おっちゃんの仕事場探検

Home  All Title  Dictionary  Guestbook  Mail  Web Clap  Back

劇伴(映画・ドラマ・アニメなどのBGM)がどんなところで、どんな風に作られているのかを、おっちゃんから聞いたお話を中心にレポートしていきます。レポートの番号が進むにつれてだんだんと内容が濃くなり、ときには作曲家さんやエンジニアさんからいただいたコメントも出てきます。

ただし、これらは録音時の記録が主になっているので、実際にオンエアまたはリリースされたときにはタイトルが変わってる…なんてことも稀にあります。また、私の音楽の知識やパソコン技術の問題などによりお見苦しい点も多いかと思いますが、あたたかい目で読んでいただけると嬉しいです(*^^*)

こことは別の「スペシャルレポート」「オフラインレポート」などのページでも作曲家さんやエンジニアさんのお仕事ぶりやオフのときの様子をご紹介していますので、合わせてご覧下さい。

最後に…どうぞレポートをご覧になってのご意見・ご感想などを、ゲストブックやメール・ウェブ拍手などを通じてお聞かせください。今後の参考に、そして励みにさせていただきたいと思います。よろしくお願いしますm(__)m

 

 

 

 

355 木曜時代劇「次郎長・背負い富士」(桑原研郎)

2006年5月7日。薄謝協会(NHK)の506スタに行きました。この日は桑原研朗さんの作曲で、木曜時代劇「次郎長 背負い富士」の音楽録りでした。この「木曜時代劇」というのは、うちのレポで言えば、大島ミチルさんの「御宿かわせみ」や川崎真弘さんの「慶次郎縁側日記」、若草恵さんの「蝉しぐれ」などで親しまれてきた「金曜時代劇」という番組が木曜日に移転したものなんだそうです。

さて、この「次郎長 背負い富士」ですが、主役の次郎長を中村雅俊さんが演じます。公式サイト見た限りでは、男気あふれる中にもコミカルな要素がいっぱい含まれているような…で、うちの掲示板でおなじみ「なっちゃん」によると、この原作を書かれた山本一力さんの作品はどれもほんとに人情味あふれるものばかりだそうで、今回の作品も胸を熱くするシーンが多いんじゃないかな…とのことでした。

あ、この音楽もやはり溜め録り方式ではあるんですが、録られた曲数は何と50曲。これだけあると、使い方によってはフィルムスコアみたいに聴こえるんじゃないかな〜? ただ、あまりに曲数が多いので、録音の現場では「多少のミスには目をつぶって…」みたいな「大人の事情」もあったようですが、それはそれ。ぜひ、桑原さんの「風」を感じながら、ドラマを楽しんでほしいものです。
 
編成は、弦(中川さんのグループ:2222)、フルート&ピッコロ&アルトフルート&リコーダー&ケーナ(おっちゃん)、オーボエ(広多智香さん)、トランペット(菅坂雅彦さん・横山均さん)、パーカッション(大石真理恵さん)、サックス・(平原まことさん他1名)、ドラムス(広瀬潤二さん)、ベース(荒川さん)、ピアノ(江草啓介さん)、ギター(小堀 浩さん)、三味線(?)、指揮(中谷勝昭さん)、エンジニア(?)…と、ダブカル(ダブルカルテット)にトランペットとサックスが2本ずつという、編成もメンバーもちょっとユニーク…というか、私にとっては新鮮な感じですが、おっちゃんに言わせると「桑原さんとインペク屋さん(東室)のカラーがよく出たメンバーじゃ♪」とのことでした。
 
ついでに、ちょっとおっちゃんからは「最近はどこのスタジオへ行っても、わしが最長老になってしまうことが多いんやけど、この日に限っては、江草さん、荒川さん、中谷さん…って感じで、先輩が3人もおってくれて心強かったわ。まあ、桑原さんが昔からの馴染みのメンバーを指名して呼んだってことでこういう感じになったんかもしれんけど、とにかく、何か不思議な落ち着きがあったわ」なんてお話も聞けました。ほれほれ、おっちゃんの先輩方もこんなに頑張ってらっしゃるんだから、おっちゃんにもまだまだ頑張ってもらわんと…ってことで、私の原稿催促のムチもますますパワーアップの予定ですo(^-^)o

201番のレポートを見ていただくと分かるのですが、新歌舞伎座の2005年1月公演で「晴姿 次郎長富士」というお芝居をやってるんです。音楽はこの日の録音にギターで参加されてた小堀 浩さんの奥さんで、小堀ひとみさん。微妙にタイトルが違ってますが、きっと同じ内容のものでしょう。で、こうして色んなところで取り上げられてるということは、かなり面白い作品なんでしょうね(私は原作を読んでないんです…ごめんなさい)。この番組は2006年6月1日から連続10回の放送となります。どうぞお楽しみに♪

 

 

354 アニメ「砂沙美 魔法少女クラブ」追加録音(多田彰文)

2006年4月30日。サウンドインのAスタに行きました。この日はイマジンの多田彰文さんとのお仕事で、272番のレポでもご紹介した「砂沙美 魔法少女クラブ」というWOWWOWでオンエア中のアニメの追加録音でした。

さて、この日はGWの初日…それも日曜日ということで道路状況が読めなかったおっちゃんですが、一応いつものタイミングで出かけてみると、都内は思いっきり空いていて、かなり早く着いてしまったそうです。でもまあ、他にすることもないし…ってことでスタジオに入ると、すでに多田さんが来てらして色んな準備をされてたようなので、その傍らでしばらくお話させていただくことにしたそうです。

まず、多田さんからの「バスフルートって持ってます?」というお話から始まって、バスフルートやコントラバスフルートのお話、その楽器でトリルのできるところ、できないところ…などなど、楽器のお話をメインにワイワイとやってたところにイマジンのマサルさん(多田さんのマネージャーさん)もいらっしゃって、さらに賑やかになっていったようです。あ、前回のレポート内で多田さんがバンブーサックスを上手に吹いてらっしゃるのに驚いたことがありましたが、実はクラリネットやサックスをやってらしたことがあるんですって。で、あとから参加されたマサルさんも昔クラリネットをやってらしたことがあるそうで、これまた楽器のことに色々とお詳しいので、おっちゃんはほんとにビックリしたそうです。ちなみに、このマサルさん。私は2006年4月に行われた田中公平さんのコンサートでチラッとだけお会いしたのですが、ずっとにこにこしてる素敵な方でしたよ(^.^)b


これは録音中のスタジオの様子です。左端で黄色っぽいシャツを着てらっしゃるのがマサさんです♪

写真にカーソルを乗せると別アングルのスタジオの写真になりますが、何やら取材用のカメラっぽいのが入ってますよね。いずれリリースされるDVDとかの特典映像とかになるんでしょうか…?


この日に録ったのは5〜6曲で、番組のタイトルの通り、軽くて可愛らしい感じの曲ばかりで、かなりの余裕で終わっちゃったそうです。いやいや、それでも本当にお疲れさまです。で、実はこの録音の1週間前に、ほぼ同じメンバーで押しに押したお仕事があったので(350番参照)、現場の皆さんの中では「えらい違いやなあ(^◇^;)」なんて会話もあったようです(;^_^A

この日の編成は、弦(マサさんのグループ:64221)、フルート(おっちゃん・金子奈美さん)、オーボエ(石橋雅一さん)、クラリネット(星野 正さん)、ホルン(南浩之さん他3名)、シンセ&指揮(多田彰文さん)、エンジニア(中村さん)でした。このアニメ、WOWWOWでの放送ということで我が家では見えないんですが、もし見られた方は、ぜひ感想など聞かせてくださいねo(^-^)o


 

 

353 聖書協会のイベント(横山菁児)

2006年4月29日。この日のおっちゃんは、東京の銀座を活動の拠点とする「聖書協会」という団体の「Makuya Spring Concert」というイベントにオケの一員として参加することとなりました。会場は東京国際フォーラムのCホール。この日に使われた音楽の作曲・編曲・指揮は「宇宙海賊キャプテンはーロック」や「聖闘士星矢」の劇伴の作曲でも知られる横山菁児さんです。この「Makuya」というのは「幕屋(幕で張り巡らせた小屋…‘能’の世界では楽屋を指します(^.^)b)」のことなんですが、この日の場合は聖書に由来しているようで、聖書協会の会員の皆さんにとっては何か特別な意味を持つ言葉なんですって。

さて、そのコンサートですが、第1部はピアニストの小形眞子さんをフィーチャーしたクラシックの小品で彩られ、第2部は日本の叙情歌やアイルランドの民謡をオーケストラ用に編曲したものなどが次々と披露されたようです。そうそう、この第2部でおっちゃんはとても驚いたことがあったとか…というのも、曲目の中に「湯島の白梅」というナツメロが入っていたそうですが(私は知りません…)、この日のお客さんは皆、この歌の3番の歌詞までしっかり覚えてらしたんですって。この歌もまた、会員の皆さんにとっては特別の意味を持っている歌なんでしょうね。

で、この夜のメインである第3部は「幕屋の夜明け」というタイトルの4楽章からなる交響組曲が演奏されたそうです。これって…このコンサートのための書き下ろしだったのかしらん? 詳しいことは分からないままですが、とにかくタイトルの通り、夜明けを思い出させるような、どことなく荘厳な感じの曲だったそうですよ。あ、これには加藤剛さんの朗読も入ってたそうです(^.^)b


こうして、予定されてたプログラムが終わったあとは、アンコールに次ぐアンコールで、会場は大いに湧き上がったんですって。きっと、おっちゃんたちの素晴らしい演奏で、ほんとに胸が熱くなってたんでしょうね。何度もアンコールしたくなるのも分かります♪

で、最後は、オケの皆さん全員に花束が渡されたとか…左の写真は、最後のご挨拶のときじゃないかな〜?

ほんと、すごい大所帯ですね。さぞかしダイナミックで豊かな響きがしてたことでしょう…聴衆の皆さんが羨ましいです(>_<)


オケのメンバーは、弦(マサさんのグループ:10・8・6・6・2)、フルート(おっちゃん・相馬充さん)、オーボエ(石橋雅一さん)、ファゴット(霧生吉秀さん:N響)、ハープ(勝間田恵美さん)、ホルン(吉永雅人さん他3名)、パーカッション(草刈とも子さん・薄田さん)、ピアノ(小形眞子さん)、シンセ(江草啓介さん・佐藤さん・宮元さん)、指揮(横山菁児さん)という、ほぼ横山さんのレギュラーメンバーって感じだったみたいですね(^.^)b

また、この日のエンジニアはコロムビアの塩崎さんで、撮影ディレクターには同じくコロムビアの元ディレクター・三浦芳之さんがいらしてたそうです。それからそれから、「ブタカン(舞台監督)」というかステージマネジャーには、アニメの録音のときによくお会いする藤田昭彦さんが来てらっしゃったそうで、おっちゃんはそれにはちょっとビックリしたそうです。いやはや、ほんとにすごいメンバーだったんですね〜!


こちらは、上にあったステージ全体の写真の中から、おっちゃんの部分だけをトリミングしたものです。

40年前、オケにいた先輩から習ったという自分の手で結ぶタイプの蝶ネクタイがバッチリ決まってま〜す♪…って、この写真ではそこまで見えんか(;^_^A


ところで、ちょっと小耳にはさんだんですが…何でも、この日にやったものと同じものを、2007年2月に本拠地イスラエルのエルサレムホールでやろうかな〜ってお話があるんだそうです。でも、予算なんかの都合で、日本から行くプレイヤーは4〜5人くらいかも…とか、まだ誰が行くのかは決まってない…とのことでしたが、それより何より、イ…イスラエルって…治安とか大丈夫なんでしょうか…? 何か、これを聞いたときから、私の中の何かがググッと緊張しています。蛇足ですが、いま私がお付き合いさせていただいてる作曲家さんや演奏家さんからは、ときどき「○日から○○に行きます」とか「○○に行ってきました」なんてお話を伺うことがあるですが、そのたびに妙に不安になってオロオロしてる私です(;^_^A

おっちゃんたち「スタジオミュージシャン」というお仕事は、テレビや映画なんかの音楽をスタジオで録音するだけでなく、こうした色んな団体やアーティストさんとのコンサートが全国各地であったり(もちろん、宗教とかに関係なく(^.^)b)、ときには音楽セミナーなんかも開いたりされてるようです。で、その中には、こんな風に海外にまで出かけることがあるんですね…なかなか奥の深いお仕事です♪


さて、コンサートのあとには打ち上げがあったようなんですが、こちらはその最中に撮った、おっちゃんと横山さんとの2ショットです。この2人、なぁ〜んか似てませんか?(^^ゞ

ほんと、楽しそう…♪

この写真からも、この打ち上げがいかに楽しく盛り上がったのかが、よく分かりますよね?


あ、この打ち上げの最中には、テレビカメラとマイクを向けられて、何やらインタビューをされてたミュージシャンの方も何人かいたそうです。残念ながらおっちゃんのところには回ってこなかったそうなので質問の内容などは分かりませんが、もしかすると、コンサートにこれなかった会員の方に何らかの形で見せてあげたりするのかもしれませんね♪


こちらは、横山さんとマサさん、そしてマサさんのお孫さんであるルッテメラくん(マサさんはいつもこう呼びます(^^ゞ)と、そのパパである篠崎央彡(しのざきおう)さんです。

もうすぐ初めてのお誕生日を迎えるルッテメラくん。生まれたその日から時々こうして写真や動画を見せてもらってるんですが、ほんとに可愛く大きくなりました(*^-^*)

央彡さんも「ほんとに目に入れても痛くないです。でも時々、本当に不意に指とかが目に入ってきたりして・・・やっぱり痛かったです」なんてマサさんゆずりのユニークなコメントで、ルッテメラくんのことを語ってくれましたよ♪(これに対してマサさんは‘俺は央くんたちを目の中に入れて遊ばせとったが…’なんて言ってましたが(;^_^A)


では、最後にもう1つエピソードを…このコンサートの数日後、出演者の全員にお礼の手紙と一緒に高級クッキー缶が送られて来たんだそうです。で、ヴィオラの馬渕さんはこのイベントにご夫妻で出席されてたそうなんですが、そんな馬淵さんご夫妻のところには、ちゃ〜んと同じクッキー缶が2つ送られてきたんですって。そこで馬淵さん、「じゃ、一家で参加してたマサちゃんのところは…?」って思ったそうです。確かに、この日のマサさんストリングスは、いつも色んな録音に参加してる長男さんと央彡さんのほか、愛娘さんや央彡さんのお嫁さんもメンバーとして参加してたんです。となると、もしや…? はい、マサさんからは「ご心配無く………ちゃんと家には同じ物が五つ届きました…(原文のまま)」とのメッセージをいただきました。皆それぞれにクッキー缶を抱えてほおばる篠崎ファミリー、ちょっと見てみたかった気もしますね(;^_^A

とにかく、こうして2006年のGWは、にぎやかに幕開けをしたのでした…♪


 

 

352 特撮「魔弾戦記リュウケンドー」の追加録音(大島ミチル)

2006年4月26日。大島ミチルさんが手がけた「魔弾戦記リュウケンドー」という特撮番組の追加録音のために、サウンド・インに行きました(初回録音については296番を読んでみてくださいね♪)。

この日は2時間の予定で、先に録ってたリズム隊とブラスにフルートとオーボエが1曲ずつ、クラリネットが2曲をダビングすることになってたそうです。で、「まずはフルートからはじめましょう♪」ってことになったそうなんです…が、ぶっつけ本番の1発OKだったので、何と正味5分くらいで終わっちゃったんだそうです。時計を見ながら「ぼちぼち録音が始まったかな〜?」と思ってたところにおっちゃんから「もう終わった♪」との連絡が入ったので、もう「はい〜?」って言葉しか出なかった私…そんなわけで、これ以上は何もお話することがないんですが、今後のストーリーの展開と、そのバックで使われてる音楽に注目しててくださいね(^.^)b

この日の編成は、弦(マサさんのグループ:64221)、フルート(おっちゃん)、オーボエ(庄司知史さん)、クラリネット(星野 正さん)、トランペット(別録り:エリック宮城さん・西村浩二さん・横山 均さん)、トロンボーン(別録り:中川英二郎さん)、パーカッション(別録り:草刈とも子さん)、ドラムス(別録り:伊藤史朗さん)、ベース(別録り:渡辺直樹さん)、ピアノ(倉田信雄さん)、ギター(別録り:?)、指揮(大島ミチルさん)、エンジニア(中越さん)でした(^-^)

 

 

351 味の素のCM(奥居史生)

2006年4月26日。サウンドインのBスタに行きました。この日は事前にインペク屋さんから「オカリナやホイッスルなんかの民族系の楽器を使いたい…」ということは聞いてたようですが、内容に関しては全く分からないままスタジオに入ったそうです。すると、そこには奥居史生さんがいらして、ようやく「味の素」のCMのお仕事だということが分かったみたいです…と、ここまではいつもと同じような展開なんですが、この日はとにかく編成や配置に色々とビックリすることがあったようですよ(^.^)b

まず、フロアにファゴットが3人いて、入り口の前室にチューバ、奥のブースにギターと笛、例の中2階のブースに何とヴァイオリンが2人で入ってたんですって。フロアにファゴットが3人ってのも私にとっては初耳だな〜なんて思うのですが、それよりもあの中2階のブースにヴァイオリンが…?って感じです。ちなみに、このあたりのことは、この日にヴァイオリンで参加されてた小池さんからもメールをいただいたんですよ♪

あ、ちょっとだけそのメールに触れてみると「この日は隣のスタジオで大島さんがお仕事されてたので、旭さんも一緒かな〜なんて思ってたら、旭さんはこちらのお仕事にやってきました。で、もう旭さんから報告があったかもしれませんが、この日は旭さんが1階で私が2階…といえば、もうスタジオは分かりますね?」って感じだったんです。はい、このメールをいただいた時点ではまだおっちゃんからは何の報告もなかったんで「おっちゃんが1階で小池さんが2階…? 2階のあるスタジオって…あ、そういや‘今日はサウンドイン’って言うとったっけ…えっ、ほな、あの中2階のブースに小池さんが…!?」って感じで、私としてはほんとにビックリしましたし、その不思議な配置にとても新鮮な感じがしました。このあたりの報告からも、このCM音楽にとても興味が湧いてくるでしょ? それにしても、最近はこうして皆さんから色んな情報がいただけて、つくづくありがたいなあと思っている私です(*^^*)

さて、その不思議な編成によるサウンドについて、おっちゃんからは「普通やと、弦が64221くらいおってもファゴットやチューバは入るか入らんかって感じやのに、この日はほんまにユニークな編成やったわ。ファゴット3本のサウンドやて、えらい久しぶりに聴いた気がするなあ…っていうより、スタジオでは滅多にない編成じゃ。ファゴットっちゅうんはちょっとユーモラスな響きが特徴なんやけど、こうして3本でハモったらサウンドにごっつい幅が出て、なかなか面白いアイディアやと思うて感心したわ♪」なんてコメントがもらえました。ファゴットって木管の中では低音楽器ですが、弦の低音…コントラバスを増やしてサウンドに幅を持たせるのとは、また全く違う幅があるんでしょうね〜。しかも、この日は弦がヴァイオリン2人だけだし、ほんと、どんなサウンドになってるのやら全く想像がつきません…(^^ゞ

で、おっちゃんがやった笛の方ですが…作曲の奥居さんは、ほんとはティンホイッスルかパンパイプを使いたかったんですって。でも、キーがA(シャープが3個)でホイッスルではちょっと無理だったのと、パンパイプでやるには音符の動きが難しそうだったので、とりあえず奥居さんからのリクエストでオカリナでやってみることにしたそうです。ただ、このオカリナも、音域の関係でF管を使ったそうなんですが、それでもかなり厳しかったようです。また、キー的にはシャープ4個のフィンガリングと同じことになるらしくて…って、このあたりのことは私にはよく分からないんですが、とにかく悪い条件がいっぱい重なって、録音はかなり難航してしまったそうです。

で、こうまでしてやってたオカリナですが、やっぱりちょっと音色がイメージと合わない…ってことで、また別の楽器を考えてみることになったそうです。そこで、おっちゃん。とりあえず1番ラクと思われるソプラノリコーダーでやってみたそうですが、これが意外と好評で、結局このリコーダーに落ち着いたんですって。あと「高い笛の音もほしいな〜♪」とのご要望があったそうで、ソプラニーノでオクターブ上を重ねて、全部OKとなったそうです(^o^)
 
この「味の素」のCM、録音してからもう1ヶ月以上も経ってるし(編集が遅くてゴメンなさ〜い(^^ゞ)もうオンエアされてる可能性は大ですよね。このところ、ちょっとテレビを見る時間が減ってる私はまだチェックできてませんが、見かけた方は是非このときの様子を思い浮かべながらバックの音楽に耳を傾けてみてくださいねo(^-^)o
 
小池さんご夫妻)、リコーダー(おっちゃん)、ファゴット(大畠條亮さん・前田正志さん他、女性1名)、チューバ(佐藤潔さん)、ギター(伊丹雅博さん)でした。

 

 

350 石川さゆり「明治座5月公演・長崎ぶらぶら節」(若草 恵)

2006年4月23日。サウンドインのAスタで、若草 恵さんとのお仕事がありました…なんですが、実はこの日、おっちゃんは何と京都からこの現場に直行することになったんです。とは言っても、別に京都でお仕事があったわけではないんですが、とにかくお昼ごろに京都を出る新幹線に乗って、夕方には無事にスタジオ入りしたそうですよ。でも、うちのHPをよく読んでくださってる方は、ここでもう1つ何か思い出すことはありませんか? そう、この日は大島ミチルさんも、お仕事で京都入りしてたんです(こちら参照)。結局、おっちゃんと大島さんは、京都駅ではわずか30分ほどの差でお会いすることはできなかったようですが、そのあと私が大島さんにお会いしたときに「実は今日、旭さんも京都にね…」みたいに話すと「えぇ〜っ!!」と、かなりビックリされてました(^-^)

さて、前置きが長くなりましたが、この日は石川さゆりさんが出演される「明治座」の5月公演「長崎ぶらぶら節」の音楽録りでした。同じ劇伴でも、こちらはステージで使う音楽です。あ、「長崎ぶらぶら節」と言えば、2000年に公開された吉永小百合さん主演の映画もありましたが、これに気づいたおっちゃんは「おっ! 同じ‘さゆりさん’つながり…じゃの〜♪」なんて、ちと得意げでしたよ。ちなみに、映画の方の音楽は大島ミチルさんでした(^.^)b

で、この日の音楽は、劇伴的な部分と歌の部分があって、オリジナルの歌も幾つか入ってたそうですが、楽譜の量としてはそんなに多くなかったみたいです。ただ、いわゆる「直し」がほんとに多かったのと、何度も何度も演奏してみる…という、いつもよりかなり念入りな録音をされてたようで、もともと予定してた終了時間の時点でも、まだほとんど録れてなかったようです。まあ、私も「もしかしたら少しくらいは押すかもな〜?」なんて気楽に構えてたんですが、さすがに終わる予定の時刻を1時間をすぎたころには「あら…そういや今日はまだ‘終わった〜♪’コールがないような…どうなったんやろ?」なんて思ってると、ちょうどおっちゃんから「いつ終わるか全く分からん…(+_+)」みたいなメールが入りました。で、そのころ現場では、京都から直行したために車のないおっちゃんを始め、何人かの方が帰りの電車を心配してそわそわしだす様子も見えてきたとか…。

…と、ここでヴァイオリンの小池さんとおっちゃんから教えてもらった裏話を1つ。何でも、バブルのころは、夜の11時をすぎると、全員に自宅までのタクシー代を出してくれたそうですよ。まあ、全員といっても同じ方面の方は3人くらいで相乗りをしたことが多かったようで(最後になる人は大変じゃ(^^ゞ)、インペク屋さんは「え〜っと、○○さんと△△さんが一緒で…」って感じで割り振りに大忙しだったみたいですけどね。また、いくら乗り合わせるといっても、神奈川県や千葉県から来られてる方にまではどうだったか分かりませんが…いや、おっちゃんちにある色んなコラムを読むと、バブルの時期はかなり美味しい待遇があったようなので、どんなに遠いところでもちゃんと出してもらえてたのかもしれませんね。でも、最近はやはり厳しいものがあるようで、お仕事を頼まれるときにインペク屋さんから「押す可能性があるんで、車で来てください」って言われたり、現場でも「帰れなくなる人は先に帰ってくださ〜い!(もちろん、編成上あまり問題のない状況を確認してから)」なんて言われることがあるようです(;^_^A

あ、そうそう、今回のレポを作るに当たって、こうして小池さんにも色々とお話を伺ったんですが、最近の小池さんはどうやら「ケロロ軍曹」にハマってるらしく、メールのところどころに「…であります」「…っていうか〜○○○○(←ここに様々な四字熟語が入ります)」という、あのアニメならではの言い回し方があって、ほんとに楽しくお話させていただいたんですよ。何か、あのマジメそうな小池さんからは、ちょっと想像がつかないでしょ? でも、いつも本当に優しくユーモアたっぷりで色んなお話を聞かせてくれる、素敵なヴァイオリニストさんなんです(*^^*)

話は戻って…この日は結局、コントラバスの方はご自分の出番が終わった時点で他の弦の皆さんを残して先に帰られ、仮歌を歌いにいらしてた石川さゆりさんご本人も、途中で帰られたそうです。でも、現場にいらっしゃるときの石川さんの歌いっぷりは、とても初めての曲とは思えないような素晴らしいものだったそうですよ。

その後、おっちゃんたちは何とか12時すぎには終わって(つまり3時間半の押し!)、おっちゃんは無事に終電に乗ることができたそうですが、弦の皆さんには都合で先に帰られたお1人以外の全員にタクシー券が出してもらえることになったそうです。これだけ押してもミュージシャンさんたちへのギャラの追加料金も大丈夫で、さらにタクシー代も出してもらえるなんて、さすが大物歌手は違いますよね〜。おっちゃんや小池さんも、とても感心してました。で、おまけのエピソードとしては、キーボード(ピアノ)の方は何と夜中の3時半までかかったそうですよ(@_@;)
 
編成は、弦(小池弘之さんのグループ:64221)、ヴァイオリン・ソロ(加藤ジョーさん)、フルート(おっちゃん・金子奈美さん)、オーボエ(石橋雅一さん)、クラリネット(星野 正さん)、ファゴット(大畠條亮さん)、ホルン(南 浩之さん他2名)、パーカッション(堅田さん・金山さん)、三味線(別録り:?)、ドラムス(見砂さん)、ベース(ミッチー長岡さん)、ピアノ(古田りんずさん)、ギター(千代正行さん)、指揮(D島公二さん)、エンジニア(吉田俊之さん)と、とても豪華だったようです。おっちゃんの話では、木管がファゴットまで入ったり、和楽器の堅田さんがいらっしゃってるのも、こうした劇伴では珍しいのではないか…とのことでした。
 
また、弦セクションは小池さんのグループでしたが、それとは別にソロで加藤ジョーさんがいらっしゃってたのも、珍しいところかも…ですね。こういった劇伴の録音の中でヴァイオリンにソロが出てきたときは、弦のトップの人(この場合でいうと小池さん)が弾くんだそうですが、今回は編成の規模から考えて「小池さんが抜けると、全体のバランスがちょっと…」みたいなことや作・編曲家さんの意図、はたまた大人の事情(?)など色んな事情があって、こういう編成になったんだと思います。

何はともあれ、もともとの拘束時間よりも押した時間の方がずっと長い…という、とても珍しいケースのお仕事は無事に終了しました。問題は私の編集の遅さでして…せっかく皆さんがこんなにまで頑張ってこられたお仕事を、公演中にご紹介することができませんでした。このときの音楽があとでCDやDVDになればいいんですけれど、そうでなければ、もう誰も聴く機会がないってことですよね…ほんと、ごめんなさ〜い(^^ゞ

 

 

349 パイオニアのDVD・沖縄編(大島ミチル)

2006年4月15日。大島ミチルさんとのお仕事で、港区麻布台にあるサウンドシティに行きました…と、いつものような書き出しですが、今回は何と「私」が行ってきました(もちろん、おっちゃんも参加してますけどね)。さて、いったい何でこんなことになったかと言うと、実はこの録音のあった4月15日と翌日の16日、私は別件で上京する予定になってたんです。で、せっかく上京するなら、もちろんおっちゃんにも会いたいし、それこそHP仲間の皆でオフ会もしたいし…なんてことになったんですが、おっちゃんはこの日すでに大島さんとのお仕事が入ってたんです。で、それならHP仲間の皆とサウンドシティ近くのファミレスで、おっちゃんのお仕事が終わるまでお茶して待っていよう…ってことになりました。で、その旨を大島さんにお話してたら「近くにいるなら、ぜひスタジオのロビーまで来て♪」って言ってくださったんです。もう、嬉しいやら、ビックリするやら…(^◇^;)

さあ、ここからが大変。いくら、普段こうしてレポさせていただいてるといっても、あくまで私は一般人。それがプロの方々の大事な現場をウロつくのはどうか…と、かなり悩んだんですが、マサさんからは「サウンドシティのロビーは大丈夫。僕もタジタジも早めにいくから、おいでよ」なんて言われるし、おっちゃんも「わしは2時前に行くから、先に行って大島さんに会うてきなはれ〜!」ってお気楽に言うし…で、最終的には、大島さんの「ロビーで待っててくれたら嬉しいです♪」の一言にのぼせ上がって、大島さんがスタジオ入りされる午後1時前にチラッとだけお邪魔させていただくことにしました(^^ゞ


これは、神谷町のファミレスでオフ会をしてたHP仲間の皆。こんな皆に見送られて、私は地図を片手にスタジオまで歩いていくことに…で、何とかそれらしきところに着いたところで、ちょうどおっちゃんから「着いたか?」の電話がありました。はいはい、確かに話に聞いてた2階建ての駐車場は見つけたけど、一体どこがスタジオの入り口やら…とキョロキョロしながら電話してたら、どこからともなく「ゆみちゃん!」の声が…。すると、そこには車から降りたばかりのマサさんが立ってて、手招きしてくれてました。もう、このあたりから私の緊張度はMAXです(+_+)

何か、ろくに「はじめまして」のご挨拶もできないまま、足早にスタジオまでの階段を駆け下りていくマサさん。で、その後ろを必死でついていってる私の方に振り向いて突然「はい、景品とお土産!」って言いながら白い紙袋を渡してくれ(ちょうどこの前日、私はマサさんの謎なぞに正解したんです♪)、また一気に駆け下りていきました。


地下3階まで降りるとすぐに、大島さんとの待ち合わせの場所になってたロビーらしきところがありました。すでに弦の方が何人かいらしてて、その方たちにマサさんは「旭さんのHPのゆみちゃん」って紹介してくれたあと、今度は「こっちがうちの三男で、あっちが長男…で、こちらが城戸おねえさま…」と、おにぎりを食べながら色んな人を紹介してくれました。ついでにこんな写真なんかも撮ったりして…(;^_^A

で、そんな話に夢中になってたら、知らない間に大島さんがスタジオ入りされてて、しかもアッという間にスタジオの奥まで行っちゃってました…。それに気づいたマサさんが「ミチルちゃん、行っちゃったよ。こっち、こっち〜!」なんて言うので、そのままついていくと、目の前にはおっちゃんがいつも撮ってきてくれる写真で見てた風景と同じ…でも、生のサウンドシティのフロアが広がってました。ロビーまでは行っても、絶対にスタジオには入らないでいよう…と思ってたのに、何という展開。で、そのフロアの真ん中にたたずむ大島さんは、冗談でも大げさでもなく、ほんとにふわぁ〜っと輝いて見えたんですよ(*^-^*)

こちらがその、私にとっては2003年の和田さんのコンサート以来、2年半ぶりの再会となった大島さんとマサさん。マサさんは「いつもHPではハイサワーを持ってるけど、今日は紅茶で…」なんて言って、お昼ごはん用の紅茶を前に出してポーズ♪

何か、このあたりからはもう夢なんだか現実なんだか、とにかく今の自分が置かれてる状況が理解できなくなって、何を話したか覚えてませ〜ん(^^ゞ

ただ、ファミレスに残してきた皆のために…と、写真だけはしっかり撮らせていただきました〜。


こうして無事にご挨拶でき、そろそろ失礼しようかと思ってたら、いきなり大島さんから「録音、見ていったら?」のお声が…実は、事前のメールでも一度お話をいただいてたんですが、やはり私自身の立場を考えてお断りしてたんです。で、このときも「いえ、それは…」って言いかけたら、どこからかマサさんが椅子を持ってきて「はい、ここがゆみちゃんの席♪」なんて感じで、すでにセッティングしてるではありませんか…! しかも、ファーストヴァイオリンさんたちのすぐ後ろに…ほんと、すぐ隣の人のヴァイオリンの棹っていうか、先っぽの部分が私の肩と触れそうな距離のところなんですよ(@_@;)


何だかもう嬉しいやら申し訳ないやら…の大パニック状態のまま席につき、とりあえず全体の雰囲気を撮ってみました(写真にカーソルを乗せると、画像が切り替わりますよ♪)。

この写真を見ても分かるように、ほとんどの人が練習なんかせずに、それぞれの時間を楽しんでるんです。楽譜はすぐ目の前にあるのにね…で、私が見てた限りでは、何やらお土産のお菓子をたらいまわしにしてたのが印象的でした(ちょうど温泉帰りが2人ほどいたそうです(^.^)b)。

チラッと後ろから覗かせてもらうと、楽譜にはけっこう音符が並んでて、難しそうに見えたんですけどねえ…


あ、この日の録音は、2003年10月に録音が行われたパイオニアのDVD(76番参照)と同じシリーズのもので、前回は京都にちなんだものでしたが、今回は沖縄のものなんですって。前回の京都編については、こちらも参考にしてください。で、この録音のちょうど1ヶ月くらい前…そう、3月に行われた静岡県袋井市の市歌の録音(335番)やキョーリン製薬の社歌の録音(340番)のころに大島さんの方から「琉球竹笛という沖縄の笛があって、それが使えれば…」というお話があったようで、おっちゃんはネットで色々と調べてみたそうです。すると、「琉球竹笛」というのはどうやら商品名のようで、そのネット上にある写真で見た限りでは、篠笛や龍笛などに使う「女竹(篠竹)」ではなく、箒(ほうき)の柄などに使っているのと同じ種類の竹を使ってる笛のように見えたんですって。

穴の配列などは、おっちゃんが使っている自作の笛や市販のドレミ調の笛とあまり変わらないものがメインのようですが、中には伝統的な等間隔に孔を開けてあるものもあったとか…そのほかにも中国製の明笛の響孔を塞いで使っているものとか、篠笛を使っているものなど、けっこう色々とあるようで、あまりちゃんとした定義はないように思えたそうです。で、急きょ取り寄せてみようかな…とも思ったそうですが、実際にスタジオで使える状態かどうかは分からないので、結局はいつも使っている自作の笛で「それらしく吹いてみよう」ってことにしたそうです。おっちゃんのこの「(全く別の楽器を使ってるのに)それらしく吹ける」ところがすごいんですよね〜!(^o^)


さて、確か録音は1時から始まる…って聞いてたのに、ほんとに12時59分まで普通に雑談して、お土産のお饅頭を食べて…って感じだったので、「ありゃ、開始時間を聞き間違えたかな?」なんて思ってたんです。

でも、ちゃんと1時ちょうどに大島さんが現れて、サッと指揮台に立つと、一瞬にしてその場の空気が変わりました。私にとっては全身がピリッとするような、何とも言えない空気に…ああ、語彙と表現力の乏しさが悔やまれます(T_T)

ここで私は「そういや、別の録音のときに、最初に各セクションが少しずつ適当なフレーズを演奏してマイクのテストをするって聞いたことがあるなあ…いまからそのマイクテストなのかな?」なんて思い出して、ついでに「そうか、そのときにチラッと演奏するのが練習を兼ねてるんだな」とも思ってたんです。


ところが、大島さんが手を振り下ろすと、いきなりそこは弦の音色の大海原に…もう、本番さながらの演奏なんです。初見なのに、しかも全くって言っていいほど練習してないのに、あまりの完成度にかなり面食らってしまったのですが、しばらくして「あ、これが大島さんの得意な1発録りってヤツなのかな…?」なんて思いながら聴いてました。でも、これはあくまでリハだったようです。演奏が終わると同時に、大島さんは副調にいらっしゃるスタッフの方々と「どう?」「あ、あそこね…はいはい」なんて感じで打ち合わせを始めました。

私はイヤフォンをしてなかったので大島さんの声しか聞こえず、いわゆる「電話をしてる人を客観的に見る」って状態だったんですが、ミュージシャンの皆さんには副調との会話の全てが聞こえてたんだと思います。しばらく打ち合わせをしたあと、もう1度やることになりました。しっかし、その副調との打ち合わせの間、私は息をしていいのやら、どこを見てたらいいのやら…で、きっとすごい顔をしてたと思います(;^_^A


これはマサさんがソロをやってるところです。
1曲目の途中で、突然マサさんが立ち上がったので何事かと思って見てたら、朗々としたソロが始まりました♪

でも、何で立つんだろう…他の人も一緒に静かに弾いてるから、その音の中からマサさんの音が浮き上がるようにするために、こうして少しでもマイクに近づいて弾いてるのかな〜?…ほんと、ド素人ならではの疑問がいっぱいです(@_@;)

この「立つ」ことに関してあとでマサさんに聞くと「今日は5.1chのためにアチコチでマイクを使ってるから、足りなかったんだよ」って教えてくれました。どうやら、普段ソロをやるときは、また違う録り方をするようですね(^.^)b


こうして2回ほど通して演奏したあと、今度は気になる部分だけを録るってことになりました。私には分かりませんでしたが、どなたかが間違ったりしたのかな…気になる部分を含むほんの何小節かを演奏して、この曲は終わりになりました。あんなわずか何小節が切り貼りできるんですもん、すごいですよね〜。いや、それより何より、ほんと1曲を演奏するのって、わずか2〜3回なんですね…これは前々から聞いてたものの、実際に目の当たりにして、皆さんの演奏能力の高さとスタッフの方々の手際のよさに改めてビックリです。

このあと、突然マサさんとタジタジさんと大島さんの3人がスタジオから出て行ったので何かと思ったら、プレイバックのチェックをしに行ってたようです。私が見た限りでは3人だけだったようですが、このプレイバックを聴きに行く人ってのは、どうやって決めるのかな…フロアに残ってた人のイヤフォンでは聴けないのかな…と、頭の中には「?」がいっぱいです(^^ゞ


続いて2曲目です。今度はピアノソロから始まって、途中で弦が入るって感じの曲です。大島さんの合図とともに、私はブースから漏れてくる小さなピアノの音に耳を傾けてましたが、皆さんはイヤフォンでしっかりと音を捉えながら、自分の出るタイミングを計ってるようでした。

で、一度サラッと最後まで通したあと、大島さんがピアノの方(パネさん)に「そこは水がポコポコと湧き出てくるように(…だったかな?)」とか何とかの指示をされて、再演奏。


このとき、フロア中で1番しっかりとピアノの音に聴き入り、ピアノに合わせて上体をゆったり揺らせながら自分の出番を待ってたのがマサさんでした。所詮は仕事だ…なんて割り切ってしまわないで、体全体で大島さんの音楽を、パネさんのピアノを楽しんでるマサさん、素敵でしたよ(*^-^*)

でも、この弦の出番が来るまでの間が大変だったんです。皆、ほんとに息を殺してピアノに聴き入ってるので、スタジオの中は水を打ったように静まり返ってるんです。で、私は先にも書いたようにイヤフォンをしてなかったので、ブースからかすかに聴こえてくるピアノの音に必死で耳を澄ませてたんですが、またもや「私、いま息をしててもいいんだろうか…」「わ…お腹が鳴りそうだ(>_<)」なんて感じで、ほんとに生きた心地がしませんでしたよ(;^_^A

こんな調子でしたが、何とか2曲目も無事に終了。ここで大島さんが「ちょっと休憩にしましょうか」っておっしゃって、一気にスタジオが賑やかになりました。するとマサさんが私の方にやってきて「そろそろ、おっちゃんが来てるはず…」なんて言いながら、そのまま外へ様子を見に行ってくれました。私も続いて外に出ようと思ったんですが、何だか腰が抜けちゃって…そしたら、おっちゃんの方が入ってきて「見学することになった…やてメールが来たわりにはコントロールルームにおらんなあと思うたら(普通、スタジオ見学はコントロールルームからするものなんだそうです)、こんなところにおったんか。何じゃ、青白い顔して、えらい縮こまって…」ってニヤニヤしてるんです。まったく、どこまでイジワルなんだか(-_-;)


で、最後まで見学していたい気持ちは山々だったんですが、ここから先のレポはおっちゃんに任せることにして、私は皆の待つファミレスへ帰ることにしました。

その帰り際に撮った1枚…おっちゃんと、オーボエの庄司さんです。庄司さんは最初からいらっしゃって、弦と一緒に素敵な音色を聴かせてくださってたんですが、ちょうど私の座ってた位置からでは、大きな柱が邪魔して見えなかったんです。ここで、やっとご挨拶ができました(^^ゞ

あとで大島さんに聞いたことですが、このあとおっちゃんは大島さんに「○○さん(←私の名字)がメチャクチャ緊張してるのがおかしかった〜!」って笑ってたそうです…何ちゅーやっちゃ(▼▼メ)


さて、ここからはおっちゃんレポーターによる現場報告です。この日はフルート以外には、先にお話した例の笛を使った曲が3曲あって、そのうちの2曲が、いわゆる沖縄音階「ド(レ)ミファソシ」の曲だったそうです。沖縄のエメラルドグリーンの海が見えてくるような、ゆったりとした素敵なメロディの曲だったそうですよ。あとの1曲は全くのフリーで、楽譜は「A sus」「G sus」なんてコードネームが書かれてたので、おっちゃんは「これだと沖縄音階にはならない…かな?」なんて考えてたら、大島さんの方から「普通のお祭りの笛のような感じで‘レミソラシ〜’みたいな音階でやってください」との説明があったそうです。で、これは篠笛が得意とするペンタトニック(5つの音からなるスケールのこと)なので、けっこうラクにできたそうですよ…って書きながら、すでに先のコードネームのあたりからは私にはあまりよく分かってません。どうぞ、分かる方だけ「ほうほう♪」って楽しんでくださいね。あ 笛はいずれもC管…つまり、邦楽的にいえば「8本調子」の篠笛を使ったそうです。

そうそう、この日の録音は、さすがオーディオのパイオニアさんの録音らしく、かなりサウンドに対するこだわりがあったようですよ(…と言っても、おっちゃんから聞いたままの受け売りですが(^^ゞ)。何でも、「5.1チャンネルサラウンド方式」で、しかも「アナログ録音」だったんですって。なので、コントロールルームもフロアの方も大きな機材がいっぱい持ち込まれてて、いつもとはちょっと違う…独特の緊張感が漂っていたそうです。また、コントロールルームのモニターまで「5.1ch」でやっていたらしいので、そのあたりからもサウンドに対するこだわりが分かりますよね(でも、そんな大変な現場にお邪魔してしまった私って…(;^_^A)。

おっちゃんは「ありゃ、エンジニアさんたちの方はかなり大変だったんちゃうかなあ。まあ、わしら演奏の方は、風景のBGMやから、穏やかな感じの曲が多うてラクやったけどな。あんたも見た通り、一度サラッと通してすぐ本番…ほんでプレイバックっちゅー感じでスムーズに進んだわ。途中で休憩をとったりする余裕もあったくらいじょ♪」なんて言ってました。

この日の編成は、弦(マサさんのグループ:86442)、フルート&篠笛(おっちゃん)、オーボエ(庄司知史さん)、ハープ(朝川朋之さん)、ピアノ(フェビアン・レザ・パネさん)、ギター(千代正行さん)、ラテンパーカッション(菅原裕紀さん)、指揮(大島ミチルさん)、エンジニア(田中さん…?)でした。

で、右の写真は、左から、大島さん・庄司さん・斉藤 順さん(ベース)・パネさんです。なかなかいい写真でしょ♪

こうして録音は無事に進み、17時までの拘束だったおっちゃんとも16時半すぎには例のファミレスで再会できました。でも、作曲家である大島さんは、まだまだこのあと色んな作業があったんでしょうね…お疲れさまでした(^^ゞ


実は、このお仕事のあと、私はおっちゃんやマサさんとの飲み会があったんですが、そのときに「練習もなしにいきなり演奏して、すごかったですね〜!」なんて言ったら、マサさんやその場に一緒にいらした作曲家さんが「うん、そんなもんなんだよ♪」と明るく爽やかに語ってくれました。いつも大島さんが日本のスタジオミュージシャンの初見演奏能力を絶賛してらっしゃいますが、今回のことで私も身に染みて分かりました。ほんと、素晴らしいです。もちろん、そのミュージシャンたちを率いる大島さんたち作曲家さんも、それを支えるエンジニアなどのスタッフの皆さんもね。ほんとに貴重な経験をさせていただいた今回の上京となりました。ありがとうございました(*^-^*)


 

 

348 アニメ「リーンの翼」最終録音(樋口康雄)

2006年4月10日。ビクターの301スタに行きました。この日は、今まで何度かやっていた「リーンの翼」の音楽録りで、今回が最終録音になるんだそうです…ってことは、第3話で完結ってことなのかなあ。何か、もったいな〜い!…なんて思ってたら、樋口さんサイトの管理人さんが「6話で完結なんですよ」って教えてくれました♪

ところで、この日、おっちゃんが開始前に樋口さんにご挨拶しにいくと、「あさひさん、今日は逆取材させていただきますよ〜!」なんて言われて、一瞬「はい〜?」って感じで頭の上に「?」がいっぱい浮かんだそうです。そこで、よく周りを見渡してみると、何やらテレビカメラを持ち込んだ取材が入っていて、それぞれのミュージシャンにインタービューしてたそうです。おっちゃんは「DVDのボーナス特典とかに使われるんかの〜?」なんて言ってましたが、真相はどうなんでしょ?

そうこうしてるうちに、おっちゃんにも「樋口さんの音楽をどのように感じられますか?」とか「今日の楽譜を見た感じは、いかがですか?」と、質問の嵐がやってきたそうです。おっちゃんはあとで「いきなりだったんと、カメラを回しながらの取材やいうもんには馴れてないっちゅーんで、何やええ加減なことを口走ってしもた気ィするわ。まあ、向こうで適当に編集してくれるやろし…ええか♪」なんて言ってましたが、「なぁ〜んだ、おっちゃんも緊張するんや〜ん!」…と、いつも私の緊張症を大笑いするおっちゃんに対して、ちと勝った気分の私です♪


そんなわけで無事に取材も済み、今度はこちらが取材させていただく番に…(^_-)-☆

このときだったでしょうか…おっちゃんと樋口さんとの間で「あのHPの管理人って、どんな人なの?」「あ、うちはね…」「で、そっちは…?」「あ、うちもね…」みたいな感じで、私と樋口さんのファンサイトの管理人「marionet」さんのことを話題にしたひと時があったそうです。いったい何を言われとんやら…(;^_^A

写真にカーソルを乗せると、さらにはじけた笑顔の樋口さんの写真になりますよ。おや、手には携帯が…樋口さんもマサさんみたいにあちこちにメールされたりするのかしらん?

今回は5時間という拘束時間だったそうですが、現場で配られた楽譜の量を見た感じでは「いくら何でも、5時間もはかからんやろ…」なんて思ってたそうです。でも、今回もどの曲も決して簡単ではないので、どうしても差し替えも多くなるし、1曲ごとにプレイバックしてチェックしてたみたいなので、やっぱり5時間ちかくかかってしまったそうです。まあ、1曲ごとにプレイバック…というのは、これが本来あるべきスタイルなので、これで時間がかかるのはある意味では喜ばしいことなんでしょうけど、あっちもこっちもで差し替えしてて時間がかかるというのは、なかなか大変なものがあるようですね…(;^_^A
 
この、自己申告による差し替え希望が多いときは、あらためて全体でもう1回やった方が早く終わる…ということもあるそうですが、もう1回やって更に差し替え…という事態にもなりかねないし、あまり何度も繰り返すと、特にブラスセクションなどはバテてきてしまう…なんてこともあるようなので、このあたりの判断が難しいところみたいです。で、樋口さんは、どちらかというと全体でやり直したい…って感じだったらしいので、このケースでいった方が多かったみたいですが、心配していた「その上さらに差し替え」ってこともなく、結果的にはこの「全体でやり直し」というので成功してたみたいですね(^o^)


こちらは、ベルベットラインの社長さんで、今回のインペク屋さんでもある太田敏明さんと樋口さんとの2ショットです。

おっちゃんは、このヒゲのコンビが面白いなあと思ってカメラを構えたんだそうですが、太田さんが「あたしゃ、いいよ〜!」なんて言いながら少しずつ逃げて行ったんだそうです。そこをちょっと無理して撮ったらしいので、こんなに離れた2ショットになっちゃったそうです。

う〜ん、ヒゲ面さんがギュッと引っ付いて並んでたら、かなり面白い絵だったかも…惜しい!(^◇^;)


そうそう、この日の音楽もフラットがいっぱい付いてたりして、けっこう難しいキーの曲が多かったんですって。で、おっちゃんは休憩時間にそのあたりのことを樋口さんに聞いてみたそうです。すると、「ぼくの場合、音楽が絶対音的に浮かんでくるんで、あとでそれを他のキーに移調する…なんてことが、なかなかできないんだよね〜!」っておっしゃってたそうです。これに対しておっちゃんは「わしみたいにナマクラな音感の持ち主には、なかなか分からんこっちゃのぉ〜」なんて言ってましたが、私からしてみれば、どちらさんも神業のようなことをされてるわけで…はい。とにかく、これからのご活躍にも大いに期待しています(*^-^*)

この日の編成は、弦(マサさんのグループ:86642)、フルート(おっちゃん・金子奈美さん)、オーボエ(石橋雅一さん)、クラリネット(十亀正司さん他1名)、ファゴット(塚原里江さん)、ハープ(田口さん)、トランペット(菅坂雅彦さん・横山均さん)、トロンボーン(中川英二郎さん松本 治さん・山城純子さん)、チューバ(佐藤潔さん)、ホルン(南浩之さん・大野さん他2名)、パーカッション(大石真理恵さん他1名)、ピアノ(大隅さん)、打ち込み&シンセ&指揮(樋口康雄さん)、エンジニア(吉田俊之さん)…と、前回(307番)よりは少し小さくなったセクションもあるようですが、それでもなかなか豪華な編成だったようです。

この「リーンの翼」ですが、2006年4月21日から第2話「ホウジョウの王」がネット背信されています。また、同4月26日には第1話「招かれざる者」を収録したDVDがリリースされてるようですね。この日に録られた音楽は第3話から第6話に分けて使われることになるわけですが(第2話の配信にもギリギリ間に合ったりしたのかなあ…?)、いずれにしても最近のアニメの劇伴の中ではかなり豪華な編成のこの作品、どうぞネット配信で、DVDで、じっくり楽しんでくださいねo(^-^)o


 

 

347 ドラマ「富豪刑事」(辻 陽)

2006年4月7日。サウンドインのBスタに行きました。この日は「富豪刑事」というドラマの劇伴で、作曲は辻 陽さん。おっちゃんは、現場では「今日のお仕事は寺嶋民哉さん」という風に言われたそうで、このレポも最初は「公式サイトには辻 陽さんってなってるけど、どうやら寺嶋さんの音楽みたいです…」みたいな感じで書いてたんですが、その後、やっぱり辻 陽さんのお仕事だったことが分かりました。インペク屋さんか誰かが、何か勘違いされてたのかな?

さて、この「富豪刑事」は、1978年に筒井康隆さんによって書かれた小説で、大富豪の御曹司が、父親の巨大な遺産を駆使して次々と迷宮入り寸前の事件を解いていく…というものだったのですが、テレビ版ではその御曹司の娘…いわゆる大富豪の孫娘が主役で、次々と難事件を解決していくようですね。おっちゃんはずっと昔にこの原作を読んだことがあるようですし、前回のシリーズ(2005年1月に放送)は何度かテレビで見たことがあるそうなので、「おおっ、これにわしが…!」みたいな感じだったのかもしれません(^^ゞ

で、録音のお話ですが…この日はおっちゃんの出番の前に弦セクションがやってたみたいで、そこにフルートとクラリネットとホルン2本でのダビングだったそうです。いわゆる普通の(?)刑事モノのドラマと比べるとかなりコミカルタッチのドラマだと思うのですが、おっちゃんが参加した分の音楽はちょっとサスペンスっぽい感じの曲だったみたいですね。ほかには、バロック風の曲も1曲あって、全体的にはわりとクラシックな感じのものが多かったようです。そういや、あの、ほんとにギャグ漫画のようなシーンでは、楽しげな打ち込みの音楽だったような気もするなあ…で、大富豪の孫娘を「売り」にして潜入捜査なんかをするシーンでは、ちょっと優雅な感じの音楽だったので、この日に録られたのも、そんなシーンで使われるのかもしれませんね。

ダビングの編成は、フルート&ピッコロ(おっちゃん)、クラリネット(?)、ホルン(大野さん他1名)でした。

 

 

346 韓国オンラインゲーム・名称未定(岩垂徳行)

2006年4月3日。サウンド・インのCスタに行きました。この「Cスタ」というのはうちのレポでは滅多に出てきませんし(出てきたことあったかな?)おっちゃん自身もあまり行くことはないそうですが、ダビング用の小さなスタジオなんだそうです。このサウンドインには、いつもレポに登場するAスタやBスタのほか、こういう小さなスタジオが5〜6個あるんだそうですよ(^.^)b

さて、この日は岩垂徳行さんのお仕事で、韓国のとあるオンラインゲームの音楽録りでした。このゲーム、岩垂さんからの情報によると、ハングル語と英語で制作されているようです(つまり、私には理解できません)。で、今のところ、日本でも発売されるのかどうかは分からないんですって。


おっちゃんは、今までに何度か岩垂さんとお仕事をご一緒したことがあるそうですが、いつも何かしら時間に追われて、ゆっくりお話する機会がなかったそうです。でも、この日は1人でダビングということもあって、名刺交換などをしながら、色々とお話できたそうですよ。

ちなみに、右のイラストは、その岩垂さんの名刺に印刷されてたもので、岩垂さんのお友達が描いてくれたものだそうです。随分とお気に入りのようで、ご本人のオフィシャルサイトのトップにも使われてますね。うん、下に出てくる2ショットの写真と見比べても、ほんとによく似てますよね♪


事前に「ケーナを使いたい」というお話があったみたいですが、この日はフルートとピッコロのみでした。このピッコロに関しては、特にピッコロ…という指定はなかったそうですが、楽譜を見た上で、音域が高すぎるところやトリルに無理がある箇所を、おっちゃんの判断でピッコロに替えたってことみたいです。

ゲームのシーン(内容?)としては、ソフトな感じの部分と、エスニックで不思議な雰囲気の部分があるんだそうですが、この日はそのソフトな部分の音楽が多かったみたいです。ほほぉ…確かに、岩垂さんご紹介のサイトを見てみると、何やら怖そうな顔をした人と、かわいらしいアニメのキャラが登場するシーンがあるようなので、今回はその、かわいらしいアニメのシーンで使われる曲をメインに録られたのかもしれませんね。で、あとのエスニックで不思議な感じのシーンで使う予定のケーナは、また日を改めて…とのことだったようです。


こちらは、岩垂さんとの2ショットです。

この写真でも、また↑にあるイラストでも岩垂さんの気さくさが伝わってきますが、ご自身のサイトのブログやBBSなんかを覗かせてもらうと、岩垂さんのユニークで温かなお人柄がよく伝わってきますよ♪


おっちゃんの話によると、このゲームの音楽は、全体的には打ち込みがメインになるんちゃうか…とのことでした。でも、おっちゃんがダビングする時点では、先にヴァイオリンが入ってたようですし、おっちゃんが帰るときにはトランペットの方が来て待機してらしたみたいなので、ちょこちょこと生楽器も入るみたいです。こういったところは、うちのようなサイトとしては嬉しいことですね〜。もちろん、色んな「大人の事情」があるかとは思いますが、生楽器でできる部分は、できるだけ生楽器を入れてほしいなあと思う私なのです(^^ゞ

ところで、ゲーム音楽っていうのは、ゲームをやってる間ずっとバックで流れてるってことが多いようなので、どのゲーム音楽の録音に参加しても、いつも「曲がおそろしく長い」という印象があるおっちゃん。今回もやはり、かなり長いものが多くて大変だったみたいです…でも、機械的な繰り返し部分は、ワープロなんかのコピー&ペーストみたいな感じで、最初にやったものを「貼り付ける」ということで、だいぶ時間と労力が省けたようです。良かった、良かった♪

最初にも書きましたように、このゲームは今のところは日本での発売の詳細は分かっていません。でも、どこかでこのゲームのことを見かけたら、是非おっちゃんや岩垂さんの顔を思い浮かべてあげてくださいねo(^-^)o


 

 

345 JOMOのCM(藤田曜子)

2006年3月23日。ON AIRスタジオのBスタに行きました。このBスタは地下にあるそうで、ブースには3人くらいなら入れるかな…という感じのところだそうですが、この日はおっちゃん1人でオカリナのダビングでした。

その内容ですが、皆さん「あ、JOMOだ!」のキャッチフレーズでお馴染み「JOMO」のCMで、作曲は藤田曜子さん。CMの音楽ではかなり仕事をしてらっしゃる方で、おっちゃんも何度かお仕事をご一緒したことがあるようです。で、今日は何と、11ヶ月の赤ちゃん連れで来られてたそうですよ。まるまるとして、ほんとにかわいい赤ちゃんだったとか…でも、途中で授乳があったりして、けっこう大変そうだったようです。はあ…私も一昔前を思い出しますねえ。藤田さん、がんばって〜!
 
そうそう、この日は ディレクターの古泉さんとおっしゃる方も女性で、いきなり「息子さん、お元気ですか〜?」って言われて、おっちゃんはビックリしたそうですが、どうやら、おっちゃんちの息子さんが前にお仕事でお世話になったことがあったみたいですね。色々とビックリすることの多い、この日の録音です(^^ゞ

さて、その肝心のオカリナですが、ちょっと音域が厳しいかな…というところがあったらしくて、おっちゃんは「途中で楽器を替えてやろうかな…」なんて思ってたそうです。で、藤田さんの方からは「もし無理だったら、別録りにしま〜す」なんて言われたので、ほなまあ…と、とりあえず通して吹いてみたら、これがまたほとんど違和感がなかったので、そのままOKになっちゃったそうです。おっちゃんの話では、オカリナの録音は強い音と弱い音が両極端になって難しいらしいのですが、この日のブースがよく響く感じだったのが幸いして、うまくいったみたいですね。サイズ違いを録っても、正味20分くらいで終わっちゃったみたいですよ(^.^)b

あ、この日に録られた音楽は、「JOMO」のHPの「CMのページ」に掲載されているどれかだと思うんですが、なぜか私のPCではやたら重くて上手く聴けないので確認できません…。でも、オカリナのソロが聴こえてきたら「わあ、おっちゃん!」って思って、耳を傾けてみてくださいね。私はオンエアで確認できるのを楽しみにしてま〜す(^^ゞ

 

 

344 映画「クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶ 踊れ!アミーゴ!」(若草 恵ほか)

2006年3月22日。サウンドシティのAスタに行きました。この日は、このところは歌モノのアレンジが多い若草 恵さんの久々の劇伴で、映画「クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶ 踊れ!アミーゴ!」の音楽録りでした。サブタイトルに「踊るおバカに見るおバカ‘世界サンバ化計画’進行中」と、少し徳島の阿波踊りの「踊る阿呆に見る阿呆 同じ阿呆なら、踊らにゃ 損!損!」というフレーズを感じさせるようなものがついてて、とにかく賑やかな映画のようですよo(^-^)o

あ、実はこのレポを編集する数日前に、若草さんと同じイマジンに所属してらっしゃる田中公平さんが手がけた劇場版「ワンピース・カラクリ城のメカ巨兵(324番参照)」を子供たちと観に行ったんですが(これも場内のあちこちから笑い声が起こるくらい面白くて、音楽もすごくカッコ良かったです♪)、その映画の前の宣伝でこの「クレしん」をやってたんですよ。そりゃもう、しんちゃんもみさえもひろしも、皆でド派手に踊りまくるんです…が、そんなサンバの陽気なリズムとは裏腹に、何やら恐ろしい影が忍び寄ってくるって感じで、音楽も両極端。かなり見応え・聴き応えがありそうでしたよo(^-^)o

そんな音楽の録音は、最初の1時間は弦だけで、おっちゃんたち木管やブラスはあとから入ったそうです。そうそう、今回の映画の音楽は、実際には若草 恵さんと荒川敏行さん、それに丸尾 稔さんの3人の共作なんですって。で、若草さんが書かれた分でおっちゃんたちが参加した部分に関しては、どちらかというと劇伴的でサスペンスっぽい曲が多かったとか…。それに対して、後半の弦の編成が小さくなってからやった「春日部音頭」「サンバ1」「サンバ2」というのは荒川さんの曲だったそうですが、これはもう劇伴というよりは1つの独立した曲って感じで、春日部音頭はいかにも「クレしん」らしいユーモラスな音頭、サンバ1や2はブラス隊も大活躍のノリノリのサンバだったそうです。

で、いずれも先に録ってあったリズム隊(打ち込みを含む)にダビングだったそうですが、その中に、この日の編成では見かけなかったサックスの音が入っていたので不思議に思ったおっちゃんは「これ、誰なの?」って聞いてみたんですって。すると、これは何とアレンジャーの荒川さんご自身が吹かれたんだそうですよ。ほんと、皆さん色んな才能をお持ちなんですね〜。こうして、おっちゃんたちの出番が終わったそのあとは、ブラス隊だけで丸尾さんの曲をやっていたようです(^.^)b
 
この日の編成は、弦(小池ストリングス:64222→44221)、フルート(おっちゃん・金子奈美さん)、オーボエ(石橋雅一さん)、クラリネット(十亀正司さん)、ファゴット(大畠さん)、トランペット(菅坂雅彦さん、横山均さん、荒木さん)、トロンボーン(松本 治さん他2名)、チューバ(佐藤 潔さん)、ホルン(南さん他2名)、パーカッション(越野さん・たからさん)、サックス(荒川敏行さん:別録)、ピアノ(松田真人さん)、ギター(千代正行さん)、ラテンパーカッション(またろうさん)、指揮(D島公二さん)、エンジニア(中村さん)でした。

この映画は、2006年4月15日から公開されます。劇場版のクレヨンしんちゃんは、テレビ版のとはスケールも迫力もスピード感も全く違って、ほんとドキドキ・わくわく・爆笑の連続で楽しいんですよね。今回はそこに3人の方がそれぞれの個性を発揮した音楽をつけられて、さらに盛り上げてくれることでしょう。どうぞ、お楽しみにo(^^o)(o^^)o

 

 

343 アニメ「ストロベリーパニック」(平野義久)

2006年3月21日。恵比寿の駅の近くの「広尾」にある、「マジック・ガーデン」というスタジオに行きました。おっちゃんは、ここには初めて来たそうですが、何でも、ランティスという会社のスタジオなんですって。有名な「一風堂」というラーメン屋さんの隣りにあるビルの地下にあって、綺麗な作りのスタジオだったそうですよ。余談ですが…この日はこのおっちゃんがお仕事に向かってる時間帯に、WBCの決勝戦が放送されてたんです。で、車の中から到着までラジオで試合の様子を楽しんでたそうですが、4対1で日本が勝っているところでお仕事の開始となりました(^^ゞ
 
で、そのお仕事ですが、ちょっと前にやった「ストローベリーパニック」というアニメの劇伴の追加録音でした…なんですが、どういうわけか、初回録音のレポートが抜けてますよね。私の催促ミスか、おっちゃんの送り忘れか…とにかく、今から思い起こして書いてくれっていうのはとても無理な話で、諦めざるを得ません…残念(>_<)

さて、この日は1人でダビングで、全部で7〜8曲やったそうです。その中に1曲だけ篠笛にするかピッコロにするか…というのがあって、まず篠笛でちょっとやってみたそうですが、どうもイメージが違ったようで、結局ピッコロに落ち着いたそうです。とにかく、どの曲も全てソロっぽいもので、しかも最初から最後まで吹きっぱなし…みたいな曲ばっかりだったそうで、けっこう唇が大変だったみたいですね。うん、何となく分かるような…ずっと横笛を吹いてると、もちろん唇自体がバテてくるんですが、それ以外にも唇の両端の筋肉が疲れてプルプルしてきて辛いんですよね…。でも、こういう場合に「録音」というのは便利なようで、部分的に録ってもらったり、前半と後半に分けて録ってもらったりしたそうです(^.^)b

そうそう、先にお話したピッコロの曲のほかにもピッコロを使ったのが2曲ほどあったそうですよ。で、その曲想というと、ほとんどはバレエ音楽を思わせるようなクラシックっぽい感じで、1曲だけちょっと現代音楽風な曲があったそうです。平野さんといえば、別レポにあった「桜蘭高校ホスト部(328番)」というアニメでもクラシックをベースにした面白いアレンジの曲を数多く披露されてるようですから、こちらも大いに期待できそうですよねo(^∇^)o
 
録音の合間の雑談では、平野さんは和歌山のご出身だ…ってお話が出てきて、おっちゃんは「昔、紀州の古座川流域に笛作り用の竹を採りに行ったことがあるんだよ〜」なんてお話をしたそうですよ。吹くのは大変な部分もあったようですが、とても楽しいひと時が過ごせた録音だったようです(^o^)

このアニメは、テレビ神奈川・テレビ埼玉・ちばテレビ・テレビ大阪・テレビ愛知・キッズステーションなどで、2006年4月から既にオンエアされています。深夜アニメですが、ぜひビデオを活用して見てみてくださいね。それにしても、公式サイトのスタッフの欄に「音楽:平野義久」って一言がないのが、寂しいなあ…こんなに頑張ってらっしゃるのに。でも、こういうのって意外と多いんですよね。もっともっと劇伴に目を向けてもらえるよう、これからも小さな小さな一歩ながらレポ作成を頑張っていきたいと思いますo(^-^)o

追記:第1話の最初が見られる動画(Youtube)を見つけましたが、埋め込みができない設定になってるようなので→CLICK HERE

 

 

342 ゲーム「大航海時代 On line」(三宅一徳)

2006年3月20日。サウンドインのBスタに行きました。サウンドインでBスタというと、例の中2階の小部屋に入ることが多いおっちゃんですが、この日は1人でダビングだったので、フロアの真ん中でやらせてもらったそうです。それはそれは気持ち良かったみたいですよ〜♪

この日は事前に「かなり色んな楽器を使うらしいから、そのつもりでね♪」なんて言われてたみたいなので、とりあえず、いつも持ち歩いている標準セット(何じゃ、そりゃ?(^^ゞ)の他に、ケーナ・ホイッスル・パンパイプ…などを持ち込んで、気合を入れて録音に臨んだそうですo(^-^)o
 
あ、そうそう、 この日のお仕事は「大航海時代 On line」という「(株)コーエー」から発売されてるゲームだそうで、タイトルの通り、ネットを通じて遠く離れた誰かと対戦できるようになってるゲームなんですって。で、オンラインゲームなら、ゲーム機が1台もない我が家でもできるのかなあと思ってサイトのあちこちを見てみたら、何と「無料体験期間」なんてものがあるじゃないですか…! で、この無料体験版ってので、おっちゃんの音色が少しでも聴けないかな〜なんて思ったんですが、それができるようになるまでの登録やら何やらの時点でよく分からなくて断念してしまいました…ほんと、ひどいPC音痴の私です(-_-;)

そんなわけでゲームの内容はイマイチわからないんですが、大航海…っていうくらいだから、メインは海上で、ときどき色んな国に立ち寄るって感じなのかなあ。とにかく、ゲームの中のキャラクター(プレイヤーっていうのかな?)には、発掘家、地図職人、生物学者、宝石商…などなど色んな職種が用意されてるみたいですよ。それにちなんで、音楽もアジアやポリネシアっぽい感じの…でも、はっきりとどこの国って感じのものでもない、おっちゃんがよく使う言葉を借りて言えば「国籍不明的エスニック」っぽいものが多かったようです。

さて、その録音ですが、三宅さんの「フルートから始めましょうか♪」という言葉で、フルートの曲から録ったそうです。おっちゃんの話では、最初にパンパイプなんかをやってしまうと、アンブシャー(口の具合)がおかしくなってしまってフルートが吹きにくくなることがあるそうなので、フルートから…というこの一声は、とても適切な配慮だったみたいです。う〜ん、こうなると、作曲家さんっていうのは色んな楽器の音色や音域を知るだけでなく、こうした演奏のときの「勝手」も知っておく必要があるわけですね。いや〜奥が深いなあ!

で、フルートに関しては、ほとんどが1発OKみたいな感じでスムーズにいったそうですが、そのあとにやった諸々の笛はけっこう大変だったそうです。あ、この日に使った楽器は大まかに分けて4種類。まずは低めのエスニックな笛ですが、これはG管の篠笛でやったそうです。このGという音域だと、無意識のうちに尺八みたいになりがちなんだそうですが、三宅さんからは「なるべくそうならないように…」という指示があったみたいなので、ビブラートをなくして音程をかなりはずす、装飾音符のパターンを工夫する…などして対応したそうです。どうも、日本人がエスニック調の笛を吹くと、高音域は篠笛で低音域は尺八みたいになっちゃうんだそうですよ。特別に邦楽器を習ってなくても、知らず知らずのうちに日本人の血が騒ぐってことなのかなあ。何にしても、すごいレベルの話です(;^_^A

そのほか、16分音符で動きまわる曲もあったそうで、サンプルを聴かせてもらうと、わりと高音域で響孔のある笛みたいな音が入ってたそうなので、これにはC管の明笛を使ったそうです…って、このサンプルっていうのは、三宅さんが「こんなイメージで…」みたいな意味でシンセか何かで作って持ってこられてた音源のことなのかなあ。だとしたら、いつもは写譜屋さんが書いてくれた楽譜だけで作曲家さんの気持ちを読み取って演奏してるおっちゃんも、こんなサンプル音源があると随分とラクなんじゃないかなあ。

いちばん大変だったのはパンパイプだったそうで、臨時記号を含む部分や、かなり早いテンポの上に苦手な跳躍を含んだものなど4曲ほどあって、これらは部分録りで対応させてもらったそうです。これ、どんなシーンで使われるのかなあ…やっぱり一度はこのゲームやってみたいなあ。あ、でも、どんどん敵をやっつけて進んでいかないと、このパンパイプが聴けるシーンにまで行かないってことだと困るなあ(;^_^A

あと、ケーナの曲もあったそうですが、こちらは先の「尺八風にしないで〜!」というご注文でノンビブラートにしたのとは打って変わって「思いっきりビブラートをかけて、フォルクローレらしくやって〜♪」というご注文だったそうです。ほおぉ…同じ人が、同じ材料を使って・作って・吹いてるのに、吹き方次第でこうも雰囲気が変えられるものなんですね…。これにはおっちゃん自身も改めて実感そうですが、何といっても、おっちゃんたった1人で、こうまで色んな笛を扱えて、しかも色んな吹き方ができるなんて…と、改めておっちゃんのすごさを痛感した私です。


こんな感じでおっちゃんの分が無事に終わって楽器を片付けてたら、次にダビングされる田代耕一郎さんが入ってこられたので、三宅さんと3人で記念撮影ってことになったそうです♪

何か…こうして皆で決めポーズで並ばれると、妙にハマりすぎておかしいっていうか…何ていうか…ねえ?(^^ゞ

おっちゃんは「あやしげな民族楽団って感じやろ?」なんて言ってましたが、違う意味で「あやしげな」感じもしますよね(^◇^;)

写真にカーソルを乗せると、ほんの少しだけ表情の違う…でも、アップの素敵な3ショットになりますよ(^.^)b


田代さんが持ってらっしゃるのは、何とかっていう(←おっちゃんの原稿そのまんま)大型のチャランゴなんだそうです。で、ちゃんとした名前を調べてみようと、田代さんのHPをあちこち見てみたんですが、これと同じ写真はまだアップされてないようで、分からずじまいでした…いつか、田代さんがこのレポを見つけてくださったら、教えてくれるかな〜?(^^ゞ

で、三宅さんが持ってらっしゃるのは「クワルト」というギターの一種なんだそうですよ。これも田代さんのHPで見てみたら、ギターの仲間のところにある「クワトロ」っていう楽器とよく似てるような…「クワルト(cuarto)」も「クワトロ(cuatro)」もスペイン語で「4」にちなんだ言葉なので、同じものかな? これらがどんな音色を奏でてるのか、ほんと興味津々の私です。また、無料体験ってのに挑戦してみよっかな〜?

ゲーム音楽となると限られた人しか聴けないように思いますが、今回のゲームは最初にも書いたようにオンラインゲームなので、皆さんにも聴けるチャンスがあるかも…です。ぜひ試してみてくださいねo(^-^)o

 

追記:このゲームのOPの映像がこちらで見られます。でもこれはレポをアップした当時のものではなくて、もっとずっと新しいものだと思います。でも、ゲームの雰囲気くらいは感じていただけるんじゃないでしょうか?


 

 

341 家族の時間(久石 譲)

3月17日。ワンダーステーションで、久石譲さんとのお仕事がありました…なんですが、このお仕事が終わって数日のうちに下にある素敵な2ショットを送ってもらって、そのときは「わぁ〜いい写真じゃ。こりゃ、原稿が来たら、またレポ作成を頑張らんとな〜♪」なんて思ってたんです。

でも、その後しばらく他のレポのアップ作業に追われてて、それがやっと落ち着いてきたんで「さあ、次はこのレポの番だ!」と思ったら、原稿がない…。どうも、お互いに「写真と一緒に原稿も送ったもの」「写真と一緒に原稿ももらったもの」と思い込んでたようです。で、今になっておっちゃんに色々と聞いてみたものの、もうほとんど覚えてないらしくって…今回はどうにもレポになりません(-_-;)

そんなわけで、素敵な写真とオンエアの時間だけ書いておきますので、あとはオンエアで音楽を楽しんで、録音現場での様子を色々と想像してみてくださいね(;^_^A


テレビ東京「家族の時間
毎週月曜日・22時54分〜23時00分まで放送。

毎回、1つのご家族を取り上げて、じっくりとクローズアップしていくようです。ナレーションは鶴田真由さん。

何気ない普段の生活の中にある家族の時間。そこに生まれる家族のぬくもりを、久石さんの音楽の上で、おっちゃんのフルートと小池さんのグループの弦、星野 正さんのクラリネットに田代耕一郎さんのギターが優しくあたたかく見守ります。

どうぞ、お楽しみにo(^-^)o



 

 

340 キョーリン製薬の社歌(大島ミチル)

2006年3月16日。この日は大島ミチルさんとのお仕事で、キョーリン製薬の社歌の録音のために、サウンドシティのAスタに行きました。リンク先にあるキョーリン製薬のHPを見ると「2006年3月10日付で、キョーリン製薬株式会社は株式交換を行い、株式会社キョーリンの完全子会社となりました」なんてメッセージがあるので、もしかすると、この変更に合わせて新しい社歌を作ることになったのかもしれませんね。

うちのレポの335番では袋井市の市歌の録音をご紹介しましたが、そのわずか2週間後に今度は社歌の録音。で、実はこの2つの録音の合間に、おっちゃんは都合で参加できませんでしたが、「地球SOS」というアニメの録音もあり、大島さんの守備範囲の広さに本当に驚かされます。

この録音のあと、おっちゃんは「普通、市歌や校歌や社歌っちゅーもんは四角四面っていうか、型にはまった堅い感じの歌が多いんやけど、今日のは大島さんらしい…優しいて明るうて、ええ雰囲気の歌やったわ。わしな、こんな社歌が歌いつがれていったら、会社の明るい未来も約束されるんちゃうかなあ…やて思いながら演奏しとったんじょ♪」なんて言ってました。

ここで思い出したことが1つ…私が大島さんとメールさせていただくようになってしばらくしたころ、大島さんが私に「私は色んなお仕事を通して、たくさんの人からいっぱい良いエネルギーをもらってるの。でも、これからはもらうばっかりじゃなくて、そうしたエネルギーを誰かに与えられるような人になりたいと思ってるのよ」と話してくださったことがあるんです。私はこの言葉に本当に感動し、私自身もいつも心の片隅に留めておくようにしてきました。そんな素敵な志を持ってらっしゃる大島さん。だから、大島さんの音楽はいつも聴き手の心をガッチリつかむんだと思いますが、今回のお仕事もその言葉の通り、たくさんの人にエネルギーを与えることになったようですね♪


こちらは、大島さんとパーカッションの高田みどりさんの2ショット。お2人とも、とても表情が生き生きとしていて、ほんとに素敵ですね。この写真からも、いかにこの日のお仕事が充実していたかが、よく分かります(^-^)

このあと「旭さんも一緒に入って撮りましょう♪」って言われて、大島さんのマネージャーさんに撮ってもらった3ショットは、右の写真にカーソルを乗せると見えますよ(^.^)b

おっちゃん、心なしか、男性陣と撮るときよりも顔が緩んでます(;^_^A


そうそう、実はこの日は大島さんのお誕生日だったんです。で、おっちゃんと私は、このところ毎年3月16日には連名で大島さんの掲示板に「おめでとうメッセージ」を贈らせていただいてて(それを見てる方も多いはず(^^ゞ)、今年も事前に「どんなメッセージにしようか?」なんて話し合ったあと、時報が聞こえる受話器を片手に送信ボタンを押しました。その直後です。おっちゃんったら「そういや、明日…あ、もう今日か。今日は大島さんとの仕事やった。直接おめでとうが言えるなあ。ラッキ〜♪」ですと…。その宣言どおり、現場でしっかりと「おめでとう」が言えたみたいで、おっちゃんはほんとに嬉しそうでした。

ちなみに、この日はうちの長女の小学校の卒業式でもあり、おっちゃんに送ってあった卒業式の写真を勝手に大島さんにお見せしてた…なんて恐ろしいエピソードもあったんですけどね(汗)でも、そのあと、大島さんから本当に温かいお祝いのメッセージをいただきました。どこまでも人の心に優しく寄り添ってくださる大島さん、素敵な方です♪

この日の編成は、弦(加藤ジョーさんのグループ:6422)、フルート(おっちゃん)、オーボエ(庄司知史さん)、クラリネット(山根公男さん)、ホルン(南浩之さん・大野さん他1名)、パーカッション(高田みどりさん))、ドラムス(渡嘉敷祐一さん)、ベース(渡辺直樹さん)、ピアノ(エルトン永田さん)、指揮(大島ミチルさん)で、今回はリズム隊が入っていたそうです。

さて、ごらんの通り、この日は大島さんのお仕事にしては珍しく、マサさんの姿が見えなかったようです。このところのマサさんは「書き(作曲または編曲)」のお仕事が忙しい…とは聞いていたので、私はてっきりこの日も「書き」に没頭されてるのかと思ったら、夜中になって「いま、オーチャードホールで三枝さんのバレエの仕事をやってるから行けなかった…」なんてメールが来てました。皆さん、ほんとに色んなところで活躍されてますね(^.^)b

この社歌は残念ながら一般人には聴ける機会がなさそうですが、こんな一流の人たちが、こんなに一生懸命に作ってるんだよ…ということを、胸に留めておいてくださいね(*^-^*)


 

 

339 静岡県掛川市の市歌(大野雄二)

2006年3月15日。サウンドシティのAスタに行きました。この日は事前に大野雄二さんとのお仕事…というのは分かってたので、2人で「今度はどんな劇伴だろ〜?」なんて言い合ってたんですが、この日にやったのは大野さんとしては珍しく、何と静岡県掛川市の市歌の録音でした。この録音のつい2週間ほど前に、大島ミチルさんの録音(335番)で、同じ静岡県の袋井市の市歌をやったところですが、今度はそのすぐお隣の掛川…これはきっと、最近やたらと多い市町村合併の影響なんでしょうね。つまり、ああいう市歌や校歌の類は、地元の名所旧跡や山河を歌い込んだものが多いので、合併によって歌詞が偏ったものになってしまわないように、新たに作り替える…ってことなんじゃないでしょうか。

さて、この日の録音は、先にリズム隊の方たちがやって、そこに弦と木管、そしてハープなどでダビングするようになってたそうです。で、楽譜を見ると、ほんの少しですがオカリナのソロがあって、おっちゃんは「ありゃ、オカリナがあるとは…」なんて感じで想定外のことに焦ったそうですが、いつもカバンに入っているオカリナのキーで大丈夫だったみたいで、何とか乗り切ったそうです。ほんと、やれやれ…ですね。ただ、曲の都合上、楽器を持ち替える時間がなかったらしくて、テスト録音のときまでは音を短めに切るとかして無理に持ち替えたりしてたそうですが、本番では別録りにしてもらったんですって。こういうときは、ほんとエンジニアさまさま…ですね♪

ところで、この市歌の歌は後日ダビングする…とのことだったそうですが、歌はあの「サーカス」なんだそうですよ。これを聞いたおっちゃんは「ちょっとポップな感じのシャレた市歌になるんちゃうかな?」なんて思ったそうですが、サーカスが歌う市歌って…途中で綺麗なハモりが出てきたりするのかなあ。また、編成がちょっと「小さな旅」のときと似ているせいか、その「小さな旅」のテーマを思わせるようなサウンドも出てきて、暖かく心に染み入るような雰囲気で、なかなかいい感じの曲だったみたいですよ。間奏にオカリナのソロが入るのも、市歌としてはユニークですよね。そうそう、コントロールルームに「ハーモニカ」と書いた譜面があったらしいので、もしかしたらイントロあたりに使われるのかもしれませんね。そのコントロールルームには、掛川市のパンフレットみたいなものも置いてあったそうで、おっちゃんはしばらく眺めて楽しませてもらったそうです♪

編成は、弦(巨匠さんのグループ:4422)、フルート(おっちゃん・篠原 猛さん)、オカリナ(おっちゃん)、オーボエ(庄司知史さん)、ハーモニカ(別録り)、ハープ(朝川朋之さん)、ドラムス(市原 康さん)、ベース(?)、ギター(?)、ピアノ(後入れ:大野雄二さん)、エンジニア(三浦さん)でした。なお、この新しい掛川市歌については、掛川市のHPのこちらのページでも紹介されてます。何と、500円でこのCDを購入できるみたいですよ。でも…私みたいな県外人が申し込んだら、郵送配達とかしてくれるのかなあ? とにかく、先ほどご紹介した掛川市HP内にあるこちらに詳しく紹介されています。ぜひ、そちらも合わせてお楽しみくださいねo(^∇^)o

 

 

338 アニメ「ガラスの艦隊」(山下康介)

2006年3月9日。ビクターの301スタに行きました。この日は山下康介さんとのお仕事で、「ガラスの艦隊」というアニメの劇伴録りでした。おっちゃんがスタジオで山下さんに伺ってくれた話によると、このアニメは4月からテレビ朝日系列で始まるとのことでしたが、すでに2クールの放映が決まってるんだそうです。山下さんも「わりとマジメで深刻な感じの内容」とおっしゃってたようですが、公式サイトを見ると、はるか未来、人類が宇宙空間に居住地を移してコロニーのようなところで生活を営んでいたとき、その人類に目に見えない大きな力が迫ってきて、それと戦っていく…というお話みたいですね。うん、確かに深刻そうだ。でも、その分、重厚な音楽が楽しめるんじゃないでしょうか♪

その予想を裏付けるかのように、この日スタジオに入ったおっちゃんがまず思ったのは「わぁ、編成がデカい〜!」だったそうです。詳しいメンバーはレポの最後でご紹介しますが、まずは木管が2人ずつになってたそうです。この木管が2人ずつ…つまり2管編成というのは、一般的なオーケストラでは普通というか、むしろ小さめになるんだそうですが、劇伴の場合はほとんどが1管編成(木管楽器は各1人ずつ)で、せいぜいフルートが2人になるくらいなんですって。それから考えると、ほんとに大きな編成でしょ?


↓はこの日の「出番表」の一部です。写真がちょっと斜めになってるのはご愛嬌(^^ゞ

写真にカーソルを乗せると、後半の出番表が見えます(^.^)b


あ、この大きな編成について、おっちゃんは演奏しながら「こりゃ、単に音量や厚さを増すために編成を大きいにしたんではないなあ。それぞれのパートが独立して動いとる部分が多うて、2管編成が無駄なくモノを言うとるって感じやなあ」なんて思ってたそうです。このあたりをもっと分かりやすく(?)言うと、2管編成のよくあるパターンとしては、ファーストのパートとセカンドのパートがただハモっているだけで、楽譜を遠目に見てみると、だいたい同じような動きに見えるんですって。でも、この日の楽譜を遠目に見てみると、曲によっては全く違った図柄に見えたそうです。このあたりからも、それぞれのパートが独自の動きをしていることがよ〜く分かりますね(^.^)b

録音は、前半と後半それぞれ3時間ずつで、途中で休憩やメンバーの入れ替えなんかをしながら行われたようです。その前半は大編成で、ブラス隊が大活躍する感じの、分厚いサウンドの曲が多かったようです。ちょっと戦闘シーンを思わせるような曲もかなりあったみたいですよ。これは聴き応えありそうですよねo(^∇^)o


ところで…この日、山下さんは風邪を引かれてたようで、ずっとマスクをしてらしたんですって。ところが、後半になって突然マスクを外されたので、おっちゃんはすかさず飛んでいって写真を撮らせてもらえるようにお願いしたそうです。

すると、山下さんは「おっ、ついに来ましたね〜!」なんて言いながら、快く承諾してくださったそうです。どうやら、うちのレポもときどき見てくださってるらしく、すっかり事情はご存知のようでした(^^ゞ

そういや、山下さんには前にも写真を撮らせていただいたことがあるんですが(246番参照)、この日「ついに来た〜!」なんておっしゃったってことは、そのことをお忘れだったのかな〜?(^-^)


さて、後半は編成が小さくなり(…と言っても、弦は64221で木管は1人ずつ)、前半の全体的な音楽にくらべて、今度は木管のソロっぽい曲が多くなったようです。1曲まるごとソロってのではなくて、ソロがある部分を含んだ曲…って言った方がいいのかな? とにかく、その中に1曲だけ、パンパイプのソロがあったそうです。これは、1曲まるごとがパンパイプのソロってことみたいですよ(^.^)b

楽譜の約1ページのほとんどに16分音符がびっしり並んで、見た目は真っ黒…おっちゃんは思わず「こりゃ大変じゃ」って思ったそうですが、かなりゆっくりしたテンポの曲だったようで、その点では救われたとか…。それでも、音?キー?の都合上、どうしてもパンパイプの管を差し替えなければいけない部分があったようで、そのためには「ちょっと吹いたら管を抜き差しして録る。で、またちょっと吹いたら…」という繰り返しの作業になるわけで、そのための準備として、まず弦と一緒にフルートで仮メロを入れて、あとで1人で差し替えるようにしてもらったそうです。この、管を抜き差しながら小分けして録るために、フルートで仮メロを入れる…ってところが私には「何でだろう?」って感じなんですが、おっちゃんによると「途切れ途切れでは見えにくい、全体のイメージをつかむため」なんだそうです。とにかく、かなりの手間がかかったようですね(^^ゞ


こちらは、録音の後半にソロを演奏してるマサさん♪

最近の私の中では、おもしろ画像・ダジャレ・漫才のようなメールのやりとり…で、すっかりダジャレ大王としてのカラーが強くなってたマサさんですが、こうして真剣な表情で演奏する姿はまるで別人…ほんとにカッコいいですね(*^-^*)


アニメの劇伴で全部で6時間という長丁場のスケジュールだっただけに、さすがに楽譜もどっしりとした重さがあったそうです。で、録音の進行としてはかなり順調な方だったみたいですが、差し替えで少し時間がかかったこともあって、前半が終わった時点で30分近くの押し、後半のおっちゃんが終わった時点では1時間近く押してたようです。でもまあ、何とか無事に録音は終わったようですが、その後エンジニアの三浦さんのお話では、この録音のあとのトラックダウンがまたメチャクチャに大変だったそうです。おっちゃんたち生楽器がやった分だけでもかなりの曲数だったのに、それに加えてシンセだけの曲も結構あったそうで「死にそうだった…」なんて声が聞こえてきたとか…いやはや、お疲れさまでした(;^_^A

この日の編成は、弦(マサさんのグループ:86443→64221)、フルート(おっちゃん・金子奈美さん:金子さんは前半だけ)、オーボエ(庄司知史さん・三谷さん:三谷さんは前半だけ)、クラリネット(星野 正さん他1名:前半だけ)、ファゴット(前半2名・後半は武井さん)、ハープ(朝川朋之さん)、トランペット(西村浩二さん他2名:前半だけ)、トロンボーン(佐藤さん他3名:前半だけ)、チューバ(佐藤 潔さん:前半だけ)、ホルン(藤田乙比古さん他3名)、パーカッション(草刈とも子さん・藤井珠緒さん:前半だけ,後半は別の2名?)、ピアノ&チェレスタ(小形さん:山下康介さんのピアノの先生♪)、シンセ打ち込み(山下康介さん)、指揮(中谷勝昭さん)、エンジニア(三浦さん)って感じだったそうです…が、かなり入れ替わりが激しかったみたいなので、間違ってるところもあるかもしれませ〜ん。ま、要は「後半は編成が小さくなった」くらいに思っててくださいね(^^ゞ

このアニメは、テレビ朝日では2006年4月4日の26時40分(つまり4月5日の午前2時40分)から、朝日放送(ABC放送)では2006年4月13日の深夜(詳細未定)から放送がスタートするようです。どうぞ、お楽しみにo(^^o)(o^^)o


 

 

337 アニメ「吉永さん家のガーゴイル」(大谷 幸)

2006年3月4日。この日は久々の大谷幸さんとのお仕事で、AVACOスタジオの302スタに行きました…ん? ここまで読んで「おや?」なんて思いませんか? 今までのレポに何度もAVACOスタジオのことは出てきましたが、ずっと301スタだったでしょ?(多分…)でも、この日は珍しく302スタだったそうです。で、そこで何を録ったかと言うと…ちばテレビ、テレビ埼玉、テレビ神奈川、名古屋テレビ、東京MXテレビ、サンテレビ、KBS京都などで既にオンエアされている「吉永さん家のガーゴイル」というアニメの劇伴でした。これ、おっちゃんから原稿と写真は早くに来てたんですが、ちと放送開始に編集が間に合いませんでしたね…すんまそん(^^ゞ

さて、さすがは大谷さんのお仕事だけあって、この日も「とにかく楽器を色々持ってきてほしい」なんて言われてたそうです。で、とりあえず、いつも持ち歩いている、フルート・リコーダー・オカリナ・パンパイプ…なんかが入ったバッグを持ち込んだそうですが、篠笛とか、何か…尺八みたいな音がする低い音の楽器もほしい…って話になって、また車に戻って、色んな楽器がい〜っぱい入ってる特大のバッグをそのままスタジオに持ち込んじゃったそうです。ここから何が始まるんだろう…って、これだけでワクワクしますよね♪


で、その音楽ですが、大谷さんが先にシンセで打ち込んでこられたものにダビングというスタイルで、一応オーソドックスな劇伴らしい曲もあったそうですが、やっぱり大谷さんらしい、おっちゃんが言うところの「国籍不明的エスニック」っぽい感じのものが多かったようですよ。

あ、このアニメのストーリーですが、吉永さんという家の小柄なのにプロレス好き…という女の子が、商店街の福引で「喋る犬の石像」というのを引き当てて、自分の家の門番にしたところから始まってるようです。

この石像がキッカケで起こる色んなトラブル(?)に、大谷さんの国籍不明的エスニックな音楽で追い風となるのかもしれませんね。


そうそう、その大谷さんが先に打ち込んでこられた…という音源ですが、タブラ(インド)やガムラン(インドネシア)などの音色があって、そこに田代さんのマンドリンやブズーキなどと、おっちゃんのフルートやリコーダー、それにオカリナ・篠笛・パンパイプなんかを重ねるので、独特の…何ていうか、とにかくすごい世界になってたようです(^o^)


こちらはリコーダーを演奏中のおっちゃん(^o^)

このリコーダーで演奏した曲の中には、3連音符がいっぱい出てくる速いフレーズのアイリッシュ風な音楽もあったそうです。

写真にカーソルを乗せると、今度はオカリナを演奏中の画像になりますよ(^.^)b


この日に録った中には1曲だけパンパイプの曲もあったそうですが、毎度のことながら大谷さんは楽器の性質をよくご存じで、とても演奏しやすい音形ばかりを使ってくださってたので、気持ちよく演奏できたそうです♪


こちらはフルートを吹いてるおっちゃんですが、写真にカーソルを乗せると数年前に京都の民族楽器屋さんで買ったというネパールの木製の笛の写真になります。

この笛は、一応はF管に近いサイズなんだそうですが、長さのわりには随分と太く、下の方の音はよく鳴るけれど、元々あまりイントネーションが良くない上にオクターブが狭い…など、色々と問題があるんだそうです。


そんなわけで、音程のある他の楽器と一緒に使うのはちょっと難しい部分が多く、せっかく買っても、今までほとんど使ったことがなかったそうです。でも、今回みたいに「尺八風の息の音が入った笛…」みたいなオーダーのときに役に立って、ほんと良かったですよね。これ、使い方によっては、かなり面白い音になるんじゃないでしょうか…また、使ってもらえる機会があるといいですね(^-^)

この日は先に弦のダビングをやってたそうですが、その後おっちゃんが入ってから何曲かを一緒にやって、そのまま弦の方たちは帰っていっちゃったそうです。

でも、マサさんだけは二胡のソロがあったようで、居残りして、おっちゃんとマサさんと田代さんの3人でのダビングとなり、一段とエスニック度が増した感じになってたそうです。

で、おっちゃんが終わって帰ろうとしてるときにもマサさんはまだ数曲あったそうで、居残って頑張ってたそうですよ。これがそのときの写真…おっちゃんはこうしたマサさんを横目に帰ってきたそうです(;^_^A

 


編成は、弦(マサさんのグループ:2222…つまりダブカル)、フルート&リコーダー&ケーナ&パンパイプ&篠笛&オカリナ(おっちゃん)、二胡(マサちゃんこと篠崎正嗣さん)、ギター(田代耕一郎さん)、シンセ打ち込み(大谷幸さん)、エンジニア(吉田俊之さん)でした。

深夜に放送されてるアニメではありますが、どうぞビデオを上手く活用して、この様々な楽器の音色を楽しんでみてくださいねo(^-^)o

 

追記:こちらで第1話の冒頭を見ていただけます。大谷さんの音楽もよく聴こえますので、ぜひ見てみてください♪


 

 

336 スペシャルドラマ「愛と死を見つめて」(溝口 肇)

2006年2月28日。サウンドシティのAスタに行きました。もともとこの仕事は夜の8時から…ということになってたんだそうですが、前日に「午後3時からにしてもらえないだろうか…?」という連絡が来たそうです。でも、おっちゃんには、実はこのお仕事の前に大島ミチルさんとのお仕事が入ってて、それが3時までになってたんだそうです。これ、普通だと絶対に無理なお話なんですが、大島さんのお仕事はいつもとてもスムーズで、終了予定時間より前に終わることが多いから大丈夫かな…ってことで、そのままお引き受けしたそうです。ところが、この大島さんとのお仕事が思ったよりは長引いて(その理由は大島さんのレポを読んでね)サウンドシティへの「入り」がちょっとだけ遅れちゃったそうです…。で、大慌てで駆け込んだら、何やらハードディスクがトラブったとかで「待ち」の状態になったみたいで、おっちゃんとしてはちょっといい感じだったそうです(^^ゞ

さて、この日のお仕事は、チェリストでもある溝口 肇さんの作曲で「愛と死を見つめて」というドラマの音楽録りでした。これは、1963年に発行されて140万部を超えるベストセラーとなった河野 実さんの本が原作で、翌年の1964年にはドラマや映画になって日本中が涙に濡れた…という、純愛物語の原点とも言える作品のリメイク版なんだそうです。あ、青山和子さんが歌っていた当時の映画の劇中歌(?)はこちらで聴けますよ。この番組タイトルと同名の曲は日本レコード大賞を受賞したそうです(^.^)b
 
で、この日はおっちゃんのリコーダーと千代正行さんのギターで録音だったそうですが、サウンドシティの広いAスタで2人っきりの録音なんてのは、広々として気持ちがいいなあ〜ってのが半分、何かもったいない気がするなあ〜ってのが半分で、ちょっと不思議な感じだったそうです。ま、おっちゃんは「多分、この前後に大きな編成も入っとって、ちょうどその谷間って感じだったんやろけどなあ…ほんでも、何や不思議な感じやった」とも言ってました(^^ゞ

録音の内容としては、先に入ってたリズムにダビング…というのが半分くらい、もう半分くらいは全くの2人っきりで、クリックもなし…という、最近の劇伴としてはとても珍しいスタイルの録音だったそうです。ドラマ自体は思いっきり泣けるようなものだと思うんですが、おっちゃんがやった曲に関しては、素朴で静かな雰囲気の曲が多かったそうです。私が思うに、ドラマ自体が本当に濃い内容なので、メロディックな音楽でわざわざ感情をあおらなくても十分に泣ける…というか、かえってシンプルな音楽の方がドラマの中のそれぞれの気持ちがまっすぐに視聴者に伝わりやすい…って溝口さんは考えられたんじゃないのかなあ。
 
そうそう、うちの「スタジオ用語辞典」の中に「楽譜の直し」という語句があるんですが、この溝口さんも現場でアイディアが浮かんでくるタイプでいらっしゃるようで、この日にやった曲の中の2曲は、現場で「10分くらい待っててください。これから書きます…」てな感じで、その場で作曲されたものだったそうです。おっちゃんは「まあ、編成が2人っきりやから出来たことなんかもしれんけど、それにしてもすごいよなあ」なんて感心してましたが、それは私も全くの同感です〜。あ、この録音には、おっちゃんと入れ違いくらいにマサさんのグループがいらっしゃってたそうですし、それとはまた別に、あとで溝口さんのチェロのソロも入るんだそうですよo(^-^)o
 
編成は、弦(マサさんのグループ:)、リコーダー(おっちゃん)、ギター(千代正行さん)、シンセ(?)、チェロ(溝口肇さん:ソロで後入れ)、エンジニア(三浦さん)という感じだったそうです。この、エンジニアの三浦さんという方は、うちのレポに何度も登場してくださってる方とは別の方で、おっちゃんは初めてお会いする方だったそうです。どちらの三浦さんも下のお名前まで分かればいいんですけれど、なかなか検索だけでは難しいです…ご存知の方、どうぞお知らせください<(_ _)>

このドラマは、2006年3月18日と19日、テレビ朝日系で両日とも午後9時からのスタートとなります。大変な話題作ですので、どうぞお見逃しのないようにo(*^^*)o

 

 

335 静岡県袋井市の市歌(大島ミチル)

2006年2月28日。目黒区のヤマハのビルの地下にあるエピキュラスというスタジオに行きました。この日は大島ミチルさんのお仕事で、静岡県袋井市の市歌を録音する…というものだったようです。これは、このところ全国のあちこちで見られる市町村合併の1つで、旧・袋井市と旧・浅羽町というところが合併して新しい袋井市が誕生することになり、それに伴って市歌も新しくする.…といった流れのようです。で、この新・袋井市の市歌ですが、作曲・編曲ともに大島さんが手がけられ、作詞は谷山浩子さんが手がけられたそうです。大島さんの現場でのお話では「このコンビで作った歌は、今までにも結構あるんですよ♪」ですって〜何とも羨ましいお話です(>_<)

余談ですが…そういえば、前におっちゃんがスタジオから「今、こんなんやっとる(^.^)b」ってメッセージとともに楽譜の写真を送ってきてくれたんですが、見ると何と私が生まれ育ってきた徳島県名西郡石井町の「石井町民の歌」と「石井町民音頭」だったんです。そのときに「へえ、こんな片田舎の歌を、こんな一流の人たちが作ってくれとるんやなあ」と、とても感動したんですが、今回のも谷山さんと大島さんなんて…しかも、このお2人が作られた市町村の歌がいっぱいあるなんて…何か、ただただもう、すごいなあって感じです(^o^)

あ、この日は、現場で歌も一緒に録ってたようなんですが、その歌は唐沢さんという女性が歌ってらしたそうです。誰にでも歌いやすいように…という大島さんの心遣いからだと思いますが、わりと低めの音域…そう、ちょうどアルトくらいの音域の歌だったみたいですね。この歌の音域というのは、大人と子供で、また男性と女性でも違うので、そこへの配慮はとても難しいものがあると思います。でも、おっちゃんは「優しいて、大島さんらしい華のあるメロディで、歌いやすそうなええ感じの市歌やった」なんて言ってました。大島さんの、いつも誰にでもほんとに細やかな気遣いを見せてくださるところに、同じ女性として、人として、とても憧れている私なのです(*^-^*)
 
こうして、お仕事の方は順調に進んで、思ってたよりもずっと早い時間に終わったみたいなんですが、おっちゃんが楽器を片付けかけていたら、「フルートで歌メロを入れてほしいんだけど…」って声をかけられたんですって。おっちゃんは「カラオケのウスメロみたいなものかな?」なんて思ったそうですが、一応インストとして、何かのイベントの際に会場なんかで流したりするときに使いたい…とのことだったようです。

そこでおっちゃんは「3コーラスを全部フルートでやると、ちょっと変化に乏しいかも…?」なんて思ったらしく、ちょうど近くにいたマサさんをつかまえて「ヴァイオリンと交代にしたらどうだろ?」って言ってみたそうですが、結局はフルートだけになってしまったそうです。で、何はともあれ「話は決まった!」と録音に臨んだわけですが、楽譜が勧進帳スタイルでめくらなければいけない…などの事情から、途中で何度か止めながら録ってもらうことにしたそうです。ま、3コーラスずっと吹きっぱなしはキツいってこともあったのかもしれませんね。とにかく、こちらのメロ入れも無事に終わったようです。

そうそう、実はおっちゃんはこのあとケツカッチンで別のお仕事が控えてたので、このフルートでのメロ入れを頼まれたときは「およよ…大丈夫かな?」と、ちょっとドキッとしたそうですが、ちゃ〜んと時間内に終えたそうですよ。おっちゃんもスタッフの皆さんも、さすがですね〜♪ 新・袋井市が催すイベント会場に行くと、きっとこのフルート・ヴァージョンが流れていることでしょう。おっちゃんの優しい音色のインストも、谷山さんの素敵な詞がついた歌も、聴けるものなら是非とも聴いてみたいところですo(^-^)o

編成は、弦(マサさんのグループ:64221)、フルート(おっちゃん)、 オーボエ(庄司知史さん)、クラリネット(星野 正さん)、ハープ(朝川朋之さん)、ピアノ(美野春樹さん)、指揮(大島ミチルさん)、エンジニア(伊藤さん)でした。

 

 

334 ANAのCM(周防義和)

2006年2月24日。サウンドシティの1スタに行きました…といっても、この前のお仕事も全く同じ場所で、しかもインペク屋さんも同じ、さらに言うと、先と同じく「ANA」のCMでした(↓の333番レポを見てね♪)。じゃ、何が違うかって言うと…作曲が、前にJR東海のCM録音(277番参照)でお世話になった周防義和さんだったんです。

さて、先に椎名さんという方の元でやったCMはフォービートだったのに対して、今度はタンゴバージョン…あの有名な「ジェラシー」の最初の部分だったそうです…って書きながら、またもやその「ジェラシー」って曲が思い浮かばない私(^^ゞ CDのジャケットでタイトルだけはよく見かけてるので、たぶん聴いたら「あっ!」って思うんでしょうけれど、今はちょっと思い浮かびませ〜ん。そんなままで書いてて申し訳ないんですが、いわゆる冒頭のヴァイオリンのカデンツァの部分ではなく、それに続くイントロっていうか…バースっていうか…マイナーになってる部分と、そのあとのメジャーになったところの2バージョンを書いて来られてたようですが、イントロの方が採用になったようです。

タンゴということもあって、水野さんがパンドネオンで入ってらしたそうです。おっちゃんは前に水野さんから「どっちかっていうと、バンドネオンは苦手で…」なんてお話を聞いたことがあるそうですが、なかなかどうして、とてもお上手だったそうですよ。かなり難しいフレーズがあって、さすがにそこは少し差し替えなんかもされてたようですが、しっかりクリアしてらしたそうです。バンドネオンのキーというのは、普通のアコーディオンとは全く違って、とんでもなく不規則な配列になっていて、ほんとに大変なんだそうです。私もいつぞや何かの番組でバンドネオンの説明をしてるのを見かけたことがありますが、さっぱり分かりませんでした…それを、アコーディオンがご専門の水野さんがバッチリ弾きこなされるって、すごいことですよね〜。あ、それを言うと、おっちゃんもほんとに色んな楽器を持ち替えますよね? いやはや、やっぱり皆さん、ただものではないです〜!
 
編成は、弦(加藤ジョーさんのグループ:6422)、フルート&ピッコロ(おっちゃん)、オーボエ(川村さん)、パーカッション(高田みどりさん・藤井珠緒さん)、バンドネオン(水野弘文さん)、ピアノ(江草啓太さん)、ベース(加瀬 達さん)、エンジニア(小幡幹雄さん)でした。こうしてみると、先に椎名さんとやったときとは、弦とフルート以外はすっかり入れ替わってしまってるようですね。これって、皆さんのスケジュールの問題なんかもあるんでしょうけれど、やっぱり作曲家さんそれぞれの好みってことも大きいのかもしれませんね。
 
あ、先に入ってらしたベースの斉藤 誠さんは、体が大きいので「くじら」というニックネームで親しまれてるそうですが、このときのベースの加瀬さんは、さらに大柄な方なんですって。おっちゃんは決して小さい方ではないと思うんですが、この日はこうして相次いで大柄な方と一緒だったので、ちょっと存在感が薄かったかも…でも、その分きっと、音色で自己主張してくれてることでしょう。おっちゃんの笛のパートとしては、ピッコロでヴァイオリンのオクターブ上を吹く…という感じだったそうですよ。オンエアをどうぞお楽しみo(^-^)o

 

 

333 ANAのCM(椎名さん)

2006年2月24日。サウンドシティのAスタに行きました。このお仕事は、前日の23日に、インペク屋さんではなく、トランペットのミンミンさんこと数原晋さんからいただいたものだったそうです。今まで色んなお仕事を取り上げてきましたが、こんな形で始まるお仕事は初めてかな?(もちろん、お仕事の流れとしては今までに何度もあったことでしょうけれど、うちのレポで取り上げるのが初めてってことですよ(^.^)b) これは、インペク屋さんから数原さんに「フォーンセクションを集めてね♪」といった形でオーダーされたのではないか…とのことですが、この場合の「フォーンセクション」とは管楽器…つまり、金管と木管の両方ともってことですね。

さて、この日のお仕事は、航空会社「ANA」のCMでした。おっちゃんたちはダビングだったそうですが、入れ替わりに出て行ったリズム隊には、渡嘉敷祐一さん斉藤くじらさんこと斉藤 誠さん、市川さん、萩谷 清さん…など、ジャズのそうそうたるメンバーがいらっしゃったようです。曲は「Cheek to cheek」というスタンダードナンバーで、男声ヴォーカルが入ってたそうです。この男声ヴォーカルですが、何とアメリカで仮録して、こちらに持って帰ってきたんだそうです。で、ダビングが終わったらまたアメリカに持って行くんだとか…どうしてこういうプロセスになったのかは不明ですが、何やらかなり力が入ってるようですよo(^-^)o

アレンジャーは椎名さんという方で、インペク屋さんのお話によると、元ギター奏者さんなんですって。で、今はアメリカでコーディネータなどのお仕事をしてらっしゃるんだそうです。プリンタで打ち出した綺麗な楽譜で、久々にやるフォービート、おっちゃんはかなり楽しんでたようですよ。フルバンドに近いブラスセクションとフルートで一緒にダビングしたそうですが、フルートの音域はわりと低めだったとか…これを見たおっちゃんは「これだと埋もれてしまうかも…ひょっとしてオクターブ上げるんかな?」なんて思ってたそうですが、そのまま低い音でやったそうです。どうやら、低い音域でソフトな音色を狙ってたみたいですね。あ、フルートだけは、あとでさらに1トラック重ねたそうです。つまり、一部分がおっちゃんの1人2重奏になってるってことですね♪
 
これからオンエアされる「ANA」のCMで、もしも男性ヴォーカルが聴こえてきたら、よ〜く耳を澄ましてみてください。もしかすると、おっちゃんのフルートの音が聴こえるかも知れませんよ〜♪

編成は、弦(ジョーさんのグループ:3321)、フルート(おっちゃん:ダビング有り)、トランペット(数原 晋さんのグループ)、トロンボーン(フレッドさん他)、バイブ(?:先録り)、サックス(平原まことさん渕野繁雄さん他)、ドラムス(渡嘉敷祐一さん:先録り)、ベース(斉藤 誠さん:先録り)、ピアノ(市川秀男さん:先録り)、ギター(萩谷 清さん:先録り)、エンジニア(中越さん)でした。

 

 

332 水樹奈々「残光のガイア」(藤間 仁)

2006年2月19日。目黒区青葉台にあるサンシャインスタジオというところに行きました。このスタジオ、おっちゃんがずっと昔に住んでいたところと近そうなのですが、今までに聞いたことのない名前だったので、電話で教えてもらったり、ファックスで地図を送ってもらったり…と、けっこうバタバタしたそうです。でも、よ〜く見ると、前に「シャロームスタジオ」と呼ばれてたところで、おっちゃんも何度も行ったことがあるスタジオだったようです。このスタジオは、おっちゃんがほとんど毎日のように通っている国道246号からほんの少し入ったところの、教会の半地下みたいなところにあるスタジオで、少しリフォームはしているみたいだったそうですが、スタジオの中なんかは前のままで、何だかちょっと懐かしい感じもしたそうです(^-^)

さて、この日のお仕事は、2006年1月に笹塚のスタジオでお会いした藤間仁さん(319番参照)の作曲&アレンジで、水樹奈々さんという声優さんの「HYBRID UNIVERS」というアルバムの中の1曲の録音でした。おっちゃんは現場でタイトルを聞いてきてくれたそうなんですが、スタジオを出た途端に飛んでしまったようで、私に連絡が来た時点では「何とかのガイア…って曲やった。何とか…ってところは、漢字2文字だったと思うわ」ってな感じになってました(^^ゞ

で、検索で調べてみたんですが、たぶん「残光のガイア」じゃないかと…うん、ほぼ間違いないかと思います。しかも、すでにリリースされてるようで、色んなところで「民族楽器を使ってて、今までとは違う印象だった」「残光のガイア、エキゾチックでかっこいい〜!」と、とても好評のようでした。ちなみに、皆さんが「かっこいい!」って騒いでる民族楽器は、み〜んなおっちゃんの音色なんですよ〜!(何かもう、胸を張って大声で叫びながら四方八方に自慢したい気分です(^.^)b)

その笛ですが、メロディの感じからして「基本的にはホイッスルかな…」という感じだったそうですが、音域やキーでなかなか難しい部分もあって、ケーナやリコーダーなんかも使ったそうです。また、現場で「部分的にオクターブで重ねてほしい」というお話があったらしくて、ソプラニーノのメロディの下にG管のケーナを重ねたそうです…と、いとも簡単に書いてしまってますが、実はこれがけっこう大変だったんですって。というのも、ソプラニーノはF管なのに対してケーナはG管だったので、調性感とフィンガリングが混乱しそうになって、おっちゃんもちと冷や汗気味だったとか…でも、ちゃ〜んと吹きこなして、多くの人に感動を与えまくってるおっちゃん、さすがです(^.^)b

先にも書きましたが、この曲はすでにリリースされてるようですので、ぜひ聴ける機会を作ってみてくださいね。もしかしたら、水樹さんがパーソナリティをつとめる「水樹奈々スマイルギャング」というラジオの中なんかでも聴けるのかもしれません。どうぞ、お楽しみにo(^-^)o

 

追記:この「残光のガイア」のPVが見つかりましたので、ぜひ見てみてくださいね♪→CLICK HERE

 

 

331 アニメ「.hack//Roots」追加録音(片倉三起也)

2006年2月18日。地下鉄丸ノ内線の中野坂上という駅の近くにあるフラミンゴスタジオに行きました。このスタジオは、おっちゃんにとっては初めて行くところなので、事前に地図をファックスしてもらったんですって。そのおかげで何とかスタジオまでは迷わず無事に着いたそうですが、今度は駐車場がなくて往生したとか…。1台しかないスタジオの駐車場には先にやっている人の車が入ってたので、どうしたもんか…と思ってたら、スタッフの方に「近所の100円パーキングに入れてください」って言われたので、一方通行の道をグルグル回ってみることにしたそうです。でも、かなりあちこち回ってみたものの全く空きがなく、結局は先にやってた人が出るまで路上で待つことにして、やっと停めることができたそうですよ(^^ゞ

さて、この日のお仕事は、326番レポでやった「.hack//Roots(ドット ハック ルーツ)」というアニメの追加録音で、この日はおっちゃん1人でダビングだったようです。おっちゃんの記憶では全部で5曲やったそうですが、その最初にやった曲はフルートで、これは先に入ってたオーボエに合わせながらのダビングだったそうですよ。この曲だけはふつうのポップスっぽい感じだったそうですが、あとはヴァイオリン(アイリッシュ風にいうと‘フィドル’かな?)やアコースティックギターが先に入ってる、いわゆるケルトっぽい雰囲気だったのでホイッスルがメインになり、D管とC管の楽器を使ったそうです。

このケルトっぽい雰囲気の曲ですが…おっちゃんは「楽譜を見たところでは、片倉さんはかなりこういうアイリッシュの音楽を研究されてるな〜!」という感じを受けたそうです。で、私はこのあたりをもっと詳しく聞きたくて突っ込んでみたら「何ちゅーか…音域がしっかり入っとるんよ」ですって。はて…何のこっちゃ? 私には何のことやら分からんのですが…って書いて仮アップを見せたら、もうちょっと噛み砕いて説明してくれましたよ。何でも、ティンホイッスルの音域は2オクターブで、片倉さんの書かれたメロディはちゃんとこの枠内に入ってたんですって。また、ティンホイッスルで臨時記号がつく音を出すのはかなり大変なんだそうですが(…っていうより、ほとんど使いものにならないとか?)、例外として、たとえばD管の楽器だとCの音、C管の楽器だとB♭の音だけは出しやすいんだそうです。そのあたりの事情をバッチリ分かってくださってるようで、とても演奏しやすかったようですよ(^.^)b

この日は1人でダビングってことと、拘束時間に少し余裕がありそうだったこともあって「他の楽器も試してみたいなあ♪」なんて話になったそうです。で、ケーナやリコーダーなど色んな楽器で試してみた結果、とある1曲をケーナでやることになったそうです。もともとこの曲はホイッスルでは無理な音があったらしくて、ちょうど良かった…ってところもあったようですが、ケーナだとちょっと音域が高すぎる感じもして、おっちゃんの中では勝手に「リコーダーが簡単でいいかも〜!」なんて思ってたんですって。でも、音色の点でケーナの方が採用になったそうです。そりゃ、リコーダーとケーナでは、かなりイメージが違いますもんね。でも、どんな仕上がりになったんだろう…とても気になりますo(^-^)o

こちらは、帰り際に撮らせていただいた、片倉さんとの2ショットです。現場にいらしたビクターの石川さんがシャッターを押してくれたそうですよ(^.^)b

片倉さんって、何だか独特の色気のある、素敵な方ですね♪


このアニメは、2006年4月5日の25時30分(4月6日の午前1時30分)から、テレビ東京系ですでに始まっているようです(追加録音分は編集が間に合わんかった…)。ただし、音楽は個人名ではなくて、片倉さんが所属する(?)「ALI PROJECT」というユニット名での表記になってるようですよ。どうぞ、楽しんでくださいね〜♪

 

 

330 CD付き絵本(間宮芳生)

2006年2月16日。サウンドシティのAスタに行きました。 この日は、名実ともに日本を代表する作曲家、間宮芳生さんのお仕事で、とある英語の教材の絵本の音楽録りでした。何でも、小さい子供用の、絵本にCDが付いたような教材なんだそうです。

ところで、間宮さんと言えば、皆さんはどんな曲が思い浮かびますか? 私の場合は合唱曲なんかもいくつか思い浮かぶんですが、やっぱり「火垂るの墓」かなあ…あのメインテーマの中でフィーチャーされてるパンパイプは、おっちゃんが吹いてるんですよ。で、おっちゃんも、やっぱりあの「火垂るの墓」がいちばん印象に残ってるんだそうです。また、昔の映画を観ていると色んなところで間宮さんのお名前をお見かけしますが、ラジオやテレビの劇伴などのスタジオ関係でも、とてもご活躍されてる方なんだそうですよ。でも、何といっても純音楽分野の大作曲家さん。最近では、2001年に行われたコンサート直後に脳出血で倒れられ、右手が不自由になったピアニスト・館野泉さんのために左手のピアノ曲を作られたり、ハンガリーの作曲家・バルトークの「ハンガリー民謡」という本を翻訳されるなど、今もなお国内外で幅広く活躍していらっしゃいます。

さて、皆さんのご協力もあって今までかなりのレポを作ってきましたが、そのほとんどの編成が、64221みたいな弦セクションがあって、木管や金管がいて…というパターンでしたよね。もう何となく「これが劇伴の標準スタイルなのかな…」なんて思ってしまうくらいでしたし、たまにそれに多少の変更を加えたような場合もありましたが、やっぱり基本は「これ!…かな?」みたいな感じで思ってたところもありました。でも、間宮さんのお仕事の場合は、そのときそのときで、かなり独特の編成を組んでらっしゃるようですよ。
 
たとえば今回も、弦は、ヴァイオリン・チェロ・コントラバスが1人ずつに木管四重奏、それとホルンとパーカッションとギターがそれぞれ1人で、どちらかと言えば「室内楽」のような編成だったそうです。この「木管4本+ホルン」と言うと、一般的には「木管五重奏」なんて呼ぶことが多いように思うんですが、この日の音楽に関しては、ホルンは木管とは全く動きを別にしているように思えたそうなので、こうして分けて表記したんですって。動きが別だと、編成の呼び名も変わるんですね…へぇ〜!

私は間宮さんの純音楽作品には(にも?)ぜんぜん詳しくないんですが、おっちゃんの話だと、かなり幅広く色んなスタイルがあるようですね。でも、そのどれもが少し取っつきにくい感じのイメージがあるのも事実だとか…。ところが、今回は子供のための教材ということもあって、特に理解に苦しむ…なんてことはなかったようです。とはいえ、決して軽い音楽ではなく、劇伴とは言っても、かなり密度の高い音楽だったみたいですよ。う〜ん、かなり抽象的な話ばかりで想像しにくいんですが、一体どんな教材なんでしょうね〜? あ、この日にやった中に2曲ほどリコーダーが入る曲があって、ソプラノとアルトで対応したそうです(^.^)b


こちらの写真は、お仕事が終わったときに撮らせていただいたものだそうです。シャッターを押してくれたのは、この日のインペク屋さんのエマリさん。

おっちゃんは「これは、ベートーヴェンやバッハと一緒に並んどるって言うてもオーバーとちゃう…って思うとる。それくらい恐れ多いことなんじょ(;^_^A」なんて言ってましたが、あのおっちゃんがそこまで言う間宮さんって…。

この英語教材の録音のお仕事は、5月にも何度か行われたようですが、レポとしてはこれだけになります。でも、いつかまた別のお仕事で、今度はもっと間宮さんという方に迫った形で取り上げさせていただく機会があればいいなあと思っていますo(^-^)o


そうそう、このあと詳しい編成をご紹介しますが、今回の編成では、スタジオミュージシャンよりはオケやクラシック系のメンバーの方が多かったようです。そこで、棒の見方の違いなんかが現れて、けっこう面白かったようですよ。たとえばスタジオミュージシャンの場合は、棒が下りた時ぴったりに音を出すんだそうです。これは「絵(映像)に合わせる…」という、劇伴ならではのお仕事が多いせいなのかなあ。でも、オケやクラシック系の方の場合は、棒が下りたあと少しだけ「溜め」みたいなのがあってから音が出る…なんてことが多いんだそうです。これは…よく分からないんですけど、広いホールで演奏するのを意識することが多いからなのかなあ。とにかく、今回は全くクリックを使わなかったみたいなので、ほんとは全員が同じフロアで「せ〜の!」って感じでやれば良かったんでしょうけれど、なぜか弦、木管、打楽器…と、それぞれ別のブースに入ることになったそうです。その分、棒に依存するところも大きく、合わすのはなかなか大変だったみたいですね(^^ゞ

この日の編成は、弦(10011…ヴァイオリン:女性の方・チェロ:苅田雅治さん・コントラバス:斉藤順さん)、フルート&リコーダー(おっちゃん)、オーボエ(和久井 仁さん:N響…女優・和久井映見さんの弟さんです)、クラリネット(N響の方…?)、ファゴット(菅原恵子さん:N響)、ホルン(西条さん)、パーカッション(草刈とも子さん)、ピアノ(?)、ギター(千代正行さん)、指揮(間宮芳生さん)、エンジニア(三浦さん)でした。

 

 

Home  All Title  Dictionary  Guestbook  Mail  Web Clap  Back

 

inserted by FC2 system