おっちゃんの仕事場探検

Home  All Title  Dictionary  Guestbook  Mail  Web Clap  Back

劇伴(映画・ドラマ・アニメなどのBGM)がどんなところで、どんな風に作られているのかを、おっちゃんから聞いたお話を中心にレポートしていきます。レポートの番号が進むにつれてだんだんと内容が濃くなり、ときには作曲家さんやエンジニアさんからいただいたコメントも出てきます。

ただし、これらは録音時の記録が主になっているので、実際にオンエアまたはリリースされたときにはタイトルが変わってる…なんてことも稀にあります。また、私の音楽の知識やパソコン技術の問題などによりお見苦しい点も多いかと思いますが、あたたかい目で読んでいただけると嬉しいです(*^^*)

こことは別の「スペシャルレポート」「オフラインレポート」などのページでも作曲家さんやエンジニアさんのお仕事ぶりやオフのときの様子をご紹介していますので、合わせてご覧下さい。

最後に…どうぞレポートをご覧になってのご意見・ご感想などを、ゲストブックやメール・ウェブ拍手などを通じてお聞かせください。今後の参考に、そして励みにさせていただきたいと思います。よろしくお願いしますm(__)m

 

 

 

 

193 映画・犬夜叉「紅蓮の蓬莱島」(和田 薫)

2004年11月18日。都の西北、都内早稲田にあるアバコスタジオに行きました。皆さん、お待ちかねの劇場版「犬夜叉 紅蓮の蓬莱島」の音楽録りです。音楽は和田 薫さん。今回のスケジュールは約1ヶ月半くらい前から決まってたようで、おっちゃんも「来月の18日は犬夜叉〜♪」「今月の18日は犬夜叉〜♪」「来週の木曜日は犬夜叉〜♪」ってな感じで、とても楽しみにしてました。何せ、去年はスケジュールがバッティングして、泣く泣く参加を諦めたんですものね。おっちゃんファンの皆にも、どれだけ残念がられたことか…。


これは、AVACOスタジオがあるビルの外観です。おっちゃんの頑張りのおかげでスタジオの中の風景はときどき見ることができるようになりましたが、それは一体どんなところにあるんだろう…なんて思ったことはありませんか? ふと疑問に思って、今回は外観の写真もお願いしました。

結婚式場のようなビルの3階にAVACOスタジオはあるようです。この道路を和田さんやおっちゃん、そしてたくさんのミュージシャンの方が歩いてるってことですよね(*^^*)

写真にカーソルを乗せると、AVACOスタジオへの案内板が見えます(^^ゞ


残念ながらテレビの放映は終わってしまいましたが、今回の曲数も全部で60曲とかなり多く、スタジオに来られてたスタッフの数からしても、いまだ冷めやらん和田さんやスタッフの皆さんの熱い気持ちをひしひしと感じたそうです。この日のスタジオには取材のカメラも入ってて、演奏中の映像を撮りたかったらしくて頑張ってたようですが、テスト録音の時しかカメラが回せないので、けっこう大変そうだったようです。何せ、ほとんどがたった1回の練習だけで本番に臨むので、カメラマンさんは出たり入ったりと、本当に忙しそうだったんですって。


こちらはチョー貴重な楽譜の写真ですよ〜。
「M−1」と書かれてるので、映画の最初に使われる曲のようです。でも、これは、おっちゃんのパート譜…まだ、何が何やら分かりませんよね。実際にこの音符が映画館ではどんな風に聴こえてくるのか、ますます楽しみですo(^o^)o

で、左側の映画のタイトルを書いた部分が、たくさんある楽譜たちの表紙のようになってるんだそうです。最近は写譜屋さんにもPCの得意な方が多いそうで、色んな手法できれいに仕上げてきてくれるそうですよ。でも、これ、たった1回きりで捨ててしまうんですよね…あぁ、何ともったいない(>_<)ヽ


さて、肝心の音楽の方ですが、お馴染みの犬夜叉のテーマにそのテーマバリエーション、今回の映画用の新テーマとそのバリエーション、また、激しい戦闘シーンや不気味な感じの情景描写など、今までの音楽を更にヴァージョンアップさせたような感じで、サントラとしては十分すぎるくらいの聴き応えがあるのではないか…とのことでした。


指揮台に座ってる和田さんです。今までにも何度か指揮台に座ってる写真が出てきたかと思いますが、こんな「台」だったんですね…またまた新しい発見です。

写真にカーソルを乗せると、和田さんがアップになりますよ♪

いつもにこやかな和田さんですが、この日は60曲も書き上げてクタクタになってるはずで、きっと険しい表情なんだろうなあなんて思ってましたが、どんなときでも表情が軟らかいですよね〜。こうしたところにも、和田さんのお人柄が感じられますね。


あ、今回の収録では、スケジュールや色んな事情で、いつもとは少しだけ顔ぶれが違っているようなので、ひと味違った彩りが楽しめるかもしれませんよ〜。とにかく、ミュージシャンの皆さんは、1人ひとりのカラーがとてもハッキリしてらっしゃいますからね♪


二胡の音をさらってるマサさんです。そのマサさんに向けてマイクの位置を調節してるのはエンジニアの山田さんで、画面の右端で立ってらっしゃるのが篠笛の藤崎さんです。

写真にカーソルを乗せると、二胡を演奏してるマサさんの別アングルからのショットが見えますよ〜♪


そうそう、犬夜叉の映画は今回で4作目になるのですが、最初の2作のタイトルコール(作品のタイトルや監督さんなんかの名前が出てくるOPの部分の音楽)は、いかにも犬夜叉らしい勇ましい音楽だったでしょ? でも、3作目ではガラッと変わって、とても牧歌的な穏やかな音楽でしたよね? さてさて、今回はどんな幕開けになるんでしょうか。実は、私は大体のところの雰囲気は知ってるのですが(だから尚さら早く映画館に行きた〜い!)、ここではあえてお教えしません。ぜひ、音響設備のいい映画館で、しかと体感してきてくださいねo(^o^)o

おやおや、3人で何やら話し込んでますね。

ヘッドフォンを持ってるのが梯(かけはし)さんで、真ん中の方が細谷さん、そして右側は和田さんですよ。

おっちゃんの話では、全体の録音が終わったあとでパーカッションはダビングがあったそうなので、その打ち合わせなんかをしてたんじゃないかなあ〜とのことでしたが、細谷さんによると、どうやらヘッドフォンの使い心地についての雑談に花を咲かせてたそうです。こういうちょっとしたことからも、信頼関係が築けていけるんでしょうね。


編成は、弦(マサさんのグループ・86442)、フルート・ケーナ(おっちゃん)、オーボエ(庄司知史さん)、クラリネット(及川 豪さん)、ファゴット(前田正志さん)、篠笛・能管・尺八(藤崎重康さん)、パーカッション(梯 郁夫さん・細谷一郎さん他:細谷さんのHPでは今回の録音で使われた楽器が詳しく紹介されています)、ウード・ブズーキ(松宮幹彦さん:翌19日にダビング)、ハープ(小林聡美さん)、ブラスは日フィルのメンバーを中心に編成されてたようです。指揮はもちろん和田さん、エンジニアは山田さんでした。これらのほかに、琵琶や和太鼓、三味線(多分、和田さんご本人の演奏)などが入ったようです。

この日、おっちゃんにはケーナの曲が5〜6曲あったそうです。現場から「今日はケーナが何曲かあるみたいじゃ♪」なんてメールをもらったときにも、とっさに「ひょ〜♪ 犬夜叉でケーナって、珍しいんちゃう?」と返信したのですが、ほんと珍しいですよね? おっちゃんならではの温かくて切ないようなケーナの音色は、一体どんなシーンで使われるんでしょう?

あ、ちょっと前に和田さんのHPの掲示板でも話題になってましたが、今回の映画では登場キャラが劇中歌を歌うんだそうですね。で、その歌の中でもケーナが使われてるようです。

真剣にケーナを吹いてるおっちゃんにカーソルを乗せると…(^◇^;) 


続いては和太鼓のお話です。下の写真は演奏者である細谷さんに提供していただきました。犬夜叉と言えば和太鼓が重要な役を担ってますが、特製3尺3寸という大きな太鼓を持ち込まれたんだそうですよ。ほんと、大きいですよね〜。細谷さんのサイトによると、前作よりも更に低音がパワーアップし、音色が豊かになったとか…。これがもうすぐ映画館の大音量で聴けるのか〜と思っただけで、ぞくぞくしてきますね〜♪

その和太鼓の録音ですが、何と60曲を録り終えたあと(そのうち、細谷さんは40曲ほどに参加)に行われたんだそうです。上の方にある3ショットのところで「パーカッションはあとでダビングが…」なんて話しましたが、まさかそれが体力勝負の和太鼓だったなんて…でも、ご本人は「気合いだーーーー!!!!」で乗り切ったんだそうです(^^;ゞ 細谷さん、とてもユニークな方ですね♪

あ、細谷さんは今回の録音ではティンパニも担当してらっしゃるそうですが、そのティンパニはいつもレンタルなんですって。で、そのレンタルティンパニの皮に破れが見つかり、急きょ途中で代わりを持ってきてもらって入れ替えた…なんてハプニングもあったそうです。何か、聞いてる方がドキドキしてきますね。でも、ピアノの方以外は楽器は自前だと思ってた私には、とても新鮮で面白いお話でした(*^-^*)


今回の録音は、最初から「7時間拘束」だったようですが、いつもの和田さんのパターンから見て、きっと今回も余裕を持たせてるんだろうなあって思ってたんです。でも、さすがに60曲もあって、おまけにおっちゃんはケーナのダビングなんかもあったので、ほぼ7時間しっかりかかってしまったそうです。ダビングのなかった他の木管の人たちは、おっちゃんより1時間くらい早めに終わってたみたいですけどね。でも、それにしても、60曲をたった7時間で録ってしまうって…あらためて、おっちゃんたちミュージシャンの腕と、和田さんや山田さんとのチームワークの良さに感激してしまいますよね?

さて、無事に全ての録音を終えて、やれやれと帰宅したころにインペク屋さんから1本の電話が…。何と、ケーナのダビングで、1曲録りこぼしがあったんだそうです。1曲の中でフルートとケーナを持ち替えて吹くことになってる曲があったらしいのですが、そのケーナの部分は後入れ…ってことで録音を始めたものの、どうやらそのダビングを忘れてしまってたようなのです。同じようなテーマの曲が何曲もあったし、曲目が多かったので、チェックしきれなかったみたいですね。

その電話では「翌日も和楽器なんかのダビングがあるので、できればその時に来てもらえたら…」とのことだったので、おっちゃんは快くOKしたそうです。で、翌日もいそいそとAVACOに向かったのですが、その道中でひどい交通渋滞に巻き込まれ、1時間もの大遅刻になってしまったそうです。こうして、普段なら2時間弱で行くところを3時間もかけて何とか辿り着き、約10分くらいでダビングを終えて、また2時間ほどかけて帰ったそうです。いやはや、お疲れさまでした。この曲、どうやら映画の最初の方に使われるようです。フルートとケーナが聴こえる曲があったら「ほほぉ〜これが大遅刻して録った曲かあ」なんて思って聴いてみるのもいいかも…ですね(^^;ゞ

映画の公開は12月23日。その前日の22日にはサントラもリリースされますね。で、今回の録音現場にはテレビカメラも入ってたとのことですが、和田さんのお話だと12月中旬に特番があり、その中で録音風景なんかも放送されるようですよ〜♪ 気忙しくてついついユウウツになりがちな師走ですが、今年も「犬夜叉」のおかげで素敵なクリスマス&年越しになりそうですねo(^o^o)(o^o^)o

 

 

192 小学校用の教材録音

2004年11月12日。夕方からコロムビアレコードの1スタに行きました。いつぞやのリポートで「学芸」なんて表現がありましたが、この日は年に何度かやっている教材の録音です。今回は小学校用の教材で、観賞用ではなく模範演奏用の録音だったようです。全体では25〜26曲やったようですが、その中でおっちゃんのリコーダーが入っているのは15曲、そのうちの4曲にはダビングもあったようです。

この日は、小学校の教材だったこともあって、前にやった中学校教材のとき(152番参照)のような難しいものはないし、そんなに長い曲もないので、今度こそ(!)やればすぐに終わるんじゃないかな〜なんて思ってたようです。でも、今回もまた((^^ゞ)前の録音が押していたために開始が2時間ちかく遅れてしまったり、途中で機械トラブルで中断があったりで、押しに押してしまったようです(どうも教材の録音には魔物が住んでいるようで…)。

そういや、この日は何かの連絡があって、あさひ組の皆で携帯の一斉メールを回しあってたように思うのですが、その中でおっちゃんからは「午前様になるのは確実のもよう…」なんてメールも来てたように思います。その後も夜中の1時くらいには「あと1曲なんやけどなあ…」みたいなメールがきてて、ようやく無事に全てを終えて帰路についたのは、午前1時半を軽くすぎてたんじゃないかなあ。最近よく使われるようになったハードディスク録音は、いろいろと便利な機能もいっぱいあるようですが、データをロードしたりするのに時間がかかったりするので、なかなか進行が思うようにいかないことも多いようです。いやはや、お疲れさまでした<(_ _)>

そんな大変な思いをして録った曲のタイトルは…

「きらきらぼし」「いるかはざんぶらこ」「* 小さな花,」「* さよなら」「* エーデルワイス」「* ちびっこカウボーイ」「ドレミで歌おう」「* ゆかいな木きん」「* あの雲のように」「トンクルリン・パンクルリ」「冬の歌」「山のポルカ」「* 山ねこバンガロー」「* ミッキーマウスマーチ」「* ラバースコンチェルト」「アリラン」「まつり花」「ふしと和音(夕やけこやけ)」「* 勇気ひとつを友にして」「静かにねむれ」「こいぬのマーチ」「* こきりこぶし」「* オーラリー」「かっこう」「* パフ」「* やさしい風に」「* ゆかいに歩けば」

でした。今回は私でも知ってるようなのがかなりあるなあ(…と言っても、タイトルを聞いたことがあるって程度ですが(^^;ゞ)。皆さんはどうですか? うわっ、「ゆかいに歩けば」なんて、はるか昔にトランペットを吹きながらパレードしたような…(^-^;) あ、「*」の付いているのが、おっちゃんのリコーダーが入ってる曲です。おっちゃんは「ヨン様ブームに乗っかったわけではないんやろけど、アリランが入っとるんが面白いの〜」なんて言ってましたが、あれは情感あふれるいい曲ですよね。素敵な唱歌や童歌がどんどん減っていってるという今でも、ちゃんと教科書に載せてくれてることに少し感動しました。

編成は、草刈とも子さん・川瀬さん(パーカッション)、水野さん(鍵盤ハーモニカ・ハーモニカ)、猪俣さん(シンセ)、旭(リコーダー)、美野春樹さん(ピアノ)、上芝はじめさん(ピアノ)だったようです。あ、美野さんと上芝さんのピアノは先に入っていたので、一緒にやったわけではないとのことでした。

ちょっと聞いたところによると、来年の春から全国の教科書が一斉に変わるようですね。もしかすると、うちの子の学校も、皆さんのお子さんも、この教科書&CDに出会えるかもしれません。春が楽しみですねo(^o^)o


 

191 映画「オペレッタ狸御殿」(大島ミチル)

2004年11月11日。大島ミチルさんとのお仕事で、サウンドシティのAスタへ向かいました。この録音の前日くらいの大島さんの日記に「映画・狸御殿の‘書き’が全部あがりました!」と書かれてたので「もしや…?」と思ったら、やっぱり映画「オペレッタ狸御殿」の音楽録りでした。この日のおっちゃんの拘束時間は4時間。これは、大島さんの仕事の中ではどちらかと言えば長い方になるんだそうですが、それに見合うくらいの、かなりの曲数があったそうです。スタジオには、監督の鈴木清順さんや映画会社の人もたくさん来てらして、副調室は過密状態だったようですよ(^^ゞ

さて、録音はまずリズム隊と一緒に、先に入っているクリックと仮歌に合わせてダビングするところから始まったようです。あ、その仮歌ですが、今回の映画で日本の映画に初出演し、2004年は映画「LOVERS」やCM「ASIENCE」でも話題になった章子怡(チャンツィイー)さんだったそうですよ。もちろん「オペレッタ狸御殿」というくらいなので、映画の中でも歌のシーンがたくさんあるようですが、仮歌の段階からご本人が歌ってるんですね〜。で、こうして出来あがったオケを聴きながら、あとでちゃんと歌い直すんだろう…とのことでした。

この歌の録音あとは、普通の劇伴と同じように、編成の大きいものから順に録っていったそうです。オーボエとクラは3時間拘束だったようなので先に帰ってしまい、最後は弦・パーカッション・ハープ・笛が残ったそうです。あ、おっちゃんのパートでは、フルートとピッコロ以外に、幽霊のシーン・御神楽のシーン・お祭りのシーンなどで篠笛を使ったほか、ソプラノリコーダーとオーボエのユニゾンっていう曲もあったようです。


ブースのドアを半開きにして撮ってくれた、フロアの様子です。写真にカーソルを乗せると、中央の大島さんがいらっしゃるあたりがアップになりま〜す♪

おや? アップにすると、大島さんの横には「ダジャレ大王」との異名を持つ名ヴァイオリニストさんのお顔も…分かりますか?(*^-^*)


そうそう、1曲だけ監督さんのイメージと合わなかった曲があって、それに関しては「あとで考えます…」ということで保留したんだそうです。でも、弦の人たちが帰ったあとで、急きょ、先にリコーダーでやったメロディを、大島さんのピアノとおっちゃんのフルートのみでやることになったんだそうですよ。30秒ほどの短い曲だったみたいですが、おっちゃんにとっては、とても思い出深い曲になったみたいです。…と言うのも、おっちゃんと大島さんとは随分と長いお付き合いになるのですが、こうして大島さんご自身のピアノと一緒にやるのは、実はこの日が初めてだったんだそうです。あとで「なかなか貴重な体験やった(*^-^*)」と嬉しそうに話してくれました。
 
最後にちょっと余談になりますが…大島さんとのお仕事のときは、だいたい終了予定時間の1時間くらい前には「終わった〜♪」とのメールがあって「えっ? もう!?」って思うことが多いのですが、この日はなかなか連絡が来ませんでした。ふと時計を見ると、もう1時間ちかい延長戦になってるもよう。さすがに「何かあったのかな…?」とドキドキしはじめたころに、やっと「終わった…えらい押してしもた(*_*)」との連絡が入りました。今回は「編成が大きい」「曲数が多い」「機械的なトラブルが少々」という3拍子のほかに、タイミングの微妙なところもあって、大島さんのお仕事としては珍しく、かなり押してしまったそうです。おっちゃんは約1時間の押し、最後にダビングがあったパーカッションの人は、2時間も押しちゃったんだそうです。どちらさまも、お疲れさまでした<(_ _)>

この映画は、2005年5月下旬に、東京の「丸の内ピカデリー2」ほか全国の映画館でロードショーされるようです。どうぞ、お楽しみに〜♪


 

190 映画「北の零年」(大島ミチル)

2004年11月5日。南麻布にあるるスタジオ・ルームいうところに行きました。出発前に「初めて行くとこやから、先に送ってもろたファックスを頼りに行かんならん」なんて言ってたおっちゃんですが、実は全くの初めてでもなかったようですよ。無事に着いたところでそんな話をしてたら、エンジニアさんに「前にここで石橋さん(オーボエ)と一緒に録りましたよ〜」って言われちゃったそうです。道順もスタジオ名も綺麗さっぱり忘れてたのに、エンジニアさんの一言と、どう考えても2人でいっぱいになるような小さなブースに入ってしばらくしてると、やっとおぼろげながら思い出してきたとか…。
 
さて、 この日は大島ミチルさんのサイトでも何度も話題に上っていた「北の零年」という映画の録音だったのですが、もう皆さんもご存知の通り、この音楽は大島さんがロシアまで飛んで、100人近い編成のオケで録ってこられたんですよね。今回のおっちゃんは、そこにダビングという形での参加となりました。

事前に「ケーナと篠笛」というオーダーがあったようなので、取りあえずC管のケーナ(ソプラノリコーダーと同じ音域)でやってみたものの「ちょっと高すぎるなあ」とのことで、たまたま車に乗せてあったローホイッスル(←タイタニックの映画のテーマで使われてたヤツです)なんかも出してきて、色々と試してみたんだそうです。すると、「ローホイッスルはイメージとしてはピッタリなんだけど、歌口から出るノイズが気になるなあ」とのことで、最終的にリコーダーに落ち着いたようです。とても狭いブースなので、普段なら大して気にもならない歌口からのノイズが余計に目立っちゃったみたいですね。
 
この映画は、江戸時代に徳島藩(地元では‘阿波藩’って言ってるけど、それのことですよね?(^^;ゞ)の支配下にあった稲田家が明治政府の新しい政策のために北海道移住を命じられたことから始まるようですが、この日おっちゃんがテナーリコーダーで吹いたメロディがメインテーマになるそうで、これは吉永小百合さんと渡辺謙さん夫婦の場面に使われるみたいです。現場で大島さんから「ここが1番おいしい場面なのよ〜♪」というお話もあったそうですよ。大島さんHPの掲示板レスにも「ロシアのオーケストラに負けないあさひさんの音色! 映画の中でもひときわ味を出して要になっています!」と書かれてましたし、ほんと楽しみですねo(^o^)o

おっちゃんが入ったのは6〜7ロール(‘ロール’=6〜7‘曲’という解釈が妥当かなあ…。近いうちにスタジオ用語辞典の方で詳しく説明してもらいますね)だったようですが、どれも10分くらいあるような長い曲ばかりだったようです。また、そのメロディも、舞台となっている広々とした北海道の原野を感じさせるようなスケールの大きなフレーズ…楽譜で言えば「音符の数が少ない」伸びやかな感じで、観ている人を惹き込んでいくようなものだったそうです。

思うに、こうした「音符の数が少ない」フレーズこそ、奏者の力量が問われるんではないでしょうか。うちの合唱団の先生も「音符の少ないシンプルな楽譜の場合、その1つの音符を伸ばしてる間にいかに表情をつけるかで、その音楽は生きも死にもする」なんてことをよく言ってます。だからこそ、大島さんの掲示板での発言が、本当に胸に響きます。
 
ひと通りの録音が終わったところで、番外として篠笛のアドリブ(な〜んにも楽譜なし!)で、断片的なフレーズを何種類か録ったそうです。監督さんの「和風西部劇」みたいな感じにしたい箇所があって、そのアクセントとして使いたい」というお気持ちに添ってのことだったようですが、映像とのタイミングなんかはあとで編集されるそうです。この使いどころも楽しみの1つですね♪


無事に全ての録音が終わったところで、行定 勲(ゆきさだいさお)監督と大島さんの3人で撮ったという写真をどうぞ♪

皆さん、達成感いっぱいのいい笑顔ですね(*^-^*)

ところで、この行定監督って、どこかでお名前を見たことがあるなあと思ったら、2004年の大ヒットドラマ「世界の中心で愛をさけぶ」の監督さんだったんですね〜。こんなお若い、素敵な方だったとは…。


ここで、ロシアでの録音に関しての裏話(ぜんぜん裏じゃないかも(^^ゞ)を…。録音はかなり大きな、撮影所の中にあるスタジオでやったそうで、おっちゃんたちは「昔、日本の撮影所にあったダビングルームみたいな感じかな〜?」などと想像しながら話してたそうです。そのロシアのスタジオにはブースは一切なかったようなので、音は回り込みまくっているかも知れませんが、「かえってオケらしいサウンドになって、良かったんかも知れんなあ」とのことでした。また、大島さんのお話では、ロシアの弦楽器奏者なんかは、日本のオケやスタジオミュージシャンのものに比べると考えられないくらい安物の楽器を使っているんだそうですが、それでも人数が多いと良い音がしますね〜なんてことも話してたそうです。

おっちゃんに「100人近いオケをバックにダビングする気分ってどう?」と聞くと、「音の合間に指揮者の声とかでロシア語の断片が飛び交っとって面白かったわ。ほんで、さすがに大編成のオケはサウンドの幅が半端やないし、わぁ〜っと盛り上がる箇所のパワーはかなりの迫力で気持ち良かったけど、どうせならロシアまで行きたかったなぁ」なんて感想が…(^^ゞ でも、確かに音の大海原に1人でたたずむ…って、何とも言えない心地よさがあるだろうなあ。いつか、そういう機会にも恵まれるといいですね。

この映画は、2005年1月15日に公開されます。もう、色んなテレビでもよく紹介されてますよね? 映画の公式サイトにある写真や予告編映像を観ても分かるように、映像のスケールの大きさも半端じゃないんですよね。そこに、おっちゃんの語る「NHKの63億人の地図もかなりスケールが大きかったけど、あれをもっともっと壮大にした感じの音楽じゃ」が合わさると…とんでもないダイナミックな映画であることは間違いありません。ぜひ、たくさんの人に、できるだけ音響設備のいい映画館で観てほしいと思いますo(^o^)o

 

 

189 美しの里アルバム(黒石ひとみ)

2004年10月29日。南青山にあるスタジオKIMのスタジオで、葉祥明さんの絵本でお馴染みの「美しの里」の新しいアルバム録音に臨みました(‘美しの里’の音楽に関しては、45番73番でも取り上げてますので、また覗いてみてくださいね♪)。


このアルバムの中でのおっちゃんの出番は、パンパイプとフルートで1曲ずつだったようです。

どちらも黒石さんの作曲されたものですが、黒石さんは作曲だけに留まらず、何と、作詞・編曲・演奏(キーボード)・歌…の、1人5役をこなされてるんだそうです。すっごいですよね〜! 皆さんは黒石さんの歌は聴かれたことはありますか? とても繊細で美しい歌声なんですよ。機会があったら、ぜひ聴いてみてくださいo(^o^)o

写真にカーソルを重ねると、別アングルからの写真が見えます♪


パンパイプを使った方の曲は、前奏・間奏・コーダにパンパイプのソロが入ってるんだそうです。おっちゃんの風に溶けるようなパンパイプの音色と黒石さんの美しい歌声…はぁ〜きっと心やすらぐ曲なんだろうなあ。この曲のキーはAらしいのですが、間奏ではAマイナーになるらしく、その部分は別に録ったんだそうです(私には何が不便で別に録ったのかがイマイチ分からないんで、おっちゃんに聞いたまんまです(^^;ゞ)。また、おっちゃんのパンパイプは、下はG(ソ)の音までしか組み込んでないそうなんですが、この曲は前奏部分に更に低い下のE(ミ)の音まで出てくるので、急きょ2本しばりつけて対応したんだそうです。↑の写真の右の2本が、その「しばりつけられた管」なのかなあ…。

もう1曲のフルートの方は、コンサートのフィナーレにやるような感じの、最後に向かってグングン盛り上がっていく曲で、あちこちにフルートのオブリガートが入っていて、パンパイプが入ってる曲よりも更におっちゃんの音色を楽しめるようですよ(*^-^*)


はいはい、こちらはもうお馴染みとなってきた、でれでれ2ショットです(^^;ゞ

写真にカーソルを重ねると、別アングルからの2ショットが見えますよ♪

黒石さん、どこか妖艶で、不思議な雰囲気のある素敵な方ですね(*^-^*)

こうして、とても和やかな雰囲気の中で、この日のお仕事を無事に終えました。

 

 

188 自治大学の学歌(服部克久)

2004年10月28日。このところ頻繁にリポートにも登場する服部克久さんとのお仕事で、サウンド・インのBスタに行きました。いつものように早めに到着したにもかかわらず、駐車場は既に車でいっぱいになってたので、「こりゃ、かなりの大編成か〜?」と思いながらスタジオに入ると、実はそれは全てAスタのメンバーの車だったようで、Bスタのメンバーとしては1番乗りだったようです。とは言え、時間が近づいても誰も来る気配がないので、ちょっと心細くなってきて「どうなってんの…?」とインペク屋さんに聞いてみたら、この日はピアノとフルートとコーラスだけの録音で、しかもコーラスはダビングとのこと…つまり、ピアノを弾く服部さんとおっちゃんの2人っきりってことですね。でも、服部さんがなかなか来られないので、ロビーで掲示板のレス書きなんかをして待ってたそうです。

しばらくすると、インペク屋さんが「さっき先生が来られて、いまフルートの楽譜を書いてるから…」と呼びに来たそうです。…へ? いまフルートの楽譜を書いてる!? これから録音なのに…? これは、服部さんお得意の「現場処理」で、最近でこそあまりこういうことはなくなったみたいですが、昔は全くの手ぶらで、それもかなり遅れて現場に登場して、それからサラサラ〜ッと譜面を書いて…ということがよくあったらしく、おっちゃんとしては何だか感慨深いものがあったようです。

そうそう、こうして遅刻してやってきて、現場で楽譜を書いて、それでも仕事はちゃ〜んと時間内に終わってたんだそうですよ。さすがですよね〜。おっちゃんも、当時それをとても感心して眺めてたそうです。さて、この日はどうかな〜?


いわゆる「現場処理」でフルートの楽譜を書いてる最中の服部さんと、それを見守る(?)おっちゃんです。

カーソルを乗せると、2人がアップになりますよ。おっちゃんのイタズラっぽい笑顔が、何とも言えません(^-^;)


この日に録ったのは「自治大学(新設校というお話だったようですが、どうなんでしょ?)」という大学の学歌で、印刷されてた楽譜にはピアノと合唱だけしか書かれてなかったようですが、それにフルートのオブリガートを入れたんだそうです。ピアノと合唱だけっていう校歌や学歌はありがちですが、フルートが入るだけでガラッと雰囲気が優しく豊かになるんでしょうね。しかも、おっちゃんの音色…自治大学が羨ましいなあo(^o^)o

楽譜が書き上がったあと、とりあえず音合わせをしてみたら、現場でバタバタと書かれたので休みの小節が抜けてたりしてた箇所があったらしく、それを直してまたテスト。その後、本番を3回録ったそうですが、その中のテイク3がOKになったそうです。また、少し差し替えもしたそうですが、それでも余裕の時間で終わっちゃったんだそうです。服部さん、さすがですね♪

 

187 氷川きよし「地球はひとつ(いつもみんなで手をつなごう)」(矢野立美)

2004年10月25日。矢野立美さんとのお仕事で、コロムビアの1スタに行きました。おっちゃんが矢野さんに呼ばれていくときはウルトラマン関係が多いらしいのですが、今回は演歌界のヒッキー&プリンスと言われてる、氷川きよしさんの新曲だったようです。でも、現場にはご本人は来てらっしゃらなくて、ディレクターさんと思われる方が仮歌を歌ってらしたみたいですよ。
 
曲のタイトル自体が「地球はひとつ」という演歌離れした明るい感じものだったこともあって(?)、編成もリズム関係も、最近の流行り(?)のポップス演歌というよりは、むしろ全く演歌の趣きはない…って感じだったようです。ちなみに、伊東さん(ドラム)、渡辺直樹さん(ベース)、古田りんずさん(ピアノ)、安田裕美さん(アコースティックギター)、住田さん(エレキギター)、>松宮幹彦さん(ギター)、野口武義さん(スティールギター)、成島さん(ラテンパーカッション)、おっちゃん(ケーナ×2)で、すれ違いだったみたいですが、弦は小池弘之さんのグループでした。

そうそう、この日は事前に「ケーナで…」というオーダーが入ってたそうですが、実は矢野さんとしては「ケーナを2人…」と希望してらしたそうです。でも、おっちゃんの今までの経験から見て、どうもケーナを2人でやるというのはバランスが難しいらしくて、あまり結果が良くないことが多いんだそうです。で、今回は「わし1人で2人分やる〜♪」と、ダビングを名乗り出たんだそうです。

うちのリポートのどこかにも書いた覚えがあるのですが、ダビングというのは、同じ人が演奏を重ねるということで、息づかいやフレーズ作りがほぼ同じになるので、面白いほどピッタリとハモるんですよね。もちろん、まったくカラーの違う人同士がやるからこそ生まれる意外なハーモニーというのはないかもしれませんが、やはり重奏は互いの音が交じり合い、溶け合うことで初めて1つの美しい音楽になるし、音の幅や広がりも出てくるんですもんね。今回おっちゃんがケーナのダビングにこだわったのも、それだけいい音楽を作りたいという気持ちの表れなんでしょう。

最後に、今回の曲は氷川さんの新曲として発売される歌なのかな〜とか、矢野さんつながりでウルトラマンか何かの主題歌なのかな〜とか、色々と思ったそうですが、詳しいことは聞きそびれちゃったそうです。まあ、慌しい現場では仕方ないか…。でも、かなりいい感じの歌だったようですよ。もし氷川さんの新曲なら、近々テレビなどで聴けるかもしれませんね。楽しみにしててくださいね〜♪

↑までは、録音直後の情報だったのですが、その後(2005年6月2日現在)HPを見てくださってる方からの連絡で、曲名が「いつもみんなで手をつなごう」に変わったことが分かりました。また、この曲は、「愛知万博」の歌なんだそうです。だとすると、夏までには特に、色んなところで聴く機会があるかもしれませんね。氷川さんのお名前が聞こえてきたら、ぜひ注意して耳を傾けてみてください。

 

 

186 火サス「警部補・佃次郎 望郷」(丸谷晴彦)

2004年10月25日。サウンド・インのBスタに行きました。もうここではおなじみの火サスの録音なんですが、今回の作曲家さんはリポート初登場…しかも、おっちゃんとしても珍しい、丸谷晴彦さんでした。タイトルは「望郷」で、「警部補・佃次郎」というシリーズものの20作目みたいですよ。


このブースの風景も、おなじみになってきましたね。糸川玲子さんとのお仕事のときに登場した、あの中2階で、立派なソファがあるというブースです。

写真の奥のモニターには、指揮の中谷さんが映ってるようですが、分かりますか?

 


この日は「フルート以外に、アルトフルートとパンパイプを…」というオーダーだったようですが、実際にはフルートは1曲のみで、あとはパンパイプとアルトフルートを吹きまくりだったそうです。つまり、上の写真は、たった1曲しか出番がなかったフルートくんの貴重なショットということになりますね(^-^;) 

出番待ちの楽器たちです。

その間に、紙コップに携帯にデジカメ(ケースしか写ってないけど、近くに本体もあるはず)に…と、えらい賑やかですな。でも、このおかげで、こうしたリポートが出来あがっていくんですよね。

アルトフルートの曲は5〜6曲で、いかにもサスペンスっぽい感じの、ちょっと無調的なフレーズが多かったようです。


また、8分の6拍子の、ちょースローなパンパイプのテーマが、これでもかってくらい何度も出てきたそうです。パンパイプはテンポが速いと管から管への移動が大変で難しいというのはご存知かと思いますが、今回のように遅いテンポでも、息が足りなくなったりして大変なんだそうです。

この日は、フルートより更に息がたくさん必要となるアルトフルートも吹きまくりってことで、ずっと酸欠状態だったみたいです。目の前にチラチラと星が飛んだり、酸欠による目眩なんかで、楽譜がかすんで見えるってことはないのかなあ…なんて思ってたのですが、↓の写真を見ると、おっちゃんの代わりにデジカメくんの目がかすんでしまったようで…(^◇^;)


そうそう、パンパイプに関しては、メロディ以外にも、15小節間ずっと下のCの音ばかりを吹くという、どちらかと言えば、打楽器的な使い方をした曲もあったそうです。

この下のCの音が出る管というのは、普段は楽器の中には組み込んでないそうです。だから、右の隠れ写真(カーソルを乗せてみて〜♪)のような不思議なスタイルでの録音になるわけです。

わたしゃ、てっきり、ヒマな時間に篠笛を縦笛にして遊んでるのかと思いました(^^;ゞ ま、それにしては、えらい真剣な表情やなあ…と。皆さんの目には、どんな風に映ったかな〜? とにかく、オンエアではどんな風に聴こえるのか、楽しみですね♪


この日のメンバーは、荒川康男さん(ベース)、江草啓介さん(ピアノ)、千代正行さん(アコースティックギター)、おっちゃん(フルート・アルトフルート・パンパイプ)、マサさんのグループ(弦)、中谷勝昭さん(指揮)という感じで、おっちゃんが「そう言うたら、今日は平均年齢が高かったんちゃうかなあ」って言うほど、ベテラン揃いでの録音だったようです。

ベースの荒川さんはベテランのジャズベーシストさんだそうで、火サスの録音に参加されるのは珍しいのでは…とのことでした。あ、ピアノの江草さんは、お父さんの方です。ちなみに、息子さんは江草啓太さん(お名前がよく似てて、いつもどっちがどっちだか分からなくなります…)。

オンエアは11月16日、もうすぐです! 火サスって、録音してから何ヶ月もオンエアされないこともあれば、こうして録音直後にオンエアされたりもするので、執筆&編集部隊もボーッとしてられませんね。おっちゃんにムチをふりふり(…ちーぱっぱ♪って歌があったなあ(^^ゞ)頑張りますので、ぜひ見てみてくださいね♪

…と書いて、もういつでもアップできるように準備してたこのリポートですが、糸川さんが手がけられた日テレの特別番組「たったひとつのたからもの」がことのほか好評だったようで、急きょ撮影風景などをまとめた特番が放送されることになり、この火サスは放送延期となってしまいました。また、ちゃんと放送日が決まったら、お知らせしますね(^^ゞ

 

 

185 民謡ユニット・きらら「ナミダグサ」(秦カナミ)

2004年10月22日。港区赤坂、溜池の近くにある、クラウンの1スタに行きました。2004年8月末から9月始めにかけて行われた、成世昌平さんのコンサート(168番参照)で共演した「民謡ユニット きらら」というヴォーカル・グループのレコーディングです。この「きらら」は、成世昌平さんがプロデュースしてらっしゃるそうで、「ハモる民謡ユニット」として今後の活躍に大きく期待されているグループだそうです。アレンジは、前に成世さんのレコーディングで「北国の春(113番参照)」など、ユニークなアレンジをしてらした、秦カナミさん(‘秦’と書いて‘かな’と読みます)だったようです。スタジオには「きらら」のメンバーや、成世さんも来てらっしゃったみたいですね。

おっちゃんが8月に成世さんのコンサートで大阪に行ったときに、楽屋で「今度、こんな曲をやるんだけど…」と、MDを聴かせてもらったらしいのですが、それがこの「ナミダグサ」という曲だったそうです。この曲、作詞も作曲もカナミさんなんですよ。

基本的には日本調で、少し沖縄っぽいテイストも入った、なかなかユニークな歌だったようです。あとで弦などを被せるんだろう…とのことでしたが、この日はベース(ミッチー長岡さん)、ギター(田代耕一郎さん)、パーカッション(浜口茂外也さん)、リコーダー(おっちゃん)の4人だけで、ミッチーさん以外は、それぞれダビングもあったようです。


おやおや、何か打ち合わせ中のようですね。秦さんが手に持ってらっしゃるのは、楽譜なのかなあ。一体、どんなことを話し合われてるんでしょう…ちと気になったりして(^-^;)

秦さんのお隣りにいるピンクのシャツの方は、パーカッションの浜口茂外也さんです。


リコーダーのパートは、基本的には2声で、一部分が3声になるという構成で、上はソプラノリコーダーを、下の2声はアルトリコーダーを使って、おっちゃんの「1人3重奏」となってるみたいですよ。また、ギターは普通のギター(フォークギター?)とポルトガル・ギター(←こちらは田代さんのHPですが、ここで田代さんのポルトガルギターの演奏も聴けます♪)で、パーカッションは、壷やシェーカー、そのほか色々とあったみたいです。それから、ベースは、おっちゃん曰く「ウッドベースをソリッドにしたような感じの楽器じゃった」とのことですが、ウッドベースをソリッド? コントラバスを…何? う〜ん、どんなんだろう…想像がつかん(^^;ゞ どうやら、エレキヴァイオリンみたいに胴体のないコントラバスのような感じだった…とのことですが、こりゃ、ますます聴いてみたくなりますね。 

こちらは、もううちのリポートではお決まりとなってきた、女性作曲家(アレンジャー)さんとの、でれでれ2ショットです(^^;ゞ

秦さん、笑顔が生き生きしてて、素敵な方ですね♪

そんな素敵な人とピットリくっつけて、おっちゃんも幸せそう…どちらもいい笑顔です(*^-^*)


そうそう、秦さんは私たちのHPをよく見てくださってるんだそうです。この録音が終わった直後に「秦さんが‘ポポゆみさんによろしゅうに’やて〜。わしらのん、見てくれとるらしいわ♪」と、おっちゃんは声を弾ませて話してくれました。いやぁ〜何だか恥ずかしいけど、こうした声が聞けるというのは本当に嬉しいですね。この場を借りて…秦さん、ありがとうございま〜す(^o^)丿


左から、おっちゃん・ミッチー長岡さん・秦カナミさんの3ショットです。ん? ちょ〜っと緊張…っていうか、おすまし気味? あ、おっちゃんはカナミさんとの間にミッチーさんが割り込んでるんで、口を尖らせてるのかな〜?(^-^;)

でも、 録音は、プレイバックを聴いては話し合う、話し合っては差し替えたり、ダビングしたり…と、とても家族的な雰囲気で行われたそうです。

映画やアニメの劇伴は短い時間に多くの曲を録って大変なことも多いようですが、こうして1つの曲にじっくり取り組んで、皆で仕上げていくっていうのもいいですね。


この「ナミダグサ」ともう1曲で、2005年4月頃にマキシシングルとしてリリースされる予定なんだそうです。この日に集まった4人だけでも面白い音がいっぱい聴けそうですし、これに更に他の楽器やメインの歌が乗ると、どんな感じになるんでしょう。リリースが待ち遠しいですねo(^o^)o


 

184 郵政公社「年賀はがき」CM(中島靖夫)

2004年10月21日。靖国神社近くの、一口坂のキャニオンの1スタに行きました。この日は郵政公社の年賀はがきのCMの音楽録りです。事前に「ブラバン編成だ」とは聞いてたみたいですが、曲はあの有名なラデッツキー行進曲だったそうです。この曲、ウイーンフィルの大晦日のコンサートで、必ずと言っていいほどアンコールで演奏される曲なんだそうですよ。でも、何故か楽譜のタイトルは「ラデスキ行進曲」となってたらしく、単なる間違いなのか、それとも何か意図があるのか…など、皆で首をかしげてたんですって。で、その真相は如何に!?(^-^;)

さて、ここからはちょっと難しい(?)お話です。おっちゃんから聞いたそのまんまを載せますね。
「この曲はオケでやる時はキーがDなんやけど、今回はブラバンやから半音上げてE♭になっとった。これはな、ブラバンで使う楽器は、E♭とかB♭とか、フラット系の楽器が多いけんじゃよ。もし元の調子でやったら、アルトサックスとかはシャープが5つも付いてしもて大変なんじゃ。」
だそうです。分かる方のみ「ほう、ほう〜♪」と、うなずいてくだされ(^◇^;)

で、配られてた楽譜には、イントロの4小節と、その先は16小節しか書いてなかったとか…。現場で画面に合わせるところを見てたら、実際に使うのはほとんどイントロの部分だけだったみたいですよ。まあ、CMだから、せいぜい15秒か30秒でしょ? イントロだけで終わってしまっても不思議はないのですが、そのイントロ部分では、あんまりおっちゃんの音色は聴けないんだそうです…残念(>_<)ヽ
 
アレンジは中島靖夫さん。ちょっと風変わりなサウンドの打ち込みにダビングという形だったそうです。編成は、フルート(おっちゃん・木津芳夫さん)、ピッコロ(高桑英世さん・金子奈美さん)、クラリネット(山根公男さん他3名)、トランペット2、トロンボーン2、チューバ(佐藤潔さん)、パーカッション1…という感じで、ブラスセクションはクラシック系の方のようだったので、お名前なんかは分からなかったようです。

おっちゃんの話では「フルートセクションは4人も使うてもろて有り難い限りなんやけど、ブラバンの編成としては、全体のバランスから見て、もうちょっとクラリネットを増やしてもええのになあって思うたわ」とのことでしたが、そこはエンジニアさんの腕の見せどころで、いいバランスにしてくれるんでしょうか? 年賀はがきのCMとなると、もうそろそろオンエアされてるはずですよね? ガッツ石松さんが出てるそうなので、ぜひドラマの合間なんかにも席を立たずに、注意して見ててくださいねo(^o^)o


 

183 ねんりんピック・ぐんま シンポジウム(服部克久)

2004年10月18日。東京発8時24分の上越新幹線で、群馬県前橋市にある群馬県民会館というところに行きました。この日は「ねんりんピックぐんま」のシンポジウムの第1部に服部克久さんのトークと演奏のコーナーがあったそうで、そこにフルートと二胡が参加するということになってたんだそうです(このお仕事、実はハネケンこと羽田健太郎さんのお仕事だったのですが、体調不良により急きょ服部さんが引き継ぐことになったとか…)。二胡の賈鵬芳(ジャー・パンファン)さんは新潟から来られるので(前日に新潟でお仕事があったらしいので)、東京から乗ったのは服部さんとおっちゃんの2人だったそうです。 

服部さんとは、前日に薄謝協会の「わかば」の追加録音(181番参照)でも一緒だったそうですが、おっちゃんたちミュージシャンが帰ったあともトラックダウンなどの作業が深夜までかかったらしく、服部さんが寝たのは2時を過ぎてらしたそうです。そういえば、「わかば」の初回録音(160番参照)のときも、12時間ずっと棒を振ってらしたんですよね。いやはや、そのスタミナはどこから来るんでしょう…おっちゃんも感心しきりでした。あとは、昔話なんかもしながら、前橋までの短い旅を楽しんだそうです。

そうそう、前橋というところは群馬県の県庁所在地にもかかわらず、新幹線が止まらない…というよりは、新幹線の駅自体がないらしくて、前橋より10kmほど手前の高崎で下りることになるんだそうです。で、高崎駅で賈さんと合流して、3人でタクシーで会場まで行ったらしいのですが、その途中で運転手さんの携帯に着信があり、その着メロが「¥ラデッツキー行進曲」だったので、皆でちょっとビックリしたんだそうです。いつぞやの「題名のない音楽会 21」で「最近は、着メロにクラシック音楽を使う人が増えてきた…」なんてことを言ってたときもありましたが、この運転手さんはもともと音楽の好きな人らしく、服部さんの顔もよく知っていて、会場に着くまで嬉しそうに色々と話してたんですって。運転手さん、ラッキーでしたね〜♪

こうして賑やかに到着して一息ついたところでリハーサルですが、プログラムとしては、服部さんが選ばれた、生涯の思い出として印象に残っている10曲をトークを交えながら演奏する…という趣旨になってたそうです。おっちゃんがやるのは、「淡紅(とき)の夢」「卒業」という、どちらも服部さんの作られた曲で、「淡紅の夢」の方は、前は誰か他のミュージシャンがパンパイプでやったらしいのですが、この日はリコーダー(アルトとソプラニーノ)で、「卒業」の方はフルートでやることになってたそうです。この「卒業」という曲は、服部さんの娘さんの卒業式に、娘さんのフルートと一緒に演奏された曲なんだそうですよ。


楽屋で撮った、賈さんとのツーショット写真です。別に、おっちゃんと賈さんは仲が悪いわけではないのですが(むしろ、とてもいい関係だと思います)、単に「男」というだけで、どこかおっちゃんの表情が硬いような…どうぞ、他のリポートの「女性」とのツーショットと見比べてくださいまし。その差がハッキリすると思いま〜す(^◇^;)

それにしても、賈さんって大きい方なんですね。180cm近いのかなあ…。ともかく、繊細で、すすり泣くような素敵な音色を奏でる方ですよね。


さて、本番は午後1時半からだったようですが、服部さんのトークがノリにノッて、かなり時間が延びてしまったらしく、予定してた10曲のうちの、何と4曲がカットになってしまったそうです。時間の都合で最後の1曲をカット…なんて話はときどき聞きますが、4曲もカットとはねぇ…。よほどお客さんの反応がよくて、もともとお喋りが上手な服部さんとしては「じゃあ、あれも話してあげよう。これも話してあげよう♪」って感じになったのかもしれませんね。

この、カットになった4曲の中には、おっちゃんがフルートでやるはずだった「卒業」も含まれてたようで、わざわざ早起きして色んな電車を乗り継いで前橋まで行ったのに、たった1曲のみの仕事になってしまったそうです。このハプニング(?)を現場から「4曲カットになって、わしは1曲になった(^^ゞ(←ドコモの絵文字)」とメールで知った私は「えぇ〜っ、何それ〜っ!?(*_*)」の一言を返すのが精一杯でしたが、おっちゃんは怒ることもなく「こういうとき、ミュージシャンは‘今日は単価の高い仕事になったわい♪’って喜ぶことになっとんじゃ(*^-^*)」と、ずっと穏やかでした。

プログラムは、2部、3部…と、まだまだ続いてたようですが、賈さんとおっちゃんは着替えが終わったらすぐにタクシーで再び高崎に向かい、15時50分の新幹線で帰途についたそうです。何だか慌しいですよね。私は、せっかく遠くまで行って、たった1曲しか演奏できなかったんだから、せめて他の催し物を覗くくらいの楽しみはあってもいいのになあなんて思ってましたが、なかなかそう上手くはいかないようで…でも、おっちゃんは、帰りの新幹線の中で賈さんと「女子十二楽坊」の話なんかに花を咲かせて楽しかったみたいで、十分に満足そうでした。
 
この日の様子は、後日テレビで放映されるらしいのですが、残念ながらおっちゃんたちのコーナーは放映されないんだそうです。もし出たとしても、ほんの20〜30秒くらいだろう…ですって〜。兎にも角にも、遠路はるばるお疲れさまでした<(_ _)>


 

182 NHK朝の連続テレビ小説「わかば」追加録音(服部克久)

2004年10月17日。この日は、午後から薄謝協会の506スタへ行き、160番でリポートした「わかば」の追加録音に臨みました。

いつものように早めに着いたので、1階の食堂でのんびりと230円のコーヒーを飲んでいたら、インペク屋さんから「できたら早めに入って〜♪」との電話が入ったらしく、急いでコーヒーを飲み干してスタジオに入ったそうです。本当は、この待ち時間に掲示板のレスなんかを書こうと思ってたそうですが、この日はちょっと予定が狂っちゃいましたね〜。で、スタジオに入ると、既にリズム隊(ベース・ピアノ・ギター2・ラテンパーカッション)と弦、それにサックスが入っていて、もう随分と前からやってたようです。その進行が早くて、おっちゃんも繰り上げで呼ばれたってわけです。


これは、おっちゃんの席から見たスタジオの様子。この視点が臨場感をビシビシ感じて、いいですよね〜。

写真にカーソルを乗せると、服部さんが大きく見えますよ(^o^)


この日はサックスのボブ・ザングさんと同じブースだったそうですが、一緒にやったのはたった1曲のみで、ボブさんは先に帰っちゃったそうです。冒頭の「おっちゃんがスタジオに入ってみると…」ってあたりの話やこういうのを聞くと、それぞれのミュージシャンの拘束時間は、本当に緻密に計算されてるんだなあなんて思いました。

フルートのパートは10曲くらいあったそうで、中には「リコーダー」「篠笛」などの指定のある曲もあったそうです。こうなると、フルートのパートというよりは、おっちゃんのパートって書いた方が正確なのかな?(^^ゞ

で、「篠笛」と指定があった曲は、音域が高すぎてけたたましかったのでオクターブ下げようかとも思ったみたいですが、そうすると今度は下の音がないので、結局はアルトリコーダーでやったそうです。この「臨機応変力(←そんな言葉があるんか〜?)」が、おっちゃんのすごいところですよね。

写真にカーソルを乗せると、リコーダーを演奏中の写真になりま〜す♪


編成は、加藤ジョーさんのグループ(弦)、松本さん(ベース)、松本峰明さん(ピアノ)、田代耕一郎さん(ギター)、伊丹雅博さん(ギター)、川瀬正人さん(ラテンパーカッション)、猪俣さん(シンセ)、服部克久さん(指揮)、ボブ・ザングさん(サックス)、おっちゃん(フルート・リコーダー・篠笛)でした。

ドラマの方はこれからますます面白味を増していくようですし、ぜひ目と耳の両方で楽しんで、いい1日の始まりにしてくださいねo(^o^)o


 

181 ちょっと 夢 き・ぶ・ん 〜木管アンサンブル&ピアノ〜

2004年10月15日。横浜の桜木町駅近くの神奈川県立音楽堂で行われた、「ちょっと 夢 き・ぶ・ん」というコンサートに出演しました。おっちゃんがこのホールに行くのは、何と約30年ぶりだとか…東響のオケ時代には何度か来たことがあったようですが、そのころとは随分と町の様子も変わってしまったので、しっかり道に迷ってしまったそうです。まあ、こんなこともあろうかと、かなり早めに家を出たみたいなので良かったのですが、到着はリハの始まるギリギリだったそうですよ(^^ゞ

神奈川県立音楽堂…名前からして何となく時代を感じさせるのですが、1954年に公立施設としては日本で初めての本格的な音楽専用ホールとして創られたんだそうです。ロンドンのロイヤルフェスティバルホールをモデルに設計されたこのホールは、開館当時は「東洋一の響き」と絶賛されたんだとか。ホールの壁面が全て「木」で作られてるからこそ生まれるアコースティックな響きが人々に愛され、今もほぼ毎日のように、合唱コンクールや民謡大会など地元に密着した色んなコンサートに使われてるようです。収容数が約1100人ってことで、ちょうど使いやすい大きさなのかもしれませんね。ただ、こんな素敵なホールなのに、メジャーなコンサートのほとんどは、大きくて新しいホールばかりで開かれるようになってしまったことは(収容数の問題も大きいんでしょうけど)、本当に残念ですね。おっちゃんも同じようにこぼしてました。

さて、この日のコンサートは「NPO法人 横浜こどものひろば」という団体が主催ということもあってか、お客さんは「小・中学生とお母さん」という組み合わせの方が多かったそうです。開演前のロビーには「スタッフ」という札を首に掛けた子供達が会場内で忙しそうに動きまわってたとか。まさに、親子で作り上げるコンサートって感じで、何とも微笑ましいですね。そうそう、この日の企画構成は、おっちゃんたちスタジオミュージシャンの団体であるRMAJがしてるということで、51番137番でお話しした、JASRACコンサートのときとほぼ同じメンバー&曲目で臨むことになったようです。

ちなみに、おっちゃん(フルート)、石橋雅一さん(オーボエ)、佐野博美さん(クラリネット&サックス)、前田信吉さん(ファゴット)、高野哲夫さん(ホルン)、美野春樹さん(ピアノ)、佐野啓子さん(ナレーション&ヴォーカル)のようなメンバーでした。

 

☆プログラム☆
 
五重奏曲(フランツ・ダンツィ作曲)
アニメメドレー (美野春樹編曲)
インタープレイ(コーデル作曲)
六重奏曲(フランシス・プーランク作曲)
トロルの涙(リン・ストッケ作:美野春樹音楽)
日本の四季メドレー(美野春樹編曲)

 

今回もスタッフの人に写真を頼んでおいてくれたので、リハ中の貴重な写真がたくさん撮れました。ここから先は、それらの写真と共に、本番の様子をリポートさせていただきますね♪


5人でダンツィの「五重奏曲」、もしくは「インタープレイ」を演奏中の写真です。

カーソルを乗せると、ピアノの美野さんも加わった6人でのリハの様子が見えます。プーランクの「六重奏曲」か「アニメメドレー」をやってるところでしょうか?

JASRACコンサートのときと違って弦がいないので、見ただけでは区別がつきませ〜ん(^^ゞ


本番では、それぞれの曲の間に演奏者&各楽器の紹介や、美野さんと佐野さん、それぞれのトークと演奏を交えたコーナーなどがあったそうです。このあたりは、JASRACコンサート(51番137番)のときと同じような感じなのかな?

会場にいた人からの情報によると、もともと子供が多くて演奏中もずっとざわついてた会場が、おっちゃんがケーナで「もののけ姫」のテーマを吹いた途端に水を打ったように静まりかえり、吹き終わった直後には「おぉーっ!」という感嘆のどよめきと大きな拍手が起こったそうです。 あぁ〜私も生で体感してみたかったなあ。JASRACコンサートのときの写真を見たり、今回の報告をしてくれた組員さんの弾む声から、一生懸命にその場の雰囲気を想像してる私です(^^ゞ


こちらは見てのとおり、右はピッコロ、左はフルートを吹いてるところです。

おっちゃんがピッコロを吹くと、何だか窮屈そうですね(^^ゞ


ダンツィの五重奏曲は、数少ない木管五重奏のためのオリジナル曲なんだそうです。また、アニメ・メドレーは、このRMAJ関連のコンサートでは定番化してきた感じもしますが、「アンパンマン」「サザエさん」「ゲゲゲの鬼太郎」「ドラえもん」「千と千尋の神隠し」などのテーマソングを、美野さんがメドレーにアレンジしてくれたもので、会場の子供達も、楽しそうに口ずさんでいたそうですよ♪

ホルンの高野さんとファゴットの前田さんです。楽譜を見つめる真剣な眼差しがいいですね(*^-^*)


「インタープレイ」も木管五重奏のための曲で、こちらもRMAJ関連のコンサートでは定番になってきてますが、楽章ごとに、フルートソロ→フルートとクラリネットのデュエット→オーボエ加わってトリオ…という感じで1人ずつ増えていって、最後にクインテットになるという珍しい構成になっています。特に楽譜に指定があるわけではないようですが、おっちゃんたちがやる場合は、ミュージシャンが1人ずつ吹きながら登場する…というスタイルを取ってるようです。

ここで、オーボエの石橋さんは今年の山口でのコンサートのときのように、客席から吹きながら登場するということになったそうですが、本番では「歩き」が間に合わなくなって、ステージに到着する前に曲が終わってしまったんだそうです(リハでは上手くいってたみたいですけどね(^^ゞ)。で、先に登場してたおっちゃんが、ステージの上から右手で「巻き」の合図をしたら、会場の前列に座ってた子供たちにウケてたとか…。こういうのも、想像すると思わず笑ってしまいそうになりますね。

今回のコンサートは「ずっとタキシードでは堅苦しいから…」と言い出した人がいたらしく、最初の2曲だけタキシードで、「インタープレイ」からは上着を脱いで、それぞれ好きなシャツに着替えるという、いわゆる「お色直し」をしたんだそうです(ちなみに、おっちゃんは黒いシャツ)。「インタープレイ」は、1人ずつ順番に登場するというスタイルになってたので、2番目以降の楽器の人には着替える時間が十分にありますが、トップに出て行くフルートは大変なんですよね。リハのときには早変わりの練習なんかもしていたようですが、その時は普段着→普段着(+α)への着替えだったのでタキシードからとはまた勝手が違い、本番では余計に時間がかかってしまったそうです。

プーランクの六重奏曲は、木管五重奏にピアノが加わった編成で、限りなく美しい曲なんだそうです。私は個人的な理由で、プーランクと聞くと合唱曲ばかりが思い浮かぶのですが、実はたくさんの器楽曲も残してるそうですね。おっちゃんが「限りなく美しい曲」というこの六重奏曲、一度ぜひ聴いてみたいなあと思いました。

トロルの涙は、スエーデンの作家、リン・ストッケの童話に美野春樹さんが音楽を付けたもので、朗読(佐野啓子さん)に合わせて音楽を演奏する、いわゆる「生劇伴」を目の当たりにできる貴重な曲です。


こちらはピアノ&編曲の美野春樹さん。

写真では分かりづらいかもしれませんが、この赤いメガネ、とてもオシャレな形をしてるんですよ(^o^)


日本の四季メドレーは、「早春賦」「春の小川」・「海」「夏は来ぬ」・「里の秋」「紅葉」・「ペチカ」「冬景色」など、よく知られた日本の童謡や叙情歌を、春夏秋冬それぞれ2曲ずつをメドレーにしたもので、これも美野春樹さんのアレンジだったそうです。どちらかと言えば古い歌が多いので、おかあさんたちの方が懐かしく聴き入ってたそうです。美野さんの大胆なハーモニーがいっぱい使われた大人向きのアレンジに、おっちゃんのフルートがしみじみと味わい深く、観客の心に染み入ったそうですよ。最近は学校の教科書でも古い童謡があまり取り上げられないので、子供たちもこんな情感あふれるいい歌に親しむ機会がなくなって、本当に残念ですよね。

これでこの日のプログラムは全て終わり、アンコールはピアソラのリベルタンゴだったそうです。 リベルタンゴは、本来プログラムのトリに持ってきてもいいような聴き応えのある曲ですが、今回はこれをアンコール曲にしたそうです。この日のプログラムでは最も難しい曲だったとか…。おっちゃんの感想としては「美野ちゃんの超絶技巧が効いて、オリジナルのピアソラの演奏よりずっとスリリングな仕上がりになったんちゃうかなあ」とのことでした。これもまた、生で聴いてみたかったですね〜。会場に足を運べた皆さんは、本当にラッキーでしたね♪

こうして無事に終わったあと、やれやれ…と楽屋で着替えてたら「懇談会があるので、急いでロビーへ来てくださいっ!」との声がして、バタバタとロビーへ出て行ったそうです。おっちゃんたちは全く聞かされてなかったようなので驚いたみたいですが、こうして、今の今までステージ上で素晴らしい演奏を聴かせてくれてたミュージシャンと興奮の冷めやらない聴衆が、こんな間近で話せる機会があるっていうのはいいことですよね〜?


これは、会場に聴きに行ってた方が撮って送ってくれた、ロビーでの座談会の様子です。カーソルを乗せると、違うアングルからの様子が見えますよ。

実は、その方のお子さんが撮ったとのことですが、子供の目線ってことで、かえって普段の私たちとは違った面白さが出て、いい写真でしょ? 演奏者と聴衆が膝を突き合わせての楽しい座談会の様子がよく分かりますね♪


そこでは、子供たちからは「どうすればスタジオミュージシャンになれますか?」など、色んな質問があったそうですよ。おっちゃんは「うちのHPにも書いてあるけど…」みたいに話してたらしいので、もしかしたら、あのときの子供たちがこのリポートなんかも読んでくれてるかもしれませんね。こういった座談会はおっちゃんにとっても初めての経験のようで、「なかなか面白かったわ♪」と、嬉しそうに話してました。

最後に、この日の出演者ならびにスタッフの方との記念撮影です。

ステージと客席が一体となった心あたたまるコンサートだったようで、お客さんも大満足のようでした。

こういうコンサートは、ぜひぜひ全国各地でやってほしいですねo(^o^)o

関係者の皆さん、どうもお疲れさまでした〜♪


 

180 ファイナルファンタジー「Cloud Smiles」「片翼の天使」(植松伸夫・浜口史郎 他)

2004年10月14日。ビクターの青山スタジオの301スタに行きました。この日はスタジオに入った途端、弦のところにはいつもの倍くらいの椅子が並んでるし、木管は2人ずつだし、「こんな大編成で、いったい何をやるんじゃ〜?」と、とてもビックリしたそうです。で、ファイナルファンタジーのDVDの中の曲を2曲やる…と聞いて、「さすが、FFは予算があるわい (^-^)」ってなことで落ち着いて、準備態勢に入ったそうです。作曲は植松伸夫さんで、編曲は浜口史郎さん。

DVDということは、いわゆるOVAなのでしょうか。それともゲーム? 最近は(もうずっと前から?)ゲーム機でDVDが見えたりするので、ゲームソフト自体をDVDと呼ぶのか(いや、ゲームソフトはCDなのかな?)、それともOVAのことをDVDと呼んでいるのか、とにかくややこしくて、よく分かってません。このFFに関して、詳しいことが分かってらっしゃる方、ぜひ教えてください(^^;ゞ

さて、午後1時から始まった録音の1曲目は、「Cloud Smiles」という、打ち込みもクリック音もない、弦と木管とハープとピアノの、ゆったりした綺麗なメロディの曲だったそうです。何やら楽譜にちょこちょこと書き込みがあったりして、前に使った形跡があったそうなので、ちょっと聞いてみたんだそうです。すると、前にファイナルファンタジー・オーケストラコンサートというのなどでやったことがあるんだとか…。こういった劇伴をやってくれるコンサートなんてのがあるんですね。聴きに行けた人が羨ましいなあ(>_<)ヽ

次に2曲目ですが、「片翼の天使」という曲で、こちらは優しそうに見える曲名のわりには、速いテンポの上にフルートのパートが4ページにもなる長編で、各セクションともかなり難しくて苦戦したようです。特にピアノのパートは、ほんの一瞬だけですが超絶技巧のフレーズがあったらしく、おっちゃんも「さすがに名人の松田さんも差し替えをしとったけど、すごかったわあ!」と、感動の色を隠せないようでした。この日のことを松田さんもご自身の日記で「ストラビンスキーの‘春の祭典’を彷彿とさせるような部分もあり、速いテンポと変拍子で、最後は部分的に録り直してもらった」と書かれてました。この松田真人さんという方は、とても小柄で物腰も柔らかで(物腰の柔らかさや温かさは、ご自身のHPを見るとよ〜く分かりますよ♪)、スタジオに一緒にいても、とてもピアノ弾きさんには見えないんだそうです。でも、一旦ピアノの前に座ると、圧巻ものの音色を奏でられるとか…松田さんの日記では、1曲目の曲想に関しても、ピアノ奏者の視点から詳しく語られてますので、ぜひ読んでみてくださいね。

劇伴で2曲といえばアッという間に終わってしまいそうですが、この日の拘束時間はたっぷり2時間。とはいえ、2曲目は長い上にかなり難しい部分もあったので、たった2曲だけでも20分ほど押したそうです。でも、おっちゃんは更にピッコロのダビングがあったので、スタジオを出たのは3時半を過ぎてたとか…。いやはや、お疲れさまでした<(_ _)>

編成は、弦(マサさんのグループ、88664)、ピアノ(松田真人さん)、パーカッション(女性)、トランペット(菅坂雅彦さん他)、トロンボーン(松本 治さん・山城純子さん他)、ホルン(藤田乙比古さん他3名)、フルート(おっちゃん・金子奈美さん:ピッコロでのダビングあり)、オーボエ(庄司知史さん他1名)、クラリネット(十亀正司さん他1名)、ファゴット(大畠條亮さん・前田正志さん)、指揮(D島公二さん)というチョー豪華版だったようです。

おっちゃんの話だと、弦の「88664」というパターンは、けっこう珍しいんだそうです。おそらく、中低音の充実を意図したんちゃうか…とのことでしたが、これは音の幅がグッと広がって、かなり聴き応えがありそうですよね。また、おっちゃんたち木管の方も、フルートだけが2人とか、クラリネットだけが2人ってことはよくあるようですが、今回のようにどの楽器も2人ずつという、完全な2管編成になることは、こういったスタジオ録音では珍しいんですって(オーケストラでは2管編成は普通…もしくは小さい部類になるんだそうです)。このことからも、とんでもなくダイナミックな音楽なのではないかって気がしますよね? 我が家にはゲーム機の類は一切ないので、ぜひDVDのレンタルorサントラのリリースを楽しみにしてたいと思いますo(^o^)o


 

179 観察医・室生亜希子「墜転落死」(大谷和夫)

2004年10月9日。サウンド・インのBスタに行きました。おっちゃんにとっては、約1ヶ月ぶりの火サスの音楽録りです。この日の作曲は大谷和夫さんで、タイトルは「墜転落死(仮題:放送日未定)」と書いてあったようですが、これが正式タイトルになったようです。今回で35回目になる、シリーズもののようですね。オンエアも11月9日に決まりました!
 
サスペンスものの劇伴には必需品と言っても過言ではない(?)アルトフルートを、この日もしっかり使ったそうです。でも、実はこの火サスの録音の前に、アークヒルズ近くのスタジオで、180番のコンサートのリハーサルがあり、そこが車を止められないとのことで電車で行くこととなったおっちゃんは、早朝から台風22号による雨の中を、大きなアルトフルートのケースを抱えて、あちこち移動するハメになってしまったのでした(^^;ゞ
 
さて、その音楽の内容ですが…音楽は、フルートやクラリネットが入った部分に関しては、かなり穏やかな感じのものだったみたいです。さすがにアルトフルートは、おどろおどろしかったみたいですけどね。また、大谷さんが事前に打ち込んでこられたシンセもちょっとあったみたいですが、大体はアコースティックなサウンドがメインだったそうです。編成は、弦(マサさんのグループ)、クラリネット(佐野博美さん)、フルート(おっちゃん)、ピアノ&シンセ(大谷和夫さん)、指揮(中谷勝昭さん)だったそうですが、弦の入ってる曲は少なかったらしく、何と録音開始後わずか1時間弱で帰ってしまったので、あとは指揮の中谷さんも入れて4人だけがポツン…と残ったとか。

同じ火サスを担当されてる作曲家さんでも、糸川さんの場合は、いつもはシンセだけしか弾かれないので、ずっと副調でいらっしゃるんだそうです。でも、大谷さんはアコースティックピアノなんかも弾かれるので、大体フロア側でおっちゃんたちと一緒にいて、ピアノを弾いたり、シンセを走らせたり(おっちゃんの原稿に‘シンセを走らせる’という表現があったのですが、これもまた面白いですね)してらっしゃるんだそうです。作曲家さんによって色んな録音スタイルがあるのも興味深いですね♪

 

 

178 学校教材の録音(藤野浩一)

2004年9月30日。文化村スタジオのAスタに行きました。ここは、Aスタ・Bスタと2つのスタジオがあるそうなんですが、実はフロアは1つで、副調室が2つあるという構造になってるんだそうです。こういう構造だと、片方でフロアを使っていても、もう片方でトラックダウンなどの作業ができる…というようなメリットがあるみたいですね。

さて、この日は業界で言うところの「学芸」というお仕事だったのですが、これはいわゆる「教材」なんだそうです。レコード会社では、こういった教材とか学校関係の分野を「学芸」と呼ぶんですって。ちなみに、歌謡曲なんかは「文芸」とか言ってるそうです。この独特の呼び方も、何か面白いですね。

で、この文化村スタジオで教材の録音をするのは、けっこう珍しいことなんだそうですが、おそらく教育出版さんの仕事ではないか…とのことでした(おっちゃんの記憶がちとアヤシイ(^^ゞ)。おっちゃんがやったのは「すうじの歌」「海よ ふるさと」「てをつなごう」「僕らのマーチ」の4曲だったそうですよ。でも、どれもあまり馴染みのない曲ばかりなので、オリジナルか、最近の曲なんかな〜なんて言ってました。う〜ん、どうなんでしょう。今度、子供たちにでも聞いてみよ〜っと。もしかすると、メロディを聴いたら、「あっ!」って思うことがあるかもしれませんしね。

ご紹介が遅れましたが、アレンジは「お江戸でござる」「道中でござる」の音楽や「題名のない音楽会 21」では指揮者などでもお馴染みの藤野浩一さんでした。リポートの048番でも話したように、教材系の音楽は色んな制約があって、何となく堅苦しい感じになりがちなんだそうです。でも、この日に関しては、いかにも藤野さんらしい、ユーモラスで楽しい雰囲気が溢れてたそうですよ。そういえば、藤野さんご自身が、とてもユニークな方なんでしたよね? 詳しくは105番を参照してください。

そうそう、藤野さんが9月26日放送分の「題名〜」で、ポールモーリアの曲に乗って、指揮をしながらジャグリングをする…というワザを披露してらしたのは見ましたか? ちょうどこのオンエアの直後の録音だったので、スタジオでもその話が出たそうです。すると、実はオケのメンバーからのプレッシャーなんかで、かなり緊張してたんだとか…。それを聞いたおっちゃんは「もし、本番でNGや出しとったら、大変だったやろな〜わはは!」なんて、ちょ〜っとイジワルなこと言ってみたりして(^-^;)

この日のメンバーは、オーボエの成田恵子さん、クラリネットの山根公男さん、フルートのおっちゃん、ファゴットの武井俊樹さん、トランペットの菅坂雅彦さんと西村浩二さん、ホルンの藤田乙比古さん他、トロンボーンの??さん、ドラムの市原 康さん、ベースのミッチー長岡さんこと長岡道夫さん、ギターの高島政晴さん、ピアノの美野春樹さん、パーカッションの高田みどりさん、弦の落合(弦一徹)ストリングスだったそうです。


 

177 TVアニメ「かいけつゾロリ」追加録音(田中公平)

2004年9月23日。ビクターの青山スタジオで、田中公平さんの「かいけつゾロリ」の追加録音に臨みました。おっちゃんが聞いてきてくれた公平さんのお話だと、更に1年のオンエア続行が決まってるとか…。これは子供たちは大喜びでしょうね〜。おかあさん方の間でも「普段はなかなか起きんのに、日曜日になったら早よから起きてゾロリを見とるんよ。で、しょっちゅう‘ハッスル・ハッスル〜♪’って口ずさんどるわ(^^ゞ」なんて話で盛り上がるくらい、子供達には大人気の番組ですもん。いや、子供たちだけでなく、公平さんの音楽ファンである私たちにも嬉しいお知らせですよね(*^-^*)

追加録音ということもあってか、今回は金管がホルン(3)だけだったりして、前回よりは少し小さい編成だったようです。でも、相変わらずの公平さん節が炸裂だったとか。おっちゃんも「同じ公平節でも、ゾロリの音楽は他のアニメとはちょっと違うたユーモラスな部分が多いと思うんやけど、今回はそれに更にひねりを利かせた感じで、聴いとったら自然とアニメの画面が思い浮かんでくるんじゃ♪」と話してくれました。ちなみに、おっちゃんはビデオ録画に頼りつつも、ちゃんと見てるそうですよ。で、その、おっちゃんの笛の方は、フルートの他にも、パンパイプ・篠笛・オカリナ・アルトフルート…と、盛りだくさんだったようです。それぞれ、けっこう目立つところで使われていたらしいので、聴き甲斐がありそうですねo(^o^)o


こちらは、カッコよく棒を振る公平さん。ちょっとブレてるのが惜しい気もするんですが、かえって臨場感がありますよね?

で、それを見つめるおっちゃん。

このときはおっちゃんの笛が入る曲ではなかったんでしょうか。


こちらも、おっちゃん抜きで録音中のようです。

写真にカーソルを乗せると、公平さんの指揮をしてる姿がよりハッキリと見えますよ♪


編成は、弦(小池弘之さんのグループ)、ピアノ(エルトン永田さん)、ギター(千代正行さん)、パーカッション(高田みどりさん)、ホルン(藤田乙比古さん他2名)、フルート(おっちゃん・金子奈美さん)、オーボエ(石橋雅一さん)、クラリネット(星野 正さん)、指揮(田中公平さん)でした。

この日は、篠笛や琴(打ち込み)の入った日本的な音楽やフラメンコを思わせるスペイン風の音楽、鈴の音が入ったクリスマスの音楽など、特徴のある曲も幾つかあったようです。んまぁ〜ゾロリ先生ったら、今後はどんなことをやらかしてくれるんでしょうか? もうしばらくすると、この日に収録された音楽が番組に登場してくると思いますので、楽しみにしてましょうね♪

あ、最後にまたちょっと脱線を…169番の最後の方に、あの日、おっちゃんと公平さんとの間で私のことがチラッと話題になったということを書きましたが、この日はおっちゃんから「公平さんに、よろしゅう言うといたで〜♪」と言われたので、「おおっ、伝言ありがとう。で、公平さんは何て?」って聞くと「……何やら話したけど忘れた!」ですと。このように、ぜんぜん会話の噛み合わない迷コンビの私たちですが、これからも頑張りま〜す(^^;ゞ


 

176 御園座「虹の橋」(大島ミチル)

2004年9月21日。サウンドシティのAスタで、大島ミチルさんの手がけられた御園座の10月のお芝居、「虹の橋」の音楽録りが行われました。

この日、録音開始前に副調に入っていったら、インペク屋さんが「今日はこれだからね〜!」と、あるものを指差したそうです。それは何と、おっちゃんたちがオープンリールの時代に使っていたのと同じテープの幅(4分の1インチ?)の、最近はあまり見ることがなくなったテレコだったそうです。これがどういうことかと言うと…いわゆる「ツーチャン同録・1発録り」で、「差し替えが出来ない」ということなんだそうです。

大島さんのお仕事で、別の舞台音楽のときにもこの「ツーチャン同録」というのだったのですが(159番参照)、舞台音楽は特にこうした録り方をした方がいい…みたいな風向き(?)があるんでしょうか?まあ、差し替えができないということで適度な緊張がかかり、いつもに増してまとまったいい演奏ができるという面において、客席と舞台が一体となれる生のお芝居の場が更に生き生きとしたものになるのかもしれませんね。そういえば、今回の音楽は、ちゃんと尺を合わせて作曲されたそうですし、ますますリアリティのある舞台になるのではないでしょうか。

さて、今回の1発録りも、いくら楽譜がそう難しくなかったとは言え、ほとんど録り直しもなく、収録はとてもスムースに進んだようです。「海猫(172番を参照)」のときとよく似た編成で、全体的にソフトな感じの劇伴だったそうですよ。現場で大島さんが「ここは人が殺されるシーンなのよ」なんて説明してくださったドラマチックなシーンでも、音楽はそれほど刺激的でもなく、ちょっと抑え目の、耳に優しい感じのものだったようです。


右の写真は、山田和也監督との2ショットです。どうです? いい笑顔でしょ〜♪

この山田和也監督は、いまチョー売れっ子の舞台演出家さんのお1人だそうで、大島さんは前に「ローマの休日」というミュージカルでもご一緒したことがあるそうです。他には「障害者イズム・自立への2000日」とか「神戸・ある避難所の記録」という震災後の神戸の町を取り上げた番組など、人間味あふれる作品に数多く携わっていらっしゃっる方のようですよ。

こんな素敵な監督と大島さんの優しい音楽で描く舞台、これは楽しみですねo(^-^)o


3時間拘束のお仕事だったようですが、フルートや木管の入っている曲を先にやって下さったこともあって、おっちゃんは2時間ちょっとで終わったそうです。映画「海猫」の録音のときとは違って、この日は疲れを全く感じさせない、元気そうな大島さんに会えて、おっちゃんもホッと一安心したそうです。

このお芝居は、名古屋の御園座で10月25日まで公演されています。主役が有森也実さんで、松村雄基さんや田中美里さんなども出演されているようです。名古屋近くにお住まいの方、または名古屋まで足を運べる方は、ぜひぜひ観に行って、感想など寄せてくださいね♪

 

 

175 茨城県域デジタルテレビ放送開始記念・野口雨情コンサート

2004年9月19日。NHKの「茨城県域デジタルテレビ放送開始記念 歌い継ぐ童謡・ふるさとの歌 〜野口雨情の詩の心〜」というお仕事で、水戸市市民会館に行きました。野口雨情の童謡を色んな歌い手さんが歌うという趣向のコンサートだったそうですが アレンジが上芝はじめさんだったので、前日に東芝のTERRAでやった録音(すぐ下の173番参照)と、ほぼ同じメンバーで臨んだそうです。しかしまあ、この日は朝7時半に上野を出る電車に乗るとかで、町田市に住むおっちゃんは、6時前には家を出るという、ちょー早い1日の幕開けとなったようです。

☆プログラム☆

証城寺の狸囃子(中山晋平),雨降りお月さん(中山晋平),十五夜お月さん(本居長世),木の葉のお舟(中山晋平),青い眼の人形(本居長世),赤い靴(本居長世),波浮の港(中山晋平),春のうた(草川信),船頭小唄(中山晋平),俵はごろごろ(本居長世),俵はごろごろ(山田耕筰),カッコ鳥(本居長世),カッコ鳥(中山晋平),かもめ(高木東六),黄金虫(中山晋平),兎のダンス(中山晋平),蛙の夜回り(中山晋平),しゃぼん玉(中山晋平),七つの子(本居長世),あの町この町(中山晋平)

私は、サビまたは冒頭の部分しか知らないという曲を含めて3分の2くらいしか知らないのですが、皆さんはいかがですか?リンクが貼ってある曲に関してはMIDIが聴けるようにしたので、ぜひ活用してください。で、今回の編集で参考にさせていただいた以下2つのサイトでは、色んな童謡や唱歌のMIDIが聴けたり、楽譜を見ることができたりするようです。興味のある方は、覗いてみてくださいね→ なつかしい童謡・唱歌d‐score

お仕事としては、普通の歌番組の公開録画という感じだったそうですが、野口雨情の特集ということで、随分と久しぶりに聴く歌が何曲もあって、感慨深いものがあったようです。でも、「俵はごろごろ(山田耕筰)」と「カッコ鳥(本居長世)」と「かもめ(高木東六)」は初めて聴いたとか…。

上のプログラムを見ていただけると分かるように、同じ歌詞に2人の作曲家が曲をつけているというのが2組ありますよね?これ、聴き比べをするような感じで演奏されたようですが、おっちゃんはこの辺りがとても興味深かったそうです。まず「俵はごろごろ」ですが、本居長世の方は私たちに馴染みにある童歌調なのに対して、山田耕作の方は如何にも歌曲調という感じだったそうです。もちろん、歌詞のリズムなど、少しは共通点もあったようですけどね。この、山田耕筰の「俵はごろごろ」のMIDIもだいぶ探したのですが、見つかりませんでした。一体どんな曲なんでしょうね?

それから、もう1組は「カッコ鳥」と曲ですが、これはあまり知られていないんじゃないでしょうか?中山晋平の方も本居長世の方も、どちらもMIDIは見つかりませんでした。でも、おっちゃんは中山晋平の方はずっと昔に聴いたことがあったそうで、どちらかといえば童謡らしい感じなんだそうです。で、先にお話しした「俵はごろごろ」のときとは反対に、今度は本居長世の方が歌曲的な雰囲気だったんですって。おもしろいですね〜♪

また、おっちゃんからは「最近は‘春のうた’やいう曲はほとんど歌われてないんやろけど、これはミョーによう覚えとんよなあ。小学校の4年生の時に習うた曲じゃ。たぶん、聴いたんは50数年ぶりになるんちゃうかなあ」なんて話も聞けました。う〜ん、こういう話を聞くと、おっちゃんとの間に世代の差というのを感じますね…ちなみに、私はこの「春のうた」というのは知りません(^^ゞ

そうそう、「雨降りお月さん」という曲では、おっちゃんは何とパーカッションをやらされてしまったそうです…と言っても、「しゃらしゃ〜ら〜しゃんしゃん 鈴付けた お馬に揺られて〜♪」という部分の「しゃらしゃ〜ら〜しゃんしゃん」の4小節の間に鈴を振るだけだったそうですが、これはなかなか珍しいことですよね。で、無事に大役(?)を終えたあとのおっちゃんの感想ですが、「打楽器っていうんは、けっこう大変やなあ。フルートとの持ち替えの時間があんまりないところで、ノイズを出さんように持ち上げるんは、意外と神経を遣うたわ」ですって。ああ、やっぱりその、ちょっとオドオドしたであろうおっちゃんを見たかったなあ(^-^;)
 
さて、歌とは関係ないのですが、中山晋平の「波浮の港」という曲の音合わせをしてるときに、NHKの人が「ハブ」の「ハ」にアクセントに置いて曲名を言ってたので、おっちゃんはちょっと違和感があったそうです。とは言っても、おっちゃんは関西の生まれだし、地名のアクセントは微妙なところもあるので自信はなかったようですが、昔、ラジオなどでこの曲がよく歌われていたころは、「ブ」の方が上がってたような記憶があったそうです。そういえば、歌のメロディでも、「ブ」の方が高くなってますよね?

で、リハーサルの時にNHKのアナウンサーさんが登場して、この方は、1度目は「ハ」にアクセントを付けて、2度目は「ブ」にアクセントをつけて読み上げられたそうです。そこでおっちゃんは「本番はどうなることやら…」と興味津々で聞いてたそうですが、本番では「ブ」にアクセントをつけて読み上げられてたそうです。やっぱりちょっと気になったおっちゃんは、終了後に小田切アナウンサーに「これって、どっちが正しいんでしょうね?」と尋ねてみたんだそうです。すると「‘ハ’にアクセントを置くと、沖縄の‘ハブ’みたいに聞こえるので、やはり‘ブ’なのでしょうね」とのお返事が返ってきたそうです。

こうしたアクセントのお話ってのも、なかなか面白いですよね。私もたまに、地元の音楽コンクールなどの影アナをやったりすることがあるので、今度からもっと真剣に耳を傾けてみようっと。そういえば、私の住む徳島では、以前は汽車の中で流れる「次は○○〜」というアナウンスを、東京だかの会社に依頼して作ってもらったテープを使ってたんです。でも、いくら標準語的に読み上げてくれて、それが正しいとしても、やっぱりご当地でいつも聞き慣れてる発音とは違うところに乗客からクレームがついたとかで、今は車掌さんが生の声で案内してくれてますね(^^ゞ

とにかく、コンサート自体はとても楽しく盛りあがって、惜しまれながら幕を下ろしたそうです。

この日の編成は、渡嘉敷祐一さん(ドラム)、伊藤昌明さん(ベース)、萩谷 清さん(ギター)、上柴はじめさん(ピアノ)、佐藤さん(キーボード)、磯部朱美子さん(チェロ)、白浜桜子さん(ヴァイオリン)、おっちゃん(フルート)と、歌い手さんの岩崎宏美さん、すがはらやすのりさん、多田羅迪夫さん(バリトン)、塩田美奈子さん(ソプラノ)、ダ・カーポ、トライトーン、ひたちなか少年少女合唱団、笠間少年少女合唱団の皆さんたちで、司会は小田切千アナウンサーだったそうです。小田切さんは現在、水戸放送局勤務なんですって。少年少女合唱団の子供たちは、よく練習してきてたようで、とても上手だったそうです。で、特別ゲストとして、野口雨情のお孫さんにあたる、野口不二子さんという方も来てらっしゃったとか…。こんな豪華なメンバーでのコンサート、それはそれは楽しかったでしょうね。

このコンサートの様子は、NHK茨城県域地上デジタル放送にて10月2日に既にオンエアされたようです。また、まだ日にちは決まってないそうですが、BSハイビジョンでも放送予定だそうです。BSハイビジョンっていうのは、アンテナさえあったら地域は関係ないんでしょうか…我が家では見えませんが、ぜひ楽しみにしててくださいね♪


 

174 東芝EMI・1〜2歳のための音楽CD録音(上芝はじめ・福田和哥子)

2004年9月18日。東品川にある、東芝EMIのTERRAというスタジオに行きました。おそらくKAWAIの仕事だろうとのことでしたが、1〜2歳児に聴かせる音楽CDだとかで、昔からある童謡やオリジナルの曲などを7時間かけて録音したんだそうです。
 
普通だったら、もっとずっと早く終わってしまうようなお仕事だったらしいのですが、実際は当初の予定より30分くらい押してしまったんですって。原因の1つはプロトゥールスというハードディスク録音の機械の不調で、録音開始当初はほぼ1曲ごとに落ちて、再起動に数分かかって…ということを繰り返してたんだそうです。この手の機械はときどき落ちることはあるらしいのですが、それにしてもちょっと異常なほどに調子が悪かったようです。おっちゃんは「何かハード的な故障か、使い方を間違うとんちゃうか?」など色々と思いながら待ってたそうです。う〜ん、確かに1曲ごとに落ちるとなると、そうも思いたくなりますよね。

最初の4時間は上芝はじめさん、その後は福田和哥子さん(和禾子さんとの表記もあり)のアレンジした曲を演ったそうですが、中に1曲だけ、KAWAI(?)の若い方がアレンジしたのもあったそうです。

おっちゃんは薄謝協会の「いない いない ばあっ!」が始まった時は「2〜3歳児向け」と聞いて驚いたそうですが、今回は更にその下をいく「1〜2歳児向け」ということで、もう「ほへぇ〜」の一言のみだとか(^^ゞ あ、余談ですが、この「いない いない ばあっ!」の音楽は、おっちゃんの息子さんの純さんも担当されてたんですよ。

さて、このCDは教材(?)として使われるようで、CDに合わせて歌ったり踊ったりすることもあるらしく、テンポなどには特別に配慮をしていたそうです。なるほど〜まだ足取りもおぼつかない、片言しか話せない小さい子供には、特別の「間」が必要ですもんね。たった1枚の教材CDを作るのにも、本当に色んな苦労や配慮があるんだなあと思った私です。今回のCDは私たちが聴くチャンスに恵まれるのは難しいかもしれませんが、このCDを通して1人でも多くのチビッ子が音楽に慣れ親しんでくれたらいいですね♪

編成は、渡嘉敷祐一さん(ドラム)、伊藤昌明さん(ベース)、松宮幹彦さん(ギター)、美野春樹さん(ピアノ)、宮本さん(キーボード)、磯部朱美子さん(チェロ)、白浜桜子さん(ヴァイオリン)、佐野博美さん(サックス)、菅坂雅彦さん(トランペット)、おっちゃん(フルート)、上芝はじめさん(指揮)でした。


 

173 映画「海猫」(大島ミチル)

2004年9月14日。サウンド・インのAスタに行きました。この日は大島ミチルさんのお仕事で、森田芳光監督の話題の映画「海猫」の音楽録りでした。録音に先立って、森田監督の挨拶があり、「最近は‘冬のソナタ’などの韓国映画にやられてしまっている感がありますので、このあたりでガツンと行きたいと思っています…」なんて感じでおっしゃってたそうです。

いつもなら真ん中のフロアに木管と弦、時にはパーカッションも一緒に…みたいな感じで並ぶんだそうですが、この日のスタジオはフロアには弦のみで、それ以外の各セクションはブースに入れられて、完全に分離された状態での録音だったようです。これは、録音したあとで、監督から更なる注文が出ることも考えてのことなんだそうですよ。ほら、分離して個別に録っておくと、差し替えやバランスを変えるなんてことが出来るみたいですしね。おっちゃんたち木管のセクションは、最も残響の少ないドラムブースだったのでちょっとやりにくかったみたいですが、楽譜が簡単だったこともあって、思ったほどの違和感はなかったそうです。

おっちゃんは「思いっきり暗い映画だ」と聞いてたようでしたが、大島さんの音楽は、暗いというよりは、むしろ温かみを感じさせるものがあったようです。これは、森田監督の「最近の社会はデジタル化が進んでいるけど、やっぱり人の心には愛や情があるはずで、この映画を通して人の心の奥の華を蘇らせたい」という思いをしっかりと汲み取ってる証拠ですよね。リズム隊も、ホルン以外のブラスもない、全体的に静かで柔らかで温かい音楽だったようですよ。

そうそう、ここで大島さんから教えてもらった、音楽に関するとっておきの裏話を…!
今回の映画は、脚本だけの時点で、7パターンくらいのメロディのデモを作ったんだそうです。で、その中から森田監督が3曲を選んで、その後の撮影中にずっと流してたんですって。そうして、おっちゃんたちとの録音になったわけですが、今回は何と、映画の中ではその3曲のバリエーションだけしか使ってないんだそうです。あとは、主題歌のアレンジが1曲のみ…。大島さんは「普通は2時間の映画だと、もっとブリッジ的なものとか色んなものが必要なんだけど、3つのメロディだけで映画音楽の99%を完成させたのは、私も初めて…」と話してくださいました。

大島さんが手がけられた色んなサントラを聴くと、私はいつも「たった1枚のCDに色んな雰囲気の曲がいっぱいで、どちらかというとテーマバリエーションが少ないなあ」って思うんです。これは「涌き出る泉のように、どんどん頭に曲が浮かんでくる」という大島さんの言葉の通りですよね。そんな大島さんが、わずか3曲のバリエーションのみで2時間の映画を表現するというのは、本当に大変だったと思います。でも、その「大変」を「いい勉強になった」って受けとめて、さらに前へ前へと進む大島さんの姿勢が、私は大好きなんです。


これは指揮台に立つ大島さんです。

残念ながら頭の上の方が切れてしまってますが、それだけ厳しい状況の中で(いつになく緊張感のみなぎった現場だったようです)、わずかな隙を縫って写真を撮ってきてくれたおっちゃんに感謝ですね♪

写真にカーソルを乗せると、もっと大きく見えますよ。


「‘模倣犯(同じく森田監督の作品)’のときは毎日が死刑台に向かうくらい大変だったけど、今回はそれを思い出した」と語る大島さん。また、あまりの大変さからか、久しぶりに低血圧を経験した…とも話してらっしゃいましたね。掲示板の書き込みこそ出来てないものの、いつもROMさせてもらってる私は、録音直後のおっちゃんからの「終わった〜♪」コールに、音楽の内容よりもまず「大島さん、大丈夫そうだった?」と聞いてしまいました。すると「いやぁ〜ちと疲れとる感じだったなあ」と、おっちゃんも心配そうな声で一言。いつも日記などでは「大変だ〜!」と書かれていても、実際の録音現場からは「思ったよりも元気そうだったよ」との報告がもらえてホッとするのですが、この日ばかりは…。でも、9月17日付の日記では、体調も元に戻り、また新たな作曲に向かわれてるとのことで、ひと安心ですね(^o^)

この映画は2004年11月13日(土)から全国東映系でロードショウされます。いつぞや大島さんが私たちに「’自分もスタッフの1人なんだ’と思っててほしい」というようなことをおっしゃってましたが、私はあれは大島さんのHPの中だけに限ったことではないと思っています。今の私たちにできること…それは、大島さんの思いをしっかり受け継いで、舞台裏での様々なご苦労を大事に胸に秘めて、映画館へ足を運ぶことではないでしょうか? 11月が待ち遠しいですね♪

 

 

172 西村由紀江アルバム「いつか見た夢」(西村由紀江)

2004年9月11日。サウンドシティのAスタに行きました。この日は西村由紀江さんのアルバム「しあわせのかたち」に収録される「いつか見た夢」という曲の録音で、木管4重奏とピアノといった編成で行われたようです。もちろん、作・編曲は西村さんですよ〜。

とてもゆったりした曲で、先に入っている西村さんのピアノに合わせてダビングするという形だったようです。ただ、全体にテンポが自由に揺れる曲なので、いつものようなクリック音は入ってなかったんだそうです。このように、いつ・どこで・どんな感じに揺れるか分からない曲を、イヤフォンからの音だけを頼りにダビングするというのははかなり難しいので「どうしたもんか…」と思ったようですが、クリックの代わりに、ピアノの録音時に撮ったビデオを見ながら演奏する…という仕組みになってたようです。で、ピアノが休みの部分は、西村さんがカメラに向かって指揮をして下さってたんですって。こうなると、ブースでモニターを見ながら演奏するのと、そんなに違わなくなるのかな? とにかく、無事に終わったようです。


いつも女性との写真はでれでれになるおっちゃんですが、この日はあまりの嬉しさに、半ば放心状態といったところでしょうか。ほら、よ〜く見てください。ちょっと目がうつろでしょ?(^◇^;)

西村さんの生き生きとした笑顔が、まぶしいですね♪


1曲しか録らない場合の拘束時間は1時間というのが普通なんだそうですが、この日は何故か2時間拘束だったそうです。おかげで、皆で色々と意見を出し合ったりする余裕もあって、久々にじっくりと仕事に取り組むことが出来たようで、おっちゃんも満足げでした。

現場ではディレクターさんから「西村さんのアルバムって、色んなところで、それもかなり長期に渡って使われるから、どこかでそれを聴いたときに、‘あ、あそこはもう少しちゃんとやっとけばよかった…’なんてことにならないようにしないとね」とのお話もあったようです。そのお話を受けて、皆で「やっぱり、仕事はいつもこんな感じでやりたいよね〜♪」なんて言い合ったそうです。


それにしても西村さんって、きれいな方ですよね〜。特にこの写真…砂漠の真ん中にあるオアシスのような、荒野に咲く一輪の花のような…いや、白雪姫と小人たちって感じかなあ。とにかく、真ん中で輝いてますよね♪

ちなみに、左から庄司知史さん(オーボエ)、おっちゃん(フルート)、大畠條亮さん(ファゴット)、星野 正さん(クラリネット)、それに西村由紀江さん(ピアノ)です。この日はこのメンバーで臨みました。


西村さんは、木管アンサンブルとやるのは初めてだったそうですが、おっちゃんたちの音をとても気に入ってくださってたそうです。おっちゃんは「サウンドシティのAスタっていう、広うて残響の豊かなスタジオが使えたってこともあるわなあ。まあ、わしらのあとで弦も録るってのでここを使うたんやろけど、同じメンバーで同じようにやっても、録る場所によってはえらい違うた結果になることも多いんじゃよ。もちろん、エンジニアさん(この日は伊藤圭一さん・ディレクター兼任)の力も大きいけどな〜」ってな感じで色々と言ってましたが、自分の音に西村さんが満足そうに微笑んでくれたことが、嬉しくてたまらないようでした(*^-^*)

 

 

171 アニメ「リングにかけろ 1」(上田 益)

2004年9月6日。早稲田のAVACOスタジオに行きました。この日やったのは「リングにかけろ 1」というアニメで、10月6日(水)の26時42分からテレビ朝日で放映されるようです。作曲は上田 益さんで、お会いするのは久しぶりだったようです。
 
5時間半という、こういうアニメにしてはわりと長い拘束時間だったそうですが、進行がとても快調だったこともあって、1時間ほど早く終わってしまったそうです。このスムーズにいった理由としては、音楽がとても分かりやすい…というか、すっきりしたパターンで書かれていたことと、あまり無理なフレーズが出てこなかったことなどにあるんじゃないか、とのことでした。

タイトル通りのボクシングのアニメなので、音楽も前半の大編成の部分は、戦闘的な激しい感じの曲が中心だったそうです。で、後半で小編成になってからも木管のセクションはずっと残ってたそうですが、各パートに適当に休みの曲があったらしくて、それほど負担にならなかったのも良かったようです。5時間ずっと吹きっぱなし、それも激しい曲がメインとなると、さすがにちょっと大変ですもんね。録音をする順番って、そういったことにも配慮して行われたりするんでしょうか…ちょっと気になったりした私です。

今回、笛のパートとしては、最近のアニメの音楽としては珍しく、全く持ち替えなしのフルートのみだったそうです。戦闘的な激しい感じの曲と聞けばピッコロがけたたましく鳴りそうな気もするんですが、そのピッコロさえもなかったようですよ。それだけ、スタンダードなアレンジだったと言えるかもしれないですね。フルートなどの木管セクションがよく聴こえるのは、後半の小編成になってから録った部分のようです。どんなシーンで使われるのか、楽しみですね♪

編成は、弦(加藤ジョーさんのグループ・64332→ダブカル)、トランペット(横山 均さん・西村浩二さん他)、トロンボーン(広原さん・フレッドさん)、ホルン(南浩之さん他)、パーカッション(草刈とも子さん・越野さん)、ギター(小島さん)、ベース(加瀬さん)、指揮(上田 益さん)でした。最近のアニメにしては、とてもシンプルでスタンダードな曲が多かったという今回の音楽、かえって新鮮か気持ちで聴けるかもしれませんね。どうぞ、オンエアをお楽しみにo(^o^)o


 

 

170 テレビ朝日・開局45周年記念番組「忠臣蔵」(中村幸代)

2004年9月4日。随分と夜も更けてから、サウンド・インのBスタに行きました。この日の仕事はテレビ朝日の開局45周年記念番組として10月から12月にかけて放映される「忠臣蔵」の劇伴でした。作曲は中村幸代さん。おっちゃんは初対面だったようですが、ヤマハ系のアーティストさんなんだそうです。リンク先のプロフィールを見ると、お若くてキレイな方ですよね。おっちゃんの、夜おそくからの仕事…という疲れも、一気に吹っ飛んだことでしょう(^^ゞ

さて、劇伴と言っても、スタジオにはおっちゃん1人だけで、弦・オーボエ・ホルンなどが先に入っているところへのダビングという形だったようです。事前に「リコーダー他」いうオーダーがあったようなので 色々と持っていって試してみたそうです。現場でダビング前の曲を聴いてみた感じでは、音楽は特に時代劇風とか民族系という感じではなかったものの、おっちゃん的には「ケーナの音色が使えるといいな〜♪」と思ったそうです。でも、残念ながら、音域がかなり広かったというのとキーの関係で断念することになり、代わりにアルトリコーダーでやったんだそうです。あ、ごく一部にはフルートも使ったとか。

おっちゃんがやったのは、先に録ってる楽器にダビングという形でのテーマを4ヴァージョンと、テーマのメロディをリコーダーのアカペラでやったというのがあったみたいなので、結局5ヴァージョンってことになるんでしょうか? このアカペラの曲は、ゆったりしたテンポで、フレーズとフレーズの合間もたっぷり取ってやったので、けっこう長い曲みたいですよ。アカペラってことは、思う存分おっちゃんの音色を楽しむことができますよね。一体どんな場面で使われるのか、楽しみですo(^o^)o

この日はおっちゃん1人だけでのダビングだったので、正味30分くらいで終わってしまったんだそうです。これには、もちろんスタッフの方の手際の良さと、皆がおっちゃん1人に掛かれるってこともあるんでしょうけれど、やっぱり、おっちゃんの演奏の良さってところも大きいんではないでしょうか。そうそう、そんなこんなで正味30分で終わったお仕事ですが、当初の拘束時間は何と、2時間だったんですって(どうやら‘劇伴の拘束は最低2時間から’といったような基準があるそうです)。つまり、ギャラは2時間分もらえるってことですよね? おっちゃん、早く終わってラッキーだったな〜♪

この番組は、松平健さんや伊東四朗さんが出演し、10月18日(月)の夜7時からスタートするようです。おやおや、この時間って、他局で「犬夜叉」が放映されてた時間ですね。後番組の「ブラックジャック」も気になるところですし…こりゃ、ビデオに頼るしかないかな〜? もともと、こういう時間帯って、子供にテレビのチャンネル権を奪われがちですしね(^^ゞ とにかく、テレビ朝日なら、ほぼ全国で見えるかと思いますので、オンエアを楽しみにしててくださいね〜♪


 

169 アニメ「砂ぼうず」(田中公平)

2004年9月3日。サウンドシティのAスタに行きました。この日の仕事は、最近の劇伴の仕事にしてはちょっと長めの5時間という拘束時間だったようですが、おっちゃんの出番は意外と少なかったらしく、「出番よりも待っとる方が長かったわ〜。ミュージシャンサイドから言うたら、いわゆる‘単価の高い仕事’やったな〜♪」なんて言ってました(^^ゞ

さて、番組のタイトルですが、10月からCBC放送など(CBC放送って名古屋あたりの局だとか?)でオンエアされる「砂ぼうず」という面白いタイトルのアニメで、音楽は田中公平さん。何でも、「砂ぼうず」と呼ばれる砂漠の中の便利屋さん(お金さえ払えば何でもしてくれる?)のお話だそうです。原作のコミックの段階ですごい人気がある作品のようですから、かなり見応えがあるのかもしれませんね。そうそう、この録音が行われた時点では、まだ放送系列などは決まってなかったようです。音楽を録るということは、制作段階としてはかなり最後に近いんじゃないかと思うのですが、そんなギリギリまで系列が決まらないなんてこともあるんですね〜。

今回は事前に「リコーダーの他に中国笛を持ってきてほしい」というオーダーがあったそうなので、大小の共鳴孔の付いた中国笛や篠笛などを持って意気揚揚とスタジオに入ったそうですが、実はケーナも1曲あったので「あいや〜\(●o○;)ノ」と、車まで楽器を取りに戻るなんてこともあったようです。しかしまあ、忘れたのが車の中で良かったなあ。これが家に忘れてきたとなると…いやはや、ねえ?

中国笛を使うから…といっても、特にチャイニーズな音楽というわけではなかったんだそうです。おっちゃんの言い方をそのまま載せると「国籍不明的エスニック」って感じだったとか…。全体的に、ちょっと不思議でエキゾティックな雰囲気がいっぱいの、でも公平さんらしいダイナミックな音楽だそうで、音だけ聴いていてもかなり楽しめるんじゃないかな〜とのことでした。う〜ん、もしかすると、公平さんが1993年に手がけられた「BASTARD」の音楽みたいな感じなのかな〜?(この作品も、とてもエキゾチックでダイナミックで素敵なんですよ。しかも、全3枚のCDどれも70分くらい収録されてて聴き応えたっぷり♪)

あ、今回の中国笛に関しては、公平さんとしては、わりと低めの太い音が欲しかったようですが、おっちゃんの手持ちの中国笛では音域的に難しいところがあったようで、一部分をオクターブ上げたりして対応したそうです。こりゃ、167番で話した笛の材料を、一刻も早く笛にしてあげないと…かもですね。ケーナの曲は、ソロヴァイオリン(小池弘之さん)とのユニゾンで、こちら方が中国的な感じがしたそうです。

この日のメンバーは、弦(小池弘之さんのグループ)、フルート・リコーダー(相馬充さん)、フルート・リコーダー・ケーナ・中国笛(おっちゃん)、オーボエ(庄司知史さん)、クラリネット(星野 正さん)、トランペット(菅坂雅彦さん・横山さん他)、トロンボーン(松本さん他)、チューバ(佐藤潔さん)、パーカッション(♀)、ピアノ(松田真人さん)、指揮(田中公平さん)でした。

最後にちょっと脱線を…この日の現場で、おっちゃんは公平さんに「あの‘はたらく おっちゃん’の管理人はどんな人?」って聞かれたそうです。で、「何て答えたん?」って聞くと「ほりゃあ、かくかくしかじかとな〜♪」ですと。「かくかくしかじか」って何ィ〜!? まだ一度もお会いしたことのない公平さんに(2003年11月の和田薫さんのコンサートでは、私の前の席に座ってらっしゃいましたが(^^ゞ)、一体どんなことを吹き込まれてるのやら… 。

とにかく、またもや公平さんの新しい一面を見せてもらえることができそうな今回のアニメ、オンエアまであと少しです。どうぞ、お楽しみに〜♪

 

 

168 成世昌平コンサート(大阪篇・東京篇)

2004年8月28日。成世昌平さんのコンサートで、大阪のNHKホール(‘JOBK’と言われていた大阪のNHKのすぐ傍・近くには大阪城も!)に行きました。成世さんと言えば113番のレポートで登場した方ですね。交通期間の発達のおかげか、はたまた予算の関係か、朝の「のぞみ」で出発して午後からリハーサル、その夜にはコンサートという慌しいスケジュールだったそうです。

東京から参加したメンバーは、ベースの長岡道雄さん、パーカッションの浜口茂外也さん、ピアノの江草啓介さん、ギターの高島政晴さん、ヴァイオリンの杉野裕さん、尺八と笛の越智成人さん、編曲と指揮の石倉重信さん、オカリナとパンパイプとフルートのおっちゃんって感じだったそうです。江草さんは、スタジオやライブで御活躍の江草啓太さんのお父さんなんだそうですよ。また、尺八の越智さんは、映画「LOVERS」のOPでカッコいい尺八を聴かせてくれてる方です。
 
おっちゃんの話では、この人数で笛系が2人も入っているのはちょっと異例なんだそうですが、越智さんは前から成世さんと一緒にやってらしたようで、言わばレギュラー、おっちゃんは今回のアルバムにパンパイプ・オカリナ・フルートなどで参加してたので、呼ばれたんじゃないか…とのことでした。ま、理由はどうあれ、そうやって生の観客の前で演奏できる機会があったことは良かったんじゃないかなあと思う私なのでした。

成世さんは民謡のご出身のようで、この日のプログラムも(特に第1部の方)民謡色が強い感じになってたそうです。第1部の真ん中に「きらら」という女性4人のグループのコーナーがあって、これがなかなか面白かったんですって。いわゆるコーラスグループなのですが、発声が普通のポップスの声ではなくて、何と民謡の発声なんだとか。何度もハモる部分があるのですが、この民謡調でのハモりがなかなかユニークなサウンドになってたらしく、おっちゃんはリハや本番の自分の出番までの舞台袖で楽しんでたそうです(さすが緊張知らずのおっちゃん!)。このグループの中には成世さんの娘さんもいらっしゃって、成世さんのコンサートにはいつも出てらっしゃるそうです。

おっちゃんが出演した第2部のプログラムは、オリジナルやカバーものなど、最近リリースされたアルバムの中から選ばれた曲で構成されていたそうです。カバーと言っても、新たにアレンジされたもので、その中でも「北国の春(113番参照)」は、秦カナミさんのバラード風のアレンジで、パンパイプの入ったユニークなものだったようです。

さて、ここから先はちょっと難しいキーのお話です。私には理解不能ですが、聞いたまんまを書きま〜す。おっと、その前に…おっちゃんちのパンパイプのページの最後の方を読んでもらうと分かるのですが、おっちゃんお手製のパンパイプは、全ての管が自由に組み替えれるようになってるのです。そのことを思い浮かべながら読んでくださいね。

今回のコンサートでは、パンパイプを使う曲が3曲あったんだそうです。1曲は「北国の春」ですが、これはアルバム録音時はFだったのが、コンサートでは半音下がってEのキーになってたそうです。で、そのEのキーの曲の前後にFマイナーの曲が2曲というプログラムになってて大変だったんですって。これ、どういうことかと言うと、Fマイナーの曲に合わせた管の組み合わせから一旦Eの曲用の組み合わせにして、またFマイナーの曲用の組み合わせに直すってことなんだそうです。その「北国の春」がアルバムと同じFのキーだったら、ほんの少しの管を差し替えるだけで大丈夫だったようですが、コンサートではEのキーになってたので「フラット4個のFマイナーからシャープ4個のEになる」ということになり、これだとほとんど全部の管を入れ替えということになるんだそうです(はぁ〜よう分からん(^^ゞ)。で、最悪の場合は、何か他の楽器でやろうか…とも考えてたようですが、その3曲の間に何曲か入ってたし、ナレーションもあったので、一度楽屋に戻ってゆっくり作業ができたそうです。もし、あんまり間がなくて、薄暗いステージで慌てて差し替える…なんてことになってたら、その場でカラカラカラ〜と管が転がったり、間違った管を入れてとんでもないことになってたかもしれないですよね。いや〜良かった、良かった。

でも、こうしてみると、コンサートのプログラムっていうのも、観客を楽しませるためだけの配慮ではなくて、演奏者側への配慮も必要になってくるってことですよね。もちろん、こういう配慮が必要な楽器って、そうたくさんはないのかもしれませんが、コンサートの企画などをされる方は、こうしたことを頭の片隅に置いておくのもいいかもですね。

とにかく、コンサートは大盛況のうちに終わって、成世さんも他のスタッフの方々もいい顔してたそうです。で、コンサートの後はお決まりの打ち上げ、しかもこの日は大阪でお泊まりとあって、帰りの電車の心配をすることもなく、二次会で記憶がなくなるほどにまで目いっぱい飲んで楽しく過ごせたそうな。いやはや、よござんした(^^ゞ

この5日後の2004年9月2日、今度は東京篇ということで、赤坂の草月ホールというところに行きました。プログラムもメンバーも同じで、午後からリハーサル→夜に本番という流れも同じだったので、リハーサルではフルコーラスを歌うこともなく、わりと簡単に済ませたそうです。

この草月ホールは、おっちゃんはコロンビアでの仕事の帰り道に必ず前を通るらしいのですが、実際に中に入ったのは初めてだったそうです。リニューアルなんかはしてるんだろう…とのこのでしたが、かなり古い建物で、500人くらいが収容できる、こじんまりとしたホールだったみたいです。以前は現代音楽の催しみたいなのが多かったようですが、今は色んなことに使われてるようですよ。

おっちゃんの話だと、今回のような10人そこそこの編成だったら、ステージ上で各楽器があまり離れなくて済むのでアンサンブルもやりやすいし、お客さんもステージが身近に感じられて良いんじゃないか…とのことでした。まさに、ステージと観客が一体となれる、ちょうどいい大きさってことですよね?
 
ただ、楽屋が2部屋しかなかったそうで、男性と女性に分けるしかなく、ちょっと手狭な感じがしたそうです。おまけに、何故か、おっちゃんたちの楽屋だけエアコンが全く効かなくて、蒸し暑くて参ったそうです(…と言うより、そもそもエアコンのダクトらしきものが見当たらなかったらしいので、物置か何かに使ってたところを急きょ楽屋にしたのでは…とのことでした(^^ゞ)。そういや、このころって、東京では「○日連続の猛暑」って言われてたころですよね? そりゃまた、お気の毒でした。

また、駐車場がほとんどないとのことで電車で出かけたようですが、帰りの電車の心配などがあって、せっかくの打ち上げも早々に失礼しちゃったのが残念だったそうです。でもまあ、車だったら飲めませんもんね。それに、私にしてみたら、東京での分も先に大阪で思う存分に飲んだくれてきてるんだから、いいじゃないの〜って感じですかね(^^ゞ

ともあれ、コンサートは大成功だったようです。どうも、お疲れさまでした<(_ _)>

 

 

167 アニメ「ああっ、女神さま」(浜口史郎)

2004年8月20日。サウンドシティのAスタに行きました。別ページで朝川朋之さんもおっしゃってますが、おっちゃんはいつもとても早めにスタジオ入りするんです。で、やっぱり、この日もかなり早めに行ったのですが、それにしても駐車場が妙に空いているので「ありゃ、もしかして場所か時間を間違えたかの〜?」なんて、ちょっと心配になったそうですが、そのうちに指揮者のD島公二さんやファゴットの大畠條亮さんもいらしたので、ホッとしたそうです。
 
とはいえ、開始時間が迫ってきてもミュージシャンの姿があまり増えないので、やっぱり不安になってきてメンバー表を見てみたんだそうです。すると、この日は後でダビングするらしいコーラスを別にすると、指揮者を入れて11人…木管(フルート・オーボエ・クラリネット・ファゴット)と弦カルにピアノ、それにギターのみという編成になってたんですって。おっちゃんたち木管の人はいつものブースだったみたいですが、Aスタの広いフロアに弦カルだけがポツンといるという、ちょっと不思議な光景だったとか…(^^ゞ
 
何はともあれ、録音開始です。この日は、うちの「おっちゃんの参加作品リスト」にもある「ああっ 女神さまっ」というアニメの音楽録りで、作曲は浜口史郎さんでした。このアニメは、今まではOVAと映画になっただけでしたが、来年1月からはテレビでも放映されるようになったんだそうです。問題はその放送局ですが…「このアニメこそ、うちでも見えるチャンネルだといいなあ」と思ってたら、ああ…またもやBS−i(TBS系のBSデジタル放送)なんだそうです。こりゃ、サントラの発売を祈るしかないか…。で、「来年の1月からのアニメを早くも録音?」って思うでしょ? 何やら、秋にイベントがあるそうで、それに合わせてのことなんだそうです。余談ですが、この「ああっ 女神さまっ」の映画版のサントラには、とても素敵なおっちゃんのフルートソロがあるんですよ♪
 
この編成なので、室内楽的な趣きのものや、エスニックバンドみたいな雰囲気のものが主で、戦闘シーンなどの激しい曲はなかったそうですが、最後の方にやったヴァイオリン2人・ピアノ・ギター、それに笛という編成の「M−15A」という曲は、かなりの難曲だったそうですよ。どちらかと言えばエスニックな感じなのですが、あのマサさんたちでさえ、差し替え&部分録りで何とか切り抜けた…という感じだったそうです。このエピソードに関しては、松田真人さんの同日の日記でも、ちょっと違った視点で詳しく取り上げられてますが、ほんと「マサさん、すごいっ!」の一言に尽きますね。
 
そうして録音は順調に進み、オーボエ・クラリネット・ファゴットが帰って編成が減ってからは、笛のパートはいきなり忙しくなってきたそうです。フルートとピッコロの他に、フォルクローレ風やアイリッシュ風のケーナやリコーダーも何曲かあって、なかなかやり応えのある仕事だったそうです。どうやら、民族系の笛で低い音がほしかったようですが、おっちゃんの手持ちの楽器では音域が足りないので、1曲はテナーリコーダーで、もう1曲はフルートでやったそうです。浜口さんの思いに応えられなかったのがよほど悔しかったのか、帰り道に「やっぱり、下のDくらいまで出る笛が欲しいの〜」と、おっちゃんはこぼしてました。

そんな思いが通じたのか、ごく最近、前々から欲しいと思いつつも入手がとても難しいと思われていた、かなり低い音まで出そうな笛の材料(いわゆる筒状になっている長い木の棒)を入手できたそうです。そう遠くないうちに笛作り作業に取りかかるんじゃないかなあ?今後のおっちゃんのテリトリーが更に広がりそうで、楽しみですね♪
 
編成は、弦(マサさんのグループ・1111…つまり弦カル、セカンドヴァイオリンは‘題名のない音楽会21’でもお馴染みとなった神奈川フィル・コンマスの石田さん)、ピアノ(松田真人さん)、ギター(千代正行さん)、フルート・ピッコロ・ケーナ・リコーダー(おっちゃん)、オーボエ(庄司知史さん・1時〜3時まで)、クラリネット(星野 正さん・1時〜3時まで)、ファゴット(大畠條亮さん・1時〜3時まで)、指揮(D島公二さん)で、最初は弦カルと木管だけで始まり、その後でピアノとギターが入り、最後は笛と弦カルが残る…といった感じでの進行となり、無事に全ての録音を終えました。

さて、この大変な録音の約1週間後の8月26日に、またもや「ああっ 女神さまっ」の録音で、サウンドシティの今度はBスタに行きました。スタジオに向かっている途中でインペク屋さんから電話が入って、「できれば、予定より早めに入ってほしい」と言われたそうですが、いつもかなりの余裕を持って出かけてるおっちゃんにとっては何の問題もないことなので、ふたつ返事でOKしたそうです。で、どうやらこの日は、オープニング曲の録音だったようですよ。アレンジは浜口さんですが、歌の方の作曲は田中公平さんだったみたいです。事前に「ケルト系の楽器などを色々と持ってきてほしい」とのオーダーがあったようですが、結局はケーナに落ちついたんですって。

イメージ的にはティンホイッスルを使いたかったようですが、キーの関係に無理があったらしく、AとA♭管のケーナを使ったそうです。先に入っていたマサさんのフィドル風(フィドルとはヴァイオリンのことで、ヴァイオリンでアイルランド音楽を演奏すること自体を‘フィドル’と言ったりするそうです)のヴァイオリンにオクターヴユニゾンで重ねるということだったみたいですが、テンポが速い上に細かいフレーズもあったりして、けっこう大変だったそうです。この、浜口・田中ペアでフィドルにオクターヴユニゾンでケーナを使った…と聞くと、私は「劇場版ワンピース デッドエンドの冒険」で、小池弘之さんのヴァイオリンソロにおっちゃんがティンホイッスル風リコーダーをオクターヴユニゾンで重ねたって曲を思い出すのですが、あんな感じかしらん?あれもいい曲なんですよ〜。う〜ん、どうにかして聴いてみたいなあo(^o^)o
 
この曲はリコーダーでやったらずっと簡単なんだそうですが、「それではつまら〜んっ!」ということで、手間を惜しまずケーナでやったんだそうです。フレーズは思いっきりアイリッシュな感じで…あ〜この先は私にはイマイチ理解しにくいので、おっちゃんのセリフをそのまま貼りつけま〜す。「キーはEで、途中からA♭に転調するんよな。あと1音低かったら、ティンホイッスルでピッタリやったんやけど(アイリッシュの音楽はほとんどがDなんだそうです)、歌モノやからキーを変えるわけにはいかんかったんやろなあ」とのことでした。

オンエアは来年1月からの予定です。BSが見える方は、ぜひ楽しんでくださいね。感想なども寄せていただけると嬉しいです。私は…とにかく、サントラの発売を楽しみにしていたいと思います♪

 

 

166 アニメ「Meine Liebe」(平野義久)

2004年8月19日。文京区関口台にある、キングレコードスタジオに行きました…といっても、キングレコードのお仕事ではなくて、ANIMAXというチャンネルで11月から放映される「マイネリーベ(Meine Liebe)」というアニメの音楽録りでした。これ、リンク先を見ても分かるように、もとは白泉社の「別冊・花とゆめ」で連載されている漫画で、>KONAMIからはゲームとしても発売されてるようですよ。

さて、このアニメの音楽は、平野義久さん。平野さんと言えば、深夜帯で放送されていたときには、おっちゃんの美しいフルートソロのOPが話題を呼んだ「マリア様がみてる」の音楽でお馴染みの方ですね。おっちゃん曰く「Meine Liebeやてドイツ語のタイトルのアニメってのも珍しい気もするけど、何やらヨーロッパの仮想の国が舞台の、美男美女が活躍しとるロマンティックなアニメなんやて」だそうです。

今回の音楽は、ロマンティックで壮大な広がりを見せる曲や戦闘シーンを思わせるような激しい(チョー難しい)曲など、「マリア様がみてる」のときとはガラッと変わった感じだったようですが、共通して言えることは「クラシック音楽にかなり根ざした分がある」ってところのようですよ。でも、アレンジは、どちらかというと演奏者にとっては厳しい感じのものが多かったみたいですね。

そうそう、この日に録った中の1曲で、全員がかなりてこずった曲があるんだそうです。おっちゃんたち全員がてこずるなんて、一体どんな曲だろう…って思うでしょう? 何でも、曲の途中から、何と「♪=192」という、とんでもなく速いテンポの5拍子になった上に、各パートのフレーズが難しくて、しかもそれらが複雑に入り組んでる…っていう大変な曲だったそうです。私はこの「♪=192」という部分に関してだけは、前に合唱でこんなテンポの曲を歌ったことがあるので何となく想像がつくんですが、それこそ早口言葉みたいな曲でしたよ。それが各パートが5拍子で複雑に入り組んでるなんて…もう想像もつきません。おっちゃんたちも、譜面を追いかけるだけでもなかなか大変だったみたいですが、それでも何度か繰り返すうちにクリアできたんだそうですよ。何度か…って言っても、せいぜい拘束時間内ですから、大した回数ではないですよね?それで仕上げてしまうんですもん…さすがです!

編成は、ピアノ(?・♀)、パーカッション(大石真理恵さん)、ホルン(藤田乙比古さん他1名)、トランペット(大倉滋夫さん・>西村浩二さん)、トロンボーン(?)、フルート(おっちゃん&金子さん)、オーボエ(柴山洋さん)、クラリネット(星野 正さん)、ファゴット(大畠條亮さん)、サックス(?・♂:ソプラノ・アルト・バリトンを持ち替え)、弦(加藤ジョーさんのグループ)だったそうです。残念ながら、我が家ではANIMAXというチャンネルは見られないのですが、いつか、この全員がてこずったという難曲だけでも聴ける機会があればなあと思ってます。見られた方は是非、感想を寄せてくださいね♪

 

 

165 火サス「出張弁護士 青山萌子」(糸川玲子)

2004年8月13日。糸川玲子さんの火サスの音楽録りで、サウンド・インのBスタに行きました。この日のタイトルは「出張弁護士・青山萌子 北へ向かう人」となってたそうです。このタイトルの感じだと、もしかしたらシリーズものになるのかな〜という気もするのですが、どうなんでしょう?

さて、今回は録音のオーダーが入った時点で、糸川さんから「監督さんは‘江差追分’を劇伴として使ってほしいっておっしゃってるんだけど、ちょっと難しい面もあるので、私の作った曲を篠笛でやってもらって、和の世界観を出してみようと思ってます」というお話があったようので、おっちゃんは自前の篠笛を全て(104番の写真を参照してください)持っていったそうですが、結局はD管の笛だけで間に合ったみたいです。で、前々回の録音では、篠笛の音域の点でちょっとした行き違いがあったのですが(155番を参照してください)、今回はその点ではバッチリだったみたいです。

ところで、これは糸川さんが教えてくださったことなのですが、火サスの音楽を入れる場所(場面)は、監督さんのご希望を大事にしながら、皆も色んな意見を出し合って、長い時間をかけて話し合うんだそうです。で、楽器の種類に関しては、糸川さんと音楽ディレクターさん(録音現場を仕切る人)さんで決めることが多いんですって(さらに詳しい現場でのお話を伺ってますので、是非こちらを読んでみてください→火サスの音楽ができるまで)。そんな中で、今回のおっちゃんの篠笛の曲は民謡調で音域が少し高いので、糸川さんは「音楽ディレクターさんからクレームがつくかな〜?」と、ちょっとドキドキだったようです。おっちゃんの方も「もしも何か言われたら、この楽譜やとほとんどのキーにこのまんま移調できるかな〜?」なんて心の準備をしてたそうですが、何も言われることなく、バッチリOKがもらえてホッとしてるようでした。

おっちゃんの出番としては、篠笛が6曲にアルトフルートが4曲、あとは普通のフルートも1曲あったみたいです。この普通のフルートはタイトル部分に使われるそうで、録音の前日に糸川さんがビビビッとひらめいて、急きょ追加になったらしいです。番組の最初からおっちゃんの音が聴けるなんて…これは楽しみですね〜♪

この日は、糸川さんの録音ではお馴染みの(?)中2階のブースではなくて、ピアノのブースの前にある、狭いスペースに入れられたんだそうです。で、サックスがよく入っている、スタジオの出入り口にあるブースには、マリンバとビブラフォン(バイブともいう)をセットしてあった関係で、サックスが中2階に上がったようですね。普段は、マリンバ系の音はシンセでやってることが多いらしく、今回のように生のマリンバとビブラフォンが入るのは、けっこう珍しいことみたいですよ。この2つの楽器が、何やら重要なアクセントになってるのかもしれませんね。ただ、狭い出入り口付近のブースに2台もセットしたので、皆さんの出入りがちょっと大変だったそうです。

おっちゃんのパートの録音が終わったのは、ほぼ当初の終了予定時刻だったそうです。で、いつもならソッコーで帰るとこなのですが、この日は162番で予告した通り、糸川さんとの2ショット写真を撮らせてもらうことになっていたので、ちょうどロビーにいらっしゃったサックスの淵野さんとお話しながら待ってたんだそうです。何だかピアノとキーボードは少し押していたようですが、その途中で糸川さんが出てきてくださって、淵野さんに冷やかされながら(?)撮ってもらった写真が↓です。


どうです?この笑顔あふれる2ショットは〜?特に、おっちゃんの顔ったら…(*^-^*)

見ているこっちまで笑顔がこぼれてしまう、幸せいっぱいの2ショットでしょ?

で、写真にカーソルを乗せると、さらに2人は…(^_-)-☆


ここでちょっと裏話を…。おっちゃんとの編集作業は「これが○月○日の分」って感じでメールで原稿が届くのですが、写真がある場合は、そのメールに写真を添付して、原稿と写真を一緒にして送ってくれるんです。でも、この日は原稿より何より、まず「今日の写真じゃ。どうよ?」の一言だけ添えて、この2枚の写真を送ってきてくれました。このあたりからも、いかに嬉しかったかが分かりますよね〜? ん? そういや、女性の作曲家さんと2ショットが撮れた日は、いつも先に写真だけ送ってきてくれてるような…わはは(^◇^;)

で、あまりに素敵な2ショットだったんで、思わず「いっやぁ〜ごっついええ写真やなあ! おっちゃん、ほんまに嬉しそう! 良かったなあ〜♪」と言うと、「ふぉっ、ふぉっ、ふぉっ、ふぉ〜♪♪」ですと。いやはや、その声を聞いた瞬間「ああ、また写真と同じような顔して、その瞬間を思い出してるんだろうな〜」なんて思ったりしたくらい、嬉しそうでした。こうやって、おっちゃんを通して、素敵なお仕事仲間さんをこれからもいっぱいご紹介していけるといいなあと思っています。

編成は、弦(桑田 穣さんのグループ)、ピアノ(松本峰明さん)、パーカッション(高田みどりさん)、ソプラノサックス・クラリネット(淵野繁雄さん)、キーボード(糸川玲子さん)、指揮(中谷勝昭さん)でした。オンエア日はまだ分かってませんが、オンエア当日には「裏ではこんな楽しそうなことがあったんだなあ」なんて思いながら見て(聴いて)みてください。いつもとは違った火サスが楽しめるかも…です♪

 

 

Home  All Title  Dictionary  Guestbook  Mail  Web Clap  Back

 

inserted by FC2 system