ヴァイオリンの特殊奏法

 

私が応援しているシリウス弦楽四重奏団の第6回定期演奏会のプログラムの中に、バルトーク作曲の「弦楽四重奏曲第3番 Sz.85」というのがあります。で、この曲の中には「コル・レーニョ(col legno)」と「スル・ポンティチェロ(sul ponticello)」という2つの特殊な奏法が出てくるんですが、これがこの曲が作られた当時にはとても珍しいものだったそうです。正確に言えば、弦楽四重奏曲にこの奏法を取り入れたのが珍しいってところでしょうか…。

さて、皆さんは「コル・レーニョ」とか「スル・ポンティチェロ」とか言われて、すぐにどんな奏法のことだか思い浮かびますか? 私は初耳だったので調べてみると、「コル・レーニョ」は「弓の反対側の木の部分で叩くこと」で、「スル・ポンティチェロ」は「駒の近くを弓で擦ること」なんだそうです。でも、私としてはこの「駒」ということからして、どこのことだか分かりません(^^ゞ

そこで、もうこれは「百聞は一見に如かず」で実際に見せてもらった方が早いと思ったので、田尻さんにお願いして動画で撮ってもらうことにしました。田尻さんご自身による声での説明がないのが寂しいんですが(カメラに向かって1人で話すのが恥ずかしいんだそうです)、撮影から演奏まで全て田尻さんお1人でやってくださってますので、ぜひご覧ください。でも、何せ携帯で撮った動画なので、音質がイマイチなのはご了承くださいね(^.^)b


まずは「コル・レーニョ」です。打楽器的な効果を出したり、異様な雰囲気を出すのに用いられるようですが、弓の棒は木製で弦の表面には金属が巻かれているので、強く演奏すると弓を傷めてしまうこともあるそうです。



この奏法を使った曲は、ほかに「ベルリオーズの幻想交響曲の終楽章」「モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第5番‘トルコ風’の終楽章」「ショパンのピアノ協奏曲第2番の終楽章」「グスターヴ・ホルストの惑星の‘火星’」などにも使われています。


続いて「スル・ポンティチェロ」です。日本人の演奏者の間では「スルポン」と略して呼ばれることもあるようです。ちなみに、奏法の説明にあった「駒」というのは、ヴァイオリン本体の真ん中あたりにある、弦を持ち上げて支えているところ…お琴で言うところの「琴柱」みたいな部分ですね。



この奏法を使った曲は、ほかに「ハイドンの交響曲第97番」「ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第14番」「コダーイの無伴奏チェロソナタ」などがあります。 また、劇伴録音の中でも何度か使われてるようですよ。私の個人的な感想ですが、ヘリウムガスを吸ったときの声みたいですね(^^ゞ

 

いかがでしたか?
こうして奏法や音色が分かると、これからテレビで何かの演奏を見たり、実際に演奏会に足を運んだときに「あ、やってる〜!」なんて思って聴く楽しみが増えるかもしれませんし、何かのサントラを聴いていて、その音色の変化に「もしかして、あれやってる?」なんて気づけることもあるかもしれませんねo(^-^)o

ちなみに、ブログの方でこの動画の撮影秘話をつづってありますので(こちら)、良ければ合わせてご覧ください♪

今回はシリウス弦楽四重奏団の演奏会にちなんだ2つだけでしたが、また別の奏法もこうしてご紹介していければいいなと思っています(*^-^*)

 

 

田尻 順さん(1965年6月10日生まれ)


桐朋学園大学音楽学部演奏学科卒業。

1988年の卒業と同時に群馬交響楽団に入団し、在籍中は首席代理奏者を務められます。その後、1994年に首席奏者として「東京交響楽団」に入団し、1998年には東京交響楽団のアシスタントコンサートマスターに就任され、現在も数多くのステージで大活躍中です。

また、東京交響楽団のほかには「ストリング・アンサンブル・ヴェガ」のメンバーであり、2004年に結成した「シリウス弦楽四重奏団」ではリーダーを務められてます。このほか、篠崎正嗣さんや弦一徹(落合徹也)さんのもとで、スタジオミュージシャンとしても活躍されてます。

スタジオ業界での愛称は「タジタジ」さん。名付け親はマサさんこと、篠崎正嗣さんです♪

さらに詳しいプロフィールは、シリウス弦楽四重奏団のHPのこちらをご覧ください(^.^)b

 

 

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