田中公平さん・第3回トークライブ



2010年9月26日。田中公平さんの「トークライブ」に行ってきました。このライブは今回で3回目となるんですが、私が行くのは初めてです。しかも、今回はリハから見学させていただけることとなり、私の緊張と興奮はそれはそれは大変なものでした。だから、慌ててヘマをしないようにと電車で30分くらいで行けるところに1時間半もの余裕を持って出かけたんですが、反対方向の総武線に乗っちゃって…しかも間違ってることに気付くのが遅くて…結局12時すぎに飛び込むような形で会場に着きました(;-_-+

会場ではちょうどリハが始まったばかりといったところで、公平さんがピアノを弾いてらっしゃいました。まだちょっと指ならし…って感じだったかな。そのピアノの周りではスタッフの方がせわしなく動いてコードを引っ張ったり、マイクの設定なんかをしてましたよ。

それから間もなく、1回目のゲストである大谷育江さんが出てらして本格的なリハが始まったんですが、これがもう本番さながらの気迫と熱演で思わず息を飲みました。そして、ついウルッときて、あとで公平さんに「リハからもう泣いてたの?」って笑われちゃったんですが、それくらいすごかったんですよ〜。実際、大谷さんもリハの段階で涙ぐんでらして、それに公平さんがしみじみと「声優さんって、すごいなあ…」と言ってらっしゃったのが印象的でした。

このあとシークレットゲストの岡村さんも出てらして、3人で歌を1回だけ合わせてリハは終わり…。トークその他はぶっつけ本番で臨まれるようでした。


さあ、いよいよ開幕です!

大きな拍手に迎えられて颯爽と登場した公平さんが最初に歌ってくれたのは、サクラ大戦の中から「夢よ」です。

これ、メロディはもちろんですが、歌詞がいいですよねえ。
「私は夢を見てしまった だからあきらめない」とか「沸き上がる夢よ 希望と喜びを私にくれる」とか「夢こそが生きる糧だ」とか…何か、いつも夢を持っていて、いつも前へ前へと歩いていく公平さんを象徴してるかのような歌で、すごく感慨深いものを感じながら聴いてました。


このあと、8月に放送のあった「萌える!泣ける!燃える ゼロ年代 珠玉のアニメソングスペシャル」の中でやってた「プラチナ徹底分析」の続きがありました。あ、この「プラチナ」という曲はうちの子もよく見てた「カードキャプターさくら」というアニメのオープニング曲で、菅野よう子さんが作曲し、坂本真綾さんが歌ってる素敵な曲なんです。すごく耳に馴染むいいメロディだけど、実はわずか数小節の間に何度も転調を繰り返してる難しい曲だ…なんてことを番組内で熱く語ってくれてました。その動画が見つかりましたので、見てない方は↓をどうぞ♪

 

 

で、この続きとして「ひみつのアッコちゃん」を例に挙げて「魔法」とか「少女」っていう可愛いコミックソングだったのから、少し恋愛要素を含んだ「セーラームーン」みたいなドラマチックなものに変化してきたこと、さらには「魔法騎士レイアース」のオープニングである「ゆずれない願い」の出だしを歌ってくれながら「これにも恋愛要素はあるけど、ちょっとまた違う"生き方"みたいなものに変化してきた」っぽいことを軽快なトークで語ってくれました(^O^)

このあと、ちょっとだけ公平さんのトークがあったんですが、ほんの一言にも会場が湧いたり、相づちを打ったり…と、ステージと客席との境目がない、とてもアットホームで一体感のある雰囲気のライブであることが感じられました。


写真は公平さんとチョッパーの2ショット。写真にマウスを乗せると、チョッパーがアップになりますよ。

そして、ついに本日のゲストである本物のチョッパー・大谷育江さんの登場です!

大谷さんは白が基調のワンピースに黒のボレロっぽいのを羽織った可愛いっていうかエレガントな姿でしたが、やたらと「普段着です」を強調してたのがおかしかったです。特に私は、リハのときのボーイッシュな姿を見てるんで、余計にね。でも、どんな格好をしてても、ほんとに可愛い方だと思います(^O^)


そうして簡単に挨拶を済ませたあと、公平さんのピアノ弾き語りと大谷さんとによって劇場版ワンピース「冬に咲く奇跡の桜」の1シーンが再現されました。これは2009年2月に大阪で行われた「ココロネSong セカンドライブ」でも公平さんの一人芝居で演奏されたんですが、本物のチョッパーが加わることでますます映画のあの感動のシーンがリアルに蘇ってきて泣けました(>_<)

で、ふと自分以外に意識をやってみると、やっぱり会場のあちこちから鼻をすする音が聞こえてました。だって、大谷さんご自身も泣いてるんですもん。そらもう泣けますよ。あ…これが、このレポの冒頭で書いてた「リハの時点で涙ぐんでた」って曲ですね(^.^)b

 

このあと、ちょっと気持ちを落ち着かせるためか、大谷さんとのトークが始まりました。大谷さんの代表作の1つであるポケモンの「ピカチュウ」のセリフはただ「ピカピカ」言ってるんじゃなくて、ちゃんとそのときの感情によって色々と使い分けてるんだそうです。そこで公平さんが「じゃあ、○○のときはどう言うの?」みたいな感じでいくつか例を挙げて、それを大谷さんがピカチュウになって答えるっていう楽しいやりとりがありましたよ。

また、公平さんの「ポケモンとかトナカイとか、人間じゃないのばっかりだね」って突っ込むと、大谷さんが「いやいや、コナンで光彦っていう人間の役やってますから!」なんて即座に切り返したり、実は「めぞん一刻」の店員の役が最初のお仕事だった…なんていう貴重なお話も聞けました。

そして、公平さんがウソップ役をして、大谷さんのチョッパーと一緒にワンピースのキャラソン「フレンズ」を熱唱。すんごく楽しそうでしたよ(^O^)


このあとシークレットゲストとしてワンピースでナミ役をやってらっしゃる岡村明美さんが登場。会場からは「おぉ〜っ!」とどよめきが起こってました。

そして、公平さんと大谷さん・岡村さんとの楽しいワンピース裏話。船長(ルフィ役の田中真弓さん)がとってもイタズラ好きな方だそうで、そのおちゃめなイタズラの数々を爆笑まじりに紹介してくれてました。

写真にマウスを乗せると別カットに…♪


ほかには、ロビン役の山口由里子さんがしばらく休養したのちに現場復帰されるに当たって、船長をはじめとするキャストの皆さんや東映アニメーションの方々までが一丸となって「ゆる子、おかえりなさい!」みたいなアニメを作ったそうです。それを由里子さんがアフレコのためにマイクの前に立った瞬間に流す…といったサプライズな演出のために、その直前まで全員あえて素っ気ない、むしろ久々に復帰した由里子さんに冷たいとまで思わせるような態度で接してたとか…何か、すごくあたたかで、ほんとに「仲間」って感じでいいですよね(*^^*)

そして、3人で「ビンクスの酒」と「ウィーアー!」を元気よく歌ってくれ、会場も一緒になって歌って、会場のテンションは最高潮へ…。で、最後に公平さんが「つばさ」を朗々と歌って、第1部は終わりとなりました。いやほんと、あれだけワイワイしゃべった直後に、あんなに朗々と歌えるなんて…声楽とか合唱とかやったことのある方は分かるかと思いますが、これってすごく大変なことなんですよ。こうやって、いつも公平さんには驚かされてばかりです。

とにかく2時間半がアッという間のライブでした。

 

 

 

第1部はたっぷり2時間半…つまり、13時半に開演したので16時までありました。このあと、お客さんがいったん全員退場するまでのわずかな間だけが公平さんの休息となり、すぐまた第2部のリハの準備に取りかかり出しました。時間にして…16時半ごろだったかな。

このころ、スタジオに松尾早人さんが到着。
あ、実は1人でリハを見るのが心細かったんで、松尾さんに「松尾さんも早めに来て、一緒にリハを見ようよ〜!」ってお願いして来てもらったんでした(^^ゞ

こうして松尾さんが来てくれてホッとしたところに、マサさんも到着。
でも、スタジオに到着した直後のマサさんは先に1つお仕事をこなしてきたせいか(ここ参照)ちょっとお疲れ気味。それを遠巻きに見ながら「大丈夫かなあ」と心配してたんですが、さすがはマサさん。楽器をケースから出したら、もうしっかりとした顔になってましたよ…っていうか、あとで聞いた話なんですが、実は確かに疲れてたのもあったらしいんですが、それよりは先のお仕事のあとにちょっと飲んできて、ほろ酔い気分でぼんやりしてたって方が大きかったみたいです(;^_^A


さて、リハの最初はサクラ大戦の中から「メトロで行こう」という曲を公平さんのピアノとマサさんの二胡で…。

これ、ほんっとにこの日はじめて合わせたんですって。なのにマサさんったら、はじめっからすごくしっとりと、ほんとうっとりするような音色で弾くので、あらためてその初見と演奏能力の素晴らしさに感激したものです。

写真にマウスを乗せると、マサさんがアップに…♪


あ、もう1つ「ほんとに初見なんだなあ」と思ったエピソードを…。
この二胡のときだったか…いや、ヴァイオリンの曲のときだったかな。とにかく公平さんのピアノ伴奏に合わせてマサさんが弾いてるときに、ほんの一瞬だけマサさんが出を間違えそうになった(まだピアノが間奏を弾いてるのに飛び出しそうになった)ときがあるんです。いやもう、まだ音になりきってない、弦に弓が触れて音が出そうになったかな…ってところでマサさんが止めたんで間違いってほどでもないんですが、それを見て「あらま、やっぱりたまにはこんなこともあるんやなあ…っていうか、ない方が不思議すぎる〜!」なんて思ってたんです。

でも、実はマサさんが間違えたのではなくて、公平さんとマサさんが持ってる楽譜の「休み」の小節の数が違ってたんですって。公平さんとマサさんがステージ上で何やら「小節の数が…」とか言ってたんで「何か問題があったん?」って松尾さんに聞くと「ああ、マサさんの方の楽譜が2小節足りなかったんだよ」って教えてくれました。

ね?これにこの場で気付いたってことは、ほんとに初見ってことでしょ〜?

そのあとお2人はステージ上で…

公平さん「あ、ごめんごめん。そっちのも僕が書いたんだ」
マサさん「いや、いいよ。それより音符が●じゃなく線なのは見にくいよ〜!」
公平さん「すみませんねえ…写譜屋さんの書くような綺麗な楽譜じゃなくて(笑)」
マサさん「うん、だから自分で鉛筆で丸く塗ってみたら、照明で光って余計に見えなくなった(笑)」

なんて楽しそうなやりとりをしてましたよ〜。
こんな感じで演奏予定の曲を1曲に1回ずつ、その小節数が違ってたのだけはその部分の前後をもう1回やっただけでリハは終了。 スタジオ録音のときもいつもこんな感じですぐ本番だとは聞いてますが、それにしてもすごすぎる…。


右は本番直前のステージの様子。

会場のお客さんたちも、それぞれ携帯やデジカメでこうしてステージの写真を撮ったり、ブログやツイッターに書き込みしてました。こういうのって、5〜6年前には考えられなかった光景ですよね。

時代は変わったなあ…なんて、何だか感慨深く思っちゃいました。

さあ、第2部の開演です!


まずは第1部と同じ「夢よ」で壮大に幕開け、そのあとはまるでJASRACの文化事業コンサートのような著作権のお話になりました。え〜っと、このあたりも真剣に聞いてたはずなんですが、ちょっと記憶が曖昧になっちゃって…確か、作曲家は曲が売れて印税が入るまでタダ働きだとかいう驚きのお話をされてたように思います。あと、動画サイトへの投稿のお話もされてて、そのときは「へぇ〜そうなんかあ!」とすごく驚いたはずなのに、もう内容を忘れてるというチキンで申し訳ないです(>_<)

このあとマサさんが登場。
篠崎弘嗣さんという日本のヴァイオリンの草分け的な存在の方の家に生まれ、お姉さんたちがとても楽しそうにヴァイオリンを弾いてるのを見て、小さいころからヴァイオリンには興味があったこと。ただし、とにかく練習が嫌いで、いかにも練習をしてるように見せかけるためにテープに録音した自分の演奏を延々と流してたら、お父さんにバレて怒られた…とか、そうした面白いエピソードが聞けました。


ここで、いったんマサさんが退場。

公平さんが「次はシークレットゲストなんだけど、みんな知らないと思う」なんて言いながら「ピアニート公爵さんです」って紹介すると、会場のごく一部から「え…え?ええ〜!」っていう驚きの声が…!

何でも、ネット上で有名な方なんだとか…写真はリハのときのもので、ピアニート公爵さんの演奏を見守る公平さんと松尾さんです。写真にマウスを乗せると、公爵さんがアップになりますよ♪


そのピアニート公爵さん、軽く会釈しながら無言で出てきてピアノの前に座ったと思ったら、いきなりショパンのピアノソナタ第3番とアニメ「巨人の星」のテーマを掛け合わせた面白いアレンジの演奏を始めたんです。その技術とセンスがほんとにすごくて、一気に観客の注目を集めてましたよ。

 

あ、その動画を見つけましたので、どうぞ(^.^)b

 

 

すっごいでしょ〜!?

そのあと、公平さんの劇伴を色々とメドレーにした「ガンバスター幻想曲」というのを弾いてくれたんですが、これも全てピアニート公爵さんご自身のアレンジによるもので、もうとんでもない超絶技巧の大曲だったんですよ〜!

ただ、ライブで…しかもこれが初のお披露目ってことで力が入りすぎてたのか、ちょっと粗いなあって思うところがあったのと、鍵盤をバンバン叩くような強い部分が長かったんで息つく暇がなくて「うっ…」となるところもあったんですが、あれこそが生演奏の醍醐味でもあるんですよね。ご本人の「やりたいことを全部ぶちこんでるっ!」って感じの気迫がビンビン伝わってきて、ほんとすごかったです。

公平さんもこのピアニート公爵さんの魅力にすっかりハマってらっしゃるようで、ネットの世界だけにいる現状からもっと広い世界へ引っ張り出していきたい、マスコミにもどんどん紹介していきたい…なんてことをおっしゃってました。そうか、メジャーデビューかあ。つまり、あのライブ会場にいた私たちはメジャーデビュー前の生演奏を聴けたという、とても貴重な経験をさせていただいたわけです。ほんと、これからが楽しみですねo(^-^)ol


そして、またまたマサさんの登場です。

公平さんのピアノ伴奏に乗って公平さんの劇伴メドレーを演奏してくれたんですが、その深くて情熱的なヴァイオリンの音色に完全にKOです。

もともと公平さんの音楽って、公平さんが歌がお好きなこともあって全体的に口ずさみやすくて体に染み込みやすいメロディが多いんですが、そこへマサさんまでもが聴き手の心にダイレクトに訴えかけてくるような…歌心たっぷりの弾き方をするもんだからもう(T_T)


まさかトークライブで泣くことになるとは思ってなかったんで、ハンカチは足下のバッグの中。隣にいる松尾さんにこんな号泣モードを見られるのは恥ずかしいわ…で、できるだけ松尾さんから顔を背けてたんですが、よく考えたらその顔を向けた方のお隣には「ココロネSong セカンドライブ」でバンドマスターをされてたサックスの清水さんがいらしたんですよね。いやもう、両隣に「鼻ズルズル言ってて、おまけにパーカーの袖口で涙を拭くためにゴソゴソしててゴメンなさい」って感じです(;^_^A

そしてマサさんのヴァイオリンつき公平さんのピアノ弾き語り演奏で、サクラ大戦の「我が心に鳴る鐘」と「つばさ」が披露されました。

「つばさ」は第1部でやった公平さんお1人での演奏もすごくドラマチックで良かったんですが、マサさんのヴァイオリンつきのが何ていうか…公平さんとマサさんが音楽を通して会話しあってるような感じで半端なく良かったです!

 

こうしてたっぷりと生の公平さんワールドに浸ってたところに、とつぜん公平さんの「ちょっと早いんだけど、次が最後の曲です」の言葉…。慌てて時計を見るとちょうど20時で、第1部が2時間半あったのに対して第2部はまだ2時間ってところでした。

そのことをちょっと残念に思いつつトークに耳を傾けると、第2部のトリを飾るのは、本当なら「ココロネSong」の3rdアルバムに収録されるはずだった曲。まだタイトルもない曲だって言ってました…あれ?タイトルって言ってたっけ?(^^ゞ

とにかく、リハも含めるとほぼ8時間ずっと喋ってるか歌ってるか…なのに、この歌のときが声の伸びが一番よかったように思います。また、音がポンポンと飛ぶ曲で「公平さんは難なく歌ってるけど、これをもし自分で歌うとなったら大変そう…」なんてことも思いながら聴いてました。合計4時間半ものステージの最後を飾るにふさわしい、ほんとに見事な歌いっぷりでしたよ(*^^*)

そのトリの歌ですが、ライブ終了後に松尾さんが公平さんに「あの5度の跳躍、すごいですよね!」みたいに言ってたんで、私のその「音がポンポン飛んで難しそう」って感じたのも気のせいじゃなかったみたいです。また、あの曲って、実は何小節かごとに転調を繰り返してるんですって。そう、第1部でご紹介した「萌える!泣ける!燃える ゼロ年代 珠玉のアニメソングスペシャル」の「プラチナ徹底分析」で言ってたようなことを実践されてたみたいです。

公平さんがあまりに気持ちよさそうに、しかも易々と歌うんで、まさかそんな難しいことをやってたなんて全く気付きませんでした。まあ、そうやって「まさか、そんな難しいことをやってたとは…!」って思わせるところが公平さんの狙いでもあるんでしょうけどね(^_-)☆

 

最後に…これは東京から帰ってすぐのブログにアップしたものと同じではあるんですが、今回のライブに出演された全員での記念写真です。公平さんとマサさんは本物で、あとの方はサインでの登場って感じなんですけど…あ、オンマウスでサインがアップになりますよ(^.^)b

 

 

このあとの打ち上げで公平さんからは「ほんっと気持ちよかった!」と、またマサさんからは「楽しかった〜!」という晴れ晴れとした声が聞けました。出演者がこんなにもステージを楽しんでたってことは、私たち聴衆はもっと楽しんでたってことですよね。公平さん、そして出演者の皆さま、感動いっぱいの素晴らしいひと時をありがとうございました!!


 

2010年10月5日

 

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