おっちゃんの仕事場探検

Home  All Title  Dictionary  Guestbook  Mail  Web Clap  Back

劇伴(映画・ドラマ・アニメなどのBGM)がどんなところで、どんな風に作られているのかを、おっちゃんから聞いたお話を中心にレポートしていきます。レポートの番号が進むにつれてだんだんと内容が濃くなり、ときには作曲家さんやエンジニアさんからいただいたコメントも出てきます。

ただし、これらは録音時の記録が主になっているので、実際にオンエアまたはリリースされたときにはタイトルが変わってる…なんてことも稀にあります。また、私の音楽の知識やパソコン技術の問題などによりお見苦しい点も多いかと思いますが、あたたかい目で読んでいただけると嬉しいです(*^^*)

こことは別の「スペシャルレポート」「オフラインレポート」などのページでも作曲家さんやエンジニアさんのお仕事ぶりやオフのときの様子をご紹介していますので、合わせてご覧下さい。

最後に…どうぞレポートをご覧になってのご意見・ご感想などを、ゲストブックやメール・ウェブ拍手などを通じてお聞かせください。今後の参考に、そして励みにさせていただきたいと思います。よろしくお願いしますm(__)m

 

 

 

 

467 電影版「獣拳戦隊ゲキレンジャー」(三宅一徳)

2007年7月4日。サウンドシティのAスタに行きました。この日は20時からダビング…とのことで日が暮れてからスタジオに向かったんですが、その途中にインペクさんから「30分くらい早めに来てほしいんですが…」って連絡が入ったそうです。こんなとき他の方だったら「わぁ〜了解、了解!」なんて感じで慌てて準備して家を飛び出す…なんてことになるかもしれませんが、おっちゃんはいつも「え…そんなに余裕を持って出かけるの?」って驚くほど早めに出てるので、この日も30分どころか、それよりずっと早めにスタジオに着いてたそうです。

で、まだ呼ばれる気配がないのでロビーでコーヒーを飲んでたら、スタジオから誰かが出てきたそうです。で、ふと目をやると…何と、前々からのオフ会仲間で、しかも過去に何度かレポに登場してくれてる、某ライターさんでした。

実はこの録音の前日、その某ライターさんから「おっちゃん、明日はサウンドシティでお仕事ある?」ってメールをもらったので、すぐおっちゃんに問い合わせたんです。そしたら「おう、8時から入るで〜!」って言うので、そう某ライターさんに伝えると「あ、じゃあ会えそうだ。僕は2時すぎから最後までいる予定だからね♪」ってお返事がきました。そのときに「ああ、これでもうミニオフ(?)決定だね♪」なんて思ってたんですが、さっそく実現したようですo(^-^)o

さて、この日は電影版「獣拳戦隊ゲキレンジャー ネイネイ! ホウホウ! 香港大決戦」の録音で、録音そのものはお昼の1時ごろから行われてたようです。前日にマサさんからも「明日は13時から17時まで入ってる」ってメールをもらってたので、昼間に大編成→小編成を録って、あとはソロ楽器…って感じのスケジュールだったんでしょうね。


これは、おっちゃんの席の様子です。んまぁ〜すごい勢いで店開きしてますね♪

おっちゃんには事前に「中国笛」っていうオーダーが入ってたそうなんで、響孔のある明笛一式と、念のための篠笛一式を持っていった結果がこれだそうです。すごいなあ!

スタッフの方々もゾロゾロと入ってきて、明笛や篠笛を珍しそうに見てらしたそうですよ。


この「明笛(みんてき)」というのは日本での呼び名で、中国語では「笛子」と書いて、どんなイントネーションかは分かりませんが、とりあえず「ディーズ」って呼ばれているそうです。

この「獣拳戦隊ゲキレンジャー」は功夫(カンフー)の技が中心となっていることもあって、テレビ版も中華風の音楽で面白いんですよね〜。まあ、だからこそ、この日もおっちゃんに「中国笛」っていうオーダーが来たのだと思いますが、その三宅さんの書く中国風音楽が、ベタな中国音楽でもなく、かといって真似っこ中華でもなく、何とも絶妙な感じでいいんですよ〜。今回はテレビ版の溜め録りとは違って、全曲フィルムスコアです♪


こちらは、休憩中に現場にいらした方が撮ってくれた写真です。

ほほほ…本番ではないとあって、おっちゃんも余裕の笑みを浮かべながらの演奏です。いや、おっちゃんだったら、本番も微笑んでたりして!?(^◇^;)


今回おっちゃんが吹いたのは4曲で、特にソロ…というわけではなかったそうですが、明笛のサウンドで全体の雰囲気をさらに中華風に盛り上げるといった感じだったそうです。先に二胡の音も入ってたそうですが、それはもちろんマサさんですね。

この日は響孔のついた明笛をメインに使い、部分的にクロマチック篠笛や、普段はあまり使うことのない低い方のG管の篠笛なんかも使ったそうです。何か、たった一言の「中国笛」ってオーダーでも、随分と幅があり、奥がふかそうですよね〜。これは是非、映画館の大音響で聴いてみたいなあ。
 
録音の最中には「もっと音程を悪くしてください」とか「ポルタメントを効かせて〜!」とか「ちょっときついので、オクターブ下げられますか?」なんて感じで三宅さんから色んな注文が出てきて、おっちゃんもそれに「よっしゃあ!」って感じで途中で楽器を変えたりして、一生懸命に応えたそうですよ。それにしても「音程を悪く…」って、面白い注文ですよね〜。こんな感じでけっこう丁寧に録っていたようですが、曲数も少なく、そんなに長い曲もなかったので、約1時間で終わってしまったそうです。


こちらは、おっちゃんと三宅さんと2ショットです♪

あとになっておっちゃんは「しもた…某ライターさんと2ショット撮るん、忘れたわ(>_<)」と、へこんでました。

ほんと、某ライターさんとの写真がないのは惜しいなあ…でもまあ、またそう遠くないうちにスタジオでミニオフすることがあるような気もしますよo(^-^)o


この映画ですが、8月4日からすでに全国でロードショーされています。7月末に私が急きょ上京したりしてバタバタしてたので、すっかり編集&アップが遅くなってしまいました…ごめんなさいm(__)m

大人でもちょっとハマってしまいそうな面白い設定とストーリー展開に、三宅さんのダイナミックかつ中国風という独特の音楽を、劇場でたっぷり楽しんできてくださいね(^_-)-☆


 

 

466 時代劇「素浪人・月影兵庫」追加録音(栗山和樹)

2007年6月30日。サウンドバレイのAスタに行きました。この日のお仕事は「ケーナを使う(=代わりが見つかりにくい)」ということもあってか、かなり前からキープされていたそうです。でも、はっきりと「何時から何時まで…」というスケジュールが出たのは、何と録音の数日前だったんですって。最終的に出された拘束時間は2時間半で、インペク屋さんからは「もしかしたら、少し伸びるかも…?」って言われてたので、おっちゃんとしては3時間のつもりで予定を立ててたようです。この「少し」っていうのは、判断がほんとに難しいところですよね…。

で、一応、現場に着いてからも「3時間までは大丈夫だけど、それ以上は困る…」ということはインペク屋さんに伝えておいたそうです。そうじゃないと、インペク屋さんの方は「前に‘少し延びるかも…’って言っておいたから、4時間やそこらは大丈夫だろう」なんて思ってて、おっちゃんが3時間たったところで「もう帰らないと…」って言い出したときに「うっそ〜!?」なんて感じで慌てさせても悪いですもんね。このあたりのちょっとした一言が随分と人間関係を丸くしたり、お仕事をスムーズに進めるために役立ってるのでは…なんて思う私です。

さて、この日やったのは「素浪人・月影兵庫」というテレビ朝日系の時代劇の劇伴で、音楽は栗山和樹さん。栗山さんは、うちのレポでは初登場だと思うのですが、2006年度の後半の「朝の連続テレビ小説・芋たこなんきん」や「極道の妻たち 〜決着〜」の音楽なんかを手がけられてた、素敵な若手作曲家さんですよ(^.^)b

録音は「リズム隊と笛」という感じだったそうで、おっちゃんはケーナをメインに、一部はリコーダーやフルートなんかも使ったそうです。おっちゃんは「前にフォルクローレのスタイルで日本民謡のアルバムを作ったことがあるけど、あのフォルクローレっていうんは不思議なくらいに日本的なものに合うんよなあ。今回も、吹きながらつくづくそう思うたわ」なんて話をしてましたが、確かに…! ほら、川崎真弘さんも「慶次郎の縁側日記」という時代劇にフォルクローレっぽい音楽をつけてましたもんね?

この日のケーナのメロディーは、おっちゃん曰く「カルナバリート風なリズム(どんなんだろ〜?)」だったそうで、吹いててもとても気持ち良かったそうです。初見なのに「気持ち良かった」なんて感じられるその余裕にビックリですが、やっぱり吹いてて心地よいっていうのは素敵なことですよね〜。奏者がこれですもん、聴衆の私たちにはさぞかし心に染みることでしょう。でも、その「カルナバリート風」っていうのがどういうものか分からないので、オンエアの中でも特定できないのが残念なんですが…と思ってたら、おっちゃんが「カルナバリートって言うんは‘コンドルは飛んでいく’の後半に出てくる早い部分みたいな曲じゃ」って教えてくれました。よ…よし、がんばって聴き当ててみよ(^^ゞ

ところで、そんな感じで気持ち良く演奏していたこの日の録音ですが、やはり時間的な部分では問題があったようです…。ひとことで言うと、楽譜の量に比べて、拘束時間が短すぎたってことでしょうか。最初にもお話したように、この日は2時間半の拘束で、おっちゃんも一応3時間までは予定として入れてたようですが、どう考えても4時間は必要な楽譜の量だったようです(>_<)

内容としてはとても面白い劇伴だったのに、時間的な余裕がなかったことから最初から飛ばし気味に録ってもらって、中には「ここはちょっとやり直したいなあ」って思ったところもそのままにして、最後の方はもうかなり巻いて(急きたてて)録ってもらって…という、おっちゃんとしてもちょっと悔いの残る録音になってしまったそうです。しかも、これだけ急いで録っても、何曲かは録り残してしまったんですって…ほんと、惜しいですね。おっちゃんも「時間さえあったら、いくらでも居残ってあげられたのに…栗山さんにもほんとに申し訳ないことをした」って感じで、ちょっと落ち込み気味でした…録音時間を読むって、ほんとに難しいんですねえ(-_-;)

この日の編成は、フルート&ケーナ&リコーダー(おっちゃん)、ドラムス(渡嘉敷祐一さん)、ベース(渡辺直樹さん)、ピアノ(美野春樹さん)、ギター(田代耕一郎さん他1名)、打ち込み(栗山和樹さん)、ラテン(菅原裕紀さん)、エンジニア(中越さん)でした。

この番組は2007年7月からすでにオンエアされてるんですが、このときに録られたケーナの音がかなり目立って使われてるんですよ〜。それがその「カルナバリート風の曲」かどうかはまだ私には分からないんですが、とにかくものすごくカッコよく鳴り響いてます。もちろん、しっとりした綺麗なメロディーの曲なんかもあって、おっちゃんファン・フォルクローレファンにはたまりません。

また、フルートの曲もときどき使われてますが、あの踊ったような曲想は何て言うんだろう…ボサノヴァって言うのかなあ。曲のジャンルに疎くてちゃんとご説明できなくて申し訳ないんですが、おおよそ時代劇とは結びつかないような音楽がつけられてて、これがほんとにいい雰囲気を出してるんですよ〜。もちろん、ギターやピアノの曲でも「わあ〜♪」とか「これ面白い〜!」って思う曲がいっぱいです。ぜひオンエアを楽しんでくださいねo(^-^)o

 

 

465 アニメ「デルトラクエスト」追加録音(大谷 幸)

2007年6月29日。ビクターの301に行きました。この日は、テレビ東京系列で土曜日の朝8時から放送されているアニメ「デルトラクエスト」の追加録音で、音楽はもちろん大谷 幸さんです。何でも、大谷さんのお話では、今回の音楽のテーマはファンタジーバージョンだとか…あ、このアニメは、初回録音レポのときにも少しお話しましたが、原作はオーストラリアの方なんですよね。で、出版と同時に世界各地で大ヒットになって今回のアニメ化という流れになったようですが、アニメはオーストラリアの方ではやってないんだそうです。これまた面白い話ですよね(^^ゞ


こちらは休憩中の写真なんですが、真ん中にいらっしゃる「自称:華麗なるバイオリニストのMさん(何で名前を伏せてるかは、あとで分かりますよ♪)」が最近ハマってるという、携帯で撮った面白ムービーを大谷さんたちに見せて、皆で笑っているところです。

このムービーなんですが…「au」独自のサービスのようで、犬・猫・パンダ・チンパンジー・ガマカエル・サングラスをかけた自由の女神・だるま…などなど、色んな画像にユーザーの声を当てることができるんです。しかも、そのユーザーの喋りに合わせて、画像の…たとえば犬や猫の口元が動くんです。


…と言っても、文字だけの説明では、何のことやら分かりませんよね。では、ここで、そのムービーの1つをお見せしたいと思います。ただし、そのパンダやチンパンジーなどの画像は「au」に著作権があって使えないので、あくまでイメージ画像ということで「ああ、このキャラの口元が、Mさんの喋りに合わせて動くんだなあ」って想像しながら見てくださいね(^.^)b

あ、↓の動画を見るためにはクィックタイムが必要です。お持ちでない方は←こちらでDLしてください♪
また、DLに数十秒かかることもあるようですので、気長に待ってみてくださいね(^^ゞ

(↑を開くとサルのぬいぐるみが出てきますが、ほんとは本物のチンパンジーが映ってました)

どうですか? 見えましたか?
画像はともかく、声は正真正銘のマサさ…あ、いやいや「自称:華麗なるバイオリニスト」のMさんです。まあ、携帯動画ってことで生の声とはかなり違うところもあるかもしれませんが、雰囲気くらいは伝わったでしょうか…。こんな感じで、色んな動物やキャラに合わせて、色んな声色で面白いトークをして、色んなお友達に送ってるいたいですよ。で、送ってない方々には、こうしてスタジオで見せてるみたいです。ほんっと、Mさんったら…(^◇^;)


で、私がこのレポを作る際に「Mさんとメールすることも、会うこともできない全国のファンのために、是非このムービーをレポで使わせてください。Mさんの声やユニークさを、色んな人に届けてあげたい…!」ってメールすると、左のようなお返事が来たんです。そんなわけで、とりあえず「自称:華麗なるバイオリニストのMさん」という匿名でお届けさせていただきました(^.^)b

ただ、最初はこの録音現場で大谷さんたちに聞かせてたのと同じものをレポでアップしようと「パンダとカエルと…」なんて言ってたんですが、途中でその自称:華麗なる…(えぇ〜い、もう面倒くさ〜いっ!)マサさんの方から「あ、じゃあ、あれを使って…!」って指定があったんです。それが↓なんですが…(;^_^A

(ちなみに、↑の本来の画像は、ラシュモア山に彫られたジョージ・ワシントンのドアップでした(^^ゞ


ど…どうでしたか…?
とにかく、こんな感じで、先のチンパンジーのような不特定多数バージョンと、こんな個人バージョンとを色々と撮りまくって楽しんでるようです(^^ゞ

さて、随分と話が脱線してしまいましたが、ようやく本題に入りたいと思います〜。

この日の録音は、ほとんどが先に大谷さんによって打ち込まれたシンセのオケに、おっちゃんたちのオケをダビングする…という形で行われたようです。おっちゃんの話では「打ち込みのオケに被せるせいか、生オケの…特に弦やブラスは、動きが速かったり、同じパターンの繰り返しがあったりして、いわゆる打ち込み的な動きが多かったように思うなあ」とのことでした。

こう聞くと、今までに聞かせていただいてきた色んなお話からして「打ち込み的な動きを生楽器で演奏なんて…やりにくいんでは?」なんて思ってしまうんですが、そこは大谷さんがきちんと配慮されてたようで、全く問題なかったようです。また、その、どちらかと言うと打ち込み的…つまり機械的な動きに、ちょっと神秘的な感じの木管のソロなんかが被さると、これがまた本当にいい感じで組み合わさって、まさに今回のテーマである「ファンタジー」って感じの世界観になってたんだそうです。このあたりの大谷さんの読みに対して、おっちゃんも「さすがやなあ!」と感心しきりでした(^-^)


こちらは、↑の2枚の写真を撮ってくださったインペク屋さんと、大谷さん、そして「自称:華麗なるバイオリニストのMさん」こと、マサさんの3ショットです(^.^)b

大谷さんのダブルピースが、この現場の楽しさを象徴しているようで、ほんとに素敵ですよね(*^-^*)


この日の編成は、弦(マサさんのグループ:86442)、フルート&ピッコロ(おっちゃん)、オーボエ(庄司知史さん)、クラリネット(十亀正司さん)、トランペット(菅坂雅彦さん・西村浩二さん・横山 均さん)、トロンボーン(松本 治さん・山城純子さん・井口さん)、チューバ(佐藤潔さん)、ホルン(藤田乙比古さん・萩原さん・岡村さん)、打ち込み(大谷 幸さん)、エンジニア(吉田俊之さん)でした。

私はこのアニメを数回に1回しか見れてないんですが、それでも激しい戦闘シーンの中にも大谷さん独特のカラーがあったり、どことなく大谷さんの過去の作品である「光と水のダフネ(87番104番参照)」のような雰囲気もあって、ほんとに楽しめます。物語りも随分と深くなってきてるようですので、この日に録られた音楽がどういったところで使われてくるのか、楽しみですよね。皆さんも、ぜひ早起きして見てみてくださいねo(*^^*)o


 

 

464 NHKラジオ第2放送「おはなしの旅」(三柴 恵さん)

2007年6月22日。NHKの504スタに行きました。この日は、NHKラジオ第2放送で放送されている「おはなしの旅」という小学校中学年を対象とした番組の録音です。この「おはなしの旅」シリーズは、6月1日に亡くなられた桑原研郎さんがずっと手がけてらしたもので、今回もかなりのところまで準備されてたそうです。何でも今回の音楽を担当された三柴さんに「オーケストレーションをするように」とスケッチを渡された直後に亡くなられたとか…。で、以前から桑原さんのアシスタントのようなことをされてた三柴さんがその遺志を継いで、この日の録音となったようです。あ、三柴さんは、桑原さんの最後のお仕事になった礼式用音楽の録音(460番参照)の時には、代棒を振ってらした方ですね。

さて、この日に録られたのは「龍の子太郎」と「雪女」の2つのお話のための音楽でした。この「龍の子太郎」は、1979年に真鍋理一郎さんの音楽でアニメ映画(東映まんがまつりで公開)がありましたが、おっちゃんはその音楽にも参加してるんだそうです。2人の作家さんの世界観を奏者として内側から味わうことができるなんて、おっちゃんはやっぱりすごいですね〜!

編成は、弦(中川さん:ヴァイオリンソロ)、フルート&リコーダー&ケーナ(ケーナ)、オーボエ(広多智香さん)、マリンバ&バイブ(小竹満里さん)、ピアノ&チェンバロ(江草啓介さん)、指揮(三柴さん)という感じで、棒を振ってらっしゃるのが三柴さんであるということを除けば、メンバーも、音楽も、全く桑原さんのときと同じ…ただ、そこにいるはずの桑原さんがいないだけ…ということで、何となく不思議な雰囲気だったそうです。おっちゃんの話では、最近のスタジオでは、チェンバロはほとんどがシンセの音源を使っているんだそうですが、最後まで生のチェンバロを使ってらしたのは桑原さんだけじゃないか…とのことでした。ほんと、淋しい限りです(>_<)

あ、休憩時間には、皆で桑原さんの思い出話なんかをして桑原さんを偲んだそうですが、その桑原さんとのことや、桑原さんの1日後に旅立っていかれた羽田健太郎さんとの思い出について、おっちゃんのHPの「笛のページ」内にも「追悼文・三題」として綴られています。長年のキャリアがあるおっちゃんだからこそ話せる極秘エピソードがいっぱいですので、ぜひ読んでみてくださいね(^.^)b

最後になりましたが…NHKの番組表によると、この「龍の子太郎」は1部と2部に分けて、2007年11月20日から12月12日の間まで放送されるようです。でも、もう1つの「雪女」に関してはまだ分かりません。来年度の分もしっかりチェックしていく予定ですが、まずは2学期後半のオンエアをどうぞお楽しみにo(^-^)o


 

 

463 OVA「サクラ大戦」追加録音(田中公平)

2007年6月7日。ビクタースタジオの303スタに行きました。ビクターといえばほとんどが301で、たまに302スタがあるかな〜って感じだったと思うんですが、この日は303スタという、ダビングがメインの小さなスタジオだったそうです。どんな感じのスタジオかと言うと…↑でご紹介したビクターのHPのこちらに303スタの様子がありますね。わあ、なかなか綺麗な感じのスタジオですよ♪

さて、この日のお仕事は、田中公平さんによる「サクラ大戦」の音楽でした。サクラ大戦といえば今は「ニューヨーク・紐育」っていうOVAが出ていますが、その追加録音なのか、9月13日に発売されるというプレステ2用の音楽なのか…とにかく、久々の公平さんのお仕事ということで、おっちゃんも私も数日前から何かワクワクしていましたo(^-^)o

ただ…その後すぐに羽田健太郎さんと桑原研郎さんの訃報を相次いで知り、この日がお2人のお葬式ということで、公平さんにお会いできる(私の場合はおっちゃんから様子を聞かせてもらえる)ことに心を躍らせてるような雰囲気でなくなってしまいました…だって、お2人とも、あまりに急なんですもん(>_<)

そんなわけで、おっちゃんもご葬儀に参列してからお仕事に行くことになったので電車で行くことになり、事前に楽器の確認をさせてもらったそうです。ほら、車だとどんな楽器でも持って行けますが、電車となると限られてきますしね? で、その結果「フルートだけでいいですよ♪」ってことになったみたいですが、一応ピッコロ・オカリナ・リコーダーなど最小限の楽器も合わせて持っていったそうです。

ところが、いざ現場に行ってみると、この日は何と「エジプト風の笛」という注文が出ていたんだそうです。じゃあ、どこから「フルートだけでいい」って話が出てきてたんでしょう…そのあたりは謎なんですが、エジプト風の笛とフルートって、かなりイメージが違いますよねえ。もし、1月にサンライズ・スタジオでやった録音のような感じのをイメージしてらっしゃるのだとしたらケーナなんですが、この日は持ってきてません…。

仕方がないので色々と考えた結果、ソプラノリコーダーの「ブロックずらし(114番209番参照)」の技を使うことにしたそうです。まず、ほとんど音が出るか出ないかくらいのスカスカの音になるまでブロックをずらせて、普通のリコーダーの吹き方からは全く離れたエスニック奏法(?)にしてやってみたところ、OKがもらえたんですって。こんな風に、とっさに色々と考えて作家さんの希望の音に近づけてしまうところが、ほんとにすごいなあと思う私です。それに、その「フルートだけで…」って言ってくださってるところに「もしものために…」って色んな楽器を持っていってるところもね〜。まあ、こうして音色を作るまでは大変だったようですが、あとはとってもスムーズに進んで、アッという間に録り終えたそうですよ♪

そうそう、この日おっちゃんからは「録音が始まる前に、マサちゃんが遊びに来とったんよ。マサちゃんは隣のスタジオでやっとったらしいわ。」なんてメールが来るし、マサさんからはマサさんで「今日、公平さんの現場に遊びに行ったら、おっちゃんがいたよ」なんてメールが来るし…何か、お互いに意識しあってるのがおかしいし(意識してないって?)、「マサちゃん」「おっちゃん」なんて呼び合ってるのが微笑ましいですよね〜。

でも、先にお話ししたように、この日は羽田さんと桑原さんのお葬式があったので、おっちゃんは礼服、マサさんも黒いシャツを着てたそうです。羽田さんと桑原さんのお通夜とお葬式がピッタリ同じ時間だったってことで、おっちゃんは羽田さんのお葬式に、マサさんは桑原さんのお葬式に行ってきたみたいですよ(お通夜はお互いに別の方へ…)。この録音があって動けなかった公平さんは、そんな2人にお葬式の様子なんかを聞いて偲んでらっしゃったそうです。ほんと、残念なことでした(>_<)

編成…といっても1人でダビングだったんですが、打ち込み担当は丸尾さんで、エンジニアは中村充時さんでした。


 

 

462 映画アンパンマン「シャボン玉のプルン」(近藤浩章)

2007年5月28日。AVACO(アバコ)の301スタに行きました。この日は、もう毎年ほぼ恒例となっているアンパンマンの映画の音楽録りでした。音楽も、お馴染みの近藤浩章さんです。今回のタイトルは「それいけ! アンパンマン シャボン玉のプルン」で、シャボン玉城に住む、不思議なパワーを持ったプルンちゃんという子が主役のようです。あ、映画アンパンマンと言えば、毎年どなたかタレントさんがその主役の女の子の声を演じてますが、今回は水野真紀さんみたいですね。ちょうど水野真紀さんの息子さんもそろそろアンパンマンが分かるころでしょうから(2005年4月に誕生)、水野さんもやりがいがあったのではないでしょうか(^o^)


さて、おっちゃんから「今日はアンパンマンの仕事じゃ」と連絡をもらったときに過去のうちのレポを見てみたんですが、毎年ほんとに同じような時期に録音が行われてるんですね〜。ちなみに、過去2年(243番361番)は6月1日、その前(142番)は6月9日のようでした。しかも、メンバーもほぼ同じなんです。これにも妙に感激してたら、おっちゃんも今回のお仕事が入った時点で過去のレポを見直したようで、やっぱりそのメンバーがほぼ同じというのに驚いてました。このメンバーというのは、作曲家さんの好みやインペク屋さんのつながりみたいなものも大きく関わってくるようですが、実はスタジオや拘束時間、指揮者さんまで一緒なんです。さすがのおっちゃんも「これはかなり珍しいケースちゃうかなあ」と、またまた驚いてました(^^ゞ

ちなみに今回の編成は、弦(小池弘之さんのグループ:64221)、フルート&ピッコロ&リコーダー(おっちゃん)、オーボエ(石橋雅一さん)、クラリネット&バスクラリネット(星野 正さん)、ファゴット(前田正志さん)、トランペット(エリック宮城さん木幡光邦さん他1名)、トロンボーン(広原正典さん他)、チューバ(佐藤 潔さん)、ホルン(南浩之さん・中島さん他1名)、パーカッション(金山さん)、サックス(渕野繁雄さん)、ドラムス(岡本さん)、ベース(岡沢 章さん)、ピアノ(中西さん)、ギター(伊丹雅博さん)、キーボード(宮本 一さん)、ラテンパーカッション(菅原裕紀さん)、指揮(熊谷 弘さん)、エンジニア(山崎さん・金子さん・篠原さん)で、とても豪華&多彩な顔ぶれですよね(*^-^*)


あ、木管セクションとしては、これまでレギュラーメンバーだったファゴットの大畠條亮さんが2月に行われた「オーケストラで綴る…(437番439番を参照)」のお仕事を最後に亡くなられたために、お弟子さんの前田正志さんに変わっていたようです。

2月のお仕事のときの大畠さんはご自分のご病気(肺がん)のこともよくご存じで、あの大きなファゴットを支えるギリギリの体力しかない…いやもう、実は楽器を支えかねてて、指は悲鳴を上げてる…という感じだったそうですが、いざ本番となると「ああ、やっぱり大畠さんじゃないと!」と思わせるような、温かい音色を奏でてたそうですよ。ほんとに残念なことです…心から、ご冥福をお祈りしたいと思います。


ちなみに、このアンパンマンのお仕事ですが、毎年けっこう丁寧に録っているのに加えて、ときどき機械的なトラブルが発生したり、打ち合わせの食い違いなんかがあったりして、ちょっと押してしまうことが多かったように思うんです。でも、今回は進行がとてもスムーズで、どのセクションとも余裕で終わったみたいですよ。この日のおっちゃんの「今日はえらいスムーズで、はや終わってしもたわ〜♪」という明るい声が、今でもハッキリと思い出される私です(^-^)

実は、この日は60数曲も録ったんですが、短い曲がほとんどだったというのがスムーズにいった理由の1つかもしれません。音楽の雰囲気としては、全体的には今までのカラー(アンパンマンのテーマがベース)で進めてる感じだったそうですが、今回は特にテーマバリエーションが多かったように思ったそうです。こうして基本のテーマがあって、それを膨らませていく…というのは1から作曲するより楽なのかなあとも思いますが、あまり数が多いとなると、かえって大変ですよね〜。どんなバリエーションがあるのか、色々と聴き比べてみたいものですo(^-^)o

それにしても、60数曲とはすごい数ですよね…おっちゃんの話では「最近のアニメは打ち込みに依存しとるんも多いんやけど、今回のは全部が生オケってことで、余計に多いように感じたんかもしれんなあ」ですって〜。全てが生オケって…それもまた、すごい話ですよね〜。こうした人の息づかいが感じられる音楽が、子供たちの心にしっかり響いてくれたらいいのになあって思いますね♪

最後になりましたが、この映画は2007年7月14日から、全国で公開されます。さすがに大人1人だけでは行きにくいかもしれませんが、そうした方は数ヶ月後にレンタルビデオで、小さなお子さんのいる方はぜひ映画館に足を運んで、アンパンマンのテーマバリエーションをメインに、水野さんの素敵な声や生オケの豊かさを、存分に楽しんできてくださいねo(*^^*)o

レポ内のアンパンマンのアイコンは「ANPANMANのらくがき帳」さんからお借りしました


 

 

461 アニメ「おおきく振りかぶって」追加録音(浜口史郎)

2007年5月23日。サウンドシティのAスタに行きました。この日は4月からスタートして大好評となっている「おおきく振りかぶって」の追加録音でした(初回録音は443番を参照)。音楽はもちろん、浜口史郎さんです。皆さんはもうよくご存じだと思いますが、このアニメは略して「おお振り」って言うんですよね。でも、原作を読んだことのない私はもちろん、おっちゃんもこの「おお振り」は知らなくて 最初に新聞のテレビ欄で見たときは「へぇ〜‘おお振り’や言うんやなあ」「何や、振袖みたいやなあ」なんて言い合ったものでした(^^ゞ

おっちゃんは初回録音のときには1人でダビングで、ちょっと難しい曲なんかもあって戸惑った部分もあったので、この日は「今日はどんなことするんやろ…」と、ちょっとドキドキしながらスタジオ入りしたそうです。でも、いざスタジオに入ってみると、1人でダビングではなく、弦もブラスもパーカッションもいたので、何だかホッとしたそうです。おっちゃんでも、そんなことがあるんですねぇ〜って言ったら失礼かしらん(;^_^A

あ、このアニメは、関西では土曜日の夕方5時半から…っていう、とっても見やすい時間にやってくれてて嬉しいんですが、関東は木曜日の深夜なんだそうですね。だから、おっちゃんもビデオを活用して見てるそうですが、その苦労して吹いた笛の音がけっこういいシーンで使われてるので、とっても嬉しそうでした(^o^)


こちらは、おっちゃんのブースから見たフロアの様子です。

写真にマウスを乗せるとアップになりますが、指揮の柳沢さんの後姿の左隣に、かすかにマサさんが…その更に左には城戸喜代さんがいらっしゃいますよ。また、柳沢さんの右側には田尻 順さんの姿も見えますね♪


この日は、高校野球大会の入場行進用のマーチとか、高校野球の代名詞とも言える「栄冠は君に輝く」なんかをメインに録ったそうですが、そうした曲が多かったせいか、スタジオ内はとても明るく爽やかで、何か自然と力が湧いてくるような、いい雰囲気に包まれてたそうですよ。あ、その入場行進用の音楽も7月のオンエアで使われてましたが、とっても軽やかで優しい音色で、でも楽しい気分になれて…っていう、いい音楽でしたよ〜。ただし、その入場行進のシーンがけっこう長かったので、曲も随分と長かったです。これは、演奏されてた皆さんは、ちょっと大変なものがあったのかもしれませんね(^^ゞ

そうそう、ここで得意の脱線を…この録音の日に原作の第8巻のコミックが発売になったそうですが、もともとこのマンガのファンであるインペク屋さんは、このスタジオに入る前に買って行ったんだそうです。それを現場で浜口さんと、浜口さんのマネージャーであるマサルさんに話すと、マサルさんから「見せて〜!」って言われたそうですが、咄嗟に「ちょうど試合が終わる重要な巻なのに、マサルさんに先に試合結果を言われちゃうと困る〜!」って思って、断っちゃったそうですよ。何だか、その場の状況が目に浮かんできて思わず笑ってしまいそうになる、ほんっとに楽しそうな現場ですよね〜♪

あと、浜口さんは浜口さんで、テレビのオンエアをチェックがてらに見てらしたら、試合の展開がちょうどいいところで終わっちゃって、思わずお仕事も忘れて素になって「このあと、どうなったんだっけ…?」と、原作を読み直されたそうですよ。これまた、ほんとに微笑ましいお話です。最初にも書きましたが、私はこの原作を読んでないんです。でも、原作ファンの方によると、このアニメは原作に見事なまでに忠実で、状況もセリフも全く同じなんですって。だから、見ててもとても安心感があって、しかもアニメならではの興奮もあって、ほんとにハマるみたいですよ〜。私も原作を読んでみようかな〜?


こちらは、浜口さんとおっちゃんの2ショットです♪

浜口さんは、今までにも1〜2度は写真でレポに登場してくださったことがあると思うんですが、こんなにハッキリとお顔が見えたのは初めてかも…(^o^)

実は…今まではその、あんまりハッキリと写ってらっしゃる写真がなかったせいか、私の中では「ちょっとコワイ系の方?」ってイメージがあったんです(浜口さん、ごめんなさ〜い)。でも、こんなに優しい表情をした、素敵な方だったんですね(*^-^*)


この日の編成は、弦(マサさんのグループ:64221)、フルート&ピッコロ&ケーナ(おっちゃん)、クラリネット&アルトサックス(佐野博美さん)、トランペット(菅坂雅彦さん・横山 均さん)、トロンボーン(松本 治さん佐藤洋樹さん)、パーカッション(高田みどりさん:スネアのみ)、指揮(柳沢さん)、エンジニア(吉田俊之さん)でした。追加録音ということもあってか、ちょっと小さめの編成でしょうか…。

あ、いつもなら木管…つまり、フルートとクラリネットは同じブースに入るそうなんですが、この日のクラリネット奏者である佐野さんは途中でサックスにも持ち替えてらしたので、フルートとの音量の関係で別のブースになってたようです。また、おっちゃんによると、いつもは色んな楽器を叩いてくださるパーカッションの高田さんは、この日は何とスネアドラムのみだったとか。これを見たインペク屋さんは「高田さんがスネアだけとは、すごく贅沢な使い方だ〜!」と、大興奮してらしたそうですよ(^.^)b

そうそう、この日の録音とはまた別に、本物の高校のブラスバンド部の方に、高校野球の応援で使われそうな曲をいくつか演奏してもらったんだそうです。そのときに録られたと思われる曲の1つとして、第14話の中で山本リンダの「狙いうち」が流れたんですが、まるで野外で録音したかのような、ちょっと乾いた感じの音に仕上がっていて、それがスタンドでの応援をものすご〜くリアルに表現していて、とっても素敵だったんですよ〜。余談ですが、トランペットのソロとアニメの指の動きが合ってたのも面白かったです♪

最後になりましたが、こんな素晴らしい音楽がいっぱい詰まったサウンドトラックが、2007年9月12日に発売されるようです。このアニメのオンエアを見てると、おっちゃんの音色のオンパレードですし、ギターやドラムがフィーチャーされたドキドキするようなものもいっぱいありますし、いかにも野球アニメらしいっていう音楽も随所随所に流れてとても聴き応えがあるので、サウンドトラックも絶対に面白いと思います。毎回のオンエア同様、サントラの発売も楽しみに待っててくださいねo(*^^*)o


 

 

460 礼式用音楽(桑原研郎)

2007年5月19日。サウンドインのBスタに行きました。この日は事前に「桑原研郎さんのお仕事で、劇伴…」という程度の連絡はもらっていたようですが、実際にスタジオに行って手渡された楽譜を見てみると、そこには「礼式用BGM」というタイトルがつけられてたそうです。礼式用…つまり、お葬式の会場で流す音楽ということですね。

これを聞いたときの私の第一声は「へぇ〜こういう仕事もあるんかあ!」だったんですが、よく考えてみれば、そこに音楽がある限り、必ず誰かが作ってて、誰かが演奏してるわけですよね? そんな当たり前のことだったんですが、私にとっては妙に新鮮で、しかも新たな世界がひらけたようで、ちょっとドキドキしたのを思い出しました(^^ゞ

ところで、おっちゃんの話によると、おっちゃんたちのようなミュージシャンの方々が亡くなられたときは故人にちなんだ音楽を流してることが多いそうなんですが(そういえば、宮川 泰さんのときは‘宇宙戦艦ヤマト’の生演奏でしたっけ…)、一般的には故人の遺志や遺族からの特別な申し出がない限りは、葬祭場に常備されてる静かな音楽が流されてますよね? どうやら今回の音楽は、そうした一般の葬祭場で流されるもののようです。

でも、その一般葬祭場で流される音楽といっても、何と20曲近くも録音したんだそうですよ〜。お葬式のときって、そんなに色んな種類の音楽が流されてましたっけ…。それとも、その20曲近い曲というのを、色んな葬祭場に小分けにするんでしょうか。何はともあれ、お葬式のBGMというだけあって、どの曲もテンポがとても緩やかで、しかも1曲あたりの時間が長い…ということで、拘束時間いっぱいまで頑張ってみても、結局は2曲ほど録り残してしまったそうです。こうなってしまったら、いつもだったら居残りか日を改めて録るってことになるんでしょうけれど、礼式用の音楽は普通の劇伴みたいに「○○のシーンにこの曲!」なんてことが厳密に決まってるわけではないので、今回はこれでいいんですって…何か、一生懸命に曲を作られた桑原さんには気の毒なお話のような気がしますけどね(^^ゞ

この日の編成は、弦(中川さんのグループ)、フルート&アルトフルート&リコーダー&ケーナ(おっちゃん)、オーボエ(広多智香さん)、パーカッション(小竹満里さん)、ピアノ(江草啓介さん)、指揮(三柴さん:女性)、エンジニア(後藤さん・奈良さん)でした。

そうそう、このメンバーでBスタというのはちょっと厳しいものがあったようで、おっちゃんは例の中2階のブース、パーカッションの小竹さんは普段は通路になってる「前室」と呼ばれるところで演奏することになってたそうです。この前室にはおっちゃんも何度か入ったことがあって、このレポでも1〜2度は話題として出させてもらったような気がするんですが、けっこう人の出入りが激しくて落ち着かないところらしいんですよね〜。だから、おっちゃんはこの日の小竹さんのことを、とても気にかけてたりしましたよ。何はともあれ、無事に録音が終わって良かったです(^o^)

さて…この桑原さんですが、残念ながら去る6月1日に亡くなられました。何でも、大好きなマージャンをされてる最中だったとか…。この翌日に亡くなられたハネケンこと羽田健太郎さんとは、マージャン仲間だったそうです。そんなお2人のお通夜と告別式は同じ日の同じ時間で、音楽関係の皆さんはどちらに行っても後ろ髪を引かれるような思いをされたそうですが、桑原さんのお通夜の会場では、この日に録られた音楽が流れてたそうですよ。何だか、ちょっと複雑な気分です…(>_<)

あ、私くらいの年代の方は、NHK教育の番組で流れていた「口笛吹いて〜空き地へ行った〜 知らない子はもういない〜みんな仲間だ 仲良しなんだ〜♪」という歌をよくご存じかと思いますが、これは桑原さんが作られた曲なんですよ。ほかにも心がほこほこするような温かい音楽がいっぱい…ほんとに残念なことです。心より、ご冥福をお祈りしたいと思います。

 

 

459 アニメ「レ・ミゼラブル 〜少女コゼット〜」追加録音(松尾早人)

2007年4月30日。サウンドシティのAスタに行きました。この日は事前に「イマジンの松尾早人さんの書きで…」くらいのことは聞いてたそうですが、詳しい内容は分からなかったので、ちょっとドキドキわくわくしながらスタジオ入りしたおっちゃんです。で、スタジオでスタッフの方に聞いてみると、いまBSフジなどで放送中の「レ・ミゼラブル 〜少女コゼット〜」の録音だということが分かりました。この作品については、前にもうちでレポさせていただいたことがありましたよね(399番参照)。つまり、追加録音ということになります(^.^)b

ただ、スタジオに入ってしばらく待っていても、開始時間が間際に迫ってきても、どうも閑散としてるこの日のスタジオ…おっちゃんは「ど…どうしたんじゃ?」なんて思ってたそうですが、どうやらこの日は、最初の1時間を小編成…つまり、木管とピアノだけでやって、それから弦や金管が入ってくるというスケジュールになってたそうです。やっぱり、弦の方たちがいないと、スタジオは随分と淋しい感じになるようですね。

で、そんなお仕事開始直前のおっちゃんからは「レ・ミゼラブルの追加やって」なんて嬉しそうなメールが来たんですが、それを知った私の方は「が〜ん…」って感じです。だって、この作品は、BSフジ・BIGLOBEストリーム・CSアニマックスで放送されてるようですが、どのチャンネルも我が家では見えないんですもん…。原作ファンからも、劇伴ファンからも、ほんとに高い評価を得てるこのアニメ、一度ぜひ見てみたいと切望してるんですが、いつになることやら…とにかく、私のそんな気持ちとは関係なく、録音は始まりました(^^ゞ

おっちゃんや、現場にいらしたスタッフの方のお話によると、バロック風の音楽、修道院を思わせる音楽、素敵な宮廷音楽、フランス革命のシーン用の勇ましい音楽、ジャン・バル・ジャンが天に召されるシーン用の荘厳な音楽、エポニーヌの恋心を描いた音楽…などなど、ものすごい種類の音楽があって、現場の皆さんも改めて松尾さんの引き出しの多さに驚かされたそうです。しかも、それらの音楽を聴いてるだけで自然とあのストーリーやそれぞれのシーンが目に浮かんでくるくらい、ほんとに素晴らしい描写ぶりだったそうですよ。そばで聴けたスタッフの皆さん、またはこのオンエアが見られる皆さんが羨ましいです(>_<)


あ、そんな素敵な曲がぎっしり詰まったサントラが、去る5月23日に発売されました。収録曲のメインは初回録音のものだと思われますが(…というより、今回の録音分も収録されてるのかなあ?)こちらのサイトで一部を試聴することができますよ。この試聴だけでも、ほんとに心が躍りますo(^-^)o

(C)日本アニメーション・フジテレビ

←ジャケット写真の掲載にあたっては、関係者さまの許可をいただいてます。無断転載しないでね(^^ゞ


そうそう、その現場では松尾さんの引き出しの多さに驚く声のほかに「今日のは全体的に可愛らしい感じのが多いね」「うん、何か作曲者のイメージと一致しないよね〜♪」なんて声もあったとか…んまぁ〜何て失礼な(;^_^A しかも、オーボエのおじさん(あえて名前を伏せてみましょう…って、最後に編成を書くから分かるって?(^^ゞ)なんて、しきりに「松尾さんのあの風貌から、こんな可愛い音楽が生まれるとはねえ…」なんて言ってたそうですよ。まったく…皆さん、言いたい放題ですな。でも、これも日ごろからの素敵な信頼関係があるからこそ、言えることでしょうしね〜。また1つ、録音現場の素敵な一面を見せてもらった気がします(*^-^*)

話は戻りますが、マサさんたち弦の皆さんは木管より1時間ほど遅れて入ってこられたそうで、おっちゃんはそれを見てホッとしたとか…というのも、編成が薄いと…あ、この「編成が薄い」ってのも、おっちゃんたちの独特の言い方ですよね〜。とにかく、その編成が薄い…つまり小編成だと各パートが目立つことになって、ごまかしが利かないので、ちょっと緊張するんですって。特に、松尾さんのように「とっても素晴らしい音楽なんだけど、それだけ演奏も難しい」みたいな音楽を書かれる方のときは、かなり緊張するんだそうですよ。ふ〜む、おっちゃんが緊張ねえ…その真偽のほどはともかく、編成の大きさは、ミュージシャンの皆さんの心情と何らかの関係があるようです(^.^)b


これは、休憩時間のコントロールルームの様子です。

右端にいらっしゃるのはイマジンの社長さんである斉藤さんで、手にはおにぎりを持ってるようですよ♪

で、その隣りが今回の音楽を担当された松尾さんで、いちばん奥にいらっしゃる女性がプロデューサーの増谷さん。左端に座ってピンクっぽいシャツを着てらっしゃるのがエンジニアの吉田さんですね(^.^)b

画像にマウスを乗せると今度はおっちゃんが写ってるバージョンになりますが、これはインペク屋さんが撮ってくださったそうです(*^-^*)


この日の編成は、弦(マサさんのグループ:64422→1111)、フルート(おっちゃん)、オーボエ(石橋雅一さん)、クラリネット(十亀正司さん)、ファゴット(塚原里江さん)、トランペット(菅坂雅彦さん)、ホルン(南浩之さん)、ピアノ(松田真人さん)、ギター(千代正行さん)、指揮(D島公二さん)、エンジニア(吉田俊之さん)、プロデューサー(増谷さん)でした。

あ、この日は、たまたま隣のスタジオで同じイマジンの多田彰文さんがTDという作業をしてらしたそうで、こちらの現場に遊びにこられたりしたそうですよ。何だか楽しそうですよね〜。また、松尾さんは色んなメーカー(ほぼ全メーカーとの噂も!)のデジカメ一眼レフを揃えてらっしゃるくらいの写真マニアなんだとか…つい最近、デジカメ一眼レフを買って写真撮影に燃えてるおっちゃんとは、そうした話でも盛り上がったみたいです。ほんと、あっちもこっちもで素敵なひと時があって、聞いてる私の方も思わず顔が緩んでしまいます。こんな優しい空気の中で生まれた「レ・ミゼラブル 〜少女コゼット〜」の音楽、見られる環境にある方はぜひ見て(聴いて)くださいねo(^-^)o

 

 

458 演歌のレコーディング(京 建輔)

2007年4月17日。この日は、おっちゃんの出身高校の大先輩にあたる京 建輔さんのアレンジで、とある演歌のレコーディングでした。場所はサウンドインのAスタです。いつぞやのレポにも書きましたが、こうした歌もののレコーディングレポは関係者さんへの連絡や確認作業が何かと大変なので、うちのHPでは滅多にレポすることはないんです。でも、今回はレコーディングの合間の素敵なショットが手に入ったので、ちょこっと書き留めてみることにしました。

あ、そんなわけなので、今回の録音の曲名も歌い手さんのお名前も、何にも分からないんです。確認作業が大変だから…という理由で伏せているわけではなく、ほんとにおっちゃんが何もメモしてくれてないんです。きっと「歌もの」ということで、最初からレポするのを諦めてたんでしょう。どうぞ、ご理解くださいね(^^ゞ


こちらは、ギターの斎藤 功さんの愛犬…というよりは、もう「相棒」という存在のわんこ「だいちゃん」と平原さんの2ショットです。

だいちゃんは、いつもこうして斉藤さんと一緒にスタジオに来て、ミュージシャンやスタッフの皆さんの人気を一身に集めてるんだそうですよ♪


もともとの性格なのか、しつけがいいのか、ほんとに賢くて大人しい子で、たとえ本番中でも一言も発することなく、皆さんの頑張ってる様子をこうしてじっと見守ってくれてるんだそうです。だから、おっちゃんからも「だいちゃんの声を聞いたことのある人って、おるんかなあ?」なんて言葉が出てきたのかもしれません。


こちらは、だいちゃんと平原さんの2ショットの別バージョンです。平原さんって、ほんとにお茶目な方ですね〜♪

でも、平原さんの嬉しそうな顔に比べて、だいちゃんは「うう…平原さん、重いよぉ〜!」って感じでしょうか(^^ゞ

写真にマウスを乗せると、そんなだいちゃんの、何とも言えない表情がアップになりますよ(^.^)b


そんなわけで雑談だらけのレポになってしまいましたが、最後にちょっとだけ、今日の録音の様子を…(^^ゞ

この日の曲は、おっちゃんの篠笛と山内さんのお琴が目立った、とても日本的なカラーが強いものだったそうです。ちなみに、この日のエンジニアはサウンドインの鈴木夕香さんという方だったのですが、うちの「PICK UP BBS」にある「スタジオのアシスタント」というコラムの中で書かれてた「優秀なアシスタントさんとは…」のくだりは、おっちゃんの中ではこの鈴木さんのことを強くイメージして書いた部分が多かったようです。なるほど…改めてコラムを読み返してみると、何となく鈴木さんという方が見えてくるような気がしますね。そんな鈴木さんも、今はアシスタントさんではなく、立派なエンジニアさんとしてお仕事されてたそうですo(^-^)o

編成は、ドラムス(渡嘉敷祐一さん)、ベース(松本さん)、ピアノ(古田りんずさん)、ギター(斉藤 功さん高島政晴さん)、ラテンパーカッション(能見さん)、シンセ(中島さん)、篠笛(おっちゃん)、琴(山内喜美子さん)、弦(加藤ジョーさんのグループ:4422)、エンジニア(鈴木夕香さん)でした。

 

 

457 アニメ「DAKER THAN BLACK」(菅野よう子)

2007年4月16日。キングレコードのスタジオで歌もののお仕事をしていたおっちゃんのもとに、突然インペク屋さんから電話がありました。その内容が何と「今日なんですけど、アルトフルートでタワーサイドスタジオに来れますか?」というもの。私だったら「えぇ〜っ! 今日って…いきなりそんなん言われても、心の準備が…(>_<)」なんて思ってしまいますが、おっちゃんの話によると、歌もの…特に演歌なんかのアレンジャーさんの場合は急に「あ、この楽器を入れたいから呼んで〜!」なんて感じで思いつくことがあるそうで、こうした急な呼び出しも珍しくはないんだそうです。

ただ、今回のインペク屋さんは劇伴をメインに扱われてる会社なので、おっちゃんとしても「劇伴関係で、こんな急に…いったい誰やろか?」と首をかしげてしまったそうですが、すぐに「アルトフルート」「急な呼び出し」「タワーサイド」の3つのキーワードから、おっちゃんの頭の中にはある素敵な女性のお顔が浮かんできました。で、かなりの確信を持ってタワーサイドに行ってみると、その予想は見事に的中。そこには、相変わらずチャーミングな笑顔の菅野よう子さんがいらしたそうです。

あとでインペク屋さんに聞いたお話なんですが、実はこの日の朝、そのインペク屋さんがタワーサイドスタジオに来た途端にインペク会社の社長さんから電話があって「その現場にサックスの平原さんに来てもらって、テナーサックスとアルトフルートをやってもらって〜!」って言われたんですって。で、インペク屋さんはすぐに平原さんの事務所に問い合わせたんだそうですが、そのお返事は「そこには行けるし、テナーサックスも大丈夫だけど、アルトフルートは持ってません…」ってものだったそうです。それで、急遽おっちゃんに連絡が行ったってわけですね。

おっちゃんは、この日は同じキングレコードで2つ録音があって、その2つのお仕事の間が4時間ほど空いてたそうですが、そのちょうど空き時間のところにこの菅野さんのお仕事が上手い具合に入ってくれたので、かなり嬉しそうでした。だって、ときには1日のうちに1つしかお仕事がなくて、しかも、それがたった1時間だけのお仕事なのに、こうした飛び込みで入ったお仕事がちょうどその1時間に見事にバッティングして断ってしまう…なんてこともあるみたいですしね?


こちらは、おっちゃんと同じく急きょ呼び出された平原まことさんです(^.^)b

ロビーでサックスを吹いてらっしゃるところに、おっちゃんが「HP用に写真を撮ってもいい?」って聞くと「ああ、あの‘おっちゃんの…’に載せるんだね?いいよ♪」ってことで、こんな風にポーズを取ってくださいました(^-^)

あ、このお仕事の少し前に、イマジンの多田さんによる「桃華月憚(440番参照)」のレポをアップしましたが、その中で「カーブドソプラノサックス」の話題が出てたでしょ?これが、その「カーブドソプラノサックス」です。


これ、ごく最近に買われたものなんですって。普通のソプラノサックスと違って、こうしてアルトサックスのように先を曲げることで独特の丸い音色が出るんだそうです。何か、オモチャみたいで可愛いですよね〜。楽器屋さんなんかの、楽器だけをアップしてる写真とは違って、こうして人が…それも平原さんが持ってくださってるので、大きさがとても分かりやすいですよね。そばで見ていたインペク屋さんのお話では、この楽器には平原さんのお名前のほかに天使や女神さまの彫刻がほどこされて、それはそれは綺麗だったそうです。


ところで、実はこの日、おっちゃんのデジカメが妙に不調で、なかなか上手く写真が撮れなかったそうです。で、仕方なく、最初は携帯を使って撮ってたそうですが、平原さんは色んなポーズを取って周囲を楽しませてくださったそうです。

しか〜し、残念ながら、そのどれもこれもがピンボケで、唯一まともに見えるのがこの右側の写真だけだそうです。惜しい…ほんとに惜しい…平原さんがどんな面白いポーズを取ってくださったのか、見たかったよぉ(>_<)

で、そうこうしてるうちに何とかデジカメが復活して撮れたのが、上のサックスを吹いてる写真というわけですね♪


あらま、何か雑談だらけで、肝心の作品名をお知らせするのを忘れるところでした…。この日に録られた音楽は、現在TBS系でオンエア中の「DAKER THAN BLACK」という番組の中で聴くことができます。私はまだ数回しか見てないのでストーリーについていけてませんが、ちょっと超能力っぽい不思議な世界観のある作品のようです。

何というか…見た感じはとてもシリアスなシーンのようなのに、音楽はドラムが派手に鳴ってて妙にコミカルだったり、悲しそうなシーンのようなのに音楽はちょっと怖い雰囲気だったり…これは、もちろん選曲屋さんのセンスということもありますが、やっぱり菅野さんならではの世界のようにも思います。ときどきフルートの音も聴こえるんですが、それがおっちゃんの音なのか、初回録音に参加された方の音なのか、私にはまだ区別がついていません。一応、この日に録られたおっちゃんの音楽は、抜き足差し足してる泥棒っぽいものだった…とのことなんですが、どの曲のことなのかなあ。でも、菅野さんの独特の世界を、もっともっと味わってみたいと思ってるところですo(^-^)o

この日の編成は、アルトフルート(おっちゃん)、サックス(平原まことさん:おっちゃんの後でダビング)、ドラムス(田中徹さん)、ベース(渡辺等さん)、ギター(今堀恒雄さん)、打ち込み(菅野よう子さん)でした。

 

 

456 アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」追加録音(堀井勝美)

2007年4月13日。AVACO(アバコ)の301スタに行きました。何か「AVACOの301スタ」と聞くとつい和田薫さんを思い浮かべてしまう私ですが、この日は堀井勝美さんとのお仕事で、2007年4月1日からフジテレビで放送中のアニメ「ゲゲゲの鬼太郎」の追加録音でした。4月1日に放送が始まって13日に追加録音なんて、何だかとても早いですよね〜。私が知らないだけで、こういうことはよくあることなんでしょうか? それとも、初回録音のときに何らかの事情があって録り切れなかった曲があって、あわてて追加録音することになったとか…。

何はともあれ、おっちゃんはこれまであまり堀井さんとお仕事する機会がなかったので、この日は久々の再会ということになったそうです。その最初の印象としては「また立派な体格になられて…」だそうですよ。堀井さんって、そんなに大柄な方なんでしょうかねえ…と思ってたら、おっちゃんから新たなエピソードが聞けました。この日の堀井さんは打ち合わせのために何度もフロアとコントロールルームを行き来してたそうなんですが、そのときに必ずと言っていいほど、指揮台から飛び降りるんですって。で、そのたびにスタジオ全体がグラッと揺れるような感じがして、皆さんで苦笑してたんだそうです。なるほどねぇ〜。ちょっと堀井さんの雰囲気が想像できてきましたよ〜。こうなったら、今度またお仕事をする機会があったら、ぜひとも写真をおねだりしてみようo(^-^)o

さて、その録音が始まるなり、堀井さんがまず開口一番に「今日は暗いよ〜!」っておっしゃったそうです。で、その言葉どおり、楽譜には「地獄」とか「幽霊」とかいう文字が並んでて、音楽もほんとに不気味な感じのものが多かったそうです。ほほぉ〜。ここで私は勝手に「こんなに早く追加録音した理由は、初回録音のときに怖い系の音楽を録り切れなかったと見た!」な〜んて想像してしまったんですが、実際はどうなんでしょうね〜?

あ、この日に録られた中には、マサさんのヴァイオリンソロがあったんだそうです。何でも、あのマサさんでさえ弾きにくいと感じるような難しい曲だったそうで、アニメの中では綺麗なお姉さんがヴァイオリンを弾いてるシーンに使われたんだそうです…で、何で「使われた」と過去形で書いたかと言うと、実はこのソロは、去る4月15日のオンエアで既に使われたんですって〜。私もそれを聞いて気にはしてたんですが、見そびれてしまいました…残念(>_<)

そうそう、そのマサさんと言えば…この日、おっちゃんはAVACOのロビーで、マサさんの奥さんにお会いしたそうです。何と、マサさんは二胡を忘れてきちゃったそうで、それを届けに来られてたようです。マサさんも、ときにはこんなお茶目なミスをすることがあるんですね(^_-)-☆

編成は、弦(マサさんのグループ:64331)、フルート(おっちゃん)、オーボエ(柴山洋さん)、クラリネット&サックス(平原まことさん)、ファゴット(前田正志さん)、トランペット(エリック宮城さん他)、トロンボーン(?)、ホルン(藤田乙比古さん他)、パーカッション(大石真理恵さん)、ピアノ(倉田信雄さん)、ギター(田代耕一郎さん)、指揮(堀井勝美さん)、エンジニア(三浦さん)、ディレクター(升谷さん)でした。

この番組は、ほとんどのところで日曜日の朝9時から放送されてるようですが、うちのあたりでは土曜日の朝6時半からの放送なんですねえ…私はそのチェックミスでマサさんのソロを聴き逃してしまったんですが、堀井さんの不気味な音楽は今も炸裂中です。ぜひ皆さんも楽しんでくださいねo(^-^)o

 

 

455 ドラマ「テレサ・テン物語 〜私の家は山の向こう〜」(若草 恵・澤口和彦)

2007年4月11日。この日は事前に「若草さんのお仕事」という連絡があったそうで、当日おっちゃんと私との間では「若草さんだったら、弦は小池さんかなあ?」「あ、そうかもしれんなあ」「歌ものかなあ?」「いや、今日は劇伴ちゃうかなあ?」なんて感じで、雑談に花が咲いてました(^o^)

さて、その気になるお題ですが、テレビ朝日で2007年6月2日に放送される「テレサテン物語 〜私の家は山の向こう〜」というドラマの音楽録りだったようです。三木たかしさんが作曲されたものをイマジンの若草恵さんと澤口和彦さんがアレンジされたんだそうですよ。で、原作はオウム事件の報道で有名になったジャーナリストの有田芳生さんの「私の家は山の向こう テレサ・テン十年目の真実」という本なんだそうですが、この本は2007年の3月に発売されたばかりのようなのに、さっそくドラマ化されるんですね♪

ドラマの内容としては、テレサ・テンの日本でのデビューに至るまでのエピソードや日本での活動の中で起こったトラブルなど、事実に基づきながら、テレサ・テンの知られざる過去を色々と見せてくれるようです。で、テレサ・テン本人の映像や音声も幾つか見せてくれるようなのですが、その中の1つにテレサ・テンが中国(?)で歌ったライブの映像にオケをダビングする…というのがあったそうです。その映像というのが、テレビ局なんかが撮ったものではなく、いわゆるアマチュアのホームビデオレベルのもので、音が途切れたりノイズが入ったりして、かなり厳しいものがあったんですって。でも、それでも是非とも視聴者に見せたいと思わせるような貴重な映像のようで、こうして若草さんたちが映像の音源にオケを被せて…つまり、途切れたりノイズのある部分を補って、ちゃんと1つの「つながった」音楽に仕上げて、オンエアへの運びとなったようです。

しか〜し、このライブがとてもリラックスした雰囲気のもので、ピッチも普通より低めだし、テンポも変わりまくりの揺れまくりとのことで、まずはオケのチューニングを一般的な「A−441」から「A−440」、もしくは、もうちょっと低めに合わせるというところから始まったそうです。さらに、その「揺れまくりのテンポ」については、普通だったら合わせるのにものすごい苦労をするところなのでおっちゃんもちょっと背筋を伸ばしてみたりしたそうですが、いざ始まってみると今回は事前にそのライブの演奏に合わせてクリックを打ってくれてたので、思ったよりずっとずっと楽に演奏できたそうです。

ただ、ここで1つ不思議に思いませんか? クリックって、いわゆるメトロノームで、確か機械的に一定のリズムを刻んでいくものでしたよね。でも、今回のは目まぐるしく変わるテンポにきっちり合ってたそうです。おっちゃんは「多分、手動で打ったんやろなあ」なんて言ってましたが、そんな面倒な作業をコツコツとされたのは、何と若草さんのマネージャーさんである鈴木さんなんだそうですよ。鈴木さんといえば、ほら…前に田中公平さんの「武装錬金」の追加録音レポ(421番参照)に登場してくださってた方ですよね?実際にお会いしたときにも、とても優しそうな方だなあと思いましたし、その後レポのことでメールを交わさせていただいても、やっぱり短い文の中にもユーモアと優しさのある素敵な方だなあと思ってたんですが、こうしたところにも演奏家さんたちへの優しい配慮が感じられますね(*^-^*)

で、あとで鈴木さんご本人に伺ったお話によると、このテンポ揺れまくりのライブ映像は約1分くらいのものなんだそうですが、そのクリックを打つのに、何と5時間もかかったんですって〜。もう、ただただ脱帽ですよね。おっちゃんにもこのことを伝えたら「うわぁ〜っはっはっはっは!」と、ビックリを通り越して、最後は爆笑してましたよ。いやはや、ほんとにお疲れさまでした♪>鈴木さん
 
そうそう、この日は「ケーナで…」というオーダーが出ていたそうですが、現場で楽譜を見せてもらうと、どちらかといえば中国的なメロディだったそうです。で、おっちゃんとしては「明笛か篠笛でやった方がいいのかなあ…」なんて思いつつも、やっぱり「思いっきり中国風になるのも、どうなんやろか…」なんて思って、結局はそのままケーナでやっちゃったそうです。中国風のメロディをケーナで…って、どんな感じなんでしょう。このあたりも、オンエアでのチェックのしどころですね(^.^)b

この日の編成は、弦(小池弘之さんのグループ:44221→2222)、フルート&ケーナ(おっちゃん)、オーボエ(石橋雅一さん)、ピアノ(松田真人さん)、ギター(千代正行さん:後入れ)、指揮(はいしま公二さん)、エンジニア(吉田俊之さん)でした。

この番組は、2007年6月2日の午後9時からテレビ朝日系列で放送されます。テレサ・テンさんの貴重な映像とエピソード、そして若草さんやおっちゃんたちによる苦労の賜物の音楽を、是非しっかりと味わってくださいねo(*^^*)o

 

 

454 ゲーム「シュラキ」(Elements Garden:CMIアリアエンターテインメント)

2007年4月5日。この日は、ここ数年よく足を運ぶようになった「CMI」というスタジオに行きました。このスタジオでは、主にゲームの音楽のダビングが行われることが多いようですが、この日も「シュラキ」というゲームの音楽録りでした。この「シュラキ」とは、漢字で書くと「朱羅姫」だそうで、呪いの血を引く少女たちの総称のようです。

あ、実は、このゲームの録音は前にも行われてて、それにもおっちゃんは参加してるんです。で、この日はその追加録音といった形のようで、おっちゃんはフルートの曲を3曲ほど吹いて、約20分でお仕事を終えてしまったそうです(;^_^A

ところで、おっちゃんは前に来たときも、そして今回も、この楽譜の上の方にある「ガラス玉」が気になって仕方なかったそうです。

で、けっこう薄暗いブースなんだそうですが、レポに載せて皆さんにも見てもらおうと、こうして写真を撮ってみたんだそうですよ。写真にマウスを乗せると、緑の方がアップになります♪

これって…私が思うに、ドラゴンクエストに出てくる「スライム」ってキャラじゃないのかなあ。あんまり自信はないんですが、かわいいですよね(^o^)


おっちゃんの話によると、こういうプライベートスタジオみたいなところでのお仕事では、パソコンからコピー用紙にプリントアウトしたような楽譜を使う事が多いんだそうです。で、そうしたコピー用紙なんかのペラペラの紙だと、ほんのちょっとのことで譜面台から滑り落ちたりしますよね。このスライム(?)は、そうした滑り落ち防止のためのマグネットだったんですって。なるほどね〜。いや〜でも、ほんとにかわいいです(*^-^*)

で、その2つのマグネットの間にある「うれしい」ってタイトルも、その曲の雰囲気がとてもよく分かって、これまたいいですよね〜。ほかには「期待」って曲もあったとか…いずれにせよ、おっちゃんがやった分は、どれも明るい感じの曲ばかりだったそうです♪

そんなわけで(どんなわけで?)、今回も単なる雑談レポになってしまいました〜。悪しからず、ご了承くださいm(__)m

 

 

453 劇場版「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 歌うケツだけ爆弾!」(若草恵・丸尾稔・荒川敏行)

2007年3月29日。サウンドシティのAスタに行きました。この日は、もうおっちゃんの参加も毎年恒例となってる「クレヨンしんちゃん」の劇場版「嵐を呼ぶ 歌うケツだけ爆弾!」の音楽録りでした。音楽を担当されたのは、荒川敏行さん若草 恵さん丸尾 稔さんの3人。何と、今回はこの映画のために、こちらの3人で100曲もの音楽を用意したんですって〜。で、そのうちの約半分をスタジオで録ったんだそうですよ。それにしても、すごいですよねo(^∇^)o


こちらは小池さんのグループによる、ストリングスの録音の様子です。写真にマウスを乗せると、画像が大きくなりますよ(^.^)b

そしたら、ほら…小池さんの横顔や、指揮のD島さんのお顔が見えるでしょ?

ところで、指揮のD島さんの「D」という字は「配」という字の上に草冠がつくんですが、これって皆さんのPCでちゃんと表示できてますか?前に「Macでは文字化けする」ってことを聞いたんですが、どうなんでしょう?


おっちゃんからは「今回は、何やら歌ものが多かったみたいじゃ」なんて報告があったんですが、もしかすると映画のタイトルにも「歌う…」ってあるように、一部がミュージカル仕立てになってるのかもしれませんね。打ち込みのオケをバックに歌ってる歌(仮歌?)に生のオケをダビングする…というスタイルだったそうですが、この歌を歌ってるのが、何と今回の映画に声で特別出演される戸田恵子さんなんだとか…。で、その戸田さんの歌が、どこか宝塚の男性役を思い出させるような雰囲気があって、なかなか面白かったそうですよ(^.^)b

で、おっちゃんの笛のパートとしては、金子さんとのフルートの曲のほかにオカリナの曲が1曲だけあったそうです。実は若草さんは、このオカリナの音域が心配だったそうで、事前に「オカリナの他にリコーダーなんかも持って来といてね♪」って連絡をくださってたそうです。でも、現場でもらった楽譜はG管のオカリナでバッチリ吹ける音域で、これがまたしっとりとしたいいメロディだったそうですよ。一体どんなシーンで使われるのか、おっちゃんも興味津々のようでした♪


こちらは、コントロールルームの様子です。ガラス越しに撮った…とのことで色んなものが反射して写り込んでますが、それはそれで雰囲気があっていいですよね〜?

ちょっと分かりにくいかもしれませんが、エンジニアの中村さんやシンセをオペレート中の丸尾さん、それにサウンドシティのアシスタントさんが写ってます(^.^)b


おっちゃんの見立て(?)によると、今回の音楽は、生オケの曲の多くを若草さんが書かれてて、打ち込みの部分は荒川さんと丸尾さんがたくさん書かれる…といった割合だったみたいですよ。で、その音楽の印象としては、クレヨンしんちゃん的というよりは、どちらかというと若草さんのカラーが強く出ているような感じだったんですって。これは、若草さんと長い間ずっと一緒にお仕事をしてきてるおっちゃんならではのコメントだと思うんですが、はて…どんな感じなんだろう。このあたりも映画館でのチェックのしどころですね♪

あ、その若草さんですが、この日とは別のお仕事のときに小耳に挟んだ話によると…何と、今年はお子さんの学校でPTA会長をされるんだとか。何でも、ほんとはお断りするつもりで学校に行ったら、そこにお知り合いがいたとかで話が盛り上がってしまって、お断りできなくなってしまったんですって〜。何かもう、PTAの役員を引き受けられたことのある方たちからは「ああ、ありがち〜! 私もそれで引き受けさせられてしまったのよ…(T_T)」なんて声が聞こえてきそうで、このエピソードを聞いたときに思わず吹き出してしまった私です。かくいう私も若草さんと同じようなパターンで、今年は小学校と中学校の学年役員、それに団地の親子会の会長まで当たってしまって…もうイヤッ(>_<)

それにしても、今まではCDの向こう側、映画館のスクリーンの向こう側っていうイメージだった若草さんが、グッと身近に感じられる素敵なエピソードですよね(*^-^*)


こちらは、フルートの金子さんとの2ショット(^o^)
金子さんの弾けるような、元気いっぱいの笑顔がほんとに素敵なんですが、おっちゃんのこのデレデレぶりも見事なもんです(;^_^A

あ、写真にマウスを乗せると、今度は丸尾さん・おっちゃん・若草さんの3ショットになります。これもまた、いいでしょ〜?

ほんとは荒川さんにも入っていただきたいところだったんですが、ちょうどこのときは荒川さんの曲を録ってたんですって…残念!


編成は、弦(小池ストリングス:64222)、フルート&ピッコロ&オカリナ(おっちゃん)、フルート&ピッコロ(金子奈美さん)、オーボエ(石橋雅一さん)、クラリネット(十亀正司さん)、トランペット(菅坂雅彦さん・横山 均さん・河東伸夫さん)、トロンボーン(松本 治さん・大川真紀夫さん・山城純子さん他1名)、チューバ(佐藤潔さん)、ホルン(藤田乙比古さん・萩原さん・岡村陽さん)、パーカッション(草刈とも子さん・高田みどりさん)、ピアノ(松田真人さん)、打ち込み(丸尾稔さん)、指揮(D島公二さん)、エンジニア(中村充時さん)で、録音そのものはとてもスムーズに進んだようですが、その舞台裏では当日ギリギリまで編成が決まらない…という大変なこともあったようです。いやはや、お疲れさまでしたm(__)m

この映画は、2007年4月21日からすでにロードショーされています。私は映画ワンピース「エピソード オブ アラバスタ(434番参照)」を観に行ったときにチラッと宣伝を観てきたんですが、しんちゃんとシロの間に何度も胸がキュンとするようなシーンがあるようで、思わず「また今年のクレしんもハンカチを用意して観んとなあ!」なんて妙な気合を入れてしまいましたよ。子供たちと一緒に、GW中に観に行けるといいなあ…皆さんも是非、お早めにお近くの映画館で楽しんできてくださいねo(^-^)o

 

 

452 アニメ「D.Gray-man」追加録音(和田 薫)

2007年3月26日。AVACO(アバコ)の301スタに行きました。この日は、毎週火曜日の夕方6時から放送されてる「D.Gray-man」の追加録音でした。音楽は、和田薫さんです。この作品の初回録音のオケ録りの日には別のお仕事がバッティングして参加できず、あとで日を改めて行われた特殊楽器のダビングだけに参加したおっちゃんですが、今回はこうして最初から参加できたことがとても嬉しそうでした。何といっても、和田さんの音楽あっての今のおっちゃんと私、そしてこのHPですもんね♪

で、今回は事前にインペク屋さんから「この日は押しますよ(;^_^A」って言われてたそうですが、実際にはとてもスムーズで、全体のオケの部分はちゃんと時間内に終わったそうですよ。相変わらずダイナミックで、ときおり不気味な雰囲気の、まさに和田さんのカラーが炸裂の音楽が多かったとか…。この「D.Gray-man」って、絵もストーリーも不気味なシーンが多い上に和田さんの音楽も不気味なので、大人が見ててもかなり背筋がゾクゾクするんですよね〜。同じ不気味な雰囲気のアニメでも、菅野よう子さんが手がけられると、怖いシーンに不思議とアップテンポの明るい音楽がついたりして、何かまた独特の世界になるんです。最近は、そうした曲の使い方、世界観の違いを楽しみながら聴くのが好きになってきてる私です(^o^)


こちらは、民族楽器を多用する和田さんの音楽には欠かせない、田代耕一郎さんです(^.^)b

この写真で持ってらっしゃるのは、マンドセロっていう楽器かなあ。写真にマウスを乗せると、今度はバグラマを持った画像に切り替わりますよ。

田代さん、しっかりポーズを決めてくださって、何だかとても嬉しいですね(*^-^*)


田代さんはこの日の録音について、ご自身のブログで「今回もOUD,BOUZOUKI,JURAなどなど民族系が多数登場。笛の旭孝氏やパーカッションのクリストファー・ハーディー氏と一緒のセッションは、普段ではなかなか実現しないことなのでとても楽しい。」と書かれてましたが、ほんとにたくさん持ち込まれてたんですね〜。それに、田代さんがお仕事をとても楽しんでらっしゃる様子がビンビン伝わってきて、何だか私たちの方も嬉しくなりますね(^-^)

こちらは、田代さんの座ってらっしゃる席の、足元の様子です。これでいよいよ田代さんのブログに書かれてたことが、具体的に見えてきたでしょ〜?

で、この写真で言うと、写真に向かって右端がブズーキ、左端がバグラマという楽器です。真ん中のは、ブズーキやバグラマと同じギリシャの楽器で、ジュラと言うんだそうです。

↑の楽器の名前をクリックすると、田代さんのHPに飛びます。そこで音も聴けますので、ぜひクリックしてみてくださいね♪


あ、この真ん中のジュラという楽器については、田代さんのサイトを隈なく覗かせていただいたのですが写真がなく、楽器の名前が確認できずに困ってしまいました。で、思い切って田代さんにメールで質問させていただいたら、優しく丁寧に「ジュラ」という楽器であることを教えてくださったほか、「ブズーキとバグラマのちょうど中間の大きさで、3コース6弦の楽器です」という説明までしてくださいましたよ(^o^)

余談ですが、私がその質問メールをさせていただいたときに、おっちゃんと田代さんは別の作曲家さんのお仕事をされてたようで、現場で田代さんからおっちゃんに「さっき、ゆみさんからメールが来てたよ」なんて話があったそうです。そのお仕事が終わったあと、おっちゃんから開口一番に「さっき、タッシーにメールしたやろ?」って言われてビックリしたんですが、こういう事情だったみたいです(^^ゞ


そうそう、この日はパーカッションも大活躍だったようで、この日の録音に参加された小竹満里さんのブログによると、2時間で15〜20曲も叩かれたとか…。その小竹さんですが、この和田さんとのお仕事のほんの数日前には、同じ2時間でわずか3小節しか叩かなかった…ということがあったようで、その差に苦笑してらっしゃいましたよ(^^ゞ

写真は、同じくパーカッションのクリストファー・ハーディさんと、そのマイクの調整をしているエンジニアの山田さん。その様子を見守る和田さんですね♪

写真にマウスを乗せると、今度は副調室の様子になりますよ(^.^)b


こうして全体の録音が終わったあと、ケーナなんかの民族楽器が入った小編成の録音が行われたそうですが、さすがにこれは何かと手間取ったりしたようで、おっちゃんは約1時間ほどの居残りとなったようです。でも、元気そうな和田さんにお会いできたし、この3週間ほど前の3月4日に行われた「第1回 伊福部昭音楽祭」のときの感想なんかも少しお話できて、かえって良かったのかもしれません(^-^)

こちらはその、居残り中のおっちゃんの様子です♪

ブースって言うよりは、単なる衝立のようなところですよね?

今日は足こそ組んでないけれど、やっぱりとてもリラックスした空気が伝わってくるような写真で、改めておっちゃんのすごさを痛感すると同時に「おっちゃんって、ほんまに緊張することはないんやろか…?」と不思議に思った私です(^^ゞ


あ、先ほど少し「伊福部昭音楽祭」のお話が出ましたが…こちらは、その音楽祭のレセプションで、どなたかと歓談中の和田さんです(^.^)b

このコンサートに行ったおっちゃんからこんな素敵な写真をもらってたのにアップする機会がなかったので、こちらで使わせていただくことにしました(^o^)丿

和田さん、コンサートが無事に終わって、ほんとに嬉しそうです(*^-^*)


この日の編成は、弦(マサさんのグループ:86442)、フルート&ピッコロ&リコーダー&ケーナ(おっちゃん)、オーボエ&コールアングレ(庄司知史さん)、クラリネット&バスクラリネット(星野 正さん)、ファゴット(前田正志さん)、ブズーキ&ジュラ&バグラマ&その他いろいろ(田代耕一郎さん)、ハープ(朝川朋之さん)、トランペット&トロンボーン&チューバ(大倉滋夫さんのグループ)、ホルン(吉永雅人さん他2名)、パーカッション(高田みどりさん・小竹満里さんChristopher Hardy)、打ち込み&指揮(和田 薫さん)、エンジニア(山田正弘さん)でした。

全体での録音はもちろんですが、後半の小編成になってからの音楽は、和田さんならではの民族楽器炸裂の音楽だそうで、まさに日本人の血が湧きかえるような雰囲気があるそうです。どうぞ、しっかり耳を澄ませて、オンエアを楽しんでくださいねo(^-^)o

 

 

451 CM「JOMO」(藤田曜子)

2007年3月24日。西麻布にある「THIRTIETH」という会社のウォールスタジオに行きました。このスタジオは西麻布の交差点からすぐのところにあるんだそうですが、私にはなかなか実感が湧きません…。でも、うちのレポを見てくださってる方の中にはそんな方も多いんじゃないでしょうか。そこで、今回はおっちゃんがスタジオの外観やスタジオから見た周りの様子の写真を撮ってきてくれたので、ご紹介しますね♪


こちらはスタジオの外観です。何だかユニークな建物ですね〜♪

写真にマウスを乗せると、この茶色いビルの右下にある、会社の表札がアップになりますよ(^.^)b


この「THIRTIETH」は、CM制作が中心の会社なんでしょうか…会社のHPでは様々なCMが見られて、けっこう楽しいですよ。あ、そんなわけで、この日は「わったしの行きつけ〜あ、JOMOだ♪」のキャッチコピーでお馴染み「JOMO」のCM音楽録りでした。

こちらは、その会社のベランダ(?)から見た風景です。

真ん中の奥にそびえ立ってるのは、六本木ヒルズなんだそうですよ。

写真にマウスを乗せると画像が切り替わってベランダ(?)の様子になりますが、よ〜く見ると…ほら「ENEOS」の看板が見えますよ。今回は「JOMO」のお仕事レポなのに「ENEOS」の写真を載せることになるとは…まあ、こういうのも楽しいですね♪


この日の音楽を書かれたのは、藤田曜子さん。うちではレポさせていただいたことはなかったかもしれませんが、おっちゃんはもう何度か藤田さんとお仕事をご一緒しています。その藤田さんですが、ほんとにたくさんのCM音楽を手がけられてる方なんですよ〜。藤田さんが手がけられたCMのお仕事についてはこちらを覗いていただけると分かりやすいかと思うんですが、けっこう「あ、このCM知ってる!」「え? これも藤田さん?」「このCMの音楽、好きだった〜!」っていうのが多いんじゃないでしょうか♪

さて、おっちゃんが前に「JOMO」のCM音楽に参加したときはオカリナを使ったような気がするんですが、この日はアルトリコーダーを使ったそうです。で、おっちゃんから聞いた曲想からして、この日に録られた音楽はJOMOのサイトのCMページの中にある「満タン返し編(DLにけっこう時間がかかります)」で、アコーディオンっぽい音の後ろで低めのリコーダーっぽい音がピコピコ鳴ってる気がするんですが、これじゃないかと思うんです…どうでしょう?

録音はほんっとにスムーズに運んで、何とインペク屋さんがやってくる前に終わっちゃったんですって…。こういう状況って、インペク屋さんの立場からすると「ひえぇ〜!(@_@;)」って感じなのかもしれませんが、おっちゃんたちにとっては嬉しい限りでしょうね〜。当たり前といえば当たり前のことですが、こんなたった1つのことでも、人によってほんとに様々な感じ方があるのが面白いところです。


ところで、藤田さんといえば「スタジオにはお子さんと一緒に♪」というので知られてる方でもあるんだそうですが、この日もこうして一緒に来て、おかあさんのお仕事ぶりをしっかり見ていたそうですよ(^.^)b

あ、写真に向かって左側の緑色の服を着てらっしゃるのが藤田さんで、右側の白い服の方がプロデューサーの古泉さんです♪

おっちゃんも「前に誰かのHPかブログで‘赤ちゃんを背負って…’っていうんを見て‘ええなあ!’って思いよったけど、今回はこうして本物に会えて良かったわ♪」と嬉しそうでした。おっちゃん、もうすっかり「じぃじ」の目線です(^^ゞ


…と、ここまで書いた時点でおっちゃんに内容の確認をしてもらったら、どうやら先ほどご紹介したJOMOのサイトで聴ける曲で間違いないようです。そんなわけで、もうオンエアされてるものと思われますので、ネット上でPCで聴くのもいいですが、ぜひテレビの方でも見つけて耳を澄ませてみてくださいね。私もまだテレビでは見られてないので、頑張りますo(^-^)o

 

 

450 映画「北斗の拳 ラオウ伝・激闘の章」(梶浦由記)

2007年3月19日。サウンドバレイのAスタに行きました。この日は梶浦由記さんの音楽で、インペク屋さんからは事前に「ダビングです」とのお知らせはもらっていたようです。で、スタジオに行ってみると、先にオーボエの石橋雅一さんがダビングをされてたようなので、その間にちょっと詳しく聞いてみると、どうやら映画「北斗の拳 ラオウ伝・激闘の章」のための音楽なんだそうですよ。この「北斗の拳」の音楽録音については前にもレポさせていただきましたが(321番参照)、今回はその続編の映画ということになるのでしょうか。

前回の「北斗の拳 ラオウ伝・殉愛の章」 という映画では篠笛とケーナを使ったおっちゃんですが、今回はフルートのみだったそうです。さらに、前回は古いヨーロッパの民俗音楽っぽい感じだったのに対して、今回は特に「〜調」というのではなく、優しくて静かな…そして美しい音楽だったそうです。そういえば、今回の映画の中でラオウが亡くなるんだとか…。2月ごろでしたか、ワイドショーでファンの方たちによるラオウの葬儀の様子をやってましたよね〜。葬儀の会場にはラオウと弟ケンシロウの像があったり、ラオウゆかりの品などが展示されてて、ラオウの死を悼んで号泣するファンの様子なども映されてましたっけ。そうした展開の今回の映画なので、もしかすると、おっちゃんの綺麗なフルートの音色は、ラオウの死にまつわるあたりで流されるのかもしれませんね。


こちらは梶浦さんとの2ショットです…が、実はこれ、この録音の日のものではなくて、この1ヶ月ほど前の2月17日に行われた「エルカサド」というアニメの音楽録りのときに撮られたものなんです。

この「北斗の拳」のときの梶浦さんは、お風邪なのか花粉症なのか、とにかく大きなマスクをしてらしたので、写真を撮るのは止めたそうなんです。そこへ来て、その「エルカサド」に関しては、おっちゃんは原稿を書いたはずなのに失くしてしまった…しかも、もう記憶も怪しくて今さら書き直しできない…ということで、このお写真は今回のレポに使わせていただきました(^^ゞ


この日は、石橋さんのダビングが早めに終わったことでおっちゃんのお仕事の開始時間が早まったことと、そもそもの曲数が少なかったことで、ほんとにアッという間に終わってしまったそうです。で、こうなると、いつもだったら色々と雑談に花を咲かせるところですが、梶浦さんの大きなマスクとその体調を考えて、すぐに帰ってきたそうです。お仕事が早く終わったのは嬉しいことですが、そこのところはちょっと残念に思うおっちゃんなのでした(^^ゞ

この映画は2007年4月29日から全国で公開されています。私の編集が遅くてこんな時期のアップになってしまいましたが、まだもうしばらくは公開されてるものと思われます。ぜひ、梶浦さんの素敵な音楽、おっちゃんたちの豊かな音色をチェックしてきてくださいねo(*^^*)o

 

 

449 映画「パッチギ」(加藤和彦)

2007年3月17日。この日は、加藤和彦さんという方とのお仕事で、サウンドインのAスタに行きました。おっちゃんから「今日は加藤和彦さんが書いとったわ!」という報告を受けたときに私は「へえ、加藤さんって、うちのレポでは初めての人やなあ…」と、のんきに返事をすると、おっちゃんから「加藤さんって、知っとるか? あの‘ザ・フォーク・クルセダーズ’の一員だった加藤さんやで〜!」と、何だかちょっと興奮気味の様子。でも…でも…「あの」って言われても、私はその「ザ・フォーク・クルセダーズ」というのを知らんのよ〜っ!

で、ちょっと調べてみたら、昭和40年代前半(1960年代後半)に一世を風靡したグループなんですってね〜。でも、1960年代後半って言ったら、私はまだ生まれてませ〜ん…。とにかく、この「ザ・フォーク・クルセダーズ」は「ゲゲゲの鬼太郎」や「山羊さんゆうびん」などの曲を作ったり、今回の音楽を手がけられた加藤さんと北山さんという方のコンビでは「あの素晴らしい愛をもう一度」なども作られてるようです。あと、忘れてはいけないのが「帰ってきたヨッパライ」という曲だとか…。このタイトルだけ聞いてもピンときませんが、これは「オラは死んじまっただ〜♪」の歌詞で始まる、ちょっとテープを早回ししたような声の歌なんですよ。あ、こちらでMIDIが聴けますが、これなら皆さんも耳に覚えがあるでしょうか? こうしてみると、私でも知ってる曲がいくつかあって、ちょっと嬉しかったりしますね(^-^)

さて、その加藤さんが作曲をされ、みなとさんと呼ばれる方がアレンジと指揮を担当されて始まったこの日の録音ですが、おっちゃんはその曲想から「これは何かの映画かな…?」と思ったそうです。たとえば、ものすごいスローテンポな「アリラン」や、緩やかなんだけど緊張感がみなぎっている…という不思議な曲などがあったとか。で、帰り際におっちゃんが加藤さんに質問してみると、あの井筒和幸監督の映画「パッチギ LOVE&PEACE」の中で使われる音楽なんだそうです。なるほど、それなら「アリラン」の曲があったのもうなずけますね♪
 
この日の編成は、弦(加藤ジョーさんのグループ:86442)、フルート&ピッコロ(おっちゃん・金子奈美さん)、オーボエ(庄司知史さん)、クラリネット(山根公男さん他女性1名)、ハープ(朝川朋之さん)、ホルン(藤田乙比古さん他)、パーカッション(小竹満里さん)、指揮(みなとさん)、エンジニア(田中さん…?)で、エンジニアの田中さんは、いつもお会いする田中さんとは別人の方だったそうです。

この映画は、2007年5月19日から全国一斉ロードショーされます。井筒監督の独特な世界を、おっちゃんたちの素敵な音色と合わせて楽しんでくださいねo(*^^*)o

 

 

448 ドリカム「未来予想図」(大谷 幸)

2007年3月12日。イマジン大谷幸さんのお仕事で、音響ハウスの1スタに行きました。大谷さん、と云うと、どちらかと云えば劇伴が多いのですが、この日は珍しく歌モノで、DCT(ドリカム)の「未来予想図」のレコーディングでした。この「未来予想図」は1991年にリリースされたアルバム「MILLION KISSES」に収録された曲で、先の1989年にリリースされたアルバム「LOVE GOES ON…」に収録された「未来予想図U」と合わせて、ドリカムの代表曲ですよね。で、そんな曲を「今さらまた何で…?」なんて思うかもしれませんが、私の勝手な想像では、2007年10月6日から全国でロードショーされる「未来予想図」という映画に関係する録音なんじゃないかなあ…ぜんぜん違ってたらゴメンなさい(^^ゞ

こちらは、今回のアレンジを手がけられた大谷幸さんです。

あ、この写真では、ちょっと分かりにくいかな〜?
どうぞ、写真にマウスを乗せてみてください。そしたら大谷さんがアップになると思うんですが…どうです? すごいヘアスタイルでしょう?(^^ゞ

こういうのを何て言うんでしょう…モヒカン? 半分モヒカン? 刈り上げ?

とにかく、おっちゃんも度肝を抜かれたようで、こうして思わずシャッターを切ったそうですよ(;^_^A


ところで、この日は先に弦やブラスが録ってて、おっちゃんはちょっと遅れてスタジオ入りする予定だったんです。で、その予定通りに家を出てスタジオに向かってるころに、私のもとにインペク屋さんから1通のメールが届きました。そこには「今日はマサさんの娘さんとSさんの息子さんが来て並んで座ってて、セカンドヴァイオリンがすごい状態になってる〜!」との文字が…。あ、この「Sさん」というのは、とある有名なシンガーソングライターさんなんですが、もしかしたら息子さんの方は「○○の息子」って言われるのが嫌かもしれないので、あえて名前を伏せさせていただきますね(^^ゞ

とにかく「これは写真に収めてもらわねば…!」なんて思っておっちゃんに連絡を取ると「おう、もうちょっとで着きそうなんやけどなあ」の返事…そこへインペク屋さんから「ああ、弦が早めに終わりそう…おっちゃん、頑張って〜!」なんてメールが来て、何やら徳島とスタジオと都内の路上の3点で妙なやりとりをしてました(;^_^A

結局、何とか無事に弦が終わるまでにスタジオ入りして、おっちゃんはその目でジュニア同士の珍しい2ショットを見たそうですが、肝心の写真が…フラッシュをオフにしてたのとガラス越しから狙ったせいか、見事なまでにピンボケしてました。そんなわけで、残念ながらその姿をお見せすることはできませんが、私としては先にお話した3点で盛り上がってたことが楽しかったです(^^ゞ


こちらは、大谷さんの別カット。

おっちゃん、よっぽどこのヘアスタイルに驚いたんでしょう(まあ、気持ちはよ〜く分かるけど(^^ゞ)、とにかく隙を見てはシャッターを切ってたようです♪

写真にマウスを乗せると、何やら楽譜を見て相談中の大谷さんと石橋さんがアップになりますよ(^.^)b


あ、このあたりでこの日の編成を…この日は、弦(マサさんのグループ:86442)、トランペット(エリック宮城さん木幡光邦さん)、トロンボーン(フレッド=シモンズさん・片岡さん・山城純子さん)、アルトサックス(近藤さん)、テナーサックス(竹野さん)、フルート(おっちゃん)、オーボエ(石橋雅一さん)、ホルン(南 浩之さん・丸山さん・中島さん)でした。

こちらはインペク屋さんが撮ってくださった写真ですが、このアングルは…ははは、大谷さんのモヒカンがドアップですね(^◇^;)

おっちゃんは、何だか嬉しそう(*^-^*)

それもそのはず、おっちゃんは最近このインペク屋さんととても仲良しなんです。う〜ん、お仕事上ってことではなく、何か親子のようって言うか…とにかく、おっちゃんがとてもかわいがってるインペク屋さんなので、こんな笑顔になったんだと思います♪


この日は、ドリカムの男性の方…中村正人さんだけはスタジオにいらしてて、レコーディングの様子を熱心に見入ってらしたそうです。この中村さん、休憩中はほんとに優しくて、気さくで、ぜんぜん芸能人っぽくなくて…現場にいらしたスタッフの方に色んなお話を聞かせてくれて、その場を和ませてくださったそうです。でも、いったん録音が始まると、そこはプロ…大谷さんとしきりに相談したり、納得のいく演奏ができるまで何度もやり直したり…プロのミュージシャンとしての素晴らしい一面を見せてくださってたそうです。

で、ヴォーカルの吉田さんの方に関しては、当日おっちゃんが「作曲が忙しいて、来れんかったらしい」とか何とか言ってた気がするんですが、今となってはもうおっちゃんも覚えてなくて…ああ、何やら中途半端な終わり方ですが、この日に録られたのが、いつ・どういった形で私たちの耳に届くのか、分かり次第にお知らせしますね(^.^)b


 

 

447 アニメ「ブルードラゴン」(大橋 恵)

2007年3月8日。サウンドインのAスタに行きました。この日は、大橋恵さんの音楽で、2007年4月からテレビ東京系で放映されている「ブルードラゴン」というアニメの録音でした。公式サイトを見ると、「光」の力によって抑えられてた「影」の力が徐々に表に出てきて、やがては世界を支配しようとする。それを食い止めるための闘いのお話…ということで、音楽もかなり勇壮で激しい動きのものが多かったようです。

ただし、おっちゃんたち木管セクションは2時間だけの拘束で、すでに始まってた弦やブラスの方々の中に途中から入っていくような形だったために、全体の曲想については分からないようです。で、全体でやっているうちに弦やブラスの方が順に終わってスタジオを後にしていき、最後は木管セクションだけが残ったようです。その木管セクションもオーボエ、クラリネット…と帰っていって、最後はおっちゃんだけになったとか…。だから、いよいよ全体の雰囲気っていうのが分かりにくいみたいなんですよね(^^ゞ

で、おっちゃん1人になったところで大橋さんからは「エスニックな笛を…」ということで、ケーナと篠笛を使うことにしたようです。そのケーナを使った曲の方は、大橋さんとしては低めの音域をイメージされてたようなんですが、楽譜通りにやろうと思うとケーナでは音域が足らなくて無理だったんですって。で、おっちゃんは「何だったら、車からテナーリコーダーを取ってきましょうか?」って言ってみたそうですが、結局はフレーズの一部分をオクターブ上げることにして、いつもよく使ってるG管の赤いケーナ(もののけ姫のテーマを吹いたケーナ♪)でやったそうです(^.^)b

こちらは大橋さんとフェイスミュージックの関谷さんとの2ショットです。フラッシュがオフになってたのか、色がちょっと赤めなのが惜しいですね…。でも、おだやかな笑顔が素敵なお2人です♪

で、写真にマウスを乗せると、今度はまたまた別の素敵な女性が…この方も作曲家さんで、おっちゃんってば、前にお仕事をご一緒したことがあるのに、どうしてもお名前が思い出せないんですって〜。いやはや…ではでは私が代わりに、ごめんなさ〜いm(__)m

大橋さんのお弟子さんか後輩さんだということでこの現場にいらしてたそうですが、何にしても、この日は素敵な女性がいっぱいいた現場だったんですね〜♪


そんなこの日の編成は、弦(加藤ジョーさんのグループ:64221)、フルート&ピッコロ(おっちゃん)、オーボエ(庄司知史さん)、クラリネット(山根公男さん)、トランペット(2)、トロンボーン(中川英二郎さん他1名)、ホルン(藤田乙比古さん他1名)、パーカッション(高田みどりさん他1名)、指揮(D島公二さん)という感じでした。先ほどもお話したように、おっちゃんは途中から参加した上に皆さんの方が先に帰っていかれたので、メンバーに関しては分からないところがあるようです(^^ゞ

では、最後におっちゃんと大橋さんの、ちょこっとおすまし2ショットをどうぞ♪

大橋さんは和の香りのする、とても素敵な方ですね。穏やかで優しそうな笑顔が、ほんとにいいなあって思います(*^-^*)


このアニメは、土曜日の朝9時から9時半まで、テレビ東京系列でオンエアされています。絵はストーリーのわりにはちょっと可愛らしい感じもしますが、迫力満点の音楽をぜひ楽しんでみてくださいねo(^-^)o

 

 

446 アニメ「鋼鉄神ジーグ」(平野義久)

2007年3月4日。サウンドインのAスタに行きました。この日は平野義久さんとのお仕事で、2007年4月からWOWOWで放映中の「鋼鉄神ジーグ」というアニメの音楽録りでした。HPを見てくださってる方の情報によると、この作品は「デビルマン」や「キューティーハニー」などでお馴染みの永井豪さんの作品で、1975年から翌76年にかけて、NET(現在のテレビ朝日)で全46話として放送されたもののリメイク版なんだそうです。で、この「鋼鉄…」なんてタイトルからも想像できるように、かなり激しい戦闘シーンが多い作品のようですよ。そうなると、普段から「平野さんの音楽は難しい」なんて言われてるのに、そこへ更に戦闘らしい勢いが加わるわけで、いつもに増してテンポが速くて音符も細かくて、どのパートもとても大変そうだったみたいです(;^_^A
 
エンジニアの亀川さんのお話によると、平野さんは今回のこの「鋼鉄神ジーグ」の音楽については、ハンス・ジマーを意識されたんだそうですよ。あ、ハンス・ジマーと言われても「へ? 誰?」と思う方も多いかもしれませんが(←私だけ?(^^ゞ)、ハンス・ジマーはドイツ生まれの作曲家さんで、誰でも一度は彼の音楽を耳にしたことがある…というくらい有名な方なんですよ〜。たとえば「ライオンキング」「パールハーバー」「ラストサムライ」「バックドラフト(日本では‘料理の鉄人’のテーマとして使用)」の音楽を手がけられるんですが、最近の作品だと「パイレーツ・オブ・カリビアン」が有名でしょうか(^.^)b

今回の平野さんの音楽は、そんなハンス・ジマーを意識しながらシンセと生音を絶妙なバランスで組み合わせて、しかも現代音楽のテイストを随所にちりばめた独特の「平野サウンド」だったそうですよ〜。もうオンエアされてるので、そうした平野ワールドを存分に堪能できてる方もいらっしゃるんでしょうね〜。ああ、WOWOWの見えない我が家が恨めしいです(T_T)

そうそう、この日は難しい上に楽譜の分量もかなり多かったみたいで「どうなることやら…」って感じだったそうですが、何とか大編成の分は予定の時間内に終わったんですって。あ、こんな風にあっさりと書いちゃってますが、実はこれって…ほんとにすごいことをやってのけてるんですよね〜? で、この分だと、居残り組による小編成の曲もそう問題なくできて、意外と早めに終われるかも…なんて思ってたおっちゃんですが、実はここで問題が発生したんです。何と、おっちゃんたちミュージシャンへのオーダーの段階か、平野さんとインペク屋さんとのオーダーの段階か…とにかく、どこかで何らかの行き違いがあったようで、小編成になってからの曲が思いのほか多かったみたいなんです(@_@;)

現場では「これをやるとなると、やっぱり1時間くらいは押すかもなあ」という話が出てたそうですが、実はこの日のおっちゃんには、この録音のあとにどうしても行きたいコンサートがあったんですって。で、平野さんやスタッフの皆さんと色々と相談した結果、小編成の分のフルートは金子さんにお願いして、おっちゃんはそのままスタジオを飛び出して行ったそうです。いつもだったら多少の無理をしてでも残って演奏してきてあげるおっちゃんが、そこまでして行きたかったコンサートというのは、実は2006年2月に亡くなられた伊服部昭さんの追悼音楽祭だったんです。まあ、それでも結局は、最初の方の曲は聴けずじまいになってしまったそうですが、そのあとはレセプションまでしっかり楽しんできたそうですよ♪

この「鋼鉄神ジーグ」は、毎週木曜日の夜11時30分からオンエアされてるようなので、WOWOWが見える環境の方はぜひ見て(聴いて)みてくださいねo(^-^)o

この日の編成は、弦(加藤ジョーさんのグループ:64221)、フルート&ピッコロ(おっちゃん・金子奈美さん)、オーボエ(庄司知史さん)、クラリネット(山根公男さん)、ファゴット(武井さん)、トランペット(?)、トロンボーン(中川英二郎さん他)、ホルン(藤田乙比古さん他2名)、パーカッション(大石真理恵さん)、サックス(福井健太さん)、ピアノ(細田真子さん)、打ち込み(杉本洋祐さん)、指揮(中谷勝昭さん)、エンジニア(亀川 徹さん)でした。

 

 

445 映画「優雅な世界」(菅野よう子)

2007年3月3日。ビクターの301スタに行きました。おっちゃんとしては、2006年7月に行われた「ラグナロク(Ragnarok)オンライン2」という韓国のゲームの音楽録り(375番参照)以来となる菅野よう子さんとのお仕事で、今回は「優雅な世界」という韓国映画の音楽録りでした。現場では少しだけ映画の映像を見せてくれたそうですが、それを見たおっちゃんの感想としては「何か、ヤクザ映画っぽかったなあ」って感じだったので検索してみると、やっぱりヤクザ屋さんの映画でしたね〜。何でも、暴力団のメンバーであり、一家の大黒柱でもある主人公が、家族を養うために必死で生計を立てようとする日常を描いたものなんだそうです。主演はソン・ガンホさん。何だか、この視点が斬新で面白いですよね〜。現場には、韓国からのスタッフもいらしてたそうですよ♪

さて、その菅野さんの音楽ですが、全体的にはロマンティックなものが多かったそうです。このあたりも、今までの菅野さんの雰囲気とは少し違った感じなのかなあ…という気がするんですが、今回はもう1つ面白いことがあったようです。今回の多くを占めたというロマンティック系の曲の中に、いくつかテンポが揺れる曲があったんだそうです。つまり、普通スタジオでのレコーディングは「クリック」と呼ばれるメトロノームみたいなものに合わせて、時間をピッタリ合わせて演奏することが多いようなんですが、この日は先に菅野さんご自身が弾かれたというピアノに合わせての演奏となったようです。しかも、そのピアノ演奏の一部はかなりルバート(tempo rubato:テンポを自由に動かしながら演奏すること)してたそうで、それに合わせながらの演奏というのは、なかなか大変だったようです。

クリックの入ってる演奏だと、うまくいけば1発OKで録音終了なんてこともあり得るようですが、今回はこうした事情なので何度かリハを重ねてタイミングを計って、やっとOKという形になったそうです。でも、こうして大変な思いはしたものの、おっちゃんは「最近は、曲を細かく区切って、その部分ごとにクリックのテンポを変えたようなルバートが多いみたいやけど、それよりずっと自然な流れで良かったんちゃうかなあ」なんて言ってました。あ、この菅野さんが弾かれたというピアノですが、あくまでガイドという意味合いで入れられたものだそうで、最終的には消してしまうんだそうです。何か、もったいない気もしますよね(>_<)

そのほか、カルメンのハバネラのような雰囲気の曲が何曲かあって、これもまた先ほどの曲と同じようにかなりルバートしてたそうです。でも、こちらもクリックは使わずに、菅野さんの棒だけでやったそうですよ。一体どんな感じなんでしょうね〜。あ、この映画ですが、もうすでに韓国の方では公開されて大ヒットとなってるようですが、日本での公開はまだ決まってないとか…でも、こちらでサントラだけは買えるようですので、機会があれば聴いてみてくださいね。そのいう、おっちゃんたちが苦労したという曲がうまく収録されてるといいんだけどなあo(^-^)o
 
編成は、弦(加藤ジョーさんのグループ:64221)、フルート&ピッコロ(おっちゃん)、オーボエ(庄司知史さん)、クラリネット(十亀正司さん)、ファゴット(塚原さん:後入れ)、ホルン(南浩之さん他1名)、ピアノ&指揮(菅野よう子さん)という感じで、先に録られた弦にフルートとオーボエとクラリネットがダビングして、ファゴットは皆が終わってから別に録ることになっていたようです。これは、単なる音量や手順の問題だけでなくて、菅野さんならではの面白い使い方をするために別に録ったのでは…なんて思ってる私ですが、どうなんでしょう。日本での公開が待ち遠しいですねo(*^^*)o

 

 

Home  All Title  Dictionary  Guestbook  Mail  Web Clap  Back

 

inserted by FC2 system