはもちろんですが、それ以上にこうして山下さんご自身が説明してくださったのが嬉しいです(*^-^*)


こちらは山下さん♪
この日の写真がなくて、おっちゃんのいう「前と雰囲気が違った」ってのが想像できなかったんで、無理を言って送っていただきました(^^ゞ

これは1年前にNYで撮られた写真だそうですが、今とほとんど変わらないとか…そうか、前におっちゃんがお会いしたときは金髪だったんですよね〜。そら、分からんでも無理ないかも?(;^_^A

撮影テーマは…
数々の賞を総なめにした若手敏腕プロデューサー風」だそうです(^◇^;)


それから、もう1曲の方は、どうやらオリジナル曲だったようです…が、おっちゃんは「わしが知らんだけやろか…」なんてことも言ってたんで、真相は分かりません。でも、少しテンポが速めで、どこか民俗風な感じで、なかなか味わいのある曲だったそうです。これを珍しくヴィオラのソロから始まって、そこにほかの弦も入って、さらにフルートが乗るという、またまた何か面白い狙いのある曲だったそうですよ。

何か、こんなことを聞かされたらどうにも気になっちゃって…で、その山田養蜂場のHPの「CMギャラリー」でこの日に録音されたものが聴けないかと何度かアクセスしてるんですが、5月末現在ではまだアップされてないようです(>_<)

もうテレビではオンエアされてるのかなあ…。とにかく「アイルランドの子守唄」と「ヴィオラのソロから始まる曲」っていうのを手がかりに、CMに意識を傾けていたいと思いますo(^-^)o

この日の編成は、弦(加藤ジョーさんのグループ:1111…つまり弦カル)、フルート&ピッコロ(おっちゃん)、エンジニア(渋谷直人さん・篠原麻梨さん)でした。あ、おっちゃんが帰ったあとには、山下さんのお知り合いである大橋大哉(おおはしだいすけ)さんという方がギターで入り、また別タイプのも録音してたそうです。

この日の録音の様子は、山下さんご自身のブログのこちらにも詳しく書かれています。ぜひ合わせて読んでみてくださいね(^o^)丿

 

 

517 アニメ「ジュエルペット」(浜口史郎)

2009年3月8日。この日、おっちゃんは前日に山口県岩国市でさだまさしさんのコンサートに出演して広島で泊まり、朝の新幹線に乗って東京に帰ってきて、お昼すぎにいったん帰宅。ゆっくりする間もなくまた出かけて、夕方からサウンドシティのAスタに入りました。

そんなドタバタでスタジオ入りして何をやったかと言うと…女の子版ポケモンとも言われてる「ジュエルペット」というアニメの音楽録りでした。音楽は、浜口史郎さん。すでに4月5日の朝から放送がスタートしてるので、もう見られてる方も多いんじゃないでしょうか?

内容を簡単に書いてみますと…魔法の国「ジュエルランド」の住人「ジュエルペット」たちが行方不明になったことで困った魔女が、1匹だけ残ったウサギ(名前はルビー)に人間界へ仲間たちを探しに行くように命じます。そのルビーは人間界で出会った「りんこ」とパートナーとなってジュエルペットたちを探し集めていく…というようなお話のようです。詳しくは、公式サイトの「ストーリー」のページを読んでみてくださいね。

で、このウサギに「ルビー」という名前がついてることから想像ができるかもしれませんが、ジュエルペットたちの目がそれぞれ色んな宝石になってるんです。ウサギの目は赤いからルビーで、そのまま名前もルビーってことになったんでしょうかねえ。とにかく、これから色んな動物、色んな宝石が出てくるようで、小さい女の子たちにとってはとても魅力的なアニメだと思います(^o^)


そんな可愛くて愛らしいアニメの音楽を作られたのが、こちら浜口史郎さん。

こうしておっちゃんとの2ショットを見ても、やっぱり音楽家さんってよりは…格闘家さん、体育の先生、スポーツジムのインストラクターさんって感じですよね(^^ゞ

もしくは、おっちゃんの用心棒!?(^◇^;)


…と、ちょっとふざけすぎましたか(^^ゞ

いや、でも、当日の現場からも「は…浜口さんが…あの、あの浜口さんが、あんな音楽を書くなんて…きゃあ〜可愛すぎるぅ〜!」なんて実況報告メールが届いてたくらいなんで、やっぱり皆さんもそのギャップに驚いてたんでしょう(;^_^A

実はその浜口さん、何と将棋の腕がかなりのものらしいですよ〜。初めて聞いたときには浜口さんと将棋が結びつかなくてビックリしましたが、これでさらにギャップに驚く要素が更に増えて、ますます浜口さんという方に魅力を感じてきました。何でも、中学生くらいのころにはプロの棋士になろうと頑張ってらしたとか…。当のご本人はレポの仮アップの際に「将棋が趣味ってくらいに書いといて」なんておっしゃってましたが、他から聞こえてくる声は「趣味なんてレベルじゃないよ!」って感じです。ふふ…どなたか浜口さんに将棋の勝負を挑んでみませんか〜? そういや、同じイマジンの松尾早人さんは写真の腕がプロ級なんですよね。皆さん、色んなことに長けててすごいなあ!

さて、その録音ですが、まずヴァイオリンソロとチェロソロを録って、そのあとでカルテット。それが録れたら今度はダブカル(ダブルカルテット)を録って、それにフルートやオーボエをダビングするっていう、ちょっと普段の録音とは違った順序で進められたみたいです。

ダビングに参加したメンバーは、弦(マサさんのグループ:2222)、フルート&ピッコロ&リコーダー(おっちゃん)、オーボエ(石橋雅一さん)、ギター(今泉 洋さん)、エンジニア(吉田俊之さん)で、比較的コンパクトな編成ですよね。

おっちゃんがやってた笛のパートには2〜3ヶ所ダビングになるところがあったみたいですが、その中でもソプラノリコーダーが2本になる曲は「軽く弾むようなノリがあって、とても印象に残りやすいと思う」とのことでした。これは、オンエアで要チェックですね♪


ところで、これは何だと思いますか?
実は、タジタジさんこと田尻 順さんのバッグの柄なんです。マサさんがカエル好きだというのは知ってる方も多いんじゃないかと思いますが、タジタジさんもマサさんに負けないくらいのカエル好きなんですよ(^.^)b

テレビ朝日の「題名のない音楽会21」に東響が出てて、タジタジさんが出てたら注目してみてください。ヴァイオリンと顎の間にはさんでるタオルが、カエルの柄になってることが多いです。

また、この右の画像をタジタジさんに送って「レポで使ってもいい?」って聞いたときのお返事メールがオンマウスで見えますが、最後にあるタジタジさんの署名がほら…ね?(^_-)-☆


で、せっかくオンエアが始まってから作ったレポなんで、私のオンエアを見ての感想(レポ編集時点でオンエア済みの3話分)なんぞも書かせてもらおうと思います(^^ゞ

まず、タイトルコールが素敵☆彡
魔法使いの変身シーンを思わせるようなキラキラした音楽で、先ほど書いた現場からの実況中継メールを思い出すと「ああ、ほんと浜口さんったら、どんな顔してこんな可愛い音楽を書かれたんだろう」と、にやにやしてしまいました(o^∇^o)

あと、3話の冒頭で流れた弦のメロディは春風を思わせるような優しい音楽で、ダブカルという小さめの編成がよく生きてて、作品のかわいらしさにとても合ってるなあと思いました。それに、弦の上に石橋さんとおっちゃんの音色がリレーのように出てくるメロディも「楽しくにぎやかにジュエルペットを探して1日を終えたあとの静かな夜」に合う、いいメロディでしたよ〜。そのほか、打ち込みで作られた音楽も、ぴこぴこキラキラくるくる…って感じで、少しDSなんかのゲーム音楽を思わせるようなのもあったりして、とにかく可愛いんです。小さい子なんか、あのメロディに体を揺らしながら見るんじゃないかなあと思うような、そんなメロディなんですよ。

それを浜口さんの見た目の雰囲気だけを思い浮かべると、そのギャップに「ぷぷっ」って感じですが、メールなんかでお話させていただくときの浜口さんは、それはもう優しくて、ちょこっと可愛らしい口調(書き方?)だったりするんで、やっぱりこれは浜口さんのお人柄の成せる業だと思いますね♪


こちらは録音を終えて帰ろうと片付けをしてるおっちゃんと、楽器を出して録音の準備をしてるギターの今泉さんです。右端にエンジニアの吉田さんの横顔とまあるいおなかが見えますね(^o^)

おっちゃんが「ギター1人でのダビングなら広いフロアで出来るのに、何でまた狭いブースに…?」なんて思ってたら、吉田さんから「フロアで生ギターだと響きすぎて、クリアに録れないからね」なんてお話があったそうですよ♪

写真にマウスを乗せると、今泉さんの別カットがアップになりますが、なかなか素敵な方でしょ(*^-^*)


この番組は、毎週日曜日の朝9時30分から、テレビ東京系列で放送されています。何でも、冒頭に書いた主役の「りんこ」とウサギの「ルビー」の声をモーニング娘。の齋藤彩夏さんと亀井絵里さんという方が当ててらっしゃるそうですが、私にはどんな方だかお顔が思い浮かびません。でも、声優に初挑戦っていうわりには、とっても上手に演じられてると思います。また、エンディングは堀江美都子さん。堀江美都子さんって言えば、私なんかの世代からお馴染みの方ですよね。ほんと、色んな意味で注目度の高い作品だと思います。

最後になりましたが、この「ジュエルペット」の録音に関しては、録音の翌日にブログのこちらの記事でも少し触れてますので(写真も3枚ほど…)ぜひ合わせて読んでみてくださいね(^.^)b

 

 

516 アニメ「バトルスピリッツ 少年突破バシン」追加録音(大谷 幸)

2009年2月4日。この日は大谷 幸さんのお仕事で、サウンドシティのAスタに行きました。この冬のおっちゃんはさだまさしさんのツアーに参加しているためにスタジオのお仕事はお断りせざるを得ない状況もチラホラあったみたいですが、今回のお仕事に関しては運よくツアーのオフ日に当たったそうで、何とか参加することができたようです。大谷さんのお仕事をとても楽しんでるおっちゃんは、それをとても嬉しそうにしてました(^o^)

こちらはマサさんグループによる弦セクションの様子です♪

写真にマウスを乗せると、ちょっとだけアングルが切り替わりますよ(^.^)b


さて、そのお仕事の内容ですが、以前にレポさせていただいた「バトルスピリッツ少年突破バシン」の追加録音でした。初回録音は「499番」です。


こちらは大谷さんとイマジン社長の斉藤さんです。

言うまでもないと思いますが、しましまシャツが大谷さんですね♪

斉藤社長さんとは公平さんの大阪ライヴでお会いしてお話させていただきましたが、とっても気さくで優しそうな方でした(^o^)

写真にマウスを乗せると、おっちゃんと大谷さんの写真になります。


で、その初回録音のときには「いつも僕が書いてるような暗くてドロドロしたのじゃなく、明るく楽しい内容ですから、そのつもりでよろしく(^o^)丿」なんてアナウンスがあったわけですが、今回はいつもの大谷さんらしい(?)ちょっとドロドロした感じのも出てきたみたいです。

…とはいってもそれほど激しい音楽はなく、代わりにかなりテンポの速いもの、暖かい感じのもの、ちょっと怪しい感じのものなど、いろいろとバラエティに富んでて面白かったみたいです。まあ、曲数は全部で10曲ちょいだったみたいなので「ああ、面白い!」って感じ出したころには終わっちゃったみたいですけどね(^^ゞ


こちらはこの日の編成表です。

曲名とかも見えるでしょうか…ほんと、色んなシーンに合わせて音楽が作られてるんですね〜♪


編成は、弦(マサさんのグループ:6404)、フルート(おっちゃん)、クラリネット(元木瑞香さん)、ホルン(藤田乙比古さん他2名)、打ち込み(大谷 幸さん)、エンジニア(吉田俊之さん)で、初回録音のときよりは少し小さめの編成になってたようですね。

で、弦の編成に注目してみると…やはり今回もヴィオラ抜きのチェロ多め。曲想はいつもの大谷さんの雰囲気とはちょっと違ってたようですが、こうした音色の部分ではしっかりと大谷さんのカラーを出されてたようです♪


こちらはチェロの結城貴弘さん。冒頭でおっちゃんがさだまさしさんのツアーに参加してることを書きましたが、この結城さんも今年のツアーに何度か参加されてたみたいですよ。

写真にマウスを乗せると、クラリネットの元木さんの可愛らしいショットに切り替わります(*^-^*)


ところで、帰り際にこんな感じで写真を撮ってもらいながら、大谷さんや斉藤社長さんに「いま、さだまさしさんのツアーに参加してるんだけどね〜」みたいな話をすると、そこでひとしきりさださんの話で盛り上がったとか…。何でも、前に「精霊流し」という映画があったそうで(調べると2003年でした)その音楽を大谷さんが担当されてたんだそうです。また、さださんの曲で「つぐない」というのがあるんですが、その曲の成り立ちの話を斉藤さんがとてもよくご存じで驚いたりなんかしたりして…。何だか楽しそうですね(^o^)

ちなみに、その公式サイトはこちらなのですが、何だかよく分からない感じになってます…なので、サントラ情報としてアマゾンのこちらのページを貼っておきますので、ぜひ覗いてみてください(^.^)b

最後になりましたが、この「バトルスピリッツ 少年突破バシン」は随分と物語りも進み、カードを使っての闘いもますますハードになってるようです。それに伴い、大谷さんの音楽もパワーアップしてますので、日曜の朝の目覚ましに楽しんでみてくださいねo(^-^)o

 

 

515 OVA「聖闘士星矢 THE LOST CANVAS 冥王神話」(和田 薫)

2009年1月22日。おっちゃんはAVACO(アバコ)スタジオに行きました。このレポのほんの少し下…映画「鴨川ホルモー」のレポで「AVACOなのに和田さんじゃないから、何か新鮮」なんて書きましたが、今回はしっかりと和田さんです(^o^)

この日は事前に「とりあえずの拘束時間は5時間で、その後も色々あるかも知れない…楽器も色々といるからね♪」というお話をインペク屋さんから聞いてたそうなので、おっちゃんは「春からの新作アニメか、映画かなあ」なんて思いながらスタジオ入りしたそうです。


そのお題ですが…右の写真のように「聖闘士星矢」の録音で、サブタイトルが「THE LOST CANVAS(ロストキャンバス)冥王神話」というOVAのようですよ。

この「聖闘士星矢」ですが、もともとは1986年から週刊少年ジャンプに連載されていた漫画で、同年から2年半に渡ってテレビ朝日でアニメとしても放映されました。

この日の録音に参加してた弦の中には「子供のころに見てた」なんて人も何人かいたそうですよ。さすがに当時の録音(音楽は横山菁児さん)に参加してたって人はいなかったようですが…。ちなみに、おっちゃんはその横山さんの録音にも参加してます。マサさんにも聞いてみると「僕もたぶん…」とのことでした(^^ゞ

写真にマウスを乗せると別カットになりますが、この方たちはアニメ制作スタッフの方々で、こうしてハープブースの横から朝川さんを撮影してらしたそうです。


何故かと言うと…今回のOVAの中に「パンドラ」っていう名前の、ハープを弾くキャラがいるんだそうです。その映像を作るための参考資料として、こうして朝川さんを撮影してたみたいですよ。ちなみに、その「パンドラ」ってキャラは女性だそうです(^◇^;)

余談ですが、この最初の「聖闘士星矢」は私も見てました。当時、私は中学生でしたねえ。で、その登場キャラの中に「アンドロメダ瞬」っていう、いつも線の細い声で「兄さぁ〜ん!」って叫んでばかりの女々しい感じの男の子が出てくるんです。その声優さんが堀川 亮さん(2001年に‘堀川りょう’に改名)という方だったんですが、のちに「名探偵コナン」の中で服部平次という関西弁バリバリの男っぽいキャラの声が堀川さんだと気づいたときに「声優さんって、すごいなあ!」と感激した覚えがあります。

声優さんと言えば…和田さんの代表作の1つである「犬夜叉」の中の子ギツネ「七宝」と「あたしンち」の「おかあさん」が同じ人(渡辺久美子さん)なんですよね。また、犬夜叉の第2話で出てきた「結羅」と「クレヨンしんちゃん」の「しんのすけ」が同じ人(矢島晶子さん)なんです。この見事なまでの変わり様に、私はしばらく気づけてませんでした。あ、この矢島さんは、珊瑚の弟である琥珀の役もやってらしたんですよ。ほんと、その七色の声を出す瞬間を、一度でいいから生で見てみたいものですo(^-^)o

まだしつこく声優ネタを続けます(^^ゞ
この「聖闘士星矢」ですが、最初のテレビアニメ化のあと、何度か映画やOVAになってるんです。で、2005年に出た「聖闘士星矢 冥王ハーデス冥界編」という作品から、声優さんたちを一新したそうです。これは、加齢による声優さんたちの声質の変化によるものらしいのですが、一部のファンにはなかなか受け入れてもらえなかったとか…。で、随分と大きな騒ぎにもなったようですよ。詳しくはウィキペディアのこちらを読んでみてくださいね。

この騒動のあと、ドラゴン紫龍役の鈴置洋孝さんが亡くなられたりしてるので、もうどうあっても最初のキャストでやることは不可能でしょうね。鈴置さんは私が生でお会いしたことのある数少ない声優さんの中のお1人なので、突然の訃報はほんとにショックでした。このように思い入れの強い作品やキャラの雰囲気や声が変わることへの抵抗は私もよく分かりますが、こればっかりは仕方ないですよねえ。

でも、今回はちょっと事情が違います。和田さんのお話では、今回のこの「ロストキャンバス」は掲載誌も違えば、キャラクターそのものも違うんだそうですよ。そこでちょっと調べてみると、原作者の車田正美さんが最初に連載してたのは週刊少年ジャンプでしたが、今回の作品は原作が車田正美さんで絵は手代木史織さんが描き、週刊少年チャンピオンで連載されてるものなんだそうです。詳しくはこちらをご覧ください。そんなわけで、声優さんも今までのOVAなんかとは全く違う方たちなんだそうです。これはまた新たな「聖闘士星矢」の世界って感じで、楽しみですねo(^-^)o


こちらは何やら打ち合わせ中のパーカッションセクションです。

向かって左端の白い服の方が高田みどりさん。

その奥に横向きの和田さんがいらして、黒のハイネックが梯さん。

で、右端の白いスカートが小竹満里さん。

その奥に半分だけエンジニアの山田さんが写ってますね♪


おっと、参加メンバーの一部のお写真が出たので、もうメンバー全員をご紹介しちゃいましょう!
この日のメンバーは、弦(マサさんのグループ:86442)、フルート&ピッコロ&リコーダー&ケーナ&パンパイプ&ティンホイッスル(おっちゃん)、オーボエ&コールアングレ(庄司知史さん)、クラリネット(星野 正さん)、ファゴット(前田正志さん)、ハープ(朝川朋之さん)、トランペット(大倉さん他2名)、トロンボーン(西山さん他2名)、チューバ(?)、ホルン(藤田乙比古さん他2名)、パーカッション(高田みどりさん・小竹満理さん・梯 郁夫さん)、指揮(和田 薫さん)、エンジニア(山田正弘さん・金子さん)でした。

これを見ただけでも、いかにおっちゃんがたくさん持ち替えてるかが分かるでしょう?
そのおっちゃんは「横山さんのときの音楽はもうあんまり覚えてないけど、今回のは大編成の重厚さに和田さん特有の民族音楽的要素がいっぱいで、比較どうこうでなく普通に面白いわ!」と、これまたその持ち替えを大いに楽しんでるようでした(^o^)

とにかくバトルシーンがメインの作品だけにブラスや打楽器が炸裂する戦闘シーン風の音楽が多く、おっちゃんとしてもピッコロの出番が多かったみたいです。その上さらにリコーダーやケーナ、それにパンパイプの出番もけっこうあったみたいで、この作品を幅広く鮮やかに彩ってたそうです。あ、いつもはダビングで参加されることの多い梯さんが、この日は最初から来てらしたそうです。その大編成の録音のときから一緒にやるっていうのは、また何か音響的な狙いがあったのかもしれませんね♪

あ、和田さんの音楽は、和田さんご自身がホルンをやってたこともあってホルンが大変ってことで有名ですが、今回もやっぱりホルンが大変な曲だったみたいですよ〜。まあ、書かれた和田さんご本人は「乙比古さんに申し訳ない(>_<)」なんて言ってましたが、そこは和田さんの録音に何度も参加されてる藤田乙比古さん。きっと「かかってきなさいっ!」って感じで、吹きこなしちゃったんでしょうね〜。

 

はい、ではここで、そのPV(劇伴とOP)をお見せしましょう(^.^)b

 

どうです?
最初からおっちゃんのピッコロがよく聴こえるでしょ〜? 和田さんらしい重厚感のあるブラスもいい感じです。また、確かに今までの私が知ってる「聖闘士星矢」とは絵がガラリと変わって、とっても新鮮。描かれた方が女性ってことで、どこか女性らしいやわらかさも感じますよね(^o^)

こうして大編成の録音が終わったあと、おっちゃんはブラス隊が入っていたブースに移動して、梯さんと一緒に劇伴曲をやったり、パンパイプやケーナのダビングをしたそうです。その中には大編成で録ったときと同じメロディのものもあったそうですが、OVAの中ではおっちゃんたちの部分をアカペラで使うこともあるために、こうしてブースに入って改めて録ったそうです。

こう聞くと「だったら最初からブースで録って、それをアカペラで使ったり、オケに被せたりすればいいじゃない」って思うかもしれませんが、そこは和田さんと山田さんの名コンビ。AVACOという広いスタジオを使ってオケと一緒に演奏することで生まれる「回り込み」とかの効果を意識してるんだと思いますよ〜♪…って、違うかな?(^^ゞ

あ、そのブースでは「ケーナで…」として渡された楽譜の一部をティンホイッスルでやってみると「それもいいねえ!」ってことになって、結局C管とB♭管のホイッスルで演奏したそうです。これでまたオケと一緒のときとは違った音色が楽しめるってわけですね。

で、和田さんの録音でおっちゃん・梯さん…と来たら、ここはもう田代耕一郎さんが入って「民俗楽団」として演奏するべきなんでしょうけれど、この日は田代さんのスケジュールの都合からか、田代さんだけ後でダビングになってたそうです。つまり、先ほど書いた「梯さんと一緒に劇伴曲を…」というのは、田代さんも加わった「民俗楽団」のための劇伴曲って感じでしょうか。

その田代さんの録音当時の日記を拝見すると「今回はBOUZOUKIを中心とした裏丸系の楽器を多用する。ギターの登場は一度もなかった」とありますね。これは田代さんもおっしゃってますが、その聖闘士星矢の物語の舞台となってるギリシャを強く意識されてのことなんでしょう。何にしても、あのギリシャが舞台の聖闘士星矢の世界を、和田さんの民俗楽器を使いまくり…っていう音楽がどんな風に表してるのか、聴きたいよぉ〜!o(>_<)o

そうそう、和田さんからは「敵役の3人がハープ+竪琴+笛を演奏するシーンがあるので、 別録音もしてます。」なんて興味深いお話も聞けました。こうなるともう、劇伴なんてもんじゃなく、和田さんの純音楽って感じで楽しめる気がしませんか? あ、この敵役の1人が冒頭で書いた「パンドラ」なわけですね(^.^)b


この日、マサさんが珍しくネクタイ姿で来たので、おっちゃんは思わず写真を撮らせてもらったそうです。で、何でネクタイ姿で来たかと言うと…それは、マサさんのブログのこちらに答えがありますよ〜♪

写真にマウスを乗せると何やら文字の書かれたタバコがアップになりますが、残念ながらよく見えません…。

あ、ハサミの形をしたネクタイピンは、元ホルン奏者で元RMAJの役員の山田栄さんからのプレゼントで、ほんとに切れるんだそうですよ(^o^)、


ところで、最近たびたびテレビなどでも話題にされてますが、いまフランスでは空前の日本アニメブームなんですってね。あ、漫画もすごい人気で、漫画喫茶みたいなものもいっぱい出来てるとか…。このレポが出来上がるまでにブログの方でも何度か「聖闘士星矢 ロストキャンバスが…」なんて話題に出してたら、さっそくフランスの方からメールで作品についてのお問い合わせがありました。また、今回に限らず、ときどきフランスの方からうちのレポについての感想&質問メールなどをいただくことがあるので、そのあたりからも日本のアニメブームなのが伺えますよね。

で、去る3月27日に行われた「狂った愛」の初演コンサートで和田さんにお会いしたときに「フランスの方からね…」みたいな話をして、ついでに「このOVAは海外でも売るの?」と聞くと「そう、もちろん!」と元気のいいお返事がありました。ふふふ…和田さんの音楽が、おっちゃんやマサさんたちの音色が世界へと羽ばたいていくんですねえ(*^^*)


こちらは副調室での和田さんと山田さんと、そして金子さんです。

写真にマウスを乗せると、和田さんと山田さんがアップになりますよ〜。金子さん、ごめんなさ〜い(^^ゞ

最近こうしてレポ用の写真撮影に快く応じてくださる方が増えてきて、ほんとにありがたいです(*^^*)


そういえば、今回はギリシャが舞台の作品なので、和田さんの音楽の大きな特徴の1つの言える和楽器が全くありませんね。ふむ…実はこのレポを作ってるころに、和田さんの弟さんから、和田さんの子供時代のお話をたくさん聞かせてもらたんです。和田さんの音楽の世界を生み出す原点となったご実家での環境のことや、いつもどんなときでも全く物怖じせず堂々と演奏もスピーチもこなす和田さんを作り上げたものは何だったのか…みたいなお話をね。まあ、レポも随分と長くなったし(私、脱線しすぎ?(^^ゞ)、これはまた次のレポの機会に…ということで(^_-)-☆

この「聖闘士星矢 ロストキャンバス」は、2009年6月24日にリリースされるようです。どうぞ、お楽しみにo(*^^*)o

 

 

514 映画「鶴 彬 〜こころの軌跡〜」(和田 薫)

2008年12月22日。この日はもううちのレポでもお馴染みの和田 薫さんとのお仕事だったんですが、珍しく音響ハウスに行きました。和田さんとのお仕事はほとんどの場合がAVACO(アバコ)なので、おっちゃんもちょっと不思議に思いながらスタジオ入りしたそうです。ちなみに、この日おっちゃんが入ったのは2スタです(^.^)b


こちらは音響ハウスのある「音響ビル」の外観。

写真にマウスを乗せると、館内のホワイトボードの写真になりますよ。ほら、しっかりと「東京音楽工房」って書いてあるでしょ?

あ、東京音楽工房というのは、和田さんが代表をされてる会社で、和田さんが手がけられた純音楽のアルバムや楽譜などを扱ってるようです(^o^)


さて、その音響ハウスで和田さんの指揮の下、何をやったかと言うと…「鶴 彬 〜こころの軌跡〜」という映画の音楽録りだったそうです。監督は、前に「ラストゲーム 〜最後の早慶戦〜(録音レポは487番)」を撮られた神山征二郎さん

ところで、皆さんは「鶴 彬」と聞いて、どなたのことかすぐに分かるんでしょうか。またここでも私の無知っぷりを暴露してしまうことになりますが、私は初めてお聞きした名前だったんです。なので、今回のレポ作成をキッカケに少し調べてみました(^^ゞ

詳しくは映画の公式サイトにも書かれてますが、1908年(戸籍上は1909年1月1日)に竹細工職人の次男として生まれた鶴 彬(本名は喜多一二:きた かつじ)は、小学生のころから「北国新聞」の子ども欄に短歌や俳句を投稿するほど、感受性が豊かで文才のある子だったそうです。

その後も同じく北国新聞や川柳雑誌に次々と作品を発表していくのですが、かつては「暴風と海の恋を見ましたか」なんていうロマンティックな句を書いてた少年が、戦争と社会運動の高まりの中で「暁を抱いて闇にゐる蕾」「手と足をもいだ丸太にしてかへし」という鋭い川柳を詠むようになっていくのです。

そして、19歳でナップ(全日本無産者芸術連盟)高松支部を結成し、色んな形で反戦活動を続けていると、治安維持法により懲役2年の刑を受けることになります。でも、刑期を終えたあともその活動を止めることなく、日本が中国に全面的な侵略戦争を始めた37年には「万歳とあげて行った手を大陸へおいて来た」「屍のゐないニュース映画で勇ましい」などの作品を発表して、再び治安維持法違反で東京の野方署に留置されることとなります。

その翌年に赤痢に感染。勾留を解かれないまま病院で29歳という若さで亡くなった鶴 彬の最後の句が「胎内の動き知るころ骨がつき」だったとか…。これは、おなかの赤ちゃんの胎動が感じられて生まれてくる日を予告していたのに、その父親は戦死して遺骨が届く…という意味で、子どもは父親を失い、妻は夫を失うという戦争のむごさを見事に表現した、ほんとに重い句ですよね。

こんな鶴 彬の壮絶な人生を映画として残し、より多くの人に観てもらって知ってもらおうというのが、今回の映画です。はぁ…レポのためにと思って調べ始めたものの、知れば知るほど何だかとても心が苦しいです(>_<)


重いお話が続いたんで、ちょっとここらでコーヒーブレイク!?

この音響ハウススタジオにはこんな喫茶コーナーがあって、コーヒーとかが自由に飲めるようになってるそうです。

写真にマウスを乗せてもらうと、違うカットになりますよ♪


では、録音のお話です。録音が始まる前に和田さんから「今日は思いっきり暗くて、重苦しいですから…」とのお話があったそうです。きっと、おっちゃんたちミュージシャンの皆さんは楽譜を見ただけで「うわ…暗そう(@_@;)」みたいなことが分かるんだとは思うんですが、それでもこうして作曲者の方から改めて一言あるだけで、ぐっと気持ちが入っていくんではないでしょうか。

おっちゃんの笛のパートとしては、フルートのほかにアルトフルートやリコーダーも使ったそうです。おっちゃんは「こういう映画にアルトフルートってのは、ほんまによう合う気がするわ。和田さん、さすがやな♪」なんて言ってましたよ。うん、確かにアルトフルートって静かで深い音色で、人間のあたたかさや寂しさ、そして悲しみなんかを表現するのに合いそうですよね…って言うか、聴いてる方はその音色1つで泣けます(T_T)

また、この日に録った音楽全体がゆったりとしていて、テンポが速いものでも60ちょい、遅いものだと52くらいで、クリックが待ちきれなく思うような曲もあったそうですよ。そんな中で1曲だけ、明るく軽やかなロシア民謡の「カリンカ」があって、田代さんのバラライカが活躍してたそうですよ。


こちらはピアノを弾く和田さん♪

作曲家さんご自身がピアノを弾かれるというのは時々あるみたいですが、どちらかと言うと和田さんは珍しいかな?

実はとても上手なんですよ〜。しかも、アニメ「犬夜叉」の「音楽篇(サントラ1)」の中では、オカリナも吹いちゃってます。

写真にマウスを乗せると、別カットになりますよ♪


この和田さんの様子を見てたおっちゃんにディレクターとして来てらした藤田崇文さんは「経費の節減ですよ」なんて笑ってらしたそうですが、真相や如何に!? で、そんな話をされてるとは知りようもなさそうな和田さんはと言うと、フロアの真ん中にピアノを据えてモニターの画面を見ながらピアノを弾いてらしたそうですが、弾きながらときどき指揮もする…という、大活躍ぶりだったそうです(^o^)

そんなわけで、この日の楽器の編成は、弦(1001:山中 光さん&寺井つねひろさん)、フルート&アルトフルート&リコーダー(おっちゃん)、クラリネット(星野 正さん)、ピアノ&打ち込み(和田 薫さん)、ギター(田代耕一郎さん)、エンジニア(山田正弘さん)でした。

映画の内容が内容だけに、こぢんまりとした室内楽のような感じの編成ですね。ちなみに、弦の山中さんと寺井さんは、あの「はなれ瞽女おりん」の公演に参加されてた方々ですよ。打ち上げの様子を書いたミニレポに、お2人の写真があります(^.^)b


ではここで、↑では静止画だった和田さんのピアノ演奏を動画でお見せしましょう!

 


映画「鶴 彬」のレコーディング風景

 

どうですか?
ずんずんと心の底に響いてくるような、ずっしりとした音楽でしょ?

映画の公式サイトのこちらのページでは予告編が見られますが、ここでもこの和田さんのピアノや、そしておっちゃんのフルートも聴けます(^o^)丿

この映画ですが、去る2009年3月29日に石川県かくほ市で初上演されました。その後は4月26日に同じく石川県の「たかまつまちかど交流館」で上演が予定されてるとか…。この映画は全国公開されるものではないようですし、映画を観るためには「映画協力券」というのが必要らしいので観るのはなかなか難しそうですね(-_-;)

でも、おっちゃんが「今回の和田さんの音楽は、劇伴ってよりは、ちょっと純音楽に近い感じやと思うわ」なんて言ってたんで、いつか聴ける機会があったらいいのになあと思ってるところです。皆さんも是非↑の動画や、映画の予告編でその片鱗だけでも味わってみてくださいねo(^-^)o

 

 

513 アニメ「異世界の聖機師物語」(多田彰文)

2008年12月11日。ビクターの301スタに行きました。この日は「異世界の聖機師物語」という新作アニメの音楽録りで、音楽は多田彰文さん。この「異世界の聖機師物語」はおっちゃんも私も初耳なんですが、梶島正樹さんという岡山県出身のアニメーターさんが原作のマンガ(?)がアニメ化するようですね。梶島さんの他の作品としては「天地無用」というアニメがあるようですが、これは私も聞いたことがありますし、マンガやCDを見たこともあります。

さて、この作品ですが…物語の舞台となるのは2種類の海が存在する「ジェミナー」と呼ばれる世界で、地球と同じようにたくさんの人々が暮らしてるんだそうです。その人々が生きていく上での全ての糧となってるのが、2つの海のうちの1つである「エナ」と呼ばれる海で、この海のおかげで兵器なども作れてるとか…その兵器(聖機人というそうです)を最も上手く操れるのがジェミナーに住む人間ではなく異世界から召還された人らしいんですが、どうやらその人たちを中心とした物語のようですね。


この日、おっちゃんは早くにスタジオに入ったので、始まるまでコントロールルームにお邪魔してみたそうです。すると、ディレクターさんのデスクの横に、何やら楽器のソフトケースがあるのが目に入ったとか…。

で、大きさから想像して、そこにいた多田さんに「これってフリューゲルホルンですか?」って聞いたら、多田さんの「いやいや、実は…」という言葉と一緒に出してきてくれたのが、左の写真のだそうです。

写真にマウスを乗せてもらうと更に楽器が大きくなりますが、これはマーチング用のメロホルンなんだそうですよ。なるほど、マーチング用だけあって楽器を構えるとベルが前に向くようになってますよね(^.^)b


おっちゃんの話だと、このメロホルンというのはホルンを演奏しやすくするために管を短く(半分に)したもので、普通のホルンはF管なのに対し、これはG管なんだそうです…ってことは、何か特別な曲を吹くときのために作られたものなのかなあ。そういや、前に岩崎 琢さんの「びんちょうタン」の録音レポ(284番参照)で触れましたが、クラリネットもB♭管がメイン(?)だそうですが、ときどきA管を使うことがあるんだとか…今回のF管とG管もそんな感じなんでしょうかねえ。

あ、おっちゃんはこれを見て「金管楽器はほとんどが移調楽器で、普通はB♭やE♭みたいなフラット系のキーが多いんよなあ。それからしても、このG管っていうんは珍しいと思うわ。あと、普通は3個あるバルブが2個しかないんもごっつい珍しいと思う…」と、探究心旺盛なおっちゃんらしく声を弾ませてました(^o^)


こちらはコントロールルームから見たフロアの様子です。

多田さんの指揮のもと、佐藤のゆりさんグループが頑張ってらっしゃいますね〜。写真にマウスを乗せると、モニター越しの多田さんの様子になりま〜す♪


この日の録音は、先に入っていた打ち込みのデータにダビングするという形だったそうですが、その打ち込みの中に何やら不思議な音色の金管楽器のソロが入ったんだそうです。

実は、それがさっきのメロホルンで、何と多田さんご自身が吹いてらっしゃるんだそうですよ。前にレポさせていただいた「桃華月憚(440番参照)」の現場でもそうでしたが、多田さんは色んな楽器を持ってらして、しかもそれをご自分で演奏できるってところがほんとにすごいですよね〜。そういや、その「桃華月憚」のレポ内で「最近はホルンも始めた」なんてことを書いてるんですが、それがこのメロホルンにつながってるのかなあo(^-^)o

あ、その「桃華月憚」のサントラは私も持ってるんですが、あの録音レポに書いたとおり、ほんとにバラエティに富んだ音楽の数々で、たった1枚のサントラなのに、ものすご〜く豪華で得した気分になります。多田さんの音楽は、公平さんや松尾さんの音楽に比べるとシンセの割合が多いように思いますが、その使い方がまたすごくて、圧倒されるんですよ〜。多田さんつながりってことでアピールしちゃいますが、ぜひ機会があったら「桃華月憚」の音楽を聴いてみてくださいっ!


ところで、何と↓こちらでこの日の録音風景が動画で見られます…って言っても、写真がスライドショーで出るだけなんですが、多田さんの音楽はバッチリ聴けますし、指揮されてる姿もしっかり見えます(^.^)b

 

 

明るい…これから新たな冒険が始まるって感じの、すごい広がりのある素敵な音楽ですよね♪

 


そうそう、この日の多田さんは、さっきのG管のラッパ以外にこんなヴァイオリンも持ってきてらしたそうです。

ほら、よく見てください。何ととキティちゃんマークがついたヴァイオリンですよ〜。Amazonのこちらに詳しい商品説明がありますが、附属の弓で弾くと予めインプットされているメロディーを奏でてくれるというオモチャのようです。

写真にマウスを乗せると、このヴァイオリンを構えた多田さんが…♪


この日にやった曲の中に(M−01かM−02か…?)8分の9拍子の曲があったそうですが、その曲の中でさらに3小節フレーズというのになってるところがあったそうです…って聞いても、もちろん書いてても、何のことやらサッパリ分かりません(@_@;)

このあたりのことをもうちょっと詳しくおっちゃんに聞いてみると…つまり、8分の9拍子というのは、1小節の中に8分音符(♪)が3つで1セットになったものが3セットあるってことだそうで、そんな風に♪が3×3セットで結局9つ入ってる小節が3つ…3小節あって、その3小節で1フレーズを作り上げてる部分があったそうです。はあ…この私の書き方で、分かってもらえたでしょうか(;^_^A

とにかく、このフレーズを見ておっちゃんは「昔、音楽史か何かで3拍子の音楽はキリストの教義の三位一体を表すって聞いたような気がするけど、それを意識したんかなあ」なんて言ってました。でも、私にとってはその3拍子の音楽とキリストの三位一体が結びつかなかったんで、ちと調べてみることにしました(^^ゞ

キリストの教義である三位一体は「父なる神(創造主) と子なる神(キリスト)、そして聖霊は元来一体」を意味していることは聞いたことがある方も多いかと思います。で、この考えから、昔は3拍子こそが正規の拍子で、4拍子や2拍子は不正規の拍子として扱われてたそうです。4分の4拍子の楽譜を「C」という記号で表すことがありますが、これは3拍子が正規の拍子で「○」ってことに対して、4拍子は不正規…不完全ってことで「半丸」で表し、それがアルファベットの「C」になったようです。いや〜こうして調べてみると、なかなか面白いものですね♪

ふむ…作品のタイトルが「聖機師」ってことですし、やっぱり多田さんは何か意識してらしたんじゃないかなあと思ってます。それを裏付けるかのように、この日の多田さんの音楽は格調の高さを感じるものが多かったとか…わあ〜どんな感じだったんでしょうねえo(*^^*)o


最後に、おっちゃんと多田さんの楽しそうな2ショットをどうぞ(*^-^*)

おっちゃんがヴァイオリンを構えてるって、なかなか珍しい絵でしょ〜?

写真にマウスを乗せると、イマジンの社長さんがさっきのメロホルンを吹いてる画像になりますが、この社長さんもけっこう色んな楽器をこなされる方なんですよねえ(^o^)


この日の編成は、弦(佐藤のゆりさんのグループ:64221)、フルート(おっちゃん・金子奈美さん)、オーボエ(石橋雅一さん)、クラリネット(元木瑞香さん)、ホルン(藤田乙比古さん他2名)、打ち込み&指揮(多田彰文さん)、エンジニア(中村充時さん)でした。

番組の公式サイトを見てもまだ「制作開始」としか書かれてなくて詳しいことは何も分かりませんが、オンエアの時期などの詳しい情報が入ったら、またこちらかブログでお知らせしますね(^.^)b

 

 

512 映画「鴨川ホルモー」(周防義和)

2008年12月10日。この日は周防義和さんの書きで、AVACO(アバコ)の301スタに行きました。AVACOの301スタなんて、うちのレポでは和田 薫さんのお仕事で出てくるのがほとんどなので、何かとても新鮮な気がします。

さて、この日は2009年の春に公開予定とされた「鴨川ホルモー」という映画の音楽録りでした。録音があった当時にはまだ公式サイトもなくて「ホルモー?何じゃ、そりゃ…?鴨川って言うたら、京都の?」って感じで、おっちゃんと2人して頭の上にいっぱい「?」を浮かべてました。あ、一応スタジオには映画のポスターが貼ってあって、スタッフの方から「ホルモーってのは、実は京都で昔から続いてる競技なんだ」との説明を受けたそうなんですが、京都で生まれ育ったおっちゃんにもサッパリ分からなかったそうです。それが、こうして公開間際までレポ編集を待ったおかげで色々と情報が得られて、ほんと良かったと思ってます…な〜んて、レポ編集がこんなにも遅れてしまったことの言い訳をしてみたり(^^ゞ

この「鴨川ホルモー」ですが、もともとは万城目学(まきめ まなぶ)さんという作家さんが書かれた青春ファンタジー小説で、それが月刊少年エースで漫画として連載されるようになり、その人気ぶりから今回の映画化、そして2009年5月には舞台化もされることになったそうです。

この映画の内容についてはここでも少し触れたかったんですが、どうにも私のPCだと、公式サイトの「ストーリー」のところが最初の1ページしか読めないんです。次を読もうとすると、そのストーリーの画面が消えちゃって…なので、詳しいことは映画の公式サイトでどうぞ。とにかく、痛快キテレツファンタジーって感じの映画みたいですよ♪

で、この映画の音楽を担当されるにあたって、周防さんもご自身のブログで2回ほど素敵なお話を綴ってくださってます。1つ面は1月24日の日記、もう1つは4月12日の日記です。私なんかが下手に要約してここに綴るより、ぜひ皆さんの目で直に周防さんの言葉にこめられたメッセージを感じてみてくださいね(^.^)b


こちらは、AVACOスタジオのすぐ近くにある「うだつ食堂」で撮った、フルートの金子奈美さんの写真です♪

おっちゃんと奈美さんは、この録音の前に一緒にここでラーメンを食べてきたそうですよ。はい…提灯を見てもらっても分かるように、ここは徳島ラーメンのお店で、おっちゃんのお気に入りなんです(^.^)b

私も去年の上京のときに連れていってもらいましたが、かなり本場の味で美味しかったです(*^-^*)


その録音ですが、先に入っている打ち込みの音源にダビングするという形で始まったそうです。その中に「笙」の音が入っていておっちゃんはビックリしたそうですが、この笙はサンプリング音源とかではなくて、ほんものの笙なんだそうですよ。それは、周防さんがこの映画のために用意された「和」の中の1つであって、そのあたりのことについては先ほどご紹介した4月12日付の周防さんの日記に書かれています。

また、この笙に関しておっちゃんは「笙っちゅ〜んは小さいながらもオルガンみたいな和音を出すことができるんよな。そういうんを意識してか、オケの方にその笙のハーモニーに合わせたような和音が出てきたりして、なかなか面白かったわ(^o^)」と、周防さんの曲のアイディアにビックリしつつ、お仕事をとても楽しんでるようでした(*^^*)

この日の編成は、弦(桑野聖さんのグループ:86442)、笙 (石川 高さん)、フルート&ピッコロ(おっちゃん・金子奈美さん)、オーボエ(浦 丈彦さん)、クラリネット(十亀正司さん)、ファゴット(前田正志さん)、ホルン(吉永雅人さん・勝俣 泰さん・中島大之さん・上間善之さん)、チューバ(松永敦さん)、マリンバ&グロッケン&ラテンパーカッション(藤井珠緒さん他1名)、和太鼓(加藤拓哉さん・加藤良平さん)、打ち込み(周防義和さん)、エンジニア(小幡幹男さん)でした。あ、パーカッションは皆さんが帰った後もダビングがあったみたいですよ。

この日のおっちゃんたちの拘束時間は2時間。映画の録音にしては短かい方だったそうですが、アバコの広いフロアに響く大編成のサウンド…特に弦の響きはなかなかのものがあったようです。

で、この編成の中には書いてませんが、実は1曲だけ、周防さんが三線(さんしん=沖縄の楽器で三味線みたいなヤツ)を演奏されたんだそうですよ〜。もともとこの楽器は持ってらしたそうですが、一度も弾いたことはなかったとか…そんなことを聞くと「それで、いきなり映画の録音に使えるような演奏ができるの?」って疑問に思う方もいらっしゃるんじゃないでしょうか?

そのあたりについて周防さんに伺ってみると「どんな楽器でも難しいことやろうとしたら大変だけど、簡単なことだけ、できる範囲でやろうと思えばね。で、僕はギターが弾けるので、その感覚でいい意味で自分の音楽って考えれば弾けるということです。ちゃんと正統的な弾き方まではできないから、ギターのピックで弾き、フレットをマジックでネックに印を書いて弾いたっていう裏話があるんだけどね(^^ゞ」と、素敵なエピソードを明かしてくださいました〜!

また、その三線を使った音楽ですが、「日本の陰旋法の音階による純邦楽風な曲を、映像を何度も見つつ即興的に作曲していった」とのお話も伺うことができました。いくら「できる範囲で…」っていっても、すごいな〜。その日本の陰旋法についてはこちらのページの真ん中よりちょっと下に詳しい説明がありますので、興味のある方は見てみてくださいね(^.^)b

この周防さんの三線の音楽、現場のスタッフの方にも大受けだったそうですよ。どんなメロディなのか、どんなシーンで使われてるのか、ぜひ映画館でチェックしてみたいところですよね。

この映画は、2009年4月18日から全国で公開となります。4月12日ごろからは各ワイドショーで試写会の様子が放送されてましたよね。公開まであとわずか、どうぞお楽しみにo(^-^)o


…と、私のレポはここで終わりなんですが、仮アップの内容チェックの際に周防さんからサントラに関する素敵な情報というかメッセージをいただきましたので、原文のままでご紹介します♪

 

☆☆☆☆☆☆☆

 

映画『鴨川ホルモー』Soundtrackへのノート


今回はいろんなところに連れていかれた?(自分で行った?)自分図鑑?いやいや自分音楽百貨店みたいな感じ、とはいえきっと自分のクセ満載なのかもデス。最初に脚本読んだ時はどうしよう!と思いました。映像と一緒じゃないとどうってことない音楽、もありではあります。

物語は万城目学原作のベストセラーで京都を舞台にした学生たちの青春展開が奇妙キテレツな話なのでした。CGも駆使した映像ですが、作曲はCG完成途中でとりかかり大部分想像でいきました。作品では京都のいろんな場所が出てくるので曲タイトルにも反映してみました。笙や和太鼓なども使い音楽も多岐多様ですが...まあ普通?の音楽もありますデス。

サントラの「百万遍の即興曲」は映像見つつ、ギターでロックっぽい不思議な感じを即興でつくりました。ですのでクリックなしで弾いて、それに合わせてまたダビングしました。主人公が京都大学の寮に友人を訪ねていくシーンです。

「木屋町べろべろ小唄」は石橋蓮司扮する人物が語るシーンに、これも即興的に作曲しました。沖縄の三線(さんしん)を弾いてみました。セリフの口調に合わせテンポ感変えたり大変でしたが面白い経験でした。
ルバートでクリックなしの為、後でダビングした笛系、太鼓系は大変でした。家にあった三線を初めて弾き、フレット感覚がヤバかったですが、ピックで弾きました。陰旋法主体ですが、このシーンにこういうものをという注文はあったわけではないので、監督スタッフに大爆笑にあいました。

主人公が住む京都のアパートが70年代風昭和なキタナイ感じ、大学寮(京都大学吉田寮が百万遍寮という名前になっている)も昭和な凄い雰囲気(これは原作というより本木克英監督の演出による世界感とのこと)だったので、ギター歪系でチープな劇伴シーンをつくりました。

「ユルクユウウツ今出川」も同様で、主人公が恋する彼女へのスケベ心..的シーンでの情けなさの音楽です。これはウーリッツア(midiナシなので弾いた)ELe−PFで作りました。
他に弦なんかの曲では「数式ハ浪漫デ解ケナイ」。これは大文字焼きから京都の季節時間経過、そして主人公たちが吉田神社で儀式をするまでに使用したもの。「神々の怒りとその終焉」はクライマックスに至るシーンで、早稲田アバコで大編成で録りました。

オケ風あり、打ち込みリズムもの(バトルシーン用)、Funk曲ありと、百貨店状態デス。笑えるエンターテインメント作品って対応が大変ではありました。結果的に楽しみましたが。
「Sympathy For The Oni」は劇中未使用のトラックで笙、和太鼓を後でグラフィック上で再構成してループ系リズムにのっけたりしました。タイトルはご存知ロックの名曲ROLLING STONES「Sympathy For The Devil」へのオマージュでつけました。

他にわけのわからない「Kai Marshul」「Buri Doe Guerron Chorie」「グェゲボー」は劇中に出てくるオニ語!?からの引用です。万城目学氏の原作からの言葉も引用したりしてタイトルつけました。

周防義和 4/2009


画像の無断転載はご遠慮くださいm(__)m

   1.鴨川ホルモーへの誘い            
 2.Dance Kai Marshul          
 3.青竜朱雀白虎玄武         
 4.数式ハ浪漫デ解ケナイ             
 5.百万遍の即興曲            
 6.ギタラテンなカノジョ          
 7.Sympathy For The Oni         
 8.ボンチャンボンボヤージュ        
 9.高瀬川ファンク             
10.ユルクユウウツ今出川           
11.弦丿数式、浪漫哉
12.クスノキ・グェゲボー
13.神々の怒りとその終焉
14.木屋町べろべろ小唄
15.彼女丿鼻ハ美シイ
16.Buri Doe Guerron Chorie
17.世間虚仮(セケンコケ)
18.マケ・デ・チョンマゲ
19.十七条の十六ビート
20.糺丿森六弦抄(ただすのもりろくげんしょう)
21.魑魅魍魎祭り(ちみもうりょうまつり) 

このサウンドトラックは、2009年4月15日に発売になりました。こちらHMVのページでは、少しずつですが全曲を試聴できるようになっています。上の周防さんの解説を読みながら聴くと、ふむふむ…と面白いですよ〜。ぜひ映画と合わせて楽しんでくださいね♪

 

 

511 Green 2「あの日の僕」「雨ニモマケズ」(奏カナミ)

2008年12月9日。ビクターの301スタに行きました。この日は、和歌山市在住の奏カナミさんによる、「Green 2(グリーングリーン・愛称グリグリ)」の新曲の録音でした。このグリグリは女性4人によるグループで、メンバー全員が民謡の全国大会で優勝経験のある実力派です。また、その民謡の歌い方でハモるという画期的なスタイルで、その独特の世界は唯一無二だと思います。うちでは前に「ナミダグサ」(185番参照)や「メール」「サヨナキドリ」(389番参照)の録音でも取り上げさせていただきましたが、どれもその歌唱力と独自のハーモニーにほんとに心を奪われます。

そのグリグリの曲の多くを手がけられてるのが奏カナミさんで、カナミさんは作曲や編曲だけでなく、ときには作詞もされるマルチな才能を持った方です。これはもう、おっちゃんもひしひしと感じてるようで、いつも録音が終わるたびに「いや…あの子はすごいわ」なんて言ってます(*^^*)

そういえば、カナミさんからいただくお年賀状もまたすごいんです。毎年カナミさんご自身が干支の絵を手描きされたものを送ってくださるんですが、これがまたほんとに素敵なんですよ〜。いつか、ブログとかででもお年賀ハガキをご紹介できるかなあ。とにかく、音楽に作詞に、そして絵の才能まで…すごい方なんです☆彡


こちらはコントロールルームの様子です。写真の真ん中に座ってらっしゃるのがカナミさんですね(^.^)b

で、写真にマウスを乗せてもらうと、カナミさんが見つめてるモニター画面がアップになりますが、どなたがいらっしゃるのか分かりますか〜?


この日に録ったのは「あの日の僕」と「雨ニモマケズ」の2曲。この「雨ニモマケズ」の方は、もう皆さんがよくご存じの宮沢賢治の詩に曲をつけたものなんだそうです…が、実はこの曲はカナミさんが作曲したのではなくて、岩手県在住の宇佐元恭一さんというシンガーソングライターの方が2006年に発表されて静かなブームを呼んでるもので、今回はそのカバーとなるようです。

ちなみに、その宇佐元さんとその曲についてはこちらに詳しい記事がありますし、その記事内で試聴もできるようになっています。で、聴いてみると、ピアノ伴奏をメインにじっくりと歌い上げるって感じで、これをグリグリが歌うことになると、どんな感じになるのかなあとワクワクするところです。ちなみにカナミさんのアレンジの方は詩の独特のリズム感を生かしてか、とつとつとしたパンパイプのメロディーがあって、宇佐元さんとはまた違う素朴な雰囲気に仕上がってたそうですよ♪

また、もう1つの「あの日の僕」の方はティンホイッスルが活躍するんだそうですが、カナミさんの指定ではそのティンホイッスルのパートのオクターブ下にアイリッシュフルートで同じメロディを重ねることになってたんだそうです。でも、この時点ではまだおっちゃんの手元にアイリッシュフルートがなかったので、代わりにローホイッスルでやったそうです。私にはそのアイリッシュフルートとローホィッスルの違いが分かりませんが(…っていうか、アイリッシュフルートって何?って段階なんですが)、何となくケルトっぽい感じなのかなあ〜。どんな仕上がりになってるのか、興味津々ですo(^-^)o

あと、これはカナミさんから教えていただいた話なんですが…この中では、そのおっちゃんのティンホイッスルが3ヶ所に出てくるんだそうです。で、3回とも全く同じメロディーなんだそうですが、前の2回と最後の1回にはちょっとした違いがあるんだとか…ここ、カナミさんがこだわった部分なんですって(^.^)b

それと言うのも、曲全体は4分の3拍子なんだそうですが、その3回目のメロディのところだけは8分の6拍子になるんだそうです。私はもうこの時点で「へ…? 4分の3拍子と8分の6拍子が一緒ってこと?」みたいな感じで頭がグルグルしてきたんで、おっちゃんに教えてもらいました(^^ゞ

え〜っと、4分の3拍子は1小節の中に4分音符が3つ…つまり8分音符が6つってことですよね。で、8分の6拍子はその名のごとく8分音符が6つ…ってことで、実は1小節の中に入ってる音符の数は同じなんですって〜。ただし、4分の3拍子の方は8分音符(♪)が2こ×3って感じ方で、8分の6拍子の方は♪が3こ×2って感じ方なんだそうです。

む…難しい…まあ、このあたりは分かる方だけどうぞって感じなんですが(私みたいに分からん人の方が少ないんでしょうか(^^ゞ)とにかく8分の6拍子にした方が2拍子っぽくなって、ある意味「ノリがよくなる」とも言えるんだそうですよ。それを曲の最後に持ってきたってことは、同じメロディでもクライマックスに向けて盛り上がっていくように感じさせる…ってことなんでしょうか。これは是非、皆さんの耳で聴いてみて、微妙な違いを感じてみてくださいねo(^-^)o

また、この「あの日の僕」の方では、途中でバックのオケが急に薄くなって、リコーダーのカルテットが出てくる部分があるんだそうです。このリコーダーカルテットは、一応ちゃんとソプラノ・アルト・テナー・バスの4声になってるそうですが、全体的には低めの音域で、ハーモニーを流す感じ…う〜ん、和音で動くって書いた方がしっくりくるかなあ。とにかくポジティブオルガン(小型のオルガン)みたいな感じになってるんだそうですよ。4声のリコーダーでオルガンのようにって…オルガンのような荘厳な感じがありながら、リコーダーならではの丸みのある音色って感じなのかなあ。こちらも早く聴いてみたいところですo(*^^*)o

あ、この「あの日の僕」の方は、カナミさんが作詞も手がけられてるそうです。カナミさんの書く詞って、自然な言葉で人の気持ちをそのまま素直に綴ってくれてるんで、とても心に響きやすいんです。そこへ来てあのグリグリの歌声でしょ〜。今回も心をわしづかみにされるのは間違いないなあって思ってます(*^-^*)


これはフロアの様子♪

カナミさんの譜面台の向こうにいるのがヴァイオリンの小池さんですね。で、写真にマウスを乗せてもらうと、今度はおっちゃんの席のあたりの様子になります。

この店開きっぷり…すごいでしょ〜。いかにたくさんの楽器を使ったかが、よく分かるかと思います(^.^)b


では、ここで編成をご紹介します。

この日のメンバーは、弦(小池弘之さんのグループ:4422)、リコーダー(ソプラノ・アルト・テナー・バス)&パンパイプ&ホイッスル(おっちゃん)、ハープ(朝川朋之さん)、ドラムス(渡嘉敷祐一さん)、ベース(ミッチー長岡さん)、ピアノ(エルトン永田さん)、ギター(田代耕一郎さん・安田裕美さん)、ラテンパーカッション(浜口茂外也さん)、ペダルスチール(尾崎 孝さん)、指揮(奏カナミさん)、エンジニア(大越 学さん)でした…が、おっちゃんと一緒にダビングしたのは、小池さんグループと朝川さんと、リズム隊から引き続きの田代さんと浜口さんだったみたいです♪

この日の様子は、田代さんのブログのこちらにも少し書かれてますよ(^.^)b


見ての通り、小池さんとカナミさんの2ショットです(*^-^*)

実はこの写真の前に、このお2人による別の2ショットを撮ってたんです。

でも、小池さんが「この服だと太って見えるなあ…」とか言って、わざわざジャケットを羽織って撮り直したんだとか…もぉ〜小池さんったら、やることがお茶目です(^o^)


で、現場でおっちゃんに「ジャケットなしの写真は使っちゃダメよん」なんて言ってたそうですが、ふっふっふっ…小池さ〜ん、私を甘く見てもらっちゃあ困りますねえ。小池さんとはもう一緒に飲んだりピザやパフェまで食べた仲じゃないですか、ね〜?

ぜひ↑の写真にマウスを乗せてみてください。そのジャケットなしの2ショットじゃないんですが(せめてもの優しさってことで…(^^ゞ)別のジャケットなし写真が見えま〜す。真剣モードの小池さん、いいでしょ〜?o(^-^)o


おっちゃんとカナミさんの2ショット♪

いつも思うんですが、カナミさんって本当にいい笑顔ですよね〜。弾けるような笑顔っていうのは、まさにカナミさんのためにあるような…おっちゃんのこの「でれぇ〜」っぷりもなかなかでしょ?

写真にマウスを乗せると、この日のスタッフの方々との記念写真になります(^.^)b


こうして無事に録音は終了。おっちゃんもとても楽しかったみたいで、録音後にくれた電話のテンションが高かったです(^o^)

そうそう、この数日後におっちゃんはカナミさんのお師匠さんとも言える若草恵さんにお会いしたそうですが、そのときに若草さんが「このまえ奏さんの新しいのを聴かせてもらったんだけど、アレンジ素晴らしかった〜。どこからあんなアイディアが出てくるんだろう…すごいねえ!」と大絶賛してらっしゃったそうですよ。カナミさんにはそのカナミさんの個性を大事にして、これからもっともっと頑張ってほしいなあって思いますo(^-^)o

さて、この2曲ですが、2009年4月8日に日本クラウンからリリースされるようです(ここ参照)。緑が芽吹き育っていく素敵な季節に、Green 2の爽やかで力のある歌声を聴いて元気をもらって歩いていく…いいですよね〜。どうぞ、お楽しみにo(^-^)o

 

 

510 ココロネSong「虹色」「晴れた日の朝に」(田中公平)

2008年11月28日。田中公平さんの歌のレコーディングのために、サウンドシティのBスタに行きました。この日の録音に関しては、この1ヶ月くらい前からインペク屋さんに「公平さんの歌のレコにおっちゃんが入ります♪」って教えてもらってたので、当のおっちゃんはもちろん、私もこの日をとても楽しみにしてましたo(^-^)o

で、レコーディングが始まる時間も聞いてたので、家で「そろそろ始まるなあ…」なんて思ってたら、インペク屋さんから「いま公平さんが‘2月15日に大阪でライブやるから、ゆみさんに伝えて’って言って去っていきました〜♪」というメールが…!でも、実は私としては、すでに公平さんの公認ファンサイト掲示板で公平さんご自身による告知を読んでいたので、すぐ「もうチェック済み(^o^)v」って返信すると、またもやインペク屋さんを介して「さすがゆみさんだなあ!」という公平さんからのメッセージをいただきました(*^^*)

最近こんな感じで、インペク屋さんやヴァイオリンのマサさんとの携帯メールの向こうに公平さんを感じることが多くなって、ほんとに嬉しいです。まあ、マサさんとのメールでは「いま公平さんと飲んでる…」「今日は公平さんがおごってくれた♪」なんて感じで、ほとんどがお酒に絡んだものなんですが、これもまた公平さんの素の部分が感じられて嬉しいなあって思うんです。


あ、おっちゃんがスタジオに到着したときには、こんな感じで何やらミーティングが行われていたそうです。

公平さんはもちろん分かりますよね?
で、公平さんの右手側…写真で言うと左端の方がイマジンの社長さんである齋藤さん。で、公平さんの向かいに座ってる方がベルベットラインの太田社長さん。その太田さんの左手側…写真で言うと右端の方が公平さんのマネージャーさんの當眞さんです。

実は、この當眞さんと私は誕生日が同じで、ここ2〜3年は毎年「あけましておめでとう」と「お誕生日おめでとう」をお互いに言い合うメールをしてるんですよ(^^ゞ


さて、今回は先に編成とメンバーを書いてみますね(^.^)b

12:00〜14:00
ドラム:佐野康夫さん
ベース:バカボン鈴木さん
ギター:.千代正之さん
ピアノ:松田真人さん

15:30〜17:30
ストリングス:マサさん(64221→6402……これ、面白い編成ですよねえ)
フルート:おっちゃん
オーボエ: 石橋さん
ハープ:斉藤葉さん

で、18:00からゴスペル(ボイス オブ ジャパン VOJA)のダビングがあったそうです。

そんなわけで、おっちゃんが着いたころにはまだドラムセットを片付けたり、アシスタントさんたちは次のセッティングをしたり…と大忙しだったようで、しばらくロビーで待機してたそうです。まあ、そんな合間に↑のような写真を盗撮してきてくれたんですけどね(^^ゞ


おっちゃんにカメラを向けているのは、大塚さんというイマジンの新人さんなんだそうです。この日はこんな感じで、大塚さんが公平さんや他のミュージシャンの方々をパチパチ撮ってたそうなんですが、もしかしてセカンドアルバムのブックレットとかに載せてくれるのかなあ…?o(^-^)o

写真にマウスを乗せると、オーボエの石橋さん、そしてストリングスグループの中にいらした、石橋さんのお嬢さんの素敵な2ショットになります(^o^)


この日に録られたのは「虹色」と「晴れた日の朝に」の2曲。公平さんご自身が歌われるということで、公平さんはいつものような指揮台ではなくボーカルブースに入ってらしたそうですが、テンポの変わり目なんかにもクリックを丁寧に打ってくれてたので、おっちゃんのように伴奏部分を演奏する側としても特に問題はなかったようです。

あ、おっちゃんが参加したのは「晴れた日の朝に」の方だけだったそうですが、これはそのタイトルの通りの爽やかな歌で、公平さんの伸びやかな美声が堪能できる曲なんだそうですよ。おっちゃんも「公平さんの絶妙なファルセットにビックリした…あのコントロールの良さにも感心するわ」と、褒めちぎりでした(^o^)

これには私も全くの同感です。2008年のファーストライブで「昔から歌が好きで、歌手になるのが夢だった」ってことはお聞きしましたが、それにしても歌はずっと歌い続けてないと声帯のコントロールが難しいと思うんですよねえ…と不思議がってたら、同じイマジンの作家さんである松尾早人さんが「公平さんは昔から歌が好きで、女声の歌の仮歌も自分で歌っていましたからね。一時はカラオケとかも行っていたようですよ。」な〜んて教えてくれました〜。なるほど、こうやってずっと歌う機会を持ち続けてたからこその声量とコントロールで、まさに満を持しての歌手活動って感じでしょうか。

そうそう、昨年末にうちのゲストブックに素敵なコメントを寄せてくださった公平さんですが、その少し前には私信もいただいたんです。それもHP用に設置してあるメールフォームから…公平さんのレポチェックに関してはいつもマネージャーの當眞さんに間に入ってもらってるんで、私にとっては初めての公平さんからのメール。しかも、メールの書き出しが「新人歌手の田中公平です」なんて書いてあったので、最初は誰かのイタズラかと思ったんですよ。ほんと、あんな大ベテランの作曲家さんなのに、この低姿勢な感じがまた素敵だなあって思いました(*^^*)

 

こちらは、おっちゃんが携帯で撮ってきてくれた練習中(?)の様子です。何気ない風景ですが、スタジオの中の風景を動画でなんて滅多に見られないと思うんで、ぜひご覧くださいね(^.^)b


田中公平さん・レコーディング風景2


ところで、今回の歌の録音とは関係ないんですが、公平さんの歌つながりということで…このレポを作ってる2008年12月から2009年1月現在、先ほど書いた公認ファンサイト掲示板でアニメ「ワンピース」の中で流れる「ビンクスの酒」という劇中歌のことが話題になってるんですよね〜。

マサさんのブログのこちらの記事によると、この録音のあとに公平さんと飲みに行ったそうですが(歌の歌詞そのまんま(^^ゞ)、とっても素敵なメロディーなんです。我が家も毎週日曜日は9時から「題名のない音楽会21」を見て、その後すぐに「ワンピース」を見てるんで、バッチリ歌えます(^.^)b

これ、歌バージョン・ヴァイオリンソロバージョン・合唱バージョン…と色々あるんですが、その中で↓歌詞つきのものをどうぞ♪

 

 

この歌について、そのファンサイトの掲示板でチラッと匂わせてくださってるんですが、ほんとに2月15日の大阪ライブで歌ってくれるのかなあ…歌ってほしいなあ…大阪のライブは1ドリンク制らしいんで、それこそちょっとした酒場のような雰囲気になって盛り上がるんじゃないかなあo(*^^*)o


こちらはプレイバックを聴いてる皆さんの様子です。写真にマウスを乗せると、ちょっとだけアングルが違う写真になりますよ〜。

公平さんのお隣にいらっしゃるのは、作詞を手がけられてるASUKAさんです♪

公平さんが「歌詞重視」っておっしゃってただけあって、ほんとに心にグッとくる、誰もが共感できるようないいい詞を書かれるんですよね。私個人は特に「光の道」とか「花のように」の歌詞が胸に迫るんですが、今度のはどんな感じかな〜?


で、今回は何と、こうしてプレイバックを聴いてる最中の動画もあるんです〜。公平さんやマサさんが体を揺らしながら音楽を感じてる様子や、画面左端に映る「動くピアノの松田さん」をご堪能ください(^_-)-☆

ただし、携帯で撮ったものなので、かなり音質が悪いんです。特に音が大きくなるところはバリバリ割れて聴こえますので、PCの音を少し小さくして再生してくださいね(;^_^A

 

 
田中公平さん・レコーディング風景3

公平さんのファーストアルバム「ココロネSong 1st」をお持ちの方はもちろん、この動画からも少し感じ取っていただけるかと思うんですが、公平さんはとても言葉を大切に歌ってますよね。ここにも「歌詞を大事に」という気持ちがよく現れてますが、これぞ歌の基本ですよね。最近のポップスは歌詞の意味が分かりにくかったり、ぶつぶつ言って聞き取りにくかったりするものが多いので、公平さんの歌を聴くとホッとします。それと同時に、混声合唱をやってたころに先生に「歌は言葉がある分、楽器の人に比べて気持ちの表現が楽なんじゃよ。それやのに、聴き手にその肝心の言葉が伝わらんような歌い方したらあかんやろっ!」って怒られてたことなんかも思い出したりして…でも、いまになって先生が言ってたその意味がほんとによく分かりますねえ。


とにかく、この日はおっちゃんは携帯で動画を、インペク屋さんはおっちゃんのデジカメで周りの様子を、イマジンの大塚さんも皆さんの写真を…で、たまにそれぞれがカメラを構えてる様子を傍から撮ったりして、何だかとても面白い光景だったようです。こんな風に気軽に現場の写真を撮らせてくださる雰囲気になるのも、また公平さんのお人柄の象徴だな〜なんて思ってます(*^-^*)

あ、すでに見てくださった方も多いかと思いますが、12月1日付のブログに公平さんが指揮してらっしゃる素敵な動画もアップしてあります。でも、これって…さっき「この日の公平さんはボーカルブースに入ってた」なんて書いたのに、どういうことなんでしょう。私の勝手な想像でブログに書いたとおり、伴奏部分の録音時には公平さんが直々に振ってたってことなのかなあ。何はともあれ、まだの方はぜひ合わせて見てみてくださいねo(^-^)o

それから、これらのレコーディングのあとに行われたVOJAによるダビングですが、現場に居合わせた方から面白いお話が聞けました〜。このVOJAの皆さんですが、ダビングの最中ずっと身体全体を使って、ほんとに楽しそうにエネルギッシュに歌ってらしたそうです。それが、周りで見ていた方々にもとても強く印象に残ったとか…。さらには、そうやって歌って一度チェックのために皆さんで調整室にやってこられたそうなんですが、そのときに誰もが肌で感じるくらい一気に調整室の温度が上がったんだそうですよ。もう、そのVOJAの皆さんの熱気に、現場の皆さんで顔を見合わせてビックリしたんだそうです。そんな熱いゴスペル、早く聴いてみたいですよね〜!

この日に録られた2曲を収録予定のセカンドアルバムについては、1月中旬現在で半分くらいレコーディングが終わってるようです。でも、いまの公平さんは1月下旬に行われるというオーケストラのホールでの録音でお忙しいみたいなので、のんびり待ってた方がいいのかなあ…また詳しい情報が入ったら、ここかブログでお知らせしますね。で、そのホール録音にはおっちゃんも参加する予定なので、何かしらのご報告はできると思います。そちらもどうぞお楽しみにo(*^^*)o

 

 

509 NHK「いないいないばあっ!」(周防義和)

2008年11月11日。NHKの506スタに行きました。この「506スタ」ですが、2008年の紅白歌合戦の最中に「ステージとは離れたところで演奏することもある…」なんてお話と一緒にテレビに大きく映ったのを見られた方も多いんじゃないでしょうか…。私はレポで何度も書いてるスタジオだったので、テレビに映ったときには大興奮。思わず、テレビにかぶりつきで見てしまいました〜。

あのときバンドを指揮してらした三原さんという方は、元ブルーコメッツでフルートとボーカルをしてらした方なんだそうですよ。三原さんはブルーコメッツを解散後にフルバンドを結成されて、現在もあちこちで演奏活動をされてるようです。これ、ブログのこちらにチラッと書きましたが、紅白を見ながらヴァイオリンのマサさんに教えてもらいました(^^ゞ

さて、そんな506スタで何の録音が行われたかというと…周防義和さんによる「いないいないばあっ!」の中のクレイアニメの音楽録りです。このクレイアニメの音楽録りは8月にも行われていて、そのレポ(503番参照)チェックを10月末に周防さんにお願いしたときに「11月11日にまた録音があるよ♪」って教えてもらってたんで、私としては「きた〜っ!o(^∇^)o」って感じでした。

あ、前回のレポを読んでくれた1歳児のママさんからは「クレイアニメみたいなやつは画像に興味がいきがちなんだけど、一緒に流れている音楽も大事な存在だよね♪」という嬉しいメッセージをもらいました。お子さんがこの番組が大好きだそうで、ママも一緒に見ながらおっちゃんの笛の音に耳を傾けてくれてるそうです(^o^)


こちらは周防さんとバスクラリネットを吹いてる元木瑞香さんです。

休憩中に何やら楽しそうにお話されてたところを撮らせてもらったそうですよ。右端のブースにはパーカッションの高田さんがいらっしゃるんですが、ちょっと切れちゃってますね…。

写真にマウスを乗せると、別カットで、しかもちょっと大きくなるお2人が見られます♪


今回も湯崎夫沙子さんのアニメで、イタリアでご活躍中の湯崎さんらしく「SALTARE(跳ねる)」、「INVERNO(冬)」というイタリア語のタイトルのついた2曲を録ったそうです(^.^)b

録音は、まず音あわせをしたあとすぐにテスト録音をして、全員で絵に合わせたプレイバックを見せてもらったそうです。劇伴にも録音のスタイルにもほんとにたくさんの種類があると思いますが、クレイアニメのバックになる効果音的な(こんな表現で合ってるかな…)音楽はただ演奏してるだけだとイメージがつかみにくいことが多いんだそうです。だから、一度でもちゃんと絵に合わせたところを見せてもらえるととてもスッキリして、音色がグッと生きてくるんだそうですよ。前回もこうして絵に合わせたプレイバックを見せてもらったそうですが、今回はテスト録音のすぐあとで見せてもらえたってのがさらに良かったですよね〜♪

そうそう、フルートとクラリネットで、音階をできるだけ速く上がったり下がったりする…というのがあって「何じゃろか…?」と思いながら吹いたそうですが、プレイバックを見せてもらうと、画面の模様をササッと素早く消すような動作のシーンに使われるようになってたそうです。なるほどね〜!


こちらは周防さんが撮ってくださった、おっちゃんと元木さんです♪

大きなバスクラリネットで元木さんのお顔がちょっと隠れ気味なのが残念ですが、いい笑顔です(*^-^*)

写真にマウスを乗せると、プレイバックを聴いてる元木さんの後ろ姿になるんですが、何で…何でこの体勢?(^◇^;)


この日のメンバーは、チェロ(三宅進さん)、フルート(おっちゃん)、クラリネット&バスクラリネット(元木瑞香さん)、パーカッション(高田みどりさん)、ピアノ&鍵盤ハーモニカ(小石巳美さん)、打ち込み(周防義和さん)、ラテンパーカッション(川瀬正人さん)と、チェロが井上さんから三宅さんに変わったのと新たにクラリネットの元木さんが加わった以外は前回と同じでした。

高田さんと元木さんに関しては、前日に浜口史郎さんの劇場版「たまごっち」の録音で夜中まで一緒だったので、3人で顔を見合わせて「あらまあ…どうもどうも♪」って感じだったみたいですよ(^o^)

プレイバックのあとはさらに細かい「直し」があってから本番になり、2回ほど演奏してベースの部分はOK。そのあとは個別の「直し」とダビング…という感じで、録音そのものはとても手際よく進んだそうです。

これでおっちゃんたちは終わったんですが、このあと周防さんご自身によるウクレレのダビングやトラックダウンという作業をされてたようなので、随分と遅くまでかかってしまったそうですよ。ほんと、お疲れさまでした。そんな夜中に軽井沢まで帰られたんでしょうかねえ…何はともあれ、ぜひオンエアで絵と音の楽しい世界を堪能してくださいねo(*^^*)o

 

   

508 劇場版「たまごっち うちゅーいちハッピーな物語!?」(浜口史郎)

2008年11月10日。浜口史郎さんの映画「たまごっち うちゅーいちハッピーな物語!?」のお仕事で、サウンドインのAスタに行きました。この映画「たまごっち」ですが、去年は田中公平さんが音楽を担当されてたんですよねえ。あ、去年の録音レポはこちらですが、アシスタントとして(?)丸尾稔さんもいらっしゃるようです。でも、今年は浜口さんなので、また新しい「たまごっち」が楽しめそうですね。それにしても、スタッフの方からも「曲数が多い」って聞いてたんで、さぞかし「書き」が大変だったのではないかと思います。

で、大変と言えば…実はヴァイオリンのマサさんのブログのこちらにも書かれてますし、私のブログのこちらにもチラッと書いたんですが、この日はおっちゃんもマサさんも大きな編成の録音のハシゴで、これまた大変だったみたいです。最近は世の中の不況の煽りを受けて音楽業界でも大きな編成での録音は減ってきた…なんて聞いたこともあったんですが、この日は特別。この録音の前にあったという(↓のレポ参照)横山菁児さんの映画「ゲゲゲの鬼太郎 日本爆裂」も随分と大きな編成だったみたいですよ。

さて、今回の映画たまごっちは「たまごっち うちゅーいちハッピーな物語!?」というタイトル通り、とても心があたたまってハッピーになるお話のようです。ちなみに、録音現場でスタッフのお1人が浜口さんに「今回のたまごっちは、どんなお話なんですか?」と尋ねると、浜口さんは神妙なお顔で「・・・・・・人生はお金じゃないという話です」って答えてくださったそうです。で、それを聞いてそのスタッフの方が「子供向けの映画なのに、深いですねえ」って言うと「ほんとによく出来てるんですよ…泣けるんです(>_<)」って、今にもウルウルしそうな雰囲気だったとか…。

浜口さん、素敵すぎます〜☆・:.,;*
見た目だけだと格闘技でもしそうなくらい男っぽい感じがするんですが(ちょっと高田延彦さんに似てませんか?(^^ゞ)、とっても優しくて繊細で物腰の低い、素敵な方なんですよ〜。私はまだ数回しかメールを交わしたことがないんですが、そのわずかなメールの中にも浜口さんのあたたかなお人柄があふれてて、いつか是非お会いしてみたい作曲家さんのお1人です。でも、こういうピュアな心の持ち主だからこそ、色んなことを感じられて、たくさんの引き出しを持つことが出来るんでしょうね〜。とても「ああっ 女神さまっ」や「ファイナルファンタジー」を手がけられた人と同一人物とは思えません♪


こちらはプレイバック中(?)のコントロールルームの様子です。写真の中央が浜口さんで、写真にマウスを乗せるとマサさんとおっちゃんの姿になります♪

…が、どっちの写真も思いっきり盗撮モードですよね?

うちのレポの写真を見て「盗撮的ショット」って名づけてくださった公平さんの笑うお顔が目に浮かんでくるようです(^◇^;)


あ、現場にいらしたインペク屋さんからは「コミカルなのもあればシリアスなのもあり、おっちゃんと篠原さんのテナーリコーダーが活きたノスタルジック(?)なものもあり、ゴージャスなワルツみたいな曲もあり(この曲のタイトルは‘セレブリア’)、本当に浜口さんの引き出しの多さに感心してしまいました」と大絶賛だったので、私としては「おおきく振りかぶって」以来また新たな浜口さんの世界を知れることになりそうで、とても楽しみにしてるところですo(*^^*)o

こちらは映画の一部のカットですが(写真にマウスを乗せると別カットに…)絵の上の方に時間っぽい数字が並んでますよね?

私の勝手な想像ですが、これで「○分○秒くらいにこのキャラがこんな動きをして…」みたいなのを確認して、それに音楽を合わせるんだと思います…って、違うかな?(^^ゞ


今回は映画なので当然フィルムスコアなんですが、それにしても作品によってはキャラが細かい動きしたり、画面がクルクルと入れ替わるものもあると思うんで、それに合わせて音楽を作るのは至難の業だと思います。特に、今回の「たまごっち」なんかも、どちらかと言うと動きが細かい方かも…?

細かい時間の制約がある中で…もしかしたら、そのほかにも使える楽器とか人数とかの制約がある中で、キャラの動作や心の動きを表現できる音楽を何十曲も書くって本当にすごいことですよね〜。おっちゃんも感心しきりでしたが、私なんかもう何て言っていいか言葉が見つかりませんよ(;^_^A



上のは当日の編成表?進行表?です。これだけでもすごく豪華な編成で、厚みのある音がするんだろうな〜なんて想像できますよね。写真にマウスを乗せると、一部がさらに大きくなります♪

この日のメンバーは、弦(マサさんのグループ:86442→44221))、フルート&ピッコロ&テナーリコーダー(おっちゃん・篠原猛さん)、オーボエ&イングリッシュホルン(庄司知史さん)、クラリネット&バスクラリネット(元木瑞香さん)、ファゴット(塚原里江さん)、ハープ(朝川朋之さん)、トランペット(寺島昌夫さん他)、トロンボーン(堂本正樹さん他)、チューバ(佐藤潔さん)、ホルン(南浩之さん・中島さん他1名)、パーカッション(高田みどりさん・藤井玉緒さん)、打ち込み(浜口史郎さん)、指揮(中谷勝昭さん)、エンジニア(中村充時さん)でした。

あ、冒頭で「この録音の前に横山菁児さんの録音があった」なんてことを書きましたが、今回のメンバーの中で、おっちゃんとマサさんグループ、それにパーカッションの高田さんや指揮の中谷さんはその横山さんとのお仕事でも一緒だったそうです。↓のレポの編成を見てみてくださいね。しかも、マサさんグループなんて、その2つのお仕事の間にもう1つお仕事してきてるんですからねえ…。で、指揮の中谷さんは横山さんの現場でも浜口さんの現場でもとても元気に棒を振ってらして「おれ、来年は大台だよ」なんて笑ってらしたそうですが、この大台って…何と80歳ってことなんですって〜。おっちゃんでさえも言ってましたが、私なんかからするとほんとに脱帽ですよね(^.^)b


こちらはモニター越しに見たホルンさんのブースです。

写真にマウスを乗せると、パーカッションの皆さんの様子が見られますよ♪


そうそう、現場に作曲家さんたちが見るスコアの製本がおいてあって、それを見たイマジンの社長さんが「しっかりと背表紙までつけて、随分と立派なスコアだなあ」と感心してらしたそうです。すると、それを聞いた浜口さんが「学生のころは貧乏でスコアが買えなくてコピーばっかりしてたら、おのずと製本が上手になりました(^^ゞ」って、何だかとっても嬉しそうにお話してたみたいですよ〜。浜口さん、可愛らしい方だなあ。ますます、お会いしたくなりました(^o^)

そういえば、そのコピーができない時代には、皆さん必死で写譜してたって、何かの本で読んだか、誰かから聞いたような…。こうした熱意や努力があってこそ、そのあとに得るものも大きいんですよね〜。私も自分の生活の中で見習わんとo(^-^)o


こちらは木管ブースです。
おっちゃん、なかなかいい笑顔です(^o^)

それにオーボエの庄司さんのユニークなこと…写真にマウスを乗せたら出てくる方なんか、オーボエをバットのように構えて、何かおかしいです(*^^*)

ん…?
よく見ると、画面の奥ではシンバルが炸裂してるみたいですね〜。おっちゃんたちはこうしてくつろいでるようですが、その間パーカッションはダビングか差し替えをやってたみたいです。


あ、庄司さんのお名前と写真が出たところで、庄司さんの素敵なエピソードを1つ…。この日、録音の進行状況としてはいい方で、多少のハプニングがあったものの、弦はちゃんと時間内に終わったんだそうです。で、そのあと木管さんが残ってダビングになったそうなんですが、そのときに機械のトラブルだかスタッフの方のミスだかで同じ曲を何度か演奏することになったんだそうです。

演奏上のミスはないのにそうした事情で何度も同じ曲を演奏するって…私のような一般人から見てもだんだんと溜息モードになりそうですが、ずっとハードな録音をしてきて「あと少し…」っていう現場の皆さんからすると、きっと「むむむ…」って感じですよね。実際、ほかの現場でもこうしたトラブルがあったときには、その場の空気がかなり刺々しいものになってくるんだそうです。

でも、この日は庄司さんの「何度も練習したから、上手くなっちゃった〜!」って笑いながらおっしゃった一言があって、それを聞いた皆さんも「わははは〜!」って笑うことで現場の空気がとっても和やかなものになったんだそうです。これで空気の流れそのものが変わったのか、その後はトラブルもなくスムーズに録音が終わったんだそうですよ。こういうお話って、あたたかくてホッとして、ほんとにいいですよね〜。現場でドギマギしてたスタッフの方々はもちろんでしょうけれど、聞かせてもらった私もとても嬉しくなりました(*^-^*)


こちらは今回おっちゃんと一緒にフルートで参加された篠原猛さん。ただいまテナーリコーダーの演奏中です♪

で、写真にマウスを乗せると、インペク屋さんが描いてくれた、たまごっちキャラの落書きになります…が、これがまた上手に描けてるんですよね〜。あの可愛さがよく伝わってきます(*^-^*)


おっちゃんたち笛のパートとしては、今回は事前に「リコーダー持ち替えで2人」というオーダーが入ってたそうですが、ちょっと一般人には分かりにくい言い回し方かなあ。これはつまり「リコーダー奏者が2人ほしくて、その2人それぞれにリコーダーを持ち替えてもらう」って意味だそうです。で、その後「テナーリコーダーまでほしい」っていうオーダーがあったそうですが、この時点ではテナーリコーダーに持ち替えるのは1人だけ…って感じだったそうです。でも、いざ当日には「2人でテナーリコーダーをやってほしい」ということになって、おっちゃんとしては「スタジオでテナーリコーダーが2人って珍しいなあ…何するんやろか?」なんて思いながらスタジオ入りしたようです。

そのテナーリコーダーを使った曲は2曲あって、オーボエとユニゾンになったり、オーボエのバックを務めたり…って感じだったそうですが、テナーリコーダーのやわらかな音色がオーボエを包み込むような感じで、なかなか素敵な雰囲気だったそうです。おっちゃんによると、ちょっとルネッサンス期の音楽を思い起こさせるような音楽で、スタジオではあまり出てこないパターンなんだとか…いったいどんな曲で、どんなシーンに使われるのか、楽しみですよねo(^-^)o


最後は浜口さんとおっちゃんの2ショットです♪

ああ、やっぱり高田延彦さんに似てるかも…そう思いませんか!?

今回もレポさせてもらうことで浜口さんの新たな一面を知ることができて、とても嬉しかったです(*^-^*)


この映画は、2008年12月20日から全国の映画館で上映されます。とにかく可愛くて、それでいて泣けて為になるハートフルな映画、浜口さんのお人柄がにじみ出たあたたかくて楽しい音楽とともに、ぜひ楽しんでくださいねo(^-^)o

 

最後に…映画公開に向けての特番を動画でどうぞ(^.^)b

 

 

507 映画「ゲゲゲの鬼太郎 日本爆裂」(横山菁児)

2008年11月10日。ビクターの301スタに行きました。おっちゃんたちのお仕事は録音のわずか数日前にオーダーが入る…なんてことも珍しくないようですが、この日のスケジュールは随分と早くから押さえられていたんだそうです。それもそのはずです。この日は「弦が○人でトランペットは○人で○○の楽器も入れて…」みたいな編成が出るのも、スコアが書き上がるのも早いので有名な、横山菁児さんのお仕事だったんです。

そのお題は劇場版「ゲゲゲの鬼太郎・日本爆裂」。この「ゲゲゲの鬼太郎」は歴史が古いこともあって、今までに色んな作曲家さんが音楽を担当されてますよね。最初はいずみたくさん。その後は堀井勝美さんや和田 薫さん、そして今は亡き川崎真弘さんも作曲されてました。今回は空前の日本アニメブームで沸くフランスでも大人気の横山菁児さんが音楽を担当されるので、世界を股にかける映画と言えそうですね♪


こちらはフロアの弦の皆さん。

このマサさんグループは、この日はこの録音のあとでさらに2軒も録音をハシゴされたとか…。

詳しくは、マサさんのブログのこちらを読んでみてくださいね(^^ゞ


楽器の編成は、弦(マサさんのグループ:86442)、フルート&アルトフルート(おっちゃん)、ピッコロ(相馬充さん・おっちゃん)、オーボエ(石橋雅一さん)、ファゴット&コントラファゴット(霧生吉秀さん)、ハープ(勝間田さん)、トランペット(数原晋さん他)、トロンボーン(?)、チューバ(佐藤潔さん)、ホルン(吉永雅人さん他)、パーカッション(草刈とも子さん・薄田真樹さん)、ドラムス(伊藤史朗さん)、ベース(伊藤昌明さん)、ピアノ(美野春樹さん)、ギター(角田順さん)、シンセ(佐藤さん)、指揮(中谷勝昭さん)、エンジニア(大野映彦さん)です。

おっちゃんに言わせると「いかにも横山さんらしいメンバー」なんだそうですよ。また、フルートが2人もいるのにクラリネットがいない…というのも、横山さんの編成の大きな特徴なんだそうです。もちろん毎回ではないですが、クラリネット抜きというのはかなり多いようですね。それにしても、豪華なメンバーです(^o^)


こちら霧生さんが吹いてらっしゃる大きな楽器は、コントラファゴットです。妖怪がいっぱい出てくる今回の映画のような音楽には、ピッタリかも…ですね♪

で、何と、つい最近あらたに購入されたとかで、この日が初めての演奏だったんだそうですよ〜。

おっちゃんは「オケを引退された霧生さんがとんでもなく高いコントラファゴットを買われるってのは、すごい意気込みを感じるなあ」なんて言ってましたが、おっちゃんも負けずに頑張ってもらわんと…ね?(^_-)-☆


編成が大きくて曲数もかなりあったそうなんですが、最終的には4時間半という拘束時間をちょっと押したくらいで無事に終わったそうです。この、録音がスムーズに進んだ理由の1つとしておっちゃんは「スコアミスがすごく少なかったってのが挙げられるんではないか」とのことでした。ただ、スコアに間違いがなくても写譜ミスがあると余計な時間がかかってしまうんだそうですが、横山さんの写譜は林さんというベテランの写譜屋さんが担当してらっしゃるそうで、このあたりはもう何にも心配いらないんだそうです。

さらに言うと、この林さんという写譜屋さんは、ミュージシャンの皆さんが見やすいようにリピートやDSマークを色分けしてくれるなど、色んな工夫をしてくださるんだそうです。こうしたミュージシャンを思いやる気持ちとその配慮が、現場でもとっても好評なんですって〜。ちなみに田中公平さんも、この林さんにお願いしてるみたいですよ。世界は違っても、この相手を思いやる心と行動は、私たちも見習わないと…ですよね(^.^)b
 
ところで、横山さんは冨田勲さんの「リボンの騎士」の録音では代棒をつとめてらしたくらい棒が上手な方だそうで、ご自身の録音ではいつもご自身で振ってらっしゃるんだそうですが、今回は中谷さんが代棒で来てらしたそうです。おっちゃんは「映画やし、コントロールルームでサウンドを確認しながらやりたかったんだろうなあ」なんて言ってましたが、やっぱりそうなんでしょうねえ。横山さんが棒を諦めてまでチェックされてできた音楽、どうなってるのか楽しみなところですo(^-^)o

その音楽は、横山さんらしさがとてもよく表れたものだったそうで、ときどき出てくる例の鬼太郎のテーマがなかったら、とてもアニメの音楽とは思えないような素晴らしいものだったそうです。また、おっちゃんに言わせると「今回も綿密に計算して書いてあるなあ」って印象も強かったとか…。

この映画は、2008年12月20日から全国でロードショーされます。鬼太郎の声優が高山みなみさんでネズミ男が高木渉さんのようなので、私はつい「名探偵コナン」を想像してしまうんですが、こうしたキャストと横山さんの音楽でどんな鬼太郎の世界を描かれるのか、これもまた楽しみなところですo(*^^*)o

 

 

506 吟詠歌謡(鈴木英明・小町 昭)

2008年10月21日。文京区関口台に有る、キングレコードの1スタに行きました。この日は、「吟詠歌謡」といって、つまりアンコ(スタジオ用語辞典参照)に詩吟が入る…という曲を2曲やったそうです。おっちゃんがスタジオに入る(前に、すでに2曲ほどやってたみたいですけどね。

アレンジャーは、1曲目の「おくのほそ道」が鈴木英明さんで、2曲目の「厳島」が小町昭さん。こうした吟詠歌謡のシリーズは、おっちゃんが知る限りでも20〜30年前からキングレコードで定期的にやってるそうで、おっちゃんは「プライベートアルバムってことでもなさそうやけど、特定の詩吟グループを通じて出回るアルバムちゃうかなあ」なんて言ってましたが、どうなんでしょうか…?

スタジオ用語辞典にも書いてありますが、普通「アンコ」といういうと、何か演歌っぽい曲のワンコーラス目とツーコーラス目の間とかの間奏の部分に詩吟が入るという構成になってるんだそうです。つまり、メインは演歌なんですね。で、そのアンコになるところはせいぜい数小節で、けっこうよく知られてるメロディーを使うことが多いんだそうですよ。

でも、この日のような吟詠歌謡は、そのアンコに入る詩吟の部分がかなり長く、時間的に言うとワンコーラス以上になることも多いんだとか…つまり、アンコがメインで、その前後に演歌があるって感じですかね。

しかも、今回はその詩吟の部分のバックにもオケが入ることになってたみたいで、アレンジャーさんたちはけっこう苦労されたようです。何故かと言うと、まずはその詩吟グループさん(?)から詩吟の資料(最近だとMDやCDなどの音楽データ)をいただき、それを聴きながら楽譜に起こしていくんだそうですが、これがまたクラシックや洋楽みたいにきっちりと○拍とか○拍子なんて決まりの中で歌ってるものではないんで、楽譜に起こすのも大変なんだとか…。ついでにいうと、前後の演歌の部分とは全く違うテンポで歌ってたり、気分のままにルバートしまくってるので、その演歌の部分とのつながりっていうか、流れを合わせるのが大変なんですって〜。

で、こうした吟詠歌謡のアレンジの仕方には2通りあるそうで、1つはその音楽データを聴きながら、なるべくそのタイミングに近いように忠実にコピーすると云うやり方…これでやると、当然ながら3拍子・5拍子など、小節ごとに拍子も変わりまくるということになり、オケのミュージシャンとしても拍を数えるのが大変なんだそうです。

もう1つは、多少のタイミングのズレには目をつぶって、なるべく前後にある演歌の拍子…4拍子か2拍子くらいに納めてしまうやり方なんだそうです。これだと、音楽データにあった詩吟とは微妙なタイミングが違ってしまうことになるんだそうですが、実際に詩吟をダビングするときには、ほとんど違和感なくできるんだそうです。つまり、詩吟をされてる方は拍数を数えて詠ってるわけではなく、そのときの気分でルバートしてることが多いので、意外とすんなり合わせられることも多いようですね。


ちなみに、こちらはこのときの楽譜の一部なんですが…あ、クリックしてもらうと、別窓でもっと大きく見られますよ(^.^)b

これは、え〜っと…編曲の仕方で言うと前者になるのかな?

これを見たときの私の正直な感想は…「え…これ楽譜? 音符はどこに?」でした(^◇^;)


何にしても大変ですよねえ…で、昔はテンポやタイミングの打ち合わせ間違いがあったり、差し替えが不自由だったりして、ほかの歌ものの録音に比べるとかなり時間がかかってしまうことが多かったようですが、最近はクリックを2種類使うなどして随分とスムーズにできるようになったそうです。そんなわけで、この日の録音もちゃんと時間内に余裕で終わったみたいです(^o^)

こちらは、ドラムのチコ菊池さん。チコさんというのはもちろん愛称ですが、もう長年チコさんで通ってるベテランドラマーさんです。ご本名は菊池佐利さん。

写真にマウスを乗せるとアップになりますが、笑顔の素敵な方ですよね(*^-^*)

エンジニアの伊豫部富治さんのサイトによると、こちらのようなアルバムもリリースされてるようです(^.^)b


おっちゃんの話によると…リズム隊のプレイヤーさんというのは、体力的な問題やスタイルの移り変わりについていきにくいことなどがあって、スタジオではあまり年配の方はいらっしゃらないないんだそうです。でも、このチコさんはおっちゃんよりもずっと先輩で、しかも今なお現役でバリバリ活躍してらっしゃる、貴重なミュージシャンさんなんだそうですよ♪…って、とってもお若く見えるんですが、おっちゃんより先輩って!?

また、長年のご経験による話題の豊富さと楽しいお話ぶりに、録音の合間などにお話していても飽きることがないんだそうです。うん、こんなにこにこ顔だと、どんなお話を聞いていても飽きることがなさそう。おまけに話題が豊富となると…ああ、私もいつかお話してみたいなあo(^-^)o

そういえば、チコさんがこの仕事場探検に登場してくださるのはこれが初めてだと思います。実は、おっちゃんは現場でよくお会いしてたそうですし、私もチラホラとお話は伺ってたんですが、何せそのお仕事のほとんどが歌もののレコーディングだったので、今までレポすることができなかったんです。何で歌もののレコーディングをレポするのが難しいかと言うと、アーティストの公表やリリース時期の発表などについて色々と制約が多くて、レコード会社と連絡を取るのが大変なんです。で、どうしても許可の取りやすい劇伴関係のレポが多くなってしまうんですが、今回こうしてレポさせていただけて本当に良かったです(^o^)

この日のメンバーは、ドラムス(チコ菊池さん)、ベース(松下英二さん)、ピアノ(木藤義一さん)、ギター(高島政晴さん)、ラテン(片山茂光さん)、シンセ(猪股義周さん)、フルート&1曲目の篠笛(おっちゃん)、2曲目のクラリネット(佐野博美さん)、パーカッション(越野禎子さん:前録り)、琴(?)、尺八(?)、2曲目の篠笛(素川欣也さん)、弦(大下茂樹さんのグループ:4422)、エンジニア(増田さん・松山努さん)でした。


 

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