おっちゃんの仕事場探検

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劇伴(映画・ドラマ・アニメなどのBGM)がどんなところで、どんな風に作られているのかを、おっちゃんから聞いたお話を中心にレポートしていきます。レポートの番号が進むにつれてだんだんと内容が濃くなり、ときには作曲家さんやエンジニアさんからいただいたコメントも出てきます。

ただし、これらは録音時の記録が主になっているので、実際にオンエアまたはリリースされたときにはタイトルが変わってる…なんてことも稀にあります。また、私の音楽の知識やパソコン技術の問題などによりお見苦しい点も多いかと思いますが、あたたかい目で読んでいただけると嬉しいです(*^^*)

こことは別の「スペシャルレポート」「オフラインレポート」などのページでも作曲家さんやエンジニアさんのお仕事ぶりやオフのときの様子をご紹介していますので、合わせてご覧下さい。

最後に…どうぞレポートをご覧になってのご意見・ご感想などを、ゲストブックやメール・ウェブ拍手などを通じてお聞かせください。今後の参考に、そして励みにさせていただきたいと思います。よろしくお願いしますm(__)m

 

 

 

 

329 劇場版「かいけつゾロリ なぞのお宝 大さくせん」(田中公平)

2006年2月15日。この日は田中公平さんとのお仕事で、ビクター青山スタジオの301スタに行きました。おっちゃんは現場では「かいけつゾロリ」とだけしか聞いてこれなかったそうですが、どうやら3月11日から全国で公開される「まじめにふまじめ かいけつゾロリ  なぞのお宝大さくせん」という映画の音楽録りだったようです。
 
そうそう、実はこの前日…つまり、2月14日は公平さんのお誕生日だったので、いつも色々とご協力くださってる公平さんへの心ばかりのプレゼント(?)と思って、14日に日付が変わってすぐに「324番」のレポートをアップしたんです(…でも、14日中は何故かレポの前半しかアップできてなかったというミスがあったんですが、15日にはちゃんと全部をアップしました(^^ゞ)。で、この日スタジオに入る直前のおっちゃんに「公平さんに‘おめでとう’と‘レポをアップしてます’って伝えてよ♪」って伝言してあったんですが、おっちゃんが言うまでもなく、公平さんはもう既にレポも見てくださってたようなんです。しかも、またまた喜んでくださってたとか…ほんと、良かったぁ♪(*^-^*)
 
この日のおっちゃんは公平さんと色々とお話する時間が持てたそうで、移調楽器の話とかスコアリーディングの話なんかをしてたそうです。で、そのうち何故か公平さんの先生である、池内友次郎さんのお話になったりしたそうなんですが、またまたお恥ずかしながら、私はこの池内友次郎さんという方のことを全く知らないんです。でも、このレポを作るにあたって色々と検索してみると、公平さんのほかに間宮芳生さんや池辺晋一郎さん、一柳 慧さんなど、私でも知ってるような有名な作曲家さんたち皆の先生でもある方なんですって。はぁ〜最近は優しそうな公平さんのお写真を見る機会が多いんで、勝手にすごく親しみを覚えてたんですが、何だかまた一気に雲の上に昇っていってしまったような…公平さん、すごい〜!

あ、さらに検索で見つけた情報としては…この池内友次郎さんのお父さんが、俳人で作家でもある高浜虚子さんなんだそうです。で、さらにさらに、この池内さんのお孫さんが、ときどき「題名のない音楽会 21」にも出てる、あのクリスティーナ&ローラさんなんですって〜。もう驚きの連続です(^^ゞ


まあ、そんな感じで色々とお話をしているところに、ちょうどマサさんがやってきたそうです。

で、公平さんが「あれっ、マサさんは明日が誕生日だったんじゃなかったっけ?」と言うと、マサさんは「うん、実は…」なんて言うもんで、この録音の日「15日」の前後がお誕生日であるお2人に囲まれての記念写真を撮ったそうです。

それが、こちら…いい感じでしょ♪(^o^)


でも、ここで1つ大きな問題が…まあ、この場はこうした感じで楽しく終わったようですが、その後おっちゃんから「14日が誕生日の公平さんと、16日が誕生日のマサに挟まれて写真を撮ってきた♪」って報告があった瞬間、私は「…え? マサさんって、17日がお誕生日じゃなかったっけ?」って疑問が湧いて、思わずマサさんのファンサイトのプロフィールまで確認しにいってしまいました(^^ゞ

すると、やっぱり公式発表は17日。で、しばらく「どっちがほんとなんだろう…」って考え込んだりしてたんですが、結局は公平さんもマサさんも勘違いされてたようで(公平さんが間違うのは分かるけど、マサさんが間違うって…(^^ゞ)、あとでちゃんと「17日」ってことで落ち着きました。ちょうどこのころのマサさんは連日連夜「書き(作曲)」のお仕事だったようで、しかもそれがかなりの難産だったみたいなので、日にちの感覚が狂ってたのかもしれませんね。ご苦労さま♪

何やら余談ばっかり続きましたが、ようやく本題です。この日に録った音楽は、いつもテレビで聴き慣れてるテーマのバリエーションの他に、新しい曲がいくつも入っていて、かなり楽しいものになりそうですよ。もともと「ゾロリ」って色んなタイプの音楽がいっぱい詰まってて、音楽だけで十分に楽しませてくれるのに、その上さらに新曲がいっぱいとは…これはほんとに楽しみですね〜♪ また、おっちゃんは「このアニメは、他の作品と比べても、画面と音楽との結びつきが格段に大きいような気がするの〜。番組はそんなにしょっちゅう見とるわけではないけど、よう耳慣れたテーマが出てきたら、あのアニメの画面が目に浮かんでくるような気がするわい♪」なんて言ってました(^-^)
 
あ、 録音の合間にイマジンの社長さんが「今日の仕事は楽でしょう?」なんておっしゃったらしく、おっちゃんは「いやいやそんなことはないっすよ〜(^^ゞ」なんて答えたそうですが、あとになって「まあ、楽っていうか…音楽が楽しい系のものやし、そんなに長い曲もないし、戦闘シーンみたいな曲が多い録音に比べたら、同じ時間やっとっても疲労は少ないって感じかの〜」って言ってましたね。それにしても、「ワンピース」と「サクラ大戦」には共に激しい戦闘シーンがあるのに、それでも音楽はかなり世界が違うんですよね。そこへ来て「ゾロリ」の音楽の世界は「ほんとに同じ人が作曲したのかなあ…」 と思うほど、これまた全く世界が違うんですよね。ほんと、いつもいつも公平さんの引き出しの多さには驚かされっぱなしです(*^-^*)


こちらは、休憩時間にロビーで撮らせてもらったフルートの金子奈美さんとファゴットの塚原さんです。写真に向かって右側が金子さんで、左側が塚原さんですね(^.^)b

おっちゃんは「最近は女性のファゴット奏者にもよう会うけど、皆ほんまに上手でビックリするわ」なんて言ってましたが、演奏技術が素晴らしいだけでなく、お2人ともほんとに素敵な方ですよね〜♪

何だか、この写真を見てると、おっちゃんがゆるゆるの顔でカメラを構えてるのが目に浮かんでくるようです(^◇^;)


この日の録音もとてもスムーズで、ちゃんと時間内に終わったそうですが、おっちゃんだけは他の木管の人たちよりも30分ほど拘束時間が長かったそうです。で、「何をするのかな〜?」と思って待ってたら、最後にピアノ(松田真人さん)とチェロ(菊地知也さん)フルートで1曲やったそうです。ゆるやかなテンポの静かな曲だったそうですが、どんなシーンで流れるんでしょうね。ゾロリ先生がママを思い出してるところかな〜? とにかく公開が楽しみですねo(^^o)(o^^)o

この日の編成は、弦(マサさんのグループ:64422→4421)、フルート(おっちゃん・金子奈美さん)、オーボエ(庄司知史さん)、クラリネット(十亀正司さん)、ファゴット(塚原里江さん)、トランペット(菅坂雅彦さん・西村浩二さん・横山 均さん)、トロンボーン(中川栄二郎さん他2名)、チューバ(?)、ホルン(南 浩之さん他2名)、パーカッション(草刈とも子さん)、ピアノ(松田真人さん)、シンセ(イマジンの丸尾 稔さん)、指揮(田中公平さん)、エンジニア(吉田俊之さん)でした。

そうそう、先ほど「このところのマサさんは連日の‘書き’で…」なんてことを書きましたが、この日だけは「書き」をお休みして、このお仕事のあとで公平さんと飲みに出かけたそうです。で、そのお酒の席に一緒にいらしたベルベットラインの太田さんが大判振る舞いで、公平さんとマサさんのお誕生会を開いてくれたそうですよ。お2人とも、素敵な1日になりましたね〜。こうして太田さんに充電してもらったパワーを元に、マサさんは「書き」を、公平さんは4月16日のコンサート(イマジンHPの‘NEWS’を見てね♪)に向けての準備なんかを頑張ってくださいねo(*^^*)o

 

追記:この映画の冒頭を↓で見ていただけます。大人が見ても、なかなか楽しいですよ(*^^*)


 

 

328 アニメ「桜蘭高校ホスト部」(平野義久)

サウンドインのAスタに行きました。この日は、日テレ系で4月からはじまる「桜蘭高校ホスト部」というアニメの録音でした。ホスト部って…何やら怪しげな感じがしないでもないですが、とっても人気のある少女コミックの待望のアニメ化のようですよ。音楽は、この録音の10日ほど前に「ドット・ハック」というアニメの録音(326番参照)でアレンジを担当されていた平野義久さんです(^.^)b

その音楽は、番組のタイトルにある「ホスト」という華やかな世界にふさわしく、なかなか豪華なものだったそうです。おっちゃんは「もしサントラが出るんやったら、これはかなり面白いもんになるんちゃうかなあ」なんて言ってました。おっちゃんがここまで言うんですもん、相当ですよね。で、一体どんなところが面白かったのか、もうちょっと詳しく聞いてみましたよ♪

この日の劇伴は、おっちゃん曰く「色んなスタイルの音楽のパロディみたいなの」ってことでしたが、さらに分かりやすく言うと、平野さんが作られた音楽を、バッハ風、ヘンデル風、モーツアルト風、ポロネーズ風、アルゼンチンタンゴ風、ウインナワルツ風…などにアレンジしてるってことでしょうか。決して単なるコピーとかではなく、ちゃんと平野さんのオリジナルなんだそうですが、実に的確にバッハやモーツァルト、その他さまざまな曲想の特徴をつかんでいて、ちょっと音楽を知っている人だったら「あ、これは○○風だ!」って分かるくらいなんだそうです。おっちゃんは「作曲家や作品の特徴をしっかりつかみながらオリジナルが書けるっていうんは、大したもんやなあ!」と感心しきりでした。

おっちゃんたち木管さんは編成に入ってなかったみたいですが、ジョーさんたちの弦カルでやっていたタンゴ風の音楽はかなりシブくてカッコ良かったそうですし、ブランデンブルグ協奏曲を思わせるバッハ風の曲はほとんど全曲がオーボエのソロで(演奏側にとっては難しそうだったようですが)、これまたすごく良かったそうです…って書きながら、私の場合は「ブランデンブルグ協奏曲って、タイトルはよく聴くし、私も絶対に聴いたことがあるはずやけど、どんな曲だっけ…?」と、すぐには曲と曲名が一致しないんですが、とにかくこれは是非ともオンエアで聴いてみなくては…ですね♪

また、弦のちょっとバロック風のフレーズがあって、それを聴いたおっちゃんは「あ、これは‘マリア様がみてる’の時に出てきたのと似ているな〜」なんて思ったりもしてたそうです。この「マリア様がみてる」のときも、おっちゃんの美しいフルートが存分に堪能できるだけでなく、ほんとに色んなジャンルの音楽があって、楽しませてくれたんですよね〜。今度のこのアニメも期待できそうですよ。あ、この日の録音のことは、平野さんのHPのコラムにも詳しく書かれてますので、ぜひ読んでみてくださいねo(^-^)o
 
そうそう、この日はけっこう拘束時間が長めだったので「かなり曲数があるのかな?」なんて思いながらお仕事に臨んだおっちゃんですが、実際は思ってたよりは多くなかったとか。というのも、平野さんのお仕事のやり方は、1曲ごとにプレイバックして丁寧に直していく…という感じだったそうなので、これなら曲数のわりに拘束時間を長めに取ってあったのもうなずけますね。おっちゃんは「ほんまは、劇伴でもこんなスタイルで録れたらええんやけど、色んな事情で細部には目をつぶって時間を優先…ってことになってしまう場合が多いんやと思うわ。残念なこっちゃ.…」なんて言ってました。

ほんと、一時に比べると、音楽にかける予算がどんどん削られている…なんてお話も聞こえてくるんですが、どんな番組も映画も「音楽あってこそ…」ってことも言えると思うので、どうにか改善されていくといいですねo(^-^)o


話は変わりますが、平野さんは、うちのレポにはもう何度も登場していただいてるんですが、残念ながら今までお写真は1枚もなかったんです。

そこで、今回はお仕事が始まる前にコントロールルームにお邪魔して、お写真を撮らせていただきました。

写真にカーソルを乗せると、おっちゃんと平野さんの2ショットになりますが、これはピアノの細田さんが撮ってくださいました♪


この日の編成は、弦(加藤ジョーさんのグループ:64221)、フルート(おっちゃん・金子奈美さん:金子さんはピッコロ)、オーボエ&イングリッシュホルン(庄司知史さん)、クラリネット&バスクラリネット(星野 正さん)、ファゴット(菅原さん…?:女性)、トランペット&ピッコロトランペット(2)、トロンボーン(1)、ホルン(藤田乙比古さん他2名)、パーカッション(草刈とも子さん他1名)、ピアノ&チェンバロ(細田真子さん)、指揮(D島公二さん)、エンジニア(亀川徹さん)でした。ちょっとお名前は確認できなかったようですが、ヘンデルの「水上の音楽」風の曲のときには、ピッコロトランペットが見事な演奏をされてたそうですよ。
 
この番組、日本テレビ系列で2006年4月4日からオンエアされるようです。どうぞお楽しみにo(^^o)(o^^)o

 

327 アニメ「ゼーガペイン」(大塚彩子)

2006年2月7日。サウンドシティのAスタに行きました。さて、いきなりですが…今回のお仕事にはちょっとした裏事情があったんです。というのも、おっちゃんのお仕事を細かく分けると、劇伴・歌もの・CM…と、色んな種類がありますよね。で、いつぞやどこかのレポかコラムに書いたような気がするんですが、このお仕事の種類によって少しずつギャラが違うんでしたよね。確か、楽器の種類によっても少しずつ料金が違うって話だったような…で、この日は劇伴だったのですが、その劇伴の場合は、たとえ録るのが1曲だけでも、それがわずか30秒で終わっても、最低2時間分のギャラはいただける…という料金システムになってるんだそうです。でも、今回は事前にインペク屋さんから「やるのは1曲だけなんだけど、どうしても予算がないんで、どうにか1時間分でやってもらえないかなあ…」という相談を受けたんですって。そこは、いつもお世話になってるインペク屋さんなので、2つ返事で「ほいほい、ええよ♪」でOKしたとか…さすが、おっちゃん! ま、もともとすごく気前のいいおっちゃんなんですけどね♪

そんなわけで、録音開始です。この日は「ゼーガペイン(ZEGAPAIN)」という春から始まるアニメで、現場での説明では「ロボット・アニメ」ということだったそうですが、おっちゃんがやった曲はロボットというイメージとは程遠い、おだやかな癒し系の曲だったそうです。何でも、8分の6拍子で、曲の前半は朝川さんのハープをバックにフルートのソロが入るという、素敵な曲だったんですって〜。で、最初のお話通り、この日はこの1曲だけで正味15分くらいで終わったそうですが、全体的に押してたようで、もともと押さえられてた時間よりは少しだけ遅れて終わったそうです。それもまあ、ご愛嬌って感じですかね(^-^)

あ、この日の作曲は大塚彩子さんという、すらりとした綺麗な女性だったそうです。うんうん、リンク先のサイトを見ても、ほんとに素敵な女性です(おっちゃん、このお仕事を受けて大正解だったなあ!(^^ゞ)。おっちゃんがお会いするのは初めてのようですが、宗次郎さんの音楽のアレンジなどを多く手がけられていたり、鬼束ちひろさんをはじめとする色んなアーティストさんのコンサートサポートなんかもされてる方のようですよ(^.^)b
 
編成は、弦(?:64321)、フルート(おっちゃん)、ハープ(朝川朋之さん)、トランペット(?:先録り)、トロンボーン(?:先録り)、ホルン(南 浩之さん他2名:先録り)、パーカッション(?:先録り)、指揮(D島公二さん)、エンジニア(吉田俊之さん)という感じだったみたいです。ブラスとパーカッションはおっちゃんと入れ替わりで帰られたようなので、お名前なんかは分かりません…。弦は、女性がトップでチェロとコントラバスに1人ずつ男性が入ってた以外は全て女性というグループで、おっちゃんは「スタジオミュージシャンも世代交代が進んどるんかも〜」なんて言ってました。確かに世代交代も大事なことですが、おっちゃんにもまだまだ頑張ってもらわんと…ね?(^_-)-☆ で、全体の録音は4〜5時間くらいやっていたようですが、指揮者のD島さんも途中の3曲だけで、あとの曲はクリックでやってたらしいので、もしかするとこの辺りにも色々と大人の事情ってのがあったのかも…ですね(;^_^A

このアニメは、テレビ東京系列で2006年4月6日の午後6時からオンエアされるようです。どうぞ、お楽しみにo(^-^)o

 

326 アニメ「.hack//Roots」(片倉三起也・平野義久)

2006年2月4日。サウンドシティのAスタに行きました…なんですが、この仕事はインペク屋さんから直接もらったのではなくて、同じフルートの相馬充さんからもらったお仕事だったんですって。それって、どういう構図なんでしょう…インペク屋さんが相馬さんにお仕事の依頼をしたときに「フルートは2人ほしいから、もう1人さがしといてねん♪」って感じのお話があったのかなあ…とにかく、アニメの劇伴だったので、おっちゃんに原稿のおねだりをしてレポートすることにしました。

こう書くと「何で、劇伴だから…なの?」って思われる方も多いかもしれませんが、歌モノは、録音したときとリリース時では曲のタイトルが変わってたり、録音はしたもののリリースされなかった…なんてことが意外と多いし、ちゃんとリリースされたかどうか、曲名はどうなったか…などの確認が難しいんです。また、有名な歌手の方が関わってらっしゃるということもあって、その事務所やレコーディング会社の方々との連絡を取るのがけっこう大変で(いわゆる‘大人の事情’なんかもあったりして)、こうした趣味の範囲でやってるレポートとしてはなかなかそこまで手が回らなくて失礼させていただいてるのが現状なんです(;^_^A

さて、この日の作曲は片倉三起也さんでアレンジと指揮は平野義久さんでした…というとピンとくる方もいらっしゃるかもしれませんが、あのおっちゃんの美しいフルートソロが響くOPで話題になってた「マリア様がみてる(083番参照)」というアニメのときのコンビですね(^.^)b

で、今回このお2人が手がけられたのは「.hack//Roots」というアニメだそうですが、このレポのためにちょっと検索してみると、もともとは「.hack(ドットハック)」というゲームがあって、それがアニメ化するみたいですよ。ちなみに、この「.hack」というのはコンピュータのプログラムに不正に侵入する「hack」って言葉と関係があるのかなあ。とにかく、色んなタイトルがあるもんですね〜。ファミコン時代からゲームをやったことのない私には、不思議なことだらけです。あちこちのサイトを覗いてみたわりにはアニメの内容はイマイチわからないのですが、音楽はあんまり激しい動きの曲とかはなくて、どちらかと言えばソフトな雰囲気のものが多かったようです。
 
編成は、弦(加藤ジョーさんのグループ:64221)、フルート(おっちゃん・相馬充さん)、オーボエ(庄司知史さん)、クラリネット(山根公男さん)、ファゴット(岡本正之さん)、トランペット(橋本 洋さん)、トロンボーン(岸 良開城さん)、ホルン(福川伸陽さん)、ピアノ(細田さん)、指揮(平野義久さん)…でした。ちゃんと確認できたわけではなかったみたいですが、トランペットとトロンボーンはそれぞれ1人ずつだったように見えたそうです。弦や木管に比べると、ブラスの方はちょっと控えめな感じがしますね。おっちゃん曰く「アニメの内容による部分と、もしかしたら予算の関係ってのもあったんかもしれんなあ」とのことでした。まあ、色んな「大人の事情」があるんでしょうね。今回はインペク屋さんが違うためにメンバーの顔ぶれがかなり違ってたりして、おっちゃんとしては新鮮な感じで楽しめたお仕事だったようです。
 
そうそう、この日の現場には、前に黒石ひとみさんとの録音の時(297番参照)にKIMでお会いした、ビクターの石川さんも来てらしたそうです。で、おっちゃんが帰りがけにご挨拶したら、そのKIMのときに撮った写真を、石川さんもレポと合わせて見てくださってたんですって。また、「今度、片倉さんで篠笛を使いたい仕事があるんだ…」なんて言われたそうで、片倉さんを交えて、しばらく篠笛の音域の話なんかをしてたそうです。このお仕事が実現したら、またレポできる方向で頑張りますね♪

最後に…この「ドット・ハック」というアニメは、テレビ東京系で2006年4月6日の午前1時半からオンエアだそうです。とても人気のあるゲームがアニメ化されるということで、かなり注目されてるようです。どうぞ、お楽しみにo(^-^)o


 

 

325 川島和子のアルバム(宮本 一)

2006年2月3日。京王井の頭線・西永福駅の近くにある、CYARAというスタジオに行きました。ごく普通の住宅街の中の、それも普通のお家の中にあるスタジオなんだそうですが、いわゆるプライベートスタジオということではないようです。とはいえ、看板も出ていないので、近くまでは行けても、気がつくと前を通りすぎてしまう…って感じだとか。そんなわけで、今回も、先にもらってた地図を頼りに近くまで行き、そこから電話をしてスタジオの若い方に外に出てきてもらって、やっとたどり着いたんですって。で、中に入ると、こうした民家を改造したスタジオにしては、小さなアップライトのピアノが置かれていても2人くらいなら何とかなるかな…ってくらいのブースがあって、何となく落ち着いた雰囲気がしてたそうです。

さて、この日のお仕事は、あの宇宙戦艦ヤマトのスキャットで有名な川島和子さんのアルバムの中の1曲にダビングする…というもので、おっちゃんの前にはオーボエの柴山洋さんがやってらしたそうです。この「宇宙戦艦ヤマト」がテレビで初めて放映されたのが1974年の10月…もう随分と前のことになりますが、川島さんは今もバリバリの現役で、多方面でご活躍中です。ま、その「ヤマト」に一緒に参加してたおっちゃんも、今こうしてバリバリ現役で活躍してるんですから、当たり前といえば当たり前ですけどね♪ それにしても…私はどちらかと言うと「ヤマト」のあとの「機動戦士ガンダム」の世代なんですが、それでも小さいころから何度も見てた「ヤマト」の音楽をやってた人と、今こんな形で関わりを持てるなんて…いつもいつも、とても不思議な感じでいます(*^-^*)

この日のアレンジは宮本一さん。おっちゃんがスタジオでお会いするときはキーボードを担当されてることが多いそうですが、子供たちに人気のドラマ「キッズウォー2」などの音楽を担当されるなど、作曲家さんとしても活躍されてる方です。で、もともとは打ち込みだけでやることになってたんだそうですが、どうしても生楽器もほしいなあ〜ってことになって、ヴァイオリン・オーボエ・フルートを入れることになったんだそうです。こんな風にあとからダビングの予定を入れたせいか、この日の音楽にはクリックが入ってなかったそうなので、テンポが大きく揺れたり、フェルマータ(その音をたっぷり伸ばす)があったところは、ピアノやハープの音を大きく出してもらって、その動きをしっかり聴きながら合わせるってことで対応したそうです。そうそう、この曲には、歌の合間にナレーションも入ったりするそうで、ちょっとメルヘンチックな感じもして、なかなか素敵な雰囲気だったそうですよ♪
 
ところで、これはおっちゃんがスタジオの方から聞いてきてくれたお話なんですが、このスタジオ…っていうか、スタジオに改造されてるお家は、実は新劇の大御所の東野英治郎さんがお住まいだったんですって。東野英治郎さんと言うと、1969年の8月から放送が始まった、あの初代「水戸黄門」をやってらした方ですね。そう言われてから思い返してみると、何となく高級住宅街って感じもあったかなあ…と、おっちゃん(^^ゞ とにかく、ブースに置かれていたというアップライトのピアノも、昔、東野さんが購入されたものなんだそうです。おっちゃんは「メーカーは忘れてしもたけど、外国製やったと思うなあ。いま市販されとるアップライトに比べたら、かなり小振りな感じやったわ。黄門様とピアノって何となくミスマッチな感じがするけど、もしかすると音楽もたしなまれたとったんかもしれんなあ」なんて言ってました。

何だか「宇宙戦艦ヤマト」から「水戸黄門」まで懐かしいお話がたくさん出てきましたが、おだやかな時間の流れを温かくしっかりと感じられた、素敵なお仕事でした(*^-^*)


 

 

324 劇場版「ワンピース カラクリ城のメカ巨兵」(田中公平・岩崎文紀)

2006年2月1日。サウンドシティのAスタに行きました。この日は、もう「春の年中行事」と言ってもいい感じの、劇場版ワンピースの音楽録りでした。2003年の「デッドエンドの冒険」から毎年のようにレポさせていただいてる私としては「待ってました〜!」って感じです。また、昨年2005年の「オマツリ男爵と秘密の島」のときは、スケジュールの都合でどうしても全体の録音に参加できず、別録り(218番参照)で中国笛だけの参加になって残念な思いをしたおっちゃんも、今回の録音をほんとに楽しみにしてるようでした(*^-^*)

さて、今回の映画は「カラクリ城のメカ巨兵」というタイトルで、音楽の担当は田中公平さんと岩崎文紀さん。…これを見て、作曲者名のところで「おや?」って思ったでしょ? 今までの「ワンピース」の音楽は、公平さんと浜口史郎さんが担当されてたかと思うんですが(2005年の映画‘オマツリ男爵〜’は公平さん単独でしたけどね)、今年は岩崎文紀さんとコンビを組んでの、あたらしい「ワンピース」となるようです。ちなみに、浜口さんは現在アメリカに留学中だとか…こりゃまた、帰国後のご活躍が楽しみですねo(^-^)o


こちらがその、作曲の岩崎文紀さんです。

おっちゃんは、岩崎さんとも今までに何度かお仕事をしたことがあるんだそうですが、公平さんと同じイマジン所属の作曲家さんです。

おっちゃん曰く「普段の見た目は、ちょっとおっとりした…っていうか、のほほ〜んって感じ」だそうですが、右の写真の、スコアを見つめてらっしゃる真剣な表情を見ても分かる通り、書かれる音楽はなかなかキレのいい、厳しいものがあるんだそうですよ♪


そうそう、変わったと言えばもう1つ…これは、おっちゃんが公平さんから聞いてきてくれたお話ですが、今回の映画からちょっと「敵キャラ」のイメージが変わるんだそうですよ。ほら、映画版のワンピースって、回を重ねるごとに敵が強力になってきて、2004年の「呪われた聖剣」あたりからはもう、どちらかというと大人のファンをターゲットにしたような内容になってきてましたよね? そこで、今回からはちょっと方向を変えて、何だかズッコケまくりの(←‘ズッコケ’って死語?(^^ゞ)間の抜けたキャラが敵なんだそうです。これは、小さい子供たちでも楽しめそうですよね?

で、そのマヌケな敵キャラ…ルフィたちを追い詰める自称天才発明家・ラチェット役の声を、何とSMAPの稲垣吾郎さんが担当されるんですって。コミカルなシーンでは高い声を張り上げっぱなしになるなど、普段の吾郎ちゃんとは違う面がたくさん見られそうですよ。ほんと、新風が吹き荒れまくりの今度の映画ワンピース、楽しみですねo(^-^)o


左から、公平さん、おっちゃん、岩崎さんで、おっちゃんの後ろにいらっしゃるのが、丸尾さんです。

この日は公平さんの方から「写真を撮りましょう♪」なんて言ってくださったそうで、こんなに素敵なショットが撮れました(*^-^*)

あのおっちゃんでも(…って言ったら怒られるかな?(^^ゞ)なかなか「写真を撮らせて〜!」なんて言えないときもあるそうなので、こうした声かけは本当に助かりますし、嬉しいですね♪

それにしても、またもや「昔のアイドル雑誌の表紙写真」のような雰囲気が…(;^_^A


さて、お話はこのレポで最も大事な音楽のことに戻ります。今回はキャラのカラーが変わったせいか、今までの音楽と比べるとほんの少し軽めかな〜という気がしたそうですが、それでもやっぱり、公平さんならではの骨太さと豪華絢爛さは健在で…いや、おっちゃんの率直な感じとしては、あの公平さんの大胆なハーモニーは前回よりさらにエスカレートしたようにも感じたそうです。

おっちゃんにそう思わせた1つの例を挙げるとすると…この日に配られた楽譜をサラッと音出ししてみると、思わず「え!? これは写譜ミスじゃないの!?」と言いたくなるような、音がぶつかりまくったところが何ヶ所もあったんですって。音がぶつかりまくるっていうのは、つまり「不協和音」のことですね。で、演奏していても「ほんとにこれで大丈夫なんやろか…」って思ってしまったり、部分的に聴くとちょっと気持ちが悪くて抵抗があったりしたそうですが、全体で聴いてみると、それが何とも言えないシブいサウンドになってるんですって。恐るべし、公平さん節…ってところでしょうか。その上さらに今回は、岩崎さんの新しいカラーが加わって、音楽だけでかなり楽しめるそうですよ。これは、ぜひぜひ聴いてみたいですねo(^-^)o

こうした今回の音楽に対して、公平さんは「無調的な、または前衛的なことを書いてしまうのは簡単なんだけどね〜」なんておっしゃってたそうですが、それに対しておっちゃんは「ああは言うとるけど、アニメっちゅー枠の中で、いつも新しいことを求めながら、その中でいかに自分らしさを出していくかってことのために、ほんまに色んな工夫や努力をされとると思うで〜」なんて言ってました。うんうん、私もそう思います。だからこそ、公平さんの音楽はいつもエネルギッシュで…そう、何ていうか、全身を奮い立たせるような「生きる力」みたいなものを感じるんでしょうね(^.^)b


こちらは副調室で休憩中(?)の公平さん♪

何だか、いつもにこにことしてて、ほんとに楽しそうな方ですよね〜。もちろん、お仕事の本番中には厳しい面もあるんでしょうけれど、公平さんみたいな方がトップの職場ってのは、きっと、いつもどこか和やかで、どんなに厳しい状況でも、ついついヤル気になっちゃうんでしょうね(^-^)

あ、写真の右端で手を頭の後ろに回してるのは、この「ワンピース」の監督さんである宇田鋼之介さん。写真にカーソルを乗せると、アップになりますよ(^.^)b


この日の録音ですが、いつものように、あらかじめ打ち込まれてるシンセとクリックを聴きながらの演奏…こういうのも「ダビング」って言うのかな? とにかく、そんな感じで進められたそうです。今回の音楽は、どちらかといえばソロ的な部分や特殊楽器などは少なかったようで、全体のアンサンブルで聴かせるって感じの、スタンダードな曲が多かったんですって。こりゃ、ぜひとも音響設備の整った映画館に行って、全身で楽しまないとね〜♪ で、曲数もかなり多く、しかも1曲が長いのもあったみたいなので、普通だったらかなり押してしまうところなんだそうですが、進行はとてもスムーズで、おっちゃんのフルートが終わった時点で、ほぼ予定通りの時間だったそうです。

このお仕事が終わったあと、おっちゃんは「今日は全体の拘束時間は5時間で、わしはその中の4時間やったんやけど、ほらスムーズやったで〜。あんだけの曲をこんだけ時間で録り切ってしまうっていうんは、ある意味ほんまに驚異的やと思うわ。思うにな、やっぱりスコアミスや写譜ミスが少ないとか、事前の打ち合わせがちゃんとできとるとか、クリックが入っとって尺の心配する必要がないとか、エンジニアが優秀で指揮者の判断が的確…っていう、色んな要素が上手いこと噛み合うたこその結果やと思うわ。ほんま、気持ちのええ仕事やったわ♪」と、とても満足そうでした。こんな風な、とても手際のよい、それでいて内容はぎっしり詰まってるってお仕事は、聞いてるだけの私もほんとに気持ちがいいですね(^o^)

編成は、弦(小池弘之さんのグループ:86442→44221)、フルート&ピッコロ(おっちゃん・金子奈美さん)、オーボエ(石橋雅一さん)、クラリネット(十亀正司さん)、ファゴット(塚原里江さん)、ハープ(小林さとみさん)、トランペット(菅坂雅彦さん・>西村浩二さん・木幡光邦さん)、トロンボーン(中川栄二郎さん松本 治さん・山城純子さん)、チューバ(佐藤潔さん)、ホルン(南浩之さん他2名)、パーカッション(草刈とも子さん・高田みどりさん)、ピアノ(山田さん)、シンセ(丸尾 稔さん)、指揮(田中公平さん)、エンジニア(中村さん)という、すっごいメンバーでした。

この映画は、2006年3月4日から全国公開されます。ぜひ音響設備のいい映画館で、公平さんと岩崎さんが作る新しいワンピースワールドを堪能してきてくださいね。…で、最後に、このレポを2月14日の公平さんのお誕生日に合わせて正式アップすることで、ささやかながら私からのプレゼントにしたいと思います。公平さん、お誕生日おめでとうございま〜す♪ これからもますます公平さんパワー炸裂で、頑張ってくださいね(*^-^*)


 

 

323 こどもにんぎょう劇場「大工と鬼六」(栗原正己)

2006年1月26日。薄謝協会の506スタに行きました。この日は「栗コーダーカルテット」の主催者としてもおなじみの栗原正己さんの作曲で、教育テレビの「こどもにんぎょう劇場」内で放送される「大工と鬼六」という番組の音楽録りでした。おっちゃんが栗原さんにお会いするのは、2005年6月に行われた、今回と同じ「こどもにんぎょう劇場」の録音(257番)と、その前の何か(うちではレポできてないと思います…)で、今回で多分3度目になるのではないか…とのことですが、今回はフルート・ピッコロ・アルトフルート・篠笛などを使ったそうです。
 
今回のお題である「大工と鬼六」ですが、ものすごい急流の川に橋をかけたい…でも、とても人間の力では無理なので、鬼に橋をかけてもらおう…というお話なんですが、その条件として、大工が鬼の名前を当てる…当てられなければ大工の両目と引き換えに橋をかける…というお話なんですよね。さらに詳しく知りたい方は、このレポ内の作品タイトルのリンク先を覗いてみてくださいね。

で、これは幼稚園くらいの子供たちにも絵本や紙芝居としてけっこう人気のあるお話だと思うのですが、今回はこれを人形でやるわけでしょ? また、随分とイメージが膨らむでしょうね〜? しかも、おっちゃんは現場で映像を見ることができなかったそうですが、その場の皆さんのお話では、その人形のデザインがとっても素敵なんですって。何だか、見てる子供たちの笑顔が目に浮かびますよね〜。おっちゃんも言ってましたが、最近はCGを使ったアニメが多くなってきてますが、こういう手作りの人形を使ったアナログな番組の方が、ずっとずっと子供たちの心に残るものが多いような気もします。こういう番組はほんとに大事にしていきたいですね。

さて、録音の方ですが、栗原さんが指揮台のところに置いたノートパソコンからクリックを出す…という感じで始まったそうです。何でも、プロトゥールスというソフトを動かしてるということだったみたいなので、あとで色んな編集や細工ができるのでしょうね。で、まずはフルートやアルトフルートなんかを使う曲からやったそうですが、これがまた限られた楽器の中でもユニークな使い方をして、なかなか面白い効果を出してたそうです。おっちゃんがインペク屋さんから聞いてきてくれたお話では、こうした教育番組なんかの場合は特に予算が厳しくて、編成もそんなに大きなものは使えないのに、栗原さんはそうした限られた編成の中で、目いっぱい素晴らしい仕事をしてくれる、本当にユニークな方なんだそうですよ(^o^)

で、最後に篠笛を使った曲を録ったそうですが、これは笛と太鼓の2人だけで、民謡風のものが何曲かあったそうです。う〜ん、これは村のシーンなんかで使われるのかなあ…。それから、「ちょっと怖い感じのアドリブで」というのがあったそうで、これにはクロマティック篠笛でやったそうです。うん、これはきっと、鬼と遭遇したときなんかに流れるんじゃないかなあ…どんなシーンで使われるのか、色々と想像しながら見てみてくださいね♪

こうして無事に録音が終わったあと、栗原さんが「リコーダーを見せてほしい」とおっしゃったので、最後に使ったクロマティック篠笛をお見せしたり、ドルメッチュ製のソプラノリコーダーを吹いてみたりしたそうです。

以下、おっちゃんと栗原さんとの会話を、おっちゃんは「お」、栗原さんは「栗」って書いて、そのまんま載せてみますね(^.^)b

お : これ、今だったらワシントン条約でダメでしょうね〜。
栗 : わぁ、象牙が付いてるんですね〜!
お : そうそう。これ、良いんだけど、音程がちょっとね…
栗 : いや、私も楽器はいっぱい持ってるんですが、音程はどれも一長一短で…
お : 音程に関しては、ヤマハのプラスティック製の楽器がけっこう良かったりしますね〜?

なぁ〜んて話をして、ヤマハのソプラニーノを吹いてみたりして遊んだそうです。

その後は・・・

栗 :今度はリコーダーでもお願いしますよ〜!
お :いやいや、栗原さんの前でリコーダーは、ちょっとね…(^^ゞ
栗 :いや、そんなことないですよ〜! そのときは私はセカンドでも吹かせて頂きます♪

なんて話もしたとか…何だか、ほんとに微笑ましいですよね。いつか実現するといいなあ(*^-^*)

この日の編成は、弦(00001:斉藤順さん)、フルート&ピッコロ&アルトフルート&篠笛(おっちゃん)、クラリネット(星野 正さん)、ファゴット(福井さん…?)、パーカッション(藤井珠緒さん)、ピアノ(新澤健一郎さん)、指揮(栗原正己さん)、エンジニア(NHKの方)という感じだったそうです。弦の「00001」というのは、つまり「コントラバス1人だけ」ということですね(^.^)b

この「大工と鬼六」は、2006年2月13日の午前10時30分〜10時45分の間にオンエアされるようです。どうぞ、お見逃しなくo(^^o)(o^^)o


 

 

322 朝の連続テレビ小説「純情きらり」(大島ミチル)

2006年1月24日。サウンドシティのAスタに行きました。この日は大島ミチルさんの作曲で、2006年4月から半年間の予定で始まる「純情きらり」という、NHKの「朝の連続テレビ小説」…いわゆる「朝ドラ」の音楽録りでした。おっちゃんは、前に大島さんが手がけられた朝ドラ「あすか」のときは、NHKの506スタで録った気がする…なんて言ってましたが、そうすると今回は外部での録音になったようですね。
 
その 「あすか」のときは、皆さんもご存知のようにメインテーマで宮本文昭さんのオーボエがフィーチャーされて、大島さんの書いた優しく爽やかなメロディと、宮本さんの奏でる甘く美しい音色がとても話題になりましたよね。ドラマが終了して何年も経った今でも、本当にたくさんの方に愛されている名曲です(こちらで試聴できます♪)。で、今回はチェロがフィーチャーされるようで、その演奏者として長谷川陽子さんが来てらしたそうです。おっちゃんは「朝ドラのオープニングでチェロのソロっていうんは初めてやと思うし、女性のソリストが奏でる、女性ならではの朗々としたメロディは、またごっつい話題になるんちゃうかなあ」なんて、何だか自分のことのように嬉しそうに声を弾ませながら言ってました。また、「まあ、これはわしの勝手な好みやけど、こういう番組テーマの場合は、歌が入るよりはインストでいった方がずっとええような気がするなあ」とも言ってました。まあ、これはほんとに思いっきり個人的な好みですが、何となく分かるような気もします(^^ゞ

さて、いよいよ本番です。この日はまず最初にメインテーマを長いものから順に3パターン録って、あとは編成の大きい曲から順に録っていったようです。今回は朝ドラとしてはかなりの大編成で、曲数もけっこう多かったんですって。これは、それだけ音楽に力を入れてるってことなのかもしれませんね。その劇伴部分ですが、今回は個別の楽器のソロ…というよりは、ちょっと大きめの編成のアンサンブルが多かったような印象を受けたそうです。また、木管…特にフルートとオーボエのユニゾンが多かったようなので、このユニゾンがもたらす独特の効果がドラマの中でどんな風に生かされるのか、楽しみなところですo(^-^)o
 
そうそう、おっちゃんが参加した曲の中に1曲「Flute or Recorder」って書かれた、音域でいうとアルトリコーダーがちょうどいいような譜面があったそうです。で、大島さんに「フルートとリコーダー、どっちがいい…?」って相談してみると、大島さんの方からは「これは…リコーダーで、オクターブ上の音って感じかな?」なんて答えが返ってきたので、取りあえず譜面に書かれてた音を1オクターブ上げて、ソプラノリコーダーで吹いてみたそうです。すると、どうも大島さんが思ってたイメージよりは高かったみたいで、楽譜どおりの実音…つまりアルトリコーダーでやったそうです。こうなると、音が低いだけにちょっと沈みがちになってしまって、他の楽器の音色に消されてしまう心配もあるそうですが、そこはこの日のエンジニアさんがKIMの伊藤さんだったので「きっと上手く処理してくれるだろう」と、どーんと構えてるおっちゃんなのでした(^.^)b


今回も素敵なお写真を撮らせていただくことができました。

おや、何だか今回は、大島さんとおっちゃんの服の色合いが似通ってて、とてもしっくり収まって、いい感じですよね? それと同時に、おっちゃんの丸いお腹のせいで、大島さんのスリムさが余計に引き立ってるような…わはは(^o^)

写真にカーソルを乗せると、別ショットで、しかもお2人のアップが見られます♪


この日の編成は、弦(マサさんのグループ:64221)、チェロのソロ(長谷川陽子さん)、フルート(おっちゃん)、オーボエ(庄司知史さん)、クラリネット(星野 正さん)、ハープ(朝川朋之さん)、ホルン(3名)、パーカッション(草刈とも子さん・高田みどりさん)、ピアノ(美野春樹さん)、指揮(大島ミチルさん)、エンジニア(伊藤さん)でした。この日はこんな感じの大きな編成で、スタジオにはたくさんのミュージシャンがひしめきあってたようですが、何とコントロールルームの方も、まるでイモを洗うような状態って言ってもいいほど、スタッフの方が大勢いらっしゃったようです。おっちゃんは「いったい何事じゃ!?」とビックリして見てたようですが、何でも、こうした帯ドラマの場合は、スタッフが何組かに分かれて、それぞれが○話から○話までって感じで担当されるようなので、そんな大混雑になってたようですね(;^_^A

ところで、この大島さんのお仕事が終わったあと、夜中12時近くでしょうか…ヴァイオリンのマサさんからメールが来て「今日の仕事はおっちゃんのとだいたい同じだった…(確かに大島さんとのお仕事の前の2軒…つまり↓の2つのレポでも一緒だったみたいです)」なんて書いてあるので、ふむふむ…と読んでいると、「おっちゃんも風邪をひいてるっつうとったが…なんたってマサちゃん、お鼻ぐずぐず、涙目、咳がゴホゴホ…(原文のまま)」なぁ〜んて書いてあるんです。これだけでも「こりゃ、大変〜!」って思うのに、その上さらに「今朝、タジタジ(田尻 順さん)が‘インフルエンザだから、今日の仕事は休ませて…’って言ってきて、タジタジの代わりを喜代ちゃん(城戸喜代さん)に頼んだら、喜代ちゃんも昨日の夜からインフルエンザだっつうてカッパ天狗みたいなマスクしてくるし…」って続いてるんです。ほんと、この日のマサさんグループは大変です(+_+)

で、おっちゃんに「今日のマサさんたちは大変だったんやなあ」なんて言うと、「ほうじゃ、何や風邪ひきばっかりやったわ…で、みんなマサを避けて通りよったで」なんて言ってました。こう聞くと「マサさん、みんなにバイキン扱いされて何だかかわいそう…」なんて思ってしまうのですが、実はマサさんは、誰かに風邪を移してしまおうと、わざと色んな人に近寄っていってたんですって…そりゃ、みんな逃げるわな(^^ゞ このことについてマサさんは「いや…やっぱり音楽っつうもんは…みんなで一緒に同じ環境で…その一体感が…素晴らしいアンサンブルを…!(これも原文のまま)」なんて言い訳してました(;^_^A ほんと、皆さんの楽しそうな(逃げ惑う?)様子が目に浮かびますね。で、こうしたひと時があるからこそ、大島さんお得意の「ぶっつけ本番」のときなんかは、サッと心が1つになるんでしょうね♪

このドラマ、NHKのサイトでもまだ正式な日にちまでは発表されてないようですが、4月スタートは間違いありません。大島さんの日記によると、番組のスタートとほぼ同時期にサントラも発売されるようですよ。どうぞお楽しみにねo(^^o)(o^^)o

…と、ここまではレポをアップした時点でのお話で、その後3月20日付の大島さんの日記によると、4月3日スタートのようです。どうぞ、お楽しみ♪

追記:この番組の番宣(?)みたいな動画を見つけました→CLICK HERE


 

 

321 劇場版「北斗の拳 ラオウ伝 殉愛の章」(梶浦由記)

2006年1月24日。市谷の自衛隊の向かい側にあるサウンド・バレイというスタジオに行きました。ここは地下2・3階にあるスタジオなんだそうですが、前の通りを都営地下鉄が通っているらしくて、ブースによっては地下鉄の音が聞こえてきたりすることもあるんだそうです。でも、今回は真ん中のフロアで1人でダビングだったみたいなので、そんな心配もなかったようです。

さて、この日は梶浦由記さんという方の音楽で、映画「北斗の拳」の音楽録りでした。この「北斗の拳」って、1984年〜1987年にかけてテレビアニメとして放映されてたんですよね。当時の音楽は青木望さんでした。私も、弟がずっと週刊誌で読みながらテレビを見ていたこともあって、一緒に見てましたね〜(実はサントラも買いました!)。何か、当時は「内容が過激…」とか何とかで、色々と問題になったこともあったような気がしますが、今回はその「北斗の拳」が映画化されるようですね。当時のアニメとどんなつながりを持たせてるのかな〜? あ、ちなみにおっちゃんは最初にこのタイトルを聞いたときに「北斗の拳」ではなく「北斗の剣」って思ったそうですよ。ま、仕方ないか…でも、おっちゃんって「北斗の拳」って言葉は初耳? 青木さんがやってた当時の「北斗の拳」の音楽には、おっちゃんは参加してなかったのかなあ。このあたりについて調べるのは、今後の課題の1つですね。

事前に「パンパイプやケーナなど色々…」というオーダーだったそうですが、実際に使った楽器はケーナと篠笛になったそうです。で、そのケーナですが、本来の持ち味(?)である南米のフォルクローレ風…というのではなくて、どちらかといえば古いヨーロッパの民俗音楽…という趣の曲だったそうです。そうか、テレビアニメ版のときも、ヨーロッパ調の廃墟みたいなのがいっぱいあるようなところが舞台だったっけ…きっと今度の映画も、そうしたシチュエーションは当時と同じような感じなんでしょうね。あの混沌とした廃墟の街に響き渡るおっちゃんのケーナかあ…これは聴いてみたいなあo(^-^)o

…と、音色に思いを馳せてばっかりじゃダメですね。ここでちょっと現実的なお話を・・・。この日使ったケーナはF管…つまりアルトリコーダーと同じ音域の楽器でやったそうですが、この楽器だと楽譜にあった低いDの音が出せなかったんですって。でも、それより低いケーナはなかったので、1ヶ所だけ音を省略させてもらって、あとはF管のケーナで気持ちよく演奏してきたそうですよ。また、何曲がやった中の1曲にとても高い音域のものがあって、これも本当はケーナでやった方が良かったのかもしれませんが、篠笛の方がスムーズにできそうだったんで、篠笛でやらせてもらったそうです。そしたら、難なくそれが採用になったんですって。きっとおっちゃんのことだから、篠笛を吹きながらも、どこかケーナっぽい味を出してたんでしょうね〜。で、もちろんこれも、篠笛だからといって和風ではなくて、やはり前と同じようなエスニック調の音楽だったそうです。

この映画は、全国東宝洋画系で2006年3月11日から公開されます。本文中には出てきませんでしたが(1人でのダビングだったしね)、ダジャレ大王でお馴染みマサさんも参加されてるようですので、どうぞお楽しみにo(^∇^)o

 

追記:こちらでこの映画のPVを見ていただけますよ〜♪

 

 

320 OVA「HELLSING」(松尾早人)

2006年1月24日。ビクターの301に行きました。この日は、イマジンの松尾早人さんの作曲で、「HELLSING」というOVA作品の音楽録りでした。これは、平野耕太さん作の漫画が原作で、たいへん人気のあるアニメなんだそうですよ♪


ところで、この日の作曲家さんである松尾さんという方はかなり大柄で、おまけに右の写真のようなスキンヘッドなので、パッと見はちょっと怖そうな感じもするんだそうですが、実はとってもおだやかな話し方をされる優しい方なんですって。

うん…確かに、楽譜を眺める目は何だか優しそう。大きな体に優しい目…まるで象さんですね(*^^*)

松尾さんはこれまでにも何度もこの仕事場探検レポに登場していただいてますが、こうしてお写真が出るのは今回が初めてではないかと思います(^.^)b


おっちゃんの話によると、この松尾さんの書かれる音楽はこういうアニメの劇伴の中ではとてもスタンダードな書き方をされてる方のように思う…とのことでした。これは決して易しいとかシンプルとかいうことではなく、何ていうか…楽器の性能や音域をしっかり踏まえた上で、きっちりと書いてあるって感じなんですって。だから、おっちゃんたち演奏する方では、かえってごまかしが利かなくて、難しく感じる場合もあるんだそうです。で、この日は5〜6曲ほど録ったそうですが、1曲ごとにプレイバックしたり、けっこう丁寧に差し替えなどもやってたにも関わらず、ちゃ〜んと予定時間内に終わったんだとか…さっすが〜♪

編成は、弦(マサさんのグループ:86442)、フルート(おっちゃん・西沢幸彦さん)、オーボエ(石橋雅一さん)、クラリネット(十亀正司さん)、ファゴット(塚原さん)、トランペット(菅坂雅彦さん・西村浩二さん他1名)、トロンボーン(中川栄二郎さん・松本 治さん・山城純子さん)、チューバ(佐藤 潔さん)、ホルン(南浩之さん他2名)、パーカッション(高田みどりさん他1名)、指揮(D島公二さん)、エンジニア(吉田俊之さん)の皆さんでした。

この日に一緒にやってもらったフルートの西沢さんは、実はフェリス女学院大学の教授をなさってる方なんだそうです。でも、こういったスタジオでのお仕事をお願いしても気軽に応じてくださるので、ほんとに助かるんですって。おっちゃんとはずっとずっと古いお付き合いになるそうで、この日のスタジオでも色んな昔話に花を咲かせてたそうです♪o(*^^*)o

さて、この「HELLSING」ですが、公式サイトによると、2006年1月22日にTVKでダイジェスト版みたいなものがオンエアされたようですね。でも、そのときはまだ、この録音の存在すら知らなかったので(何ってったって、録音は1月24日!)、しっかり見逃してしまいました…。何でも、このダイジェスト版というのは、ほんとは2006年の1月25日に発売される予定だったものが何らかの事情で2月10日に延期されたみたいなので、そのお詫びの意味も込めた番組だったとか…。で、その後は無事に発売されたんだと思います。多分、公式サイトのトップにある「完売御礼」ってのがそうじゃないかと…それにしても、発売してすぐに完売なんて、すごいですよね〜?

どうも私にはなかなか聴く機会がなさそうですが(いつかレンタルビデオとかになるかしらん?)、もし何らかの形で耳にされたり、お家にこのOVAを持ってらっしゃる方がいらっしゃいましたら、是非このときの様子を思い浮かべながら楽しんでくださいねo(^-^)o

 

追記:こちらでこのアニメのPVを見ていただけます…が、ちょっとグロいシーンもありますので、気をつけてみてくださいね。とにかく最初っから松尾さんの音楽がめちゃくちゃカッコいいです!


 

 

319 アニメ「まじかる?ぽか〜ん」(上松範康・藤間 仁)

2006年1月19日。ずっと昔、公害で有名になった大原交差点の近く…というか、京王線の笹塚駅の近くにある「CMI」というスタジオに行きました。マンションの3階にある、小さなスタジオだそうです。ここには2005年の6月(244番参照)にもお邪魔してて、その時は事前に地図をファックスしてもらったにも関わらず、すぐ近くまで行っても場所が分からなくて、事務所の人に外に出てきてもらう…なんてことがあったそうですが、さすがに今回はすんなり行けたそうです(^o^)

でも、前に行ったのが半年も前で、今回でわずか2回目のところ、しかも今回は周りの目印が何も見えない夜なのに、すんなり行けたってところがまたまた感心してしまいます〜。ちなみに、私は最低でも月に1回は配達に行ってるようなところでも、毎回「あれ…この道を曲がるんだっけか?」って不安になります。えらい違いじゃ・・・。ま、とにかく、行き着くまではこんな感じで楽ちんだったそうですが、この日は格別の冷え込みだったので、ただでさえちょっと離れたところにある駐車場から歩いて行くのは辛いものがあるのに、年末あたりからずっと風邪を長引かせているおっちゃんにとっては、けっこう体に堪えたようです(>_<)

さて、この日は「まじかる?ぽか〜ん」という、2006年の春からオンエア予定のアニメの音楽録りでした。でも、実はこのタイトルを見つけるまでには、すごい遠回りをするハメになったんですよ。というのも、おっちゃんから届いた原稿には「マジカル・ポカンかマジカル・ボカンか、何かそんな感じのタイトル…」って書かれてたので、いつものように検索を始めたんですが、検索してもしても、どうもそういうタイトルの番組は見つからない…ちょっと語句を変えてみたり、音楽を担当されてる上松さんや藤間さんの名前も入れたりして、また何度も何度も検索しまくったんですが、やっぱり「これ」っていうのが見つからなかったんです。で、ようやく「もしかして…」と思ったのが「まじかるカナン」という現在オンエア中の作品で、一時はこのレポの正式アップの際に「たぶん、まじかるカナンかも…」みたいに書いてたこともあったのですが、ようやく「まじかる?ぽか〜ん」にたどり着きました(T_T)

はぁ〜何だか前置きが長くなってしまいましたが、この日はフルート1人でのダビングでした。ま、1人が精一杯みたいなブースらしいので、必然的に1人ずつでのダビングって感じになるみたいですけどね。で、最初に藤間さんの曲を2曲やって、そのあと上松さんの曲を6〜7曲やって、全部で10曲弱くらい録ったみたいです。その中の2〜3曲はちょっと難しかったようで、何やかんやとてこずってたら、拘束時間の2時間いっぱいまでかかってしまったとか…普通、1人でダビングなんてお仕事のときは、大体アッという間に終わってしまうのにね。その上、ノイズなんかの関係でエアコンに制約があるらしくて、ことのほか寒い日なのに、ブースの中だけはセーター脱いでも大汗をかいてしまうくらいに暑くて、なかなか大変だったようですよ(;^_^A

また、おっちゃんの前には、オーボエの柴山洋さんとクラリネットの星野 正さんが順番にやってらしたようですが、このお2人も何やら難しいことをやってたんですって。う〜ん、どんなことやってたんだろ〜?…っていうか、おっちゃんたちをてこずらせた曲って、どんなんだろ〜? 聴いてみたいですよね〜? 私の住む徳島でも映るチャンネルだといいなあo(^∇^)o

あ、おっちゃんの話によると、曲の感じと、1つ1つの曲についているタイトルの感じから、何となくゲームっぽいな〜なんて思いながらやってたそうですが、終わったあとで実はアニメの音楽だった…と教えてもらったんだそうです。さらに、これもあとで教えてもらった話なんだそうですが、作曲者の1人である上松さんは、すぎやまこういちさんのドラクエ(ドラゴンクエスト)の音楽に心酔してらっしゃるそうで、ドラクエのサントラを教科書みたいに思って日々の作曲活動を頑張ってらっしゃるんだとか…。この日の劇伴がゲームっぽく感じられたのは、この辺りからかも知れませんね。何か、上松さんの音楽への姿勢みたいなものが見えて、いいお話です(*^-^*)

ところで、上松さんと藤間さんのお2人とも、この「おっちゃんの仕事場探検」をよく見てくださってるんだそうです。何でも、おっちゃんと私の出会いのことなんかも、よくご存知だったとか…でへへ、何かテレますね〜。で、そこですかさずおっちゃんは「それなら話は早い!」と、写真を撮らせてもらうことにしたそうですよo(^-^)o


写真に向かって左から…上松さん、おっちゃん、スタジオのアシスタントさん、藤間さんです。何か、みんなニコニコして、ほんとに楽しそうでしょ〜?

そうそう、おっちゃんがこの写真を撮ろうとしたとき、お2人とも「あ、載るんですか!?」と、とても嬉しそうにはしゃいでらしたとか…はいはい、しっかり載せさせていただきましたよ〜(^.^)b

これからもまた、こうして取り上げさせていただく機会がいっぱいあればいいなあと思う、「迷」編集長なのでした(^^ゞ


追記:こちらでこの番組の第1話が見ていただけます。でも、ちょっとセクシーな映像も多いので、気をつけてみてくださいね(^^ゞ

 

 

318 アニメ「BLACK CAT」(岩崎 琢)

2006年1月17日。サウンドインのBスタに行きました。この日は岩崎琢さんの仕事で「BLACK CAT」というアニメの追加録音です。おっちゃんが録音に参加するのはこれが初めてだと思うのですが、関東方面ではTBSで木曜の深夜帯に、関西ではMBSで土曜日の深夜帯に放映されているようです。

実は、先日レポ関連で夜更かししてたら、偶然このアニメのオンエアに遭遇したんです…って、ついこの前のレポも、こんな感じの話を書いたような…ま、夜更かししてると、色んな発見があるんです。で、もうその時点で手元に原稿が来てて番組のタイトルも知ってたので、テレビで見かけた瞬間に「あ…これじゃ…!」と思い、そのまま見てみることにしました。何だかキャピキャピの女子高生っぽい子が主人公なんですが、話の方はかなりシリアスなシーンも多いのかな…たった1回くらい見ただけでは内容はサッパリ分かりませんが、音楽の方はカウンターテノール(?)のちょっと怪しげなソロや、どこか懐かしい感じのする電子オルガンっぽい音がメインのジャズ風の曲など、ほんとにバラエティに富んだ曲の数々が流れて、それだけで十分に見た甲斐がありました♪

さて、この日は事前に「サウンドインのBスタ」だと聞いてたらしくて、もうその時点で勝手に「あ、あそこやな♪」なんて思ってたそうですが、案の定、例の中2階の特別ブースに通されたそうです。「中2階」という文字のリンク先のページを見てもらうと分かるかと思いますが、ここはかなり急な階段を、しかも普通の家の2階分くらいは上らないといけないらしいので、荷物が多いときなどはけっこう大変なんですって。う〜ん、そのブースの階段の写真を見てると、上りはきつくて大変で、下りは階段の踏み外しに気を付けなければ…って感じで、もしかすると録音の本番以上の緊張感があったりするのかもしれませんね。でも、その分、中は他のブースやフロアの人たちよりずっと豪華でくつろげるんやから、階段くらいええや〜ん!…ってのは、私の心のつぶやきです(;^_^A

いつものように早めにスタジオに着いて、そのまま中に入ったら、エンジニアの田村さんがいらっしゃったので、しばらくお話してたそうです。田村さんからは「今日は、ちゃんとしたブースですからね〜」なんて話から始まって(何で田村さんにそう言われるのか分からない方は、314番を読んでみてね♪)、このまえお仕事をご一緒したマルニスタジオの話なんかも出てたそうです。おっちゃんが聞いてきてくれた田村さんのお話では、そのマルニスタジオはプロトゥールスの強力なのが入っているので、田村さんはよく使ってらっしゃるんだそうです。でも、ブースが小さくて響きがデッドなので、いざとなれば314番のときみたいに、コントロールルームを使う…なんてワザも使うんだそうですよ。このあたりのお話はいかにも職人さんらしくて、聞いててワクワクしますね♪
 
それから、もう1つ田村さんの職人的な面白いお話を…田村さんは、どこのスタジオに行くのにも、いつもご自分のマイクを持っていくんですって。これにはおっちゃんもビックリしたとか…。ド素人の私はもちろん、おっちゃんでさえも「同じ会社の同じ型番のマイクだったら、どこでも同じじゃないか…」と思ってたようなんですが、実はそうではないんだそうですよ。何でも、マイクの「音を拾う部分」というのは、人間の鼓膜と同じような薄い微妙な膜なので、使われ方によって随分と変わってくるんだそうです。そう考えてみると、人間の耳でも、いつも工事現場みたいな騒音の中にいると軽い難聴っぽくになってしまうし、逆に、いつも静寂なところにいる人にとっては、普通のレベルの音でもとても大きな音に感じたりするわけで、それと同じようなことなのかもしれませんね。そんなわけで、弦を録るマイク、ブラスを録るマイク…など、同じ型番のものでも、ちゃんと区別して使ってらっしゃるんだそうです(*^-^*)
 
この日に録った音楽は7〜8曲で、そのうちフルートが入っていたのは6曲だったようです。ゆったりした曲と動きのある曲がちょうど半々くらいだったみたいですが、中に1曲だけチョー難しいのがあって、これはさすがのおっちゃんもなかなか大変みたいです。というのも、加線が5本もつくあたり…って、おっちゃんの原稿にありましたが、5線譜の1番上の音が「ソ」で、その「ソ」の上に線が5本もつくと、いったい何の音になるんでしょう。え〜っと、線が1本ついて「ラ」、2本ついて「ド」…って数えていくと、ヘ音記号とト音記号の真ん中にある「ド」から見て3オクターブ目くらいの「ラ」とか「シ」の音かな? こりゃ、数えるのも大変ですな(;^_^A

で、その「ラ」とか「シ」の音で六連音符の連続、しかもテンポが140ということで、おっちゃんも思わず「むむむ…」と思ってしまったとか。でも、すぐに「多分、これは弦と一緒やろから、適当に霞んでしもとこ♪」なんて思って気楽に構えてたら、何とフルート単独の動きだったので焦りまくっちゃったそうですよ。わははは、そんなおっちゃんを見てみたかったなあ。おっちゃんは「若い頃やったら何てことなかったフレーズやけど、スポーツ選手と一緒で、やはり運動能力の低下は避けて通れんわ。こうなったら、また替え指でも研究しとかんと、ついていけんわい…(^^ゞ」なんて言ってましたが、そうそう、その意気で頑張ってほしいものです。若いころに比べると技術は落ちたかもしれませんが、今のおっちゃんの音色には、若者には絶対に真似できない、いい味があるんですから…ね?

結局、何度か差し替えてもらって、最後にピッコロに持ち替えたバージョンも録ってもらって、何とか切り抜けたそうです。あとは、特に難しいというのはなかったそうですが、フルートのいい良い感じのソロが2曲ほどあったそうです。おっちゃんの音色に惚れ込んでる岩崎さんだからこそ書ける音楽…ってところもあるでしょうから、このあたりもしっかりチェックしないとね♪


はい、こちらはこの日の岩崎さんです(^.^)b
今回はちょっとお茶目なポーズを取ってくれました♪

岩崎さんといえば、284番295番で取り上げさせていただいた「びんちょうタン」が2月2日から始まりましたし、314番の「エンジェルハート」も今回の「BLACK CAT」もオンエア中ですし、ほぼ毎日…特に夜中はどこかしらの局で岩崎さんの音楽に触れられるんじゃないでしょうか。ほんとにすごいご活躍ぶりですね♪

レポ関連でメールを交わしてても何だか楽しい方ですし、これからも色々と取り上げさせていただいて、もっと岩崎さんの魅力に迫れる機会があるといいなあと思ってる私です(*^-^*)


編成は、弦(竹内さんのグループ:86442)、フルート(おっちゃん・金子奈美さん)、指揮(岩崎 琢さん)、エンジニア(田村能成さん)でした。…ま、早い話が弦とフルート2本だけなのですが、弦の編成がけっこう大きかったので、Bスタのフロアいっぱいに広がってたそうです。うん、Bスタってのがどれくらいの広さなのかよく分かりませんが、弦がフロアいっぱいになったってのは想像がつくような…余談ですが、昨年11月に東京交響楽団の方たちが徳島でコンサートを開いてくださったときに、私は初めて弦の数を数えてみたんですが、それがちょうど「86442」くらいだったと思います。で、こうした現場レポを始めて3年ちょっとが過ぎてようやく「おっちゃんがよう‘86442’やて書いてくるけど、これくらいの数なんかあ…けっこう多うて迫力あるなあ!」と意識したんですよ(^^ゞ

ところで、この日に録られた音楽は、いつごろから使われるんでしょうね〜。ちょっと私の方が新年早々から仕事が忙しかったり、インフルエンザでダウンしたりで編集が滞ったので、もうオンエアで使われてるかも? もし高い音で速い六連音符が聴こえてきたら「おっ、おっちゃん、頑張っとるなあ!」なんて思って、耳を澄ませてみてくださいねo(^^o)(o^^)o

 

 

317 OVA「サクラ大戦」挿入歌(岸村正実)

2006年1月12日。六本木…というか、いわゆる「ロクヒル(六本木ヒルズを略して、こう呼ぶんですって?)」の近くにある、ブーメラン・スタジオというところに行きました。このスタジオは、初めて来る場合はちょっと分かりにくいところなんだそうですが、おっちゃんはもうこれで3回目くらいになるようなので、迷わずに行くことができたそうです。そうそう、ちょうど1年くらい前に、映画「ワンピース」の全体での録音にどうしても出れなくて、中国笛の「先入れ」というのをやったんですが(218番参照)、それもここでした。

さて、この日のお仕事は、あの「サクラ大戦」の歌もので、楽譜には「ジャングルレビュー・愛の歌」というタイトルがついてたそうです。アレンジャーはイマジンの岸村正実さん。岸村さんは、サクラ大戦が発足してからずっと携わってらっしゃるとのことでしたが、おっちゃんがお会いするのは今回が初めてのようです。もしかすると、おっちゃんが参加するオケ録以外の部分で活躍されてるのかもしれませんね。で、この「愛の歌」という曲についてちょっとネットで検索してみたら、すでに何種類かのアルバムに収録されてリリースされてるようですね…ってことは、今度のはアレンジ違いということになるのかな? サクラ大戦ファンの間でも、かなり人気の高い曲のようです。あ、もしかしたら、私が持ってるいくつかの「サクラ大戦」のCDの中にも入ってるのかも…私はいつも曲名なんか見ないで聴いてるからなあ(^^ゞ

前置きはこれくらいにして、いよいよ録音のときのお話になるんですが…岸村さんから渡された譜面を見ると、何とコードネームばかりで、音符はなにも書いてなかったんですって。で、岸村さんからは「この辺りとこの辺りくらいで、パンパイプを吹いてくれますか?」ってことを言われて、軽くポンポンと印をつけてくれたそうです。何ていう展開なんでしょ〜? 私だったら「ちょっと、そんなに簡単に言わんでよ〜!」って怒ってしまいそうですが、おっちゃんによると、パンパイプは音型(音符の並び方)によっては絶対に吹けないパターンもあるそうなので、こうしてアドリブ的に任せてくれた方がやりやすいこともあるんですって。とはいえ、今回は吹く部分が多かったみたいなので、けっこう大変だったそうです。

ここからはちょっと専門的な言い方なので、分かる方だけどうぞ(^.^)b
「コードネームを見たら、大体はGのスケールでいけるかなって感じだったんやけど、間奏のところだけはG7のスケール(つまり、Fがナチュラルになる形)にしてほしいっちゅうことやったから、その部分だけは別録りにしてもろたんじゃ」だそうです。はあ…何かよく分かりませんが、とにかくメンドイことをサラッとやってのけたようです♪

まあ、そんなこんなで本番を3回ほどやって、その中から適当に選んで使う…ということだったみたいなので、「あとはお任せしま〜す♪」ってことで、録音は無事に終わったそうです。おっちゃんは「最近のハードディスク録音は、演奏したもんはテストからず〜っと保存されとることが多いみたいやけん、そういう点では便利じゃなあ。」なんて言ってました。ほほぉ…そうすると、テストから本番までの間で、ほんとにいいところだけをチョコチョコッとつまみ食い…みたいな感じにもできるわけですね? 便利な世の中だなあ(^o^) ところで、この日に録られた音楽は、いつリリースされるアルバムに収録されるんでしょ…また何か情報が入り次第、お知らせしますね(^^ゞ

あ、この日の録音は「サクラ大戦」ということなので、もちろん田中公平さんも来てらしたそうですよ。で、色々アドバイスもしてらっしゃったとか…。そうか、ご自分が作曲したものの録音のときだけでなく、こうして他の方が作ったものの録音にも立ち会う場合があるんですね。作曲家さんってお仕事も、大変だなあ…。そうそう、この録音の数日後には、公平さんとのお仕事(映画ワンピースの録音)もあったんですよ。そちらのレポもアップしてますので、ぜひ読んでみてくださいo(^-^)o

 

 

316 映画「県庁の星」(松谷 卓)

2006年1月8日。銀座のはずれにある音響ハウスの1スタに行きました。前にも書いたかと思うのですが、このスタジオは駐車場が少し離れたところにあって、お天気の悪い日や持ち込む楽器が多いときはちょっと不便なんだそうですが、幸いこの日はお天気は快晴、持ち込む楽器もフルートだけだったので、そうした点は大丈夫だったようです。
 
さて、 この日は松谷 卓さんという方の作曲で、「県庁の星」という映画の劇伴録音でした。おっちゃんと松谷さんは初対面ってことになるようですが、おっちゃんの松谷さんへの第一印象は「単なる若手ってだけでなく、いわゆる新しい世代の方って感じなのかなぁ」って感じだったそうです。うん…確かに、ご本人のサイトを見てみると、年齢はこの2006年1月現在で26歳、小さいころからピアノは習ってらしたようですが、中学生のときにシンセに触れて打ち込みを覚えたのがキッカケで、ますます音楽の世界に興味を持たれた…って感じのとこもあるようですから、やっぱり新世代の方って感じなのかも〜? この松谷さん、実はあの「大改造!!劇的ビフォー・アフター」や「映画 いま会いにゆきます」などの音楽も担当されてるんですよ(^.^)b

録音のスタイルとしては、弦と木管3人(フルート・オーボエ・クラリネット)で、打ち込みのオケにダビング…という形だったそうですが、弦のグループは若い人ばかりで、おっちゃんは誰が誰だか、ほとんど分からなかったそうです。辛うじてお顔だけは知っているという方が2〜3人いらっしゃったそうですが、お名前までは…ですって。普段は、マサさんや小池さん、加藤ジョーさんなどの大ベテランさんたちとお仕事をご一緒することが多いおっちゃんですが、こうやって別のところでは若い方たちも頑張ってらっしゃるんだなあというのを間近に見て、とても微笑ましくなったそうです。

そうそう、うちのレポではときどき作曲ソフトっていうものについても触れることがあるのですが、今回もちょっとそのあたりのお話を…この作曲ソフトというのには、作曲や編曲ができるってだけでなく、パート譜やスコアも綺麗にプリントアウトできるものから、便宜上プリントアウトできるって程度のものまで色々とあるんだそうです。で、今回のはその後者の方っぽい楽譜だったんですって。もちろん、もしかしたら、ちゃんとした楽譜もプリントアウトできたんだけど、取り急ぎ…ってことだったのかもしれませんが、とにかく全体的に楽譜が小さい、その中でも特に文字が小さい、印刷が薄い…など、おっちゃんにとっては色々と不便を感じるところがあったようです。 


その中で、もっとも不便を感じたのは「休み」の書き方だったとか…。普段おっちゃんがスタジオで目にする楽譜は、お休みする小節分をまとめて数字で書いてあるんですって。

たとえば右の楽譜を見ると、1つの小節の中に「4」とか「3」とか「8」とかって書いてあるところがありますが、これはそれぞれ、4小節、3小節、8小節分をお休みするってことなんだそうです。うへぇ〜これって…いま何拍目まで休んでるか、分からなくなったりしないのかしらん!?(;^_^A


でも、この日の楽譜は1小節ごとに全休符のマーク(高い‘レ’の音のところに黒い四角がぶらさがってるようなマーク)があるって感じ…つまり8小節のお休みだと、その全休符のついた小節が8個も並んでいるって感じになってたそうで、これがけっこう見にくかったんですって。う〜ん、楽譜が小さいとか文字が小さいってのは作曲家さんがお若いってことで仕方ないのかなあとは思いますが(おっちゃん、老眼鏡をかけて頑張るのぢゃ〜!)、この楽譜の表記ってのは、ちょっとだけ演奏家さんの立場にも立ってもらえると良かったのかな〜ってとこでしょうか。それとも、私が小学生時代に習ったのと今の小学校で習うのとでは漢字の書き順が違ってるものがあるように、楽譜の書き方ってのにも「時代」ってのがあるのかなあ…。

全体の曲数はそんなに多くなかったようですが、劇伴にしては1曲ごとにプレイバックして聴くなど、わりと念入りな録り方だったそうです。また、かなり長い曲も何曲かあったってことで、最終的には30分ほど押してしまったんですって。何はともあれ、お疲れさまでした(^-^)

最後に…この日の編成は、弦(NAOTOストリングスグループ:6422)、フルート(おっちゃん)、オーボエ(柴山 洋さん)、クラリネット(十亀正司さん)でした。この映画は、織田裕二さんの新境地としても注目されてて、見応えありそうですよね。公開は、全国東宝系で2006年2月25日から…どうぞ、お楽しみにo(^-^)o

 

 

315 御園座・1月公演「おゆき」(大島ミチル)

2005年12月21日。サウンドシティのAスタに行きました。この日は大島ミチルさんとのお仕事で、名古屋の「御園座」の1月公演「おゆき」の音楽録りでした。おっちゃんは御園座の音楽には今までに何度か参加してるようなのですが、大島さんとのお仕事で、うちで取り上げさせていただいたのは「虹の橋(176番)」以来でしょうか。

この日は「2時間半」という拘束時間だったそうですが、おっちゃんはこの「半」って何だろう…と、ちょっと不思議に思ってたそうです。で、これはおっちゃんの想像ですが、テレビや映画の劇伴の場合はコンマ何秒までキッチリ時間が決まっていることが多いのに対して、舞台などの劇伴の場合は役者さん同士の間合いの時間やその場の流れなどによってお芝居そのものが伸びることがあるので、音楽を長めに録ることが多いんですが、そうしたことを見越しての「半」なんじゃないかなあ〜とのことでした。実際は、何の「半」だったんでしょうね〜?(^^ゞ

さて、今回のお話は、とある良家のお見合いから始まる愛憎劇(?)のようですが、恋愛ものというだけあってか、ゆったりした優しい感じの曲が多かったようです。中に篠笛の曲が1曲あって、これには打楽器が活躍したり、弦のピッチカート…それも、かなり強く弾いて「ビ〜ン」と共鳴させる感じで三味線みたいな効果を出したりして、日本的な雰囲気を盛り上げてたそうですよo(^-^)o

で、特に日本的な曲はこの曲だけで、あとは先にもお話したように、優しい感じのものが多かったそうです。御園座のサイトに書かれてる「おゆき」のストーリーを見ると、かなり人間関係がドロドロした部分もあるような感じなのですが、あえて優しいメロディを多くしたというところには、何か大島さんの意図があるように思います。

う〜ん、大島さんはその作品の内容によって音楽のつけ方を変える…という作曲家さんとして当然されるべき配慮の前に、映画・ドラマ・アニメ…などというジャンル別の面においても根本的に音楽の付け方を変えていらっしゃる…といったことを、前にテレビやラジオで話されてたことがありますよね。それから考えると、舞台のお芝居のような、生身の人間がその場で演じているものは、それだけで十分に生き生きとした感情や情景が観客に伝わるので、音楽はあくまでシンプルに、BGM的に…といったことで、優しく静かなものを多くされたんじゃないかなあ。なぁ〜んて、ぜんぜん違ってたらゴメンなさ〜い(^^ゞ

そうそう、この日はメロディ楽器が少なかったこともあってか、おっちゃんのフルートのソロがかなり多かったんですって〜。美野さんのピアノと2人だけっていう曲もあったとか…聴きに行けないのが何とも残念です(>_<)


録音はいたって順調に進み、フルートの録りが終わったところでちょうど休憩になったそうです。その隙にコントロールルームにお邪魔して、もう恒例となりつつあるレポ用の写真を撮らせていただいたんだそうですよ。

で、録音が終わったその日のうちに「大島さん、白のセーターがよう似合うて、かわいらしいやろ〜?」と、まるで自分の娘のことを語るような、ほんとに優しくて嬉しそうな声で送ってきてくれたのがこの写真です。

ほんと、素敵です(*^-^*)
写真にカーソルを乗せると、女性の私でも思わず目を細めたくなるような、素敵な笑顔の写真になりますよ♪


この日の編成は、弦(マサさんのグループ:64221)、フルート&篠笛(おっちゃん)、パーカッション(草刈とも子さん)、ピアノ(美野春樹さん)、指揮(大島ミチルさん)、エンジニア(中越さん)でした。最初に「2時間半…」なんてところにこだわったお話をしましたが、実際には1時間ちょっとで終わっちゃったそうですよ♪

この録音のあと、大島さんは色んなお仕事の合間を縫って何度も名古屋へ行き、この舞台の練習やゲネプロに立ち会われたそうです。そうして完成した舞台は、中村美津子さんの主演で、1月2日からすでに始まっています。1月27日まで公演されてますので、お近くの方はもちろん、遠出が可能な方はぜひ会場へ足を運んでみてくださいねo(^-^)o

 

 

ところで、ここでちょっと今回のレポにちなんだ特別番外編のエピソードを…この日もいつものようにかなり早めに着いたおっちゃんは、スタジオのロビーでノートPCをいじってたんだそうです。そこへ、大島さんと田中公平さんとが一緒に並んで入ってきたんですって。この日は大島さんとのお仕事…って聞いてたおっちゃんはちょっとビックリしたそうですが、公平さんはAスタの裏側に隣接しているMAスタジオというところで「歌入れ」のお仕事があったとか…。

で、大島さんはそのまますぐにスタジオに入られて録音の準備に取り掛かられてたそうですが、公平さんとはその場で少しだけお話することができたそうです。何でも、304番のレポをかなり気に入ってくださってるとか…嬉しそうに話してくださる公平さんを見て、おっちゃんもとても嬉しくなったそうです。もちろん、その話をあとで聞かされた私もほんとに嬉しかったですけどね(*^-^*)


で、そんな場面に居合わせたマサさんと美野さんを交えて、こんな素敵な記念写真が撮れました。しいて言えば、誰かにシャッターを頼んで、ここにおっちゃんが入ってくれてればもっと良かったんですけどね〜。でも、おっちゃんがシャッターを押してたからこそ、皆がこんな笑顔だったのかもしれませんしね?

とにかく、いい笑顔でしょ〜?o(^-^)o
しか〜し…これまた、いつぞやのレポに書いた「ふた昔くらい前のアイドル雑誌の表紙写真」のような雰囲気が…とくに、カーソルを乗せると見える写真の方がね。

このあと、それぞれの持ち場について、頑張られたそうです♪


 

 

314 アニメ「エンジェルハート」追加録音(岩崎 琢)

2005年12月21日。目黒区青葉台にあるマルニスタジオというところに行きました。プライベートスタジオというわけではないんだそうですが、小さなスタジオなんだそうです。で、このスタジオは渋谷駅のすぐ近くなんだそうですが、ちょうど目黒区と渋谷区の境界のあたりで、辛うじて目黒区になるんだそうですよ…って聞いても、私の場合は目黒区と渋谷区が隣り同士ってこともよく分かってないんですけどね(^^ゞ

そうそう、このスタジオのあたりには、おっちゃんには特別の思いがあるんです…というのも、実は40年近く前に、このあたりで住んでたんですって。住んでいたのが青葉台1丁目でスタジオが3丁目…ほんと、すぐ近くなんですね。で、いつものように早めに着いたし、なつかしい思いもあって、しばらく近くをぶらついてみることにしたそうです。ちょうど小学校の下校時間だったようで、小さな体にランドセルを背負った可愛い子供たちがたくさん歩いていたようです。校区的にもおっちゃんの息子さんたちが通っていた小学校と同じ学校の子供たちじゃないかな…なんて思い、幼き日の息子さんたちの姿を重ねながら見てたそうですよ。

で、そのまま何となく、むかし住んでいたあたりに向かって歩いてたら、今まで見たことがない公園が目に入ってきたので、ぶらぶらと入ってみることにしたそうです。菅刈公園という名のその公園は、けっこう広くて綺麗に整備されてたそうですよ。おっちゃんは「こんなん昔はなかった気がするなあ…どこかの施設の跡か、お屋敷の跡を公園にしたんかなあ…」なんて色々と想像しながら歩いてたら、突然「あさひさん、こんなところで・・・」なんて声がしたそうです。おどろいて声の方を見ると、何とそこには、この日のお仕事の主(?)である岩崎 琢さんが…!おっちゃんと同じく時間が余って、お散歩してたんですって。そこから2人はしばらくそのあたりを散策しながら、普段スタジオでは話すことのないような日常の雑談なんかをして楽しいひと時をすごしたそうです。ほんと、いい時間の流れですね〜♪


そんなこんなで、公園で記念写真です(^.^)b

作曲家さんとミュージシャンの、スタジオ以外での2ショットって、なかなか珍しいでしょ〜? 仕事を離れた自然体でのお2人の表情が素敵ですよね(*^^*)

それにしても、岩崎さんって、かなり背の高い方なのでは…!?(ちなみに、おっちゃんは165センチくらいです)


おっちゃんは、マルニスタジオは今回で2度目(?)になるようで、確か前はすごく狭いブースでやったような…みたいな記憶があったそうです。で、今回も当然そこだろうと思ってスタジオに入ったら、「今日はここでやってもらうことになってま〜す」と、コントロールルームに通されたそうです。エンジニアの田村能成さんのお話によると、狭いブースでやるよりは、このコントロールルームでやった方がずっと響きがいいんですって。外国の一流どころでも、結構こういうパターンで録音したケースがあるんだそうですよ。

今まで色んなプライベートスタジオに行ってるおっちゃん。その中でも思いっきりプライベートな…たとえばマンションの一室の片隅に作られたスタジオで、ブースもないようなところでは、調整卓の脇で演奏したこともあるにはあるそうですが、こうしてちゃんとブースがあるのに、あえて副調室でやる…というのは、40年もこのお仕事をしてきて初めてだったみたいですよ♪

そんなわけで、コントロールルーム内にマイクや譜面台をセッティングするという、珍しいスタイルでの録音となったそうです。普通、コントロールルームというのは、ガラスの向こうのフロアやブースで演奏されてる音を、スピーカーをガンガン鳴らしながらモニターして「ああだ、こうだ」と言ってるんだそうですが、この日はおしゃべりはもちろん厳禁、全員がヘッドフォンでおっちゃんの音をモニターするという、とても静かなスタジオ風景となったそうです。


これがその、コントロールルームでの録音の様子です。スタジオのアシスタントさんに撮ってもらったそうですよ。

いつもなら、指揮台か、ガラスを何枚も隔てた遠い副調室にいらっしゃるはずの作曲者…つまり岩崎さんが、こんなにすぐ横にいらっしゃるというのも、何だか不思議な光景ですよね?

でも、こんな間近…しかも、音の出る足部管のところからガッチリ聴かれてて、緊張しないのかな〜?(^^ゞ


あ、今回は色んな特別エピソードが多すぎて、すっかり作品のご紹介が遅れちゃいましたが、この日にやったのは、すでに読売テレビ・日テレ系列で月曜日の深夜に放映されている「エンジェルハート」というアニメの追加録音だったそうです。で、この録音直後に「エンジェルハート」って報告を受けた私はすぐにアメリカのサスペンス映画「エンゼルハート」を思い浮かべたんですが、レポのために検索してビックリ…これって、15年くらい前にやってたアニメ「シティハンター」じゃないですか…!正確には「シティハンター」の続編ってことになるんでしょうか…とにかく、たまたま去年の年末に夜更かししてたらテレビで見かけて「あれ…これって、シティハンター? 再放送? いや、特別編…?」なんて思って、とても印象に残ってるアニメだったんです。まさか、それが岩崎さんの作品で、しかもそれにおっちゃんが参加することになるとは…ひょ〜これからは真剣に見てみよ〜っと♪o(^-^)o

この日はフルートのソロばかり2曲を録ったそうですが、どちらもゆるやかなテンポで、かなり長いフレーズだったそうです。中には、20小節くらいに渡る、長〜いクレッシェンドなんかもあったんですって。これ、どんなシーンで使われるんでしょう…昔やってたシティハンターよりずもっとヘビーな内容のようなので、物語の核となる大事な盛り上がりのシーンで使われるのかなあ。で、この20小節ものクレッシェンドですが、フルートの場合はダイナミックレンジ(簡単に言えば最強音と最弱音との範囲)がそんなに大きくないらしいので、ブレスの配分なんかを考えながら演奏したそうです。とにかく、せっかくのクレッシェンドの途中でブチッと切れたり、フェイドアウトしたりしないよう、選曲屋さんに頑張ってほしいものですね。今後のオンエアは要チェックですよo(*^^*)o


 

 

313 NHK「音楽・夢くらぶ(倍賞千恵子・米良美一編)」(三宅一徳)

2005年12月12日。薄謝協会の101スタに行きました。「101スタ」といえば薄謝協会では1番大きなテレビスタジオなんだそうですが、この日はそこで「音楽・夢くらぶ」という番組の収録があるとのことで、黒シャツに黒ズボンという黒子状態でスタジオ入りしたそうです。ほんとなら、リハは普段着で、本番前に着替える…って流れになるべきなんでしょうけれど、時間の関係からか、楽屋の関係からか、とにかく「最初から着替えて入ってください」って言われてたんですって。

さて、この日に録ったのは「世界の約束」と「もののけ姫」の2曲で、アレンジは「忍風戦隊ハリケンジャー」などで何度もお世話になっている三宅一徳さんだったそうです。事前に「ローホイッスルを持ってきてほしい」というオーダーがあったそうですが、曲が「もののけ姫」だということが先に分かってたので、「こりゃ、絶対にあのフレーズもあるな!」と思ったおっちゃんは、ケーナもひと揃え持っていくことにしたそうです。このあたりの「読み」というか、気配りはさすがですよね〜?

収録は、まず倍賞千恵子さんの「世界の約束(映画‘ハウルの動く城’主題歌)」の方から行われました。木管はフルート・オーボエ・クラリネットだったそうですが、並び順が、画面に向かって右からフルート・オーボエ・クラリネット…つまり普通とは逆の並び方になっていて「今日はこれでやってください」って言われたんですって。他の楽器はどうなのか分かりませんが、フルートの場合は、オーボエが自分の右側にいるととても聴きにくくて、演奏しづらいんだそうです。で、おっちゃんは「どうにかならんの〜?」みたいに言ってみたそうですが、「映像の関係で、どうしてもこういう風にしたいんだ」って言われちゃったそうです。テレビの場合は、ミュージシャンの都合よりも映像の方が優先されるようですね。ま、仕方ないことなのかなあ。でも、いいトシのおっさんたち(←ごめんなさ〜い)の並び方が、映像的にそんなに重要なんだろうか…。

ま、そんな感じで必死の訴えもあえなく却下され、すごすごと自分の席についたおっちゃんですが、そうと決まれば「聴きにくい」だの「演奏しにくい」だの言ってたのが嘘みたいな、いつもと変わらない演奏をやってのけたんだと思います。オンエアが楽しみですね〜♪ ちなみに、倍賞さんの方の曲には、中間に「人生のメリーゴーランド」が入るという特別アレンジのもので、かなり面白そうですよ。倍賞さんの歌に対しておっちゃんは「もう、そんなに若うはないと思うんやけど(←それは余計じゃ〜!)、相変わらず、ようコントロールされた声で、さすがやと思うたわ」ですって。このあたりも楽しみなところですね♪

倍賞さんの方の本番を2回やって少し休憩したあと、今度は「もののけ姫」の収録になりました。歌はもちろん、米良美一さんです。先の倍賞さんのときにはフルートだったんですが、こちらはケーナを使ったそうです。冒頭でも話したように、オーダーではローホイッスルだったんですが、おっちゃんが機転を利かせて持っていったケーナがしっかり生きたようですね。でも、かなり低い音域だったので、おっちゃんとしては「大丈夫かな…」と、ちょっと心配だったようですが、モニターで聴いた限りでは結構しっかりと拾ってくれていたようでホッとしたそうです。

ところで、カメリハまではF管のケーナを使っていたおっちゃんですが、どうも無理があるなあと感じたらしくて、ふと思いついて、E♭管のケーナに持ち替えてみたそうです。このE♭の楽器、ず〜っと前に作ったものの、本番ではほとんど使ったことがないんだそうですよ。やっと…しかもテレビに映るかもしれないっていう、素晴らしい日の目が見られそうですね(^o^)

そういや、「もののけ姫」というと、うちのレポでも何度も登場したあのG管の赤いケーナが印象的ですよね。色んなコンサートで「もののけ姫のテーマを…」って言われたら、いつもあのケーナを吹いてたでしょ? だったら、「何でこの日もそれを使わなかったの?」なんて思いませんか? 実は、あれは劇伴の方がEマイナーというキーだったから使えたわけだそうで、この日の歌のキーには合わなくて使えなかったみたいです。ちなみに、この日はCマイナーだったとか…。私としては「Eマイナーの曲にはGの楽器が使える…?はて…?」って感じですし(でも、なぜかEマイナーとGは合うんですってね(^^ゞ)、おっちゃんも「わしは映画の方には参加したけど、あのテーマソングの録音にも参加したんかなあ…そのへんが曖昧で、オリジナルではどんな楽器を使うとったんか分からんのよなあ。で、適当にキーと音色の合いそうなんを探してやってみとるんやけど…」なんて言ってますし、もう何が何やら・・・。とにかく、この曲では編成がぐっと減って7人となり、指揮もいなかったみたいなので、朝川さんのハープのアルペジオの動きを聴いて、それに合わせてのアンサンブルとなったそうですが、さすがはベテラン揃い。アンサンブル上のトラブルは全くなかったそうです。どんな風に仕上がったんでしょうね〜。こちらもオンエアが楽しみです♪

この米良さんの方ですが、本番を2回やった時点で、米良さんの方は「テイクワンの方が良かった」と、でもディレクターさんの方は「テイクツーの方が良かった」と意見が分かれたので、念のためにもう一度やったそうです。結局、オンエアではどれが使われるんでしょうか…。とにかく、3回やっても時間前に終ったので、おっちゃんはホッとしたそうです…というのも、実はこのあとに↓にアップしてる川崎さんとのお仕事が控えてたので、ヒヤヒヤしてたんですって(‘下から順に新しいものになってる…’はずのレポの順番が狂ってま〜す(^^ゞ)。一応クッションは1時間くらいあったんだそうですが、何せテレビのお仕事は延びることも多いらしいので、けっこうドキドキしてたみたいですよ。何はともあれ、良かった、良かった(^-^

この日の編成は、先の倍賞さんの方が、弦(マサさんのグループ:64322)、フルート&ケーナ(おっちゃん)、オーボエ(庄司知史さん)、クラリネット(十亀正司さん)、ホルン(西条さん他1名)、パーカッション(草刈とも子さん・藤井さん)、アコーディオン(?:1名)、シンセ(?:2名)、ピアノ(?:1名)、ギター(千代正行さん)、指揮(D島公二さん)で、2曲目の「もののけ姫」は、先にもチラッと書きましたが、ケーナと弦カルとハープ、それにシンセの7人だけだったそうです。


写真は、休憩時間に廊下で撮らせていただいた三宅さんとの2ショットです。フェイスミュージックの関谷さんがシャッターを押してくれたそうですよ♪

この収録分は、2006年1月7日(土)の午後8時からオンエアされます。マサさんのファンサイトからの情報によると、おっちゃんとマサさんは並んで演奏しているとか…これは「映像的に…」という理由で無理に木管の並び方を変えられたおかげですね♪

おっちゃんとマサさんが1つの画面に映るかもしれない貴重な機会です。どうぞ、お見逃しなくo(^∇^)o


 

 

312 ドラマ「河井継之助」(川崎真弘)

2005年12月12日。サウンドインのBスタに行きました。作曲はラッキー川崎さんこと川崎真弘さん。私はこうしておっちゃんのお仕事を追いかけて3年とちょっとになりますが、お仕事当日、スタジオに行くまで作曲家さんが誰だか分からない…なんてことも珍しくないんです。でも、今回はちゃんと分かってたし、川崎さんってことで、ケーナやパンパイプをまず1番にカバンに入れて、そのほか色んな楽器も用意して、スタジオに入ったそうです。この、阿吽の呼吸みたいなところが、何かいいですよね(^-^)

さて、この日は、「河井継之助」という年末に放映されるドラマの音楽録りでした。幕末を舞台とした大型時代劇で、十八代目・中村勘三郎さんが主演されるそうです。詳しくは、川崎さんのHPのこちらこちらをご覧くださいね。


この日のフロア全体の様子です。

写真の真ん中の上の方で立ってるのが川崎さん。写真に向かって右上の端にいる、青っぽい服の人が小池さんかな〜?

うん…これもまた「盗撮的ショット」って感じで、いいですよね(^-^;)


この日の録音でおっちゃんは例の中2階のブースだということは事前に川崎さんからメールで聞いてたんですが、そのメールの中で川崎さんは「おっちゃんは、お2階席…」なんて表現してたんですよ〜。このブースに関しては、別のメールのときにも「あのブースは中で踊ってたって大丈夫さ」なんて書いてましたし(つい、踊ってるおっちゃんを想像してしまいました)、ほんと、ちょっとしたことの表現がいちいち面白い川崎さんなのです(^-^)

で、こちらがその「お2階席」でケーナを吹くおっちゃんです。今回は、このまえ大好評のうちに終わった「慶次郎の縁側日記 2」のときほどフォルクローレ色は強くなかったそうですが、やっぱりケーナ2本をハモらせたような(もちろん、おっちゃん1人2重奏)、川崎さんならではのメロディもたくさんあったようですよo(^o^)o

ちなみに、写真にカーソルを乗せると、そんなケーナの曲の1部が見えます♪


う〜ん…私の場合、1小節目の後半の「タイ」のあたりから「こりゃ、全部でいったい何拍になるんじゃ?」となって、そのあとの細かい音符のところも「どういうリズムじゃ?」って感じで、あんまり曲の想像がつきません…だからこそ、余計にオンエアが楽しみなんですけどねo(^o^)o

こうして、ケーナを使った曲は7〜8曲くらいあったそうですが(中にはケーナのアカペラもあったみたい♪)、他にはフルート・パンパイプ・篠笛を使った曲も、それぞれ1曲ずつあったそうです。これまた事前に川崎さんからメールで「1曲だけだけど、おっちゃんには久々にフルートを吹いてもらうよ」なんて聞いてたので、「川崎さんの書く、おっちゃんを意識したフルートって、どんなだろ〜?」と楽しみにしてたんですが、まさかパンパイプや篠笛の曲もあったとは…これは楽しみですね〜♪

そうそう、このパンパイプについては、おっちゃんからこんなお話が…「あの曲はな、楽器の性能っていうよりは、わしの技術をよう考えて書いてくれとったみたいで、やり易かったわ」ですって。おっちゃんはほんとに驚くほど色んな楽器が演奏できますが、その中でもパンパイプはちょっと苦手なんですって。まあ、単なるご謙遜って気もしますが、とにかく、こうした川崎さんの心遣いはとても嬉しかったみたいですよ。あと、篠笛の曲は「E♭」に近いキーだったらしくて(‘近いキー’ってどういうことだろう…?)、そのまま「E♭」管でやるとラクかな〜とも思ったそうなんですが、結局はクロマティック篠笛を使ったそうです。この笛を使うと、運指がとても面倒になるらしいんですが、「E♭」管のような小さな楽器でやると音が軽くなりすぎるような気がして、あえてクロマティック篠笛を使ったんだそうです。現場で渡された楽譜をただ黙って演奏するだけではなくて、おっちゃんの方からも「川崎さんはこっちの音色の方が好きかも…?」なんて思いやりながらやってるあたりが、何とも温かでいいですよね(*^-^*)


これは、そのお2階席のモニターで見た川崎さん。

…あら?
確かこのブースは、上のケーナを吹いてる写真の奥に見えるソファーの、ちょうど反対側にモニターがあるんですよね?(ここで確認してみてね(^o^)b)

でも、この日の座席(マイク?)の並び方は…モニターを右手にやってるってことになりますよね? どうやって指揮を見てたんだろう…はて?


ところで、今回の音楽ですが、単発ドラマということは当然フィルムスコアになるわけですよね。でも、川崎さんが映像を見て、それに合わせて音楽を書いたのは、監督さんが「ここぞ!」と思う4ヶ所だけだったんですって。何せ、ちゃんと編集できたものを見たのが12月8日…つまり、録音のわずか4日前だったみたいですからね〜。それまでは、そのちょっと前に京都の撮影所で未編集の分を20分くらい見たものだけを頼りに書いてたんですって。時々こうしたお話を聞くことがありますが(別項の川崎さんちの仕事場探検でもね♪)、ほんと、すごい話ですよね〜。

その音楽ですが、またもや川崎さんのご好意で、私も1曲だけ聴かせていただけたんですよ〜。私が聴かせてもらったのは弦がメインの曲でしたが、これがまた、純和風の、ほんとにしみじみとした曲でした。何っていうか…まさに日本の「わびさび」といった感じの曲です。小池さんたちがいい味を出してましたよ〜。私が知ってる川崎さんの曲は、やっぱりどこか南米の土や風の匂いがするような曲や、魂が躍動するような力強い曲が多いように思うのですが、今回のこれは、それらとは全く違って驚きました。あれは、どんなシーンで使われるのかな〜?あとは、おっちゃんの話によると、川崎さんが打ち込まれたシンセの曲もいくつかあったようですが、グランカッサ(大太鼓)みたいなずしっとした音が効いてて、なかなかいい感じだったそうですよ。ほんと、オンエアが楽しみですね(^^♪


こちらは、川崎さんご夫妻の間に割り込んでの3ショット(^◇^;)

録音前日だか前々日だかに川崎さんに「今回もおっちゃんに‘しっかり写真を撮ってくるように!’ってお尻を叩いときますんで、よろしくで〜す♪」なんて言ってたら、こんな素敵な写真を撮らせてくださいました(^o^)


この日の編成は、弦(小池ストリングス:64421)、フルート&ケーナ&パンパイプ&篠笛(おっちゃん)、オーボエ(石橋雅一さん)、クラリネット(星野 正さん)、ギター(千代正行さん)、打ち込みシンセ&指揮(川崎真弘さん)、ディレクター(天翔陽子さん)、エンジニア(中越さん・三原さん)でした。おっちゃんは「2時間ドラマで曲数もけっこうあるのに、2時間の拘束で大丈夫なんかいな…」なんて思ってたそうですが、録音は順調に進んで、途中で休憩なんかもしたのに、ちゃ〜んと時間内に終わったそうですよ。どちらさんも、お疲れさまでした♪

このドラマは、2005年12月27日の21時から22時54分まで、日本テレビ系列でオンエアされます。どうぞ、お楽しみにo(^o^o)(o^o^)o


 

 

311 ディズニーシー「カウントダウン」(中川幸太郎)

2005年12月10日。ビクターの301スタに行きました。この日は、TDS…つまり、東京ディズニーシーで大晦日のカウントダウンのときに使われる音楽の録音でした。このお仕事は事前に「ディズニーの音楽」ということだけは分かっていたので、おっちゃんと「中川さんかな? 奥慶一さんかな〜?」「まあ、そのどっちかやろけど、どっちにしてもまた難しいんやろなあ…(^_^;)」なんて話をしてました。そうそう、確か去年の同じころにも同じようなお仕事があったんですが、そのときは中川さんでしたね(レポできてませ〜ん(^^ゞ)。

さて、そんなこんなでスタジオに着いてみると、音楽は今年も中川幸太郎さんでした。先に入ってる弦とリズム隊(打ち込み?)に、ブラスと木管でダビングという段取りになってたそうです。曲は1曲だけで、おっちゃんたち木管のパートだけ4ページもあったそうなんですが、繰り返しがないのとテンポが速いのとで、3分もかからなかったのでは…とのことでした。4ページものパート譜が3分でって…これだけでも、いかにテンポの速い曲なのかが想像できますよね?(^^ゞ

今回の中川さんの楽譜は、アニメなんかの劇判のときに比べるとちょっとだけ過激さが控えめだったようですが、やっぱり音域も難易度も限界に近かったらしくて、かなり大変だったようです。たとえば「180」とかいう速いテンポから急激にリタルダンド(ritardando:だんだんゆっくりと)がかかったりするところが何ヶ所かあって、皆がなかなか合わなかったようですが、こういうときはクリックを思いっきり大きく出してもらうようにして、何とか乗り切ったそうです…んでも、そうすると「スタジオ用語辞典」の「回り込み」の項にあるような事態にならないのかなあとも思ったりするんですが、とにかく無事に終わったようです。あ、劇伴の場合は、短い時間にたくさんの曲を録るので、あまり「直し」をやっている時間もないことが多いんだそうですが、この日は2時間で1曲だけだったので、各パートともわりと丁寧に差し替えたりプレイバックを聴いたりできて、良かったようですよ。 

この日の編成は、弦(マサさんのグループ:先録り)、フルート(おっちゃん・金子奈美さん)、オーボエ(石橋雅一さん)、クラリネット(星野 正さん)、ハープ(?:先録り)、トランペット(西村浩二さん他2名)、トロンボーン(中川英二郎さん他2名)、チューバ(?)、ホルン(藤田乙比古さん他)、打ち込みシンセ(中川幸太郎さん)、エンジニア(吉田さん)だったそうです。

配置としては、ブラス隊が広いフロアで、ホルンと木管がブースに入ったそうですが、これはブラス隊の「鳴り」を優先したセッティングなんだとか…。おっちゃんは「ほら、この曲で大勢の人が盛大に新年を迎えるんやから、納得できる配慮じゃな♪」なんて言ってました。う〜ん、そんなダイナミックな音楽とたくさんの花火で豪快に迎えるディズニーシーでのお正月、一生に一度くらいは体験してみたいですね〜(年末ジャンボが当たったら考えてみるかな?(^^ゞ)。とにかく、もしここを読んでくださってる方の中で「年越しはTDSで…」なんて考えてらっしゃる方がいたら、ぜひぜひ音楽にもしっかり耳を傾けてみてくださいね。どうぞ、よいお年を…(*^-゚)/~

 

 

310 DVD「銀河鉄道物語」(青木 望)

2005年12月5日。サウンドシティのAスタに行きました。この日は、青木望さんとのお仕事で、あの「銀河鉄道物語」の音楽録りでした。これは、前にうちのレポの59番でも取り上げさせていただいた「BS用 銀河鉄道物語」の延長線上にあるものだそうで、何でも全4枚のDVDとして(4枚‘組’ではないと思います…)リリースされるんだそうですよ。で、その後は地上波での放映も決まってるらしいので、これはもう2006年の注目の作品の1つになるのは間違いないかと思います。

で、その「地上波」用の音楽はまた改めて録音される予定があるとのことで、今回はこのDVDのためだけの音楽…つまり、フィルムスコアリングだったんたそうです。これって、やっぱり劇伴ファンにはたまらない魅力ですよね? しかも、このフィルムスコアリングで30曲ほど録ったそうなんですが、それらの中にはフルートなどの笛系が目立ってる曲がかなり多かったとか…これは、おっちゃんファンにとってはたまりませんよね〜?(^o^)

そんなわけで(?)、この笛系の曲については、ちょっと突っ込んで聞いてみましたよ。おっちゃんによると、この青木さんという方は、前々からフルートやリコーダーには特に力を入れて、よく使ってくださる方なんだそうですが、それは今回の、木管セクションはオーボエやクラリネットが1人ずつなのに対して、フルートは3人というところにも表れているように思います。ただ、狭いブースでの、アルトフルートやバスフルートやリコーダーなどの持ち替えは、けっこう大変だったみたいですけどね(^^ゞ

ま、それはそれとして…たとえばフルート系で言えば、バスフルートが2本の曲とか、アルトフルートが3本っていう曲なんかがあったんですって。アルトフルートの音色って、独特の味わいがあっていいんですよね〜。でも、私が知ってるアルトフルートは、サスペンスものでおどろおどろしいソロをやったり、もの悲しいシーンでしみじみとしたソロをやったり…と、いつもソロのように思うんですが、今回は3本も重ねてるなんて…ましてやバスフルートが2本の曲なんて…どんなんでしょうね〜?

このバスフルートが2本やアルトフルートが3本という曲ですが、今までの色んなレポからすると、ダビングで1人2重奏・1人3重奏…って方法もあったと思うんですよね。 その方がフレージングなんかがよく合って、まとまったものができるという話も聞きますし…。でも、あえて2人ないし3人で同時録音したというのは、おっちゃん・篠原さん・金子さん、それぞれの音色が合わさって初めてできる新たな音色を大事にされたかったのかもしれませんね。このあたりのお話については、うちの「PICK UP BBS」のページの「ダビング事情」という項にも書いてありますので、良かったら読んでみてください。

このほか、リコーダーの曲が2曲あったらしいのですが、そのうちの1曲は最初から最後まで、ほとんどヴァイオリンセクションとユニゾンになってたんですって。こういうのもまた、独特の効果があって、面白いんでしょうね〜。一体、どういうシーンで使われるんでしょう? ただ、フラットが何と5個…つまりキーがDフラットで、さすがのおっちゃんも「リコーダーで初見で吹くには、ちょっと無理かなあ…」なんて思って、尻込みしそうになったとか…。それでも、やっぱりそこは「笛仙人」とか「必殺 魔笛仕事人」なんて言われてるおっちゃんだけあって、何とかクリアしたんですって。ほんと、こういうのを聞くと、どこか遠い、雲の上の世界の話のように感じてしまいますよね…。

でも、そんな笛仙人にもやっぱり不安が残ったようで、「これ、単独で使うことってありますか?」なんて聞いたそうです。というのも、たまにバラして(ヴァイオリンとリコーダーのユニゾンで演奏したものから、リコーダーの部分だけを抜き出したりすること)使われたりすることがあるからなんだそうです。まあ、他の楽器と一緒なら、演奏上の小さな「傷」もあまり目立ちませんが、アカペラとなるとそうはいきませんもんね。でも、バラして使うことはないとのお返事がもらえて、ひとまず胸をなでおろしたそうです。おっちゃんでも、こんなことがあるんですね〜ちょっと珍しくて面白いエピソードでした。

で、もう1曲の方は、今度はソロヴァイオリン(もちろんマサさん)とユニゾンだったそうです。ちょっと見た感じでは、こちらの曲の方が音譜が細かくて難しそうに思えるんだそうですが、キーもFで音域もそう広くなかったので、けっこういい感じでまとまったそうです…と、ここまで書いてきましたが、私には何でDフラットだったら面倒で、Fだったらラクなのか…なんてことは分かってません。おっちゃんに聞いたそのまんまを書いてますので、このあたりは私宛てには突っ込んだ質問をしないでね(^^ゞ

そうそう、おっちゃんの話によると、アレンジャーさんの多くはピアノやギターのご出身なんだそうですが、青木さんはそんな中では珍しく、弦楽器のご出身なんだそうです(確かヴィオラ…?)。そのため、弦の書き方には特に定評のある方なんだそうですが、この日も「86442」の弦が、素敵なサウンドを響かせていたそうですよ♪
 
そんな青木さんも最近は作編曲ソフトを使ってらっしゃるんだそうですが(ちなみにフィナーレというソフトだとか…)、そのわりには楽譜がコンピュータらしくなくて読みやすかったんですって。う〜ん、楽譜がコンピュータらしいとか、らしくないとか、そういうのがあるんですね〜。ま、とにかくおっちゃんは「何でかな〜?」と思って聞いてみたんだそうです。すると、青木さんは臨時記号のつけ方などは、全て手作業で修正してらっしゃるんですって。ほぉ〜コンピュータだと上手く臨時記号がつけられないってことなのかなあ…な〜んて言いながらも、何が上手くだか上手くないんだか分かってない私ですが、おっちゃんは「この辺りも、さすが弦楽器出身って感じがするわあ!」なんて、ちょっと興奮気味に言ってましたよ(^-^)

で、ここからさらに、おっちゃんと青木さんとの「コンピュータによる楽譜の書き方」という話になるんですが、もう私にはサッパリ分からないんで、原稿にあったそのまんまを載せときますね。どうぞ、分かる方だけ「うんうん♪」って頷きながら読んでくださいな(^^ゞ

「キーボード出身のアレンジャーさんなどは、どちらかというと臨時記号の異名同音なんかをあんまり気にしない方が多いように思うけど、たとえば‘F♯・A♭・A♯’って並ぶと、読みにくいよね。やっぱり‘F♯・G♯・A♯’もしくは‘G♭・A♭・B♭’って書いてほしいよね〜。こういう調性感を理解しているようなソフトはできないのかなあ…」

なんて会話があったそうです。私には難しいことはよく分かりませんが、こうやってコンピュータに任せっきりにしないで、1つ1つ手作業で直されてるというところに、青木さんの音楽へのこだわりはもちろん、青木さんのミュージシャンの皆さんへの思いやりなど、青木さんの温かいお人柄が見えてきますよね♪

さて、ここまででも十分に内容の濃い録音だったように思うんですが、ここからがこの日の録音のメインイベントになります。この日もいつものように少し早めにスタジオに入ったおっちゃんですが、そのおっちゃんよりもさらに早く、ピアノの美野さんが来てたんですって。しかも、すでにひと段落したような雰囲気だったので、おっちゃんは「先に何か録ってたの?」って聞いてみたんだそうです。すると、美野さんからは「いや、ちょっと練習を…」って返事が返ってきたとか。美野さんがわざわざ練習しないと弾けないような曲って何だろう…と、おっちゃんの謎は深まるばかり。私たちも気になりますよね〜?

はいはい、その謎の曲ですが、「時の津波」というタイトルのついた、ピアノコンチェルト風の曲だったんだそうです。ほんとに豪華絢爛な感じのコンチェルトで、普通のピアニストだったら何ヶ月も練習してから録音に臨む…というくらい、かなり難易度の高い曲だったようです。しかも、クリックが入るというスタジオならではの条件がある中で演奏するのは、至難の業だったでしょうね〜。そんな曲を、たった2〜3回の練習…というかオケ合わせで本番の収録になり、その本番のテイクも2〜3回やっただけでOKをもらってしまう美野さん、ほんとにすごいです〜。スタジオでも、そんな美野さんに感動した皆さんから、その「OK!」が出た瞬間に大きな大きな拍手が贈られたそうですよ♪

この日の編成は、弦(マサさんのグループ:86442)、フルート(おっちゃん・篠原猛さん・金子奈美さん)、オーボエ(石橋雅一さん)、クラリネット(星野 正さん)、ハープ(朝川朋之さん)、トランペット(エリック宮城さん西村浩二さん他1名)、トロンボーン(中川栄二郎さん・山城純子さん他1名)、チューバ(?)、ホルン(藤田乙比古さん他)、パーカッション(草刈とも子さん)、ドラムス(渡嘉敷祐一さん)、ベース(伊藤昌明さん)、ピアノ(美野春樹さん)、ギター(梶原さん)、指揮(中谷勝昭さん)、エンジニア(三浦さん)というすごい編成だったそうです。

おっちゃんは「最近の劇伴で、こんな風に生のリズム隊が入っとるんは、けっこう珍しいっていう感じがするよなあ。やっとって‘やっぱり生はええわ’って、つくづく思うたわ。特に、生のドラムが入るか入らんかでは、えらい世界が違うてしまうもんなあ。こんなフル編成を要求できるんも、青木さんやからこそ…なんかもしれんなあ♪」なんて言ってました。うんうん、最近のシンセは、生の音をサンプリングして、コブシ回し(?)や太鼓の叩き方なんかもかなり本物に忠実に再現できるようになってるそうですが、やっぱりどうあっても生には勝てないんでしょうね〜。色んな「大人の事情」があるかとは思いますが、生楽器で対応できる音域や奏法はできるだけ生楽器を使う方向でいって、これからの子供たちに生楽器の温かさや息遣いを味わわせてあげてほしいなあと思います(^^ゞ

最後に…このDVDのリリース時期については、まだ私の方では正確な情報をつかめてないのですが、分かり次第にまた掲示板かレポ内でお知らせしますね。あ、この日の録音の様子は「銀河鉄道物語」の公式サイトにもアップされてますので、合わせてお楽しみください♪

追記:その後、2007年に青木さんにお会いすることができ、このDVDを貸していただけました。そのときのエピソードは→CLICK HERE

 

 

309 アニメ「モリー・スターレーサー」追加録音(岩崎 琢)

2005年12月1日。ビクターの301スタに行きました。この日は岩崎琢さんとの仕事で、前に「273番」のレポでもご紹介した「モリー・スターレーサー( Molly Star Racer)」の追加録音でした。お仕事が始まる前に、コントロールルームに立ち寄ったおっちゃん。そこに置いてあった進行表に「Molly・・・」という文字が見えたので、インペク屋さんに「これって、あのフランス人の兄ちゃんが来ていたアレなの?」って聞くと、インペク屋さんから「そうそう♪」なんて答えが返ってきて、ちょっとだけこの番組についてお話してたようです。あ、この「フランス人の兄ちゃん」というのは、前回の録音の時にスタジオにいらしてたフランス側のスタッフの方々のことですなんですが、この日も1人だけいらっしゃってたそうですよ。

ところで、このアニメはいつから放映されるんでしょう・・・。前回のレポでは「10月ごろから…」なんてお話したんですが、どうやら延期になってるみたいなんです。で、今回のレポを作成中に、前回の録音にコーラスで参加してらした濱田真美さんが掲示板に出てきてくださったんですが、彼女もまた「いつからなんでしょう…?」なんて言ってました。ほんと、世界中の皆が期待してる作品でもあるので、はやくオンエアが確定するといいですね♪

さて、今回も岩崎さんならではの世界が色々と繰り広げられてたようですが、それに対しておっちゃんは「岩崎さんの音楽は、リズムと伴奏とメロディ…っていう単純な構造とは違うて、各パートがそれぞれ独自の動きをしながら噛み合うていくって感じなんよな。これは、わしら演奏側にとっては難しいところもあるんやけど、仕上がったら、絶対に他にはない、岩崎さん独自の音楽ができあがってきて、やっとっても何や‘楽しさ’みたいなもんがあるんよなあ。それにな、いつやっても、前と同じようなパターンっていうんがほとんど出てこんで、アイディアの豊富さっていうか、引き出しの多さを感じるわ(^o^)」と、声を弾ませながら話してました。演奏者にとって、これほど魅力的な音楽なんですもん、さぞかし私たち聴き手の心をつかむことでしょうね〜。ああ、こうなってくるとますます、ちゃんとしたオンエア情報が知りたいですよね?(>_<)

そうそう、この日のブースの中で、突然フルートの金子さんがおっちゃんに、「あの人(岩崎さんのこと)、大学時代の同級生だと思うんですけど…」って、言ったんですって。で、おっちゃんは帰り際にコントロールルームに金子さんを連れて行って、「同級生らしいよ〜♪」なんて感じで紹介したんだそうです。すると岩崎さんは「ん?もしかして…あれまっ、久しぶり〜!」ってことで、何年かぶりの再会になったんだそうですよ。あとで岩崎さんが教えてくれたお話によると、お互いに顔は知ってたけど、ちゃんと話したのはこのときが初めてなんだとか。うん、まあ同級生って言っても、学科が違えばそんなもんなんでしょうね…っていうか、学科も違うし、きっとすごい学生数なんでしょうのに、よくまあお互いの顔を知ってましたよね〜って関心してたら、岩崎さんったら「他人に全く無関心なんだけど、一応チェックは入れている・・・芸大生にありがちな話です」ですって。しかも、このあと「…っていうか、大学時代、僕が友達が少なかっただけか?」なんてオチがあるんです。いやぁ〜岩崎さんって、おもしろ〜い! 何だか、一気に親近感が湧きますね(*^-^*)
 
この日の編成は、弦(マサさんのグループ:86442→6442)、フルート(おっちゃん・金子奈美さん)、オーボエ(庄司知史さん・小川さん)、クラリネット(星野 正さん他1名)、ホルン(南浩之さん他3名:別録り)、打ち込み&シンセ&指揮(岩崎琢さん)、エンジニア(田村能成さん)という感じだったそうです。

で、これを見ても分かるように、今回は木管が2人ずつになってるんですよね。おっちゃんの話だと、劇伴でこんな風に木管が2管編成になることは、あまりないんだそうです。でも、やっぱり2管になると響きに幅が出てくるし、よりオケらしいサウンドになるので、もしかしたら、このあたりには何か岩崎さんの意図があったのかもしれませんね。おっちゃんは「欲を言うたらファゴットも欲しかったところやけど、何か‘大人の事情’があったんかの〜?」なんて言ってました。はてさて、真相は…!? あ、偶然だと思いますが、この日はそれぞれの楽器のセカンドパートが、全て女性だったんですって。つまり、木管は全て男女ペアでやってたってことなんですが、いつもとは違うその様子が、何となく面白かったそうですよ(^^ゞ

あ、最後に弦とフルートだけ…という曲を録ったそうですが、これにはかなり長いフルートのソロがあったんですって。で、録る前に岩崎さんから「これは旭さんのために書いたので、思いっきり行っちゃって下さいよ〜♪」なんて言われて、いつも何事にもあまり動じないおっちゃんが、珍しくちょっとオロオロしてしまったとか…ふふふ、いいエピソードだなあ(^o^)

おっちゃんと岩崎さんは「モリースターレーサー」の前回の録音(273番)のときに、初めてお互いをちゃんと意識しあったそうなんですが、そのとき岩崎さんは、一瞬にしておっちゃんの音色の虜になってしまったそうです。うんうん、その気持ち、よ〜く分かりますよ〜! おっちゃんの音色って、豊かで温かで、自然と体の奥まで染み入ってくるような音色なんですよね〜。で、そうして、おっちゃんの音色を思い浮かべながら書いたという岩崎さんの曲は、また格別のものがあると思います。おっちゃんからの報告によると、ゆったりとした優しい曲で、低い音から高い音まで、おっちゃんの音色を目いっぱい生かした、素敵な曲だったそうですよ。どんなシーンで使われるんでしょうね〜早く聴きたいっ!

この番組は、私も独自に情報収集に努めますが、何かオンエアに関する詳しい情報をお持ちの方は、ぜひぜひお知らせくださいね♪

 

追記:こちらでこの番組のOP動画を見ていただけます。岩崎さんの劇伴ではありませんが、番組の雰囲気は分かっていただけるんじゃないでしょうか?

 

 

308 藤あや子の新曲(宮崎慎二)

2005年11月30日。この日は藤あや子さんの新曲の録音で、キングレコードのスタジオに行きました。藤あや子さんといえばソニーミュージックからたくさんのヒット曲が出されてますよね? でも、それがキングレコードで録音? はて…? そんな風な疑問は湧いてきませんか? 最近はレコード会社のスタジオも、自社の録音だけではなく、貸しスタジオとして提供しているケースが多いらしいので、たぶん今回もそんな感じなんでしょうね。

さて、その新曲ですが、「心の音色」というタイトルで、ご本人もスタジオに来てらしたそうですよ。テレビで拝見するような和服姿ではなく普段着っぽかったそうですが、やはり何か独特のオーラを放つ美しさがあったとか…おっちゃんも、しばし見とれてしまったそうですよ(^^ゞ
 
この日のアレンジは宮崎慎二さん。編成は、弦(小池ストリングス:64221)、フルート(おっちゃん:ダビング)、オーボエ(石橋雅一さん)、ホルン(藤田乙比古さん)、打ち込み&シンセ(イマジン)、エンジニア(中越さん・吉越さん)で、先に入っていたオケや打ち込みにダビングという形だったそうです。でも、フルートは更に部分的にダビングで重ねたところがあったんですって。このあたりに宮崎さんの「心の音色というタイトルのイメージを出したい」という思いが表れてるようにも思いますね。


写真は、プレイバックを聴く宮崎さんと小池さんです。表情は見えませんが、真剣な空気が伝わってくるいい写真でしょ〜?

この曲がいつリリースになるのか、まだ詳しいことは何も分かってないんですが、何か情報が入り次第、お知らせしますね♪

皆さんからの情報もお待ちしてますo(^-^)o


 

 

307 アニメ「リーンの翼」追加録音(樋口康雄)

2005年11月20日。ビクターの301スタに行きました。この日は、9月に行われた「リーンの翼」の録音(280番参照)の追加録音でした。音楽はもちろん、樋口康雄さん。前日の19日におっちゃんが「明日はあの樋口さんじゃ。またマサも来るんちゃうかなあ?」なんて話してくれたので、「こりゃまた、おっちゃんとマサさんの両方から面白い話が聞けるかも〜♪」と胸をはずませてました。でも、そんな報告のあったわずか数分後…ほんとに見事に数分後…マサさんから「あさって仮録音する曲を考え中…。産みの苦しみ中…。明日は亀山さんと樋口さんの録音があるけど、うちで集めて他の人に行ってもらう…。両方ともおっちゃんが入っているかも…?」なんてメールが来たんです。こんな風にマサさんが事前にお仕事の情報をくれるってのは珍しいですし、ましてやおっちゃんの情報まで教えてくれるなんて嬉しい限りなんですが…残念〜っ!(>_<)ヽ

さて、気を取り直して、録音のお話です。前回の録音では各パートともほんとに大苦戦した…というのは、レポでもお伝えしましたよね。そのせいか、今回は始まる前にインペク屋さんから「今日はそんなに難しくないはずだよ」なんてお話があったとか…でも、誰も信用してなかったみたいですけどね(インペク屋さんの立場は〜?(^^ゞ)。まあ、おっちゃんの話では「う〜ん、そう言われてみたら、ほんのちょっとラクだったんかなあ。でも、あくまで比べてみたら…の話じゃ。難しいんに変わりはないで」とのことでしたが、そのあとで「ほんでも、こうやって各パートが複雑に噛み合うとって、皆がちゃんと聴き合うてないとできん曲っていうんは、ごっついメンドイけど面白いよなあ。あのスリリングな感じがなかなか楽しいてええわ♪」とも言ってました。このあたりの冒険心旺盛というか度胸の座りっぷりが、いかにもベテランって感じで、聞いててほんとに頼もしいですよねo(^o^)o


こちらは、お仕事が始まる前の、ロビーでのおっちゃんです。

この日は某国の要人の来日と東京国際女子マラソンが重なって交通事情が心配されたので、おっちゃんはいつもよりかなり早めに家を出たんですって。でも、特に問題なく走れたので、思いっきり早く着いてしまったとか…それで、ロビーで伸びてるわけです(あ、中には、高速道路で大渋滞に遭って、30〜40分ほど遅れてこられた方もいらっしゃったそうですよ)。

こんなとき、私だったら皆より少しでも早く楽譜をもらって、寸暇を惜しんで必死で練習しそうですが(‘難しい’って分かってるんだから…ねえ?)、おっちゃんにはそんな気はさらさらないようですね(^-^;)


で、こんな風にしばらくくつろいだあと、今度は 樋口さんと少しお話する時間があったみたいで、そのときに「ネットでは色々どうも〜♪」みたいな話になったそうです。…というのも、実は私は、前回のレポの関連で樋口さんのファンサイトの管理人さんと少しお話させていただく機会があったのですが、そうした話が樋口さんにも伝わってたようですね。樋口さんはおっちゃんに「色々書いてくださってるみたいで…今日のもしっかり宣伝してね♪」なんておっしゃってたそうです。


そんなわけで撮らせていただいたのが、この写真です。

右側が作曲の樋口さんで、左側がエンジニアの吉田さん。現場のちょっとピリッとした空気が伝わってくるような、いい写真でしょ? 写真にカーソルを載せると、さらにいい感じの写真になりますよ(*^-^*)


今回もかなり大編成だったようですが、それでも弦は前回の「10・8・6・4・4」から「8・6・4・4・2」と、ひと回り小さくなり、木管も1管ずつになり、トランペットとトロンボーンは今回はなかったので、全体で20人くらい少なかったんだそうです。

あ、1曲だけアルトフルートの曲があったそうなんですが、楽譜を見ると、音符の上に何やら小さな○印が付いている部分があったんですって。で、おっちゃんも「はて…弦のハーモニクスみたいやけど、何じゃろか?」と思って聞いてみたら、「何の音でもいいから、思いっきり倍音を含んだ音を出してほしいんだ」って言われたんだそうです。おおっ、やっぱりその小さな○印は、おっちゃんの予想通り「ハーモニクス」を意味する記号だったわけですね〜!

…ところで、皆さんはこの「ハーモニクス」というのがどういうものか、知ってますか? 実は私は、初耳に近いくらい、全く分かってません…。そういや、いつぞや二胡か何かのレポで「ハーモニクス」という言葉を書いたような気がしますが、多分そのときがほんとの初耳だったんじゃないかなあ。でも、そのときはちゃんと調べてみようなんて気が起こらなかったので「ま、そのうちに…」なんて放置してたら、今回また出てきてしまいました。まいったなあ…で、この感じだと、今後もまた何度もレポで出てくるかもしれないので、今回は色々と検索して調べてみることにしましたよ。それと同時に、マサさんもとても丁寧に教えてくれたので、そのお話も一緒にしますね。

マサさんのお話によると、まず、5線譜に書かれてる音符の上に「◇」を書く…といった形で表現されるそうです。あ、おっちゃんの楽譜には○で書かれてたみたいですが、ほんとは◇らしいですよ。で、その音符の音…まあ、たとえば「ド」としましょう。この「ド」の4度上の「ファ」のところに◇が書かれてたとすると、「ド」の音を人差し指で押さえて「ファ」のところに小指をそっと乗せると(弦を押さえ込むのではなく、触れるような感じ)、その「ド」の2オクターブ上の「ド」が鳴るんだそうです。不思議でしょう〜?そういや、笛の類で「ド」の音を強く吹くと、その1オクターブ上の「ド」が鳴り、さらに強く吹くとその5度上の「ソ」が鳴り、さらにもっと強く吹くと最初の「ド」の2オクターブ上の「ド」が鳴る…といった感じで倍音が出せるのですが、そんな感じのようですね。あ、今回は「4度上に◇」といったことを書きましたが、これはあくまで一例で、その◇の場所によっては色んな倍音が出せるんだそうですよ。どうでしょう…少し分かっていただけましたか? 検索ではこちらのようなサイトも見つかりましたので、合わせて参考にしてみてくださいね。

で、話は戻りますが、樋口さんに「倍音を含む音がほしい…」って言われて色々と考えたおっちゃんは、「尺八のムラ息みたいな感じはどうかな〜?」と思ってやってみたんだそうです。すると、それが樋口さんの思い描いてた音色とバッチリ合ったようで、すぐ「OK」がもらえたそうですよ。いやぁ〜すぐに作者の意図を汲み取って音にしてしまうおっちゃん、ほんとにすごいです。とても、このまえ我が家に来て(詳しくは→こちら)、うちの子たちとでれでれしてた人と同一人物とは思えません…(^◇^;)


こちらは先ほども登場したエンジニアの吉田さん…のアップです。

おっちゃんが「写真を撮るよ〜♪」って言ったら、ちゃんとこうしてカメラに向かってくれたそうです。何だか、とても愛嬌のある方ですよね?(^-^)

304番のレポでもお話しましたが、この吉田さんはトロンボーン奏者でもあるんですよ〜。


この日の編成は、弦(マサさん抜きのマサさんグループ=トップは大谷康子さん:86442)、フルート&アルトフルート&ピッコロ(おっちゃん)、オーボエ(石橋雅一さん)、クラリネット(十亀正司さん)、ファゴット(塚原さん:女性)、ハープ(?:女性)、ホルン(南浩之さん他3名)、パーカッション(草刈とも子さん・高田みどりさん)、ピアノ(?:女性)、指揮(樋口康雄さん)、エンジニア(吉田さん)でした。

これを見ても分かるように、今回のマサさんグループのトップは東京交響楽団の大谷康子さんなんですよね。この日マサさんが参加できなかったことは冒頭でお話しましたが、大谷さんが参加されたことについては、マサさんの説明によると「樋口さんは大谷さんが気に入ってるみたいなので、大谷さんに行ってもらうことにした」なんだそうです。何とも分かりやすい説明ですね〜。とにかく、こうして無事に録音は終わったようです。

この「リーンの翼」、去る12月10日に12時間限定で第1話だけが無料配信されたんですよね。私はその「12時間」以内にPCに向かえるかどうか…とか、うちのボロボロPCでも聴けるのかな…とか色々と心配してたんですが、特に何の問題もなく試聴できました。音楽、いいですよ〜!うちの掲示板に書いてくれてた誰かの言葉を借りるとすると、まさに「え?これが劇伴…?」って思うような、ほんとに聴き応えのある、何ていうか…バレエ音楽かクラシックの交響曲のような感じの豪華な音楽でした。前は「PCだと音質は…?」なんて心配もしてましたが、どうやら取り越し苦労だったようです。かなりいい音質で聴けましたよ。これは、ぜひもっともっと色んな音楽が聴いてみたいですね〜。もちろん、現場の皆さんが大苦戦している様子なんかも思い浮かべながら…ね? 今回の試聴を逃した方も、16日から正式に配信されるようですので(有料ですが…(^^ゞ)、どうぞお楽しみにo(^o^)o


 

 

306 アニメ「銀盤−カレイドスコープ」追加録音(亀山耕一郎)

2005年11月20日。サウンドシティのAスタに行きました。この日は亀山耕一郎さんとのお仕事で、9月に行われた「銀盤−カレイドスコープ」の追加録音でした(初回録音は274番を参照)。このアニメは、フィギュアスケートのお話で、2006年2月に行われるトリノオリンピックに合わせてストーリーを展開させているってことでしたよね? で、この日に録ったのは、最終回あたりの、いよいよオリンピックの場面…という音楽だったそうです。

おっちゃんは「多分、決勝とかの演技のシーンで使われるんちゃうかなあ」なんて言ってましたが、バレエ音楽を思わせるような豪華絢爛な曲が多かったようです。うん、これはきっとおっちゃんの言うように、決勝戦とかで…ん?フィギュアスケートに「決勝」とかあったっけ…? スピードスケートとかは「決勝」なんて言うけど…まあ、いわゆる本選ってことですかね? よくテレビで「わぁ〜きれいやなあ!」なんて思いながら見てるわりには、ほとんど何も分かってない私…(^^ゞ とにかく、今までのオンエアでは、どちらかというと軽くて優しい感じの曲が多かったと思うので、今後の曲想の変化を意識しながら見ていくのも楽しいかもしれませんねo(^o^)o

あとは、オリンピックのファンファーレってのもあったそうですよ。もちろん、このアニメの世界の中だけでのファンファーレでしょうけれどね。で、これにはおっちゃんたち木管は入ってなかったとのことなので、現場では弦だけで録ってたってことになるわけですが、弦だけファンファーレって、何か不思議ですよね…。でも、ご心配なく。ロビーにはエリックさんたちが待機してらしたそうなので、あとでダビングするんだと思われます。エリックさんの音色のファンファーレかあ。さぞかし力強くて華やかで、出場選手たちにとっては「よっしゃ、がんばるぞ〜!」って力がみなぎってくるような感じなんでしょうね〜。あ、でも、しょせんアニメの世界か…(^^ゞ
 
この日の編成は、弦(マサさん抜きのマサさんグループ:86442)、フルート(おっちゃん)、オーボエ(石橋雅一さん)、トランペット(エリック宮城さん他:別録り)、トロンボーン(中川栄二郎さん他:別録り)、エンジニア(三浦さん)でした。

これを見ると「え…マサさんグループなのに、マサさんがいないの?」なんて思うでしょ? こういうことは時々あるようですよ。そういや、いつかのレポでも「マサさんグループだけど、マサさんは韓国にコンサートに行ってて不在」みたいなレポを書いたような…? 今回はそうした事情ではなく、家で「書き」のカンヅメになってて来れなかったみたいです。現場でも「マサちゃんは‘書き’だって〜」みたいな声が上がってたとか…このあたりのことは↑の樋口さんのレポで詳しくお話しますね♪


 

 

305 ゲーム「KINGDOM HEARTS 2」(下村陽子・和田 薫)

2005年11月18日。この日は和田 薫さんとのお仕事で、早稲田のAVACO(アバコ)スタジオに行きました。実はこのお仕事、ちょうど1ヶ月前にやった「KINGDOM HEARTS 2」というゲーム音楽の追加録音になります(前回の録音は292番を参照)。インペク屋さんが同じ方だったので、おっちゃんと「もしかすると…?」なんて言ってたんですが、案の定あのゲームでしたね…ってことで、今回も下村陽子さんが作曲されたものを、和田さんが編曲したって流れでの録音になります。あ、このレポをアップする時点ではすでに製品が発売になってるので問題ありませんが、やはり現場では前回同様に「発売日まではオフレコでね」という指示があったそうですよ。

さて、この日録ったのは「Epiligue-A」「Epiligue-B」「Secret」というタイトルの3曲だったそうですが、ブラス隊やパーカッションは最初にやった「Epiligue−B」という曲だけしか入ってなかったみたいなので、始まってから30分ちょっとで終わってしまったんですって。でもまあ、お疲れさま〜♪には違いないですよね。この、皆でやったという「Epiligue-B」は、テンポが速くて、ブラス隊やホルンが大活躍する激しい感じの曲だったそうですよ。どういったストーリーのゲームなのかがよく分かってないので(このレポ編集時にはまだ公式サイトにも詳しいストーリーが紹介されてないので)何とも言いようがないのですが、主人公が旅を続けていく中で色んな敵(?)が現れて闘ったりするシーンがあって、そうした場面で使われるんでしょうかね〜。とにかく、ものすごいダイナミックで闘争心を掻きたてられるような曲だったそうですよo(^o^)o

あとでやった「Epiligue-A」の方は、先にやった「Epiligue-B」の方とは全く正反対の、静かで緩やかな曲だったそうです。あ、この「Epiligue-A」の方の楽譜には「ティンホイッスルまたはケーナ」と書かれてた部分があったんですって。ケーナかティンホイッスルってことは、エスニックっぽい感じか、アイリッシュっぽい感じなんでしょうか…主人公が旅していくところと関係があるのかな? 何だか楽しみですね♪

で、結局はケーナで「ピョロピョロ〜♪」とやったそうですが、ここで「何で、ティンホイッスルではなく、ケーナにしたの?」って思いませんか? 何でも、この日はチューニングが「442」と、いつもより高めだったらしくて、ティンホイッスルではちょっと厳しい感じがしたので、ケーナでやることにしたんだそうですよ。じゃ、「何でティンホイッスルで厳しいものが、ケーナだと大丈夫か?」って疑問が出てくるかな…? これはですね、おっちゃんの手元にあるティンホイッスルという楽器のピッチが大体「440」くらいらしくて、今回の「442」には厳しいってことなんだそうですよ(^o^)b

当然のことながら、録音のときにはおっちゃんたちは和田さんの棒を見ながら演奏したそうですが(和田さんだけは映像を見ながら棒を振ってたのかなあ?)、プレイバックの時には、モニターにゲームの映像を映しながらやってくれたそうなので、ほんの少しだけですがゲームの雰囲気がつかめたそうです。前回の録音レポでも「絵が綺麗」ってお話が出てましたが、今回はおっちゃんも「うん、確かに綺麗やったわ」と、最近のゲームの出来の良さに感心しきりでした。
 
この日の編成は、弦(マサさんのグループ:10・8・6・6・3)、フルート&ケーナ(おっちゃん)、オーボエ(石橋雅一さん)、クラリネット(山根公男さん)、ファゴット(?)、ハープ(?)、トランペット(大倉滋夫さん他)、トロンボーン(西山さん他)、チューバ(?)、ホルン(藤田乙比古さん他2名)、パーカッション(高田みどりさん・大石真理恵さん他1名)、ピアノ(緒方さん)、ギター(今泉さん:Secretのみ)、打ち込み・シンセ・指揮(和田 薫さん)、エンジニア(山田さん)と、またもやすごい大編成だったようです。
 
さて、こうして音楽の部分だけでも、こんなにまで大事に温められてきたゲームですが、ついに発売されましたね。我が家にはゲーム機というのが1台もないので試してみることができないんですが、このゲームをやってみられた方は、ぜひ音楽についての感想などをお聞かせくださいねo(^o^)o


 

 

304 OVA「トップをねらえ2!」(田中公平)

2005年11月17日。サウンドシティのAスタで、「トップをねらえ2!」というOVAの追加録音が行われました(前回の録音に関しては‘151番’を参照してください)。音楽はもちろん、田中公平さん。この「トップをねらえ2!」は、1988年にリリースされた「トップをねらえ!」の続編になるんだそうですが、映像や声優さんサイドからだけではなく、音楽の面でも本当に注目され、また期待されてる作品のようですね。前回のレポのときに公平さんのファンサイトの管理人さんからこの作品について色々と教えていただき、早速ビデオレンタル屋さんに走ったんですが、残念ながら貸し出し中でした…そんなわけで、あまり詳しいことはお話できないんですが、こちらのサイトで少しだけ試聴することができます。公平さんファンの多くの方がこの作品で心をつかまれて公平さんのファンになった…っていうのが頷けるくらい、ほんとに力強くてカッコいい音楽ですよ(^o^)
 
そうそう、この日はお仕事が始まる前に、ちょっと公平さんとお話をする時間があったそうです。そのとき、おっちゃんが手にしてるデジカメを見て公平さんが「また盗撮ですか?」なんておっしゃったとか…。と、盗撮って、そんなハッキリ言わんでも…もう公平さんったら〜。いや、でも、いつぞやの録音のときに公平さんが「レポで使ってる写真、盗撮みたいですね…」みたいに言ったことから、すっかりうちのレポでは、おっちゃんがブースから撮ってきてくれてる写真のことは「盗撮的ショット」なんて呼んでるんですよね〜。その名付け親(?)の公平さんに言われたんじゃ、仕方ないか…(^-^;)

とにかく、そんな風に突っ込まれたおっちゃんは「わはは! いやいや、今日は盗撮ではなくて、堂々と真正面からも撮らせて頂こうかと…。何せ、恐ろし〜い編集長の厳命なので…」なんて言ったそうですし、公平さんは「あはは! ゆみさんですね〜。あの人、よくやってますよね。では、どうぞ〜♪」ですって。おっちゃんもおっちゃんですが、公平さんもそこは笑うところじゃないですよ〜まったく…。まあ、そのあとで誉めてくださってるのはほんとに嬉しいんですけどね(*^-^*)


で、そんなこんなで撮ってきてくれたのが、この写真です。いやぁ〜いい笑顔ですね。今まで何度も「公平さんの正面からの写真がほしい〜!」っておねだりしてたんですが、ついにその念願が叶った1枚でもあります♪

ところで、公平さんって、「トリビアの泉」のプレゼンターである八嶋智人さん(司会の小さい方…)と似てる気がしませんか? 何か、あの番組を見てると、いつも公平さんを思い出してしまう私です(^^;ゞ


冒頭でも書きましたが、この「トップをねらえ2!」は初回から16年の時を経て、2004年に新たにスタートした作品なんですよね。で、考えてみたら、公平さんの手がけられた作品って、こうしたロングランが多いと思いませんか? たとえば「サクラ大戦」に「ワンピース」なんかもうかなりのロングランですし、子供たちに大人気のアニメ「かいけつゾロリ」もこれからずっとず〜っと続きそうですもんね? スタジオでも「私の担当する作品は、不思議と長続きするのよね〜」なんてお話があったようです。で、こうしたロングランには、私はやっぱり音楽が大きな役割を果たしているんじゃないかと思います。見てるときは映像やセリフに必死になって、音楽まで特には意識してないように思いますが、その音楽があるからこそ、そうした映像やセリフに必死にのめり込めるんですもんね?
 
この日に録ったのは4曲(おっちゃんが参加したのは3曲)だったそうですが、マサさんたちの弦はものすごい高音域で鳴りまくるし、ブラスも分厚いサウンドで充実した響きを出してて、公平さんの音楽のエッセンスがギュ〜ッと詰まったような、ほんとに聴き応えのあるものだったそうです。うわぁ〜先にお話したサイトで試聴しただけでもお腹の底のあたりが熱くなってくるような感じがするのに、こんな話を聞いたらますます…ねえ? さらにおっちゃんは「いかにも公平さんって感じの音楽なんやけど、ほんでも今までには聴いたことがないような…何ていうか、また新しい側面を見せてもろたって感じやったわ♪」とも言ってました。

ここで1つ…シリーズものの番組の場合、何か大元になるテーマ音楽があって、その番組がどれだけ続こうが、映画になろうが、いつもその大元のテーマが楽器やテンポを変えた色んなバリエーションで流れてるってイメージがありませんか? でも、公平さんの場合は、1つのテレビ番組でも回を重ねるほど新たなテーマがどんどん出てくるし、その番組が年に1回くらいのペースで映画化されたらされたで、そのたびにテーマが違うんですよね〜。だから、いつも新鮮な気持ちで楽しめるし、とにかく目(耳?)が離せないんです。きっと、今回のもそんな感じなんだろうなあo(^o^)o


こちらは、おっちゃんが「どうじゃ、公平さんがピアノ弾いとるとこや珍しいやろ〜?」と、とても得意げに送ってきてくれた写真です。いや、私にとっては、公平さんのお顔が見えるだけでも十分に珍しいんですが、それにしてもファンにはたまらない写真ですね♪

うしろにいらっしゃるのは、この日のピアノ奏者であるエルトン永田さんです。…ん? じゃ、何で公平さんが弾いてるんでしょ〜? でも、何だかとても楽しそうですね(^-^)

あ、カーソルを乗せると出てくるもう1枚の公平さんの写真、これまたいいでしょ〜(*^o^*)


そうそう、公平さんはごく最近スタインウェイのピアノを購入されたんだそうですが、何とそれまでは電子ピアノしかなかったんですって…。あの数々の名曲が電子ピアノで!? まさに「弘法、筆を選ばず」って状況なんでしょうか…。でも、その弘法自身も「よい書は必ずよい筆を用いる」と書き残したように、公平さんも今回の曲の中で「これぞ!」という曲は、ピアノがお家に届くのを待ってから作曲されたんだそうです。やっぱり、音色1つでかなりイメージが変わってくるもんなんでしょうね〜。そういう職人気質なお話を聞くと、何だか胸が熱くなりますよね♪


こちらはマイクのセッティングをされてる最中のエンジニアの吉田さんです。この方、実はトロンボーン奏者でもある方なんだそうです。で、その吉田さんも「ときどき見てますよ〜!」なんておっしゃってくださってたそうなので、思わずパチリと撮らせてもらったそうです。うん、ばっちりポーズも決まってますね♪

あ、写真にカーソルを乗せると、楽譜の部分がアップになります。この程度のアップでは音程までは分かりませんが、何となく曲の雰囲気は分かるかな…楽譜の読める方は是非、ビデオを見るときにこれっぽい音が出てきてるかどうか耳を澄ませてみてくださいねo(^o^)o


この日の編成は、弦(マサさんのグループ:64221)、フルート(おっちゃん・金子奈美さん)、オーボエ(石橋雅一さん)、クラリネット(十亀正司さん)、ハープ(朝川朋之さん)、トランペット(菅坂雅彦さん・西村浩二さん他1名)、トロンボーン(中川栄二郎さん・山城純子さん他1名)、チューバ(佐藤潔さん)、ホルン(南 浩之さん・高野哲夫さん他1名)、パーカッション(草刈とも子さん・高田みどりさん)、ピアノ(エルトン永田さん)、シンセ(丸尾稔さん…?)、指揮(田中公平さん)、エンジニア(吉田さん)でした。奏者とスタッフの両方の皆さんの頑張りのおかげでとてもスムーズに運び、予定よりずっと早めに終わったそうです。

ところで、この日に録られた曲は、何話目くらいから使われるんでしょう…もし、そうした情報なども入ったら、追ってこちらでお知らせしますので、まずはしっかりビデオを楽しんでくださいね♪


 

 

303 映画「明日の記憶」(大島ミチル)

2005年11月15日。サウンドシティのAスタに行きました。この日は萩原 浩さん原作の「明日の記憶」という映画の音楽録りでした。作曲は大島ミチルさん。渡辺謙さん演じる主人公が、50歳の若さにして若年性アルツハイマーを発症してしまい、病名を宣告されてからの家族や仕事への思い、自分が壊れていくことへの不安と恐怖などを描いた深刻劇のようです。


こちらは、おっちゃんの席から見たフロア全体の様子。

このところ大島さん関連のレポが続いてますが、そうした録音に向けては当然「書き」という大変な作業があるわけですよね?で、大島さんの日記で肩凝りのことを見るたびにとても心配してたんですが、元気に棒を振ってらっしゃる姿を見て、ちょっと安心しました(*^-^*)

写真にカーソルを乗せると、マサさんや石田さんがアップになりますよ♪


この日の編成は、弦(マサさんのグループ:64443)、フルート&リコーダー(おっちゃん)、オーボエ(庄司知史さん)、クラリネット(星野 正さん)、ファゴット(前田さん)、ハープ(朝川朋之さん)、ホルン(藤田乙比古さん他)、パーカッション(草刈とも子さん・高田みどりさん)、ピアノ(黒田さん:♀)、シンセ&指揮(大島ミチルさん)、エンジニア(伊藤さん)という感じだったみたいなのですが、最近の大島さんの劇伴には珍しく、ファゴットが入ってますよね。

また、弦の編成も「86442」というのが自然なような気がするんですが、今回は「64443」…つまり、コントラバスが3本になっていることのほか、ヴィオラやチェロの数に比べて、ヴァイオリンの数が少ないですよね。これを見たおっちゃんは「低音を充実させて、その重苦しい感じを表現しようっていう意図だったんかなあ」なんて思ってたそうですが、事実、ファゴットはかなり重要な役割を果たしていたようです。


こちらは別アングルからのフロアの様子。

写真にカーソルを乗せると、大島さんとチェロの堀沢真己さんがアップになりますよ。大島さんはちょっとお顔が見えなくて残念なんですが、堀沢さんの‘のほほん’とした感じがいいですよね(^-^)


ここで、冒頭にお話した大島さんの引き出しの多さを痛感させられる、面白いエピソードをお話しましょう。この日おっちゃんに配られた楽譜の中に、単に「A」の音を延々と引き伸ばしただけしか書かれていない譜面が3枚あったんですって。で、スコアを見ると、何と全てのパートがその「A」の音だけになってたとか…。これは、実はオケの演奏会の前に必ずやる「チューニング」のサウンドを録ろうということだったみたいです。

こんなところでわざわざチューニングの音を?…なんて思われるかもしれませんが、このオケのチューニングの音で、記憶が徐々に薄れていく不安感みたいなものを表現しよう…ということなんだそうです。いわゆる普通のチューニング、ちょっと狂ったチューニング、かなり狂ったチューニング…など、何パターンか録ったそうですよ。このあたりの発想に、ほんとにアッと驚かされますよね?でも、それと同時に、だんだんと壊れていく自分自身と、その狂っていくチューニングの音を想像すると…何ともいたたまれない気持ちになります(>_<)ヽ

その上さらに、各パートが全てフリーで、ポルタメントなどを使って不安を募るようなアドリブをやってほしい…という指示もあったそうです。周囲にどんなに健常を装っても、病気は着実に進行していきます。50歳という若さで死が駆け寄ってくる恐怖。しかも、今まで自分が築き上げてきた多くの人や物との関係が否応なしに崩れていく孤独と不安。もがいても叫んでも、無音の闇に落ちていくしかない狂おしいまでの心の中のドロドロを、こんな形で表現しようとは…これはぜひ映画館で、映像と合わせて聴いてみたいものです。ただ、その状況を直視できるかな…。

そのほかには、メロディのパートが抜けたような…いわゆる伴奏だけみたいな曲がいくつかあったそうですが、これにはあとで宮本文昭さんのオーボエのソロが乗っかるということでした。宮本さんのベルベットトーン、前の「あすか」のときのような爽やかな感じとは違って、今度はほんとに切なく物悲しく響くんでしょうね。

そうそう、多分そのオーボエのソロと同じメロディではないか…とのことだったんですが、リコーダーのソロが1曲あったようで、大島さんの方からは「低い目の音が欲しい」というご注文だったそうです。5線の下(ト音記号とヘ音記号の真ん中の‘ド’の音より下)の方だけの音域で書いてある楽譜で(‘シ’の音が最高)、音域的にはテナーリコーダーがベストだったみたいですが、「これだと、聴いた感じが低すぎるだろうから…」ということで、1オクターブ上げて、アルトリコーダーでやったそうです。この曲に関しては、決して重苦しい雰囲気ではなく、むしろ、ゆったりとして暖かい感じのする曲だったそうです。病気になったからこそ見えてきた、人の心の温もりや絆…みたいなシーンで使われるのかもしれませんね。こちらも楽しみなところです。

この日の木管は3時間拘束で20曲くらいに参加したそうですが、テンポがゆっくりな曲が多かったことと、いつもの「ぶっつけ本番」が少なかったこともあって、思ったよりは時間がかかってたそうです。それでも、ちゃ〜んと予定時間内には終わってたみたいなので、おっちゃんも「さすがじゃ♪」と感心しきりでした。

この映画、いつからロードショウされるんでしょうか…まだ私の方では詳しい情報がつかめてないのですが、何か分かったらまたお知らせしますね。大島さんの新たな一面が見えるこの映画、私自身がとても楽しみにしているのはもちろんですが、ぜひ多くの人に観てほしいなあと思いますo(^o^)o

 

 

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