〜メンデルスゾーンの弦楽四重奏曲 ヘ短調 作品80について〜

 

第5回定期演奏会で演奏された曲目の中にメンデルスゾーンの「弦楽四重奏曲 ヘ短調 作品80」というのがありますよね。でも、お恥ずかしながら、私はこの曲を一度も聴いたことがなかったのです。そこで、まずは曲の背景だけでも調べてみようと思って色々と検索していると、第5回定期演奏会の資料ページにアップしてある「いつも頼りにしていたお姉さんのファニーが急死し、そのファニーへのレクイエムとして、このヘ短調という調性を選んだ」というくだりを見つけました。

これ、音楽に詳しい方からすると「ふ〜ん、なるほどね!」というようなことなのかもしれませんが、私にしてみれば「何でヘ短調?」「ヘ短調にはどんな意味があるの?」という疑問が湧いてきたのです。で、思い切って、ヴィオラの成田さんに「昔どこかでハ長調とかト長調とかそういう‘調’というものにはそれぞれカラーというか独自の世界観みたいなものがある…なんてお話を聞いたことがあるように思うんですが、だとしたら今回のヘ短調にはどんな意味があるんですか?メンデルスゾーンは何でヘ短調を選んだんでしょう?」って聞いてみることにしました(^^ゞ

 

以下、成田さんからのお返事そのままです(^.^)b


なかなか鋭い質問ですよ。

所謂現代音楽の様な「無調音楽」以外は必ず「調性」が有りますからね。で、それぞれの調のカラーとか世界と言うのは、実は、何か共通の決まり事が有るわけでは無く(勿論長調は明るく短調は暗いというのは共通していますが)、それぞれの時代、地域、最終的にはその作曲家個人の価値観に因る事が大きいのです。

例えば変ホ長調はモーツァルトにとっては友情の調性でしたが、ベートーヴェンにとってはヒロイックな物だった、と言う様に個人差が有るものです。それが特にロマン派以降になると余計個人的な世界になって行くので、メンデルスゾーンにとってヘ短調が「どのようなカラー・世界だったか」を断定するのはとても難しいです。

僕の個人的な所見としてはヘ短調の平行調が変イ長調であることから類推すると、おそらくメンデルスゾーンにとって良き理解者・支援者にして、最愛と言っても良い姉は変イ長調の慈しみ深く暖かな響きの様な存在だったのではないでしょうか。その姉が亡くなった悲しみは、その平行調であるとても暗く厳しい印象のヘ短調での表現になったのでは無いかな、等と思います。

因みに有名なメンデルスゾーンのヴァイオリン・コンチェルトはホ短調ですが、こちらはむしろ情熱的な扱いです。

こんなんで少しはお分かり頂けますでしょうか?

 

どうですか? 成田さんの言葉って、とっても深みがあって説得力があって、分かりやすいでしょう?
うまく言葉にできませんが、何ていうか…メンデルスゾーンがどんなにお姉さんを愛して慕っていたか、そのお姉さんを失った悲しみがどんなに深いかが分かってきた気がします。それと同時に、とても切なくなって、何だか胸の奥が痛みます(>_<)

ただし、私の場合は最初この「平行調」というところでも「?」がついたんですが、このシリウスのHPに来てくださってる方々には、この「平行調」については特に説明は必要ないですかねえ。一応、いくつかリンクしておきますので、よろしければどうぞ(;^_^A

http://soraichi.com/bamo/dic29-2.html

http://cleargreen.or.tv/pukiwiki/?%CA%BF%B9%D4%C4%B4

http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CA%BF%B9%D4%C4%B4

 

 

    

   まず最初に田尻さんに届き、必要に応じて他のメンバーに転送してくれます♪

 

 

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