おっちゃんの仕事場探検

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劇伴(映画・ドラマ・アニメなどのBGM)がどんなところで、どんな風に作られているのかを、おっちゃんから聞いたお話を中心にレポートしていきます。レポートの番号が進むにつれてだんだんと内容が濃くなり、ときには作曲家さんやエンジニアさんからいただいたコメントも出てきます。

ただし、これらは録音時の記録が主になっているので、実際にオンエアまたはリリースされたときにはタイトルが変わってる…なんてことも稀にあります。また、私の音楽の知識やパソコン技術の問題などによりお見苦しい点も多いかと思いますが、あたたかい目で読んでいただけると嬉しいです(*^^*)

こことは別の「スペシャルレポート」「オフラインレポート」などのページでも作曲家さんやエンジニアさんのお仕事ぶりやオフのときの様子をご紹介していますので、合わせてご覧下さい。

最後に…どうぞレポートをご覧になってのご意見・ご感想などを、ゲストブックやメール・ウェブ拍手などを通じてお聞かせください。今後の参考に、そして励みにさせていただきたいと思います。よろしくお願いしますm(__)m

 

 

 

 

225 アニメ「甲虫王者ムシキング 〜森の民の伝説〜 」(和田 薫)

2005年3月9日。AVACOの301スタに行きました。どうもうちのレポートの中では「AVACOの301スタ=和田 薫さん」というイメージがあるのですが(そんな気がしませんか?(^^ゞ)、思った通り、この日は和田さんの録音でした。タイトルは「甲虫王者ムシキング」という小さいお子さんに人気のある甲虫バトルゲームだそうで、それがついにアニメ化されることになったようです。公式サイトを覗いてみると、主役の妖精の子供の名前は何と「ポポ」っていうんです。ちょっとビックリしましたが、妙に親近感も湧いたりして…。で、このポポとカブトムシたちが力を合わせてムシキングの森を守る…というお話のようです。

この日のおっちゃんの拘束時間は13時から21時までの8時間。まずは大編成で4時間、そのあと小編成になって2時間、さらににそのあとでパーカッション・笛・ギター等によるダビングで2時間という内訳になってたようです。スケジュールが入ったときは「最近としては異例の長さやし、何をやるんやろ…いつものように、ちょっと余裕を持って押さえとんかな?」なんて気楽に思ってたそうですが、2月28日付の和田さんの掲示板レスに「新番組用の音楽を60曲も書いてる(+_+)」って書いてあるのを見て、「こりゃ、わしも気合いを入れんとな!」と、録音を楽しみにしてたようですよo(^o^)o

とは言ったものの、いざ現場でずっしりと重みのある山のような楽譜を手渡されると、思わず「うへぇ〜楽譜が売るほどあるわい(^-^;)」なんて苦笑めいたメールが来てました。

右がその楽譜の山の写真ですが、これらを全て初見で、片っ端から完璧な演奏にして片付けていくわけですよね? もう、ただただ脱帽です。しかしまあ、写譜屋さんも大変だったでしょうね(^^;ゞ


さて、いよいよ録音です。この日はまず、大編成でメインテーマらしき曲から録ったそうですが、これがいかにも和田さんらしい骨太な音楽だったようですよ。和田さんご自身が中学時代にホルンをやってたせいか、和田さんの音楽はホルンが目立つものが多いですよね? このメインテーマ(?)もホルンが力強く鳴ってて、自然と体中に力がみなぎってくるような音楽だそうです。皆で力を合わせて森を守っていこう!…なんてときに流れたりするのかしらん? 早く聴きたいですよね〜♪

プレイバックはこのメインテーマ(?)のみで、あとはリハーサルと本番だけという、ものすごくスピーディな録音だったようです。いつも思うのですが、こういうのって和田さんやエンジニアさん、そしてミュージシャンの方々の気持ちが1つになってないと絶対に無理ですよね? こういうところからも、いかに和田さんが皆さんに信頼されているか、そして、いかにその気持ちにきちんと応えているか、というのが分かりますよね? 大島ミチルさんの言葉を借りて言うなら「心のキャッチボールができている」といったところでしょうか。その場の空気を想像するだけで、私たちの方まで胸が熱くなりますね。


こちらは、おっちゃんのブースから見た和田さん。写真にカーソルを乗せると、和田さんが大きく見えますよ。

今回は、製作者サイドから和田さんに注文されてきた音楽の数が「犬夜叉」などに比べてずっと多かったらしいんです。これはファンの私たちにとってはとても嬉しいことですが、和田さんは本当に大変だったでしょうね。それに、いざ録音が始まったらその曲の数だけ棒を振らなければいけないわけだし、細身の和田さんは大丈夫かしら?…なんて思ってしまうのですが、そんな心配をよそに、とても元気に、そして力強く棒を振ってらしたそうです(*^-^*)


詳しい編成はレポの最後でご紹介しますが、前半部分はいわゆるフル編成で、おっちゃんは「やっぱり、これはAVACOスタジオでしか録れんかな〜?」なんて思ったとか。生楽器の音をとても大切にし、なおかつサウンドの厚みにもこだわる和田さんだからこそ…と思えば、なぜ和田さんがAVACOを好んで使われるのかってことも、すぐにつながりますよね。

この日はブラスとハープがブースに入ってて、その他の弦・木管・ホルン・パーカッションは広いフロアで一斉に演奏するといった配置だったそうです。これだと音が回っちゃうのでは…って思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、きっと、その回り込みを味にしちゃおうっていう和田さんの狙いがそこにあったんではないでしょうか。ただ、その話とは別に、ティンパニなどの打楽器の音が、イヤフォンで聴いてる音よりもはるかに大きな音で入ってくるので、ちょ〜っとやりにくい面もあったとか…。う〜ん、なかなか上手くいかんもんですなあ(-_-;)

とにかく、音楽の方は体の奥底からしびれてくるような勇猛果敢な曲がたくさんあるし、おっちゃんのケーナ・パンパイプ・リコーダーなどのエスニック系の笛や、梯さんのパーカッション、田代さんのギター類などが大活躍してる曲もいっぱいあるし、木管楽器を駆使したコミカルな曲もあるし、「和田薫=和楽器」のイメージが吹っ飛んでしまうような、新しい和田さんの世界に触れられそうですよ♪


この日のおっちゃんは、本業(?)のフルートとピッコロの他に、リコーダー(アルト・ソプラノ・ソプラニーノ)、ケーナ、パンパイプ…と、またまたたくさん持ち替えたようです。これは、おっちゃんファンとしては嬉しい限りですね。

たくさんあった楽譜の中には「quena or tinwhistle」って書かれたものもあったようですが、ちょっと時間が押し気味だったようので、使いなれたケーナでやっちゃったそうです(^^;ゞ

写真にカーソルを乗せると、そのケーナを吹いてる写真に切り替わります。


あ、パンパイプを使う曲の中には、かなり変わった音階のものがあったそうですが、ちゃんと吹きやすいように配慮してくれてたそうで、ちょっと嬉しかったんですって。これって、和田さんにこの楽器の知識がないとできないことですよね? 別ページの「川崎真弘さんの仕事場探検」の中でもお話ししましたが、作曲家さんっていうのは本当に色んな知識が必要なんですね。大変だなあ。

…いや、もしかしたら、適当に思いつくままに書いて、あとは全てミュージシャン任せってことも可能かもしれないですよね。でも、そこでこうして和田さん自身もその楽器を勉強し、そうした配慮ができるからこそ、最初にお話した「心のキャッチボール」ができるのかもしれません(*^-^*)


こちらはパーカッションの梯郁夫さん。手前にある、動物みたいなのは何なんでしょうね〜。黒ヤギさんっぽくも見えるかな?で、どうやって使うんでしょ?

とにかく、写真にカーソルを乗せると、この不思議なものがアップになりますよ♪


あ、皆さんは「ドリア旋法」という音楽の種類(?)は知ってますか? 和田さんの音楽で言うと「ロードス島戦記 〜英雄騎士伝〜 1」の19曲目「旅するエルフ」とか、「犬夜叉 音楽篇」の12曲目「時を越えて かごめ」などがそれに当たるのですが、ああいう曲想って何とも言葉では言い表せない、でも不思議と惹き込まれてしまうような味わい深い情緒がありますよね? どうやら、今回の録音でもそんな独特の世界が楽しめるみたいですo(^o^)o

そうそう、和田さんがドリア旋法を使うときは、何故かその主旋律をおっちゃんが演奏することが多いので(実は、先に挙げた2曲もおっちゃんがメインです)、今回もおっちゃんは楽譜を見た途端に「来たっ! よっしゃあ♪」なんて思ったそうですよ(^◇^;)

右はその曲をアルトリコーダーで演奏しているところです。


こうして着々と録音が行われ、その進行状況もかなりスムーズだったようなのですが、やはり曲数が曲数だけに、前半の大編成での録音が終わった時点で、すでに15分くらい押してたようです。そのあとブラスの人が帰り、弦も人数が減って小編成での録音になったわけですが、ここでちょっと追い上げて、小編成での録音が終わったのがちょうど予定通りくらいだったみたいです。
 
ここから先は、梯さんとおっちゃん、それに遅れて新たに参加してこられた田代さんの3人でのダビングになりました。ところが、これが予想以上に時間がかかってしまったんですって…。別に、どこが悪いとかいう問題ではなくて、皆さんそれぞれが1人で2回・3回と音を重ねるので、時間がかかっちゃったみたいですね。また、3人になった時点でもう楽譜はそんなに残ってなかったらしいのですが、最初に配られた写譜屋さんが書いた楽譜以外に、パソコンからプリントアウトしてきた譜面が次々と出てきたようなので、そうした曲の多さもまた、押す原因だったのかもしれません(^^;ゞ

ここまでの長丁場になってくると、さすがに疲れの色が出て少しはイライラもしてくるのかと思いきや、この3人でのダビングが民族系のバンドみたいな感じで、イライラするどころか、逆にワクワクしながら録音に臨めたようですよ。そうやって、どんなに疲れてても、楽しい気分で臨めるっていいですね〜。きっとそこには、どんなに疲れてても決して絶やすことのない、和田さんの穏やかな笑顔もあったことでしょう。あ、笛のパートはそんなに多くなかったようですが、田代さんや梯さんは色んな楽器を次から次へとダビングされてたようです。

こんな感じで延々と録音は続き、結局おっちゃんが終わったのは午前0時ちょっと前だったようです。…ということは、午後1時から何と11時間も同じスタジオで頑張っていたことになるわけですね。ひぇ〜ほんとにほんとに、お疲れさまでした。でも、このあとも和田さんには色んな作業が残ってるわけですよね。ほんと、もう何て言ったらいいのやら…(>_<)ヽ


こちらは、和田さん・梯(かけはし)さん・おっちゃんの3ショット。和田さんが手にしてるのは、梯さんのコンサートのチラシだとか。う〜ん、よく見えな〜い! 残念(>_<)ヽ

そういや、148番のレポートで「和田さんのヒゲ面が見た〜い!」と叫んでましたが、ついに見ることができましたね〜。いや〜なかなかワイルドでいい感じじゃないですか(*^-^*)♪


最後にこの日の編成ですが、弦(マサさんのグループ:86442)、ハープ(小林聡美さん)、パーカッション(梯 郁夫さん・藤田さん他2名)、ギター&ブズーキ他(田代耕一郎さん)、トランペット(高橋 敦さん他2名)、トロンボーン(3名)、ホルン(吉永雅人さん他2名)、フルート&リコーダー&ケーナ&パンパイプ&ティンホッスル(おっちゃん)、オーボエ&イングリッシュホルン(庄司知史さん→?)、クラリネット&バスクラリネット(星野 正さん)、ファゴット(大畠條亮さん)で、指揮はもちろん和田さんご本人、エンジニアは和田さんと長年タッグを組んでて、和田さんの音楽を最もよく理解している山田さんでした。そうそう、今回は意識的に「犬夜叉」のときとはメンバーを変えられたそうなので、そうしたところからも新しい和田さんの世界が味わえるかも…ですよ。また、日をあらためて、河井英里さんによるヴォカリーズの録音も行われたようです♪

この番組は、2005年4月6日の午後6時から、テレビ東京系列の6局で放送スタートとなります。大人にとってはちょっと忙しい時間帯ですが、いつものように(?)子供たちがテレビを見て静かになってる間に家事を片付けるのではなく、子供たちと一緒に、和田さんの音楽が彩る楽しい冒険の世界を味わいたいものですね♪

 

 

224 ゲーム「信長の野望」(山下康介)

2005年3月7日。サウンドシティのAスタに行きました。この日はRPG(ロールプレイングゲーム)の「信長の野望」というゲームの音楽録りでした。これ、かなり前からあるゲームですよね?おっちゃんと作曲の山下康介さんとは「これ、パソコンの‘WINDOWS’なんかが登場するずっと前…今や知る人も少なくなってしまったNECの‘9801’ってヤツの時代からあったゲームですよね?」なんて話をしてたそうですが、そういや私が小学生のころ、弟が必死でやってた気がするなあ。あら?山下さんとうちの弟は生まれた年も月も同じのようです…ってことは、山下さんも小学生のころからやってたのかなあ?(^^ゞ

この日の音楽は「信長」だからといって、決して日本風の音楽というわけではなかったみたいですが、それぞれの曲のタイトルに「織田家」「今川家」「前田家」など、10人近い戦国武将の名前がついてたそうです。私は初代のスーパーマリオみたいな単純明快なゲームしかやったことがないので分からないのですが、ゲームの進行に合わせてそれぞれのテーマが流れてくるんでしょうね。おっちゃん曰く「よう書けとる楽譜で、なかなか面白いんちゃうかな?」だそうです。3月28日の「めざましテレビ」に登場した大島ミチルさんが「作曲家がその音楽にどれくらいの思いを込めたか、ミュージシャンは楽譜を見ただけで分かっちゃう」なんておっしゃってましたが、ほんとにそうなんですね〜。

そうそう、実はこの日は2軒ハシゴの日で、この山下さんとのお仕事終了予定時刻のわずか30分後にサウンドインでのお仕事が入ってたんですって。ちなみに、サウンドシティとサウンドインの間は、車で20〜30分くらいだとか。もう、この時点で「おいおい…」って感じですよね(^^ゞ

で、お仕事を受けたときに「ちと危ないかの〜?」なんて思ったりもしたそうですが、「まあ、早めに終わるかもしれんし、何とかなるか♪」ってなことで受けちゃったそうです。でも、悪い予感というのはよく当たるもんで、早く終わるどころか、少し押してしまったそうです。最後の方は「ぶっつけ本番」でやってたそうなんですが、曲が難しかったこともあって、録り直したり差し替えたりすることになってしまったので、結局10分くらいは押してしまったんだそうです。サウンドシティを出てきたおっちゃんは「あれやと、あんまり‘ぶっつけ本番’の意味がない気がするの〜」なんて笑ってましたが、「そんなことより、はよサウンドインへGOじゃ!」とドキドキする私。道路状況はまあまあだったようですが、やっぱり押した分くらいは遅刻になってしまったそうです。それでも「まあ、許容範囲かの〜?」と、おっちゃんは全く動じてませんでした。さすがです(^-^;)

編成は、弦(マサさんのグループ:64221)、フルート(おっちゃん)、オーボエ(庄司知史さん)、クラリネット(星野 正さん)、ファゴット(前田信吉さん)、トランペット(エリック宮城さん・横山 均さん)、トロンボーン(中川英二郎さん・広原正典さん他1名)、ホルン(藤田乙比古さん他2名)、パーカッション(草刈とも子さん)、ハープ(朝川朋之さん)でした。

ところで、最近のゲームって、PC用(オンライン用って言うのかな?)とか、PS2用とか、何とか用とか、とにかく色々とあるんですよねえ? 今回のは、どういうタイプのゲームなんでしょ? また、同じ「信長の野望」でも「○○の章」みたいに分かれてるようですし、今回の録音のがそのどれに当たるのやら…詳しい情報がなくて申し訳ないんですが、もしこの録音分のゲームをされた方がいらっしゃいましたら、詳しい情報や感想などを聞かせてくださいねo(^o^)o


 

223 アニメ「ふしぎ星の☆ふたご姫」(中川幸太郎)

2005年3月6日。サウンドシティのAスタに行きました。この日の録音は「ふしぎ星の☆ふたご姫」という小さな女の子向けアニメの音楽録りで、音楽は中川幸太郎さん。このところ、私はお昼のドラマで中川さんのお名前をよくお見かけするのですが(子供のピアノの先生のオススメで‘牡丹と薔薇’に引き続き‘冬の輪舞’も見てます(^^ゞ)、それは、どちらかというとシンプルな感じの音楽が多いように思います。でも、おっちゃんからはいつも「中川さんの譜面は難しいんじゃ」なんてことを聞いてるので、いよいよ本領発揮ってところでしょうか。

さて、その噂の(?)録音です。案の定、各セクションとも、なかなか大変だったみたいですよ。おっちゃんのフルートのパートも、楽譜を見たときに「このくらいのテンポならやりやすいかな?」と思ったテンポの大体2倍の速さ、音域も「こんな感じかな〜?」と思ったよりもオクターブ上の高さになってたそうです。いやはや、聞いてるだけで冷や汗が出てきそうな…。で、中には、さすがのおっちゃんにもどうにも手に負えないような部分があったらしくて、場所によってはオクターブ下げたり、フルートのパートをピッコロでやったり…と、あの手この手で切り抜けたそうです。こうして、何だかんだと言いながらも切り抜けてしまうところが、またまた感動するんですけどね♪

そうそう、この日はもともとは2時間の拘束だったようですが、楽譜の量からみても「こりゃ、ちょっと無理かもな…」と思っていたところ、やっぱり3曲ほど残して時間になっちゃったそうです。で、延長するのかな〜なんて思って、ちょっとだけ心の準備をしてたらしいのですが、そこで打ち切りになってしまったんですって。おっちゃんによると「多分、‘重要’って思うもんから順に録っとったんやと思うし、残った分は打ち込みで処理するとか何とかするんやろなあ。」とのことでした。う〜ん、ちと残念に思うところですが、これもまたスタジオでの大事なエピソードってことで…(^^ゞ
 
編成は、弦(落合徹也さんのグループ)、トランペット(エリック宮城さん他2名)、トロンボーン(中川英二郎さん他2名)、チューバ(佐藤潔さん)、ホルン(藤田乙比古さん他)、フルート(おっちゃん・高桑英世さん)、クラリネット(板倉康明さん)で、指揮者は無し、作曲の中川さんは、副調から指示を出してらしたそうです。

このアニメ、2005年4月2日(土)の午前10時からテレビ東京系列でオンエアになります。どちらかと言うと小さい女の子が楽しめそうなアニメですが、それとは関係なく、中川さんが繰り広げるダイナミックな音楽の世界も楽しんでくださいね♪

 

 

222 住宅連CM(高橋千佳子)

2005年3月3日。音響ハウスの1スタに行きました。この日は高橋千佳子さんという方とのお仕事で、「住宅連」のCMの音楽録りでした。30秒のパターンを1つ録るだけだったので、始まってから35分くらいで全体のOKが出ちゃったそうです。そのあとにピッコロとホルンとコントラバスのダビングがあったそうですが、こちらもすぐに終わっちゃったとか…。何だか、呆気ない感じですよね〜。でも、録音のスタイルや進行具合が、ずっと昔、色んなCMをいっぱい録ってたころのと似てたらしくて、ちょっと懐かしい気持ちがしたんですって。

このCMは、バロック名曲集とかいうCDには必ず入ってるヴィヴァルディ作曲「四季」の中の「冬」の第2楽章のメロディをソプラノ歌手が歌う…という、すでにオンエアされてるものの別バージョンだったようです。その「冬」って曲はこの私でも何とか思い浮かぶんですが、そんなCMあったかなあ? ちなみに、おっちゃんのパートとしては、フルートでやったあとにピッコロをダビングしたのですが、あんまり目立っては聴こえないようです。30秒の間に、おっちゃんの音に気づけるかな〜? 住宅連のCMが流れてたら、ちょっと耳を澄ましてみてくださいねo(^o^)o

編成は、弦(小池弘之さんのグループ)、フルート&ピッコロ(おっちゃん)、オーボエ(石橋雅一さん)、クラリネット(十亀正司さん)、ホルン(中島さん)、ピアノ(Febian Reza Paneさん)でした。


 

 

221 火曜サスペンス劇場「九州柳川 母の郷土料理」(大谷和夫)

2005年3月1日。3月に入って最初のお仕事は、大谷和夫さんによる火サスの音楽録りでした。実は、この録音の1週間ほど前に、大谷さんから「3月1日に、あさひさんをオカリナとリコーダーでお願いしてるんですよ」との連絡をもらってたんですが、その後フルートも増えたようで、おっちゃんはオカリナ・リコーダー・フルートを持って、元気に出かけていきました。この日の全体的なスケジュールは3時間拘束だったようなのですが、おっちゃんはその真ん中の2時間…つまり、途中から入って、途中で出ていくっていうパターンだったそうです。

さて、事前の楽器のオーダーは、オカリナ・リコーダー・フルートだったのですが、実際に使ったのはオカリナとフルートだけで、リコーダーは出てこなかったんだそうです。私は「おっちゃんにオーダーした時点と、その後の作曲作業の中で、大谷さんのイメージが変わってきたんかな〜?」なんて思ったですが、おっちゃんの話では「オカリナの音域が足らんことがあるかもしれんと思うて、一応リコーダーも持ってきて〜って言うてきたんちゃうかなあ」とのことでした。さすが当事者のおっちゃんは、視点が違いますよね〜?

で、そのオカリナですが、案の定、かなり厳しいものがあったそうです。オカリナは、音が高くなるにつれて指を離していくので、音が高くなればなるほど、楽器を支える指が少なくなって、楽器を落としそうになったりして大変なんですって。そんな中で、高い音が続く部分がけっこうあって、なかなか苦戦したようです。で、絶対に無理だなあと思うところは、長く伸ばしている音(2小節間)を3拍くらい早めに切って、その約3拍の間で別のキーのオカリナに持ち替える…なんていう離れ技で切り抜けたんだそうですよ。いやはや、お見事!

おっちゃんは「プレイバックを聴いとらんから分からんけど、けっこうええ感じのオカリナソロがあるんちゃうかなあ」なんて言ってました。これは楽しみですね〜♪ そうそう、この日のタイトルは「九州柳川 母の郷土料理」ってなってたそうです。だから、「その‘母’とか‘郷土料理’とかいうあたりのイメージで、オカリナが採用されたんちゃうかって思うとんやけど、実際はどうやろなあ。」とも言ってました。うんうん、なるほど〜。オカリナの、素朴でどこか懐かしさがただよう音色で、故郷やおかあさんを表現しようとしたのかもしれませんね。確かに、おっちゃんのオカリナの音って、クリアすぎず、でも土くさくもなく、しみじみといい味を出すんですよね〜。そういう場面にピッタリだと思います。こりゃ、ますますオンエアが楽しみですね!…って、ここまで言って、もしも郷土料理やおかあさんのシーンで使うんじゃなかったら、どうしよう?(^-^;)

この日の編成は、弦(小池ストリング)、クラリネット(平原まことさん)、フルート&オカリナ(おっちゃん)、ピアノ&シンセ(大谷和夫さん)、指揮(中谷勝昭さん)だったそうです。でも、途中から弦セクションは帰ってしまったので、中谷さんは広いフロアで1人っきりで棒を振り、他の3人はブースでモニターを見ながらの演奏、しかもおっちゃんはこのレポートによく出てくる例の「中2階」のブースという、何とも奇妙な配置での録音になってしまったそうです(^^;ゞ

そうそう、平原さんは、どうやらこの日はご専門のサックスを吹くことはなく(多分)、クラリネットのみだったようです。でも、そのクラリネットが、とてもサックスがご専門の方とは思えないような美しい音色で、アカペラのソロなんかもあったそうですよ。こちらも聴きどころですよ〜♪ 今のところ、オンエアは6月以降とのことですが、どこかで詳しいオンエアの日時が分かったら、掲示板などでお知らせしますねo(^o^)o


 

 

220 日本アカデミー賞 授賞式

2005年2月17日。ひょんなことから「日本アカデミー賞授賞式」というイベントのお仕事を引き受けることになったおっちゃん。この日は翌日18日の本番に向けてのリハーサルで、高輪プリンスの別館(?)の「国際館パミール」という会場に行きました。別枠「川崎真弘さんの仕事場探検」にも書いてますが、この17〜18日は妙に色んなお仕事とバッティングしたんだそうです。大島さんとのお仕事もあったかな?まあ、テレビでおっちゃんが見えるかも〜ってことで嬉しいお仕事ではあるのですが、ちょっと複雑な部分もあったりします…。

さて、おっちゃんたち音楽隊の出番は、その授賞式のオープニングと、昨年の物故者を表彰するときのBGMみたいものだそうですが、このオープニングというのがかなり大変だったようです。あ、その前に…実は、このイベントで使う音楽は、去る2月7日にワンダーステーションで既に録音してあったのです。音楽は矢田部さんという方でした。で、本番はその音に合わせて演奏してる真似をする…おっちゃんは専門的に「当て振り」なんて言ってましたが、歌で言うと「口パク」ってヤツでしょうか。とにかく、そういうスタイルだったそうです。でも、なぜか「コンタクトマイクをつけてください」なんて言われたので、「当て振りなのに、何で〜?」って聞くと、「いかにも‘生音でやってます〜!’って見せるため」なんだそうです。何か、おかしいですよね〜? でも、もしかすると、最近のテレビ番組はこういうのが多いのかも知れませんね。

で、2月7日に録ったっていう音に忠実にやるとすると、ティンホイッスルとリコーダーとフルートが必要になるんだそうですが、ステージ上に楽器の置き場はないし、テレビ局のスタッフに楽器を持っててもらうのは色んな意味で不安があったそうなので、オープニングの部分はティンホイッスルで通してしまうことにしちゃったそうです。おっちゃんは「ちょっとでも笛のことを知っとる人が見たら笑うやろけど、まあええか♪」と、お気楽に構えてました。それにしても、フルートの音が聴こえてるのに縦に構えたティンホイッスルの絵が映るってのも…わははは、まあええか(^^ゞ

そういや、「いかにも生でやってるように…」なんて理由でダミーのコンタクトマイクまでつけさせるのに、こういったところには大らかなのがおもしろいですよね。弦セクションにしても、録音したときの音は6422くらいの分厚い(?)サウンドなのに、本番では女性のカルテットだったそうです。この「女性だけ」のカルテットってのにも、何か意図があったりして〜!?(^◇^;)

あ、そのオープニングというのは、ステージ袖から暗転の中へ出て行って所定の位置につく…というシチュエーションだったようで、これもなかなか難しいものがあったんですって。バミりのテープはあったそうですが、かなり暗いので場所が確認しにくいし、何とか座れたら座れたで、今度は客席からキューを出してくれるFDさんがライトの逆光線で見えにくいなんてこともあって、何かと手間取ったそうです。でもまあ、何とかリハはクリアしたとか…問題は、本番でどうなるか…ですよね?(^^ゞ

そうそう、オープニングのリハのあとで、ゴジラが何かの賞を受賞するときのリハーサルがあったそうです。そのために、わざわざ本物(?)のゴジラを呼んでたんですって。等身大よりもちょっと大きめの着ぐるみだったそうですが、方向転換1つもなかなか大変なようで、ステージに出て来るときはともかく、戻る時はバックで…つまり前を向いたまま後ずさり状態で戻ってたそうです。いやはや、それで足がつっかかって転んだりしたら大変だあ。おっちゃんは着ぐるみを脱ぐところも見てたらしいのですが、脱ぐのも誰かに手伝ってもらわないといけないようだったとか…。余談ですが、中から出てきた男性は、けっこうなイケメンさんだったそうです(*^-^*)
 
ところで、ここでおっちゃんのボヤキを1つ。「わしらスタジオミュージシャンっていうんは、時間単位で仕事をしとる関係でな、拘束時間ってのにはわりとシビアなんじゃ。ほんでも、こういうテレビ関係の仕事は時間には無頓着なことが多うてなあ、何時間も押しても平気な顔しとることも多いんじょ」ですって。このリハの日も、最初は「2時間」っていうお話だったみたいですが、結局は3時間も押してしまったんです。もともとの拘束時間よりも押した時間の方が長いってのも何ですが、色んな人間関係や大人の事情などを考えると、あまり強くも言えないんでしょうし、難しいところですね。

さて、いよいよ本番の日です。このお仕事を受けた当初のお話では「12時ごろにスタジオ入りしてくれればいい」というお話だったようなのですが、直前になって急に「朝9時には入ってほしい」って言われたそうです。おっちゃんは「それはとても無理だ」って抵抗してみたそうですが、結局「10時」で押し切られてしまい、しぶしぶ承諾したんだそうです。
 
で、何だかんだ言いながらも、10時前にはスタジオ入りしたおっちゃん。夕方5時ごろの本番までに、前日に引き続き、更に何度もリハーサルを重ねて、そのたびに衣装を直したり、立ち位置を変えたり…と、とにかく大変だったようです。あ、その服装ですが、最初の話では「黒いズボンに白と黒のタートルで、適当なジャケットを持ってきてください」との話だったようですが、ステージの色(ほぼ真っ白)と笛の色(黒のティンホイッスル)のバランスなどを色々と考えて、最終的には係の人がどこかから仕入れてきたシャツにスカーフらしきものを巻く…というスタイルに落ち着いたそうです。いつも短時間で手際よく録音をこなしていくような現場でいることが多いおっちゃんとしては「しっかしまあ、テレビっていうんは、映るかどうかも分からんとこにも、えらい神経を使うんじゃの〜」と、なかば呆れながら、感心してたそうです。ちなみに、そのシャツとスカーフは、そのまんま頂いて帰ってきちゃったそうですよ。家に帰ってゆっくり見てみると、どちらも結構な高級品だったみたいです。多分そのホテルの中で買ってきたものだったんでしょうね。おっちゃん、色々と大変な思いをしたけど、ちょっとラッキーでしたね♪

前日のリハーサルは押しまくりだったのですが、本番はほぼ定刻どおりに進み、おっちゃんたちの出番は最初の方だけだったので、すぐ終わっちゃったそうです。これ、おっちゃんちの掲示板で大々的にお知らせしたのに、実際のオンエアでは、そのオープニングも物故者への表彰の部分も完全にカットされてたんですよね。BS−日テレとかいうチャンネルではノーカットで放送されたそうですが、普通の衛星放送でさえ見えない我が家では、そんなチャンネルは見えるはずもなく…(>_<)ヽ

とにかく、皆さんが地上波でご覧になった21時から2時間のオンエアの裏では、こんなことがありました(^^ゞ

 

 

219 チャルダッシュ・二胡編(佐藤泰将)

2005年2月11日。おっちゃんたちのお仕事に、土曜や日祝日、お盆や暮れなどはありません。この日も日曜日だというのに、お仕事に出かけることとなりました。しかも、久々に朝の10時からのお仕事で、自宅が都心から遠いおっちゃんは思いっきり早起き。眠い〜寒い〜を連発しながら、乃木坂のソニーのスタジオへ行きました。

この日の録音は、ヴァイオリンのピースとして有名な、モンティ作曲のチャルダッシュ(チャルダーシュって表記もあるけど、どっちが本当だろう…?)。うちのレポートでも、JASRAC関連のコンサート(51番137番を参照)でたびたび登場してますよね?でも、今回のソロは、ヴァイオリンではなくて二胡なんです。それも、演奏者は、あの女子十二楽坊のメンバーのお1人なんですって。アレンジは佐藤泰将さん。ここ数ヶ月のうちに、ジャニーズ系のミュージカル(202番)や運動会マーチ(212番)などで取り上げさせていただいてる方です。でも、その佐藤さんがちゃんと紹介されてるページ見つからなくて…。

ともかく、録音です。今回はクリックと一部の楽器と二胡のソロの音が予め打ち込みで入っていて、それに合わせて弦と木管と金管でダビングする…というスタイルだったようです。このチャルダッシュって、かなりテンポが揺れる曲のようなのですが(いつも聴くだけの私は、どんな楽器で演奏してもただ圧倒されるばかりで、テンポの揺れなんか考えたことがありません(^^ゞ)、その辺りはちゃんと工夫して打ち込まれてたみたいで、おっちゃんは「これやと、あとでソロのダビングするときも上手いこといくんちゃうかな?」なんて言ってました。
 
ただ、打ち込みで入ってた仮の二胡の音が、音域が高くなるにつれてビブラートも速くなるっていう設定になってたらしく、この曲の後半に出てくる「ハーモニクス」のフレーズがチョーちりめんビブラートになってて、思わず苦笑してしまったらしいですよ。どんなんだろ〜?いろいろと想像してるうちに、何故かテルミンの揺れが浮かんでしまう想像力の乏しい私…。こういう、CDとしての完成品の前の音が聴けるってのはおっちゃんたちの特権ですし、ここにもまた色んな面白いエピソードがありそうですよね?そのうちコラムの宿題を出そうかな〜?o(^o^)o
 
そうそう、この日はこのちりめんビブラートに笑ってばかりもいられなかったようです。後半の速くなってくる部分に、弦とフルートが二胡のソロとユニゾンになる部分があったらしく、これがなかなか大変だったそうです。おっちゃんはこの曲をず〜っと昔に原曲のキーではフルートで吹いたことがあるんだそうです。でも、そのときとはキーが違ってるので、ちと戸惑ったとか…。いつも、何でも、どんなキーでも吹いてしまうおっちゃんにしては珍しいコメントですよね。それくらいに難しい曲ってことかしらん?いや、1人でならまだしも、昔とは違うキーで、しかも弦や二胡との呼吸も合わせなければ…ってことで、余計に難しくなってるんでしょうね。ちなみに、原曲のヴァイオリンのソロだとDマイナーなんだそうですが、この日のチャルダッシュはAマイナーだったそうです。前に、あさひ組の二胡奏者・魚さんが掲示板で「二胡だとAマイナーになる」なんて書いてたように思うのですが、調弦の関係でしょうか。とにかく、何とか無事に終わったようでした。

編成は、トランペット(?)、トロンボーン(?)、ホルン(藤田乙比古さん…?)、フルート(おっちゃん・相馬充さん)、オーボエ(柴山洋さん)、クラリネット(星野 正さん・及川 豪さん)、ファゴット(大畠條亮さん)、弦(加藤ジョーさんのグループ:64221)という感じだったみたいですが、トランペットとトロンボーンはクラシック系の方のようでお名前が分からなかったのと、ホルンはブースが違ってたらしいので、藤田さんかどうかイマイチ自信がないそうです(^^ゞ

この曲、これから出るアルバムに収録されるんでしょうか。詳しいことは何も分かってないのですが、十二楽坊の中の誰かが二胡でチャルダッシュをやるって聞いたら、ぜひ耳をダンボにしててくださいね♪

 

 

218 映画ワンピース「オマツリ男爵と秘密の島」(田中公平)

2005年2月2日。最近特に賑やかになりつつある六本木ヒルズの近くのブーメランスタジオというところに行きました。おっちゃんはここには初めて行ったそうですが、2004年の暮れに川崎真弘さんのお誕生パーティにお邪魔した会場のすぐ近くだったようで、迷わずに着いたそうです。このスタジオは、駐車場が麻布十番方面の地下の公営駐車場まで行かなければならないのがナニだそうですが(私には分かりませんが、ちょっと距離があるようです)、今回はバスフルートやテナーリコーダーなどのオーダーはなかったようなので、問題はなかったみたいです。

さて、この日のお仕事は、本当なら2月4日の行われるはずの「劇場版「ワンピース オマツリ男爵と秘密の島」の録音に、他の仕事がバッティングしてしまって行けなくなったので、おっちゃんだけ別録りすることとなりました。作曲の田中公平さんに前々から「今度の映画では中国笛を使いたいんですよ〜!」というお話を聞いていたので、何とかならないものかとインペク屋さんも色々スケジュールを調整してくれたようなのですが、結局、皆さんと一緒にではなく、こうして笛のパートだけを「先入れ」することになったそうです。「後入れ」というのはよくあるそうですが、「先入れ」はけっこう珍しいんですって。今回は、この笛の音をオケやシンセ等と合わせて、なかば「素材」として使うということなので、こうした「先入れ」も可能になるのでしょうね。そんなわけで、篠笛一式と改造中国笛を数本を持ってスタジオに入ったそうです。
 
渡された譜面を見ると、チラッと見た感じでは簡単そうだったようですが、実は難しい跳躍を含んでて、ちょっと手持ちの笛では難しいかも…というところがあったそうです。で、粘着テープを使ったりするという得意の裏ワザ(この裏ワザの数々については、近いうちにコラムにしてもらう予定です♪)で、何とか録音に臨めるかな〜ってところまでこぎ付けたとか。ところが、実際に音を出してみると、どうもおかしい…何と、調号が違ってるという写譜の間違いが判明して、それまでの裏ワザの手間が全て無駄になってしまったそうです…。単に「♯」が2つあるかないかの違いだけだそうですが、もともとこの中国笛というのは何かと不自由らしくて、こうした調号の違いがとんでもないことになってしまうんですって。でもまあ、気を取り直して、あらためて作戦を考えて、どうしてもダメなところは楽譜を変更してもらったりして、何とか無事に録音を終えたそうです。やれやれって感じですね(^^ゞ

この映画、すでに3月5日から全国公開されています。早くも観ちゃった方はもう一度、春休みにお子さんたちと観に行かれる方は「びゃ〜〜」っていう共鳴膜の音がしてたら、それがこの時に録った音なんだな〜と思ってくださいね♪


 

 

217 某大手電気メーカー電化製品CM

2005年2月1日。恵比寿駅の近く、恵比寿南1丁目にあるABSというスタジオに行きました。おっちゃんは今まで何度かこのスタジオに来たことがあるみたいですね。で、このスタジオ名の「エービーエス」というのは、何かの略とかではなくて、単に「恵比寿」の語呂合わせみたいな感じで付けられたものだそうですよ(^^ゞ

この日は「某社電化製品全般のCM」ってことだったみたいですが、あとで聞いたら、今回はプリプレ…つまり試作品みたいなもので、本番の録音はまた日を改めて…とのことでした。もうちょっと分かりやすく言うと、そのCMに使いたいと思う曲を何種類か録って(予算のある場合は映像までつけて)、それを関係者で検討して、どのタイプにするか選ぶんだそうです。それで本番の録音に臨むわけですね。最近は「プリプレ」なんて言ってるようですが、昔はこれを「オーディション」って言ってたそうですよ。どっちかっていうと、その「オーディション」の方が分かりやすいかな?
 
それはさておき、スタジオに入るなりディレクターさんから「すみませ〜ん、今日は楽譜が間に合わなくって…」なんて言われちゃったそうです。曲は「線路は続くよ どこまでも」と「楽しき農夫」というポピュラーなものだったそうですが、それにしてもねぇ…。

で、ここからはちとややこしい話なので、おっちゃんから聞いたままを載せますね(^^ゞ

この‘線路は続くよ〜‘の方はキーがGやから問題ないんやけど、‘楽しき農夫’の方は何でや知らんけどEのキーでやるんじゃと。Eのキーってのは、シャープが4つ付くってことな。で、Eでやったら、下のHの音から始まるってことやから、ソプラノリコーダーは使えんのじゃ。結局、ソプラニーノでやって、あとからアルトリコーダーでオクターブ下を重ねたんやけど、ソプラニーノもアルトもF管の楽器やから、実質的にはシャープが5個の運指になるってことなんよ。しかも楽譜なしやろ〜?ほんま、大変やったわ(^-^;)

だそうです。 いやはや、この私に今の話がどこまで理解できたかは別として、聞いてるだけで頭がグルグルしてきます〜。大体、「楽しき農夫」がすぐにパッと浮かんでこない私。しかも、浮かんだところで最後まで正確には覚えてませ〜ん。もう救いようがないですね。こんなことを「ほいほい(^o^)」と気軽に引き受けるおっちゃんって、ほんともう何って言ったらいいか…ねえ?
 
ま、とにかく録音に取りかかることとなりました。一応、ギターと仮メロのキーボードが入ってる音源があったそうなので聴いてみると、これがまたコードは違ってるわ、仮メロのメロディも何ヶ所か間違ってるは…で、なかなか大変なモノだったようです。で、おっちゃんはそ〜っとそれを指摘してあげたそうですが、きっぱり「コードは別におかしくないよ!」って言われて、あえなく撃沈…。まあ、あんまり言うのも悪いかなあと思ったらしく(私には何でもズケズケ言うのに(^^ゞ)、結局そのままやっちゃったんだそうです。元の曲を知らなければ別におかしくも何ともないんだそうですが、知っている人が聴くと、間違いなく違和感を感じるようなものだったとか…。それも何だかなあ。で、メロディの方はと言うと「適当に直して吹いたった♪」ですと。んまぁ〜おっちゃんったら…(^◇^;)

ふたたび、ここでおっちゃんの…今度はボヤキをそのまま載せますね。

最近のCMを聴いとったら、けっこう‘有りもの’の曲を使うとるんが多いよなあ。名曲って言われとるヤツを低俗に茶化したような使い方するんも問題やとは思うけど、それとは別に、コードやメロディが間違うとるんもかなりあるんじゃ。多分、適当に聴き覚えで楽譜を作ってしもたか、楽譜も作らんと…いや、作れんと、手さぐりで打ち込んでしもたようなもんが多いんやと思うわ。CMって言うんは1日中ずっと繰り返し流れるもんやのに、こんなとこでも音楽や文化の程度の低さをさらけだしとるみたいで、何だかなあ…って気持ちになるわ(>_<)ヽ

ですって…。普段、ほとんど仕事の愚痴をこぼさないおっちゃんがここまで言うのは本当に珍しく、いかに考えさせられることの多かったお仕事だったかってのがよく分かりますよね。でも、これはこの某社に対してだけではなく、この業界で40年ものキャリアを持つおっちゃんだからこそ言える、今のCM音楽全般に向けての強いメッセージみたいなものも感じたので、あえて載せることにしました。ほんとはうちのサイトは「スタジオワークのいいところを前面に出して書いていこう(でも、決して嘘や誇張はないですよ!)」というコンセプトでやってるのですが、たまにはこうして、たとえ誰かを敵に回しても(ちと大げさ?)伝えなければいけないこともあるかな〜なんて思った、今回のレポでした。

2005年2月10日。↑の続きで、今度は西麻布にあるONAIR STUDIOのAスタにいきました。2月1日には、リコーダーで「線路は続くどこまでも」と「楽しき農夫」をやったのですが、どうやら「楽しき農夫」の方が採用になったようでした。なので、この日はその「楽しき農夫」だけで、それも、リコーダーが入るのは冒頭のたった2小節だけなので、何回かは録り直したとは言え、わずか20分もしないうちに終わってしまったそうです。あ、この日に使ったのはソプラニーノで、どちらかというと「オカリナ」に近い音になってるかもしれないとか…。この前と同じくEのキーで、やっぱり楽譜はなかったんだそうですよ(-_-;)

これですぐに帰れるのかと思いきや、「スポンサーだか代理店だかの人が来て確認するから、それまで待って〜!」って言われたので、インペク屋さんとのんびり昔話なんかをしながら待ってたそうです。決して快適とは言えない今回の仕事場ですが、こうやってのほほんとする間もあったようで良かった、良かった♪

ちなみに、これは某社の個々の商品のCMではなくて、某社製品全般のCMなんだそうです。たぶん、某スーパーロングランお茶の間アニメの合間なんかに流れるんじゃないか…とのお話だったみたいなので、何のことだか分かったらチェックしてみてくださいねo(^o^)o

 

 

216 コロムビア・運動会用マーチ(有澤孝紀)

2005年1月30日。赤坂のコロムビアの1スタに行きました。この日も運動会マーチの録音で、アレンジャーは有澤孝紀さん。おっちゃんが入ったのは、4曲のうちの3曲、「君こそスターだ」「ケロッ!とマーチ」「マツケンサンバU」でした。この、「君こそスターだ」と「マツケンサンバU」は、東芝(213番)でもやった曲ですね。各社で同じ曲にならないように気を付けてらっしゃるとのことですが、やっぱり、そのころのヒット曲となると、何曲かはダブってしまうようです。

さて、この日の有沢さんのアレンジは、どれもわりとマーチっぽい感じだったみたいですよ。ほら、1月24日にコロムビアで録ったマーチ(212番)の中の「人生のメリーゴーランド」は、不思議な感じのマーチだったみたいですしね? あ、でも、「マツケンサンバU」は、あとでラテンパーカッションを何度も重ねる…というお話だったみたいなので、かなりサンバっぽい仕上がりになるんじゃないでしょうか。これは、障害物競争や玉入れなんかのバックで流したら盛り上がるかな〜? いや、いっそもう、この曲で踊ってしまうとか!?(…やっぱり、マーチでは無理かしらん?(^^;ゞ) とにかく、とても賑やかな運動会になりそうですね♪

そうそう、この日は録音の待ち時間の間に、おっちゃんからビックリするようなメールが来たんですよ。メールのタイトルは「エリックさんが…」で、本文が「レポ見とんやって(+_+)」って一言だけの、最後にドコモの「目眩」らしき絵文字のついたメールだったんですが、いやはや私もビックリしました〜。たまたま、ちょうどその2〜3日前に、私はレポの関連でエリックさんのHPの管理人さんと連絡を取ることがあったので、その流れかな〜なんて思ってたら、どうやら別のどなたかがうちのHPをエリックさんに紹介してくださってたようで、映画「北の零年」の試写会レポ(198番)から楽しんでくださってるようです。ありがたいやら恥ずかしいやら…その後、去る2月19日にエリックさんが徳島にコンサートに来られたときには、直接「HP、よく見てるよ。面白いね!」と言ってくださり、ますますありがたいやら、もう、それこそ目眩がするやら…です(>_<)ヽ
 
何だか大きく脱線してしまいましたが、この日の編成は、ドラムス(渡嘉敷祐一さん)、ベース(渡辺直樹さん)、ピアノ(松田真人さん)、ギター(小堀 浩さん)、ラテンパーカッション(菅原裕紀さん)、トランペット(エリック宮城さん他1名)、トロンボーン(フレッドさん・山城純子さん)、サックス(平原まことさん他1名)、フルート&ピッコロ(おっちゃん・金子奈美さん)、クラリネット(星野 正さん・及川 豪さん)、シンセ(?)でした。

 

 

215 角川映画「戦国自衛隊 1549」(前田さん)

2005年1月30日。銀座のはずれにある音響ハウスの1スタに行きました。2005年6月11日から公開される「戦国自衛隊 1549」という映画の音楽録りでした。音楽は、前田さんという女性の方です。

この日の録音は、どういうわけか、木管の4人が全く別々のブースで…というセッティングになってたそうです。ここ音響ハウスには、4人くらいなら楽に入れるブースがあるらしいので「一緒にしたら?」って言ってみたそうですが、これには何やら意図があるらしくて、隔離したままでの録音になったそうです。おっちゃんは「4人の音の動き方が全く別やったら、音が回らんように分離する…っていうのも分からんではないんやけど、そういうとこは全くなかったしなあ。結局、よう分からんままじゃ(+_+)」なんて言ってました。あ、仕事が始まる前に、フロアの方で仕事の内容の説明みたいなことをやってたらしいのですが、こんな感じでブースに閉じ込められたままで、しかもフロアのマイクが死んでいたために、何を言ってるのやら全く分からなかったそうです。で、あとで聞いたら、今回の映画は、前に映画化されたことのある「戦国自衛隊(このときの音楽は羽田健太郎さん)」のリメイク版なんだそうですよ。

ま、それはともかく、そのおっちゃんが入ったブースというのが何故かえらく寒かったらしくて、最後までコートを着たままでの録音になったそうです(灯油代節約のために、いつも家の中でコートを着てる私みたい(^^ゞ)。これでは体に力が入ってしまって思うようにブレスが続かなかったり、指が冷たくなって動きにくくなったり、ちょっと楽器を手放すと、すぐに楽器が冷えてピッチが下がってしまうってこともあって、何かと大変だったと思います(楽器と気温の関係についてはPICK UP BBSの"楽器と気温"を参照してください)。でも、そんな中でも、完璧な演奏をしてしまうんでしょうけれどね♪

今回、木管の入っていた曲は5〜6曲で、普通だったら2時間もあれば充分かな〜ってところを3時間もの拘束だったので「大楽勝('-^v)」だと思ってたおっちゃん。ところがところが、やたらと待ち時間が多くて押しまくり、次に別のお仕事を控えてる人たちが途中で出ていく…といった事態にまでなってきてしまったようです。これは大変! で、残りの皆さんも、「多分、データの立ち上げとかに時間を食ってるんだろうけど、それにしても、どうしてこんなに時間がかかるんだろう?」と、首をかしげながら待ってたんですって。

これと同じようなことが、2月23日付の大島ミチルさんの日記にも書かれてましたね。大島さんのおっしゃる通り、とても集中力を必要とする録音現場でこれだけ待たされるとなると、ミュージシャンの方々はいい状態で緊張感をキープできなくなってくるし、そうさせてあげられない作曲家さんも落ち着かなくなってくるし、そうした空気を感じながらの再セットアップ作業は余計に上手くいかないだろうし…いろんな歯車が狂ってきてしまいますよね。う〜ん、こうした現状は、どうにかならないのかなあ…ぜんぜん関係のない私も、ちょっと気をもんでみたりして(^^ゞ

そうして更に時は流れ…ついに、おっちゃんにもタイムリミットが来てしまいました。1時間押し…つまり、4時間までは大丈夫だったようですが、次の仕事があったので、途中で抜けてきちゃったそうです。でも、後ろ髪をひかれる思いでスタジオをあとにするときに「次の仕事が終わったら、また帰ってきて〜!」って言われて、216番(すぐ↑のレポ)のコロンビアでのマーチ録音を終えたら、また音響ハウスに出戻ってきたそうです。で、無事にマーチの録音を終えて帰ってきたときは、ちょうど金管がダビングをしてたみたいで、その一部分にホルン(南さんともう1人)と一緒にダビングして、その後はおっちゃん1人で2曲ほど録ったそうです。例の機械のトラブル(?)ですが、出戻ってからはそんなに時間もかからず、大体2〜30分でサラッと終わっちゃったんですって。最初からこんな感じで進んでればねえ…で、この時はスタジオも暖まっていて、逆に暑すぎるくらいだったそうです。ほんま、なかなか上手くいきまへんなあ(^-^;)

編成は、フルート(おっちゃん)、オーボエ(庄司知史さん)、クラリネット(山根公男さん)、ファゴット(?)、ホルン(南浩之さん他)、トランペット(菅坂雅彦さん他)、トロンボーン(?)、弦(?グループ:64421)、ブラス関係は別だったので、入れ替わりのときに見かけた方だけだそうです。この映画、映像も内容もすごそうですが、こんなにまで大変な思いをして録った音楽ってことで、そちらもしっかり意識しながら、鑑賞してくださいねo(^o^)o 

 

 

214 NHK 「日本の群像 再起への20年」(加古 隆)

2005年1月29日。サウンドシティのAスタに行きました。加古 隆さんの作曲で、NHKスペシャル「失われた時を越えて」という番組の音楽録りでした。詳しいことは聞きそびれた…とのことだったので色々と検索してみたのですが、これといった情報が見つかりません。いつから放送なのかなあ…それさえも分からない状況です。もし、何か情報をお持ちの方がいらっしゃいましたら、是非ご連絡くださいね。私の方でも何か分かり次第、掲示板でお知らせさせていただきますo(^o^)o

さて、オープニングとエンディングは加古さんのピアノをフィーチャーしたもので、クリックを全く使わない録音だったそうです。クリックを使わないっていうのは、音楽が生き生きとした感じになるという意味では好ましいことらしいのですが、スタジオならではの苦労も多かったようです。つまり、それぞれの楽器がブースで分けられてて、その中でも木管のブースからは指揮者が遠い、その上にピアノを弾いている加古さんからは指揮者が見えない…という状態だったらしいんです。こうした状況の中で、かなり大きなリタルダンド(ritardando:だんだんテンポが緩やかになる)やルバート(rubato:1楽曲中のテンポを自由に加減すること)があちこちに出てくるので、あとで聴いてみると「(アンサンブルが)ちょっとぎこちないかな…(^^ゞ」って感じるところもあったみたいです。でも、曲はいかにもNHKスペシャルらしい、とても壮大な広がりを持った曲だったそうですよ。

とにかく、こんな感じでオープニングとエンディングにほとんどの時間を費やしたようなところもあったそうですが、それ以外にはテーマバリエーションみたいなのも3〜4曲あって、こちらにはフルートなど木管のソロもあったようです。NHKスペシャルということなので、きっと、しっとりといい感じで使われるんだろうなあ。あ、加古さんの最近の曲だと「白い巨塔」のスリリング(?)な感じの曲が思い浮かぶ私ですが、どうやらそれとは全く違う世界を楽しませてくれるのでは…!? オンエアが待ち遠しいですね♪

この日の編成は、弦(マサさんのグループ)、フルート(おっちゃん)、オーボエ(柴山洋さん)、クラリネット(星野 正さん)、ファゴット(大畠條亮さん)、ホルン・(藤田乙比古さん他1名)、ピアノ(加古 隆さん)、指揮(D島公二さん)でした。

 

 

213 東芝・運動会用マーチ(上柴はじめ・たかしまあきひこ)

2005年1月28日。↓の212番のレポートに引き続き、またまた運動会用マーチの録音に出かけました。でも、この日は港区溜池にある東芝EMIの3スタということで、東芝さんの運動会用マーチです。東芝のスタジオというと、北品川にある「テラ」というスタジオがメインらしいのですが、前からあったこの溜池のスタジオもときどき使われてるようです。同じ東芝で紛らわしいのですが、テラの方は「Aスタ」「Bスタ」で、EMIの方は「1スタ」「2スタ」という風になっているので、何とか区別がつくんですって。あ、でも、EMIの方は、テラが出来てしばらくした時点で、1スタや2スタが入ってたビルが取り壊されてしまって、今はもう3スタしか残ってないんだそうです。

さて、前置きはこれくらいにして…前半はたかしまあきひこさんのアレンジで、おっちゃんが編成に入っていたのは「君こそスターだ(サザンオールスターズ)」と「マツケンサンバ 2」の2曲だったようです。しかしまあ、この「マツケンサンバU」は、どえらい人気ですよね〜。とどまるところを知らないって感じです。で、風の噂によると、どうやらまた新しいヴァージョンが出されるとか…「V」ってことになるのかなあ? これはまた、楽しみですねo(^o^)o

何だか今回は、曲の説明が全くって言っていいほどないレポになってしまいましたが(結局、前置きしかなかった気がする…(^^ゞ)、ここまでの録音の編成は、ドラム(市原 康さん)、ベース(松本さん)、ギター(大久保さん)、ピアノ(松本さん)、シンセ(宮本さん)、ラテンパーカッション(川瀬正人さん:おっちゃんは‘マー坊’と呼んでます(^^ゞ)、トランペット(エリック宮城さん他2名)、トロンボーン(中川英二郎さん他1名)、ホルン(藤田乙比古さん他1名)、サックス(ボブ・ザングさん他1名)、フルート(おっちゃん)でした。

それから少し時間をおいて、今度は上芝さんのアレンジで、「桜(河口恭吾さん)」と「Jupiter(平原綾香さん)」を録ったそうです。ほんとはもう1曲あったそうですが、この編成にはフルートが入っていなかったらしいので、曲名は分かりません。こういう「歌」の曲を「楽器」で演奏する場合は、楽譜通りにやると何だか不自然になってしまうことがよくあるんだそうです。

これはどういうことかというと、同じ音程の音がずっと続いてるところに歌詞が乗ってるような曲の場合(う〜ん、ラップみたいな感じかな?)、その歌詞がなくなって音だけになると、どうも同じ音が坦々と続くってのはヘンなんですって。なので、その続いてる音を少し間引いたり、他の色づけをしてみたりして、工夫するんだそうです。この日やった曲の中にも、ちょっとそうした工夫が必要な箇所があったらしくて、現場で直したりしてたようです。こういう陰の苦労を聞くと、今までは残暑の厳しい中で(うちの学校は9月半ばに運動会があるので)ボ〜ッとしながら聴いてた運動会マーチも、もっと大事に味わわなければ…なんて思っちゃいますね(^◇^;)
 
さて、この日の録音の中でおっちゃんがフルートを吹いたのは、最初の「君こそスターだ」の1曲だけ。あとはずっとピッコロだったそうです。さすが「マーチ」って感じかな? で、後半は、出入り口の通路みたいなところ(どんなとこじゃ?)で吹いてたそうですが、「Jupiter」をやってるときに、いきなり電話のベルが鳴り出してしまったんだそうです。コンサート会場なんかで携帯が鳴り出すことがありますが、今回はそういったスタッフやミュージシャンの方の誰かの携帯ってことではなくて、いつもその通路(?)に置いてある電話機が鳴ったんだそうです。

マルチを回しての録音だったので、おっちゃんが吹いてないところだったら後で消せるらしいのですが、何と拍子の悪いことに、ちょうどピッコロのソロのところで鳴り出してしまったんだそうですよ。もう、あちゃ〜としか言いようがないですよね。仕方なく、この部分だけは後で録り直しになったとか…。でも、これが「2チャン同録」とかいうヤツだったら、皆で最初っからやり直しってことになるんですよね? それを思えば、不幸中の幸いと言いますか…とにかく、お気の毒さまでした。ま、先にもお話ししたように、そこは「出入り口の通路のようなところ」で、本来はブースとして使うことを考えてないようなスペースなので、電話機が置かれてあったりもするんだそうですが、この日は係の人がコードを引き抜いておくのを忘れてたんですって。ほんと、色んなことがありますね(^^ゞ

この後半の編成は、ドラム(市原 康さん)、ベース(伊藤昌明さん)、ギター(萩谷 清さん)、ピアノ(上柴はじめさん)、シンセ(宮本さん)、ラテンパーカッション(石山実穂さん)、トランペット(菅坂雅彦さん・横山 均さん)、トロンボーン(西山健治さん他1名)、サックス(佐野博美さん・斉藤 晴さん)、ピッコロ(おっちゃん)でした。

早いところだと、5月くらいには運動会や体育祭があったりする学校もあるんでしょうか。まあ、毎年のように新しいCDを買ってくれる学校は少ないかもしれませんが、お子さんの応援やご自分の出場種目の合間は、ぜひBGMにも耳を傾けてみてくださいねo(^o^)o

 

 

212 コロムビア・運動会用マーチ(佐藤泰将)

2005年1月24日。コロムビアの1スタに行きました。毎年このころになると必ずある、運動会用のマーチの録音でした。いつもそうなのですが、最近、と云うか、前年に流行った諸々の曲を、マーチに編曲したものを、やる訳で、お子さんの運動会に行かれると、掛かっているかも知れないですね。
 
この日おっちゃんが参加したのは、「DANZEN ふたりはプリキュア」「月光花」「はじめから今まで」の3曲だったそうです。おっちゃんは、「プリキュア」はこのまえ劇伴の録音をやったところなので分かるようですが(208番参照)、あとの2曲は分からなかったそうです。ちなみに、「月光花」は「ブラックジャック」のオープニングテーマで私も知ってるのですが、「はじめから今まで」は、何と冬ソナの歌なんだそうですよ。う〜ん、子供の運動会に冬ソナの曲で行進? どっちかっていうと、観戦してるおかあさん&おばあちゃんたちがノッてきそうな気が…(^◇^;)

この日のアレンジは佐藤泰将さん。2004年12月にジャニーズ系ミュージカル「Endless SHOCK(202番参照)」をやった方ですね。マーチというと、クラリネットが大勢いるブラバン編成を連想される方も多いかもしれませんが、この日はちょっと小さい目のフルバンドという感じだったみたいです。あ、ちなみにこの日の編成ですが…ドラムス(渡嘉敷祐一さん)、ベース(渡辺直樹さん)、ピアノ(エルトン永田さん)、ギター(小堀浩さん)、ラテンパーカッション(八坂さん)、トランペット(エリック宮城さん他2名)、トロンボーン(広原正典さん他2名)、サックス(2)、フルート(おっちゃん・金子奈美さん)、弦(加藤ジョーさんのグループ・3300)でした。弦が入ったのは最初の曲「プリキュア」だけだったそうですが、この「3300(…つまりヴァイオリン6人)」という数が珍しい気がしませんか? 実は、予算の関係なのだそうです(^^ゞ

ここで、おっちゃんは2軒目に別のスタジオに行って、それが終わったあとでまた、このコロムビアに戻ってきました。いわゆる「出戻り」です。でも、今度は亀山耕一郎さんのアレンジで、「ハウルの動く城」のテーマ、「人生のメリーゴーランド」をやったそうです。あの、アコーディオンがメインになってる曲ですね。

ご存知のように、この「人生のメリーゴーランド」は3拍子なので、マーチにするのはなかなか難しいところなんだそうです。まあ、3拍子の曲をマーチにするケースはけっこうあるようですが、普通はメロディの一部を引き伸ばしたりして4拍子の形に変えることが多いんですって。あ、マーチではないけど、平原綾香さんの「Jupiter」も、3拍子の原曲を4拍子に変えてますよね? あんな感じかな?

でも、この日のアレンジでは、4拍子の1小節の中に3拍子の曲の2小節分を入れてしまうという、とても凝ったアレンジだったそうです。う〜ん、意味が分かるかな?つまり、リズム隊が4拍子を刻んでいる上に、3拍子のメロディが重なるということらしいです。まだ分からんって?(実は私も〜!(^^ゞ) 何でも、楽譜で見ると、ほとんどが3連符と2拍3連で書かれてるってことなんだそうですよ。ん?ちょっとイメージが見えてきた?とにかく、おっちゃんたちもけっこう大変だったようです。で、現場では「これで子供たちは歩けるのかなあ」なんて声も出てたようですが、仕上がったものを聴くと、意外と自然に聴こえてたみたいですね。今年の運動会で「人生のメリーゴーランド」が聴こえてきたら、「もしや、あの大変なアレンジの曲では!?」と思って、耳を澄ませてみてくださいねo(^o^)o

 

 

211 サントリービールCM「スーパーブルー」(鈴木友彦)

2005年1月22日。AVACOの301スタに行きました。事前に「すごい大編成で‘風と共に去りぬ’のテーマをやる…」とは聞いてたそうですが、スタジオに着いてみて、あらためてその車の多さにビックリしたそうです。駐車場の係の人も大変そうだったとか…(^^ゞ

都内のスタジオでは1〜2の広さを誇るAVACOの301スタのフロアのほぼ全体を弦セクションが占領していて、ブラスはブース、パーカッションはフロアの衝立向こう…という感じで分けられてたそうです。でも、この大編成のわりには、何故か木管はおっちゃんのフルートただ1人。なので、犬夜叉の録音のときなんかに藤崎重康さん(能管・尺八)が入る倉庫みたいなブースに入れられてしまったそうです。この日は57番で話したような、狭いブースの中で携帯で写真を撮り合ったり、それをメールで送り合ったりする仲の石橋さんもいないので、かなり淋しかったとか…(^-^;)


こちらはそのブースの中での様子です。一見、マジメにフルートを吹いてる写真のようですが、カーソルを乗せると待ち時間の様子に…。ま、今日は相方がいないので、こうして録音内容のメモを取ったりすることでヒマをつぶすしかないですよね(^^ゞ


さて、いよいよ録音開始です。事前に話があったように、確かに「風とともに去りぬ」の「タラのテーマ」の楽譜が目の前に置かれてるのですが、何と最初の8小節のみしか書かれてなかったそうです。つまり、CMとして使うのは、さらにそれよりも短い…う〜ん、せいぜい最初の5〜6小節目くらいまでってことですよね。いやはや、それだけのために、こんなに多くが集まって…ほんと、ご苦労さまです。で、こうして録られた音楽は「サントリー・スーパーブルー」というビールのCM用のもので、リンク先のサイトではこのCMを見ることもできるようですよ♪

アレンジは鈴木友彦さん。今までにもたくさんのCMを手がけられてるようで、「サロモン」という会社の「コースに棲む魔物」というCMでは、管弦楽55人という大編成のオーケストレーションでCM音楽を作り、数々の賞を取ったこともある実力派だそうです。今回もすごい編成ですし、大編成の分厚いサウンドを好まれる方なのかもしれませんね。

おっちゃんは「素人考えやと、有りもののCDでも使うた方が早いかな…って気もするけど、たぶん権利関係が難しいて使用できんか、仮に使えたとしても、その方がえらい費用がかかってしまうってことなんやろなあ」なんて言ってましたが、きっと色々と「大人の事情」なるものがあるんでしょう。この日の編成ですが、ブラス関係はほとんど知らない顔だったようので、オケ関係の方の可能性が高そうです。で、弦は加藤ジョーさんのグループ。あまりに多くて数えることも出来なかったようですが、コントラバスが6人いたらしいので、それから考えると、ファーストヴァイオリンは12人〜14人くらいはいたんじゃないかなあ…とのことでした。あ、指揮は中谷勝昭さんです。いやはや、それにしてもすごい数だ…。確かに、CMを見ると(聴くと)、分厚いサウンドですよね〜。まだもうしばらくはオンエアされてると思いますので、ぜひドラマの合間とかにも注意して見ててくださいねo(^o^)o

 

 

210 TBSドラマ「獄窓記」(大島ミチル)

2005年1月20日。サウンドシティのAスタに行きました。年が明けてすぐのころ、大島さんに「ごくせん(203番)」の仮アップの確認をお願いしたときに「今年も旭さんにいっぱいお願いすることになりそうよ♪」なんて話してくださってたのですが、これがその第1弾になります。前夜、おっちゃんからは「明日は3時間半っていう拘束時間なんよなあ。新ドラマや映画にしては短いし、CMとかアーティストのアルバムにしては長いし…何やろか?」なんて言ってきたのですが、1月18日付の大島さんの日記に「2時間ドラマの‘書き’が終わりました」と書かれてたのにピンときた私がその旨を伝えると、見事ビンゴでした♪

さて、今回の番組は、TBS系列でオンエア予定の2時間ドラマで、2000年に秘書給与詐取事件で実刑判決を受けて服役した、元民主党衆院議員の山本譲司さんが書かれた「獄窓記」という本をドラマ化したものなんだそうです。何でも「第3回 新潮ドキュメント賞」を受賞した作品だとか…。おっちゃんは放映日を聞きそびれてしまったそうですが、その後の日記によると、どうやらこの時点ではまだ決まってなかったみたいですね。

山本さんのインタビュー記事にあるように「囚人の立場から見た現実」というコンセプトのドラマなので、刑務所の中でのシーンがほとんどを占め、決して明るい内容ではないかと思います。でも、音楽の方は妙に暗くなることもなく、むしろドラマを柔らかく包み込むような感じのものが多かったそうです。メロディも、無駄な装飾をできるだけなくした、とてもシンプルな感じだったようです。これは「北の零年(190番参照)」のときと同じく、またまた奏者の力量が問われるとも言えるでしょうね。

単発ドラマということもあって全てがフィルムスコアリングで、録音の時も指揮台の横に置かれたモニターで映像を見ながら振ってらしたそうです。ま、おっちゃんたちの方からは、ほとんど見えなかったみたいですけどね(^^ゞ この日はちゃんとマルチが回ってたそうですし、拘束時間も充分あったことから、かなり力の入った番組なんだなあという印象を受けたようです。

おっちゃんの笛の出番としては、全体で20数曲やった中の半分弱だったそうです。でも、最初に3曲を続けて録ったあとは延々と休みになり、ロビーでモバイルを使ってレポの原稿なんかを書きながら待ってたんですって。使った楽器は、大島さんにしては珍しく持ち替え楽器がなくて、フルートのみだったそうです。

そうそう、この日のおっちゃんは、数日前からひいた風邪がまだ完治してなくて、スタジオ入りする前に「吹きながら咳き込んだりせんとええけどなあ」なんて話してたのですが、何とか無事に乗り切ったようです。ゆっくりとしたテンポで息の長いフレーズが多かったみたいで、ちょっと呼吸が厳しい面もあったようですけど、不思議と仕事モードになると、咳やクシャミが止まるんだそうです。おっちゃんの話では、スタジオで咳やクシャミなどでNGを出すのは、管楽器よりも弦のセクションの方が多いんですって。管楽器奏者の方が呼吸のコントロールが上手にできるんかもしれんなあ〜とのことでしたが、どうなんでしょうね。

それから、録音開始時には「64221」だった弦は、録音の後半は「11111」に、その後さらに「1111」…つまり弦カルになって、最後はヴァイオリンとチェロのソロになってたそうです。ほほぉ〜何だか、弦の色んなバリエーションが楽しめそうですね。それに、ものすごく無駄のない拘束の仕方であることにも驚いてみたりして…。あ、この日の編成は、弦(マサさんのグループ:64221→11111)、ピアノ(美野春樹さん)、木管はフルートとクラリネット(星野 正さん)のみという、すっきりした感じだったそうです。

最後に、おっちゃんがもらした面白い一言をどうぞ(*^-^*)
今日ふと思うたんやけど…大島さんの劇伴ってな、どんなに暗い内容のドラマでも、マイナーのキーが少ないように思うんじゃ。今日の劇伴も全部メジャーだったし…。どこか意識しとるとこがあるんかなあ。今回は聞きそびれてしもたけど、いつか聞いてみたいもんじゃ♪」ですって。そういえば、いつもどんなに暗く哀しいシーンでも、どこかに温かみを感じる音楽ばかりですよね。これは是非とも大島さんのお気持ちを聞いてみたいなあ…なんて思ってたら、1月25日付の日記に「作品も皆からエネルギーを奪うものではなく、幸せや元気のエネルギーを与えるものであるといいなと私は思います」と書かれてましたね。まさに、これではないでしょうか? 辛くて苦しいことがあっても、必ずその中に光を見つけたり、辛さや苦しさをも糧にして前に進もうとする大島さんの生き方が、音楽にもしっかりと表れてるんじゃないかなあって気もしました。

このレポートをアップした時点ではオンエアが決まってなかったのですが、3月10日付けの大島さんの日記によると、2005年4月20日の午後9時からに決まったようです。どうぞ、お楽しみに♪


 

209 映画「阿修羅城の瞳」(菅野よう子)

2005年1月15日。ビクターの301スタに行きました。この日は、しばらくぶりに菅野よう子さんとのお仕事で、宮沢りえさん・市川染五郎さんが主演する「阿修羅城の瞳」という映画の音楽録りだったようです。私のPCでは公式サイトが開けないのですが、オフィシャルブログと、たまたまおっちゃんが見かけた番宣によると、4月16日に封切られるみたいですよ。
 
おっちゃんは、あらかじめ打ち込みとリズム隊が入ったものに、弦や他の木管の人たちと一緒にダビングするという形での参加だったようですが、この日の弦は86442もいて、かなり分厚くて幅広いサウンドがしてたそうです。しかも、この日はマサさんのグループ。きっと、ものすごく豊かで壮大な感じがするんでしょうね〜♪

で、笛に関しては、この日に録った分はどちらかというと低めの笛がメインだったようで、普通のフルートは全くなかったそうです。このあたりから、「菅野さんの作品で、笛はマトモなことをやらせてもらえない」っていうジンクスが香ってきたでしょ? 案の定、フラットが4つも付くキーだったり、色んな臨時記号が付いてたりで楽器の制約が大きくて、「はてさて、どうしたもんか…」と考え込んでるところに、菅野さんからは更に「なるべくハスキーな音でやってほしい」との御要望があったそうです(^^ゞ

音域から見るとアルトフルートがベストかな〜ってとこだったそうですが、菅野さんの「なるべくハスキーな…」って一言でふと思いついたのが、テナーリコーダーの「ブロックずらし(114番参照)」だったそうです。で、試しにちょこっと聴いてもらうと、とても気に入ってもらえたらしく、この状態で何曲か録ったんですって。


こちらはその「ブロックずらし」状態のリコーダーの歌口。元に戻すのにコツがいるし、戻しそこなうと壊れて使えなくなることもあるので、ちょっと熟練さんとしての注意が必要なようです。

よい子のみんなは、決して真似しないでくださいね♪


ところで、この「ブロックずらし」は、ハスキーって言葉だけでは言い表せないくらいのミョ〜な音色になるらしくて、やっぱりちょっと気になって、「ほんとに、こんな音で良いんすか?」って聞いてみたんですって。すると菅野さんには「あ、ぜんぜん平気よ♪」ってサラッと言われたとか…。ま、これで音色に関してはクリアできたのですが、ただでさえテナーリコーダーは息の消費量がかなり大きいのに、その上にブロックをずらせているので「息漏れ」もあって、おまけにテンポの遅い曲なので息がたっぷり必要…ってことで、なかなか大変な録音になったようです。

あとは、アルトフルート・ケーナ・篠笛(今回はおっちゃん自作のクロマティック篠笛)などを使ったそうです。篠笛に関しては、映画のタイトルからも想像できるように、わりと篠笛らしい使い方…つまり、篠笛本来の味を生かした日本調っぽい使い方だったそうです。記譜よりもオクターブ上の音なのかな〜と思った箇所もあったようですが、もともと「低めの音が欲しい」とのお話だったので、記譜通りの音域で録ったそうです。これ、演歌なんかで使う音域よりは低めだったようですが、これが菅野さんのツボに入ったようで、「その笛、いいな〜♪ 今度それを頼むときは、何て言えばいいの?」「え〜っと、専売特許のクロマティック篠笛っすけど…」なんてやりとりもあったようです。 こりゃ、今後の菅野さんとのお仕事に、また新たな展開が生まれそうですねo(^o^)o

編成は、ハープ(朝川朋之さん)、パーカッション(高田みどりさん)、ホルン(南浩之さん他3名)、笛(おっちゃん)、オーボエ(石橋雅一さん)、クラリネット(星野 正さん)、弦(マサさんのグループ・86442)、指揮(菅野よう子さん)でした。笛に関してはジンクス通りの展開ってことになったようですが、全体的には菅野さんにしては随分とマトモ(←こんな表現をしてるのは、おっちゃんです(^^ゞ)な感じの音楽で、ロマンティックな広がりのある、かなりの大曲もあったようですよ。ここで、マサさんグループの分厚い弦が生きてくるのかもしれませんね〜。公開までまだしばらくありますが、封切られたら是非ぜひ観に行ってみてくださいね♪


 

208 アニメ「ふたりはプリキュア」(佐藤直紀)

2005年1月9日。サウンド・インのAスタに入りました。この日は、小学校低学年の女の子なら誰でも知ってると言っても過言ではない「ふたりはプリキュア」というアニメの音楽録りでした。ほら、「題名のない音楽会 21」が始まる前の30分、「おジャ魔女どれみ」や「明日のナージャ」が放送されてた枠でやってるアニメですね。作曲は佐藤直紀さん。リンク先のプロフィールを見てもらっても分かるように、CM・ドラマ・アニメなどで幅広く活躍してらっしゃる方です。
 
この「ふたりはプリキュア」は2005年2月6日より「ふたりはプリキュア Max Heart」にバージョンアップし、2005年4月16日には初の映画が公開されるようです。今回の録音は、その映画のためのものなのかなあ。それとも、新シリーズ用なのかな…残念ながら、ちょっとそのあたりが明確でありません。スタジオには誰かが持ってきたと思われるCDが置いてあって、それをチラッと見てきたおっちゃんの感想は「何となく、かわいい雰囲気の絵やったけど、けっこう勇ましい音楽もあったんよなあ」でした。そう、あのかわいい2人がカッコよく変身して、強敵と闘うんですよね。

この日に録ったのは全部で20曲くらい。そのうち数曲には打ち込みが入ってたようですが、全体的にはアコースティックなサウンドだったようです。おっちゃんは佐藤さんとは何度か一緒にお仕事をしてるようですが、そのたびに「打ち込みも使うけど、それにしても、えらいしっかりした基礎ができとる人やなあ」という印象を受けるそうです。私はその「しっかりした基礎」というのが分からないのですが、とにかく毎週とても聴き応えのある音楽が流れてますよ。子供に無理に起こされて、「題名〜」まで半分うとうとしながら見てることも多いのですが、その音楽の豪華さに思わず目が覚めてしまうほどです。
 
編成は、ドラム(岩瀬立飛さん)、ベース(渡辺 等さん)、ギター(古川さん)、ピアノ(美野春樹さん)、パーカッション(三沢さん)、トランペット(西村浩二さん・菅坂雅彦さん・荒木敏男さん)、トロンボーン(広原正典さん他2名)、ホルン(藤田乙比古さん他3名)、フルート(おっちゃん)、オーボエ(川村さん)、弦(桑野 聖さんのグループ:64222)、指揮(D島公二さん)でした。今回のリズム隊、個々のお名前はよく拝見しますが、組み合わせとしては珍しい感じがしますよね。このメンバーで一体どんなサウンドを聴かせてくれるのやら!? 日曜日、ちょっと早起きして、「題名〜」の前にぜひ見て(聴いて)みてください♪…って、今回のは映画用の音楽だったりして(;^_^A

 

 

207 OVA「サクラ大戦」(田中公平)

2005年1月6日。2005年最初のお仕事はビクターの青山スタジオの301スタでした。今年のおっちゃんのお仕事の景気づけにピッタリとも言える、勇壮活発な田中公平さんとのお仕事で、「サクラ大戦」のOVAの音楽録りだったようです。リンク先のサイトを見ると、2005年1月14日に「サクラ大戦 ル・ヌーヴォー・巴里」というOVAがリリースされてるようですが、これなのかなあ。いや、やっぱり、録音して1週間ほどで全国発売なんてのは、ちょっと無理なのかなあ…ってなことで、作品名は分からないままです(^^ゞ

とにかく、弦(小池弘之さんのグループ:64422)、パーカッション(高田みどりさん)、フルート(おっちゃん・相馬充さん)、オーボエ(石橋雅一さん)、トランペット(横山 均さん・菅坂雅彦さん・西村浩二さん)、トロンボーン(3名)、ホルン(藤田乙比古さん他)、ピアノ(エルトン永田さん)、指揮(田中公平さん)に囲まれて、おっちゃんの2005年のお仕事は幕開けました。

さて、おっちゃんからの報告によると、お仕事が始まる前に公平さんと少しお話する時間があって、そのときのお話だと、相変わらず公平さんは私たちのレポはよく覗いてくださってるんですって。でへへ、嬉しいですね(*^-^*) で、おっちゃんがよく撮ってくれてるブースから見るフロアの写真などは「まるで盗撮みたいだね」と笑ってらっしゃったとか…。う〜む、確かに(^^;ゞ


だからってわけではないのですが、この日はプレイバックを聴いてらっしゃるところを、こ〜んな近くから撮らせていただいたんだそうです。あ、左端に取材のカメラがチラッと写り込んでいるのが分かるかと思いますが、リハーサル中もずっとカメラマンさんが入って撮影してたんだそうです。DVDの中に「メーキング映像特典」みたいな感じで入ってるのかもしれませんね。

画面の奥から、ミキサーの中村充時さん・公平さん・小池弘之さんです。写真にカーソルを乗せると、公平さんと小池さんがアップになりますよ。

それにしても、小池さんのま〜るいお腹に大きなクマちゃんのプリントが何とも可愛いですよね。ちょっと、なでまわしてみたくなったりして(^◇^;)


この日に録ったのは10曲くらいだったようですが、最初にやった2曲がなかなかの力作で、何とその2曲を録るのに約1時間もかかってしまったとか…。おっちゃんの話では、少しだけショスタコービッチやプロコフィエフを思い出させるような曲を公平さん風に絶妙にパロってたりして、基本的にはとても楽しく、あらためて公平さんの引き出しの多さにビックリするとともに、やりがいもしっかり感じながら取り組めたそうです。ただ、けっこう厳しい6連符が連続して出てきたりするとこもあって、冷や汗たら〜り…みたいなときもあったようですが(^^ゞ

あ、そういえば「あれは、単独でチェックされたらヤバイわあ」なんて言ってましたっけ。でも、そのすぐあとに「ま、全体で聴いたら、けっこう面白い効果が出とんちゃうかな♪」ってな感じで、開き直って(?)ましたけどね。そうそう、こうしてマルチ録音したものを単独で(パートごとに)チェックすることを、「地獄聴き」なんて言うんだそうです。わはは…何か、そのものズバリみたいな言い方ですよね(^-^;)

そのほか、おっちゃんのパートとしては、フルートとアルトフルートのソロがそれぞれ1曲ずつあったそうです。公平さんの音楽は、いつもピッコロがキラキラ輝いるイメージがあるのですが、今回は珍しくピッコロの持ち替えはなかったんですって。

あ、冒頭の編成を見てもらうと分かるように、今回は木管はフルートが2人とオーボエのみだったようです。で、弦の「64422」というのは、どちらかといえば、中低音が充実した感じちゃうかな〜とのことでした。ブラスセクションは、その、大変だったという最初の2曲を録り終えると早々に帰ってしまったそうで、メンバーをあまり詳しくチェックする暇がなかったそうです。公平さん、トロンボーンの3名さんのお名前なんか教えてくださらないかな〜?…なんちゃって(^^ゞ

とにかく、今度のOVAも聴き応えたっぷりのようですよ。私は、サクラ大戦のストーリーに関してはほとんど知らないのですが、音楽は大ファンだったりします。今度のもCD化されたら、ぜひ聴いてみたいなあo(^o^)o 作品のタイトルがイマイチはっきりしないのが悔しいところですが、近々リリースされる(された)OVAは要チェックです♪

 

 

206 浜田省吾「ある晴れた日の午後」(星 勝)

2004年12月30日。有名な乃木大将(乃木希典)が祀られている乃木神社の近くにある、ソニーのスタジオに行きました。1スタで浜田省吾さんの「ある晴れた日の午後」という新曲に、ティンホイッスルとリコーダーをダビングするというお仕事だったそうです。とは言っても、2つ録ってみて、どちらか一方だけを使うってことだったみたいです。


晦日ともなると、もう会社もお休みに入ってるようで、ほとんど人はいなかったんだそうです。で、入り口や受付には、写真のようなお正月の飾りつけがしてあって、新年を迎える準備もバッチリだったとか…。

その立派なお正月飾りの前で撮った、おっちゃんの記念写真(?)は、カーソルを乗せると見えますよ♪

ソニースタジオの玄関の様子なども、よく分かりますね。


アレンジは、数えきれないくらいたくさんの名曲に、これまた素晴らしいアレンジを施してらっしゃる星 勝(ほし かつ)さん。おっちゃんが星さんにお会いするのは、もう20年ぶりくらいになるんじゃないか…とのことでした。星さんは、妥協を許さないというか、とにかく念入りな録音をされることで有名な方なんだそうで、この日も「間奏にちょろっとソロを入れるだけらしいんやけど、予定の1時間で終わるかなあ…」なんて言いながら行ってました。はてさて、どうなったことやら…?

結局、間奏の部分に約8小節のソロを入れることとなり、ティンホイッスルとリコーダーで何通りも録ったそうです。おっちゃんは「多分、ティンホイッスルの方が採用になるんちゃうかなあ」なんて言ってましたが、どちらにしても、かなり大変だったようです。何でも、ティンホイッスルの方は、運指は簡単だけど音程が難しく、リコーダー(ソプラノ)の方は、キーの関係で指使いがややこしい上に、16部音符という速い音符で右手のダブルホールの部分を使うなどということもあったとか…。自慢ではないですが、私は2分音符でも、ダブルホールを使おうとすると、ピーピーとヘンな音がして、半音になりません。いやはや、毎度のことながら、本当にすごいなあ〜と思います。

さて、そんなこんなで、やっぱり「ちょい押し」になってしまったそうです。でも、昔に比べると、かなり優しくなられたかな〜って印象も受けたそうですよ。おっちゃんは「星さんはちゃんと‘不自由な楽器’ってことを分かってくれとるから、あんまり厳しい注文を出さんかったんかもしれんけどなあ」とも言ってましたが、やっぱりそれは、おっちゃんの演奏技術と星さんのイメージがピッタリ合ったからじゃないかな〜なんて思う私です。


こちらは受け付けカウンターの上の、お正月飾り。どうでもいいかもしれませんが、カーソルを乗せるとアップで見えるようにしてみました。こういう細工を見るのも、けっこう楽しかったりしますよね(^^ゞ

…ってなことで、これが、おっちゃんの2004年最後のお仕事となりました。2005年最初のお仕事は、元気な一歩を踏み出すに最もふさわしい方と思われる、田中公平さんとのお仕事です。どうぞ、お楽しみにo(^o^)o


追記:その「ある晴れた日の午後」ですが、こちら↓で聴いていただけます。おっちゃんのソロは3分57秒くらいからで、すごく目立ってますよ♪

 

 

205 火曜サスペンス劇場「箱根湯河原温泉交番 芸妓の涙」(大谷和夫)

2004年12月26日。サウンドシティのBスタに行きました。火サスの音楽録りで、船越栄一郎さんが主演をつとめる「箱根湯河原温泉交番」シリーズの3作目でした。音楽は前作に続いて大谷和夫さん。

マサさんのグループ(44221)、伊丹雅博さん(ギター・マンドリン)、佐野博美さん(クラリネット・サックス)、おっちゃん(フルート・パンパイプ)、大谷和夫さん(ピアノ・シンセ)、中谷勝昭さん(指揮)というメンバーで臨みました。


おっちゃんへは、事前に「フルートの他にパンパイプも…」というオーダーがあったそうですが、実際はフルートが1曲のみで、あとはパンパイプが5曲くらいあったそうです。

写真にカーソルを乗せると、パンパイプを演奏中の写真に切り替わりますよ。

で、 今回は火サスにしては珍しく、アルトフルートは出てこなかっんですって。まあ、船越さんの明るく気さくな駐在さんというキャラで事件を解決していくので、アルトフルートのイメージではなかったのかもしれませんね。そういや、前回の録音(71番)でも、アルトフルートは使ってなかったようです。


この日、おっちゃんが参加する曲が少なかったことと、また例の中2階のブース(128番133番参照)で居心地が良かったこともあって、出番待ちの時間にはモバイルでひたすら仕事場探険レポの携帯版の編集なんかをしてたみたいですよ(^^ゞ 携帯版ページでしか見えない写真なんかもあるようなので、また活用してみてくださいね♪

曲数が少なくて、いつぞやのように「1曲あたりの単価が高くて、ラクな仕事で良かったなあ!」と思ってたら、実はそうではなかったようです。おっちゃんが持ち替えるたくさんの楽器の中で最も苦手だというパンパイプですが、今回はその上さらに音域が低くて跳躍もあって、けっこう大変だったそうです。あ、音域が低くなると、息もたくさんいるし、管の直径が大きくなるということで、跳躍距離が増えて大変なんだそうです。フレーズ自体は、断片的なものが多かったみたいですけどね。 


そんなこんなのパンパイプの録音のときに、楽譜を見て「実音は楽譜より1オクターブ上でもいいかな〜?」と思ってやってみたものの、大谷さんの方からは「やっぱり、楽譜の通りの音域でやってほしいなあ」って言われて、急きょ低い管を追加して対応したんだそうです。どちらかといえば、メロディックなフレーズではなくて、サスペンス風な緊迫感を伴った曲だったそうなので、低い方がより雰囲気が出るのかもしれませんね。 

左のパンパイプの写真を見てください。左端の2本がその場で縛り付けられた分です。カーソルを乗せると、その縛った部分がさらに大きく見えますよ。


おっちゃんは、「低い音はあまり使うことがないし、嵩張ると移動のときもナニやし…で、いつもは下のGまでしか組み込んでないけど、こういう使い方が多いんやったら、もう常に下の方の音域も入れといた方がええんかもなあ〜」なんて言ってましたが、こうして、いつでもどんな状況にでも対応できるように、色んな楽器や音域を準備しておくって、本当に大変なことですね。

そうそう、おっちゃんが入る前からやってた弦は、おっちゃんが入って2〜3曲やった時点で仕事を終えて帰っていったそうですが、ソロヴァイオリン(もちろんマサさん♪)とチェロは、居残って2人で1曲やってたそうです。これがなかなかいい感じの曲だったんですって〜。 どんなシーンで使われるんでしょうか…火サスのサイトによると、2005年1月25日にオンエアされるようです。どうぞ、お楽しみに〜♪

 

 

204 NHK「小さな旅」(大野雄二)

2004年12月15日。サウンドシティのAスタに行きました。関東甲信越地方では毎週のように放送されているという「小さな旅」ですが、年に2〜3回は特別篇として全国でも放送されるんですよね。で、今回はその特別篇の音楽録りでした。音楽はもちろん、大野雄二さんです。

あのぉ〜おっちゃんに言われて気付いたのですが、2003年の冬の特番も、ちょうど同じ12月15日(88番参照)に音楽録りをしてたみたいなんです。しかも、さらによく見てみると、何と2002年の冬の特番も、やはり12月15日に録音が行われてたんですよ!(9番参照) いや〜こうして記録を取っていくと、こういう発見もあるんですね〜。どうでもいいようなことなんですが、妙に感動してる私です(^^ゞ


さて、いよいよ本題の録音の様子です。

これはおっちゃんのいたブースから見た、フロアの様子。写真にカーソルを乗せると、フロアの様子がもう少しだけ大きく見えますよ(*^-^*)

手前にある楽譜は何の楽器用のなのかなあ…あんまりよく見えませんが、何やら難しそうですね(^^ゞ

今回も番組の性質上、ゆったりしてて、しみじみと流れるような感じの曲が多かったようです。そういう音楽に、おっちゃんの優しくて味わい深くて温かい音色ってのは、本当によく合うんですよね〜♪ 


編成は、フォーリズム(ドラム・ベース・ピアノ・ギター)に弦と木管だったようですが、弦の内訳が「2223」という変則的なものだったそうです。しかも、この「222」に関しては、全てヴァイオリン…つまりサードヴァイオリンまであるってことで、その代わりにヴィオラがいなくてチェロが3人ということなんだそうです。この、「チェロが3人」というのは、ヴィオラの分を補ってるのかも…とのことでした。また、おっちゃんは「この番組はこういった編成のことが多い気がするなあ」とも言ってました。これによって、独特の大野雄二ワールド&小さな旅ワールドが生まれるんでしょうね。

あ、ここで、この日のメンバー紹介を…市原 康さん(ドラム)、俵山昌之さん(ベース)、大野雄二さん(ピアノ)、今泉洋さん(ギター)、巨匠ストリングス(2223)、おっちゃん(フルート・アルトフルート・リコーダー・オカリナ)、石橋雅一さん(オーボエ)、星野 正さん(クラリネット)、三浦さん(ミキサー)、中谷勝昭さん(指揮)だったようです。

そうそう、この市原さんという方は、優秀なドラマーでありながら、同時に役者さんとして舞台にも立ってらっしゃるというユニークな方なんだそうです。また、ベースの俵山さんは、いつも大野さんのトリオで活躍してらっしゃる方なんですが、何とベジタリアンなんだそうです。他にも食生活にはかなりのこだわりを持ってらっしゃるとか…。誰しも「健康第一」なのはもちろんですが、中でもミュージシャンというのは「体が資本」と言われる職業の1つだと思います。体力が落ちて大きな楽器を支えられなくなったり、安定した深い音色で吹けなくなったりしたら終わりですもんね。そういった意味でも、こうした心構えというのは、とても大事なことなんでしょうね。おっちゃんにも、お酒はほどほどにして、いつまでも元気に活躍してほしいもんですo(^o^)o


この日のおっちゃんは、オカリナ・リコーダー・アルトフルート、それに普通のフルートの4種類を演奏したそうですが、今回はオカリナが大活躍だったそうです。

しかしまあ、いつ見ても、これがうちの子たちが学校で使ってるリコーダーと同じものとは思えませんよね〜。もちろん、バロック式とジャーマン式という違いと多少の材質の違い(おっちゃんが持ってるソプラニーノは当時500円くらいで買ったプラスティック製だそうですが、これは木製なんだそうです)はあるそうですが、基本的な構造としては全く同じなんだそうです。それで、あんな音色が生まれるんですから…これぞまさしく、「楽器の音色ではなく、奏者の音色」ってヤツですよね?


こうした「楽器の音色」と「奏者の音色」に関するお話は、うちの「PICK UP BBS」の「金の笛 銀の笛」というコラムにも記されてますので、また読んでみてくださいね♪

ところで、こうした劇伴の録音の場合、何十曲も録音する中で少なくとも2〜3曲は自分の出番がない、いわゆる「休みの曲」があるものだと思うのですが、この日は1曲もなかったそうなんです。終わったあとに「とにかく、吹きっぱなしやったわ(^^;ゞ」ってな、ちょっと疲れ気味のメールが来てましたっけ…ってことは、番組中ずっと、おっちゃんの音色が楽しめるってわけですね? おほほ〜これは楽しみじゃ♪


こちらは休憩中の皆さんです。左の方の前には楽譜らしきものもあるので、打ち合わせなども兼ねての休憩でしょうか。和やかに談笑されてる様子が、よく伝わってきますね♪

真ん中にいらっしゃるメガネをかけた方が大野さんです。


こうして無事に録音を終え、いつもなら「○月○日にオンエアです。どうぞ、お楽しみに〜♪」と書くところなのですが、実は既に放送は終わってしまってるんです。録音当日に「大晦日にオンエアやて」ってことは聞いてたんですが、その後は私の原稿の催促し忘れとおっちゃんの原稿の送り忘れのダブルパンチで、今ごろのリポートアップとなってしまいました(^^;ゞ

大晦日の夕方におっちゃんから「いま、小さな旅をやっとるよ!」っていうメールが来て初めてレポの催促し忘れに気付いたのですが、そのときはもう既に番組は終盤に差しかかってました。で、思わず「ビデオ録ってないん?」と返すと「わしも今さっき気付いたんじゃ(+_+)」ですって〜。そこで、仕方なく2人で「特別篇は再放送があるやろから、それまでにレポをアップしよう!」ってことになったのですが、何と何と、1月2日には再放送をしてたようです…残念(>_<)ヽ

あちこち検索してやっと見つけた情報によると、またハイビジョンの方で放送されるようにも思うのですが(1月4〜8日あたりのうちに2回ほど…という情報も!)、これも定かではないし、第一BSも映らない我が家では見ることができません。なので、「ああ、こういう仕事もあったんだなあ」って感じで、心にとめてやってくださいまし(^^;ゞ

2004年の最後でこんな大ドジを踏んだ2人ですが、2005年も力を合わせて頑張りますので、応援よろしくお願いしますね♪

 

 

203 ドラマ「ごくせん ヤンクミリターンズ」(大島ミチル)

2004年12月14日。サウンドシティのAスタで、仲間由紀恵が演じる、メガネにジャージ姿の熱血教師が大ウケした人気ドラマ「ごくせん」第2弾の音楽録りでした。音楽はもちろん、大島ミチルさんです。

第2弾ということで、前シリーズで耳慣れたメロディもいくつか出てきたそうですが、どれも全て新しいアレンジが施されてて、しかも前作よりヴァージョンアップされてたらしくて、おっちゃんは楽譜を見た時点で「ほほぉ〜♪」と感心したそうです。その後、「劇伴の録音でも、こうやって登場人物や場面の様子が何となく想像できたら、面白さが増すなあ〜♪」なんて思いながら、楽しく録音に取り組んだようです。

さて、そんな感じで進められた録音の中で、何やら面白い曲があったそうですよ。もう、大島さんHPの12月半ばの掲示板でおっちゃんの書き込みを読まれてる方は知ってるかと思いますが、ちょっとサスペンスっぽい曲の中に、エリック宮城さんのトランペットによる、ド演歌調のソロが入った曲があったんだそうです。大島さんの掲示板レスによると、ご本人のエリックさんは「僕に1番ない感性なんだよ〜」なんておっしゃってたそうですが、おっちゃんも「なかなかやるなあ!」と感心しきりだし、他のミュージシャン仲間や金魚鉢にいたスタッフの皆さんにも大ウケだったとか…いや〜そのソロを生で聴いてみたかったのはもちろんですが、ウケてる皆さんの様子も見てみたかったですよね〜。とにかく、とても和やかな雰囲気だったんでしょうね。で、現場で大島さんは「ヤクザの親分が出てくるところで使われるんじゃないかしら…」なんて言ってたそうですが、はてさて…これは絶対に聴き逃せませんよ〜!

おっちゃんのパートとしては、フルートとピッコロの他にソプラノリコーダーを使った軽いマーチ風の曲が1曲あったそうですが、これはクラリネットとのオクターブユニゾンなんだそうです。クラリネットとリコーダーかあ…この2つによってどんな新しい音色が生み出されて、どんな場面で使われるのか、今から楽しみですね〜♪

写真はそのリコーダーを演奏中のものです(*^-^*)


ほかに、ブラスの人が帰られた小編成になってから、フルートのソロも3曲ほど録ったそうです。どちらもスローテンポの緩やかな曲だったそうですが、前シリーズのサントラの5曲目…どこかアラビア音楽のような雰囲気の(うちの子供たちは‘ヘビが出てきそう’なんて言ってましたが(^^;ゞ)あの曲とはまた違った感じなんだそうです。こちらも楽しみですね〜。でも、あのヘビが出そうな曲もまた使ってほしいなあo(^o^)o

いちばん最後に、菊地知也さんによるチェロのソロ(アカペラ)で、ごくせんのテーマを録っていたそうですが、これも大事な聴きどころのようですよ。チェロの音色って、ほんと、何とも言えない良い味わいがありますもんね?

写真は大島さんとチェロの菊池さん。

うちの159番のリポートには、これと同じような構図でマサさんとの2ショットがありますが、今回のお2人の間にも、言葉で表しきれない、何かいい空気が流れてますよね(^-^)


ブラスの人たちが帰ったあとの後半は、大島さんお得意の「ぶっつけ本番」も出てきたりして、皆さん予定時間よりもかなり早く終わって帰られてたようです。いつもながら、大島さんもミキサーさんもミュージシャンの皆さんも、本当に素晴らしいお仕事ぶりだと思います。この、どなたか1人でもダメだと、OKにはならないわけですもんね?

この日の編成は、弦(64221)・パーカッション(2)・ピアノ(1)・トランペット(エリック宮城さん他)・トロンボーン(3)・フルート&リコーダー(おっちゃん)・オーボエ(1)・クラリネット(1)に、指揮の大島さんとミキサーさんでした。1月15日の午後9時スタートです。初回のみ、30分拡大しての放送となるようなので、ビデオ録画をされる方はお間違えのないようにしてくださいね♪


 

 

202 ジャニーズ系ミュージカル「Endless SHOCK 2005」(佐藤秦将)

2004年12月14日・28日。12月14日と28日の2日間、ビクターの301スタに行って、ジャニーズ系ミュージカル「Endless SHOCK」の音楽録りに臨みました。作曲は「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ! 夕陽のカスカベボーイズ」などの作曲をされていた佐藤泰将さん。佐藤さんとおっちゃんは、今までにも何度かジャニーズ系のお仕事を一緒にしたことがあるそうです。うちのリポートには、佐藤さんとのジャニーズ系としては61番くらいしかご紹介できてないんですけどね(^^;ゞ

さて、2日ともベーシックがシンセで打ち込んであったことでテンポなどが決まっていたのと、楽譜の間違いや直しがほとんどなかったということで、進行はかなりスムーズだったようです。でも、ミュージカル…それもジャニーズ系というだけあって、動きの激しい曲も多く、管楽器もほとんど吹きっぱなしだったようで、決して楽な録音ではなかったみたいです。また、演奏に先だって、まず打ち込みのサンプルを聴いてからリハーサルに入り、本番でOKが出たあとには必ず確認のプレイバックをしてたそうなので、普通の劇伴よりはかなり時間がかかってたみたいです。


こちらは楽譜の表紙にもなっている、今回のミュージカルのタイトルロゴです。ほんと、たった1回きりの楽譜なのに、とても丁寧に作られてますよね〜。

右側には少し音符も見えますが…う〜ん、高そうな音符が並んでるので、フルートの楽譜なのかなあ。とにかく、難しそうです(^^ゞ


14日はリズム隊が入ってたそうですが、28日は弦と木管とブラスでダビングという形になってたそうです。

ちなみに14日の編成は、ドラム(渡嘉敷祐一さん)、ベース(渡辺直樹さん)、ピアノ(中西康晴さん)、ギター(今泉 洋さん?)、サックス(平原まことさん他3名)、トランペット(横山 均さん他2名)、トロンボーン(中川栄二郎さん・広原正典さん・山城純子さん)、フルート(おっちゃん・金子奈美さん)、クラリネット(星野 正さん他1名)、弦(マサさん?or 加藤ジョーさん?)、指揮(佐藤秦将さん)でした。

また、28日の編成は、弦(加藤ジョー・グループ:10 8 6 4 3)、フルート・篠笛(おっちゃん)、フルート・ピッコロ(金子奈美さん)、柴山洋さん他1名(オーボエ)、クラリネット(星野正さん他1名)、ファゴット(大畠條亮さん・前田正志さん)、トランペット(横山 均さん他1名)、トロンボーン(広原正典さん・山城純子さん他1名)、ホルン(藤田乙比古さん他3名)、指揮(佐藤秦将さん)と、とにかく豪華なメンバーだったようです。


そうそう、28日の最後に、ステージの中で重要な効果を狙ってるという篠笛の録音があるとかで、14日の録音時に「これで大丈夫ですか?」と楽譜を見せてくれながら、おっちゃんと音域などの確認をしたようです。

で、これが、その篠笛を演奏中の写真です。写真にカーソルを乗せると、別アングルからの写真になりますよ。

上半身を見ると、「さすが一流のミュージシャン!」って感じで、とてもカッコいいんですが、下半身の、それも足のあたりを見ると…ね?(^-^;)


公演は2005年の1月8日〜2月28日で、主演は堂本光一さん。作・構成・演出は、芸能プロデューサーでありジャニーズ事務所の社長でもある、ジャニー喜多川さんだそうです。東京近郊にお住まいの方、是非この豪華な音楽とアイドルの域を越えたと絶賛されてる堂本さんの力強いダンスのある舞台に酔いしれてきませんか?

 

 

201 新歌舞伎座 細川たかし「晴姿 次郎長富士」(小堀ひとみ)

2004年12月13日。サウンドシティのAスタに行きました。この時期…つまり暮れが近くなると、お芝居関係の仕事が入って来ることが多くなるんだそうですが、実はこの前日(12月12日)も御園座のお正月公演の音楽録り(音楽は津島利章さん)でした。で、この日は新歌舞伎座の1月公演で、「細川たかし 晴姿次郎長富士」という、いかにもお正月らしいタイトルがついてたそうです。

作曲は小堀ひとみさん。おっちゃんの高校の後輩でもあるボブ佐久間さんのお弟子さんで、カラオケの製作などでも活躍していらっしゃるようです。おっちゃんは、前に「カラオケがどんな風にして作られるか…」みたいなテレビ番組に小堀さんが出てらしたのを、見たこともあるそうです。小堀さんのHPも拝見しましたが、とても気さくでノリのいい、楽しい方のようですよ。ご主人は、195番に登場したギターの小堀 浩さん。

さて、タイトルからも想像できる通り、音楽もどちらかといえば日本調のようですが、それほどドロ臭くもなく、なかなか耳当たりのよい劇伴だったそうです。ほとんどフルートだったのですが、中に2曲ほど篠笛を使う曲もあったようですよ。その、最後にやった篠笛の曲は、打ち込みのデータに生のお囃子風の篠笛をダビングする…といった形だったようですが、打ち込みの方のテンポが違うとかいうことに気付いてデータの修正をするハメになったんですって。でも、これがけっこう時間かかったらしく、拘束時間いっぱいまでかかったそうです。生の楽器だけだとテンポを変えるくらいは簡単だそうですが、こうやって打ち込みが絡んでくると、なかなか大変なようです。

ところで、ステージ用の音楽はどうしても音楽の量が多くなるんだそうで、この日もかなりの分量だった、ようです。でも、どの曲もしっかり書かれてたんですって。また、おっちゃんは「女性ながら…って言うんもナニやけど、ごっついテキパキした運び方のおかげで、仕事もスムーズにいったんちゃうかと思う」とも言ってました。

とはいえ、こうした舞台音楽の仕事は、予算の関係とか色々な「大人の事情(←これ、作曲家の和田薫さんがよく使うのですが、とても便利な表現です(^^;ゞ)」もあって、この日もいわゆる「ツーチャン同録」「ぶっつけ本番」の曲も結構あったみたいで、プレッシャーを感じずにはいられないようなシーンもあったみたいです。でも、そうしたプレッシャーさえも肥やしにして、素晴らしい演奏をやってのけてくれるのが、おっちゃんたちなんですけどね♪ まあ、現実的なところの話をすれば、多少の傷には目をつぶって…みたいなケースも、あちこちで見うけられた感じもしたそうですが、ステージでドタバタ動き回っているようなシーンだったら、ちょっとくらいのノイズやミスは大丈夫だろうってことなんでしょうね。


おっちゃんのいた、ブースから見たフロアの様子です。カーソルを乗せると、アップになります。

黒いジャケットを着て私たちの方に背中を向けてるのが、作曲&指揮の小堀さんです。


この日の編成は、ドラム(渡嘉敷祐一さん)、ベース(いとうしろうさん:正しい漢字表記が分かりません)、ピアノ、ギター(大久保さん)、弦(押鐘貴之さんのグループ:4422)、トランペット(数原 晋さん他1名)、トロンボーン(?)、ラテンパーカッション(八坂さん)、シンセ(小堀さんの打ち込み)、フルート&篠笛(おっちゃん)、サックス&クラリネット(?)、ホルン(大野さん他)で、指揮は小堀ひとみさんご本人でした。

1月2日から27日まで、 ほぼ毎日、午前11時と午後4時の2回公演されるようです。お近くの方は、ぜひ足を運んでみてくださいねo(^o^)o

 

 

200 木曜ミステリー「京都地検の女 2」(大島ミチル)

2004年12月9日。港区麻布台のサウンドシティに行きました。2003年7月14日〜9月11日まで、全8回に渡ってオンエアされた「京都地検の女」の第2弾の音楽で、今回も作曲は大島ミチルさん。新しくスタートを切るドラマのわりには曲数が少なかったようなので、もしかすると前回のものも合わせて使われるのかもしれませんね。

この「京都地検の女」って、一般的に「冷静沈着」「固い」「ヒーロー弁護士に歯向かう悪役」みたいに思われがちな検察官のイメージを大きく打ち破り、ワイドショー好きなオバちゃん検察官が「主婦の勘」をもとにドンドン突き進んで事件を解決していく様子を描いた面白いドラマでしたよね? だからこそ、思いっきりサスペンスっぽいドロドロしたものは少なく、大島さんらしい、楽しい横揺れのリズムがあるものや、サスペンスといえどもどこかに華があるような音楽も多かったようです。

その中で、曲の途中にサスペンスっぽいトランペットのアドリブソロ(トランペットのサスペンス風って、どんなんだろ〜?)が入った、ちょっと変わった曲があったんだそうです。これ、おっちゃん的にはなかなか面白かったみたいですよ〜。ドラマの中の、どんなシーンで使われるんでしょうね。オンエアが待ち遠しいものです。あ、このトランペット吹きさんに関しては、また近いうちに「ごくせん 2」の録音リポートの中でもお話できそうですので、そちらもお楽しみに(*^-^*)

この日の編成はかなりシンプルで、64221の弦に、木管はフルートとクラリネットのみ、あとはトランペットとトロンボーンが2人ずつに、パーカッションとピアノだったそうです。


写真は指揮台に向かう大島さんです。写真にカーソルを乗せると、少し大きく見えますよ。おや、椅子の上にもたくさん楽譜があるようですね。

あの名取裕子さん演じるオバちゃんパワー炸裂の検察官の奇想天外な行動を(第2弾ということで、きっと更に拍車がかかったはず(^^;ゞ)、どんな音楽で盛り上げてくれるんでしょうか?

また、このドラマは、美しい京都の風景(主役の鶴丸あやが住んでるのは、懐かしさあふれる昔ながらの‘町屋’でしたね)なども楽しめるドラマです。そうしたシーンで使われる音楽も聴きどころの1つですよ〜。

2005年1月13日・午後8時スタートです。どうぞ、お楽しみに♪

 

 

199 アニメ「Xenosaga」(山下康介)

2004年12月8日。早稲田にあるAVACOスタジオの301スタに行きました。このAVACOスタジオというのは、面積の広さでは都内の録音スタジオでは1・2を争うところだそうで、ここを使う…と聞いただけで、かなりの大編成が予想できるんだそうです。現に、この日も、86442の弦に2管編成の木管、ブラス、ホルン、打楽器にハープといったフル編成だったようです(メンバーのご紹介は、最後の方でしますね)。前に、どこかのリポートでも書いたように思うのですが、普通のアニメの録音で木管が2管になるのはわりと珍しいことらしく、おっちゃんの話では「特に重厚なサウンドを意識するとかの意図があったんちゃうか…」とのことでした。

さて、そんな大編成で何の音楽を録るのかと言うと、「ゼノサーガ(Xenosaga)」という、プレステ2のゲームをアニメ化した作品だそうで、宇宙が舞台のアニメ音楽だったようです。作曲は、昼メロの枠を越えて世間に一大ブームを巻き起こした「真珠夫人」の音楽を手がけられた、山下康介さん。東映のサイトには「新世紀スペースオペラ」という表現がされてましたが、どんな展開をするんでしょうね〜。

この日は、弦・木管・ホルン・パーカッションをフロアに配置するという録音スタイルだったようです。こうすると、特にパーカッションの音が回りまくるようですが、それはそれでオケらしいサウンドになっていいんじゃないか…とのことでした。むしろ、そういうサウンドを狙っていたのかも? ただ、もしもNGが出ると、フロアにいる全員がやりなおさなければいけない事態になるので、少しプレッシャーを感じるセクションもあったかも…だそうです。こんな状況の場合、私たちだともうガチガチに緊張してしまって、かえってNGを出しまくりになりそうですが、おっちゃんたちの場合はこのプレッシャーが逆に、いつも以上にまとまりのある音を生み出したりするんですよね? このあたりのお話は大島さんの録音リポートでも何度かお話ししたかと思いますが、おっちゃんたちのことを「すごいなあ!」って思える部分の1つだったりもします。

「真珠夫人」のときには、甘く切なく狂おしい音楽で世の奥さま方を魅了した山下さんですが、今回は宇宙のアニメということで、打ち込みを思わせるような機械的なパターンや激しい戦闘シーンなどが多かったようです。でもやっぱり、甘くて美しいメロディもあちこちにちりばめられてたんですって♪ おっちゃんは、全体的にとても緻密に書かれている音楽だな〜という印象を持ったそうです。で、肝心の笛のパートとしては、全部で40曲くらいある中の14曲しかなかったとか…残念(>_<)ヽ おっちゃんは「休みが多いっていうか、1曲あたりの単価が高い仕事やったな〜♪」とお気楽でしたけどね。でも、その14曲のほとんどが録音の後半に行われたらしく、録音が始まってすぐのころは「ずっと休みじゃ」とか「モバイルで原稿を書いとる」なんてメールも来てたのですが、終わったころには「最後はしっかりやらされたわい(^^ゞ」という苦笑めいたメールが来てました。ま、曲数は少なくても、しっかり手応えを感じたお仕事で何よりでした。

最後に、詳しいメンバーを書いておきます。弦(小池弘之さんのグループ:86442→44221)、ハープ(朝川朋之さん)、パーカッション(高田みどりさん・草刈とも子さん・大石真理恵さん)、トランペット(荒木さん・西村浩二さん他)、トロンボーン(?)、チューバ(佐藤潔さん)、ピアノ(緒方さん)、フルート(おっちゃん・金子奈美さん)、オーボエ(庄司知史さん・川村正明さん)、クラリネット(星野 正さん他1名)、ファゴット(大畠條亮さん・前田正志さん)、ホルン(藤田乙比古さん他2名)、指揮(中谷勝昭さん)でした。

2005年1月5日の26時42分(…つまり、1月6日の午前2時42分?)から、テレビ朝日で放送がスタートします。とんでもない夜中ですが、ビデオをフル活用して、ぜひ見てみてくださいねo(^o^)o


 

 

198 映画「北の零年」完成披露試写会(大島ミチル)

2004年12月6日。190番でお話しした映画「北の零年」の完成披露試写会が行われることとなり、その中のセレモニーで約30名のオケによる生演奏を披露するということで、東京国際フォーラム(今回はホールC)へ向かいました。行く道中の電車の中から「今日もまた、この前(‘隠し剣・鬼の爪’の試写会:163番参照)のときみたいに、すぐに終わるんやと思うわ」なんてメールが来たので、先に大島さんから当日の大まかな流れを聞いていた私は「いやいや、今日は舞台挨拶の前と途中と後に演奏があるみたいじゃよ」と返信すると、「ほぇ〜わしは何にも聞いてないじょ〜」と、何とも間の抜けた返事が…。でも、こんなに何の心の準備もなく行っても、その場でちゃんと完璧にこなしてしまうところが、またおっちゃんたちの「すごいなあ〜!」と思う部分であったりするわけです。

さて、今回のホールは、前述163番のときに使ったホールAに比べるとかなり小さかったようですが(1502席)、おっちゃんの感想としては「コンサートなんかやと、このくらいの方がええように思う」とのことでした。ここで、「北の零年フィルハーモニーオーケストラ」という名を掲げた、マサさんのグループ(64221)、草刈とも子さん&長谷川友紀さん(パーカッション)、三宅美子さん(ハープ)、おっちゃん(フルート・テナーリコーダー)、庄司知史さん(オーボエ)、山根公男さん(クラリネット)、エリック宮城さん他2名(トランペット)、中川英二郎さん他2名(トロンボーン)、ホルン3名に、指揮の大島さんというメンバーが、このセレモニーに臨みました。


午後からはまず、出演者による記者会見が行われたようです。ほら、翌日のワイドショーで、LAにいる渡辺謙さんと衛星中継して、吉永小百合さんとのキスシーンの話で盛り上がってたでしょ? あの会見です。

その後、午後2時30分ごろからオケの音合わせがあり、それが終わったあとで、出演者のステージ上での写真撮影を兼ねたマスコミの取材なんかがあったそうです。左は、その取材のために着替えを済ませた楽屋でのおっちゃん。


こちらは、その出演者さんたちがステージ上に出てくるのを待ってる間のオケの皆さんの様子です。

真ん中のエリックさんが吹いてるもの…これは、声を出しながら吹くとトランペットの音がするとかいう、不思議なオモチャみたいなものなんだそうです。トランペットを吹いたことがない人でも、トランペットの音色が出せるってわけですね。で、あの中にカラオケみたいなのも入ってるんですって。何だか、楽しそうなオモチャですね。

あらま、携帯で遊んでらっしゃる方もいますよ。ほんとリラックスムード満々です(^-^;)


この日のオケは、男性は上着なしのワイシャツに蝶ネクタイで女性は白のブラウス…という風に指定されてたそうです。私たち一般人のイメージからすると、こういうときは黒いタキシードのようにも思うのですが、この日は全体的に「白」のイメージが欲しいとのことで、こうした指定になったようです。で、本音のところは、白いタキシードに黒の蝶ネクタイでビシッとキメたかったようですが、最近は白いタキシードなんかを持っているミュージシャンは少ないだろう…とのことで、男性はシャツだけスタイルになったんだそうですよ。

こちらはダジャレ大王さま(マサさん)です(^-^;)

この日の現場でも、弦セクションの中で数多くのオヤジギャグを飛ばしてたとか…。で、おっちゃんの話によると、ときどきメールにもオヤジギャグを書いてきてくれるんだそうです。おや、そう言われてみると、大王さまの手には携帯が…また、誰かに楽しいメールを送ってるのかもしれませんね。

この日、長時間に渡るリハでお疲れ気味の皆さんも、ダジャレ大王さまのオヤジギャグで随分と元気づけられたことでしょう♪


大島さんを中心に、左が草刈とも子さんで右が長谷川友紀さんです。

女性3人の真っ白い衣装も素敵ですが、何といってもこのリラックスした柔らかな笑顔が素敵ですよね〜♪ 見てる私たちの方も思わず頬が緩んで、自然と微笑み返してしまったりしませんか?(^-^;)


こちらはハープの三宅美子さん。

三宅さんにデジカメを向けるおっちゃん、そのおっちゃんに携帯カメラを向ける三宅さん…何だかとても微笑ましいですね(*^-^*)


さて、この日の様子は、全国の大型電気店で中継されるだけでなく、ネット配信といった形で私たち一般家庭のPCでも見ることができたんですよね? ただ、「MEDIA PLAYER」では見えて「REAL PLAYER」では見えないってな制約があったようですが…(これに気付いたのがオンエア15分くらい前で、あさひ組の1人と私は大パニックになりました(^^;ゞ)。でも、会場に行けなくても、その場の雰囲気を同じ時間に味わわせてもらえるなんて、素晴らしい企画だと思います。

おっちゃんも会場に向かう途中の有楽町のビッ○カメ○で「北の零年」のダイジェスト版が繰り返し放送されてるのを見て、「ああ、ここでも中継するんだろうなあ」なんて思いながら歩いていったそうです。


これは本番中、実際に全国にネット配信された映像の一部です(大きさもこのまんまでしたよね?)。あさひ組の中で、この生中継映像に胸を高鳴らせながらも、しっかり画面をキャプチャしてくれてるすごい人がいたので、いただいてきました(^^;ゞ

大島さんご本人は「出演者の挨拶の時間と音楽の状況を考えるのに必死で、にらみをきかせながら振ってた」とか「どこにカメラがあったんだろ〜?」なんておっしゃってましたが、真っ暗な会場で大島さんの真っ白なドレスが照明に映えて、それはそれは幻想的でしたよね〜。指揮する指先から顔の表情までしっかりアップになって、息をするのも忘れて見入ってしまう夢のような一時でした。


そういや、あさひ組の中には、おっちゃんが映るたびに「わぁ〜っ!」とPC画面に近寄ったり、PC画面に「おっちゃ〜ん!」と手を振ったり、思わずPC画面の上からおっちゃんを触ってみたり(←私です(^^;ゞ)してる人もいたようです(^◇^;)

あ、弦楽器の人達はそれぞれの楽器にコンタクトマイクをつけて、おっちゃんたちは楽譜のあたりにマイクを立ててたそうですが、普通のライヴのときに使うようなモニターがなかったので、自分の音は聴きにくいし、客席にどのくらい届いているのかが全く分からないままの演奏というのは、けっこう不安だったそうです。でも、かなりきれいに聴こえてましたよね? 当日のおっちゃんちの掲示板でも「よく聴こえてた」という書き込みを見て、おっちゃんもホッとしてるようでした。


↓は、この日の演奏プログラム 

・北の零年〜メインタイトル
・夢はまことになる フルートソロ:佐々木 真 
・メドレー(団欒〜淡路の花〜時代の難民〜小さな奇跡)
・希望の奇跡 ヴォーカル:崔岩光(Cui Yan Guang)

右の写真は、最後の「希望の軌跡」を演奏中のものです(これもネット配信された映像をキャプチャしたもの)。ステージ上で崔岩光さんが歌ってらっしゃいますね。ほんと、美しい歌声でした〜♪


本イベントは、オケの演奏(北の零年〜メインタイトル)で始まり、フルートの調べに乗っての詩の朗読(夢はまことになる)、出演者の舞台挨拶(←の間はメドレーを演奏)、最後にソプラノの独唱を交えての演奏(希望の奇跡)という流れになっていました。ただ、役者さんたちによる挨拶は全く時間が読めなかったので、かなり長めに作ってあったようです。で、「大島さんが大きく振ったら、そこで終わりにする」とか、「もし音楽が足りなくなったら、頭に戻る」とか、いろいろと打ち合わせをしてたそうですが、結局、ほんの一言だけで挨拶を終わらせる役者さんも数人いて、曲の最後までいかないうちに終わってしまったようです。

そうそう、フルート独奏をされた佐々木真さんとおっちゃんは、ほんの短い期間ですが、オケでご一緒してた時期があるそうです。おっちゃんは「いわゆる‘同じ釜の飯を食った仲’ってヤツやから、久しぶりに楽屋で話せて良かったわ。いやぁ、懐かしかった〜!」と、とても嬉しそうでした。で、これはあくまでおっちゃんの想像ですが、佐々木さんのお父さんは有名な映画監督さんだったそうで、そうした関係から、今回のフルートソロをされたのではないか…とのことでした。


このようにして無事にオープニングセレモニーを終えたあとで、映画の試写会が始まりました。でも、おっちゃんは、さすがにちょっと疲れたのと、見事なくらいに満席だったホールを見て、客席に潜り込んで観てくるのを諦めたんだそうです。確か、例のネット配信が18時57分くらいまであって、そのころまでおっちゃんたちはオケピットにいたはずなんですが、19時8分ごろには「抜けてきた」ってな連絡が入って、びっくりしたもんです。

この日のおっちゃんは、大昔に日活の撮影所の食堂みたいなところでお見かけして以来、2度目の生の吉永さんに興奮気味でしたが、何よりも、右の写真を撮れたのに大興奮だったようです。家に着くや否や、「どうじゃ? かわいいやろ〜? ええ顔しとるわ♪」と送ってきてくれたのが、この写真です。ほんと、このリポートのベストショット間違いなしの、何とも言えない素敵な表情ですよね(*^^*)


試写会までしっかり観てきた人によると、3時間という放映時間なんか全く気にならないくらいの、素晴らしい出来の映画だったそうです。試写会の会場では、DTSとかいう音響システム(?)も鳴っていて、とても臨場感があって楽しめたんですって。そして、美味しい部分では、おっちゃんの温かい笛の音色がしっかり響いて、本当に良かったそうです。これは是非、子供たちへのお年玉を削ってでも、映画館まで足を運ばないと…ですねp(^-^)q

 

 

197 火曜サスペンス劇場「母子鑑定」(大谷和夫)

2004年11月29日。火サスの音楽録りのために、サウンド・シティのBスタに行きました。このところ火サスの録音はサウンド・インが多かったのですが、この日はサウンドシティの方でした。この2つのスタジオって、けっこう紛らわしいですよね。実は、おっちゃんもそう感じてるんですって。というのも、数年前までは、サウンドインは「Aスタ or Bスタ」でサウンドシティは「1スタ or 2スタ」と呼んでたらしいのですが、2〜3年前からサウンドシティの方も「Aスタ or Bスタ」になって、余計にややこしくなってしまったんだとか。お仕事を受けるときに、ちょこっと背筋が伸びる瞬間でもあります。

さて、いつものごとく早めにスタジオに入ってロビーでモバイルを開いていたら(こうやって、掲示板レスやリポートの下書きなんかをしてくれてるわけです)、予定の30分くらい前に「進行が予想より早いので、よければ入ってもらえます〜?」って言われて、へいへい♪…とスタジオに入ったそうです。この日の作曲は大谷和夫さん。M−ナンバーは「35」なんかがあったみたいなので、もしかすると大谷さんお得意のシンセだけの曲も何曲かあったのかも知れない…とのことでした。この日はかなり進行状況がよかったみたいで、途中で何度か休憩をとったりするような余裕もあったみたいですね。
 
おっちゃんが使った楽器は、フルート・アルトフルート・オカリナだったそうです。やっぱり、火サスにアルトフルートは必需品って感じでしょうか(^^;ゞ で、オカリナは、楽譜を見た瞬間に「こりゃ、あんまり高い音でない方がええかも〜」って気がしたらしくて、取りあえず中間のCという楽器でやってみせたんだそうです。すると、すんなりOKがもらえたので、本番はそれを使ったとか…。この、おっちゃんの楽譜の奥にあるものを読み取る力というか、楽譜が訴えてきてるものを感じ取る力ってのにも、いつも本当に驚かされますよね。

編成は、マサさんのグループ(弦:64221)、佐野博美さん(クラリネット・ソプラノサックス)、おっちゃん(フルート・アルトフルート・オカリナ)、大谷和夫さん(キーボード)、中谷勝昭さん(指揮)で、エンジニアは伊豫部富治さんでした。この日に録ったのは「母子鑑定」というタイトルで、放送日はまだ分かってません。でも、何となくタイトルから内容が想像できるような気もしますよね。さて、その想像がつくようなストーリーを音楽がどんな風に色づけするんでしょうか。放送日がハッキリしたらまたお知らせしますので、どうぞお楽しみに〜♪

 

 

196 小学校用教材録音・ミュージカル音楽(若松 歓)

2004年11月26日。赤坂のコロムビアに行きました。2005年の4月から教科書が改訂されるせいか、このところ教材録音の多いおっちゃん。この日もやはり教材の録音でした。アレンジは若松歓さん。NHKの「みんなのうた」や「みんなの童謡」などで数多くの編曲を手がけられている若松正司さんの息子さんです。お父さんと同じく長身で、なかなかのイケメンのようですよ(詳しくはリンク先を見てね♪)。

で、今までは教材の仕事というのは大体いつも予定より早く終わることが多いらしいのですが、ここ数回は何故か色んなトラブルに見舞われて、どうも押しまくり傾向にありますよね(152番192番参照)。そんな流れを吹き飛ばすかのように、「今日は3時間拘束やけど、今日こそ目標2時間じゃ!」なんて言いながらスタジオ入りしてましたが、はてさてどうなったんでしょうか!?

まずは、楽譜をもらってビックリ! フルートのパートが6ページもあるような長い曲があったそうです。これ、いわゆる「パート譜」で6ページですからね〜とんでもなく長い曲だと思います。で、何事かと思ったら、小学校向けのミュージカルの教材なんだそうです。ミュージカルということは、普段の授業用というよりは、学芸会(校内音楽会? 表現会?)などに使われることを目的としてるのでしょうか。

そうそう、私たちがミュージカルというものに接する場合は、2〜3時間かけてやるオリジナルのステージよりは、その中からいい曲だけをピックアップし、コンサートやレコーディング(つまりCD)用に改めて編曲しなおした方を耳にしてる人がずっと多いと思うのですが、今回はその編曲しなおした方ではなく、オリジナルの方を子供たちに…といった趣旨での録音だったようです。でも、そうしたオリジナルに馴染みが浅いのはおっちゃんたちプレイヤーも同じで、現場でもテンポや細かいフレーズなどの部分で「あれ〜? いつものと違うなあ…」なんて戸惑った部分も多かったようです。また、譜めくりが難しい…ということもあって、長い曲はいくつかに分けて録音したりもしたんですって。

曲は「Tomorrow」「踊り明かそう」「チムチムチェリー」の3曲。どれも、気持ちの高揚や歌詞&振付の都合でテンポが色々と変化するので、杓子定規なクリックは使わずに、モニターの中の若松さんの棒に合わせての演奏となったようです。こういったところからも、若松さんの「子供たちに生きた音楽を…!」といった思いが感じられますよね? ただ、現場のカメラやライトの具合がイマイチで、薄暗いモニターの中の若松さんの棒を見ながらというのは、ちょっとアンサンブル的には厳しい面もあったようです。

そんなこんなの録音で、またもや「早めに終了!」の目標は見事に打ち砕かれ、もともとの拘束時間の3時間をちょっと押すくらいまでかかってしまったそうです。いやはや、お疲れさまでした(^-^;)

編成は、加藤ジョーさんのグループ(弦)、山根公男さん(クラリネット)、宮崎さん(ファゴット)、おっちゃん(フルート)、石橋雅一さん(オーボエ)、草刈とも子さん(パーカッション)、朝川朋之さん(ハープ)、上芝はじめさん(ピアノ)、数原晋さん他1名(トランペット)、お名前不詳2名(トロンボーン)、藤田乙比古さん他1名(ホルン)でした。週休2日制となった今の教育現場ではどれだけ音楽の時間が取れるのかといった問題もありますが、この「できるだけ本物の音楽を…!」とこだわって作られた今回の教材、ぜひたくさんの学校で活用してほしいですね。

 

 

195 「月夜のポンチャラリン」「石井町民の歌」「石井町音頭」(越部信義)

2004年11月22日。赤坂のコロムビアのスタジオに行きました。この日は越部信義さんの作・編曲で、「月夜のポンチャラリン」「石井町民の歌」「石井町音頭」という3曲をやったそうです。越部さんって、あの「おもちゃのチャチャチャ」なんかを作られてる方なんですよ(詳しくはリンク先を見てくださいね)。おっちゃんにそう教えてもらったときに、某記念対談でお話ししたときと同じく、またもや私は「私が小さいころから親しんでるあの曲が、まだ生きてる作曲家さんが作ったものだったとは…っ!」なんて思ってしまいました(^^ゞ ちなみに、おっちゃんと越部さんは薄謝協会の「おかあさんといっしょ」で約20年も一緒にお仕事をしてきた大事なお仲間なんだそうですよ。

さて、この「月夜のポンチャラリン」は「おかあさんといっしょ」の中で使われる歌(いわゆる‘学芸’系のお仕事)だったようですが、何となく「石井町〜」の2曲を録るついでに録っちゃった…という感じがしないでもなかったとか。それはさておき、おっちゃんはこの「石井町」という字を見て「ん〜!?」と思ったそうです。というのも、私が生まれてから20歳まで暮らしてた町も「石井町」で、そうした話を今までに何度かしてたからです。でも、同じ名前の町は全国に幾つもあるでしょうし、「まさかね…」なんて思ってたりもしてたら、現場でディレクターさんが口ずさんでる歌の中に「〜吉野川〜♪」なんて歌詞があったのに気付き「あらま〜っ!!」ってなことになったそうなんです。


さらに裏話をすると…この日、私はおっちゃんが越部さんとのお仕事に行ってるというのは知ってたのですが、その仕事の真っ最中であるはずの時間に、タイトルが「こんなん」、本文が「やっとる!」という携帯メールが届き、右の写真と同じものが添付されてました(^^ゞ

すぐさま「これ、名西郡石井町!?」と返すと「そうらしい(^o^)」との返事が…いやはや、ほんとにビックリしました。

右は「石井町民の歌」のおっちゃんのパート譜で、写真にカーソルを乗せると、「石井町音頭」のパート譜が見えま〜す。


あとで「編集長ゆかりの町の歌をやることになるとは、これも何かの因縁かの〜?」なんて言ってましたが、本当に不思議な縁を感じますよね。まさか、おっちゃんとこんなところでつながるとは…何だかとても嬉しかったですよ。それと同時に、最近は田舎ほどこういうのにお金をたくさんかけるので、こうした大ベテランの作曲家さんやミュージシャンに作ってもらえてるっていう、巷での話の裏が取れたなあ〜みたいな気持ちもあったりしました(^-^;)

余談ですが、徳島の中央を流れる吉野川は、古くから「四国三郎」と呼ばれてて、利根川の「坂東太郎」、筑後川の「筑紫次郎」とともに日本の三大河川に数えられてるんですよ。で、そんな吉野川の魅力を歌にして全国にPRし、地域の活性化を図っていこうという事業を、徳島県三好郡内の8町村が興し、「四国三郎」なんて歌を作っちゃったようなんです。その歌を歌うのがあの北島三郎さんで、作詞には星野哲郎さん、作曲は船村徹さん…ってな感じで、大御所さんばかりにお願いしてたようです。このあたりからも、田舎ほどこういうのに力を入れてるってのが分かるでしょ?(^^ゞ



話は戻って、こちらはおっちゃんの席からこっそり撮った越部さん。写真にカーソルを重ねると、越部さんがアップになりますよ。

1933年生まれとのことですから、今年で71歳? これからも、ますますお元気で、頑張ってほしいと思います。


この「石井町〜」の2曲は、ずっと昔に越部さんが作曲されたもので、今回はそのリメイクだったようです。作曲当時には、石井町にも来られたんですって。また、越部さんは徳島とは何かと縁があるそうなんです。たとえば、徳島少年少女合唱団(1968年に創立・指揮は上田収穂さん:徳島県内の小学生から高校生までで構成され、国内外を問わずに活躍している合唱団)とはもう随分と長いお付き合いになるそうで、今でもときどき徳島に来られてるんですって。こちらのサイトの2002年11月21日のところには、30年ほど前の上田収穂さんと越部さんとのエピソードがつづられてますので、良かったら読んでみてくださいね。

編成は、おっちゃん(フルート・篠笛)、伊藤史朗さん(ドラム)、渡辺直樹さん(ベース)、小堀 浩さん(ギター)、エルトン永田さん(ピアノ)、菅坂雅彦さん・横山均さん(トランペット)、中川英二郎さん(トロンボーン)、平原まことさん(サックス)、中島さん(シンセ)でした。来年の石井町の夏祭りでは、この2曲が聴けるかな〜?o(^o^)o

 

 

194 映画「あずみ 2」(川村栄二)

2004年11月21日。映画「あずみ2」の録音のために、夕方から港区麻布台のサウンドシティのAスタに行きました。音楽は、火サスなどの劇伴や、堀内孝雄さん・五木ひろしさんなどのアレンジなどで活躍してらっしゃる川村栄二さんでした。どうやらこれは、2003年5月に全国でロードショーされた「あずみ」の続編のお話ということになるようですが、私はまだ観てないのでちょっと把握しきれてません。何でも、上戸彩さんのデビュー作(?)とやらで、随分と話題になった映画のようですね。


さて、さっそく録音内容のお話ですが、川村さんが打ち込んで来られたもの(ほぼ完成品)に、弦・笛・ギターなどをダビングする…というスタイルだったようです。打ち込みの弦は必ずしも生の弦と一緒ではなく、全く別の動きをしているところもあったようです。おっちゃんの話では「弦のグループが2つあるような感じを狙うたんちゃうかな」とのことでした。

右の写真は「Mー1」と書かれてるので、映画の最初に流れる曲のおっちゃんパートの楽譜です。今回の写譜屋さんも頑張ったようで、またまた立派な「表紙」がついてますね。


そうそう、今回は「アラビック・バイオリン」という珍しい楽器が入ってたそうで、言葉には出来ないようなユニークなイントネーションで、とても面白かったんだそうです。演奏は太田惠資さんという方で、現在「CICALA-MVTA」というバンドでかなりアクティブに活動してらっしゃるみたいですね。おっちゃんが一緒にやったのは1曲だけだったようですが、おっちゃんの篠笛のアドリブと交互に出てきて、何やら怪しい雰囲気を醸しだしてて、重要な聴きどころの1つのようですよ。これは楽しみですね〜♪


おっちゃんは現場で映像を少しだけ見せてもらえたそうですが、その中で「伊賀」とか「甲賀」とかいうセリフがチラホラ聞こえてきてたそうなので、忍者モノのお話なんでしょうか…。

ちなみに、左のような映像だったようですが、ちと恐い…かな(^^;ゞ


こちらはフロア全体の様子。中央にいらっしゃる中谷さんの頭の上のモニターには、↑にあるような映画の映像が映されてるようですね。

写真にカーソルを乗せると、おっちゃんがいたブースの中から見たフロアの様子が見えます。同じような写真のようでも、ブースの中からという視点がまた面白いでしょ?

私たちも、その場にいるような気分になれますよね?



今ごろ音楽を録るというので冬休み向けの映画かと思ったら、封切りは2005年3月12日のようです。こんな早くから、しかも音楽を録るってことは、すでに映像の方もできてるってことですよね?(実際に現場で見せてもらってるわけだし…)今から仕上げて「あとは春まで公開を待つのみ!」ってジラせるのは、またまた何か事情があったりするのかな〜?

映画の内容は時代劇のようなのですが、音楽の方は日本調というよりは、国籍不明的なエスニック調(←おっちゃんはこの表現が得意です(^^;ゞ)という感じだったようです。

おっちゃんはフルート・アルトフルート・篠笛で参加したようですが、フルートとアルトフルートのパートには既に打ち込みの音が入ってたそうです。それを聴いて「単なるサンプルか…」と思ったら、実はこれも最初の方にお話した弦と同じく、生のフルートと一緒に使うんだそうですよ。

一体、どういった効果が表れるんでしょうか!?


最後に、おっちゃんと一緒にやった範囲の編成を書いておきますね。マサさんのグループ(…でもマサさん抜き:8644)、松宮幹彦さん(ギター)、おっちゃん(フルート・アルトフルート・篠笛)、今泉さん(シンセ)、太田惠資さん(アラビック・ヴァイオリン)、中谷勝昭さん(指揮)だったようです。弦のところでは「マサさん抜きで、マサさんグループ??」って思うでしょ? おっちゃん曰く「マサちゃんはおらんけど、顔ぶれは明らかにマサちゃんのグループじゃ。マサちゃんは、どこかでソロの仕事でもしとったんかもしれんの〜」だそうです。

公開までまだしばらくありますが、音楽は聴きどころがいっぱいのようですし、楽しみにしててくださいねo(^o^)o

 

 

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