「はたらく おっちゃん」 2周年によせて
おっちゃん&ポポちんの爆笑阿波弁対談

 

「そろそろ2周年なんよ」とポポ編集長が電話でいいました。
「んだば、なんか特別の記事を作んなくちゃね」
「う〜ん、そうやなあ……」
なんて会話をしているうちに、とつぜん「対談なのだあ!」
というヒラメキが、天から私に降ってきました。
いいじゃん! ネット対談!

「ネット」には危うい部分も多いけれど、素晴らしい可能性も多くある。
信頼し合ったもの同士がネットを利用すると、遠く離れていても、
こんな楽しい「対談」ができるのです。

このすてきな、そして不思議なハーモニー。
おっちゃんとポポ編集長ことゆみさん、
それからたくさんの仲間たちとの2年間の軌跡と、
未来への可能性を秘めた世界を、どうぞ楽しんでください。(な)

特別編集長&司会・なっちゃん なっちゃん

 

☆これ以降は (なっちゃん) (おっちゃん) (ゆみ) と表記します☆

 

 

な: それでは始めるかな。あ、いっとくけど、ふたりとも本音で語らねば、わがねんだよ。まず、ポポ編集長は最初におっちゃんにメールを送ったとき(ポポ家HP「はたらくおっちゃん」内の「おっちゃんとの出会いから作品リストを作るまで」参照)、少し猫をかぶったりしましたか?

ゆ: 少しも何も、あ〜た。最初のメールは「旭孝さま HPを拝見させていただきました」じょ。で、1ヶ月くらいは、ごっつい固い文面だった気がするなあ。

お: まあ、ふつう、最初はそんなもんやろと思うけど、今から考えたら今の編集長とは似ても似つかん文体やったな。固いっちゅうか、ごくごく「ふつうのお手紙」いう感じやった。それが、こうにまでなってしまうやいうんがオソロしいの〜。

な: こら、しょっぱなから挑発しないの! で、おっちゃんはポポ編集長から初メールをもらってどう思った。あと、どんな感じの人だと思ったのかな。

お: 和田さんのBBS(註:作曲家・和田薫さんのHPのBBS)での「ポポちん」の活躍はよう見て知っとったんやけど、まさか本人からメールがくるとは思うとらんかったけん、多少びっくりしたってとこかの〜。で、最初の印象としては、なんとなく「つつましい奥さん」いう感じやったんかな、わはははは。それがいつの間にやら……

ゆ: これ、ちょっと待ちなはれ! おっちゃんなあ、その最初の印象が正しいんじょ。みごとに私の本質を言い当てとるわ。

お: ほなけん、その、ちと猫でも被っておいてほしいもんじゃと……

な: はいはい、漫才に走らない。で、最初のころはアマチュア無線なんかの話もしてたらしいけど、ポポ編集長って、無線の知識、あったの?

ゆ: う〜んにゃ。私がおっちゃんの掲示板に出たんは私信メールを交わし始めて3週間くらいしてからなんやけど、その私信メールでちょこちょこ教えてもろただけの知識で書いたんじゃよ。当時、おっちゃんとこの掲示板は無線の話がメインやったけん、共通の話題を…って、必死だったんやろなあ。でも、わからんなりに、けっこう楽しかったじょ。

お: なんせ「ハムのページ」をハムスターのページやと思いよったらしいけん。

ゆ: ほなって、ハムスター飼うとったんやもん。

お: ほうじゃ、たしかあの頃は「りりちゃん」いう恐ろしげな名前のハムだったんよな。

ゆ: ええ〜っ、かわいい名前や〜ん。で、おっちゃんは私の住所の「郡」を無線で知っとたんよな。

お: そう、ふつうなら関東の人間にはなじみのない住所なんやけど、そこなら無線で交信したことがあるで〜やらいう話から徐々に話が進んでいったような気がするの〜。ほんで、阿波踊りの笛を吹きよったやいうあたりから、どんどん音楽の話が盛り上がっていったんかもしれん。

な: たしかに「りりちゃん」はオソロシい名……あ、いや、なんでもないっす。ところでポポ編集長は、和田さんBBSオフ会で「え!? あの旭さんとメールしてるんですか?」とある人に言われて「え!? そんなにヤバい人なのか」とビビったそうだけど(「おっちゃんとの出会いから作品リストを作るまで」参照)、その「ヤバい」っていうのは、どういうふうに?

ゆ: 私は和田さんのBBSを見るまでは、「劇伴」とか「スタジオミュージシャン」って言葉の意味どころか、言葉そのものも知らんかったんよ。ほなけん、おっちゃんのページを見たときも「へえ、こういう仕事の人もおるんやなあ」くらいの感じだったんよな。あ、あのぉ、そもそもな、それまで私にとっての「作曲家」は、ベートーヴェンとかバッハみたいな「とっくの昔に死んどって、音楽室に写真が並ぶ人」であって、まだ生きとる作曲家がおるやて思わんかったんよなあ……

な: い、生きてる作曲家って、あ〜た……(絶句している)

お: わははは! そらまた……すごいの〜。

ゆ: なはは。14年も合唱やってきて色んな人の曲を歌うてきたくせに、頭の中でまったくリンクしてなかったんよな。ま、そのくらい、音楽を好きなくせに音楽についての知識は皆無だったんよ。で、そんな私が、ある日おっちゃんにメールを出したわけじゃ。

な: ネットで知った面識のない人にメールをするってこと、よくあったの?

ゆ: ううん、おっちゃんが初めてじゃよ。何やら、何かがひらめいたんやろなあ。でも、「楽譜がすぐに読めて、それをすぐに演奏できるなんて、すごいですね。私は譜読みも初見演奏も大の苦手です」てなことを平気で書いとったんよな。そんな経緯をある人に話したら「あなた、旭さんて、とんでもないベテランのミュージシャンなのよ。そんなド素人級の話題を気軽にメールして大丈夫なの?」みたいに言われたんよなあ。で、「ひえ〜っ、もしかしてとんでもなく偉い人に、ごっつい失礼なメール出しとったんやろか? けっこう気さくに優しいに答えてくれとるけど、実は気難しい芸術家さんで、お腹の中では呆れたり怒ったりしとんやろか?」とビビったわけじゃよ。

お: わはは、気難しい芸術家の〜。わしのほうは、和田さんのBBSを見る前は、世の中に音楽として劇伴のことに関心を持ちよる人がおるとは夢にも思うとらんかったけん、あそこで伊福部さんや和田さんの音楽、犬夜叉やら他の劇伴について熱うに語りよるんを見て、何ともびっくりしたもんじゃ。和田さんとはずっと前からのつき合いやけど、ああしてHPの掲示板で、自分でもみんなの書き込みにレスつけとんのを見て、あらためて見直したようなとこもあったなあ。ほんで、録音があった後とかに、時々あそこに書き込むようになって、編集長はじめ他のみんなと出会うきっかけになったんよな。

な: なるほどなあ。夢にも思うとらんかった、っていうおっちゃんのことばに、そういう(劇伴に関心をもってアツく語る人たちがいるという)ことを知ったときの嬉しさが現れてるよね。で、そんなふうに出会った仲間たちで、だんだんおっちゃんちのBBSがにぎやかになっていって、ひとつおっちゃんの参加作品リストを作ろうじゃないか、ということになった。これ作るの大変だったでしょう。

ゆ: うん、何人かの友達の協力もあって始めたんやけど、とにかく、おっちゃんの記憶に頼るんはキビしいけんなあ……

な: あはは。おお、こんなんもやっとたんかあ、すっかり忘れとったわ、っていうの、どのくらいあるの? おっちゃん

お: これは想像がつかんわな。なんせ昔は仕事の量が今とは比べモンにならんくらい多かったし、何の仕事をしよんか、やいうことには全く無関心だったけん、当然おぼえとらんしな。忙しいころは平均しても1日に3本くらいはやっとったけん、そのうち1本をリストアップしたとして、少なあに見積もっても1万件くらいはあると思うで。

ゆ: こんな調子やけん私がネットで検索するんやけど、「旭孝」で検索したら膨大な量のデータがヒットするんよ。その中から、番組名・CDタイトル・作曲家なんかを拾い出していくんやけど、わかりにくいサイトもあるし、酷似しとるCDタイトルもあるし、再版とかで品番が変わっとるけど実は同じCD……みたいなややこしいことが多いけん、大変やなあ。でも、時々メールでデータを送ってくれる人もおって、ほんまに助かっとるよ。

な: ああ、そうか。作品リスト、まだまだ増殖中だもんね。で、そうこうしているうちに「仕事場探検(録音現場リポート)」が始まるんだけど、これは誰が思いついたの?

ゆ: 私やなあ。とにかく作品リストを作っとるときに「こんな作品が見つかったけど、覚えとる?」っておっちゃんに聞いても「全然!」って答えがほとんどなんよな。で、どうせなら今後の仕事に関しては、録音したときの様子を日記的に書きとめていったらどうやろか?って考えたんが始まりやったと思うわ。

お: 最初のころは事実をそのまま書くだけって感じで、いま読んだらえらいあっさりしとるな。それがだんだんに、面白うに読ませる、やいう方向に向いてきたんとちゃうで?

ゆ: 面白うに、というか、作っとる私もやけど、読んで感想をくれる人たちにも「もっと知りたい」「このときはどうしたんだろう?」「できたら写真も見たい」みたいな気持ちが湧いてきとるんを感じたけん、そういうんを汲みとってだんだんと進化してきたんやろなあ。

な: 「進化」したリポートは、ほんとに読み応えがあって面白いし、未知の世界を知る楽しさや驚きや発見があるよね。何気なく聴き流しているいろんな音楽が、こんなふうに作られているんだ、と具体的にわかると、もう聴き流せなくなっちゃうし(笑)。あと、細かくリンクが貼ってあるのも読者に親切だなあ、といっつも感心してる。

ゆ: それはなあ、とにかく私自身がスタジオワークに関して全く無知のド素人じゃってことが色んなことを思いつくきっかけになったんちゃうか、とも思うんじょ。たとえば「この作曲家さんはどんな人かいな?」って思うたら、ネットで検索して編集作業の手がかりにするんやけど、そのうち「この情報をリポート内にリンクしたら、読者にとっても便利やろか?」って思うようになって、今のような形になったんよ。

お: あと、わしの原稿は、人の名前やらも苗字だけとかニックネームだけのことがあったりするけん、編集長がネットで検索したりしてフルネームを調べてくれとるんよな。中には検索してもなかなか出てこん人もおるし、けっこうメンドい作業やろな。ほんにご苦労さんじゃ。

ゆ: ミュージシャンには同じ苗字の人もけっこうおるんよな。それと、せっかく一緒にお仕事したんやけん、きちんと個人を特定してあげたい、と思うて始めたんやけど、まあ、ここにはちょっとビミョ〜な部分もあって(な註:後のほうでのおっちゃんの発言参照)むずかしいとこもあるんよ。でも、頑張って検索しとりや〜す。

な: リポートが完成するまでの手順、というか、作業の流れを教えてちょうだい。

ゆ: まず前日か当日に「○時から○○さんとの仕事があるけど、内容はわからん」とか、「○○の劇伴(あるいはCM、楽曲など……)の仕事があるけど、作曲家さんは誰だったかな?」って感じの前報告があって、「○○さんとはずっと前から一緒に仕事しよんじゃ」「へえ、どんな人?」みたいなやりとりがあるんよ。

な: 下準備みたいな感じだね。

ゆ: うん、そう。で、仕事を終えた直後に「今日のは○○の音楽やて」とか「○○って感じの曲やったわ」とか「○○さんも来とった」みたいな口答での報告をしてくれるんよ。それが、数日後に文章の原稿としてメールで届くんよな。写真がある場合はそれも一緒に添付して。ほんで、それをもとにして私が文章を整理して自分の感想も織りこんだり、関連サイトを検索してリンクを貼ったりして仕上げていくんよ。

な: ふうん。文章リポートだけじゃなく、直後に口答での報告もあるってとこが、あの臨場感あふれるリポートができあがるヒミツかな。

ゆ: ほうじゃと思う。やっぱり当日の感想と数日後の文章ではおっちゃんのテンションの違いもあるし、当日に話してくれた情報が文章に入ってないことも多いけんな。

お: わしが原稿を書くんは、仕事の空き時間が多いんじゃ。途中が何時間も空くことはザラにあるしな。あと、仕事中に書くことも多いかも。

な: はあ? し、仕事中ぅぅぅ?

お: わはは。仕事中も、他のパートの譜面を直しよる間とか、けっこうヒマな時間もあるけん、そんなときはモバイルギアでこそこそやりよんじゃ。まあ、たいていのとこで電源も……もにょもにょ。あと、その日の仕事の簡単なメモみたいなもんもモバイルに書きとめておくようにしよる。なんせ物忘れがひどいけん、仕事が終わって車に乗ったとたんに、今の歌手は誰やったかいな?とかいうことになりかねんけんな。歌のタイトルも似たようなんが多いけん覚えにくいし、新人歌手の名前や、ほぼ100%忘れるで。

な: そんなこと自慢しないのっ。で、そうやってできあがったものをアップするの?

ゆ: いや、まだよ。まずサーバ上に臨時のURLで仮アップして、おっちゃんに見てもらうんじゃよ。そこでまたあれこれイジることもあって、OKが出たら、今度は連絡できる限りの作曲家さんにも仮アップを見てもろて、そこでOKが出たら、やっと正式にアップって形になるんじょ。

お: わしが仮アップでチェックするんは、事実関係の間違いが主で、たま〜に表現の仕方とかに注文を出すけど、だいたいはいつもそのままOKになっとると思う。

な: ひえ〜、手間ひまかかってるんだねえ。あらためてご苦労さん! ところで、ときどきリポートのアップが実際の録音と前後するのはなぜ?

ゆ: そらもう、おっちゃんの「書き忘れ」がいちばんの理由じゃよ……といいたいところやけど、これはちょっとじっくり書きたい、やいうもんもあるやろし、作曲家さんからOKをもらえたら、なるべく早よアップしたい、ってのもあるんよな。

お: なんせ次から次へと矢のような催促がくるけん、どれを送ったんか送っとらんのか、わからんようになってしまうこともあるんよな。あと、放映日が迫ってきたりすると、それに合わせて優先する場合もあるみたいやな。

な: 写真は、こういう写真を撮って、と編集長が依頼するの? それともおまかせ?

ゆ: ときどきは「2ショットよろしく〜」とか、色んな楽器を使う日は「並べとるところを撮って〜」やいうリクエストすることもあるけど、だいたいはおまかせじゃよ。かなり厳しい状況で撮ってきてくれとんは、わかっとるけん。


お: 写真は、なかなか難しいとこがあるんじゃよ。だいたいがスタジオ内で写真や撮りよるやつなんて、ほとんどおらんし、演奏中はフラッシュが使えんし、そもそも時間に余裕がないことも多いけんの〜。


な: そうか。写真も心して見ねばなあ。でもさ、なんで女性とのツーショットだと、思いっきり笑顔なわけよ?

お: わはは、これもなかなか難しいんじゃよ。そもそもあんまり仏頂面では相手に失礼やし、かといって男性とあんまり仲良うにしよると、関係が怪しいっていうヤツも出てきよるしなあ。

ゆ: おっちゃんや、素直に「ほなって嬉しいんやも〜ん」って言いなはれ!

お: ほらまあ、嬉しいない、やいうことはないんやけどな、わはははは。

な: そう、それでよろし。次に、ポポ編集長の原稿催促の必殺ワザと、おっちゃんの「のらくら」の必殺ワザを教えてちょうだい。

ゆ: そうやなあ、やっぱり「皆も楽しみにしてくれとるのにぃ〜! スタジオでも、見てますよ、とか言われとんやろ〜?」ってのが効果絶大かな〜? おっちゃんはなあ、とにかく「そのうち書きまっさ〜」「気が向いたら書きまさ〜」ってのが多いわな。でもまあ、のらくらしながらも、ちゃんと書いてくれとるんよ。ほなけん、たまには褒めてあげんといかんな〜とは思うとんやけど、あんまり甘い顔するんもなあ……

お: これは、やりとりのアヤというか、あんまりヘイヘイということ聞きよると、えらい簡単に書いとるように思われて困るし…難しいとこじゃ。それに、全ての仕事をリポートしよるわけやないけん、その辺りの見極めもな。編集長のいいよるままに書いとったら、ドえらい分量になってしまうけん、読む人の負担になる、やいうことも、時々は考えよるんじゃ。「考えときまっさ〜」というたら、これは書かんっちゅうこっちゃな。この辺りは、大阪式表現じゃ。

な: なかなか繊細(?)な駆け引きですわな。「スタジオ用語辞典」が生まれたいきさつは?

ゆ: おっちゃんの原稿を整理するときに、私自身が分からん言葉がいっぱいあったんよ。で、前後のつながりで適当に解釈したり、おっちゃんに聞いたりしとったんやけど、ふと「読者はちゃんと理解できるんやろか?」と思うたんよな。で、こんなにすごい仕事をしとる人たちのことを少しでも多くの人に知ってもらうためには、誰が読んでも分かりやすいもんにしたい、そのためには専門用語の解説が必要なんちゃうかと思うて、おっちゃんに提案したんよなあ。

お: これは普通の人はわからんやろな、と思う言葉はけっこう出てくるんよな。いちいちリポート内で説明するんはメンドイし、同じ言葉が何回も出てきたら説明がダブってしまうけん、これは用語解説のページがあったほうが便利ちゃうか、と思うたんよな。いわゆる「楽隊用語」っていうか、ミュージシャンのスラングみたいなもんを集めたんは他のサイトにもあるけん、わしらのとこでは、基本的には「純然たるスタジオの専門用語」っていうんに限定しよ、や思いよる。たまに例外もあるけどな。

な: 「PICK UP BBS」は?

ゆ: リポートに関するみんなの質問に、おっちゃんは何て答えとったかな〜? と思うことがときどきあって、そんなときは掲示板の過去ログを検索しとったんやけど、これがなかなか見つからんのよ。で、「いっそのこと、そういうのを抜き出したページがあってもええなあ。どうせ作るんなら、もうちょっと掘り下げてもええかもなあ」やて思いから始まったんよ。

お: まあ、リポートの感想に限らず、掲示板の話題で、そのまま埋もれてしまうにはちょっともったいないようなテーマもあるけんな。ここんとこやや停滞しとるけど、また続けて行きたいと思いよる。

な: はいはい、期待してまっせ〜 提案した「テーマのストック」もあるしね、へへへ。 ところで、いわゆるスタジオワークに関して、こんなに詳しくわかりやすく、かつ親しみやすいリポートやコラムや解説は、かつてない画期的なものだ! と私は思うんだけれど、おっちゃんはベテランスタジオミュージシャンとして、どんなふうに感じてるのかな?

お: とにかく、ふつう、劇伴やらスタジオミュージシャンのことなんか、ほとんど知らん人が多いはずなんやけど、このサイトを見て多少でも関心をもってくれる人がだんだんに増えていったら、ほんまに嬉しいこっちゃと思いよる。スタジオで会う人でも「見てまっせ〜」っていうてくれる人もおるし、掲示板に感想を書いてくれる人もおる。それ以外にも、実際はもっと大勢の人が見よんやないかと思うで。

な: あ、それは、関係者の側で、ということね。

お: ほうじゃ。パソコンでネットやりよる人が暇なときにするんは、自分の名前を検索してみる、やいうことやと思うんじょ。ほんで、自分の名前を発見したら、悪い気はせんと思うんじゃ。ミュージシャンの場合は、楽器の名前とか番組名で検索しよることもけっこうあるんとちゃうかの〜? ただ、ひとつ気になるんは、中には「無断で名前や写真を載せくさって〜」とか思いよる人もおらんとも限らんけん、そのあたりなんよな。

な: ふ〜ん、実際に文句をいわれたことがあるの?

お: いや、今のところそういうクレームがついたことはないんやけど……。今後の課題かもな、と思いよる。というても、全ての人に確認をとるんもできん相談やしなあ。

な: たしかに難しい面もあるかもしれないけど、悪口や誹謗中傷を書いてるわけじゃないんだし。

お: ほらま、そうなんやけどなあ。あ、悪口っつうたら、ある作曲家さんが「あのページは悪口は書かないのね〜」とかいうとったんやけど、これまたネットの難しいとこで、どんな人が見とるかわからんし、身近な人も見よるわけやん。ほなけん、あんまり批判がましいことは書けんやろな。

ゆ: う〜ん、そら、そういう配慮やいうこともあるかもしれんけど、基本的に私は、どの人のどんな音楽(や演奏)に関しても、素直に「すごいなあ、すてきやなあ」って思うとるんじょ。で、そういう素晴らしい才能が集まって作りあげるスタジオワークの素晴らしさをたくさんの人に伝えたいっていうんが目的やし、私の原動力なんやもん。

な: うん、「おっちゃんの仕事」を知りたい、知らせたい、ということからスタートしたものが、いまやそれを超えてある意味で普遍性をもつ「ワーク」になっているわけだけど、最初のころ、そういう自覚はあった?

ゆ: いや〜、全然なかったなあ。まさかここまで広がってくるとは思いもせんかった。でも、リポートを続けていっとる中で、いろんな作曲家さんやミュージシャンさんの話が出てくるやん。おっちゃんからいろんな話を聞いとるうちに「おっちゃんだけでなく、他の人もこんなに頑張って、素晴らしい仕事をしとるんやなあ。これは、ぜひ皆にも知らせてあげたいなあ」って思いが強うなってきて、だんだんと今のような形になってきたんやと思うじょ。

な: そうだね。最初っから上段に構えて「こういうページを作るんだ」って始めていたら、こんなに自然な広がりにはならなかったかもしれない。ひとつひとつ、ていねいに培ってきたものが積み重なっているから、楽しい、あたたかいページになってるんだと思う。さて、おふたりさん、このページを続けてきたことで、得たものは何ですか?

お: 掲示板のメンバーやら、ROMで読んでくれよる人に、スタジオの仕事やスタジオミュージシャンのことが少しでもわかってもらえるようになったとしたら、ごっつい嬉しいこっちゃと思いよる。スタジオ関係者やプロダクション関係者でも見てくれよる人も多いみたいやし、アレンジャーや作曲家の人らとも、このページがきっかけで円満な人間関係ができたケースがいくつもあるっていうんも大きな収穫やろな。まあ、これも全て編集長が陰に日向にいろいろ頑張ってくれよったおかげやと思うとる。

ゆ: いやいや、私の力は、ほんまに微々たるもんやと思うんやけど、でも、この私にもはっきりとわかるくらい「おっちゃん、この作曲家さんとずいぶん仲良しになったなあ」って思うことがいくつかあって、これは私には何より嬉しいことじゃよ。こうやって、もっともっとおっちゃんが活躍できる場が増えたらいいなあ、と思いよる。そうそう、ここ最近は、私が作曲家さんから直接お仕事の内容や日程を聞いとるってこともチラホラあったり、ときには「旭さんって、○○みたいな笛は吹ける?」「どんなキーならOK?」ってな質問を受けて、それをおっちゃんに連絡することもあったりするんじょ。

な: ほっほ〜。で、ポポ編集長自身は? 「生きてる作曲家もいる」と認識した以外に?

ゆ: こりゃっ!(ふえ〜ん、あんなこと言うんやなかった〜。なっちゃん、私のことを‘鬼’や言えんで〜)……とにかく生活は一変したし、色んな大事なもんを得たけど、何というても、やっぱり「人の温かさ」かなあ。たくさんの人が陰になり日向になり、いろんな形でサポートしてくれたり、励ましたりしてくれるんよな。ほんまにありがたいわ。で、おっちゃんを通じて知り合うた作曲家さんたちも、こんな田舎の一般人……しかも、せいぜいメールのやりとりだけで姿も声もロクに知らん私のことを信じて、いろんな話をしてくれるとこが、ほんまに嬉しいと思うんよな。もちろん、これには「あの旭さんの相方」ってことで信頼してもらえとる部分も大きくあると思うんじゃ。それだけおっちゃんの人望が厚いっていうことよなあ。あらためて痛感しとる。ほなけんこそ、絶対にその気持ちを裏切ったり、迷惑がかかったりすることのないように、大事に大事に温めていきたいな〜、とも思うとるんよ。

な: いよいよ3年目に突入! なんだけど、今後の抱負みたいなものはある?

お: 今後は、どうやろな。ますます充実させていきたいんは山々やけど、これ以上に仕事が増えて、ますます鬼編集長の催促が厳しいになるんもどうよ? という気もするしの〜

な: また、すぐそれを。ま、私からすればおっちゃんは「厳しい催促」がほんとは嬉しいんだろうな〜 個人的に職業柄で言わせてもらえば、「催促」がこなくなったら終わりよ、あはは。

ゆ: 私は、まだおっちゃんと関わったことのない作曲家さんたちにもリポートを通じておっちゃんの素晴らしさを知ってもろて、新たな関わりが広がっていってくれたらなあ、って感じかな。それと、これはほんまに夢みたいな話やけど、いつか生のスタジオを見てみたいなあ。生で見て、その場の空気を肌で感じたら、また書き方が変わってくると思うしなあ。

お: スタジオ見学は、できん話ではないけど、タイミングが難しいかもな。あんまり関係のないところにもぐりこんでもつまらんけん、わりとよう知っとる作曲家さんの録音があるときと、編集長が出てこられる時が合うたらええんよな。

な: さてさて、いまや掲示板上では「名(迷)漫才コンビ」といわれるおふたりですが、そのことに関するコメントを。

ゆ: わはは、漫才コンビなあ、ま、よろしいんじゃないかと……。いつもマジメに仕事の話だけしとったんでは、ほんまの姿が見えてこんと思うんじゃよ。アホなことをいうたり、たまにはケンカもすることで、だんだんと相手をいろんな角度から見ることができて、阿吽の呼吸で作業が進められるようになってきたと思うんよな。

お: まあ、わしが怪しげな阿波弁まがいでやり始めたんが、「漫才」の始まりなんやろな。昔、オケにおったころに徳島県出身の仲間がおって、阿南やらに遊びに行ったりもしよったけん、わりと言葉には馴染みがあったし、基本的には関西弁に近いこともあって、ふざけて使いよるうちに抜けれんようになってしもたみたいじゃ。知らん人が掲示板見よったら、なんじゃいな、とか思う人もおるかもしれんけど、まあ、こんなんで楽しいにやっていけたら、それはそれでええんとちゃうで?

な: そりゃもう、おもしろくてたまんないもん。では、相手をひとことで「こんな人」と表現してください

ゆ: う〜ん…「山みたいな人」。大きいて、頑丈で、何ごとにも動じん、すごい存在感。切り立った断崖やゴツゴツした岩の部分もあるけど、豊かな緑と優しい風で皆を温かく包み込んで癒してくれたりもする。笛の才能は流れ出る川みたいやけど、森の奥でひっそりと息をひそめた沼のような場所もある。まあ、そんなこんなで、山って感じかな〜?

お: 「はたらくおっちゃん」のページに限っていえば、「かけがえのないパートナー」&「常にムチをふるって馬を急き立てる御者」とでもいうかな。

ゆ: お、おっちゃん、「常にムチを…」って、「つつましい」はどうなるんよ!?

な: わはは、まあまあ。んじゃ最後に、おたがい、あえて注文をつけるとしたら?

お: あえてもなんも、原稿の催促をほどほどにしなはれっ、ということに尽きるかの〜? わははは。

ゆ: あえてもなんも、もうちょっと素直に可愛らしく、ふたつ返事で原稿を書いてくれたらええんやけどなあ。はあぁ……

な: なるほど、まさしく阿吽の呼吸であります。どうもお疲れさまでした。

 

 

いかがでしたか? なっちゃんのおかげで楽しく、また大事にこの2年を振り返ることができて、おっちゃんも私も本当に嬉しく思っています。これからも色んな人の力を借りながら、楽しく賑やかに頑張っていこうと思ってますので、応援をよろしくお願いしますm(__)m(ゆ)

2004年10月2日 「和田薫の世界・喚起の時」レセプションにて

 

 

皆さんが寄せてくれた素敵なお祝いメッセージをこちらにまとめました♪ → CLICK HERE

 

 

Home  Top  Guestbook  Mail  Web Clap  Back

 

 

inserted by FC2 system